JP2008164767A - 液晶素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】390nm〜500nmの青色レーザー光を入射させる液晶素子において、水平配向膜として機能し、液晶分子の適切なプレチルト角が得られ、かつ簡易的な構成で形成される斜方蒸着膜を有する液晶素子を提供する。
【解決手段】液晶層を挟持する複数の透明基板を備え、おのおのの透明基板面の液晶層に接する側には、無機物材料が1層で斜方蒸着された水平配向膜が備わっており、前記水平配向膜の厚さが、5〜8nmであることを特徴とする液晶素子。
【選択図】図2

Description

本発明は液晶素子に関し、特に光ディスクなどの光記録媒体の情報の記録および再生を行う光ヘッド装置に搭載される液晶素子に関する。
光ディスクであるDVDは、CDに比べディジタル情報が高密度で記録されている。このため、DVDを読み出し・書き込みするための光ヘッド装置には、CD用光源波長(780nm帯)よりも波長の短い650nm帯の半導体レーザーと、CD用対物レンズの開口数(NA=0.45)よりも大きな開口数(NA=0.6)の対物レンズを用いることで、光ディスク面上に集光する光スポット径を小さくしている。
さらに最近では、光源からの出射光の波長を400nm程度、NAを0.6より大きくすることで、より大きな記録密度が得られる光ディスクが登場している(Blu−ray、HD−DVD)。なお、ここでは波長が390〜500nmのレーザー光を青色レーザー光と定義する。しかし、光源の短波長化や対物レンズの高NA化により、光ディスク面が光軸に対して直角より傾くチルト角や光ディスクの厚さムラの許容量が小さいことが要求される。
これらの許容量が小さくなる理由は、光ディスクがチルトするとコマ収差が発生し、光ディスクに厚さムラがあると球面収差が発生するために、高密度記録媒体になるほど光ヘッド装置の集光特性が劣化しやすく信号の読み出しの精度が低下するからである。このため、光路中に液晶素子を設置し、透過する光の波面形状を変えることにより、これらの収差を打ち消すことが提案されている(収差補正素子)。
また、液晶素子は、光源からの光の出力を変化させずに光ディスク面への到達光量を変化させることができる。例えば、電圧を印加することで透過する偏光状態を変化させる液晶素子と、偏光ビームスプリッタのなどの偏光分離素子とを組み合わせることで、偏光ビームスプリッタ透過後の光量を変化させる方法が提案されている。
ここで、光源と偏光ビームスプリッタの間に液晶素子を配置した構成例について説明する。ビームスプリッタは、ある直線偏光方向(a方向)の光をほぼ100%透過させ、a方向と直交する直線偏光方向(b方向)の光をほぼ100%反射するものを使用する。液晶素子に印加する電圧を調整して、液晶素子を透過した光をa方向の直線偏光としたとき、偏光ビームスプリッタに入射する光はほぼ100%透過し、光強度もほぼ変化しない。また、液晶素子に印加する電圧を調整して、液晶素子を透過した光の偏光状態が円偏光になるようにしたとき、偏光ビームスプリッタに入射する光は約50%透過し、光強度も約50%になる。
このように液晶素子に印加する電圧を変化させることで、透過光の偏光状態を変化させ
、偏光ビームスプリッタ透過後の光強度を変化させることができる(光量可変素子)。
これらの光ヘッド装置に用いられる液晶素子は、初期(電界非印加)状態において、液晶分子が基板に対しておおよそ水平配向(ホモジニアス配向)とした水平配向型と、初期(電界非印加)状態において、液晶分子が基板に対しておおよそ垂直配向(ホメオトロピック配向)とした垂直配向型とがある。水平配向型の液晶素子には、正の誘電率異方性を有するネマティック液晶が用いられ、基板に水平に配列させた液晶分子を、印加電圧によって基板の垂線方向に配向させるモード、具体的にはTN(ツイスティッドネマティック)モード、ホモジニアス配向モード等が用いられる。
このような用途に用いられる液晶素子は、通常、配向膜が設けられた一対の基板間に液晶層が封止された構成となっている。配向膜は、ポリイミド膜をラビングしたものが一般的に用いられているが、波長が500nm以下のレーザー光をポリイミド配向膜で構成された液晶素子に入射させた場合、液晶素子が光損傷を受ける。この原因として、ポリイミド膜が短波長の光照射により劣化し、液晶の配向性に影響を与えていることが知られている。
