JP2008169412A - 金属イオン濃度調整方法、金属イオン濃度調整装置及びめっき方法 - Google Patents

金属イオン濃度調整方法、金属イオン濃度調整装置及びめっき方法 Download PDF

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智紀 杉山
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Abstract

【課題】めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供すること。
【解決手段】アノード30は、その溶出がカソード40における析出より高くなる電流密度領域を有する構成とする。そして、アノード30と、カソード40との間に直流電源E0から直流電圧を印加する。これにより、めっき液20における金属イオン濃度Xn+が調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気めっき液中の金属イオン濃度を調整する方法(金属イオン濃度調整方法)、めっき液中の金属イオン濃度を調整する装置(金属イオン濃度調整装置)及びめっき方法に関する。
電気めっき技術は、小さいものでは、例えば、薄膜マイクロデバイスの導電膜形成や、積層型チップコンデンサインダクタ、チップバリスタ、NCTサーミスタ、またはチップ抵抗等の小型電子部品の端面電極形成(特許文献1、2参照)から、大きなものでは、産業機械部品の表面処理まで、極めて広範囲にわたって用いられている。
電気めっきは、周知のように、水溶液や溶融塩などの電解液中に被めっき物を浸漬し、直流の電気を通電して、液中の金属イオンを被めっき物の表面に析出させる技法である。
その電気めっき処理に当たっては、まず、被めっき物を、水を主成分とする洗浄水で洗浄し、その後、被めっき物をめっき液中に浸漬して、電気めっき処理を行う。
この電気めっき処理に付随する問題点の1つは、洗浄水で水洗いした被めっき物をめっき液中に浸漬し、その後、被めっき物をめっき液から引き上げるため、被めっき物に付着していた水分がめっき液中に混入する一方、めっき処理後に、めっき液が被めっき物に付着して持ち出されてしまうことになり、めっき処理を繰り返せば繰り返すほど、めっき液中の金属イオン濃度が低下し、めっき品質を低下させてしまうということである。
この問題点を解決する手段として、従来は、定期的に新しいめっき液を補充するか、又は、古いめっき液を棄てて、全く新しいめっき液に置換するという消極的な手段に頼るほかはなかった。しかし、このような手段をとったとしても、金属イオン濃度の低下によるめっき品質の低下は避けられないし、金属イオン濃度の管理、めっき液の補充取替えによる作業性の低下、生産コストの上昇、及び、環境汚染などの問題も生じる。
特開平8−126872号公報 特開2006−111977号公報
本発明の課題は、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、めっき液使用量を低減し、めっきコストを低減しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、高いめっき作業効率を確保しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することである。
上述した課題を達成するため、本発明は、めっき液中の金属イオン濃度を調整するに当たり、まず、アノードとカソードとをめっき液中におく。前記アノードは、その溶出が前記カソードにおける析出より高くなる電流密度領域を有する。この条件下で、前記アノードと、前記カソードとの間に直流電圧を印加する。
上述しためっき方法において、アノードの溶出がカソードにおける析出より高くなる電流密度領域で、めっき液の金属イオン濃度調整を行うと、溶出と析出との差分に相当する金属イオンが、めっき液中に残存することになる。この結果、めっき液の金属イオン濃度が上昇することになる。
好ましくは、カソードは、その電流密度(電流/面積)が、アノードの電流密度(電流/面積)より大きいもので構成する。カソードの電流密度を、アノードのものより大きくすると、溶出と析出の差が大きくなる。
具体的には、カソードの液中表面積が、アノードの液中表面積より小さくなるようにする。電流密度は、面積に反比例するため、カソードの液中表面積を、アノードの液中表面積より小さいものにすることによって、カソードの電流密度(電流/面積)を、アノードのそれより大きくすることができる。
