JP2008166154A - 電子エミッタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低電界の印加で所要の発光輝度を得ることが可能でかつカーボンナノチューブ1つ当たりの電子放出負荷を低減して電子エミッタとしての寿命特性が向上した電子エミッタの製造方法を提供する。
【解決手段】本電子エミッタの製造方法は、電極上に、カーボンナノチューブ集合体とカーボンナノチューブ単体群とをそれぞれ分散配置する工程と、上記カーボンナノチューブ集合体中のカーボンナノチューブを起毛処理する工程と、カーボンナノチューブ単体群中のカーボンナノチューブを起毛させるためにアルゴンガス雰囲気下で活性化処理する工程と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、カソード電極上に電界放射により電子を放出する電子放出層を備えた電子エミッタの製造方法に係り、その電界放出層を構成する電子放出材料としてカーボンナノチューブを用いた電子エミッタの製造方法に関するものである。
本明細書におけるカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、2層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ以外にも、バンブーライクカーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバ、カーボンナノホーン、カーボンナノコーン、カーボンナノバンブ等を含む広義のカーボンナノチューブである。
電子エミッタを用いた表示装置は、一般的には、陰極側に配置されて陽極側との間で印加される電界により陽極側に向けて電子を放出して陽極側の蛍光体に衝突することによって蛍光体を励起発光させるようになっている(特許文献1参照。)。
このような電子エミッタは、冷陰極とも呼ばれるものであり、常温においても電子を効率的に放出することができ、また、印加電圧に対する電子放出の効果も高く、高輝度、広視野角、長寿命、高応答性などの点により、大型薄型の表示装置に適用され、その開発が鋭意進められている。
このような電子エミッタの中で、カーボンナノチューブを用いた電子エミッタへの注目度が高くなっている。カーボンは化学的に安定でかつ熱伝導性に優れ、また、電界電子放出が可能なことから電子放出材料として注目されている。
カーボンナノチューブは、炭素六角網面が円筒状に閉じた構造あるいはこれらの円筒が入れ子状に配置された構造をしている。その径は数nm〜数十nmと非常に細いものであり、アスペクト比が大きいために低電界での電子放出が容易であること、電子放出特性が安定であること、表示装置に対して高密度な発光点を提供することができること、などから上記表示装置への実施に向けて開発されている。
このようなカーボンナノチューブを用いた電子エミッタの製造方法の1つとして、カーボンナノチューブを溶媒中に混合分散してペースト状として陰極上に印刷した後、焼成することにより溶媒成分を蒸発させてカーボンナノチューブを陰極上に配置する印刷法がある。
しかしながら、カーボンナノチューブは、そのエッジ先端から電子放出させるには陰極表面に対して垂直方向に配向制御する必要があるが、カーボンナノチューブはそのアスペクト比が極めて大きいため、多数のカーボンナノチューブを、ペーストと混ぜ、スクリーン印刷して陰極表面にパターン形成する場合、カーボンナノチューブを陰極上に密集状態で配置すると電子放出しにくくなり、電子放出させるためのカーボンナノチューブの配置間隔は1〜2μm程度は必要とされている。
そのため、陰極上の単位面積当たりのカーボンナノチューブの配置本数、すなわち、電子放出サイトの数が少なく限定されてくる結果、所要の発光輝度を得るためには、1本のカーボンナノチューブに対してより高い電界を印加することにより当該1本のカーボンナノチューブから電子をそれだけ多く放出させる必要があり、カーボンナノチューブ1本当たりの電子放出負荷が大きくなり、そのエッジ先端の消耗が促進されて電子エミッタの寿命特性が低下する。
特開2001−23552号公報
本発明により解決すべき課題は、低電界の印加で所要の発光輝度を得ることが可能でかつカーボンナノチューブ1本当たりの電子放出負荷が小さく済んで寿命特性が向上した電子エミッタの製造方法を提供することである。
