JP2008168502A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、記録動作条件により搬送される記録媒体の搬送速度が変化した場合でも記録媒体表面への紫外線の照射量を全体に満遍なくほぼ一定にすることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】搬送ロール71が回転すると、長尺状の記録媒体8は、その長手方向である副走査方向Yに搬送され、搬送される記録媒体8に対してインクジェット記録ヘッド30により紫外線硬化型インクが付着される。そして、記録媒体8に付着された紫外線硬化型インクは、まず走査型紫外線照射装置60a、60bにより紫外線が照射される。そして、記録媒体8のインクが付着した記録領域が副走査方向Yに搬送され、インクジェット記録ヘッド30に対して記録媒体8の搬送方向下流側に配置された非走査型紫外線照射装置90により記録媒体8の全幅にわたって再度紫外線が照射される。
【選択図】図1
【解決手段】搬送ロール71が回転すると、長尺状の記録媒体8は、その長手方向である副走査方向Yに搬送され、搬送される記録媒体8に対してインクジェット記録ヘッド30により紫外線硬化型インクが付着される。そして、記録媒体8に付着された紫外線硬化型インクは、まず走査型紫外線照射装置60a、60bにより紫外線が照射される。そして、記録媒体8のインクが付着した記録領域が副走査方向Yに搬送され、インクジェット記録ヘッド30に対して記録媒体8の搬送方向下流側に配置された非走査型紫外線照射装置90により記録媒体8の全幅にわたって再度紫外線が照射される。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線照射により硬化する紫外線硬化型インクが記録媒体に付着されることにより画像形成を行うインクジェット記録装置に関する。
紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することにより硬化するという性質上、インクジェット記録ヘッドから吐出され記録媒体表面に付着したインクに紫外線を照射することで、記録媒体内部への浸透又は記録媒体上での滲みが発生する前に速やかにインクを硬化させることが可能である。従って、インク受容層を形成することなく紙、布帛、木材等のインク吸収性のある記録媒体はもとより、皮革、ガラス、金属、セラミックス、フィルム等のインク吸収性の無い記録媒体上にも高品質の画像を形成することができるようになる。
インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを紫外線照射により硬化させる場合、記録媒体上に付着したインクに対し満遍なく十分な紫外線照射を行なって全体を均一に硬化させる必要がある。そのため、搬送される記録媒体の全幅にわたってライン状に紫外線照射ランプを配置して記録媒体上に付着したインクに紫外線照射したり、記録媒体の幅方向に移動させて記録動作を行なうシリアルヘッドに紫外線照射ランプを搭載して記録動作を行ないながら紫外線照射を行なうことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献2では、こうして設けられた紫外線照射ランプに遮蔽機構を設け、遮蔽物の移動制御により紫外線の強度を変化させる点が記載されている。また、特許文献3では、記録ヘッドの下流側に第1光照射装置を設けて第1光照射装置によりインクの表面を硬化させ、第1光照射装置の下流側に第2光照射装置を設けて第2光照射装置によりインクを完全に硬化させる点が記載されている。特許文献4では、2以上の紫外線照射手段を設けて、いずれかの紫外線照射手段において照射タイミング、照射強度、分光波長、照射時間のうち少なくとも1つが異なるように照射する点が記載されている。
また、特許文献5では、UV照射装置の照射位置を被記録物の搬送方向に移動させる機構を追加するなどして、インク吐出からインク硬化定着までの時間を可変とするようにした点が記載されている。また、搬送される記録媒体の全幅にわたってライン状に紫外線照射ランプを配置した場合に搬送方向の照射範囲を記録動作に合せて調整することも提案されている(特許文献6及び7参照)。
特開昭60−132767号公報
特表2005−515102号公報
特開2004−276584号公報
特開2003−191593号公報
特開2005−193597号公報
特開2004−90244号公報
