JP2008167062A - 歪曲補正方法、歪曲補正装置、歪曲補正プログラム、及びディジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の歪曲補正方法は、光学系が画像に与える歪曲パターンと、その光学系のレンズポジションとの関係を既知とする準備手順と、画像の撮影時に前記光学系から実測されたレンズポジションのデータを取得する取得手順(S7)と、前記取得したデータを前記既知とされた関係へ当てはめることにより、前記光学系で撮影された画像の歪曲パターンを推測し、その歪曲パターンを抑えるための歪曲補正を前記画像へ施す補正手順(S8,S9)と、前記当てはめるべきデータの値をその周辺値に調節しながら前記補正手順を複数回実行する繰り返し手順(S10,S11,S8,S9,S10)と、前記繰り返し手順で得られた複数の補正画像をユーザへ提示し(S9)、その中の1つをそのユーザに選択させる選択手順(S12)とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図9
Description
したがって、画像処理ソフトウエアによる歪曲補正では、モニタ上に被補正画像を表示し、ユーザが手動で補正量分布(以下「歪曲補正パターン」という。)を調節しながら最適な歪曲補正パターンを見出す必要がある(特許文献1,特許文献2等を参照)。
したがって、熟練したユーザであっても最適な歪曲補正パターンを見出すまでに時間が掛かり、不慣れなユーザに至っては最終的に最適な歪曲補正パターンを見出せないことも多い。
また、前記光学系のレンズポジションとは、前記光学系の焦点位置と焦点距離との少なくとも一方のことであることが望ましい。
また、前記選択手順では、前記一部の領域を前記ユーザに指定させてもよい。
また、本発明の歪曲補正装置は、光学系が画像に与える歪曲パターンと、その光学系のレンズポジションとの関係を既知とする準備手段と、画像の撮影時に前記光学系から実測されたレンズポジションのデータを取得する取得手段と、前記取得したデータを前記既知とされた関係へ当てはめることにより、前記光学系で撮影された画像の歪曲パターンを推測し、その歪曲パターンを抑えるための歪曲補正を前記画像へ施す補正手段と、前記当てはめるべきデータの値をその周辺値に調節しながら前記補正手段を複数回動作させる繰り返し手段と、前記繰り返し手段が得た複数の補正画像をユーザへ提示し、その中の1つをそのユーザに選択させる選択手段とを備えたことを特徴とする。
また、前記光学系のレンズポジションとは、前記光学系の焦点位置と焦点距離との少なくとも一方のことであることが望ましい。
また、前記選択手段は、前記一部の領域を前記ユーザに指定させてもよい。
また、本発明の歪曲補正プログラムは、本発明の何れかの歪曲補正方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、カメラシステムの実施形態である。
先ず、本システムの構成を説明する。
図1は、本システムの構成図である。図1に示すとおり、本システムは、交換レンズ11とカメラ本体10とからなる。
次に、ROM11Bに格納された誤差範囲情報を説明する。
通常、撮影レンズ11Lに設定される焦点位置dの真値は連続的である。それに対し、焦点位置データ”d”、つまり焦点位置dの読みは、0.3m,0.5m,1m,…などと不連続な値を採る。このため、焦点位置データ”d”には、測定誤差が含まれている可能性がある。この焦点位置データ”d”の誤差範囲(真値の範囲)を示すのが、焦点位置データ”d”の誤差範囲情報である。
また、通常、撮影レンズ11Lに設定される焦点距離fの真値は連続的である。それに対し、焦点距距離データ”f”、つまり焦点距離fの読みは10.5mm,12mm,…などと不連続な値を採る。このため、焦点距離データ”f”には、測定誤差が含まれている可能性がある。この焦点距離データ”f”の誤差範囲(真値の範囲)を示すのが、焦点距離データ”f”の誤差範囲情報である。
次に、ROM11Bに格納された係数情報を説明する。
通常、撮影レンズ11Lが画像に与える歪曲量Dは、図3に示すとおり像高比r(=像高/最大像高)の関数D(r)で表される。この関数D(r)が歪曲パターンを示す。歪曲パターンD(r)は、例えば式(1)で表される。