本発明による電子エミッタの製造方法は、陰極上に、複数のカーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ集合体と、複数のカーボンナノチューブが単体で存在するカーボンナノチューブ単体群とをそれぞれ分散配置する工程と、上記カーボンナノチューブ集合体中のカーボンナノチューブを起毛処理する工程と、カーボンナノチューブ単体群中のカーボンナノチューブを起毛させるために不活性ガス雰囲気下で活性化処理する工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記不活性ガスは好ましくはアルゴンガスである。
上記カーボンナノチューブ単体群は、互いに集合していない単体の状態で存在する複数のカーボンナノチューブからなるものである。
この場合、集合していない状態とは完全に単体で存在するカーボンナノチューブから、集合途中にある複数のカーボンナノチューブも含む。
上記カーボンナノチューブ集合体における「集合」とは、カーボンナノチューブ同士が相互に物理的な絡み合いで結合している状態を含む。
本発明の電子エミッタの製造方法によれば、陰極上に分散配置したカーボンナノチューブ集合体を起毛するから、このカーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブ1本当たりの電子放出量を少なくしても、カーボンナノチューブ集合体全体では所要の発光輝度を得るための十分な電子放出量を確保することができる。その結果、カーボンナノチューブ集合体を構成する1本当たりのカーボンナノチューブの電子放出量が少なく済んでカーボンナノチューブ集合体の消耗が少なくなり、その結果、電子エミッタの寿命特性が向上する。
加えて、本発明の電子エミッタの製造方法によれば、カーボンナノチューブ単体群中のカーボンナノチューブを起毛させるために不活性ガス雰囲気下で処理する工程を含むのでテープ剥離等によっては起毛させることができないカーボンナノチューブ単体群を構成するカーボンナノチューブでも起毛処理することができるようになる。
また、カーボンナノチューブ集合体およびカーボンナノチューブ単体群それぞれを構成するカーボンナノチューブを起毛された状態で分散配置するから、電極全体から電子放出を行うことができるようになり、蛍光体の蛍光面を発光させる発光効率が高い電子エミッタを提供することができる。
本発明の好適な一態様は、上記分散配置する工程が、カーボンナノチューブ集合体とカーボンナノチューブ単体群とを電子放出用材料として含む電子放出用ペーストを陰極上に塗布し、次いで、この塗布した電子放出用ペーストを乾燥処理する工程である。
本発明の好適な一態様は、酸素雰囲気下で陰極と陽極とを対向配置しこれら両極間に電界を印加する工程を含む。
この態様では、酸素雰囲気下で陰極と陽極とを対向配置しこれら両極間に電界を印加することにより、カーボンナノチューブ集合体およびカーボンナノチューブ単体群それぞれを構成するカーボンナノチューブ全体の起毛方向を陰極表面に対して略垂直方向にむけた状態で、多数のカーボンナノチューブ中において過剰に電流を放出するカーボンナノチューブを除去あるいは磨耗させることにより、電子放出面内のカーボンナノチューブ先端から放出される電子放出量を平均化することができる。この結果、でかつ陰極表面からの起毛高さを略均一とすることができる結果、電子エミッタを陰極とし該陰極と対向する陽極との間で電界を印加した場合、特定のカーボンナノチューブに電界が集中して陽極側に配置した蛍光体表面に特定スポットのみが高輝度で発光する状態、いわゆるホットスポットが存在しなくなって好ましいことに加えて、蛍光体の発光面全体の発光点数の増加と発光輝度の均一化を達成することができるようになる。また、過剰な電流を流すカーボンナノチューブがなくなることによって、電流の無駄が少なくなり、蛍光体の蛍光面を発光させる発光効率が高い電子エミッタを提供することができる。
本発明によれば、低電界の印加で所要の発光輝度を得ることが可能でかつカーボンナノチューブ1つ当たりの電子放出負荷が小さく済んで寿命特性が向上した電子エミッタを製造することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る電子エミッタの製造方法を説明する。図1に、実施の形態により製造した電子エミッタの側面図を示す。