特開2004−299267号公報
上述の特許文献に記載されているように、紫外線照射ランプをヘッドに搭載して吐出したインクの紫外線硬化を行う場合には、キャリッジの走査速度が速いと紫外線照射量が不足するおそれがある。そのため、必要な照射量を確保するには、紫外線照射装置を大型化して照射量を大きくすることが考えられるが、紫外線照射装置を大型化するとそれを搭載するキャリッジも大きくしなければならない。しかしながら、キャリッジの走査制御を行う上でキャリッジを大きくすることには限界がある。
搬送される記録媒体の全幅にわたってライン状に紫外線照射ランプを配置すれば、十分な紫外線照射量を得ることができるが、記録媒体の搬送動作が一定速度で行なわれていない場合(搬送開始時や搬送停止時等)に紫外線照射を継続すると紫外線の照射量が不均一となることは避けられない。
また、紫外線照射ランプの照射位置や照射範囲を記録動作に合せて調整する場合にも記録媒体の搬送速度が変化するとそれに対応して紫外線の照射量が均一となるように調整することは難しい。
また、上述した先行文献にも記載されているように、記録媒体に必要以上に紫外線を照射すると加熱により記録媒体が変質したり、記録装置の故障や作業性の低下につながるといった悪影響を及ぼすようになるため、照射が必要な場合のみランプを点灯したり、遮蔽部材を設けて照射が必要でない期間に紫外線を遮蔽するようにしているが、そうした照射開始時及び照射停止時において記録媒体に照射される紫外線の照射強度が変化するため、不均一に照射される部分が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、記録動作条件により搬送される記録媒体の搬送速度が変化した場合でも、記録媒体に対し局所的な紫外線照射を継続することによる過熱を防止し、記録媒体表面全体に十分な紫外線照射量を満遍なくほぼ一定に照射することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係るインクジェット記録装置は、記録媒体に向かって紫外線硬化型インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにより主走査方向に記録する記録手段と、前記記録媒体を副走査方向に搬送する搬送手段を備えたインクジェット記録装置において、前記記録手段に対して前記記録媒体の搬送方向下流側において主走査方向に配列されるとともに前記記録媒体に付着したインクに紫外線を照射する非走査型紫外線照射手段と、前記搬送手段の搬送開始時点又は搬送開始直前に前記非走査型紫外線照射手段から前記記録媒体表面への紫外線照射を開始させ、搬送停止時点又は搬送停止直後に前記非走査型紫外線照射手段から前記記録媒体表面への紫外線照射を停止させる照射制御手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記照射制御手段は、前記搬送手段の搬送速度の変化に対応して前記非走査型紫外線照射手段の照射強度を調整して前記記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御することを特徴とする。さらに、前記非走査型紫外線照射手段の照射強度の変化に対応して前記搬送手段の搬送速度を調整して前記記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御する搬送制御手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記記録手段は、走査型紫外線照射手段を備えており、前記照射制御手段は、前記走査型紫外線照射手段による前記記録媒体表面への照射量に対応して前記非走査型紫外線照射手段による前記記録媒体表面への照射量を調整することを特徴とする。さらに、前記非走査型紫外線照射手段は、前記記録媒体表面に紫外線を照射しないように遮光する遮光機構を備えていることを特徴とする。さらに、前記非走査型紫外線照射手段は、紫外線ランプと、紫外線ランプから放射される紫外線を集光して前記記録媒体表面に照射させる反射体とを備えていることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録装置は、上記のような構成を有することで、記録媒体の搬送動作中に前記記録媒体表面に紫外線を照射させるので、記録動作中に記録媒体の搬送が停止している場合に同じ場所に紫外線照射が継続することがなく記録媒体が過熱することを防止できる。