本発明に係る金属イオン濃度調整方法は、少なくとも一回のめっき処理工程を経ためっき液に対して実行される。これにより、めっき液中の金属イオン濃度が上昇し、めっき液が所定の金属イオン濃度に調整される。従来と異なって、定期的なめっき液の補充や、めっき液の置換といった段階的な金属イオン濃度の調整ではないので、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる。
また、洗浄水で水洗いした被めっき物を、めっき液中に浸漬した場合にめっき液中に持ち込まれる水分の量と、その後、被めっき物をめっき液から引き上げたときに持ち出されるめっき液は、ほぼ同量と見ることができるから、めっき液の補充は、仮に必要となった場合でも僅かで済む。このため、めっき液使用量を低減し、めっきコストを低減しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる。
しかも、めっき液の補充や、めっき液の置換の工程が不要であるから、高いめっき作業効率を確保しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる。
本発明は、通常のめっき工程に適用できるほか、微小電子部品のめっき処理において多用されているバレルめっき工程にも適用することができる。
以上述べたように、本発明によれば、次のような作用効果が得られる。
(A)めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することができる。
(B)めっき液使用量を低減し、めっきコストを低減しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することができる。
(C)高いめっき作業効率を確保しながら、めっき液における金属イオン濃度を安定に維持しえる方法、この方法を実施するのに好適な装置、及び、これらを用いためっき方法を提供することができる。
図1は、本発明に係る金属イオン濃度調整方法及び金属イオン濃度調整装置を示す図である。液槽10内のめっき液20の金属イオンXn+の濃度を調整するに当たり、まず、アノード30とカソード40とをめっき液20中におく。
めっき処理工程では、洗浄水で水洗いした被めっき物をめっき液中に浸漬し、その後、被めっき物をめっき液から引き上げるため、被めっき物に付着していた水分がめっき液中に混入する一方、めっき処理後に、めっき液が被めっき物に付着して持ち出されてしまうことになり、めっき処理を繰り返せば繰り返すほど、めっき液中の金属イオン濃度が低下し、めっき品質を低下させてしまう。本発明はこのような場合に金属イオン濃度を元の状態に戻そうとするものある。従って、めっき液20は、通常は、少なくとも一回は、めっき処理工程に付されたものである。
めっき液20中の金属イオンXn+には、めっき液組成によるものの他、アノード30を構成する金属材料Xから溶出したものが含まれる。アノード30を構成する金属材料Xは、めっきをしようとする材料からなる。具体的には、アノード30は、Ni、Cu、Snのグループから選択されたもので構成することができる。
カソード40は、その液中表面積S1が、アノード30の液中表面積S2よりも小さくする。この場合に適切な液中表面積S1と液中表面積S2との比(S1/S2)は、例えば、1>S1/S2>0.1の範囲である。カソード40は、具体的には、Pt、Pd、Ru、Rh、Au、Fe、Co、Agのグループから選択されたもので構成することができる。
アノード30とカソード40との間には、通常のめっき方法に従って、直流電源E0から直流電圧を印加する。
上記構成において、通常のめっき析出におけるアノード反応及びカソード反応は、次の平衡条件式によって表わすことができる。
アノード反応
X→Xn++n・e- (1)
カソード反応
n++n・e-→X (2)
即ち、通常、(1)式に基づいてアノード30から溶出した金属イオンXn+が、(2)式に従って電子e-と結合し、カソード40の表面に金属Xが析出する。
上述した平衡条件に対し、本発明では、アノード30は、その溶出がカソード40における析出より高くなる電流密度領域を有する。このため、溶出と析出との差分に相当する金属イオンが、めっき液中に残存し、めっき液の金属イオン濃度が上昇することになる。アノード30の溶出と、カソード40における析出は、アノード電流密度又はカソード電流密度によってコントロールすることができる。
図2は、カソード40又はアノード30で見た電流密度と、アノード30における溶出曲線C1及びカソード40における析出曲線C2との関係を示すグラフである。横軸に電流密度をとり、縦軸に(析出/溶出)の百分率表示をとってある。