図1を参照して、実施の形態の電子エミッタ10は、基板12上に陰極14が形成され、この陰極14の表面に図示略の無機バインダを介して電子放出層16が形成されている。
基板12の材料は、基板12の材料には特に限定されないが、例えば、石英基板、アルミナ基板、シリコン基板、Mo基板、SUS基板、Ni−Fe基板等である。
陰極14は、基板12上にスパッタもしくは蒸着等により形成した金属膜を写真製版技術を用いて所望のパターンにパターニングしたり、あるいはパターン印刷したものである。
電子放出層16は、陰極14の表面に無機バインダで接着されたカーボンナノチューブ集合体18と、カーボンナノチューブ単体群20とから構成されている。電子放出層16は、陰極14表面に塗布された電子放出用ペーストに乾燥やカーボンナノチューブ起毛処理等の、後述する所要の処理を施して形成したものである。
カーボンナノチューブ集合体18は、複数のカーボンナノチューブが集合して構成されている。カーボンナノチューブ集合体18は、陰極14表面に分散配置されていると共にその表面側から当該カーボンナノチューブ集合体18を構成するカーボンナノチューブ18aが陰極14表面に略垂直でかつ陰極14表面からの起毛高さが略均等に起毛している。
カーボンナノチューブ単体群20は、それぞれが集合していない状態で単体で存在しかつ陰極14表面に略垂直でかつ陰極14表面からの起毛高さ略均等に起毛した複数のカーボンナノチューブ20aから構成されている。
以上の構成を備えた電子エミッタ10においては、カーボンナノチューブ集合体18が陰極14表面に分散配置されており、かつ、当該カーボンナノチューブ集合体18を構成するカーボンナノチューブ18aの単位面積当たりの本数が多いから、電子エミッタ10と対向する図示略の陽極との間で低電界を印加して1本当たりのカーボンナノチューブの電子放出量を少なくしても、カーボンナノチューブ集合体18の全体では所要の発光輝度を得るための十分な電子放出量を確保することができる。
その結果、カーボンナノチューブ集合体18を構成する1本当たりのカーボンナノチューブの電子放出量が少なく電子放出負荷が小さいので、カーボンナノチューブ集合体18の消耗も少なくなり、そのうえ、陰極14表面との接触面積も大きいことから放熱性にも優れる結果、電子エミッタ10の寿命特性が向上する。
また、実施形態では、上記したごとく、カーボンナノチューブ集合体18およびカーボンナノチューブ単体群20それぞれを構成するカーボンナノチューブ18a,20a全体の起毛方向が陰極14表面に対して略垂直方向でかつ陰極14表面からの起毛高さが略均一となっているために、電子エミッタ10の陰極14と、この陰極14と対向する蛍光体付きの陽極との間に低い電界を印加した場合、蛍光体表面に特定スポットのみが高輝度で発光する状態、いわゆるホットスポットが存在しなくなり、また、発光点数が多く、かつ、均一に発光することができる電子エミッタ10を得ることができる。
図2以降を参照して上記構成を備えた電子エミッタ10の製造方法を説明する。この実施の形態に係る製造方法は、図2で示すように、乾燥処理工程と、起毛処理工程と、酸素雰囲気下活性化処理工程と、アルゴン雰囲気下活性化処理工程と、を含む。
これら各工程のうち酸素雰囲気下活性化処理工程は必ずしも必須の工程ではなく後述するごとく起毛処理工程での起毛処理の結果、起毛方向が陰極14表面に垂直であるとか、陰極14表面からの起毛高さが均一である場合では省略することができる。
また、酸素雰囲気下活性化処理工程と、アルゴン雰囲気下活性化処理工程とは工程順序が逆であってもよい。
さらに、酸素雰囲気下活性化処理工程と、アルゴン雰囲気下活性化処理工程それぞれの工程実施後には陰極14とこれと対向する陽極との間の活性化処理空間を真空引きして通電・加熱などすることにより、装置内に残留するガス成分を除去ことが好ましい。
さらにまた、酸素雰囲気下活性化処理工程と、アルゴン雰囲気下活性化処理工程とは工程が同時でもよい。
まず、図3で示すように、陰極14上にスクリーン印刷やスプレーやコーティング等によりカーボンナノチューブ集合体18入りの電子放出用ペースト22を均等な膜厚に塗布する。この場合、この電子放出用ペースト22中には集合しないで単体で存在するカーボンナノチューブ単体群20を含む。