そこで、波長が500nm以下のレーザー光に用いる液晶素子の配向膜を、酸化シリコン等の無機物材料により形成する方法が提案、実施されている。この方法は、酸化シリコン等の無機物材料を基板の法線に対して所定の斜め方向から蒸着供給することで、一方向に蒸着分子をそろえる配向膜であり、斜方蒸着法と呼ばれる。斜方蒸着配向膜は、ポリイミド膜と異なり、ラビングレスであるため、ごみの付着や傷の発生もなく、また、無機配向膜であるため、光照射による配向膜の劣化も無視できる。
通常、液晶素子を駆動する場合は、電圧印加時における液晶分子の立ち上がる方向をそろえるために、液晶分子を予め基板に対してある程度の角度(プレチルト角)で傾けておく必要がある。光ヘッド装置で用いられる収差補正素子や光量可変素子を水平配向型で使用する場合、このプレチルト角は、0.3°〜3°程度の範囲が適しているが、酸化シリコン等を用いた斜方蒸着法によって形成された水平配向膜では、蒸着させる角度にもよるものの、プレチルト角が20°から30°と高すぎるか、または全く角度がつかない。プレチルト角が高すぎると、電圧印加によって発生する液晶の屈折率異方性(Δn)が小さくなるため、液晶素子性能が低減する。一方、全く角度がつかない場合は、電圧を印加すると配向ムラが発生しやすい。
そこで斜方蒸着法により適切なプレチルト角を得る例として、1層目を斜方蒸着法で形成したのち、2層目を蒸着角や方位角を変えた斜方蒸着法で形成する斜方蒸着膜が提案されている。
特開2004−45784号公報
しかし、この方法では、1層目と2層目の斜方蒸着膜を形成するプロセスにおいて、蒸着角の変更、ならびに蒸着方位角を変更しなければならず、斜方蒸着装置の機構が複雑になるとともにコストが高くなる問題が生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、水平配向膜を酸化シリコン等の無機物材料による1層だけの斜方蒸着膜を5〜8nmの厚さで形成させ、構成が複雑ではなく適切なプレチルト角を実現する性能に優れた液晶素子を提供する。
本発明は入射する波長が390〜500nmの青色レーザー光を入射して用いる液晶素子において、前記液晶素子は液晶層を挟持する複数の透明基板を備え、前記液晶層に接する前記透明基板面には、無機物材料により斜方蒸着された水平配向膜が備わり、前記水平配向膜の厚さが、5〜8nmであることを特徴とする液晶素子を提供する。また、無機物材料がSiO(0<x<2)で形成された液晶素子を提供する。
前記透明基板には透明電極が形成されており、前記透明電極が前記青色レーザー光の光軸を中心とした同心円状のセグメントに分割されていることを特徴とする上記に記載の液晶素子を提供する。さらに、前記透明電極の上に絶縁層が積層されたことを特徴とする上記に記載の液晶素子を提供する。
前記透明基板には、前記液晶層に電圧を印加して前記液晶素子の透過光の波面形状を変化させるような平面状の電極が形成されている上記に記載の液晶素子を提供する。また、前記透明基板には、前記液晶層に電圧を印加して前記液晶素子の透過光の偏光状態を変化させるような平面状の電極が形成されている上記に記載の液晶素子を提供する。
また、光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、集光されて前記光記録媒体により反射された前記出射光を受光する光検出器と、前記光源と前記光記録媒体との間の光路中または前記光記録媒体と前記光検出器との間の光路中に配された上記に記載の液晶素子とを備えることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
本発明では、液晶素子の水平配向膜として酸化シリコン等の無機物材料による1層の斜方蒸着膜を5〜8nmの厚さで形成させることで、容易に適切なプレチルト角が得られ、斜方蒸着装置も複雑にならず装置コストが抑えられるとともに生産性も向上する。また、無機物材料の配向膜で形成されるため、波長が500nm以下のレーザー光に用いても液晶素子の配向膜劣化が無く、前記液晶素子を搭載した光ヘッド装置も安定に機能させることができる。
本発明は、液晶層を挟持する複数の透明基板を備え、透明基板の液晶層側に無機物材料により斜方蒸着された水平配向膜が備わり、前記水平配向膜の厚さが、5〜8nmである液晶素子に関する。また、光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、集光されて前記光記録媒体により反射された前記出射光を受光する光検出器と、前記光源と前記光記録媒体との間の光路中に前記液晶素子が配された光ヘッド装置に関する。
