JP4254455B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクなどの光記録媒体に記録し、または再生を行う光ヘッド装置に関する。
近年、光ディスク等の光記録媒体の記録密度を高めるために、光源からの出射光の波長を短くし、対物レンズの開口数を大きくする方法が実用化されてきた。しかし、出射光の波長を短くし、対物レンズの開口数を大きくすることは、光記録媒体からの情報の読み書きに及ぼすコマ収差や球面収差等の影響を深刻化した。
光記録媒体に情報を記録し、または再生する際のコマ収差や球面収差等を補正する方法の一つとして、対物レンズと光源との間に位相補正素子を設けてコマ収差や球面収差等の波面収差を補正する方法がある。位相補正素子を用いる補正方法では、位相補正素子に設けられた電極を複数に分割し、分割して得られた電極の各々の電位を制御することによって液晶等の複屈折材料に印加される電圧を制御して屈折率を変化させ、光源からの出射光の波面収差を補正するようにしていた。
しかし、このように位相補正素子に設けられた電極を分割する方法では、電極ごとに通過する光の波面の変化量が決まってしまい、隣り合う電極間で波面を連続的に変化させることが困難であった。そこで、複数の給電部を配置し、給電部間で電位降下を生じさせ電圧分布を生じさせる方法をとることによって、波面収差の変化量が大きい領域の波面を連続的に変化させる技術が開発された。
図5は、球面収差を補正するために用いられる位相補正素子の従来の電極パターンを示す図である(例えば、特許文献1参照。)。図5において、位相補正素子の1つの側面には、高抵抗の透明導電膜で形成された部分導電体(図5の斜線部)56と、同心円状に形成された複数の給電部201〜203と、給電部201〜203のそれぞれに導通可能に接続された配線204〜206とが設けられ、配線204〜206を介して給電部201〜203に制御用の電圧が印加され、給電部201〜203を介して部分導電体56に電圧分布が形成されるようになっている。
例えば、配線205を介して入力される信号2の電圧と、配線204を介して入力される信号1の電圧との間に電圧差がある場合、給電部202と給電部203との間に電位差が発生し、この電位差によって部分導電体56を介して電流が流れ、給電部202と給電部203との間の部分導電体56で電位降下による滑らかな電位分布が発生し、その結果、複屈折材料の両端に滑らかな電圧分布が形成されることになる。
一般に、部分導電体の抵抗値が給電部の抵抗値に比べて十分に高ければ(以下、この条件を抵抗比条件という。)、給電部内での電圧降下は部分導電体内での電圧降下に比べて無視できる。つまり、給電部202の信号入力部507と終端部508では電位はほぼ等しく、位相補正素子内で概ね同心円状の電圧分布を発生することが可能である。しかし、抵抗比条件が成り立たない場合、給電部内での電位降下が無視できなくなり、給電部202の信号入力部507と終端部508で複屈折材料に印加される電圧の差は増大し、同心円状の電圧分布が崩れてしまう。その結果、良好に球面収差等を補正できなくなる。
特開2003―036555公報 (図3)
しかし、上記の抵抗比条件は必ずしも十分に満たされるとは限らず、このような従来の光ヘッド装置では、抵抗比条件が十分満たされない場合に、位相補正素子内で発生させる電圧分布を同心円状の分布に近づけるための十分な考慮がなされていないため、球面収差等を十分に補正できない場合が生ずる問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、上記の抵抗比条件が十分満たされない場合に、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持することが可能な光ヘッド装置を提供するものである。
