JP2004334031A - 液晶光学素子及び光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回折を防止し、良好に波面収差の補正を行うことができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
【解決手段】波面収差補正用の電極パターン(300、310、320、330、340)が、複数の透明電極(31〜39)と、複数の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜(301〜308、520、530、810、830、840、850)とを有し、複数の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜上に配置されることによって、複数の透明電極は上下方向に所定の重なり部分を持って配置されていることを特徴とする。第1の透明電極を透明絶縁膜の上に配置することによって、第1及び第2の透明電極の間隔を縮め、電極間での光ビームの回折を防止すると共に実質的に収差補正を行える領域を拡大することができる構成とした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相変調用の液晶光学素子及びこれを用いた光学装置に関するものであり、特にレーザ光等の干渉性の高い光ビーム(高干渉性光)の波面収差(球面収差又はコマ収差等)を補正するための液晶光学素子及びこれを用いた光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DVD、次世代高密度DVD等の記録媒体の読取り又は書込みを行う光ピックアップ装置では、図12(a)に示すように、光源1からの光ビームをコリメータレンズ2によってほぼ平行光に変換し、対物レンズ3によって記録媒体4へ集光させ、記録媒体4からの反射光ビームを受光して光強度信号を発生させている。このような光ピックアップ装置で記録媒体4の読取り又は書込みを行う際には、対物レンズ3によって光ビームを正確に記録媒体4のトラック上に集光させる必要がある。
【0003】
しかしながら、記録媒体4中のトラック面上の光透過保護層の厚みムラ(図12(a)のB)等によって、対物レンズ3からトラック面までの距離が一定にならない、又は常に同じように光スポットを集光することができない場合がある。また、記録媒体4の記録容量を上げるために、複数のトラック面を記録媒体4中に設けた場合には、対物レンズ3と各トラック面との位置関係を調整する必要もある。
【0004】
このように、対物レンズ3とトラック面との間の距離にムラが生じると、記録媒体4の基板内には、球面収差が生じ、記録媒体4からの反射光ビームに基づいて発生される光強度信号を劣化させる原因となる。対物レンズ3の入射瞳位置で換算した球面収差の一例21を図12(b)に示す。また、複数のトラック面を記録媒体中に設けた場合には、対物レンズ3の焦点位置にある第1トラック面以外の第2トラック面の読取り又は書込みの際に球面収差が生じ、同様に、記録媒体4からの反射光ビームに基づいて発生される光強度信号を劣化させる原因となる。
【0005】
そこで、図13に示すように、コリメータレンズ2と対物レンズ3との間に液晶光学素子7を配置し、記録媒体4の基板中に生じる球面収差を補正させる試みがある(例えば、特許文献1参照。)。このような液晶光学素子7は、液晶に生じる電位差に応じて液晶の配向性が変化することを利用し、液晶を通過する光ビームの位相を変化させ、それによって球面収差を相殺するように働く。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−269611号公報(第3−5頁、第1−3図、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図14に、液晶光学素子7に印加される電圧に応じて液晶に位相分布を生じさせるための球面収差補正用の透明電極パターン30の一例を示す。図14では、9つの同心円状の透明電極31〜39が設けられている。各透明電極に所定の電圧が印加されると、対向する透明電極との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を電位差に応じて進ませるような作用を受けることとなり、記録媒体4の基板中に生じる球面収差21(図12(b)参照)が補正される。
【0008】
実際には、透明電極パターン30の各透明電極31〜39に異なった電圧が印加されるように、透明電極と透明電極の間には微細な隙間が設けられ、さらに透明電極と透明電極の間に外部抵抗素子が接続されている。
【0009】
