JP2007323946A - 冷陰極電子源およびその製造方法 - Google Patents

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一久 石井
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Abstract

【課題】安定して均一な電界放出を行う冷陰極電子源およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】本冷陰極電子源10は、電極14上に電界電子放出が可能な電子放出層16を備えた冷陰極電子源であって、電子放出層16が、一定の厚さに制御されかつ内部に電子放出材料(ファイバ、グラファイト粒子等)を含みかつ表面に多数の開口部18bが分散配置された基体部18と、この基体部18上に形成されて基体部18内部の電子放出材料からなる電子放出部20と、から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、低電界で電子放出が可能な冷陰極電子源およびその製造方法に関するものである。
カーボンナノチューブはグラフェンシートが管状に閉じた構造をなしたものであり、直径0.5〜100nm、長さ1〜100μmであり、非常に細長い中空のチューブ状の炭素材料である。
このようなカーボンナノチューブを電極上にパターン形成して低電圧で均一な強度の電界電子放出が得られる冷陰極電子源は種々提案されている。このような冷陰極電子源は、例えば、フィールドエミッションディスプレイ等の自発光型平面表示装置等に採用されている。自発光型平面表示装置の自発光型とは、画像表示パネルに設けられた蛍光膜に電子線や紫外線等の励起光を照射して発光させ画像を表示するものであり、自らは発光を伴わないLCD(液晶表示装置)とは区別されるものである。
カーボンナノチューブを用いた冷陰極電子源の製造には様々な方法が知られており、この方法の1つに別途調製したカーボンナノチューブをペースト化し、スクリーン印刷で電極にパターン形成する方法が挙げられる。上記ペーストには、カーボンナノチューブを、有機溶媒中に樹脂が溶解されているビヒクル中に分散させた導電性ペーストが知られている(特許文献1参照)。このビヒクルとしては、例えば、テルピネオールなどの単環式テルペンに属するアルコールなどの有機溶媒に、例えば、セルロースもしくはアクリル樹脂などの樹脂を溶解したものであり、基本的には、分解および揮発性が良く、例えば、大気空気中で300〜400℃程度で加熱することで除去できるものである。
しかしながら、カーボンナノチューブは、元来、ペースト中での分散性が低く、上記導電性ペーストは、一般に、粘度が高く調整されている。そのため、該導電性ペーストを電極表面に塗布した場合にその塗布膜から溶媒が揮発するに従って微小な繊維状の物質であるカーボンナノチューブは時間と共にファンデルワールス力により絡み合い凝集して塊になり易い。この凝集したカーボンナノチューブは分散させるのが困難である。このため、かかるペーストを基板に塗布、焼成してなるカーボンナノチューブからなる電子放出層は、電子放出が不均一であるなど、電子放出特性が安定しにくい。
特開2000−63726
本発明により解決する課題は、均一、安定した電子放出特性を有する冷陰極電子源およびその製造方法を提供することである。
本発明第1による冷陰極電子源は、電極上に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源であって、上記電子放出層が、所定の厚さに制御されかつ内部に電子放出材料を含みかつ表面に多数の開口部が分散配置された基体部と、この基体部上に形成されて上記基体部内部の電子放出材料からなる電子放出部と、から構成されていることを特徴とするものである。
この電子放出材料はファイバ状、粒子状を含むものであり、その形態に限定しない。
本発明第1の好適な一態様は、上記電子放出材料が、ファイバであり、かつ、上記電子放出部は、上記基体部内のファイバの一部が起毛してなるものである。
本発明第1の別の好適な一態様は、上記電子放出材料がグラファイト粒子であり、上記電子放出部が、上記基体部の表面に表れているグラファイト粒子である。