以上の点を考慮して、請求項1に係る発明は、光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ、前記出射光の波面を変化させる位相補正素子と、前記位相補正素子を制御して前記出射光の波面を変化させるための制御電圧を発生する制御電圧発生手段とを備えた光ヘッド装置において、前記位相補正素子は、一対の基板と、一対の前記基板の間に挟持され、前記出射光の波面を変化させるための異方性光学媒質と、前記異方性光学媒質の1つの側面近傍に設けられた共通導電体と、前記共通導電体が近傍に設けられた前記異方性光学媒質の側面に対向する側面近傍に設けられた給電側導電体と、前記共通導電体と前記給電側導電体との間に前記制御電圧を印加可能に設けられた複数の給電部とを有し、各前記給電部は、前記給電側導電体の抵抗値よりも低い抵抗値を有するとともに、前記給電側導電体に同心円状または略同心円状に設けられ、少なくとも各前記給電部のうち最も内側の給電部を除く各給電部は、一部が切断された開放部を有し、前記開放部が設けられた給電部は、それぞれ、制御電圧を印加する信号入力部を有するとともに、各前記信号入力部は、前記同心円の中心に対して前記開放部の反対側の位置に設けられている構成を有している。
この構成により、複数の給電部が同心円状または略同心円状に設けられ、信号入力部が同心円の中心に対して開放部の反対側の位置に設けられているため、給電部から開放部までの距離のうち最長のものを従来に比べて短縮できるため、抵抗比条件(部分導電体の抵抗値が給電部の抵抗値に比べて十分に高いという条件)が十分満たされない場合に、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、前記開放部を有する給電部のうちいずれか1つ以上が複数の開放部を有するとき、複数の前記開放部を有する給電部の前記信号入力部は、前記隣り合う開放部を結ぶ給電部の中央近傍に設けられた構成を有している。
この構成により、信号入力部が隣り合う開放部を結ぶ給電部の中央近傍に設けられたため、抵抗比条件が十分満たされない場合に、複数の開放端を設けるようにしたときでも、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または2において、前記給電側導電体のシート抵抗をρ とし、前記給電部のシート抵抗をρ とするとき、抵抗比ρ /ρ が、10 以上、10 10 以下である構成を有している。
以上説明したように、本発明は、抵抗比条件(部分導電体の抵抗値が給電部の抵抗値に比べて十分に高いという条件)が十分満たされない場合に、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持することが可能な光ヘッド装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置は、光源と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、光源と対物レンズとの間に設けられ、出射光の波面を変化させる位相補正素子と、位相補正素子を制御して出射光の波面を変化させるための制御電圧を発生する制御電圧発生手段とを備えた構成を有する。
ここで、光源は、例えば半導体レーザ等によって構成される。また、光記録媒体とは、例えば光ディスクやDVD等の光源からの光を照射して読み書きする記録媒体をいう。以下では、「光ディスク」という場合は、特に断る場合を除き、光記録媒体を代表しているものとする。
なお、光ヘッド装置の光学系を、光源からの出射光と光記録媒体からの反射光を分離するための偏光ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタを通過した光を平行光にするコリメートレンズ、往復透過することで偏光方向を90°変えるための4分の1波長板を含むように構成するのでもよい。このような構成の場合、光源(例えば、半導体レーザ)から出射された直線偏光の出射光は、偏光ビームスプリッタを通過した後、コリメートレンズによって平行光とされ、位相補正素子、4分の1波長板を順次透過し、対物レンズにより光ディスク上に集光される。
そして、情報の記録は、光ディスクに集光する光の強度を、例えば符合化された情報(例えば、「0」、「1」)に応じて変化させることによって行われる。また、情報の再生は、光ディスク上に集光された光が光ディスクで反射され、対物レンズ、4分の1波長板、位相補正素子、コリメートレンズを順次、情報の記録の場合とは逆向きに通過し、偏光ビームスプリッタにより振り分けられて光検出器に入射する。
制御電圧発生手段は、光ディスクに情報を正確に記録したり、記録された情報を正確に再生したりできるよう位相補正素子を制御する信号(以下、単に「制御信号」という。)を発生し、制御信号の電圧(以下、制御電圧という。)を介して位相補正素子を制御するようになっている。この制御電圧は、光ディスクのチルトや対物レンズのシフトにより発生した収差に応じて制御電圧発生手段によって調整される。
