JP2008165061A - 画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置、プロセスカートリッジおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二成分現像方式の画像形成装置において、耐久性に優れ、ベタ画像部におけるキャリア付着の発生を抑制することができると共に色汚れの発生がなく、経時的に、安定した高画質を達成することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置であって、少なくともキャリアを補給する手段と、現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを備え、該現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングにて回収する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスによる画像形成を行う画像形成装置、及びこの画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジ、並びにこの画像形成装置に適用される画像形成方法に関する。
複写機又はプリンタ等の電子写真方式による画像形成装置では、一様に帯電した像担持体表面に露光を行って潜像を形成し、潜像を現像してトナー像とした後、トナー像を記録紙等の転写材に転写することが行われている。トナー像を担持した転写材は、定着装置を通過し、熱および圧力が印加されることによりトナーは転写材上に定着される。
このような上記画像形成装置において、像担持体上の潜像を現像するにあたっては、現像性に優れていることから、トナーとキャリアから成る二成分現像剤が多く用いられている。特に、フルカラーやマルチカラー画像を形成するカラー画像形成装置では、発色性や混色性といった観点から、ほとんどの現像装置において、トナーとキャリアを混合した2成分現像剤が使用されている。
この二成分現像剤を用いた方式(二成分現像方式)では、トナーとキャリアとは現像装置内において撹拌され、トナーはその摩擦帯電によりキャリアから電荷を付与されると共に、キャリア外面に静電的に付着した状態となる。トナーを担持したキャリアは、現像領域へと搬送されて、現像バイアスが印加された条件下でトナーはキャリアから離れて像担持体の潜像部分に静電的に付着し、トナー画像が形成される。
このため、二成分現像方式において、高耐久で、且つ高い安定性を満足した画像を提供するためには、攪拌時に、トナーに対してキャリアから安定した帯電量が付与されることが重要であり、そのためには、長時間使用の前後においても、キャリアの帯電付与能力が安定していることが重要である。
しかし、通常の二成分現像方式における現像装置では、トナーが現像動作によって消費されていく一方、キャリアは消費されずに現像槽内に残る。このため、現像槽内でトナーと共に撹拌されるキャリアは、撹拌頻度が高まるにつれて、キャリア表面の樹脂コートの剥がれや、表面へのトナーの付着などの事態が生じて劣化し、例えばキャリアの抵抗値および現像剤の帯電性が徐々に低下して現像剤の現像性が上がり、画像濃度が上昇したり、かぶりが発生したりする不具合が誘発される。
この問題を解決するものとして、現像によって消費されるトナーと一緒にキャリアを追加し、現像機内のキャリアを少しずつ入れ替えることにより、帯電量の変化を抑制し、画像濃度を安定化する現像装置、いわゆるトリクル現像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、補給されるキャリアは、現像装置の現像槽内に収容されているキャリアと同じものであるため、長時間使用していくうちに現像槽内で劣化したキャリアの割合が増え、画像濃度の上昇等の不具合を抑えることが困難となる。
一方、予め現像装置内に収容されているキャリアに比べて高い抵抗値を有するキャリアにトナーを含有させて帯電性の維持、画質低下を抑制することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、より高い帯電量をトナーに付与するキャリアにトナーを含有させて帯電性の維持、画質低下を抑制することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、これらの方法では、トナー消費の差により入れ替わるキャリア量が異なることから、現像機中の現像剤の抵抗あるいは帯電量が変化し、画像濃度の変動が発生しやすくなり、満足のいくものではなかった。
さらに、予め現像装置中に収容されているキャリアと物性の異なるキャリアを含有させた補給トナーを複数種用い、各トナーを順次補給する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、実際には、一つのトナー補給容器内に複数の物性の異なるキャリアを含有させた補給トナーを交じり合わないように現像装置内に順次補給することは、キャリアとトナーの比重が極端に異なることから非常に困難であると共に、キャリアに対してトナーが多いためキャリアの劣化が生じやすく、長期にわたり安定した画像を得ることができない。
また、特許文献4に記載されているように、補給用キャリアの抵抗値を高めるため、そのキャリアコア材にコーティングするシリコーンコート層のコート量を単に増やした場合には、抵抗値が高められる一方でキャリアの帯電量が低下してしまい、その結果、現像される画像の像再現性が低下したり、背景部の汚れが発生するという問題がある。
このため、トリクル現像方式において、より安定した現像特性を得るためには、キャリアが長期使用においても安定した帯電付与能力を維持できるものであることが重要である。
二成分系現像方式に使用される粒状キャリアは、キャリア表面へのトナーのフィルミング防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等の目的で、通常、適当な樹脂材料で被覆したり(例えば、特許文献5参照)、更に、その被覆層に種々の添加剤を添加する方法が行われている(例えば、特許文献6ないし特許文献9参照)。
更に、特許文献9には、キャリア表面に添加剤を付着させたものが提案されており、また、被覆層厚よりも大きい導電性粒子を被覆層に含有させたものが提案されている(例えば、特許文献10参照)。
また、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分とするキャリア被覆材を用いることが提案されており(例えば、特許文献11参照)、また、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが提案されている(例えば、特許文献12参照)。
しかし、依然として耐久性あるいは耐熱性に問題があり、また、トナーのキャリア表面へのスペント化、それに伴う帯電量の不安定化、ならびにトナーカブリ等の発生の問題がある。さらに、耐環境性を改良する必要がある。
また、二成分現像方式に用いられる現像剤において安定した帯電特性を得るために、従来から、キャリアの中に抵抗調整剤を含有させることが行われており、この抵抗調整剤としては、現在カーボンブラックが多用されている。
しかし、カラー画像形成においては、キャリア表面の膜削れや、カーボンブラックの脱離に起因するカーボンブラックのカラー画像中への移行による色汚れが懸念される。
このような現象が生じるのを抑制するための手段として、これまで様々な方法が提案されている。
例えば、導電性材料(カーボンブラック)を芯材表面に存在させて、被覆層中に導電性材料を存在させないキャリアが提案されている(例えば、特許文献13参照)。
また、被覆層がその厚み方向にカーボンブラックの濃度勾配を持ち、該被覆層は表面に向かうほどカーボンブラック濃度が低くなり、しかも、該被覆層の表面にはカーボンブラックが存在しないキャリアが提案されている(例えば、特許文献14参照)。
また、芯材粒子表面に導電性カーボンを含有した内部被覆層を設け、更に、その上に白色系導電性材料を含有した表面被覆層を設けてなる2層コート型キャリアが提案されている(例えば、特許文献15参照)。
しかし、近年、需要者からの要望を受け、電子写真方式の画像形成装置においては、高速化の傾向が著しく、これに伴って、現像剤が受けるストレスも飛躍的に増大している。このため、特許文献13ないし特許文献15の提案においても、近年の高ストレス化には対応できず、色汚れが生じるのを完全に防止するのは困難である。
ここで、少なくとも樹脂による表面被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、該樹脂が少なくともアクリル樹脂とシリコン樹脂を有し、前記アクリル樹脂とシリコン樹脂からなる被覆層のアクリル樹脂の比率が10〜90wt%とすることで、キャリア表面へのトナースペントがなく、被覆樹脂の膜削れが少ないことで、キメの細かい画像を長期にわたり形成することができる二成分現像剤用キャリアを提供すること、また、現像ローラ上に汲み上げられる現像剤の汲み上げ量の経時変化が少ない現像剤、およびこれを用いた現像装置、現像方法を提供する技術が提案されている(例えば、特許文献16参照)。
また、少なくとも結着樹脂と粒子からなるコート膜を有する電子写真用キャリアにおいて、該粒子の粒子径(D)と該コート膜の膜厚(h)が1<[D/h]<10の関係にあり、該粒子が下記一般式(1)で示されるアルミニウム系カップリング剤を単独或いは2種以上で表面処理されており、または/及び該コート膜が前記一般式(1)で示されるアルミニウム系カップリング剤を単独或いは2種以上含有することで、高耐久な二成分現像剤用の電子写真用キャリア、現像剤、画像形成方法、収納容器、及び画像形成装置を提供することができる技術が提案されている(例えば、特許文献17参照)。
特公平2−21591号公報 特開平3−145678号公報 特開平11−223960号公報 特開平8−234550号公報 特開昭58−108548号公報 特公平1−19584号公報 特公平3−628号公報 特開平6−202381号公報 特開平5−273789号公報 特開平9−160304号公報 特開平8−6307号公報 特許第2683624号公報 特開平7−140723号公報 特開平8−179570号公報 特開平8−286429号公報 特開2003−167389号公報 特開2003−345070号公報
本発明は、二成分現像方式の画像形成装置において、耐久性に優れ、ベタ画像部におけるキャリア付着の発生を抑制することができると共に色汚れの発生がなく、経時的に、安定した高画質を達成することができる画像形成装置を提供すること、並びに、この画像形成装置に備えられるプロセスカートリッジ、及びこの画像形成装置に適用できる画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は、次の(1)ないし(14)の発明によって解決される。
(1)少なくとも、像担持体と、像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、形成された静電潜像をトナー及びキャリア(ただし、該キャリアは、芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有するキャリア)を含む現像剤により現像して可視像とする現像手段とを有する画像形成装置であって、前記キャリアを補給する手段と、前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを備え、該現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングにて回収することを特徴とする画像形成装置。
(2)前記キャリアを補給する手段は、前記現像手段にトナーとキャリアとを含む補給用現像剤を補給する現像剤補給手段であることを特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置。