そして、搬送手段の搬送開始時点又は搬送開始直前に非走査型紫外線照射手段から記録媒体表面への紫外線照射を開始させ、搬送停止時点又は搬送停止直後に非走査型紫外線照射手段から記録媒体表面への紫外線照射を停止させるように制御することで、記録媒体の搬送動作にきめ細かく対応してムラのない紫外線照射を行なうことができ、高速で生産性の高いインクジェット記録装置を得ることができる。特に、高速の搬送動作では、搬送動作の開始及び停止の際に記録媒体が急激に変動するようになるが、搬送開始直前から紫外線照射を開始し、搬送停止直後に紫外線照射を停止するようにすれば、搬送動作の開始時及び停止時においても照射ムラが生じることがなくなる。
また、搬送手段の搬送速度の変化に対応して非走査型紫外線照射手段の照射強度を調整して記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御することで、記録媒体が加速又は減速して搬送されるといった搬送速度が変化する場合にもそれに対応して非走査型紫外線照射手段の照射強度を調整して記録媒体の表面全体にほぼ一定の照射量を付与することが可能となり、照射ムラを抑えることができる。
記録媒体を搬送する場合、搬送開始直後では搬送速度の加速期間があり、搬送終了前には搬送速度の減速期間があるが、加速期間と減速期間との間の定速期間の搬送速度に合せて紫外線の照射強度を設定しておくと、搬送速度が変化する期間では記録媒体表面への紫外線の照射量が定速期間と比較して異なったものとなり、全体として照射量が不均一となる。そのため、こうした搬送速度の変化に対応して紫外線の照射強度を調整してほぼ一定の照射量が付与されるようにすれば、記録媒体表面全体に均一に紫外線を照射することが可能となる。
また、非走査型紫外線照射手段の照射強度の変化に対応して搬送手段の搬送速度を調整して記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御することで、非走査型紫外線照射手段の照射開始時及び照射終了時において照射強度が変化する場合でも記録媒体の搬送速度を調整して照射量をほぼ一定にすることができる。
また、記録手段に走査型紫外線照射手段を設け、走査型紫外線照射手段による記録媒体表面への照射量に対応して非走査型紫外線照射手段による記録媒体表面への照射量を調整するようにすれば、記録手段により記録媒体表面にインクが付着した直後に走査型紫外線照射手段によりインクをある程度硬化させてインクの滲みを防止し、その後非走査型紫外線照射手段により記録媒体表面全体に紫外線を均一に照射することで、表面全体のインクを満遍なく硬化させることができる。そして、走査型紫外線照射手段による照射量に応じて非走査型紫外線照射手段の照射量を調整することで、必要以上の紫外線を記録媒体に照射することが防止され、紫外線に対して影響を受けやすい合成繊維を用いた布帛に対しても布帛を傷めることなく安定した記録動作を行なうことができる。また、走査型紫外線照射手段及び非走査型紫外線照射手段の両方を備えることで、走査型紫外線照射手段によりインクを完全に硬化させる必要がないため、走査型紫外線照射手段を大型化しなくてもよく、記録手段の大型化を防止できる。
さらに、非走査型紫外線照射手段に、記録媒体表面に紫外線を照射しないように遮光する遮光機構を備えていることで、紫外線の照射が必要でないときは遮光機構により遮光でき、必要以上の紫外線を記録媒体に照射することを防止することが可能となる。
さらに、非走査型紫外線照射手段は、紫外線ランプと、紫外線ランプから放射される紫外線を集光して記録媒体表面に照射させる反射体とを備えていることで、紫外線ランプから放射される紫外線を効率よく記録媒体に照射させることができる。
なお、非走査型紫外線照射手段は、記録ヘッドとともに移動して紫外線照射を行う走査型紫外線照射手段とは異なり、静置された状態で紫外線照射を行う手段である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態を示す紫外線硬化型インクジェット記録装置の全体斜視図である。記録媒体搬送機構70は、記録媒体8を支持する無端ベルトからなり、搬送ロール71により回転駆動される。搬送ロール71が回転すると、長尺状の記録媒体8は、その長手方向である副走査方向Yに搬送され、搬送される記録媒体8に対してインクジェット記録ヘッド30により紫外線硬化型インクが付着される。そして、記録媒体8に付着された紫外線硬化型インクは、まず走査型紫外線照射装置60a、60bにより紫外線が照射される。そして、記録媒体8のインクが付着した記録領域が副走査方向Yに搬送され、インクジェット記録ヘッド30に対して記録媒体8の搬送方向下流側に配置された非走査型紫外線照射装置90により記録媒体8の全幅にわたって再度紫外線が照射される。