図を参照すると、電流密度がB点に至るまでは、上述した平衡条件が成立し、溶出曲線C1と、析出曲線C2とはほぼ完全に重なる。つまり、アノード30から溶出した金属イオンの量と、カソード20の表面への析出に利用された金属イオンの量が平衡している。
ところが、電流密度がB点を超えると、アノード30からの溶出が一定であるのに対し、カソード40における析出が低下する。即ち、溶出と析出との間に差を生じる。この差のために、めっき液中に、金属イオンが蓄積され、その濃度が上昇することになる。電流密度B点を臨界点にして、溶出と析出との間に差を生じる理由は、次のように推測することができる。
カソード40において、電流密度Bまでは、
n++n・e-→X (2)
で示される反応のみが起こるため、溶出に対する析出の比(析出/溶出)は100%の値を示す。ところが、電流密度がB点を超過すると、カソード40から大量に供給される電子e-が、めっき液中の水素イオンH+と優先的に結びついて、水素ガスHを発生させる。
アノード30で発生した電子(n・e-)のうち、a(aは水素発生率であり、0〜1の値をとる)が水素イオンH+と結びついて水素ガスHの発生に寄与するとすれば、次のカソード反応式が成立する。
a・n・H++a・n・e-→a・n/2・H (3)
(1-a)・n・Xn++(1-a)・n・e-→(1-a)・X (4)
上記式(1)及び(4)から、めっき液20には、
n−(1−a)・n=n・a
の量の金属イオンXn+が残存することになる。この結果めっき液20の金属イオンXn+の濃度が上昇する。なお、アノード30でも、溶出が低下する電流密度Aは存在する。しかし、電流密度Aと電流密度Bとの間で使用する限り問題ない。
次に、めっきプロセスとともに、本発明に係る金属イオン濃度調整方法について説明する。図3〜図8は、一般的な2層めっき工程を示す図で、第1洗浄工程A、第1めっき工程B、第2洗浄工程C、及び、第2めっき工程Dが順次に配列されている。
まず、図3に示すように、第1洗浄工程Aにおいて、搬送手段7によって支持された被めっき物6を、水を主成分とする洗浄水によって洗浄する。図は、液槽1内で流通する洗浄水11に被めっき物6を浸漬して洗浄するイメージとなっているが、このような洗浄方法に限定する趣旨ではない。被めっき物6に対する水噴射による洗浄方法などであってもよい。
次に、図4に図示するように、洗浄の終わった被めっき物6を、第1めっき工程Bに移し、図5に示すように、被めっき物6を、液槽2内の第1めっき液21中に浸漬し、めっき処理を行う。めっきに当たっては、めっきしようとする金属材料からなるアノード51と被めっき物6とに直流電源E1からの直流電圧を印加する。
次に、図6に図示するように、めっき処理の終わった被めっき物6を、第1めっき液21から引き上げ、図7に図示するように、第2洗浄工程Cに移し、水を主成分とする洗浄水によって洗浄する。
この後、図8に図示するように、洗浄の終わった被めっき物6を、第2めっき工程Dに移し、被めっき物6を、液槽内に収容された第2めっき液41中に浸漬し、第2めっき処理を行う。めっきに当たっては、めっきしようとする金属材料からなるアノード51と被めっき物6とに直流電源E2から直流電圧を印加し、めっき処理を行う。めっき処理後は、洗浄する。
上述しためっき処理は、被めっき物6毎に繰り返される。めっき処理工程では、洗浄水で水洗いした被めっき物をめっき液中に浸漬し、その後、被めっき物をめっき液から引き上げるため、被めっき物に付着していた水分がめっき液中に混入する一方、めっき処理後に、めっき液が被めっき物に付着して持ち出されてしまうことになり、めっき処理を繰り返せば繰り返すほど、めっき液中の金属イオン濃度が低下し、めっき品質を低下させてしまう。
そこで、めっき処理作業を何回か繰り返した後に、第1めっき液21又は第2めっき液41に対して、本発明に係る金属イオン濃度調整方法を実施する。図9は、第1めっき処理工程Bで用いられた第1めっき液21に対し、金属イオン濃度調整方法を実施する場合を示している。この場合の金属イオン濃度の調整メカニズムは、図1及び図2を参照して説明したところと異なるところはない。即ち、アノードの溶出がカソードにおける析出より高くなる電流密度領域で、めっき液の金属イオン濃度調整を行うことにより、溶出と析出との差分に相当する金属イオンを、めっき液中に残存させ、めっき液の金属イオン濃度を上昇させることができる。このようにして、金属イオン濃度調整の終わった第1めっき液21は、再び、もとのめっき処理工程に戻される。めっき槽とパイプ等で連結されている補充槽、予備槽等で、本工程を実施すると生産効率を下げることなく実施できる。