陰極14上に塗布した電子放出用ペースト22を200℃程度の温度下の焼成で乾燥して、電子放出用ペースト22中の有機溶剤を蒸発気化させて陰極14表面にカーボンナノチューブ集合体18を分散配置した状態とする(乾燥処理工程)。
次いで、図4(a)で示すようにカーボンナノチューブ集合体18に起毛処理を施す(起毛処理工程)。この起毛処理の方法としては例えば粘着テープを貼り付けて引き剥がすとか、あるいは、レーザ照射などを含む電磁波を照射したりする方法がある。
図4(b)のSEM写真でカーボンナノチューブ集合体18に対して起毛処理を施した状態を示す。カーボンナノチューブ集合体18表面から起毛するカーボンナノチューブ18aの起毛方向は斜めであったり、また、陰極14表面からの起毛高さが不均一となったりしていることを確認することができる。
次いで、図5(a)で示すように上記陰極14に対して図示略の陽極を対向配置しこの陽極と陰極14との間に電界を印加するとともに、この陽極と陰極14との間の処理空間を酸素雰囲気として活性化処理(酸素雰囲気下活性化処理工程)する。
この陽極は陰極14に対する対向電極として耐熱性、導電性、耐スパッタ性に優れた材料を用いることが好ましい。例えば、放熱性に優れた銅電極と、導電性、耐スパッタ性に優れた金電極とを積層した積層電極構成、あるいは放熱性に優れたダイヤモンド電極と、上記特性を有している金電極とを積層した積層電極構成を例示することができる。
耐スパッタ性は、陰極14と陽極との対向距離が例えば500μmと短いので陽極に例えばSUS等を用いるとSUSに含有されているFeなどがスパッタされ、CNTエミッタ表面や周囲配線部を汚染しやすく、これに起因したグロー放電やアーク放電が行われてしまう可能性があるからである。そのため、陰極14と対向する側に金電極を用いることが好ましい。この活性化処理の後、陰極14と陽極との間の処理空間を真空引きして酸素を排気することが好ましい。
この活性化処理により、図5(a)で示すように陰極14表面に対して起毛方向を垂直としかつ陰極14表面からの起毛高さを均一化する。
酸素雰囲気ではカーボンナノチューブ18aの内、陰極14表面からの起毛高さが高いカーボンナノチューブの先端に電界が集中して当該先端が消耗される結果、カーボンナノチューブ集合体18全体からカーボンナノチューブ18aが起毛方向略垂直、起毛高さ略均一に活性化処理される。
このカーボンナノチューブ先端の消耗は、当該先端の炭素成分CがCOやCO2に変化することによる。図5(b)では陰極14と陽極との間の電圧を一定として、横軸に時間、縦軸に電流をとり、酸素雰囲気下活性化処理の開始時刻をts、終了時刻をteで示す。
この開始時刻ts以前では、酸素がカーボンナノチューブ表面に吸着して電子放出が妨げられて一時的に電流が急減少しており、この酸素吸着が無くなって電流の減少速度が低下し始めた時刻を上記開始時刻tsとし、また、この電流の減少が無くなり一定化する時刻を上記終了時刻teとする。
以上の酸素雰囲気下活性化処理で、カーボンナノチューブ集合体18表面からカーボンナノチューブ18aの起毛方向は陰極14表面に略垂直となりかつ陰極14表面からの起毛高さは略均一化する。
図5(c)にそのSEM写真を示す。このSEM写真で示すように、カーボンナノチューブ集合体18表面のカーボンナノチューブ18aは、その起毛方向は陰極14表面に略垂直となりかつ陰極14表面からの起毛高さは略均一化していることを確認することができる。
次いで、上記酸素雰囲気下での活性化処理の後、図6(a)で示すように、アルゴン雰囲気下で活性化処理してカーボンナノチューブ集合体18とカーボンナノチューブ集合体18との間の陰極14上で無機バインダに埋没しているカーボンナノチューブ単体群20を起毛させる(アルゴン雰囲気下活性化処理工程)。
この活性化処理工程でも、図5(a)と同様に上記陰極14に対して図示略の陽極を対向配置しこの陽極と陰極14との間に電界を印加する。このアルゴンガス雰囲気下の活性化処理ではカーボンナノチューブ単体群20を覆う無機バインダが除去される結果、カーボンナノチューブ単体群20が起毛されている。
この活性化処理の後、陰極14と陽極との間の処理空間を真空引きしてアルゴンガスを排気することが好ましい。
また、無機バインダでは電子がチャージアップされ易いが、このチャージアップされた部分は陰極と陽極との間に高電圧を印加させた場合に、不要なアーク放電を起こす原因となる可能性がある。そこで、この活性化処理では、アルゴンガス雰囲気中で発生するアルゴンイオンによりそのチャージアップされた部分を解消することにより、上記不要なアーク放電が発生しないようにすることができる。