インクジェット記録ヘッド30は、ガイドレール43によって支持されたキャリッジ40上に位置決め固定されており、キャリッジ40はキャリッジモーター41の駆動によりタイミングベルト42を介して記録媒体8上を主走査方向(横切る方向X1、X2)に往復移動するようになっている。画像信号に応答して、キャリッジ40を主走査方向X1、X2へ移動するとともに、図示されない外部駆動制御手段から駆動信号がフレキシブルケーブル5を介してインクジェット記録ヘッド30に入力されて、紫外線硬化型インクが記録媒体8表面に向けて吐出される。
走査型紫外線照射装置60a及び60bは、図2に示すように、それぞれ筐体内部に配置されたランプ61a及び61bを上部から覆うようにドーム状の反射体62a及び62bが設けられており、ランプ61a及び61bから放射された紫外線が反射体62a及び62bにより反射されて集光され下方の開口から記録媒体8に照射される。
走査型紫外線照射装置60a及び60bは、インクジェット記録ヘッド30の両側に配置されてキャリッジ40上に位置決め固定されており、インクジェット記録ヘッド30が主走査方向に移動しながらインク吐出を行ない記録媒体8表面に付着したインクに対して順次紫外線を照射するようになっている。そして、走査型紫外線照射装置60a及び60bは、インクジェット記録ヘッド30から記録媒体へ吐出された紫外線硬化型インクに対し主走査方向の往路及び復路のいずれにおいても速やかに紫外線が照射されるよう、インクジェット記録ヘッド30を挟むように設置されている。
主走査方向にキャリッジ40を移動させて所定の走査ラインをインクジェット記録ヘッド30で記録動作を行なった後、記録媒体8を副走査方向Yへ搬送するように移動制御する。以上の記録動作を順次繰り返すことにより、記録媒体8に対し画像形成が行なわれる。
非走査型紫外線照射装置90は、主走査方向に配列されて記録媒体8の全幅にわたって紫外線を照射するようになっており、記録動作に伴い記録媒体8が副走査方向Yへ搬送制御されることで、記録媒体8の記録領域が非走査型紫外線照射装置90の下方を通過して紫外線が照射されるようになる。
図3は、非走査型紫外線照射装置90を主走査方向から見た図である。非走査型紫外線照射装置90は、下方が開口した筐体内部に、主走査方向に沿ってランプ92が設けられており、ランプ92を上部から覆うようにコールドミラー91からなる集光型反射板が主走査方向に配設されている。ランプ92から放射される紫外線は、コールドミラー91の内周面で下方に向かって反射されて集光されるようになっており、集光された紫外線は、筐体の開口を通過して記録媒体8の表面に主走査方向に沿ったライン状に照射される。集光された紫外線は、0.5〜1W/cm2の照射強度で記録媒体8に照射するのが好ましい。集光し照射強度を高めて紫外線を記録媒体表面のインクに照射することで、短い照射時間で硬化に必要な照射量を得ることができる。
また、非走査型紫外線照射装置90の下方の開口には、照射時に記録媒体8及び記録媒体搬送機構70のオーバーヒートを防止するため、熱線カットフィルタ94が開口を覆うように設けられており、熱線カットフィルタ94の上方には、紫外線の照射を遮光するシャッタ機構93が設けられている。また、非走査型紫外線照射装置90の上部には、装置内部を冷却するために、図示せぬ外部の排気ブロアに接続する排気口95が形成されている。
シャッタ機構93は、2枚の遮光板93a及び93bが開口の両側に回動可能に設けられており、図示せぬ駆動機構により遮光板93a及び93bを実線で示す退避位置に回動させて開口から紫外線を通過可能とし、点線で示す遮光位置に回動させて開口を閉鎖して紫外線を遮光する。
シャッタ機構については、紫外線を遮光する構成であればよく、図3に示す構成に限定されない。例えば、図4(a)に示すように、遮光板93a’及び93b’を上下動させて反射板と兼用するようにしてもよい。この場合には、点線で示す遮光位置から実線で示す位置に遮光板93a’及び93b’を位置決めすることで、反射板として用いることができる。また、図4(b)に示すように、遮光板96を開口の下方にスライドして移動させるように構成して紫外線を遮光することもできる。