ファイバの材料は電子放出材料であれば特に限定しないが、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンナノコイル、グラファイトナノファイバー、グラファイトリボンなどが例示できる。なお、電子放出材料としてのファイバは分散された状態のものも、凝集した状態のものも含むことができる。
また、ファイバの材料には、炭素ヘキサゴナル網面からなる炭素ナノ繊維素が複数ロッド状またはプレート状に積層してなる炭素ナノ繊維素群が繊維軸に対して垂直配列したプレートレット構造、あるいは傾斜して配列されたヘリングボーン構造、あるいは水平配列したチューブラ構造のファイバを含むことができる。このようなプレートレット、ヘリングボーン、チューブラ構造では、多数の炭素ナノ繊維素群の端面が、電子放出点として機能することができ、繊維軸に沿って多数の電子放出点が構成される。
本発明第1によると、基体部表面に多数の開口部が分散配置されているので、基体部表面に形成した電子放出部は、その開口部により分散配置の位置が制御されることにより、電子放出が均一、安定化し、結果、電子放出特性に優れた冷陰極電子源を提供することができる。
本発明第2による冷陰極電子源は、電極の表面に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源であって、上記電子放出層が、表面に分散配置された多数の開口部を備えかつ内部に導電性材料を含む所定の厚さに制御された第1基体部と、上記第1基体部上に形成され、かつ、電子放出材料を含んで所定の厚さに制御された第2基体部と、上記第2基体部上に形成されて当該第2基体部内部の電子放出材料からなる電子放出部と、から構成されていることを特徴とするものである。
本発明第2の好適な一態様は、上記電子放出材料が、ファイバであり、かつ、上記電子放出部は、上記第2基体部内のファイバの一部が起毛してなるものである。
本発明第2の別の好適な一態様は、上記電子放出材料がグラファイト粒子であり、上記電子放出部が、上記第2基体部の表面に表れているグラファイト粒子である。電子放出材料がグラファイト粒子の場合、ファイバとは異なって、起毛させる必要がない。
本発明第2によると、第2基体部表面に多数の開口部が分散配置されているので、第2基体部表面に形成した電子放出部は、開口部により分散配置の位置が制御される結果、その電子放出が均一、安定化し、優れた電子放出特性を有する冷陰極電子源を提供することができる。
本発明第3による冷陰極電子源の製造方法は、電極上に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源の製造方法であって、上記電子放出層を形成するステップが、電極表面に、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子と電子放出材料とが混入されているペーストを有機微粒子の直径以上の膜厚で配置する第1ステップと、上記ペーストの厚さが有機微粒子の直径以下となるまでペーストに含まれる溶剤を乾燥処理する第2ステップと、上記有機微粒子を熱処理により分解除去して上記ペーストの表面に多数の開口部を形成する第3ステップと、上記ペーストを焼成して基体部を形成する第4ステップと、上記基体部の表面に上記基体部内部の電子放出材料により電子放出部を形成する第5ステップと、を含むことを特徴とするものである。
本発明第3によると、基体部に形成される多数の開口部は、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子が分解除去されて形成されたものであるから、基体部表面に形成される多数の電子放出部は、開口部により分散配置されて形成されることになり、多数の電子放出部からの電子放出が均一化し、電子放出特性に優れた冷陰極電子源を製造することができる。