(3)前記現像剤補給手段は、内圧が減少することで減容する袋状部材からなる現像剤収納容器を備えていることを特徴とする上記(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記補給用現像剤は、トナーに対するキャリアの重量比が、3重量%以上20重量%以下であることを特徴とする上記(2)又は(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記現像剤回収手段は、複数有することを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記キャリア芯材の被覆層は、少なくとも結着樹脂とイオン性液体またはイオン性液体由来の物とを含有することを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記キャリア芯材の被覆層は、無機微粒子を含有していることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記無機微粒子は、芯材に対して被覆率が70%以上含有されており、該粒子の粒子径(D)と、該被覆層膜厚(h)が、0.5<[D/h]<1.5であることを特徴とする上記(7)に記載の画像形成装置。
(9)前記キャリアの体積固有抵抗は、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)前記キャリア芯材の体積平均粒径は、20μm以上65μm以下であることを特徴とする上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)前記キャリア芯材の被覆層結着樹脂は、少なくともシリコーン樹脂又はアクリル樹脂の少なくとも1つの樹脂を含有していることを特徴とする上記(6)ないし(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)前記キャリアの1000(103/4π・A/m)における磁気モーメントが、40(Am2/kg)以上90(Am2/kg)以下であることを特徴とする上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の画像形成装置。
(13)像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリア(ただし、該キャリアは、芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有するキャリア)を含む現像剤により可視像とする現像手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、前記画像形成装置本体側に前記キャリアを補給する手段と、前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを備え、該現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングにて回収することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(14)像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を、トナー及びキャリア(ただし、該キャリアは、芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有するキャリア)を含む現像剤を収容する現像手段により現像して可視像とする画像形成方法であって、前記キャリアを補給する手段と、前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを用い、該現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングにて回収することを特徴とする画像形成方法。
本発明の画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法によれば、長期の使用においても現像剤の帯電性が安定し、耐久性に優れており、またランニング経時でのベタ画像部にキャリア付着が生じることがなく、キメの細かい画像を長期間にわたって形成することができ、更に色汚れの発生もない高品質な画像を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置等について、実施形態により、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100内には、4個の像担持体である感光体1を有する画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dを、画像形成装置100に対してそれぞれ着脱可能に装着している。画像形成装置100の略中央に転写ベルト8を複数のローラ間に回動可能に装着した転写装置を、配置している。
転写ベルト8の下側の面には、画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dにそれぞれ設けられている感光体1が接触するように配置している。そして、その画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dに対応させて、それぞれ使用するトナーの色が異なる現像装置10A、10B、10C、10Dを配置している。
各々の画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dは、同一の構成をしたユニットであり、画像形成ユニット2Aはマゼンタ色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Bはシアン色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Cはイエロー色に対応する画像を形成し、画像形成ユニット2Dはブラック色に対応する画像を形成する。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2D内にそれぞれ配置されている現像装置10A、10B、10C、10Dでは、トナーとキャリアとを含む二成分系現像剤が用いられ、後述する現像剤補給装置200から、現像剤収容部14に備えられる図示省略したトナー濃度センサの出力に応じてトナー補給を行うとともに、キャリアも補給して古い現像剤を排出し、現像剤を交換することが可能なトリクル現像方式が採用されている。
画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dの上方空間には、トリクル現像方式に用いられる現像剤補給装置200A、200B、200C、200Dが配置されている。現像剤補給装置200は、感光体ドラム1に供給されようとしているトナーとは別の新規なトナーと新規なキャリアとを現像装置10に補給するための構成であり、その構成を図2に示す。
また、図1に示すように、画像形成ユニット2A、2B、2C、2Dの下方には書込みユニットとしての露光装置6を配置している。
露光装置6は、各色ごとに用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、たとえば6面のポリゴンミラーとポリゴンモータから構成される1組のポリゴンスキャナと、各光源の航路に配置されたfθレンズ、長尺シリンドリカルレンズ等のレンズやミラーから構成されている。レーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され感光体1上に照射される。
図1に示すように、転写ベルト8と現像剤補給装置200との間には、画像が転写された転写紙の画像を定着する定着装置9が設けられている。その定着装置9の転写紙搬送方向下流側には、排紙路51を形成し、そこに搬送した転写紙を排紙ローラ対52により排紙トレイ53上に排出可能にしている。
また、画像形成装置100の下部には、転写紙を収納可能な給紙カセット7を配設している。
次に、この画像形成装置100の画像形成における動作について説明する。
画像形成の動作を開始させると、各感光体1が図1で時計回り方向にそれぞれ回転する。そして、その各感光体1の表面が帯電ユニット3の帯電ローラ301により一様に帯電される。そして、画像形成ユニット2Aの感光体1aには、露光装置6によりマゼンタの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Bの感光体1bにはシアンの画像に対応するレーザ光が、画像形成ユニット2Cの感光体1cにはイエローの画像に対応するレーザ光が、さらに画像形成ユニット2Dの感光体1dにはブラックの画像に対応するレーザ光がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した潜像がそれぞれ形成される。各潜像は、感光体1が回転することにより現像装置10A、10B、10C、10Dの位置に達すると、そこでマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各トナーにより現像されて、4色のトナー像となる。
一方、給紙カセット7から転写紙が分離給紙部により給紙され、それが転写ベルト8の直前に設けられているレジストローラ対55により、各感光体1上に形成されているトナー像と一致するタイミングで搬送される。転写紙は、転写ベルト8の入口付近に配設している紙吸着ローラ54によりプラスの極性に帯電され、それにより転写ベルト8の表面に静電的に吸着される。そして、転写紙は、転写ベルト8に吸着した状態で搬送されながら、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック色の各トナー像が順次転写されていき、4色重ね合わせのフルカラーのトナー画像が形成される。その転写紙は、定着装置9で熱と圧力が印加されることによりトナー像が溶融定着され、その後トナー像が定着された転写紙は排紙系を通って、画像形成装置1上部の排紙トレイ53に排紙される。
図2は、本発明の画像形成装置に備えられる現像装置とその周辺の構造を示す概略断面図である。図2において、現像装置10の上方には現像装置10内に新規なトナーとキャリアからなる現像剤を補給する現像剤補給装置200が備えられている。また現像装置10の下方には、現像装置10内で過剰となった現像剤を回収する現像剤回収装置300が備えられている。
現像装置10は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容部14を有するハウジング15と、このハウジング15の開口部側に像担持体としての感光体1と近接した状態で回転するように配設される現像剤担持搬送体としての現像ロール12と、現像剤収容部14内で回転するように配設される現像剤攪拌搬送部材としての2つの搬送スクリュー11a、11bと、現像ローラ12の表面に圧接又は近接した状態で配設される層厚規制部材13とで、その主要部が構成されている。
このうち、現像ローラ12は、内部に固定されたマグネットロール120を備えた回転駆動する円筒状のスリーブ121である。また、現像剤収容部14は、中央側の隔壁14cにより2分され、両端側の連通部により連通された収容空間14a、14bからなり、その各収容空間14a、14bで回転する搬送スクリュー11a、11bにより現像剤が攪拌しながら収容空間14a、14bとの間を循環搬送されるようになっている。層厚規制部材13は、非磁性部材と磁性部材の二重構造からなり、その先端がマグネットロール120の所定の磁極に対向するように配設されている。
図2に示すように、現像剤補給装置200は、補給用の二成分現像剤を収容する現像剤収容器230と、現像剤収容器230内の二成分現像剤を現像剤収容部14に送り出して供給する現像剤補給器220とから構成されている。現像剤補給器220は、現像剤収容器230と現像装置10との間に、それぞれに接続して備えられている。
現像剤補給装置200の詳細な構成については、後述する図3を用いて説明する。
現像剤回収装置300は、現像剤収容部14内で過剰になった二成分現像剤を回収する回収容器330と、過剰になって現像剤収容部14から溢れ出る現像剤を回収容器330に送る現像剤回収手段としての回収パイプ331とで構成されている。回収パイプ331は、その上部開口331aが現像剤収容部14内の所定高さに位置するように配設されており、その所定高さにある上部開口331aを乗り越える分の現像剤を回収するようになっている。
なお、本発明の現像剤回収装置としては、上記の構成に限られるものではなく、例えばハウジング15の所定の箇所に現像剤排出口を開設し、回収パイプ331の代わりに、現像剤回収口の近傍に現像剤排出手段としての回収スクリュー等の搬送部材を設置して、現像剤排出口から排出された現像剤を回収容器330に搬送することとしてもよい。
また、本実施形態の回収パイプ331の端部又は内部に、この回収スクリューを備えることも可能である。