インクジェット記録ヘッド30により吐出された直後に走査型紫外線照射装置でインクに紫外線照射を行ないながら主走査方向の記録動作を行なった後、記録された走査領域を非走査型紫外線照射装置90に対向する位置まで記録媒体を搬送して非走査型紫外線照射装置90により紫外線照射を行なうことで、それぞれの紫外線照射について波長、出力、コストの面で最適なランプを用いることができる。例えば、走査型紫外線照射装置60a及び60bには、表面硬化性に優れた短波長の高出力ランプ(例;水銀ランプ)を使用し、非走査型紫外線照射装置90には、内部硬化性に優れた長波長の高出力ランプ(例;メタルハライドランプ)を使用する。このように2回に分けて紫外線照射を行なうことで無駄なく効率のよい紫外線照射処理をすることができる。
走査型紫外線照射装置60a及び60bを使用することで、記録媒体8の表面に付着したインクの外面を硬化させて滲みなどを防止する。走査型紫外線照射装置60a及び60bではインクを完全硬化させる必要がないため、低出力化、小型化、軽量化を図ることができる。走査型紫外線照射装置60a及び60bはインクジェット記録ヘッド30に近接して配置されているため記録媒体表面から反射した紫外線がヘッド面にも照射されるが、低出力化によりヘッド面に与える紫外線の影響を抑えることができる。また、軽量化によりキャリッジの搭載重量を小さくでき、小型化により走査型紫外線照射装置の空冷冷却が容易になる。
非走査型紫外線照射装置90を使用することで、インクの内部まで完全に硬化させて付着強度を向上させることができる。濃色インクを使用したり、インク塗布量が増加した場合にインクの硬化が不十分となるおそれがあるが、非走査型紫外線照射装置90を照射制御して最適な照射量を与えることが容易に行なえる。また、インクドットのひび割れ、密着性不良等を発生させるインクドットの内部ストレスを低下させるには、ある程度の照射時間を確保することが有効であるが、非走査型紫外線照射装置90により照射時間の調整も可能となる。
走査型紫外線照射装置60a及び60bは、照射強度を0.5W/cm2以上、好ましくは0.7〜1.0W/cm2に設定し、同一領域への照射時間を0.02秒以上、好ましくは0.02〜0.2秒に設定するとよい。また、非走査型紫外線照射装置90は、照射強度を0.5W/cm2以上、好ましくは0.7〜1.0W/cm2に設定し、同一領域への照射時間を0.2秒以上、好ましくは0.2〜0.4秒に設定するとよい。
また、非走査型紫外線照射装置90で照射する照射量を、記録条件より求めた最適な総照射量から、走査型紫外線照射装置60a及び60bで照射する照射量を差し引いた照射量に設定することで、効率よく紫外線照射を行うことが可能となり、無駄な消費電力を抑えることができる。走査型紫外線照射装置60a及び60bでは、照射量が記録動作により左右されて不十分な照射量となる場合があるが、非走査型紫外線照射装置90でその分を補うことも可能で、複数の紫外線照射装置を設置することで、ランプ劣化による照射量のバラツキが生じてもその影響を小さくすることができる。
インクジェット記録に用いる紫外線硬化型インクの硬化特性としては、室内灯からの微量な紫外線や、紫外線照射装置から漏れる微量な紫外線では硬化せず、紫外線照射装置から直接照射される照射強度により硬化する程度の硬化特性をもつインクが最適である。
走査型紫外線照射装置のみで硬化させる場合には、紫外線照射量が少なくなるためインクの硬化特性を上げて少ない照射量でも硬化するようにする必要があり、そのためインクを取り扱う上で紫外線に照射されないようにするための制約があるが、非走査型紫外線照射装置を設けることで、インクの硬化特性を上げなくても必要な照射量を十分得ることができるようになるため、インクの硬化特性の選択の幅が拡がり、取り扱う上での制約もなくなる。
図5は、本実施形態に関するインクジェット記録装置のブロック構成図である。制御部100は、装置全体の制御を行い、記録制御部100a、移動制御部100b、搬送制御部100c及び照射制御部100dを備えている。そして、インクジェット記録装置は、記録データを作成してインクジェット記録装置に送信するPC101、装置制御のための条件及び各種制御部の操作などの入力を行う入力部102及び装置制御を行うためのデータを記憶するメモリ103を備えている。
記録制御部100aは、PC101から送信された記録データに基づいて記録信号をインクジェット記録ヘッド30に送信してインク吐出動作を行なう。移動制御部100bは、インクジェット記録ヘッド30の記録動作に連動してキャリッジ機構40を主走査方向に移動制御して所定の記録位置にインクを付着させて記録動作が行なわれる。