位相補正素子は、光記録媒体からの情報の読み書きを正確に行うことができるように光の位相や収差を補正するように設けられたものであり、印加される制御電圧に応じて収差等の補正量を変えるように制御される。具体的には、光ディスクに集光する光の例えばスポット径を最適化するように、または光検出器に入射する光強度を最適化するように、制御される。
位相補正素子における光の位相を変化させる媒質は異方性光学媒質であり、異方性光学媒質は、外部より印加される電圧により、再現性よくかつ電圧の大きさに対して連続的に屈折率を変化できるものがよい。異方性光学媒質としては、ニオブ酸リチウムの単結晶、液晶などが使用できるが、低い電圧で屈折率を変化できかつ位相補正素子の生産性が高いことから液晶が好適である。以下では、特に断る場合を除き、異方性光学媒質を液晶として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子の断面構造を示す図である。図1において、位相補正素子100は、一対の基板11、17と、一対の基板11、17間に挟持され、出射光の波面を変化させるための異方性光学媒質(液晶)14と、一対の基板11、17と共に異方性光学媒質(液晶)14を保持し、密閉するシール材18、19と、配向板13、15と、異方性光学媒質(液晶)14の1つの側面近傍に設けられた共通導電体12と、共通導電体12が近傍に設けられた異方性光学媒質(液晶)14の側面に対向する側面近傍に設けられた給電側導電体16と、給電側導電体16に制御電圧を印加可能に設けられた複数の給電部20(図1の紙面と垂直な方向に他の給電部が設けられている。)と、共通導電体12との導通をとるための給電部22とを含むように構成される。
基板11、17は、使用する光の波長に対して透明であればよく、ガラス、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが使用できるが、耐久性、コストや加工の容易さの観点からガラスが好適である。なお、図示していないが、基板11、17の外側の面、すなわち、異方性光学媒質(液晶)14に面していない側の面に反射防止コートが施されてもいるのでもよい。
配向板13は、基板11または共通導電体12と異方性光学媒質(液晶)14とに挟まれた位置に配置され、配向板15は、基板17または給電側導電体(部分給電側導電体)16と異方性光学媒質(液晶)14とに挟まれた位置に配置され、異方性光学媒質(液晶)14に制御電圧が印加されていない場合等に液晶分子を所定の方向に配向させるために設けられている。
シール材18には図1に概念的に示すように導電性ビーズ21が含まれ、導電性ビーズを介して給電部22と共通導電体12とが電気的に導通が確保されている。ここで、導電性ビーズは、例えば、樹脂ビーズの表面に金属を被覆する等によって形成できる。
共通導電体12と給電側導電体16との間には、給電部20、22経由で制御電圧が印加されるようになっており、給電側導電体16と共通導電体12は、例えば透明導電膜によって構成される。透明導電膜としては、例えば、いわゆるITO等のスズ酸化物、亜鉛酸化物、それらの混合物などが用いることができる。また、スズと珪素の酸化物の混合物(SnSi(1−x)、x=0.5から0.99かつyは概ね2)の薄膜(以下、SSO薄膜という。)を用いると、安定した抵抗を得ることができて好ましい。給電側導電体16や共通導電体12を形成するための薄膜は、例えばスパッタ法によって形成するのでもよいが、その他の方法でもよい。
各給電部20と給電部22との間にそれぞれ異なる制御電圧を印加すると、隣り合う給電部20との間に生じた電位差により給電側導電体16内に電流が流れ、給電側導電体16内に電位分布が発生する。その結果、給電側導電体16と共通導電体12との間に印加される電圧が電圧分布を有し、この電圧分布に応じて異方性光学媒質(液晶)14の屈折率の分布が決定されることになる。
したがって、この屈折率の分布は、複数の給電部20に印加する制御電圧を調整することによって制御できることとなり、異方性光学媒質(液晶)14を通過する光の波面は、異方性光学媒質(液晶)14の屈折率に応じて変化するため、制御電圧を介して異方性光学媒質(液晶)14を通過する光の波面収差を補正できる。