このような現像装置を用いて、以下のようにして現像が行われる。
まず、図2に示すように、現像剤収容部14内に予め収容されている二成分現像剤が、搬送スクリュー11a、11bより攪拌されて十分に混合されるとともに摩擦帯電された後、現像ローラ12に供給されて、そのスリーブ121表面に層状に付着する。
この現像ローラ12に付着する層状になっている現像剤は、層厚規制部材13により所定の厚さに規制されて均一な層にされた後、スリーブ121の回転に伴って感光体1と対向する現像領域Dに搬送される。そして、この現像領域Dにおいて、画像形成装置本体100(図1参照)側で原稿の画像に応じて感光体1上に形成された潜像に二成分現像剤のトナーが静電吸着して現像が行われ、感光体1上にトナー像が形成される。
感光体1上に形成されたトナー像は、画像形成装置本体100側において記録用紙としての転写材P(図示なし)上に転写定着される。
この現像動作が繰り返されることにより、現像剤収容部14内の現像剤に含まれるトナーが消費されて徐々に減るが、このトナーの減量が前記したトナー濃度センサにより検知されると、現像剤補給装置200の現像剤補給器220が駆動し、これにより現像剤収容器230に収容されている二成分現像剤が補給される。この補給された新たな二成分現像剤は、現像剤収容部14内で搬送スクリュー11a、11bにより攪拌され、補給前から収容されている二成分現像剤と十分に混合される。
また、現像剤収容部14内には、現像剤補給装置200からの二成分現像剤の補給により、トナーとともにキャリアも所定の割合で補給されるため、現像剤収容部14内の現像剤量は次第に過剰となる。現像剤収容部14内で過剰になった二成分現像剤は、収容部14の規制高さを越えて溢れ出し現像剤回収装置300の回収パイプ331を通して回収容器330内に収容される。
トリクル現像方式の現像装置10においては、劣化したキャリアの大半は現像剤回収装置300により回収されるが、一部のキャリアは長期にわたって現像剤収容部14内に残留する可能性があり、また、画像形成装置100において、トナーの消費量が少ない場合には、現像剤収容部14におけるキャリアの交換量が少なく、キャリアが現像剤収容部14内に滞留する期間が長くなる場合がある。
現像剤収容部14において搬送スクリュー11a、11bによりトナーとキャリアが混合されると、トナーとキャリア、あるいはキャリア同士が接触し、その摩擦によりキャリア表面では膜削れが発生しやすい。
キャリアの表面膜は帯電発生箇所であるため、その膜削れの現象が顕著となると、トナーへの帯電付与能力が低下し、安定した現像特性が得られない。
本発明において、現像剤収容部14に収容されているキャリアは、図8に示すように、芯材表面に被覆層(コート層)が形成されており、この被覆層中に所定の粒子が含まれている。
この粒子の一部は、被覆層に対して凸となっており、この粒子により、キャリア表面は、トナーや、他のキャリア粒子との接触による衝撃が緩和される。このため、キャリア表面の膜削れが発生する割合が大きく抑えられる。また、この粒子により、攪拌時にキャリア表面に付着したトナーのスペント成分が掻き落とされ、トナースペントの発生が防止される。
キャリア表面の膜削れや、キャリア表面におけるトナースペントの発生が顕著となると、キャリアの電気抵抗値及び現像剤の帯電量の低下が誘発されるため、安定した現像特性が得られない。
更に、キャリアの抵抗値の低下により、ベタ画像部におけるキャリア付着の現象が発生しやすくなり、現像剤収容器14内の現像剤量減少による画像劣化及び耐久性悪化が発生すると共に、画像上にキャリアが付着することにより画像の精細性が低下する。
このため、キャリアの抵抗値の低下したものについては選択的にキャリア現像し、現像したキャリアおよびトナーを転写せずに感光体上でクリーニング回収する。装置については特に変更される個所は無く、地肌ポテンシャルの制御を通常の印刷時の制御から変更し、抵抗低下したキャリアを選択的に感光体へ現像する。実際には通常の地肌ポテンシャルより100V〜200Vの範囲で増やすことで、強制的にキャリア現像させる。例えば、通常の制御ではOPCの帯電電位が−720Vで、現像バイアス:−600V(地肌ポテンシャル120V)で印刷していたところを、印刷終了時に帯電電位が−920Vで、現像バイアスを−600V(地肌ポテンシャル320V)でキャリア現像させ、転写せずにこれをクリーニングして回収する。キャリア現像する設定はシステム(キャリア膜削れによる抵抗低下)によって異なるが、印刷枚数に対するカバレッジ(消費画像面積)により設定する。カバレッジが多い場合には、キャリアとしては膜削れが進行(抵抗低下)しないためキャリア現像による吐き出しは行わない。また、トナーと一緒にキャリアも多量に補給されるので余剰剤が発生するが、前述した様に現像部より溢れ出すことによって回収する。カバレッジが少ない場合(低画像面積)には、トナーの入れ替わりが少なく、現像機内で空回しとなっている状態が続くため、キャリアとしては膜削れが進行(抵抗低下)してしまう。この場合にはキャリア現像を行い、抵抗低下したキャリアを強制的に吐き出す(回収する)。
本発明の画像形成装置に用いられるキャリアについては、後述する。
以下に、現像剤補給装置200の構成を図3に基づいて詳細に説明する。
図3は、本発明で使用される現像剤補給装置200の概略構成図である。
現像剤補給装置200に備えられた現像剤収容器230の内部には、減容可能な袋状部材としての現像剤収納部材231が備えられており、現像装置10の現像剤収容部14に補給される新規なトナーとキャリアは、現像剤収納部材231内部に収容されている。現像剤収納部材231は、この現像剤が現像剤収容部14に補給されることによる内部の圧力の減少に伴って減容する。
現像剤補給器220は、ハウジング15の所定箇所に開設された補給口15aの上端に連結して備えられたスクリューポンプ223と、スクリューポンプ223に接続して備えられたノズル240と、ノズル240に接続して備えられた空気供給手段260とを備えており、現像剤収容部14に設置される図示しないトナー濃度センサ等の検知信号に応じて駆動し適量の現像剤を現像剤収容器230から現像剤収容部14に供給する。
スクリューポンプ223とノズル240の間には、このスクリューポンプ223に連通される現像剤搬送通路としての搬送チューブ221を有している。この搬送チューブ221は、好ましくは、フレキシブルで耐トナー性に優れたポリウレタン、ニトリルゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等のゴム材料で形成されたものを利用する。
また図3に示すように、現像剤補給装置200は、現像剤収納容器としての現像剤収容器230を支持するための容器ホルダ222を有しており、この容器ホルダ222は樹脂等の剛性の高い材料で形成されている。
現像剤収容器230は、柔軟なシート材で形成される袋状部材としての現像剤収納部材231と、現像剤排出口を形成する排出口形成部材としての口金部232を有している。
現像剤収納部材231の材質としては、ポリエチレンシート、ポリエステルシート、ポリウレタンシート等のプラスチックシートを用いることが好ましい。
また、口金部232には、スポンジ、ゴム等で形成されるシール材233が設けられており、このシール材233には十字型の切り込みが設けられている。そして、この切り込みに現像剤補給器220のノズル240を通すことで、現像剤収容器230と現像剤補給器220が連通し固定される。
本実施形態では、口金部232が、現像剤収容器230の下方に備えられている。ここで、口金部232が下方に備えられている状態とは、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、口金部232が、現像剤収容器230における下方向きの鉛直成分を含んだ位置に備えられていることを表している。
なお、口金部232が、現像剤収容器本体に備えられる位置は、上記した例に限られるものではなく、現像剤収容器230が現像剤補給装置200に配設された状態において、現像剤収容器230本体の水平方向に備えられてもよく、また、斜め方向に備えられてもよい。
また、現像剤収容器230は、トナーの消耗に応じて適宜、新しい物と交換されるが、これらの構成を採用することにより、その着脱が容易となり、交換時や使用時におけるトナー漏れを有効に防止する。
図4(a)は、現像剤補給器220に設けられるノズル240の概略構成を示す外観図であり、図4(b)は、その軸方向断面図であり、図4(c)は、図4(b)中符号A−Aの断面図である。このノズル240は、図4(b)に示すように、内管241とその内管241を内部に収容する外管242とからなる2重管構造を有している。内管241の内部は、現像剤収容器230内の現像剤を排出するための現像剤搬送通路としての現像剤流路241aとなっている。現像剤収容器230内のトナーは、スクリューポンプ223による吸引力により、吸引され、現像剤流路241aを通ってスクリューポンプ223内に引き込まれることになる。
図5は、スクリューポンプ223の概略構成を示す断面図である。このスクリューポンプ223は、一軸偏芯スクリューポンプと呼ばれる構成を採用したものであり、この構成では内部にロータ224及びステータ225を備えている。ロータ224は、円形断面が螺旋状に捻れた形状を有し、硬い材質で形成されており、ステータ225の内部に嵌合される。一方、ステータ225は、ゴム状の柔軟な材料で形成され、長円形断面が螺旋状に捻れた形状の穴を有しており、この穴にロータ224が嵌合される。また、ステータ225の螺旋のピッチは、ロータ224の螺旋のピッチの2倍の長さに形成されている。また、ロータ224は、ユニバーサルジョイント227及び軸受228を介して、ロータ224を回転駆動させるための駆動モータ226に接続されている。
この構成において、現像剤収容器230からノズル240の現像剤流路241a及び搬送チューブ221を通って搬送されてきたトナー及びキャリアは、スクリューポンプ223のトナー吸引口223aから内部に入り込む。そして、ロータ224とステータ225の間に形成されるスペースに入り込み、ロータ224の回転に伴って、図3中右側方向に吸引搬送される。そして、ロータ224とステータ225の間のスペースを通過したトナーは、トナー落下口223bから下方に落下し、現像装置10の現像剤補給口15aを介して、現像装置10の内部に供給される。
また、本実施形態で使用される現像剤補給器220は、現像剤収容器230内に空気を供給する空気供給手段260を備えている。
図3に示すように、各エア流路244a、244bは、それぞれ、気体供給通路としてのエア供給路261a、261bを介して、別個の気体送出装置としてのエアポンプ260a、260bに接続されている。
エア流路244は、図4(b)に示すように、現像剤補給器220のノズル240の内管241と外管242との間に、空気供給通路として設けられているものであり、このエア流路44は、図4(c)に示すように、互いに独立した断面半円状の2つの流路244a、244bから構成されている。
また図3に示すように、エアポンプ260a、260bとしては、通常のダイアフラム型のエアポンプを利用することができる。これらエアポンプ260a、260bから送り出される空気は、それぞれ、エア流路244a、244bを通って、各エア流路の気体供給口としてのエア供給口246a、246bからトナー収容器230内に供給される。各エア供給口246a、246bは、トナー流路241aの現像剤排出口としてのトナー流出口247の図中下方に位置している。これにより、各エア供給口246a、246bから供給される空気は、トナー流出口247付近のトナーに対して供給されることになり、使用されないまま長期間放置されてトナー流出口247にトナーが詰まった状態になったとしても、そのトナー流出口247を塞いでいるトナーを崩すことができる。
また、エア供給路261a、261bには、図を省略した気体送出制御手段としての制御部からの制御信号により、開閉動作する閉塞手段としての開閉弁262a、262bが設けられている。開閉弁262a、262bは、制御部からON信号を受け取ると弁を開けて空気を通過させ、制御部からOFF信号を受け取ると弁を閉めて空気の通過を阻止するように動作する。
次に、本発明の画像形成装置に使用される現像剤補給器220の動作について図3を用いて説明する。