なお、式(1)〜(4)は、カメラCPU10Aによって予め記憶される。カメラCPU10Aには、式(1)〜(4)が別々に記憶されても、式(2)〜(4)を式(1)へ代入してできる式が1つだけ記憶されてもどちらでもよい。また、ここでは係数の個数が36であるが、式(1)におけるrの項数と、式(2)〜(4)におけるdの項数と、fの項数との組み合わせにより、36以外の個数になることもある。
カメラCPU10Aが交換レンズ11から係数情報(36個の係数の値)を読み出し、それを式(1)〜(4)へ当てはめれば、画像に生じる歪曲パターンD(r)と、撮影レンズ11Lのレンズポジション(d,f)との関係式D(r)=D(r,d,f)が得られる。
但し、前述したとおり、焦点位置データ”d”,焦点距離データ”f”の各々には測定誤差が含まれている可能性があるので、この推測では推測誤差が生じ得る。
図5(a)は、焦点距離fの真値が焦点距離fの読みと一致していたときの歪曲パターンであり、図5(b),(c)は、焦点距離fの真値が誤差範囲の両端に一致していたときの歪曲パターンである。
なお、図5に示した歪曲収差データは、或る撮影レンズの広角側のレンズポジションにおける歪曲収差データである。同じ撮影レンズの望遠側における歪曲収差データは、図6に示すとおりである。図6によると、望遠側においても大きな推測誤差が生じ得ることがわかる。
次に、カメラ本体10が撮影モードにあるときのカメラCPU10Aの動作を説明する。
このタイミングでカメラCPU10Aは、焦点位置データ”d”、焦点距離データ”f”、誤差範囲情報、係数情報を交換レンズ11から読み出す(ステップS3)。
以上のステップS2〜S5の処理は、撮影指示が入力される度(ステップS1YESとなる度)に実行される。よって、撮影モード中に撮影指示が複数回入力されると複数の画像が取得され、それら画像の各々には、図8に示すとおり、その画像の撮影に使用された交換レンズ11に附随する36個の係数、その撮影時における交換レンズ11の焦点位置データ”d”、その撮影時における交換レンズ11の焦点距離データ”f”、焦点位置データ”d”の誤差範囲、その焦点距離データ”f”の誤差範囲の各情報が付加される。
図9は、カメラ本体10が再生モードから歪曲補正モードへ移行したときのカメラCPU10Aの動作フローチャートである。図9に示すとおり、背面モニタ17に或る画像が再生表示されているときにカメラ本体10が歪曲補正モードへ移行すると、カメラCPU10Aは、その画像(以下、「被補正画像」という。)の画像ファイルを参照し、その被補正画像に付加された36個の係数、焦点位置データ”d”、焦点距離データ”f”、焦点位置データ”d”の誤差範囲、焦点距離データ”f”の誤差範囲をそれぞれ認識する(ステップS7)。
背面モニタ17にはプレビュー画面が表示される。プレビュー画面の一部の表示領域61には仮補正後の被補正画像が配置され、他の領域には調節バー63,調節バー64,本補正ボタン65などのGUI画像が配置される。
例えば、ユーザはマルチセレクタ18Bを上下左右へ操作することにより、プレビュー画面上のカーソルを、調節バー63,64,本補正ボタン65の間でジャンプさせる。図9では、カーソルが調節バー63に位置している様子を示した。
また、カーソルが調節バー64に位置しているときにユーザがコマンドダイアル18Aを操作すると、調節バー64をその可動範囲内でシフトさせ、焦点位置データ”d”の調節指示及びその調節量をカメラCPU10Aへ入力することができる。
2回目のステップS8では、カメラCPU10Aは、調節後の焦点距離データ”f”,調節後の焦点位置データ”d”を使用して改めて歪曲補正パターンD’(r)を取得する。次のステップS9では、カメラCPU10Aは、取得した歪曲補正パターンD’(r)を使用して被補正画像(仮補正前の被補正画像である。)へ仮補正を施し、背面モニタ17へプレビュー画面を表示する。
このループは高速に行われるので、プレビュー画面上では、調節バー63,64のシフトに伴い、表示領域61に表示された被補正画像の歪曲パターンがリアルタイムで変化する。したがってユーザは、表示された被補正画像に満足するまで調節バー63,64を少しずつシフトさせればよい。