図14に示すように、透明電極31と透明電極39との間に電源9からの所定のAC電圧が印加されている。また、透明電極31と32との間には抵抗素子Rが、透明電極32と33との間には抵抗素子Rが、透明電極33と34との間には抵抗素子Rが、透明電極34と35との間には抵抗素子Rが、透明電極35と36との間には抵抗素子Rが、透明電極36と37との間には抵抗素子Rが、透明電極37と38との間には抵抗素子Rが、透明電極38と39との間には抵抗素子Rが接続されている。透明電極31と39との間に印加された電圧は、抵抗R〜Rにより階段状に分圧され、各透明電極に印加されるように構成されている。
【0010】
図15に、各透明電極と印加される電圧の関係を示す。図15(a)は、透明基板71上の透明電極パターン30の内、透明電極31〜35の部分を拡大したものである。透明電極間の微細な間隔は3μmに設定されており(なお、便宜上、拡大して示している)、図12に示したように各透明電極間に抵抗素子R〜R等が接続され、電源9により電圧が印加されている。図15(b)は、基準電圧(透明電極31に印加される電圧)に対する透明電極パターン30の各透明電極の実効電圧を示している。
【0011】
図15(b)に示すように、透明電極間の微細な間隔S〜S等には、透明電極パターンが存在しないため、その部分の電位は定まらないが、一般に基準電圧となる(なお漏れ電界の作用により完全に基準電圧までは落ちない)。即ち、各透明電極に印加されている電圧は、実際には図15(b)のように櫛歯状に各透明電極間で電圧が急激に低下する部分S〜S等が存在する。図15(b)のような電圧が液晶に印加されると、透明電極パターン30を通過する光ビームに対して、図15(b)に示すような印加電圧に応じた櫛歯状の屈折率分布を生じることとなる。
【0012】
図15(b)に示すような印加電圧に応じた櫛歯状の屈折率分布を生じた液晶光学素子は、位相型の回折格子として機能して、光ビームを回折させてしまう。即ち、各透明電極間の電圧が急激に低下する部分S〜S等で、光ビームの回折が生じ、光ビームから発生される光強度信号を劣化させる原因となっていた。
【0013】
そこで、本発明は、良好に波面収差(球面収差又はコマ収差等)の補正を行うことができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、回折を防止し、良好に波面収差の補正を行うことができる液晶光学素子及びそのような液晶光学素子を用いた光学装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る液晶光学素子は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、第1及び第2の透明基板の一方の面上に形成された波面収差補正用の電極パターンとを有し、電極パターンは、第1の透明電極と、第2の透明電極と、第1及び第2の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、第1の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜の上に配置されていることを特徴とする。第1の透明電極を透明絶縁膜の上に配置することによって、第1及び第2の透明電極の間隔を縮め、電極間での光ビームの回折を防止すると共に実質的に収差補正を行える領域を拡大することができる構成とした。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る光学装置は、光ビームを出力する光源と、光ビームの波面収差補正用の電極パターンを有する液晶光学素子と、電極パターンへ電圧を印加するための電源とを有し、電極パターンは、第1の透明電極と、第2の透明電極と、第1及び第2の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、第1の透明電極の一部分が透明絶縁膜の上に配置されていることを特徴とする。第1の透明電極を透明絶縁膜の上に配置することによって、第1及び第2の透明電極間を縮め、電極間での光ビームの回折を防止すると共に実質的に収差補正を行える領域を拡大することができる構成とした。
【0017】
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、第1の透明電極と前記第2の透明電極が、上下方向又は光ビームの入射方向に対して、所定の重なり部分を持って配置されていることが好ましい。重なり部分を有することにより、確実に光ビームの回折を防止することができる。
【0018】
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、透明絶縁膜は、第2の透明電極の上に所定のマージンを持って乗り上げるように設けられていることが好ましい。
【0019】