本発明第4による冷陰極電子源の製造方法は、電極の表面に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源の製造方法であって、上記電子放出層を形成するステップが、電極上に、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子と導電性材料とが混入されている導電性ペーストを有機微粒子の直径以上の膜厚で配置する第1ステップと、上記導電性ペーストの厚さが有機微粒子の直径以下となるまで該導電性ペーストを乾燥する第2ステップと、上記導電性ペーストと有機微粒子との上に電子放出材料を含む電子放出用ペーストを塗布する第3ステップと、上記電子放出用ペーストに含まれる溶剤を乾燥させて該電子放出用ペーストの電極表面からの高さを有機微粒子の直径以下にする第4ステップと、熱処理して上記有機微粒子を分解除去して多数の開口部を形成する第5ステップと、上記導電性ペーストと上記電子放出用ペーストとを焼成して導電性材料からなりかつ開口部を有する第1基体部とこの第1基体部の上に電子放出材料からなる第2基体部とを形成する第6ステップと、上記第2基体部の表面に当該第2基体部内部の電子放出材料により電子放出部を形成する第7ステップと、を含むことを特徴とするものである。
本発明第4によると、第2基体部に形成される多数の開口部は、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子が分解除去されて形成されたものであるから、第2基体部表面に形成される多数の電子放出部は、開口部により分散配置されて形成されることになり、多数の電子放出部からの電子放出が均一化し、電子放出特性に優れた冷陰極電子源を製造することができる。
本発明によると、均一で安定した電子放出特性を有する冷陰極電子源およびその製造方法を提供することができる。
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係る冷陰極電子源およびその製造方法を詳しく説明する。
図1に実施の形態の冷陰極電子源の断面図を示す。この冷陰極電子源10は、基板12上にカソード電極14を形成し、このカソード電極14上に電子放出層16を備えている。電子放出層16は、基体部18と、電子放出部20とから構成されている。基体部18は、一定の厚さに制御されかつ内部に電子放出材料であるファイバ18aを含みかつ表面に多数の開口部18bが分散配置されている。電子放出部20は、基体部18内のファイバ18aの一部(起毛部)18cが起毛したもので構成されている。
以上の実施の形態の冷陰極電子源10では、基体部18の表面に多数の開口部18bが分散配置されているので、基体部18の表面に起毛した電子放出部20は、開口部18bの大きさ、形状、数の制御によりその分散状態が制御されることにより、その電子放出を均一化し、その電子放出特性に優れた冷陰極電子源10を提供することができる。
次に、図2ないし図7を参照して上記冷陰極電子源10の製造方法を説明する。
まず、図2(a)を参照して、基板12上にスパッタもしくは蒸着などにより導電膜を成膜する。基板12の材料は特に限定されないが、例えば、ガラス基板、石英基板、アルミナ基板、シリコン基板、Mo基板、SUS基板、Ni−Fe基板等である。この基板12上の導電膜を写真製版技術を用いて所望のパターンのカソード電極14にパターニングする。カソード電極14のパターニング方法としては、写真製版技術を用いる以外に、パターン印刷を用いる方法もある。
次いで、電子放出用ペースト22を準備する。図2(b)で示すように、電子放出用ペースト22は、エチルセルロースやニトロセルロース、アクリル樹脂等の有機ビヒクル(有機バインダを含む)と、シリカ前駆体やガラス粒子等の無機バインダとを、ターピネオール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の有機溶剤に溶かしてペースト状にしたものであり、このペースト内にほぼ一定の粒径を有する多数の高分子の有機微粒子24と、電子放出材料である多数のファイバ18aとが混入されている。この粒径は好ましくは0.05〜15μmである。
この有機微粒子24には例えば架橋ポリメチルメタクリレート、架橋ポリブチルメタクリレート、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリスチレン、ベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒド縮合物等の高分子球状粒子がある。
以上のように準備した電子放出用ペースト22を、図3で示すように、カソード電極14上に有機微粒子24の直径以上の膜厚でスクリーン印刷や、スプレーや、コーティング等により塗布する。この塗布によりカソード電極14上には有機微粒子24が一定間隔で配置される。