搬送制御部100cは、インクジェット記録ヘッド30により主走査方向の走査ラインに記録動作が行なわれると、搬送機構70を制御して記録媒体8を副走査方向に所定長さだけ搬送する。その際に、後述するように、非走査型紫外線照射装置90の照射強度に合わせて搬送速度を制御することもできる。
照射制御部100dは、走査型紫外線照射装置60a及び60bのランプ61a及び61bの照射制御を行い、非走査型紫外線照射装置90のランプ92の照射制御を行うとともにシャッタ機構93(図4(b)の場合は遮光板96、以下同様)の開閉制御を行う。
シャッタ機構93の開閉制御は、記録媒体8の搬送制御に連動して行われる。記録媒体8が搬送開始時にシャッタ機構93が開き、搬送停止時にシャッタ機構93が閉じられる。すなわち、インクジェット記録ヘッド30による主走査方向の記録動作中には搬送機構70が停止されているため、非走査型紫外線照射装置90からの照射により記録媒体8や搬送機構70の無端ベルトがオーバーヒートしないように、搬送停止時にはシャッタ機構93により非走査型紫外線照射装置90の開口を閉鎖して遮光し、記録媒体の搬送動作中にのみシャッタ機構93を開いて記録媒体に照射するように開閉制御する。そして、シャッタ機構93の開閉により記録媒体8の搬送動作中のみ照射することができるので、ランプ92を消灯する必要がなくランプ92の寿命を延ばすことができる。
記録動作に対応した最適の照射量が予めメモリ103に記憶されており、照射制御部100dは、記録動作に応じて最適の照射量を読み出してランプ92の照射強度を制御する。ランプ92の照射強度は、入力部102から入力して設定するようにしてもよい。また、シャッタ機構93による遮光時には、非走査型紫外線照射装置90内の加熱及び消費電力を抑えるために、自動的に定格照射強度の50%まで下げるように制御してもよい。また、紫外線測定器からの測定結果に基づいてランプ92の照射強度を補正するように制御してもよい。
図6及び図7は、記録媒体の搬送速度、紫外線の照射強度及びシャッタ機構の開閉動作の関係を示すタイムチャートである。搬送速度は、定速期間の速度を100%として、速度変化を百分率で示している。照射強度は、搬送速度の定速期間の速度に対応した照射強度を100%として、強度変化を百分率で示している。
図6に示す例では、搬送速度の変化率(加速及び減速する場合の変化率)が、照射強度の最大変化率(最も短時間で上昇及び減少させる場合の変化率)よりも小さい場合である。そのため、搬送速度の変化に合せて照射強度の変化率を小さくして紫外線の照射量をできるだけ均一となるようにする。
記録媒体の搬送動作は、時刻t00で搬送が開始され時刻t01まで加速され、時刻t01から速度が一定となって時刻t02までが定速とされる。そして、時刻t02から減速されて時刻t03で搬送停止となる。
紫外線の照射強度は、シャッタが閉じた状態でも50%に設定されている。搬送開始時刻t00にシャッタが開いて紫外線照射が開始され、照射強度はそのまま50%に維持される。そして、搬送速度が50%に到達する時刻T01から搬送速度の変化に合せて照射強度が上昇する。この場合、搬送速度が50%に到達するまでは照射強度が50%で一定となっているが、インクの硬化にはある程度の照射強度が必要となるため、搬送速度が低速の場合にはこうした照射制御を行う。
時刻t01から時刻t02までは搬送速度が100%で定速となっているため照射強度も100%に設定して必要な紫外線照射が行われる。時刻t02から搬送速度の減速に合せて照射強度を減少させ、搬送速度が50%まで減速した時刻T02から照射強度を50%に維持するように照射制御する。そして、搬送停止時刻t03でシャッタが閉じられ、紫外線照射が停止される。この場合も、搬送速度の加速と同様に、搬送速度が低速になっても所定の照射強度を維持してインクの硬化を支障なく行うことができる。
図7に示す例では、搬送速度の変化率が、照射強度の最大変化率(最も短時間で上昇及び減少させる場合の変化率)よりも大きい場合である。そのため、搬送速度の変化に合せて予め照射強度を大きくして紫外線の照射量をできるだけ均一となるようにする。
記録媒体の搬送動作は、時刻t10で搬送が開始され短時間で定速に設定される。そして、所定時間経過後短時間で減速され時刻t11で搬送停止される。