一般に、位相補正素子100では、給電部20内で発生する電位降下が給電側導電体16内で発生する電位降下に比して無視できるほど少ないようにしたい。そのためには、給電側導電体16のシート抵抗ρTと給電部20のシート抵抗ρSとの比ρT/ρSが10以上1010以下であることが好ましい。ρT/ρSが1000未満の場合、給電部20内で電圧降下が発生し、給電側導電体16内で所望の電位分布を得ることが困難になる。また、給電側導電体16のシート抵抗ρTが高すぎると、給電側導電体16の導電性が低くなり、適切な電位分布を発生することが困難になる。したがって、給電部20のシート抵抗ρSをできるだけ低くする方が望ましく、具体的には、0.1〜10Ω/□程度とするのが好適であり、これに対応して給電側導電体16のシート抵抗ρTは、100〜100kΩ/□程度とするのが好適である。
このように、給電側導電体16用の薄膜としては、透明でありかつシート抵抗が上述のρTの範囲のものであればよいが、このような範囲のシート抵抗の実現の容易性や、薄膜形成後のシート抵抗の経時変化の少なさの観点から、給電側導電体16用の薄膜としては、上記のSSO薄膜等のSn Si (1−x) (x=0.5から0.99かつyは概ね2)を50mol%以上含有する酸化物の透明導電膜を用いるのが好適である。
給電部20としては、ρSが0.1〜10Ω/□の透明薄膜であればよく、Cr、Ag、Alなどの金属は耐久性がよいという点で好ましく、低抵抗のSSO薄膜、低抵抗ITO薄膜等の透明電極は遮光部分が発生せず光の透過率が向上するという点で好ましい。
図2は、球面収差を補正するために形成された給電側導電体16および給電部20の配置パターン(以下、単に「配置パターン」という。)の一例を示す平面図である。図2において、斜線部はほぼ円形の給電側導電体16が形成された部分を示し、給電部20は、光軸の中心(または給電側導電体16の中心。光軸の中心と給電側導電体16の中心とは略一致するようになっているものとする。)を同心円状に取り巻くように3つの環状部分(各給電部の符号をそれぞれ、201、202、203とする。)とによって構成され、給電側導電体16は、給電部201〜203によってほぼ環状の領域に分割されている。以下では、給電部201〜203以外の給電部20に属する部分を配線という。
図2に示すように、給電部201〜203には、配線204、205経由で制御電圧が印加されるようになっている。図2に示す配置パターンの例では、給電部201と給電部203が素子内で結線され同一の信号が印加される。ここで、給電部202は、給電部201からの配線204を通すために、環状の電極の一部(図中「210」で示す部分。以下、開放部という。)が切断され、配線204と短絡しないようになっている。また、配線204が給電側導電体16と接触することによって同心円状の電位分布が乱されないようにするために、配線204を設ける部分の給電側導電体16は除去されている。さらに、配線205と給電部202とが接続されて信号2が入力される点(以下、信号入力部という。)207は、光軸の中心(または給電側導電体16の中心)に対して開放部210の反対側の位置に設けられている。
同様に、給電部203は、給電部202からの配線205を通すために、環状の電極の一部が切断され、配線205と短絡しないようになっている。また、配線205が給電側導電体16と接触することによって同心円状の電位分布が乱されないようにするために、配線205を設ける部分の給電側導電体16は除去されている。さらに、給電部203の信号入力部は、光軸の中心(または給電側導電体16の中心)に対して給電部203の開放部の反対側の位置に設けられている。
その結果、配線204と配線205とは、光軸の中心(または給電側導電体16の中心)点に対して互いに対抗する方向から給電部201〜203に接続されるように形成されている。このようにすることによって、例えば給電部202の信号入力部207と、切断された給電部202の終端部208、209との間の距離を、図5に示す従来の配置パターンにおける対応する距離(点507と点508との間の距離)の半分にできる。そのため、従来の配置パターンに比して電位分布の乱れを抑え、同心円状に近い電位分布を実現できる。換言すれば、給電側導電体16や給電部201〜203の抵抗値のマージンを広げることができる。