上記制御部は、現像装置10からトナー濃度が不足した内容の信号を受け取ることで、現像剤補給動作を開始する。この現像剤補給動作では、まず、エアポンプ260a、260bをそれぞれ駆動させ、現像剤収容器230内に空気を供給するとともに、スクリューポンプ223の駆動モータ226を駆動させて、現像剤の吸引搬送を行う。
エアポンプ260a、260bから空気が送り出されると、その空気は、エア供給路261a、261bからノズル240のエア流路244a、244bに入り込み、エア供給口246a、246bから現像剤収容器230内に供給される。この供給された空気によって、現像剤収容器230内の現像剤は攪拌されて、空気を多く内包した状態となり、流動化が促進される。
また、現像剤収容器230内に空気が供給されると、現像剤収容器230内の内圧が高まることになる。従って、現像剤収容器230の内圧と外圧(大気圧)との間に圧力差が生じ、流動化した現像剤に圧力の引く方向へ移動する力が働く。これにより、現像剤収容器230内の現像剤は、圧力の引く方向、すなわち現像剤流出口247から流出することになる。
本実施形態では、スクリューポンプ223による吸引力も作用して、現像剤収容器230内の現像剤が現像剤流出口247から流出する。
上述のようにして、現像剤収容器230から流出した現像剤は、現像剤流出口247からノズル240の現像剤流路241aを通り、搬送チューブ221を介してスクリューポンプ223内に移動する。そして、スクリューポンプ223内を移動した後、現像剤落下口223bから下方に落下し、現像剤補給口15aから現像装置10内に現像剤が補給される。一定量の現像剤補給が完了したら、制御部は、エアポンプ260a、260b及び駆動モータ226の駆動を停止させ、かつ、開閉弁262a、262bを閉じ、トナー補給動作を終了する。このように、トナー補給動作終了時に開閉弁262a、262bを閉じることで、トナー収容器230内のトナーがノズル240のエア供給路244a、244bを通ってエアポンプ260a、260b側に逆流するのを防止している。
また、エアポンプ260a、260bから供給される空気の供給量は、スクリューポンプ223によるトナー及び空気の吸引量よりも少なく設定されている。よって、トナーを消費するにつれて、現像剤収容器230の内圧が減少することになる。ここで、本発明で使用される現像剤収容器230の現像剤収納部材231は、柔軟なシート材で形成されているため、内圧の減少に伴って減容することができる。
図6は、現像剤収容部材231に現像剤を充填した状態の斜視図である。
図7は、現像剤収容部材231内部の現像剤が排出されて減容した(完全にしぼんだ(完全に減容された))状態を示す正面図である。ここで、現像剤収容部材231は、例えば、60%以上減容(60%以上容積が収縮)されるものが望ましい。
図6で示される現像剤収容器230内には、新規なトナーとキャリアからなる現像剤が収納されており、この現像剤中におけるトナーとキャリアの存在比率は、トナーに対するキャリアの重量比で、3重量%以上20重量%以下である。
現像剤収容器230内におけるキャリアに対するトナーの重量存在比が、3重量%未満であると、現像剤収納部材231内でキャリア同士が凝集して、現像装置10への安定した供給性が得られない。また、20重量%を超えると、現像装置10に供給されるキャリアの量が、トナーの量に対して不足し、現像装置10内において安定したトナー帯電量が得られない。
次に、本実施形態にて用いられる、トナーとキャリアを含む2成分現像剤について説明する。
[電子写真用キャリア]
本発明における電子写真用キャリア(以下、単にキャリアと示す。)は、芯材と、この芯材を被覆する被覆層とを有し、更に必要に応じてその他の層を有している。
被覆層は、少なくとも結着樹脂、及びイオン性液体またはイオン性液体由来の物を含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
カラー画像のように高画質を求める方式において、キャリアとしての抵抗調整は必須であり、抵抗が著しく高いキャリアでは非画像部へのキャリア付着(地肌キャリア付着やエッジキャリア付着)や白抜けなどの異常画像が発生する。
キャリアとして抵抗調整を行う場合、従来では抵抗調整剤としてカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムにて表面処理した微粒子などの導電性微粒子をキャリア被覆層中に添加することで抵抗調整している。
しかし、被覆層の削れにより導電性微粒子がトナー中に混入し、導電性微粒子が無色または白色以外の場合、カラー画像については色汚れの原因となる。カーボンブラック、酸化インジウムなどは少量にてキャリア抵抗を引き下げる効果があるが、色汚れの問題で使用することができない。また、酸化亜鉛、酸化インジウム処理微粒子は白色であるがカーボンブラックのように抵抗引き下げ効果が少量では得られず、被覆層中に多量に添加しなければならず、大量に添加するためにキャリア被覆層中で導電性微粒子が偏在してしまう。導電性微粒子の偏在個所が被覆層の削れにより露出すると、その個所が起点に電気的なリークポイントとなり、局所的な抵抗低下が発生する。抵抗低下により画像部へのキャリア付着が発生し、白抜けなどの異常画像となる。
イオン性液体は液体であり、被覆層液の作製時に被覆樹脂と微分散しやすく、結果としてキャリア被覆層中に微分散状態で存在するため、局所的な抵抗低下は発生しない。また、イオン性液体は無色〜白濁であるため、被覆層が削れてトナー中に混入しても色汚れは発生しない。本発明ではこのようなイオン性液体を原料として用いるが、得られたトナーのキャリア芯材の被覆層には、このイオン性液体がそのままの状態であることのみを意味していない。すなわち、このイオン性液体がイオン基として存在していたり、イオン性基として存在したり、あるいはイオン架橋の物とした状態で存在する状態であるイオン性液体由来の物として存在する全てのことを意味している。これらのイオン性液体由来のものは、たとえば水性媒体、極性溶媒などにより抽出、濃縮等して、たとえばイオンクロマトグラフなどの分析装置により、イオン性液体由来の物と判断することができる。
本発明に用いられるイオン性液体は、イオン性液体としての一般的な物性、即ち、−100℃〜200℃程度の広い温度領域で液体状態である、イオン伝導性が高い、不揮発性である、引火性・可燃性が無い、高い熱安定性、を有するものであれば如何なるものでも用いることができる。
しかしながら、本発明においては、静電潜像現像用現像剤の生産工程(樹脂の熱硬化および脱溶剤)にて使用される温度領域、即ち、少なくとも100〜300℃の温度範囲内において分解しないことが好ましい。
イオン性液体のイオン伝導特性は特に限定されるものではないが、10〜30℃の温度範囲内において、6.1×10-5S/cm〜1.5×10-2S/cmである。
本発明に用いられるイオン性液体の具体的な組成としては、一般的なイオン性液体としての物性を備えているものであれば特に限定されず、上記したようにイオン性液体が保持できる温度や、イオン伝導特性等の物性がより適したものであることが好ましい。
有機カチオニウム塩としてはアンモニウム塩、イミダゾリウム誘導体、ピリジニウム、ホスホニウムなどが挙げられ、有機酸アニオンとしてはBF4−、PF6 -、CF3SO3 -(Tf:トリフラート)、(CF3SO22-(TFSI)などが挙げられる。その中でも、エチルメチルイミダゾリウム(EMI)やブチルメチルイミダゾリウム(BMI)の塩が好適に用いられる。本発明においては、これら以外にもイオン性液体に溶解する成分を含むイオン性物質を用いてもよい。
なお、本発明におけるキャリアの体積固有の抵抗値は、10〜16logΩ・cm程度の範囲内であれば特に限定されず、用途に応じて調整することができ、被覆層中に含まれるイオン性液体の含有量は特に限定されず、所望する抵抗値と、用いるイオン性液体のイオン伝導性とを考慮して決定することができる。
イオン性液体は、ピリジニウム系(式1)、イミダゾリウム系(式2)、脂環式アミン系(式3)又は脂肪族アミン系(式4)の材料を使用することが好ましい。具体的には、広栄化学工業社製 ピリジニム系イオン性液体IL−P11、IL−P14や、イミダゾリウム系イオン性液体IL−IM1や、脂環式アミン系イオン性液体IL−C1、IL−C3、IL−C5、および脂肪族アミン系イオン性液体IL−A1、IL−A2、IL−A3、IL−A4、IL−A5を用いることができる。
Figure 2008165061
((式1)中のR、R'は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。)
Figure 2008165061
(式中のR、R'は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。)
Figure 2008165061
((式3)中、5員環で記載された脂環化合物はその環に窒素原子を有している脂環化合物であるアリファティックアミン環であり、この環のアミノ基に結合しているR、R'は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。又前記アリファティックアミンの炭素数nは2以上である。)
Figure 2008165061
((式4)中のR、R'、R''、R'''は同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素残基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又はフェニル基を示す。)
本発明におけるキャリアの被覆層には無機微粒子が含有され、無機微粒子が芯材に対して被覆率で70%以上含有されている。該粒子を含有させる理由にはキャリア表面に凹凸を作り、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができる。これにより、キャリアへのトナーのスペントを防止することが可能となる。
本発明における被覆率は、無機酸化粒子の芯材に対する被覆率であり次式で表される。
被覆率=[(Ds*ρs*W)/(4*Df*ρf)]*100
上記被覆率の数式中、Dsはキャリア芯材粒径、ρsはキャリア芯材真比重、Wはキャリア芯材に対する無機酸化粒子の添加量の比、Dfは無機酸化粒子の粒径、ρfは無機酸化粒子の真比重を表す。
無機微粒子及びキャリア芯材の真比重ρf、ρsについては乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した。本計測法はヘリウムによるガス置換式の測定法である。測定法は、ステンレス製の内径18.5mm、長さ39.5mm、容量10cm3のセルに、測定サンプルを4g入れる。次いで、試料セル中のサンプルの容積をヘリウムの圧力変化によって測定し、求められた容積とサンプルの重さからサンプルの密度(無機微粒子及びキャリア芯材の真比重ρf、ρs)を求める。
キャリア芯材粒径Ds(体積平均粒径)はマイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて測定することができる。0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。また、分散液にはメタノールを使用し、屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
無機酸化粒子の粒径Dfは自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)により体積平均粒径を測定する。測定の前処理として、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れ、試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈した希釈液をホモジナイザーに常に攪拌を続け、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700により測定する。測定条件は、以下のとおりであった。
測定条件
回転速度:2000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm3
粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い、前記したようにして測定した真比重値を入力する。
被覆率が70%未満では経時の膜削れによりキャリア芯材表面が露出してしまう確率が高くなり、局所的に抵抗の低下が発生し、そのような状態が存在するキャリアがベタ画像中に現像してしまい、画像中に白抜けが発生してしまう。