この場合、カソード電極14と電子放出用ペースト22中のファイバ18aとの電気的コンタクトについては、ファイバ18aとカソード電極14とが物理的に接触することにより両者間の電気的コンタクトを確保することができる。このコンタクト抵抗を下げるためには、ファイバ18aとカソード電極14との間に、金属コロイド等の微細な導電性物質を配置することができる。コンタクト抵抗を低減することにより、より均一な電子放出特性を得ることが可能となり好ましい。
次いで、電子放出用ペースト22を100〜200℃程度の温度下で乾燥させて、電子放出用ペースト22中の有機溶剤を気化させて、図4(a)で示すように、電子放出用ペースト22の厚さが有機微粒子24の直径以下に減少させる。図4(b)にこの乾燥後の状態をSEM写真で示す。このSEM写真で示す有機微粒子24は架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)である。このSEM写真では多数の有機微粒子24は一定の直径を持つほぼ完全な球形であり、カソード電極14上にほぼ整然と配列していることを確認することができる。また、このSEM写真では有機微粒子24は互いに接着していないことを確認することができる。そのため、カソード電極14上に有機微粒子24相互間に電子放出用ペースト22が図4(a)で示すように入り込んでいることを確認することができる。
次いで、300〜400℃程度の熱処理により有機微粒子24を分解除去して、図5で示すように、電子放出用ペースト22の表面に有機微粒子24が存在していた箇所に多数の開口部18bが形成されることになる。
次いで、400〜500℃程度で電子放出用ペースト22を焼成して、図6(a)で示すように、カソード電極14上に多数の開口部18bを有する基体部18を形成する。この焼成においては、有機ビヒクルは熱分解する一方、無機バインダにより基体部18を成形体として構成することができる。
図6(b)は、この焼成の後のカソード電極14上の基体部18の表面のSEM写真、図6(c)は同基体部18の断面のSEM写真である。これらSEM写真では、基体部18に開口部18bが形成されている状態を確認することができる。また、基体部18は断面がほぼ台形をなしていて、ほぼ連続している。なお、基体部18の厚さは一定の厚さに制御することが好ましいが、当該厚さは厳密な寸法で一定の厚さに限定されるものでは何等なく、好ましい所定の厚さで制御することができればよい。
最後に、図7で示すように、基体部18の表面からファイバ18aの一部18cを起毛させて電子放出部20を形成することにより、図1で示した冷陰極電子源10を得ることができる。このファイバ18aの一部18cの起毛は、カーボンナノチューブ等のファイバ18aではカソード電極14の表面に対して垂直ないしほぼ垂直に配向させることが好ましいが、ファイバ18aの材料として、炭素ヘキサゴナル網面からなる炭素ナノ繊維素が積層してなる炭素ナノ繊維素群が繊維軸に対して垂直配列したプレートレット構造、あるいは傾斜して配列されたヘリングボーン構造、あるいは水平配列したチューブラ構造のファイバを選択する場合では、多数の炭素ナノ繊維素群の端面が、電子放出点として機能することができるので、カソード電極14表面に対して配向制御せずに起毛させてもよい。
このようなヘリングボーン構造やプレートレット構造やチューブラ構造のファイバは、鉄(Fe),コバルト(Co)、ニッケル(Ni)に代表する純粋な遷移金属の単独または合金を触媒とし、400℃から1200℃の温度範囲で一酸化炭素又はメタン(CH4 )、エチレン(C26)、プロパン(C38)等の炭化水素を、水素分圧0%乃至90%の混合ガス中で一定時間触媒に接触することによって合成され、例えば、特開2003−342840号公報に、その製造方法および製造装置が開示されている。
なお、ファイバ18aではなくグラファイト粒子の場合では、起毛処理を行う必要がなく、図7のステップを省略することができる。
以上の製造方法においては、有機微粒子24の粒径制御により、電子放出部20の高さ、幅、密度を制御して、多数の電子放出部20を規則正しく均等間隔で配列させることができるようになるので、カソード電極14と図示略のアノード電極とを対向配置し、このアノード電極上に蛍光体を形成したフラットパネルディスプレイでは、アノード電極とカソード電極14との間に電界を印加した場合、電子放出部20を構成するファイバ18aの一部18cのエッジ先端等の電子放出点に均等に電界を印加して各電子放出部20から均等に電子放出させて、蛍光体を均一発光させることができるようになる。また、多数の電子放出点に電界が均等にかかることになり、特定の電子放出点に電界が集中してジュール熱や蒸発によって劣化が進むことがなく、寿命特性が向上する。また、上記製造方法では、製造工程が複雑ではなく簡略であるので、低コストで冷陰極電子源10を製造することができる。