給電部201、203に入力される信号1と給電部202に入力される信号2の電位が異なるときには、給電側導電体16を介して電流が流れる。電流が流れることによる電圧降下量は、電流値と抵抗の積で表される。給電側導電体16の抵抗値を給電部201〜203の抵抗値より高くすることによって、電圧降下は、主に給電側導電体16内において生じ、信号入力部207の電位と給電部202の終端部208、209の電位とは、ほぼ等しくなる。このようにして、給電側導電体16には同心円状の電位分布を発生させることができる。しかしながら、給電側導電体16の抵抗値に対する給電部201〜203の抵抗値の比(抵抗比)が小さくなると、給電部内での電圧降下も無視できなくなる。
同様に、給電側導電体16に同心円状の電位分布を発生させることができる配置パターンの他の例が、図3および図4に示されている。図3に、給電部203の幅が広く取れる場合の給電部203に接続する配線306(図2に示す配線204の延長部分に対応)の設け方の一例を示す。このようにすることによって、信号の入力端を接近して配置したり、給電部203から出る配線の長さを短縮したりできる。図3において、図2と同符号を付して示す要素は、図2と同じものを示す。さらに、図4に示すように、給電部201と給電部403a、403bとを独立の電位にできるような配置パターンとするのでもよい。図4の404、406aおよび406bは、それぞれ、給電部201への配線、給電部403aへの配線、給電部403bへの配線である。なお、本発明に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子の配置パターンは、図2〜図4に示すものに限られず、切断された給電部の信号入力部から終端部までの間の電気抵抗を従来の方法より低減することが可能な配置パターンであればよい。
本実施例の光ヘッド装置は、光ディスクの厚さムラにより生ずる球面収差を補正する位相補正素子を備えている。この位相補正素子の素子構造は、図1に示したものと同じである。本実施例における位相補正素子の給電側導電体16および給電部20の配置パターンは、図2に示すものである。
図2において、給電側導電体16(斜線部)は、SSO薄膜で形成され、給電部201〜203(環状のグレイの領域)はクロム薄膜の成膜の後にエッチング技術を用いて形成されたものである。配線204、205やその他の配線は、給電部が形成された基板面と同一の基板面上に、給電部の形成方法と同様の方法で形成されたものである。給電部201〜203には、クロム薄膜の配線を介して制御電圧が印加される。また、給電部201〜203の線幅はほぼ100μmであり、給電部201〜203の平均直径はそれぞれほぼ0.4、1.1、1.5mmであった。
上記の給電側導電体16、給電部201〜203等の配置パターンを、以下のように形成した。まず、スパッタ法によってガラス基板上にクロム膜を堆積させ、その後、エッチング技術を用いて配置パターンとして残す部分以外の不要部分を除去し、給電部201〜203を形成した。配線についても同様である。
次に、給電部201〜203を形成した基板上に、スパッタ法によりSSO薄膜を成膜し、フォトレジストによるリフトオフ法により不要部分を除去することにより、給電側導電体16を形成した。給電側導電体16のシート抵抗と、給電部201〜203に使用した薄膜のシート抵抗は、それぞれ100kΩ/□、1Ω/□であった。
次に、給電側導電体16等が形成された基板上に、ポリイミドをスピンコートして配向膜を形成した。もう一方の基板に配向膜を形成する場合も同様である。基板上に形成したポリイミド膜をラビング法により配向処理をした後、エポキシ樹脂を基板に印刷してシール材を形成した。そして、この基板と同様の処理を施した対向する基板とをアライメントして重ねた後、シール材を硬化させて空のセルを作成した。空のセルに液晶を真空注入法によって注入し、封止材を用いて液晶注入口を封止し位相補正素子を完成させた。
この位相補正素子に、給電部201、203への信号1の電位V1を2Vrms、給電部202への信号2の電位V2を3Vrmsとすることで、良好な球面収差補正特性を得ることができた。また、経時的にその性能が劣化することがなく、光ヘッド装置の光源と対物レンズとの間に位相補正素子として設置することにより、球面収差の補正特性が優れた装置となったとともに、故障の少ない装置が得られた。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置は、複数の給電部が同心円状または略同心円状に設けられ、信号入力部が同心円の中心に対して開放部の反対側の位置に設けられているため、給電部から開放部までの距離のうち最長のものを従来に比べて短縮できるため、抵抗比条件が十分満たされない場合に、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持できる。