図9では、プロセスラインに配列された第1めっき液21を、金属イオン濃度調整用に準備された液槽10内に移し代え、金属イオン濃度調整用として準備されたアノード30、カソード40及び直流電源E0を利用するようになっているが、図3〜図8のプロセスラインにおいて、第1めっき液21、アノード30及び直流電源E0はそのまま用い、ただ、被めっき物6の代わりにカソード40を用いて、金属イオン濃度を調整するような手法を採用することもできる。
上述した金属イオン濃度調整により、第1めっき液21中の金属イオンXn+の濃度が上昇し、第1めっき液21が所定の金属イオンXn+の濃度に調整される。従来と異なって、定期的な第1めっき液21の補充や、置換といった段階的な金属イオンXn+の濃度調整ではないので、第1めっき液21における金属イオンXn+の濃度を安定に維持しえる。
また、水洗いした被めっき物6を、第1めっき液21中に浸漬した場合に、第1めっき液21中に持ち込まれる水分の量と、その後、被めっき物6を第1めっき液21から引き上げたとき、持ち出される第1めっき液21の量は、ほぼ同量と見ることができるから、第1めっき液21の補充が仮に必要となった場合でも僅かで済む。このため、第1めっき液21の使用量を低減し、めっきコストを低減しながら、第1めっき液21における金属イオンXn+の濃度を安定に維持しえる。
しかも、第1めっき液21の補充や、置換の工程が不要であるから、高いめっき作業効率を確保しながら、第1めっき液21における金属イオンXn+の濃度を安定に維持しえる。説明は省略するが、第2めっき液41の金属イオン濃度も同様にして調整することができる。
本発明は、通常のめっき工程に適用できるほか、微小電子部品のめっき処理において多用されているバレルめっき方法にも適用することができる。次にこの点について、図10〜図13を参照して説明する。図10〜図13は、図3〜図9に示した一連のめっき工程が実行されることを前提とし、そのめっき工程の中の第1洗浄工程A(図10)及び第1めっき工程B(図11、図12)を抜き取って個別的に示したものである。なお、第2洗浄工程C及び第2めっき工程Dについては、めっきすべき材料が異なるだけで、第1めっき液21自体は、第1洗浄工程A及び第1めっき工程Bの繰り返しとなるので、説明は省略する。
まず、図10の洗浄工程では、バレルめっき装置8を、液槽1の内部の洗浄水11を入れ、水洗いする。バレルめっき装置8は、少なくとも液槽1に浸漬させるだけの大きさを備えたバレル81を有しており、バレル81は搬送手段7によって搬送される。
バレル81は円柱ドラム形状からなり、その内部には例えば積層セラミックコンデンサなどの電子部品である被処理物6と、球状メディア83とが投入されている。またバレル81の表面には少なくとも被めっき物6より小径の孔が多数形成されており、バレル81を洗浄水に浸漬させた際、バレル81の内外で洗浄が効率よく行われるようになっている。バレル81の材質は、めっき液に対する耐食性等を確保する見地から、ポリプロピレン(PP)やアクリル樹脂等が一般的に使用される。
バレル81の中央には、バレル81を回転可能に支持する電極取付軸84が貫通するよう設けられており、この電極取付軸84の中央部分には、バレル81内の被めっき物6および球状メディア83に接触し、球状メディア83から被めっき物6への導通を図るためのカソード82が設けられている。
また電極取付軸84の両側端部には側端板85が設けられており、この側端板85の片側端部にて電極取付軸84を支持するとともに、側端板85の他方端部にて、液槽1の縁部を掛止する。側端板24は、この側端板24の端部を液槽1の縁部に掛止させた際、バレル81が洗浄水に完全に浸漬するだけの長さに設定される。
球状メディア83は、導電性を確保すればどのような構造のものであってもよい。すなわち金属製の球に限定されることもなく、例えばその表面に無電解めっきが処理されたセラミック球やプラスチック球を用いてもよく、これらはめっき処理対象となる電子部品の条件等に応じて適宜選定すればよい。
図10に示す洗浄工程では、望ましくは、バレルめっき装置8を洗浄水中で矢印R1の方向に回転させる。これにより、被めっき物6を含めて、バレルめっき装置8の全体が洗浄される。
洗浄工程の後、バレルめっき装置8は、図11に図示するように、めっき工程に付される。図11に示すめっき工程では、バレル81を第1めっき液21中で矢印R1の方向に回転させる。回転操作において、被めっき物6の導電部が、球状メディア83を介して、カソード82と電気的に導通し、アノード51から溶出した金属イオン、及び、第1めっき液21に溶存している金属イオンが被めっき物6の表面に付着し、バレルめっきが行われる。