図8は本発明の他の実施の形態に係る冷陰極電子源の断面図である。この冷陰極電子源30は、カソード電極14の表面に電界電子放出が可能な電子放出層16を備えた冷陰極電子源であって、上記電子放出層16が、表面に分散配置された多数の開口部18b1を備えかつ内部に導電性材料を含む一定の厚さに制御された第1基体部18Aと、上記第1基体部18A上に形成され、かつ、電子放出材料であるファイバ18aを含んで一定の厚さに制御された第2基体部18Bと、上記第2基体部18B上に形成されて当該第2基体部18B内部のファイバ18aの一部からなる電子放出部20と、から構成されている。
次に、図9ないし図14を参照して上記冷陰極電子源30の製造方法を説明する。基板12、カソード電極14は、上述した実施の形態と同様であるが、この製造方法では2種類のペーストを用いている。1つは電子放出用ペースト22Aであり、もう1つは導電性ペースト32である。そして、この製造方法では、上述した実施の形態の電子放出用ペースト22とは異なって、電子放出用ペースト22Aには、有機微粒子24を含ませなくて、導電性ペースト32に有機微粒子24を含ませている。
まず、図9で示すようにカソード電極14上に、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子24と導電性材料34とが混入されている導電性ペースト32を有機微粒子24の直径より大きい膜厚で配置する。
次いで、図10で示すように、導電性ペースト32の厚さが有機微粒子24の直径以下となるまで該導電性ペースト32を乾燥する。
次いで、図11で示すように、上記導電性ペースト32と有機微粒子24との上に電子放出材料であるファイバ18aを含む電子放出用ペースト22Aを塗布する。
次いで、図12で示すように、上記電子放出用ペースト22Aの表面高さが有機微粒子24の表面高さ以下になるよう該電子放出用ペースト22Aを乾燥する。
次いで、図13で示すように、熱処理して上記有機微粒子24を除去して多数の開口部18b1を形成する。
次いで、図14で示すように、導電性ペースト32と電子放出用ペースト22Aとを焼成して、導電性ペースト32の焼成では、導電性材料34を含みかつ開口部18b1を有する第1基体部18Aとし、電子放出用ペースト22Aの焼成により、第1基体部18Aの上にファイバ18aを含む第2基体部18Bとを形成する。
最後に、図15で示すように、第2基体部18Bの表面に第2基体部18B内部のファイバ18aの一部18cを起毛処理して該第2基体部18Bの表面上に電子放出部20Aを形成する。
以上のステップを経て、図8で示した冷陰極電子源30を得ることができる。この製造方法の場合では、有機微粒子24の粒径制御により、電子放出部20Aの高さ、幅、密度を制御して、多数の電子放出部20Aを規則正しく均等間隔で配列させることができるようになるので、カソード電極14と図示略のアノード電極とを対向配置し、このアノード電極上に蛍光体を形成したフラットパネルディスプレイでは、アノード電極とカソード電極14との間に電界を印加した場合、電子放出部20Aを構成するファイバ18aの一部18cのエッジ先端等の電子放出点に均等に電界を印加して各電子放出点から均等に電子放出させて、蛍光体を均一発光させることができるようになる。また、多数の電子放出点に電界が均等にかかることになり、特定の電子放出点に電界が集中してジュール熱や蒸発によって劣化が進むことがなく、寿命特性が向上する。また、上記製造方法では、製造工程が複雑ではなく簡略であるので、低コストで冷陰極電子源を製造することができる。
本実施の形態の冷陰極電子源は、表示例には限定されないが、冷陰極電子源から放出された電子の衝突による発光を利用して画像やその他を表示する表示装置に適用することができる。
本実施の形態の冷陰極電子源は、表示例には限定されないが、例えば、アノード電極と蛍光体とを備える前面パネルと、冷陰極電子源を搭載しこの前面パネルに対向する背面パネルとを備え、冷陰極電子源から放出した電子と蛍光体との衝突による発光を利用して画像やその他を表示する表示装置にも適用することができる。