さらに、キャリア被覆層に含まれる無機微粒子の粒子径(D)と、該被覆層膜厚(h)の比D/hが、0.5<[D/h]<1.5であると、改善効果が顕著である。これは、該粒子径(D)と該被覆樹脂膜厚(h)の比D/hが、0.5<[D/h]<1.5であると、被覆膜に比べ無機微粒子の方が凸となるので、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができる。これにより、帯電発生箇所である結着樹脂の膜削れも抑制することが可能となる。さらに、キャリア表面に、被覆膜に比べ凸となる粒子が多数存在するため、キャリア同士の摩擦接触によりキャリア表面に付着したトナーのスペント成分を効率良く掻き落とすクリーニング効果も発揮し、トナースペントを防止することができる。
比[D/h]が0.5未満の場合、無機微粒子は結着樹脂中に埋もれてしまうため、効果が著しく低下し好ましくない。[D/h]が1.5を越える場合、該粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため充分な拘束力が得られず、該粒子が脱離し易くなるため好ましくない。脱離した場合には抵抗低下を引き起こしてしまう。
図8に示すように、該被覆層膜厚hは、芯材表面から被覆層表面までの厚みを示す。芯材表面から被覆層表面までの厚みhは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、芯材表面から被覆層表面までの厚み(h1〜h4の様に)を、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定し、得られた測定値を平均した値である。
本発明のキャリアの被覆層中に分散される無機微粒子には、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムのいずれかで、単独或いは複数で用いてもよい。ただし、被覆層中から離脱した場合、トナー粒子と混在し色汚れの原因となるため、白色であることが必要条件となる。無機微粒子の粒子径(D)は前述した無機微粒子の粒径測定方法と同様に超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA-700にて測定する。
さらに、キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることで、改善効果が顕著である。
これは、体積固有抵抗が10[Log(Ω・cm)]未満の場合、非画像部でのキャリア付着が生じ好ましくない。一方、体積固有抵抗が16[Log(Ω・cm)]を超える場合、エッジ効果が許容できないレベルに悪化して好ましくない。
なお、ハイレジスト計の測定可能下限を下回った場合には、実質的には体積固有抵抗値は得られず、ブレークダウンしたものとして扱うことにする。
ここでいう体積固有抵抗とは、図9で示す電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31にキャリア33を充填し、三協パイオテク社製:タッピングマシンPTM−1型を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行う。両極間に1000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH0HWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)により直流抵抗を測定して電気抵抗率R[Ω・cm]を求め、LogRを算出する。
さらに、本発明におけるキャリア芯材の体積平均粒径が20μm以上65μm以下であることで、改善効果が顕著である。
これは、体積平均粒径が20μm未満の場合は、粒子の均一性が低下することと、マシン側で充分使いこなす技術が確立できていないことにより、キャリア付着などの問題が生じ好ましくない。一方、65μmを越える場合には、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので、好ましくない。
キャリアの体積平均粒子径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装社製)のSRAタイプを用いて測定することができる。0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。また、分散液にはメタノールを使用し屈折率1.33、キャリアおよび芯材の屈折率は2.42に設定する。
さらに、少なくとも結着樹脂がシリコーン樹脂であることで、改善効果が顕著である。これは、シリコーン樹脂は表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるためである。
ここでいうシリコーン樹脂とは、一般的に知られているシリコーン樹脂全てを指し、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂などが挙げられるが、これに限るものではない。例えば、市販品としてストレートシリコーン樹脂としては、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。さらに、変性シリコーン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
また、少なくとも結着樹脂がアクリル樹脂を有するかまたは前記シリコーン樹脂とすることで改善効果が顕著である。
これは、アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので、耐磨耗性に非常に優れた性質を持ち、被覆膜削れや膜剥がれといった劣化が発生しづらいので、被覆層を安定的に維持することが可能であるとともに、強い接着性により導電性粒子など被覆層中に含有する粒子を強固に保持することができる。特に、被覆層膜厚よりも大きな粒径を有する粒子の保持には強力な効果を発揮することができる。
ここでいうアクリル樹脂とは、アクリル成分を有する樹脂全てを指し、特に限定するものではない。また、アクリル樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分を少なくとも1つ以上同時に用いることも可能である。ここでいう架橋反応する他成分とは、例えばアミノ樹脂、酸性触媒などが挙げられるが、これに限るものではない。ここでいうアミノ樹脂とはグアナミン、メラミン樹脂等を指すが、これらに限るものではない。
また、ここでいう酸性触媒とは、触媒作用を持つもの全てを用いることができる。例えば、完全アルキル化型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ基型等の反応性基を有するものであるが、これらに限るものではない。アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコーン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。
しかし、シリコーン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性が悪いという弱点も有するため、この2種の樹脂の性質をバランス良く得ることが重要であり、これによりスペントがし難く耐摩耗性も有する被覆膜を得ることが可能となる。
さらに、1000(103/4π)・(A/m)における磁気モーメントが、40(Am2/kg)以上90(Am2/kg)以下であることで、改善効果が顕著である。
これは、この範囲とすると、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれるので、キャリアまたは現像剤へのトナーの分散(混ざり)が素早く良好となるが、1KOeにおける磁気モーメントが40Am2/kg未満の場合は、磁気モーメント不足によりキャリア付着が生じ好ましくない。一方、1KOeにおける磁気モーメントが90Am2/kgを超える場合には、現像時に形成する現像剤の穂が硬くなり過ぎるため、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので好ましくない。
前記磁気モーメントは、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒セル(内径7mm、高さ10mm)にキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000エルステッド(Oe)まで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁気モーメントを算出する。
本発明におけるキャリアの被覆層は、例えば、無機微粒子、結着樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法などが挙げられる。
(芯材)
本発明において使用されるキャリアの芯材は、先述したように体積平均粒径が20μm以上65μm以下であることで、改善効果が顕著である。これは、体積平均粒径が20μm未満の場合は、粒子の均一性が低下することと、マシン側で充分使いこなす技術が確立できていないことにより、キャリア付着などの問題が生じ好ましくない。一方、65μmを越える場合には、キャリアスジ等の発生や、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので、好ましくない。特に、近年の高画質化に対しては、25〜50μmがより好ましい。
芯材としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、が好適に挙げられる。また、近年著しく進む環境面への影響を配慮し、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等を用いることが好適である。
[現像剤]
本発明の画像形成装置に使用される現像剤は、上述の電子写真用キャリアと、トナーとを含んでなる。
トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなり、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、キャリア100重量部に対しトナー1〜10.0重量部である。
[トナー]
ここで、本発明でいうトナーについて詳しく説明することにする。
本発明でいうトナーとは、モノクロトナー、カラートナー、フルカラートナーを問わず、一般的にいうトナー全てを含む。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。更に、離型剤を有するいわゆるオイルレストナーも用いることができる。本発明のキャリアは耐スペント性が優れているため、長期にわたり良好な品質を維持できる。特にオイルレスフルカラートナーにおいては、結着樹脂が軟らかいため一般的にスペントし易いと言われるが、本発明のキャリアは非常に向いていると言える。
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、公知のものが使用できる。例えばポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
そして、圧力定着用結着樹脂としては、公知のものを混合して使用できる。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂などが単独あるいは混合して使用でき、これらに限られるものではない。
さらに、本発明で用いるトナーには上記結着樹脂、着色剤、帯電制御剤の他に、定着助剤を含有することもできる。これにより、定着ロールにトナー固着防止用オイルを塗布しない定着システム、いわゆるオイルレスシステムにおいても使用できる。定着助剤としては、公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が使用でき、これらに限られるものではない。
本発明のカラートナー等のトナーに用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料が使用でき、ここで挙げるものに限らない。例えば、黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物が挙げられる。