この後、図12に示すように、バレルめっき装置8を、第1めっき液21から矢印F2で示すように引き上げ、更に、洗浄工程C及びめっき工程D(図3〜図8参照)に移す。
上述しためっき処理を繰り返せば繰り返すほど、めっき液中の金属イオン濃度が低下し、めっき品質を低下させてしまうことは前述したとおりである。
そこで、めっき処理作業を何回か繰り返した後に、第1めっき液21又は第2めっき液41に対して、本発明に係る金属イオン濃度調整方法を実施する。図13は第1めっき液21に対し、金属イオン濃度調整方法を実施する場合を示している。この場合の金属イオン濃度の調整メカニズムは、図1を参照して説明したところと異なるところはない。ここでは、被めっき物6が積層セラミックコンデンサでなり、その端子電極の形成に、本発明に係る金属イオン濃度調整方法を用いた場合について説明する。
端子電極形成工程では、第1めっき工程Bにおいて、既に付着してあるCu下地膜の上に、Ni膜をバレルめっき法によって形成し、その上に第2めっき工程Dにおいて、Sn膜をバレルめっき法によって形成することが多い。このうち、Ni膜の形成に供されるめっき液の金属イオン濃度の調整について、図13を参照して述べると、次のとおりである。即ち、アノード30のNi溶出がカソード40におけるNi析出より高くなる電流密度領域で、Ni溶出とNi析出との差分に相当するNi2+がめっき液中に残存し、めっき液中のNi2+濃度が上昇する。図13では、一般的な2価のものを例として説明する。このようにして、金属イオン濃度の調整されためっき液は、再び、もとのめっき処理工程に戻される。
本発明に係る金属イオン濃度調整方法及び金属イオン濃度調整装置を示す図である。 カソードにおける溶出曲線と、アノードにおける析出曲線を示したものである。 2層めっき工程における第1洗浄工程Aにおける処理を説明する図である。 図3に示した工程の後の工程を示す図である。 図4に示した工程の後の工程を示す図である。 図5に示した工程の後の工程を示す図である。 図6に示した工程の後の工程を示す図である。 図7に示した工程の後の工程を示す図である。 めっき処理工程における本発明に係る金属イオン濃度調整方法を示す図である。 バレルめっき法における洗浄工程を示す図である。 図10に示した工程の後の工程を示す図である。 図11に示した工程の後の工程を示す図である。 図10〜図12に示したバレルめっき法に、本発明に係る金属イオン濃度調整方法を適用した場合を説明する図である。
符号の説明
10 液槽
20 めっき液
30 アノード
40 カソード

Claims (8)

  1. めっき液中の金属イオン濃度を調整する方法であって、
    アノードとカソードとを前記めっき液中におき、
    前記アノードは、その溶出が前記カソードにおける析出より高くなる電流密度領域を有し、
    前記アノードと、前記カソードとの間に直流電源を印加する、
    工程を含む、
    方法。
  2. 請求項1に記載された調整方法であって、
    前記カソードは、その電流密度(電流/面積)が、前記アノードのそれより大きい、
    方法。
  3. 請求項2に記載された調整方法であって、
    前記カソードは、その液中表面積が、前記アノードの液中表面積より小さい、
    方法。
  4. めっき液中の金属イオン濃度を調整するステップを含むめっき方法であって、
    前記ステップは、
    アノードとカソードとを前記めっき液中に存在させ、
    前記アノードは、その溶出が前記カソードにおける析出より高くなる電流密度領域を有し、
    前記アノードと、前記カソードとの間に直流電源を印加する、
    工程を含む、めっき方法。
  5. 請求項4に記載されためっき方法であって、
    前記カソードは、その電流密度(電流/面積)が、前記アノードのそれより大きい、
    めっき方法。
  6. 請求項4又は5に記載されためっき方法であって、
    前記カソードは、その液中表面積は、前記アノードの液中表面積より小さい、
    めっき方法。
  7. 請求項4乃至6の何れかに記載されためっき方法であって、前記めっき処理工程は、水洗処理が実行された後に行われる、めっき方法。
  8. 請求項4乃至7の何れかに記載されためっき方法であって、バレルめっき工程である、めっき方法。
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