本実施の形態の冷陰極電子源は、表示例には限定されないが、例えば、行方向に複数の配線(行方向配線)を設け、この行方向配線のそれぞれとほぼ直交して複数の配線(列方向配線)を設け、行方向配線と列方向配線のそれぞれの1つに冷陰極電子源を接続し、これら各冷陰極電子源を駆動して電子を蛍光体に放出して蛍光体(画素)を発光して画像やその他を表示する表示装置にも適用することができる。
図1は本発明の実施の形態に係る冷陰極電子源の断面図である。 図2は実施の形態の冷陰極電子源の製造方法にかかり、図2(a)は基板上にカソード電極を形成するステップを説明するための図、図2(b)は電子放出用ペーストを準備するステップを説明するための図である。 図3は冷陰極電子源の製造方法においてカソード電極上に電子放出用ペーストを塗布するステップを説明するための図である。 図4(a)は図3のステップの次にカソード電極上の電子放出用ペーストを乾燥させるステップを説明するための図であり、図4(b)は図4(a)に示すカソード電極上に塗布した電子放出用ペーストの要部の平面を示すSEM写真である。 図5は図4のステップの次に熱処理で電子放出用ペースト中の有機微粒子を分解除去するステップを説明するための図である。 図6(a)は図5のステップの次に電子放出用ペーストを焼成してカソード電極上に多数の開口部を有する基体部を形成するステップを説明するための図、図6(b)は上記焼成した後の要部の表面のSEM写真、図6(c)は同焼成した後の要部の断面のSEM写真である。 図7は図6のステップの次に基体部の表面からファイバの一部を起毛させるステップを説明するための図である。 図8は本発明の他の実施の形態に係る冷陰極電子源の断面図である。 図9は図8の実施の形態の冷陰極電子源の製造方法にかかり、カソード電極上に有機微粒子を含む導電性ペーストを配置するステップを説明するための図である。 図10は図9のステップの次に導電性ペーストを乾燥するステップを説明するための図である。 図11は図10のステップの次に導電性ペーストと有機微粒子との上に電子放出用ペーストを塗布するステップを説明するための示す図である。 図12は図11のステップの次に電子放出用ペーストを有機微粒子の表面高さ以下になるよう乾燥するステップを説明するための図である。 図13は図12のステップの次に熱処理して有機微粒子を除去して多数の開口部を形成するステップを説明するための図である。 図14は図13のステップの次に導電性ペーストと電子放出用ペーストとを焼成して第1基体部と、第2基体部とを形成するステップを説明するための図である。 図15は図14のステップの次に第2基体部の表面に当該第2基体部内部のファイバの一部を起毛処理して第2基体部表面に電子放出部を形成するステップを説明するための図である。
符号の説明
10 冷陰極電子源
12 基板
14 カソード電極
16 電子放出層
18 基体部(18a:ファイバ、18b:開口部)
20 電子放出部(18c:起毛部)
22 電子放出用ペースト
24 有機微粒子
32 導電性ペースト
22A 電子放出用ペースト

Claims (12)

  1. 電極上に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源であって、
    上記電子放出層が、
    所定の厚さに制御されかつ内部に電子放出材料を含みかつ表面に多数の開口部が分散配置された基体部と、
    この基体部上に形成されて上記基体部内部の電子放出材料からなる電子放出部と、
    から構成されている、ことを特徴とする冷陰極電子源。
  2. 上記電子放出材料が、ファイバであり、
    上記電子放出部は、上記基体部内のファイバの一部が起毛してなるものである、ことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電子源。
  3. 上記電子放出材料がグラファイト粒子であり、
    上記電子放出部が、上記基体部の表面に表れているグラファイト粒子である、ことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電子源。
  4. 電極の表面に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源であって、