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、透明絶縁膜は、第2の透明電極全体を覆うように設けられていることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明に係る液晶光学素子又は光学装置では、透明絶縁膜は、第1の透明電極全体の下に設けられていることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液晶光学素子及び光学装置を、添付図面を参照して詳述する。図1に、本発明に係る液晶光学素子を用いた光学装置100を示す。
【0022】
図1において、光源1から出射された光ビーム(405nm)は、コリメータレンズ2によって、有効径10を有するほぼ平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ60を通過した後、液晶光学素子70に入射する。液晶光学素子70を通過した光ビームは、1/4波長板64を通過して、対物レンズ3(開口率NA=0.85)により記録媒体4に集光される。
【0023】
「有効径」とは、光ビームに位置ずれや径の変化のないとした場合の、対物レンズ3で有効に利用される幾何光学設計上の液晶光学素子上での主光ビーム径を言う。本実施形態では、有効径10(φ)は3mmに設定されている。
【0024】
記録媒体4から反射された光ビームは、再び対物レンズ3、1/4波長板64及び液晶光学素子70を経て、偏光ビームスプリッタ60により光路を変更されて、集光レンズ61を介して受光器62に集光される。光ビームは、記録媒体4により反射される際に、記録媒体4のトラック面上に記録されている情報(ピット)によって振幅変調され、受光器62により光強度信号として出力される。この光強度信号(光強度信号)から記録情報が読み出される。
【0025】
また、記録媒体に書込みを行う場合には、書込みを行うためのデータ信号に応じて光源1から出射された光ビームの強度を変調して、変調された光ビームによって記録媒体を照射する。記録媒体では、光ビームの強度に応じて、ディスクに挟まれた薄膜の屈折率や色が変化し、又はピットの起状が生じることで、データが書き込まれる。なお、光ビームの強度変調は、光源1に用いるレーザーダイオードに流す電流を変調することによって行うことができる。
【0026】
対物レンズ3には、トラッキング用のアクチュエータ5が取付けられており、図中の矢印Aの方向に対物レンズ3を移動することによって、対物レンズ3によって集光される光ビームが、記録媒体4のトラックに正確に追従するように構成されている。アクチュエータ5には、駆動のための配線8が取付けられており、液晶光学素子70には後述する透明電極パターンを駆動するための配線6が取付けられている。
【0027】
液晶光学素子70は、後述する図3又は4に示されるような球面収差補正用の透明電極パターン300を有している。
【0028】
記録媒体4は、次世代の高密度DVDであり、直径12cm、厚さ1.2mmの円盤形状を有している。また、情報が記録されるトラック面の上には、約0.1mmのポリカーボネイト等から構成される光透過保護層が設けられている。また、トラックピッチは、従来のDVDの約2倍(0.32μm)であり、405nmの青色レーザ及び開口率(NA)=0.85の対物レンズを用いて光スポット面積を従来のDVDの約1/5として、片面で最大約27GBの容量を実現するものである。
【0029】
このような記録媒体4では、従来のDVDに比べて更にトラック面を保護する光透過保護層の厚さムラに起因する球面収差によって、受光器62から出力される光強度信号が劣化してしまう。そこで、液晶光学素子制御回路63は、受光器62からの光強度信号に基づいて球面収差を検出し、検出した球面収差を相殺するように、配線6を通じて、球面収差補正用の電極パターン300に電圧を印加する。なお、受光器62からの光強度信号(RF信号)の振幅を最大にするように、球面収差補正用の電極パターンに電圧を印加することによって、記録媒体4の基板内に発生する球面収差を相殺することが可能である。
【0030】
図2に、図1に示された液晶光学素子70の断面図を示す。図2の矢印の示す方向は、図1において光源1から出た光ビームが偏光ビームスプリッタ60を通過した後、液晶光学素子70に入射する方向を示している。図2において、光源側の透明基板71には、球面収差補正用の透明電極パターン300及び配向膜72が形成されている。また、記録媒体4側の透明基板75には、対向透明電極40及び配向膜74が形成されている。液晶76は、2枚の透明基板71及び75と、シール部材73との間に封入されている。図2に示される各要素は、説明の便宜上、誇張して図示されており、実際の厚さの比と異なる場合がある。
【0031】