光源として、波長が500nm以下の光を出射し、かつ1000kJ/cm以上の照射エネルギーを有するものが使用できる。また、液晶素子は光検出器と光記録媒体との間の光路中に配されていても良い。液晶素子の位置は、光源と光記録媒体との間に、コリメートレンズ、ビームスプリッタなどがあるときは、コリメートレンズとビームスプリッタとの間、またはビームスプリッタと対物レンズとの間に設置されることが、平面波を液晶素子が制御できるため好ましい。
本発明における液晶素子は、液晶層を挟持する複数の透明基板を備え、おのおのの透明基板面の液晶層に接する側には、無機物材料が斜方蒸着された水平配向膜が備えられている。液晶素子をこのように構成することにより、波長が500nm以下、特に波長が405nm付近の光を照射し続けても、無機物材料から形成される水平配向膜は劣化することなく、液晶素子を構成する液晶層の配向性に影響を与えない。したがって、この液晶素子を光ヘッド装置に搭載した場合、液晶素子へ光を入射し続けても入射光の波面変化が生じない効果を有する。
液晶素子を構成する透明基板は、2枚に限らず、3枚以上であっても良い。いずれの構成も1つの透明基板と他の透明基板との間には液晶層が挟持され、透明基板が液晶層に接する面には無機物材料が斜方蒸着された水平配向膜が備えられている。透明基板の枚数は、使用目的に応じて選択すればよく、また必要に応じて液晶層に接する透明基板の面に凹状、凸状などの曲面を形成しても良い。さらに、透明基板には液晶層に電圧を印加できるように透明電極が備えられていても良く、透明電極の上に絶縁層を積層して、斜方蒸着膜の付着力を強化しても良い。絶縁層にはSiO(0<x≦2)が用いられることが好ましい。
以下において、液晶素子を構成する透明基板は2枚使用するものとして説明する。液晶素子を構成する透明基板には、液晶層に電圧を印加することで液晶素子を透過する光の波面形状を変化させることができるように、平面状の電極が形成されている。この液晶素子が設置される光ヘッド装置とすることにより、光ディスクの厚さの偏差による球面収差や光ディスクのチルト角の偏差によるコマ収差を補正することができ好ましい。また、透明基板に凹凸状の曲面を形成することなく所望の透過波面形状を生成できる点でも好ましい。
図1に示す本発明の光ヘッド装置の一例は、光源として波長が405nmの半導体レーザーを用いたもので、光記録媒体である光ディスク8に情報を記録したり、光ディスク8に記録された情報を再生するためのものである。この光ヘッド装置は、光源である半導体レーザー1、コリメートレンズ30および31、対物レンズ6、対物レンズを搭載したアクチュエータ7、光ディスク8、プリズム型のビームスプリッタ2および光検出器9を有する。さらに、半導体レーザー1からの出射光の波面を変化させる液晶素子100である液晶収差補正素子を、4分の1波長板5と一体化させ配置する。
また、光ディスク面への到達光量を変化させる方法としては、光源の出力光量を変化させる方法があるが、半導体レーザーの特性によっては、出力を小さくするとノイズが増えて使えない場合がある。液晶素子を構成する透明基板には、液晶層に電圧を印加して前記液晶素子の透過光の偏光状態を変化させることができるように平面状の電極が形成されている。この液晶素子と偏光ビームスプリッタなどの偏光分離素子とを組み合わせた光ヘッド装置を構成することで、半導体レーザーの出力ノイズを最も少ない状態に保ったまま、光ディスク面に到達する光量を液晶素子に印加する電圧を調整することにより変化させることができるので好ましい。
図3に示す本発明の光ヘッド装置の他の構成例では、半導体レーザー1からの出射光の偏光状態を変化させる液晶素子101を用いており、液晶素子101と偏光ビームスプリッタ2と組み合わせることで、光ディスク面への透過光量を変化させる。なお、図3における符号で図1と同じものは、図1と同じ要素を示す。
これら本発明の光ヘッド装置に使用されている、液晶素子の一例を図2に示す模式的断面図を用いて説明する。液晶素子は、対向する透明基板である2枚のガラス基板21a、21bの面上に平板状の電極である透明導電膜24a、24bが形成されており、透明導電膜24a、24b上には無機物材料の単層膜を斜方蒸着して形成された水平配向膜25a、25bが積層され、またガラス基板21a、21bの周辺部にはシール材22でシールされて、水平配向膜25aと水平配向膜25bとが形成する空隙には液晶が充填され液晶層23とされた構造を有している。
ここで斜方蒸着膜に用いる無機物材料として、Ta、WO、Biが挙げられる。さらに、SiO(0<x<2)および(1−y)SiO+yZrO、(1−y)SiO+yTiO(0<x<2、0<y<1)などの酸化物でも良い。これらの中で、液晶分子の配向状態の優れた安定性が得られるため、SiO(0<x<2)を使用することが好ましい。