また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
本発明におけるカラートナー等のトナーには必要に応じ帯電制御剤をトナー中に含有させることができる。例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.BasicRed 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、或いはジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。ブラック以外のカラートナーは、当然目的の色を損なう荷電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
外添剤については、シリカや酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子を母体トナー粒子に外添することにより転写性、耐久性をさらに向上させている。
転写性や耐久性を低下させるワックスをこれらの外添剤で覆い隠すこととトナー表面が微粒子で覆われることによる接触面積が低下することによりこの効果が得られる。
これらの無機微粒子はその表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理されたシリカや酸化チタン、といった金属酸化物微粒子が好適に用いられる。
樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径0.05〜1μm程度のポリメチルメタクリレートやポリスチレン微粒子が好適に用いられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを併用し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより湿度に対する帯電の安定性にも優れたトナーとすることができる。
上記の無機微粒子と併用して、比表面積20〜50m/gのシリカや平均粒径がトナーの平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子のように従来用いられていた外添剤より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより耐久性を向上させることができる。
これはトナーが現像装置内でキャリアと混合・攪拌され帯電し現像に供される過程でトナーに外添された金属酸化物微粒子は母体トナー粒子に埋め込まれていく傾向にあるが、これらの金属酸化物微粒子より大きな粒径の外添剤をトナーに外添することにより金属酸化物微粒子が埋め込まれることを抑制することができるためである。
上記した無機微粒子や樹脂微粒子はトナー中に含有(内添)させることにより外添した場合より効果は減少するが転写性や耐久性を向上させる効果が得られるとともにトナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより外添した微粒子が埋め込まれることを抑制することができるため優れた転写性が安定して得られるとともに耐久性も向上する。
なお、ここで用いる疎水化処理剤の代表例としては以下のものが挙げられる。ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、オクチル−トリクロルシラン、デシル−トリクロルシラン、ノニル−トリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−トリクロルシラン、ジペンチル−ジクロルシラン、ジヘキシル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジノニル−ジクロルシラン、ジデシル−ジクロルシラン、ジドデシル−ジクロルシラン、ジヘキサデシル−ジクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)−オクチル−ジクロルシラン、ジオクチル−ジクロルシラン、ジデセニル−ジクロルシラン、ジノネニル−ジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシル−ジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルベンチル−ジクロルシラン、トリヘキシル−クロルシラン、トリオクチル−クロルシラン、トリデシル−クロルシラン、ジオクチル−メチル−クロルシラン、オクチル−ジメチル−クロルシラン、(4−t−プロピルフェニル)−ジエチル−クロルシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等。この他チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も使用可能である。この他、クリーニング性の向上等を目的とした外添剤として、脂肪酸金属塩やポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等も併用可能である。
本発明で使用されるトナーの製造法は、粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。例えば粉砕法の場合、トナーを混練する装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。
以上により得られた溶融混練物は冷却した後、粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行なうのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、5〜20μmに粒度調整されることが好ましい。次いで、外添剤の母体トナーへの外添が行われるが、母体トナーと外添剤とをミキサー類を用いて、混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー表面に被覆される。このとき、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一に、かつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要である。以上はあくまでも例でありこれに限るものではない。
なお、本発明において使用されるキャリアは、抵抗調整剤としてカーボンブラックを含有することなく、その抵抗値を調整することができるため、カラー画像形成においても、カーボンブラックによる色汚れが発生せず、色再現性、精細性の高いカラー画像を作製することができる。
次に、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお部は重量基準である。
(実施例1)
[キャリア被覆層]
・シリコーン樹脂溶液[固形分23重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
無機酸化微粒子A 酸化アルミニウム 粒径:0.40μm、真比重:3.9 [粒子粉体固有抵抗:12Ω・cm] 145部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社 製) 20部
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)パウダーテック社製MFL−35HSを5000部用い、上記被覆膜形成溶液を液流量40g/minにて芯材表面に膜厚0.35μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。このときの得られたキャリアを電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。冷却後キャリアバルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア1]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。
図10は被覆層中の無機微粉体の粉体比抵抗を測定する装置の説明図である。
内径1インチの円筒状の塩化ビニル管の中に試料を5g入れ、その上下を電極で挟む。これら電極をプレス機により、10kg/cm2の圧力を加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータ(横河-HEWLETT-PACKARD 4216A)による測定を行い、抵抗(r)を得る。得られた抵抗値を、下記数式により計算して、体積固有抵抗を求めることができる。
体積固有抵抗(Ω・cm)=(2.54/2)2×(π/H×r)
ただし、前記数式中、Hは試料の厚みを表す。rは抵抗値を表す。
[キャリア]
芯材の平均粒径測定については、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行ったものを用いた。
[トナー1]
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧下5時間反応させた後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。
次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応させて、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。
ウレア変性ポリエステル(1)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)(重量比)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。Tgは62℃であった。
(トナーの作製)
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20部、C.I.Pigment Yellow154の生顔料4部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーを用い12000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いで60℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。次いでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃まで昇温して溶剤を除去した。分散スラリーを減圧濾過した後、濾過ケーキを得た。
(洗浄・乾燥・フッ素処理)
1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
2):1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
3):2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
4):3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機により45℃で48時間乾燥した。
その後、水90部に対して[濾過ケーキ1] 15部を加えて、これにフッ素化合物を0.0005部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ1.5部と、疎水化酸化チタン0.7部をヘンシェルミキサーにて2000rpm×30秒、5サイクルで混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。
こうして得た[トナー1]7部と[キャリア1]93部を混合攪拌し、トナー濃度7重量%の現像剤を得た。また、[トナー1]90部と[キャリア1]10部を現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。トナー色汚れ、キャリア付着、画像濃度、耐久性(帯電低下量、抵抗変化量)を評価した結果を表2に示す。
耐久評価時にカバレッジ(低画像面積)が低い場合は、印刷終了時に帯電電位:−920Vで、現像バイアス:−600V(地肌ポテンシャル320V)にてキャリア現像させる、回収モードを組み込んだ。OPC上に現像したキャリアおよびトナーは転写せずにクリーニング回収した。
以下に実施例における評価の方法及び条件を示す。