カメラCPU10Aは、本補正の指示が入力されると(ステップS12YES)、直前の仮補正で使用した歪曲補正パターンD’(r)で被補正画像へ本番の歪曲補正(本補正)を施し、本補正後の画像の画像ファイルを新たに作成すると、それをカードメモリ16へ保存する(ステップS13)。ここで「本補正」とは、保存用の被補正画像に対する歪曲補正のことを指す。
したがって、本システムによれば、ユーザの手間を軽減しながらも高精度に歪曲補正を行うことができる。
また、本システムでは、調節バー63のシフト量が、歪曲補正パターンの調節量ではなく、焦点距離データ”f”の調節量に対応する。このため、調節バー63が左から右へとシフトしたときに、或る画像の歪曲補正パターンは樽型から糸巻き型へ変動したとしても、別の画像の歪曲補正パターンは糸巻き型から樽型へ変動する可能性がある。このように、画像によって歪曲補正パターンの変動方向が反転すると、ユーザが戸惑う可能性がある。よって、本システムのカメラCPU10Aは、画像に依らず歪曲補正パターンの変動方向が一致するように、調節バー63のシフト方向と焦点距離データ”f”の調節方向との関係を、画像に依って適宜反転させることが望ましい。なお、反転の必要性の有無は、ステップS9で取得した関係式D(r)=D(r,d,f)の内容から、カメラCPU10Aが画像毎に判別すればよい。
また、前述した式(1)〜(4)は、必要に応じて変更してもよい。因みに、撮影レンズが発生させる歪曲パターンが複雑であるほど式(1)の項数を多くする必要性が高くなる。
また、本システムの誤差範囲情報(図2)は、焦点位置データ”d”の誤差範囲を絶対値で(0.3m〜0.35m)などと表しているが、相対値で(0m〜+0.5m)などと表してもよい。
[第1変形例]
なお、第1実施形態で説明した歪曲補正モードは、被補正画像の歪曲パターンを完全にゼロとするための歪曲補正モードであるが、ユーザが所望した場合に特定の歪曲パターンを被補正画像へ付与できるよう、図9に示す動作フローチャートを図11に示すとおりに変形してもよい。図11の点線部が変形箇所である。
カメラCPU10Aは、本補正の指示が入力されると(ステップS25YES)、直前の仮補正で使用した歪曲補正パターンD’(r)で被補正画像へ本補正を施してから、さらに、直前の仮付与で使用した歪曲パターンをその被補正画像へ本付与すると、その被補正画像の画像ファイルを新たに作成し、それをカードメモリ16へ保存する(ステップS13’)。なお「本付与」とは、保存用の被補正画像に対する付与のことを指す。
[第2変形例]
また、第1実施形態で説明したプレビュー画面では、表示領域61に被補正画像の全体が表示されたが、ユーザが被補正画像の一部を拡大表示できるように変形してもよい。
なお、この場合は、カメラCPU10Aによる仮補正の対象は、被補正画像の全体ではなく、表示中の部分画像のみに制限してもよい。
[その他]
なお、本システムでは、カメラCPU10Aの動作の一部を、カメラCPU10Aとは別にカメラ本体10へ備えられた専用の回路に行わせてもよい。
因みに、コンピュータのCPUにその動作フローチャートの一部又は全部を実行させる場合、それを実行させるためのプログラム(歪曲補正プログラム)が、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットを介してコンピュータへインストールされる。
Claims (12)
- 光学系が画像に与える歪曲パターンと、その光学系のレンズポジションとの関係を既知とする準備手順と、
画像の撮影時に前記光学系から実測されたレンズポジションのデータを取得する取得手順と、
前記取得したデータを前記既知とされた関係へ当てはめることにより、前記光学系で撮影された画像の歪曲パターンを推測し、その歪曲パターンを抑えるための歪曲補正を前記画像へ施す補正手順と、
前記当てはめるべきデータの値をその周辺値に調節しながら前記補正手順を複数回実行する繰り返し手順と、
前記繰り返し手順で得られた複数の補正画像をユーザへ提示し、その中の1つをそのユーザに選択させる選択手順と