また、信号入力部が隣り合う開放部を結ぶ給電部の中央近傍に設けられたため、抵抗比条件が十分満たされない場合に、複数の開放端を設けるようにしたときでも、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持できる。
さらに、少なくとも給電側導電体がSn Si (1−x) (x=0.5から0.99かつyは概ね2)を50mol%以上含有する酸化物の透明導電膜で形成され、安定した抵抗値を実現できるため、経時変化の少ない収差補正特性を有する光ヘッド装置を実現できる。
本発明に係る光ヘッド装置は、抵抗比条件が十分満たされない場合に、補正される収差の分布が従来の光ヘッド装置で得られる分布よりもより同心円に近い分布を維持できるという効果を有し、光を利用して情報の読み書きを行う光ヘッド装置の産業分野等での用途にも適用できる。
本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子の原理的な構成の一例を示す概念的断面図。 本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子に形成された給電側導電体および給電部のパターンの一例を示す図。 本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子に形成された給電側導電体および給電部のパターンの他の一例を示す図。 本発明の実施の形態に係る光ヘッド装置を構成する位相補正素子に形成された給電側導電体および給電部のパターンの他の一例を示す図。 従来の光ヘッド装置を構成する位相補正素子に形成された給電側導電体および給電部のパターンの一例を示す図。
符号の説明
11、17 基板
12 共通導電体
13、15 配向板
14 異方性光学媒質(液晶)
16 給電側導電体
18、19 シール材
20、22 給電部
21 導電性ビーズ
56 部分導電体
100 位相補正素子
201〜203、403a、403b 給電部
204、205、206、306、404、406a、406b 配線
207、507 信号入力部
208、209、508 終端部
210 開放部

Claims (3)

  1. 光源と、前記光源からの出射光を光記録媒体上に集光させるための対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に設けられ、前記出射光の波面を変化させる位相補正素子と、前記位相補正素子を制御して前記出射光の波面を変化させるための制御電圧を発生する制御電圧発生手段とを備えた光ヘッド装置において、
    前記位相補正素子は、一対の基板と、一対の前記基板の間に挟持され、前記出射光の波面を変化させるための異方性光学媒質と、前記異方性光学媒質の1つの側面近傍に設けられた共通導電体と、前記共通導電体が近傍に設けられた前記異方性光学媒質の側面に対向する側面近傍に設けられた給電側導電体と、前記共通導電体と前記給電側導電体との間に前記制御電圧を印加可能に設けられた複数の給電部とを有し、
    各前記給電部は、前記給電側導電体の抵抗値よりも低い抵抗値を有するとともに、前記給電側導電体に同心円状または略同心円状に設けられ、少なくとも各前記給電部のうち最も内側の給電部を除く各給電部は、一部が切断された開放部を有し、前記開放部が設けられた給電部は、それぞれ、制御電圧を印加する信号入力部を有するとともに、各前記信号入力部は、前記同心円の中心に対して前記開放部の反対側の位置に設けられている光ヘッド装置。
  2. 前記開放部を有する給電部のうちいずれか1つ以上が複数の開放部を有するとき、複数の前記開放部を有する給電部の前記信号入力部は、前記隣り合う開放部を結ぶ給電部の中央近傍に設けられた請求項1に記載の光ヘッド装置。
  3. 前記給電側導電体のシート抵抗をρ とし、前記給電部のシート抵抗をρ とするとき、抵抗比ρ /ρ が、10 以上、10 10 以下である請求項1または請求項2に記載の光ヘッド装置。
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