[色汚れ]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機にて0.5%画像面積の画像チャートを30,000枚までランニングした後でのイエロー単色画像のΔE値の評価を行った。初期および30000枚後のイエロー単色画像
を出力し、下記式に従って、ΔE値を求める。ΔEが2以下は色汚れがない(○)、ΔE
が2〜4は色汚れが目立たず色調変化は指摘されない(△)、ΔEが4以上は明らかに色
汚れが目立ち色調変化を指摘される(×)。
画像出力後、画像濃度をX−RITE938(x−rite社製)により測定。イエロー画像濃度が1.4±0.5のポイントでのCIEL*、CIE a*、CIE b*を3点測定し平均値を求め、下記式に代入し、ΔE値を算出する。
ΔE=((初期L*)2+(初期a*)2+(初期b*)21/2−((ラン後L*)
2+(ラン後a*)2+(ラン後b*)21/2
[キャリア付着]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機に現像剤をセットし、帯電電位DC−740V、現像バイアス−600Vに設定(地肌ポテンシャルを140Vに固定)し、ドット形成ハーフトーンを現像した感光体表面に付着しているキャリア個数をルーペ観察により5視野カウントし、その平均の100cm2当たりのキャリア付着個数をもってエッジキャリア付着量とした。評価は、◎:20個以下、○:21個以上60個以下、△:61個以上80個以下、×:81個以上の4段階とし、◎○△を合格とし×を不合格として評価した。
また、白抜け(画像部)は帯電電位DC−740V、現像バイアス−600Vに設定(地肌ポテンシャルを140Vに固定)し、全面ベタ画像(A3サイズ)を出力し、画像上の白抜けした個数をカウントした。評価は、◎:5個以下、○:6個以上10個以下、△:11個以上20個以下、×:21個以上の4段階とし、◎○△を合格とし、×を不合格として評価した。
[画像濃度]
単色モードで50%画像面積の画像チャートを300,000枚ランニング出力した後、ベタ画像をリコー社製6000ペーパーに画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定を行った。表2に、測定値が、1.8以上2.2未満の場合は◎で、1.4以上1.8未満の場合は○、1.2以上1.4未満の場合は△、1.2未満の場合は×の4段階で表示した。
[耐久性]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioNeo C455)改造機に現像剤をセットし、単色モードで50%画像面積の画像チャートにて300,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えた現像剤の帯電低下量をもって判断した。また、抵抗低下量は単色モードにて0.5%画像面積の画像チャートで300,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えたキャリアの抵抗低下量をもって判断した。
ここでいう帯電量低下量とは、初期帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤の帯電量(Q2)を差し引いた量のことを言い、目標値は10.0(μc/g)以内である。帯電量はサンプリングした現像剤を一般的なブローオフ法[東芝ケミカル(株)製:TB−200]により測定した値である。
ここでいう抵抗低下量とは、初期のキャリアを前述した抵抗測定方法にて求めた抵抗値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し、得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを言い、目標値は絶対値で3.0[Log(Ω・cm)]以内である。また、抵抗変化の原因は、キャリアの結着樹脂膜の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆膜中の粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、抵抗低下量を抑えることができる。
(実施例2)
被覆層処方が以下に記すアクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の混合系に変更した以外は実施例1と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:14.1[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア2]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 34.2部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 9.7部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.19部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 3.42部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社製) 20部
・無機酸化微粒子B 酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
こうして得た[キャリア2]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において無機酸化微粒子Aを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、体積固有抵抗:15.8[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア3]を得た。こうして得た[キャリア3]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例2と同様にして、D/h:1.9、体積固有抵抗:13.1[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア4]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 17.1部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 4.85部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.10部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 216.2部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社 製) 20部
・無機酸化微粒子B 酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
・トルエン 1600部
こうして得た[キャリア4]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
被覆層処方が以下に記すアクリル樹脂系とシリコーン樹脂系の処方比を変更した以外は実施例2と同様にして、D/h:0.4、体積固有抵抗:16.5[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア5]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 158.8部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 49.6部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.88部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 743.2部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.68部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社 製) 20部
・無機酸化微粒子B 酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 97部
・トルエン 1600部
こうして得た[キャリア5]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例2において、無機微粉末の代わりに酸化チタン(アナターゼ)C[粒子粉体固有抵抗:32Ω・cm、粒径:0.35μm、真比重5.0]を110重量部使用したこと以外は同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:16.5[Log(Ω・cm)]の[キャリア6]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる微粒子は芯材に対して被覆率が73%であった。
こうして得た[トナー1]と[キャリア6]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例7)
キャリアの重量平均粒径が18μm(真比重5.7)を用い、被覆層処方が以下に記す通り以外は実施例1と同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:15.7[Log(Ω・cm)]、磁化:66Am2/kgの[キャリア7]を得た。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 68.4部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 19.4部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.38部
・シリコーン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 864.4部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.46部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社 製) 20部
・無機酸化微粒子B 酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9[粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 195部
・トルエン 800部
こうして得た[キャリア7]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が71%であった。
(実施例8)
キャリアの重量平均粒径が71μm(真比重5.3)、被覆層処方が以下に記す通り以外は実施例1と同様にして、D/h:0.6、体積固有抵抗:14.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am2/kgの[キャリア8]を得た。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 34.2部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 9.7部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.19部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 292.9部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42部
・イオン性液体 IL−A2(広栄化学工業株式会社 製) 20部
・無機酸化微粒子B 酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9 [粒子粉体固有抵抗:13Ω・cm] 60部
・トルエン 800部
こうして得た[キャリア8]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が78%であった。
(実施例9)