    上記電子放出層が、
    表面に分散配置された多数の開口部を備えかつ内部に導電性材料を含んで所定の厚さに制御された第1基体部と、
    上記第1基体部上に形成され、かつ、電子放出材料を含んで所定の厚さに制御された第2基体部と、
    上記第2基体部上に形成されて当該第2基体部内部の電子放出材料からなる電子放出部と、
    から構成されている、ことを特徴とする冷陰極電子源。
  5. 上記電子放出材料が、ファイバであり、
    上記電子放出部は、上記第2基体部内のファイバの一部が起毛してなるものである、ことを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電子源。
  6. 上記電子放出材料がグラファイト粒子であり、
    上記電子放出部が、上記第2基体部の表面に表れているグラファイト粒子である、ことを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電子源。
  7. 電極上に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源の製造方法であって、
    上記電子放出層を形成するステップが、
    電極表面に、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子と電子放出材料とが混入されているペーストを有機微粒子の直径以上の膜厚で配置する第1ステップと、
    上記ペーストの厚さが有機微粒子の直径以下となるまで溶剤を乾燥処理する第2ステップと、
    上記有機微粒子を熱処理により分解除去して上記ペーストの表面に多数の開口部を形成する第3ステップと、
    上記ペーストを焼成して基体部を形成する第4ステップと、
    上記基体部の表面に上記基体部内部の電子放出材料により電子放出部を形成する第5ステップと、
    を含むことを特徴とする冷陰極電子源の製造方法。
  8. 上記電子放出材料にファイバを用いるとともに、上記電子放出部を、上記基体部内のファイバの一部を起毛処理して形成する、ことを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電子源の製造方法。
  9. 上記電子放出材料にグラファイト粒子を用いるとともに、上記電子放出部をこの基体部表面に表れているグラファイト粒子により構成する、ことを特徴とする請求項7に記載の冷陰極電子源の製造方法。
  10. 電極の表面に電界電子放出が可能な電子放出層を備えた冷陰極電子源の製造方法であって、
    上記電子放出層を形成するステップが、
    電極上に、ほぼ一定の粒径を有する多数の有機微粒子と導電性材料とが混入されている導電性ペーストを有機微粒子の直径以上の膜厚で配置する第1ステップと、
    上記導電性ペーストの厚さが有機微粒子の直径以下となるまで該導電性ペーストを乾燥する第2ステップと、
    上記導電性ペーストと有機微粒子との上に電子放出材料を含む電子放出用ペーストを塗布する第3ステップと、
    上記電子放出用ペーストを乾燥させて該電子放出用ペーストの電極表面からの高さを有機微粒子の直径以下にする第4ステップと、
    熱処理して上記有機微粒子を分解除去して多数の開口部を形成する第5ステップと、
    上記導電性ペーストと電子放出用ペーストとを焼成して導電性材料からなりかつ開口部を有する第1基体部とこの第1基体部の上に電子放出材料からなる第2基体部とを形成する第6ステップと、
    上記第2基体部の表面に当該第2基体部内部の電子放出材料により電子放出部を形成する第7ステップと、
    を含むことを特徴とする冷陰極電子源の製造方法。
  11. 上記電子放出材料にファイバを用いるとともに、上記電子放出部を、上記第2基体部内のファイバの一部を起毛処理して形成する、ことを特徴とする請求項10に記載の冷陰極電子源の製造方法。
  12. 上記電子放出材料にグラファイト粒子を用いるとともに、上記電子放出部を第2基体部表面に表れているグラファイト粒子により構成する、ことを特徴とする請求項10に記載の冷陰極電子源の製造方法。
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