図6(b)では図5(b)と同様に、陰極14と陽極との間の電圧を一定として、横軸に時間、縦軸に電流をとり、アルゴンガス雰囲気下での活性化処理の開始時刻をts、終了時刻をteで示す。
この開始時刻ts以前では、アルゴンガスがカーボンナノチューブ表面に吸着して電子放出が妨げられて一時的に電流が急減少しており、このアルゴンガス吸着が無くなって電流の減少が止まり一転して増加し始めた時刻を上記開始時刻tsとし、また、この電流増加から減少に転じる時刻を上記終了時刻teとする。
以上のアルゴンガス雰囲気下での活性化処理で、カーボンナノチューブ単体群20が陰極14表面に略垂直でかつ陰極14表面から略均一な起毛高さに起毛する。
図6(c)にそのSEM写真を示す。このSEM写真で示すように、カーボンナノチューブ集合体18表面のカーボンナノチューブ18aおよびカーボンナノチューブ単体群20は、その起毛方向は陰極14表面に対して略垂直となりかつ陰極14表面からの起毛高さは略均一化していることを確認することができる。
以上の処理を経て製造した電子エミッタでは、まず、起毛処理後のカーボンナノチューブ集合体18を構成するカーボンナノチューブの起毛高さ不揃いや起毛方向斜め向きによる特定のカーボンナノチューブに対する電界集中で特定スポットが高輝度で発光する、いわゆるホットスポットが酸素雰囲気下での活性化処理で解消される。
また、アルゴンガス雰囲気下での活性化処理でカーボンナノチューブ単体群20が起毛されることにより発光点が数倍から10数倍に増加し、かつ、発光面全体が均一に発光することができるようになった。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1は本発明の実施の形態に係る製造方法により製造した電子エミッタの側面図である。 図2は電子エミッタの製造方法の各工程図である。 図3は陰極表面に電子放出用ペーストを塗布した状態を示す図である。 図4(a)は起毛処理後の陰極表面を示す図、図4(b)はそのSEM写真である。 図5(a)は酸素雰囲気下での活性化処理後の陰極表面を示す図、図5(b)は酸素活性化処理時間と電流との関係を示す図、図5(c)は活性化処理後の陰極表面のSEM写真である。 図6(a)はアルゴンガス雰囲気下での活性化処理後の陰極表面を示す図、図6(b)はアルゴンガス活性化処理時間と電流との関係を示す図、図6(c)は活性化処理後の陰極表面のSEM写真である。
符号の説明
10 電子エミッタ
12 基板
14 陰極
16 電子放出層
18 カーボンナノチューブ集合体
20 カーボンナノチューブ単体群

Claims (4)

  1. 陰極上に、複数のカーボンナノチューブが集合してなるカーボンナノチューブ集合体と、複数のカーボンナノチューブが単体で存在するカーボンナノチューブ単体群とをそれぞれ分散配置する工程と、
    上記カーボンナノチューブ集合体中のカーボンナノチューブを起毛処理する工程と、
    カーボンナノチューブ単体群中のカーボンナノチューブを起毛させるために不活性ガス雰囲気下で処理する工程を含むことを特徴とする電子エミッタの製造方法。
  2. 上記分散配置する工程が、カーボンナノチューブ集合体とカーボンナノチューブ単体群とを溶媒中に分散してなる電子放出用ペーストを陰極上に塗布し、次いで、この塗布した電子放出用ペーストを乾燥処理する工程である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子エミッタの製造方法。
  3. 酸素雰囲気下で陰極と陽極とを対向配置しこれら両極間に電界を印加する工程を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子エミッタの製造方法。
  4. 上記不活性ガスが、アルゴンガスであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子エミッタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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