実施例2において、磁化の低い35μm焼成フェライト(真比重5.4)を用い、磁化が35Am2/kgに変更になった以外は同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア9]を得た。こうして得た[キャリア9]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
(実施例10)
実施例2において、磁化の高い35μm焼成フェライト(真比重5.5)を用い、磁化が93Am2/kgに変更になった以外は同様にして、D/h:0.9、体積固有抵抗:14.1[Log(Ω・cm)]の[キャリア10]を得た。こうして得た[キャリア10]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が83%であった。
(実施例11)
実施例1において、無機微粒子添加量を145重量部から75重量部へと減量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am2/kgの[キャリア11]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が46%であった。こうして得た[キャリア11]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1において、イオン性液体をIL−A2からIL−P14(広栄化学工業株式会社 製)に変更し、30重量部へと増量した以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.8[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア12]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。こうして得た[キャリア12]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例13)
実施例12のトナー濃度7重量%の現像剤を用いた。また、[トナー1]99部と[キャリア12]1部を現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。結果を表2に示す。
(実施例14)
実施例12のトナー濃度7重量%の現像剤を用いた。また、[トナー1]75部と[キャリア12]25部を現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例1において、芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)同和鉄粉工業社製DFC−400を用いた以外は同様にして、D/h:1.1、体積固有抵抗:13.8[Log(Ω・cm)]、磁化:71Am2/kgの[キャリア13]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。こうして得た[キャリア13]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
[キャリア被覆層]
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 432.2部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66部
・無機酸化微粒子A 酸化アルミニウム 粒径:0.40μm、真比重:3.9[粒子粉体固有抵抗:12Ω・cm] 145部
・カーボンブラック MA100R(三菱化学工業株式会社 製) 20部
・トルエン 300部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.35μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて200℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、D/h:1.1、体積固有抵抗:12.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア14]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が93%であった。こうして得た[キャリア14]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1のトナー濃度7重量%の現像剤を用いた。また、[トナー1]のみを現像剤収納容器に充填し補給用現像剤を得た。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例12での[キャリア12]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行った。耐久評価時にカバレッジ(低画像面積)が低い場合でも、キャリア現像させる、回収モードを組み込まずに耐久評価を実施した。結果を表2に示す。
キャリアの特性値
Figure 2008165061
評価結果
Figure 2008165061
表2より、実施例1〜15では、色汚れのない良好なキャリアが得られた。また、画像濃度、キャリア付着、帯電低下量、抵抗低下量の全ての評価項目においても良好な結果が得られた。実施例14ではトナーエンドとなったときに現像剤収納容器内にキャリアが残存しているのが確認された。画像品質には不具合はなかったが、廃棄キャリア量も増えてしまうので、好ましくない。
一方、比較例1では、色汚れが発生し、実用上使用できない結果となった。また、比較例2では300,000枚までの結果は良好であったが、500,000枚では抵抗低下してしまい、白抜け画像が発生した。比較例3でも300,000枚までの結果は良好であったが、500,000枚では抵抗低下してしまい、白抜け画像が発生した。
以上、実施例により本発明を具体的に説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明に係わる画像形成装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係わる現像装置の現像部周辺の構造を示す概略構成図である。 本発明で使用される現像剤補給部の概略構成図である。 (a)は、現像剤補給装置のノズルの概略構成を示す外観図、(b)は、その軸方向断面図、(c)は、(b)中符号A−A断面図である。 スクリューポンプの概略構成を示す断面図である。 現像剤収容部材に現像剤を充填した状態を示す斜視図である。 現像剤収容部材内部の現像剤が排出されて減容した状態を示す正面図である。 本発明の電子写真用キャリアの芯材の被覆層を示す説明図である。 キャリアの抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの斜視図である。 被覆層中の無機微粉体の粉体比抵抗を測定する装置の説明図である。
符号の説明
100 装置本体
1 感光体
2A、2B、2C、2D 画像形成ユニット
3 帯電ユニット
6 露光装置
8 転写ベルト
10A、10B、10C、10D 現像装置
11a,11b 搬送スクリュー
12 現像ローラ
13 ドクターブレード
14 現像剤収容部
15a 補給口
200A、200B、200C、200D 現像剤補給装置
220 現像剤補給器
221 搬送チューブ
223 スクリューポンプ
224 ロータ
225 ステータ
226 駆動モータ
230 現像剤収容器
231 現像剤収納部材
240 ノズル
241 内管
241a 現像剤流路
242 外管
244 エア流路
246a,246b エア供給口
247 現像剤流出口
260a,260b エアポンプ
300 現像剤回収装置
330 回収容器
331 回収パイプ
h1、h2、h3、h4 被覆層の厚み
D 無機微粒子の粒子径

Claims (14)

  1. 少なくとも、像担持体と、
    像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    形成された静電潜像を、トナーおよび芯材と該芯材を被覆する被覆層とを有するキャリアを含む現像剤により現像して可視像とする現像手段と、
    前記キャリアを補給する手段と、
    前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを備え、
    前記現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングして回収することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記キャリアを補給する手段は、前記現像手段にトナーとキャリアとを含む補給用現像剤を補給する現像剤補給手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記現像剤補給手段は、内圧が減少することで減容する袋状部材からなる現像剤収納容器を備えていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記補給用現像剤は、トナーに対するキャリアの重量比が、3重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記現像剤回収手段は、複数であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記キャリア芯材の被覆層は、少なくとも結着樹脂とイオン性液体またはイオン性液体由来の物とを含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記キャリア芯材の被覆層は、無機微粒子を含有していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記無機微粒子は、芯材に対して被覆率が70%以上含有されており、該粒子の粒子径(D)と、該被覆層膜厚(h)が、0.5<[D/h]<1.5であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記キャリアの体積固有抵抗は、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記キャリア芯材の体積平均粒径は、20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記キャリア芯材の被覆層結着樹脂は、少なくともシリコーン樹脂又はアクリル樹脂の少なくとも1つの樹脂を含有していることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 前記キャリアの1000(103/4π・A/m)における磁気モーメントが、40(Am2/kg)以上90(Am2/kg)以下であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 像担持体と、少なくとも像担持体上に形成された静電潜像を、芯材と該芯材を被覆する被覆層とを有するキャリアとトナーとを含む現像剤により可視像とする現像手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、前記画像形成装置本体側に前記キャリアを補給する手段と、前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを備え、該現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングにより回収することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  14. 像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を、トナー及び芯材と該芯材を被覆する被覆層を有するキャリアを含む現像剤を収容する現像手段により現像して可視像とする画像形成方法であって、前記キャリアを補給する手段と、前記現像手段内の現像剤を回収する現像剤回収手段とを用い、前記現像剤回収手段は、少なくとも低抵抗キャリアを選択的に感光体へキャリア現像し、かつ、現像したキャリア及びトナーをクリーニングして回収することを特徴とする画像形成方法。
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