紫外線の照射強度は、シャッタが閉じた状態でも50%に設定されている。搬送開始時刻t10よりも前の時刻T10に紫外線強度の上昇を開始する。そして、搬送開始時刻t10の直前の時刻T11にシャッタが開いて紫外線照射が開始され、その時点で照射強度は100%に到達する。すなわち、時刻T11に照射強度が100%となるように時刻T10を設定すればよい。
また、紫外線強度は搬送停止時刻t11に減少させるとともにその直後の時刻T12にシャッタを閉じて紫外線照射を停止する。そして、紫外線強度は時刻T13に50%に戻り、そのまま維持される。
この場合には、搬送速度が高速で加速又は減速する際に、確実に紫外線照射を行うために搬送開始直前に紫外線照射を開始して搬送停止直後に紫外線照射を停止するようにしている。そして、紫外線照射の開始時までに紫外線強度が100%に到達するように開始前から予め上昇させるようにしている。
図6及び図7では、搬送速度の変化に合せて紫外線強度を変化させるように照射制御しているが、紫外線強度の変化に合せて搬送速度を変化させるように搬送制御するようにしてもよい。その場合には、図6に示す例で、紫外線強度の上昇及び減少の変化に合せて搬送速度を変化させるようにすればよく、そのタイムチャートは図6と同様に設定される。
30 インクジェット記録ヘッド
40 キャリッジ
41 キャリッジモーター
42 タイミングベルト
43 ガイドレール
5 フレキシブルケーブル
60a 走査型紫外線照射装置
60b 走査型紫外線照射装置
70 記録媒体搬送機構
71 搬送ロール
8 記録媒体
90 非走査型紫外線照射装置
91 コールドミラー
92 ランプ
93 シャッタ機構
40 キャリッジ
41 キャリッジモーター
42 タイミングベルト
43 ガイドレール
5 フレキシブルケーブル
60a 走査型紫外線照射装置
60b 走査型紫外線照射装置
70 記録媒体搬送機構
71 搬送ロール
8 記録媒体
90 非走査型紫外線照射装置
91 コールドミラー
92 ランプ
93 シャッタ機構
Claims (6)
- 記録媒体に向かって紫外線硬化型インクを吐出するインクジェット記録ヘッドにより主走査方向に記録する記録手段と、前記記録媒体を副走査方向に搬送する搬送手段を備えたインクジェット記録装置において、前記記録手段に対して前記記録媒体の搬送方向下流側において主走査方向に配列されるとともに前記記録媒体に付着したインクに紫外線を照射する非走査型紫外線照射手段と、前記搬送手段の搬送開始時点又は搬送開始直前に前記非走査型紫外線照射手段から前記記録媒体表面への紫外線照射を開始させ、搬送停止時点又は搬送停止直後に前記非走査型紫外線照射手段から前記記録媒体表面への紫外線照射を停止させる照射制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記照射制御手段は、前記搬送手段の搬送速度の変化に対応して前記非走査型紫外線照射手段の照射強度を調整して前記記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記非走査型紫外線照射手段の照射強度の変化に対応して前記搬送手段の搬送速度を調整して前記記録媒体表面への照射量をほぼ一定にするように制御する搬送制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録手段は、走査型紫外線照射手段を備えており、前記照射制御手段は、前記走査型紫外線照射手段による前記記録媒体表面への照射量に対応して前記非走査型紫外線照射手段による前記記録媒体表面への照射量を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記非走査型紫外線照射手段は、前記記録媒体表面に紫外線を照射しないように遮光する遮光機構を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記非走査型紫外線照射手段は、紫外線ランプと、紫外線ランプから放射される紫外線を集光して前記記録媒体表面に照射させる反射体とを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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- 2007-01-11 JP JP2007003555A patent/JP2008168502A/ja active Pending
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