斜方蒸着膜を形成する方法として、例えば無機物材料としてSiOを用いる場合、真空蒸着装置内において、SiO蒸着源の鉛直上に基板を配し、鉛直線と基板表面の法線とがなす角度を88〜60°の間のいずれか1点に設定し、基板温度を室温から300℃までの間に設定してSiOを真空蒸着させる。酸素量xの調整は、酸素ガス濃度を調整することで実現できる。鉛直線と基板表面の法線とがなす角度を88〜80°の間のいずれか1点に設定し、斜方蒸着膜の厚さを5〜8nmの間に調整すると、水平配向される液晶分子の適切なプレチルト角が得られ好ましい。斜方蒸着膜の厚さを10nm以上にすると、水平配向される液晶分子のプレチルト角が20〜30°となる恐れがある。また、斜方蒸着膜の厚さを4.5nm以下にすると均一な配向性が得られにくい。また、蒸着後に200℃程度で焼成したり、UV光を照射したりすると、膜の表面状態を安定化させることができるため好ましい。
このように斜方蒸着法により水平配向膜を形成した2枚の透明基板の水平配向膜を有する表面を対向させ、2枚の透明基板の液晶分子の水平配向方向が所定の角度をなすように設定し、かつ所定の間隙を持たせて透明基板の周辺部をシール材でシールし、間隙に液晶を注入して液晶素子を構成する。
液晶素子を収差補正素子として用いる場合は、2枚の透明基板の液晶分子の配向方向が平行になるように対向させることが好ましい。このとき、液晶分子の水平配向方向と入射光の直線偏光方向とが一致するように設定し、液晶層に電圧を印加すると、実効的な屈折率が変化し、光の偏光状態をほとんど変化させずに、入射光の波面を変化させることができる。
また透過させる光の偏光状態を変化させることができる液晶素子と、入射する光の偏光方向によって透過率が異なる偏光ビームスプリッタとを組み合わせることにより、光ディスク面の透過光量を変化させる光量可変素子として用いることもできる。
使用する液晶材料は、ディスプレイ用途などに用いられるネマティック液晶を用いるのが好ましく、またカイラル剤の添加により液晶分子をツイストさせ用いても良い。また、使用する透明基板の材料としては、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが使用できるが、耐久性などの点からガラスの基板が好ましい。
また、4分の1波長板などの位相板を液晶素子に積層して用いても良い。この位相板の材料としては、水晶やLiNbOのような複屈折単結晶材料を用いても良いし、高分子液晶やポリカーボネートなどの有機物膜を用いても良い。
本発明に係る液晶素子を光ヘッド装置に適用する場合の実施例について説明する。本実施例の光ヘッド装置は、光ディスクの厚さの偏差により生ずる球面収差を補正する、位相補正素子を備えている。また、光源である半導体レーザーからの出射光の波長は405nmである。対物レンズは、光ディスクの厚さが設計値からずれると球面収差を発生し、信号の読み出し精度が低下する。この球面収差を補正する位相補正素子を図1に示した光ヘッド装置の液晶素子100の位置に組み込んだ。
この液晶素子は、図2に示した模式的断面図と同じ構造を有する。使用した液晶は、ネマティック液晶であり、半導体レーザーからの出射光の波面を変化させるために、液晶分子の水平配向方向は、液晶層に入射する前の光の偏光方向と平行になるように設定した。
この液晶素子は図2に示すように、液晶層23を、シール材22で囲み、水平配向膜25a、25b、透明導電膜24a、24bおよびガラス基板21a、21bで挟む構成とした。この実施例では、液晶層23を挟む2枚の透明なガラス基板上に、液晶層23に対して電圧を印加できるように、図4に示す同心円状のセグメントに分割されたITOよりなる透明電極を形成した。
この透明電極上に液晶用の水平配向膜として、電子線加熱(EB)法によりSiO斜方蒸着膜の厚さが5nmになるよう0.1nm/sのレートで真空蒸着した。このときの基板温度は80℃、基板法線が蒸着源の垂直(鉛直)線となす角度が85°となるように設定し蒸着を行った。蒸着後、液晶分子の良好な配向性を得るために、この水平配向膜に対して大気中において200℃で1時間の焼成を行った。
このように斜方蒸着法により水平配向膜を形成した2枚の透明基板を、互いにアンチパラ配向になるように対向させ、5μmの間隙を持たせて基板の周辺部をシール材でシールし、間隙に誘電率異方性が正のネマティック液晶を注入して液晶素子を構成した。このとき液晶素子を熱処理して評価をしたところ、面内均一な配向が得られており、約1°のプレチルト角が得られた。