を含むことを特徴とする歪曲補正方法。 - 請求項1に記載の歪曲補正方法において、
前記準備手順では、
前記関係に加えて、前記光学系から読み出される前記データの誤差範囲を既知とし、
前記繰り返し手順では、
前記データの値の調節範囲を、少なくとも前記データの誤差範囲と同程度に設定する
ことを特徴とする歪曲補正方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の歪曲補正方法において、
前記光学系のレンズポジションとは、
前記光学系の焦点位置と焦点距離との少なくとも一方のことである
ことを特徴とする歪曲補正方法。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の歪曲補正方法において、
前記選択手順で呈示される画像は、
前記複数の補正画像の一部の領域を拡大したものである
ことを特徴とする歪曲補正方法。 - 請求項4に記載の歪曲補正方法において、
前記選択手順では、
前記一部の領域を前記ユーザに指定させる
ことを特徴とする歪曲補正方法。 - 光学系が画像に与える歪曲パターンと、その光学系のレンズポジションとの関係を既知とする準備手段と、
画像の撮影時に前記光学系から実測されたレンズポジションのデータを取得する取得手段と、
前記取得したデータを前記既知とされた関係へ当てはめることにより、前記光学系で撮影された画像の歪曲パターンを推測し、その歪曲パターンを抑えるための歪曲補正を前記画像へ施す補正手段と、
前記当てはめるべきデータの値をその周辺値に調節しながら前記補正手段を複数回動作させる繰り返し手段と、
前記繰り返し手段が得た複数の補正画像をユーザへ提示し、その中の1つをそのユーザに選択させる選択手段と
を備えたことを特徴とする歪曲補正装置。 - 請求項6に記載の歪曲補正装置において、
前記準備手段は、
前記関係に加えて、前記光学系から読み出される前記データの誤差範囲を既知とし、
前記繰り返し手段は、
前記データの値の調節範囲を、少なくとも前記データの誤差範囲と同程度に設定する
ことを特徴とする歪曲補正装置。 - 請求項6又は請求項7に記載の歪曲補正装置において、
前記光学系のレンズポジションとは、
前記光学系の焦点位置と焦点距離との少なくとも一方のことである
ことを特徴とする歪曲補正装置。 - 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載の歪曲補正装置において、
前記選択手段が呈示する画像は、
前記複数の補正画像の一部の領域を拡大したものである
ことを特徴とする歪曲補正装置。 - 請求項9に記載の歪曲補正装置において、
前記選択手段は、
前記一部の領域を前記ユーザに指定させる
ことを特徴とする歪曲補正装置。 - 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の歪曲補正方法をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする歪曲補正プログラム。 - 請求項6〜請求項10の何れか一項に記載の歪曲補正装置を備えた
ことを特徴とするディジタルカメラ。
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JP2012060520A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Casio Comput Co Ltd | 撮像装置およびプログラム |
JP2020016851A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 株式会社ニコン | 交換レンズ、カメラボディ、及び、カメラシステム |
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2006
- 2006-12-27 JP JP2006353191A patent/JP2008167062A/ja active Pending
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