本液晶素子を図1に示した光ヘッド装置の液晶素子100の位置に組込み、同心円状の各セグメントには、光ディスクの厚さの偏差による球面収差を補正するよう、所望の電圧を印加した。
対物レンズは、NAが0.85のものを用い、光ディスクは、反射面までのカバー層の厚さが、0.09mm、0.10mm、0.11mm、の3種類のについて波長が405nmのレーザー光を出射したときの光ディスク面の記録情報の再生特性を調べた。光ヘッド装置は、光ディスクのカバー層の厚さが0.10mmで球面収差が最小になるように調整されたものを用いた。厚さ0.10mmの光ディスクでは、液晶層に電圧を印加しなくても良好な再生特性が得られた。これに対して厚さ0.11mmと0.09mmの光ディスクでは、球面収差の影響で再生特性が良くなかった。
厚さ0.11mmと0.09mmの光ディスクに対して、液晶層に印加する電圧をそれぞれの光ディスクの厚さの違いに応じて最適に調整し、光ディスクのカバー層の厚さの偏差により発生する球面収差と逆符号の球面収差を発生させたところ、光ディスク面での光は良好な集光特性を示し、再生特性を改善することができた。また、波長が405nmのレーザー光の出力を30mWとし、5000時間の光照射試験を行った後も再生特性の劣化がなく、集光特性は良好であった。
また、比較例として斜方蒸着膜を10nmの厚さにして水平配向膜を形成した以外は上記と同じ条件で液晶素子を構成したところ、プレチルト角は約30°であり、所望の低プレチルト角を得ることはできなかった。
本発明によれば、液晶素子の水平配向膜として形成される無機物材料の斜方蒸着膜を容易な方法によって実現でき、前記液晶素子を波長が500nm以下のレーザー光を用いる光ヘッド装置に搭載しても前記水平配向膜が劣化せず、光学的に安定させることができる。
本発明の液晶素子を用いた光ヘッド装置の原理構成の一例を示す概念的断面図 本発明の液晶素子の一例を示す模式的断面図 本発明の液晶素子を用いた光ヘッド装置の原理構成の他の例を示す概念的断面図 本発明の球面収差を補正する液晶素子の分割電極パターンを示す模式的平面図
符号の説明
1:半導体レーザー
2:ビームスプリッタ
30、31:コリメートレンズ
5:4分の1波長板
6:対物レンズ
7:アクチュエータ
8:光ディスク
9:光検出器
100、101:液晶素子
21a、21b:ガラス基板
22:シール材
23:液晶層
24a、24b:透明導電膜
25a、25b:水平配向膜

Claims (7)

  1. 入射する波長が390〜500nmの青色レーザー光を入射して用いる液晶素子において、前記液晶素子は液晶層を挟持する複数の透明基板を備え、前記液晶層に接する前記透明基板面には、無機物材料により斜方蒸着された水平配向膜が備わり、前記水平配向膜の厚さが、5〜8nmであることを特徴とする液晶素子。
  2. 前記無機物材料がSiO(0<x<2)で形成された請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記透明基板には透明電極が形成されており、前記透明電極が前記青色レーザー光の光軸を中心とした同心円状のセグメントに分割されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶素子。
  4. 前記透明電極の上に絶縁層が積層されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液晶素子。
  5. 前記透明基板には、前記液晶層に電圧を印加して前記液晶素子の透過光の波面形状を変化させるような平面状の電極が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液晶素子。
  6. 前記透明基板には、前記液晶層に電圧を印加して前記液晶素子の透過光の偏光状態を変化させるような平面状の電極が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液晶素子。
  7. 光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、集光されて前記光記録媒体により反射された前記出射光を受光する光検出器と、前記光源と前記光記録媒体との間の光路中または前記光記録媒体と前記光検出器との間の光路中に配された請求項1〜請求項6いずれか一項に記載の液晶素子とを備えることを特徴とする光ヘッド装置。
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