図3に、各透明電極と印加される電圧の関係を示す。図3(a)は、透明基板71上の透明電極パターン300の断面の一部(透明電極31〜35の部分)を拡大したものである。透明電極間の微細な間隔Sは3μmに設定されている(なお、便宜上、拡大して示している)。
【0032】
図3(a)に示したように透明電極パターン300の透明電極31〜35は、透明絶縁膜301〜304等によって電気的に相互に絶縁されているが、必ず透明絶縁膜の上に透明電極の一部が配置されるように構成されている。即ち、透明絶縁膜301の上には透明電極31が、透明絶縁膜302の上には透明電極33が、透明絶縁膜303の上には透明電極33が、透明絶縁膜304の上には透明電極35が配置されている。
【0033】
なお、図示されてはいないが、透明電極35と36との間には透明絶縁膜305が、透明電極36と37との間には透明絶縁膜306が、透明電極37と38との間には透明絶縁膜307が、透明電極38と39との間には透明絶縁膜308がそれぞれ設けられており、透明電極35と36、透明電極36と37、透明電極37と38及び透明電極38と39との間を電気的に絶縁している。また、透明絶縁膜305の上には透明電極35が、透明絶縁膜306の上には透明電極37が、透明絶縁膜307の上には透明電極37が、透明絶縁膜308の上には透明電極39が、図3(a)と同様の順番で配置されている。
【0034】
さらに、透明電極31及び39の間には、液晶光学素子制御回路63により電圧が印加され、透明電極31と32との間には抵抗素子Rが、透明電極32と33との間には抵抗素子Rが、透明電極33と34との間には抵抗素子Rが、透明電極34と35との間には抵抗素子Rが接続されている。なお図示されてはいないが、透明電極35と36との間には抵抗素子Rが、透明電極36と37との間には抵抗素子Rが、透明電極37と38との間には抵抗素子Rが、透明電極38と39との間には抵抗素子Rが同様に接続されている。透明電極31と39との間に印加された電圧は、抵抗R〜Rにより階段状に分圧され、各透明電極に印加されるように構成されている。
【0035】
図3(b)は、基準電圧(透明電極31に印加される電圧)に対する透明電極パターン300の透明電極31〜35及び各透明電極間の実効電圧を示している。なお、液晶光学素子に用いる液晶は一般に印加電圧に対し実効値応答を示す。また直流電圧成分を長時間この液晶に加えると、液晶の焼きつきや分解等の不都合を生ずる。従って液晶光学素子の各透明電極には直流電圧成分を印加しないように交流電圧を印加して液晶を駆動する。また、液晶光学素子に対する基準電圧0〔V〕は正確には液晶層に印加される電圧であり、その電圧を任意に設定することができる。一般的には印加電圧が0〔V〕の状態を基準とする事が多いが、例えば3〔V〕の時を基準電圧としても構わない。
【0036】
図3(b)に示すように、従来透明電極間に存在した間隔S〜Sには、透明絶縁膜を介して透明電極が存在するため、その部分の電圧は、そこに存在する透明電極の電位となる。即ち、従来透明電極間に存在した間隔S〜S等には、透明電極が存在するため、ほぼ基準電圧まで急激に電圧が低下することが無くなる。したがって、図13(b)に示すような櫛歯状の屈折率分布を生じることがなく、位相型の回折格子として機能せず、光ビームを回折させることがない。即ち、光ビームの回折による光強度信号を劣化を防止することが可能となった。
【0037】
さらに、図13(a)に示すような透明電極間に間隔が存在する場合には、透明電極間の間隔S〜S等には、ほぼ基準電圧が印加され、その部分の液晶が動作しないため、球面収差の補正に寄与しなかった。しかしながら、図3に示すように透明絶縁膜を介して各透明電極が隙間無く配置されている場合には、従来透明電極間に存在した間隔S〜S等にも所定の電圧が印加されることから、それぞれの印加電圧に応じてその部分の液晶が動作するので、球面収差の補正に寄与することができる。したがって、図3に示すように透明絶縁膜を介して各透明電極が隙間無く配置することによって、光ビームの回折を防止できるだけでなく、実質的に球面収差の補正に寄与する透明電極を拡大することが可能となった。
【0038】
図4を用いて、このような球面収差補正用の透明電極パターンの作用を説明する。球面収差補正用の透明電極パターン300を図4(a)に示す。図4(a)では、透明絶縁膜301〜308は省略している。図4(a)に示す9つの同心円状の透明電極31〜39には、前述した透明絶縁膜301〜308の作用によって、図4(b)に示すような実効電圧24が印加されている。図4(a)に示すような電極パターン300の各透明電極31〜39に図4(b)に示すような実効電圧24が印加されると、対向透明電極40との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を電位差に応じて進ませるような作用を受けることとなり、記録媒体4の基板中に生じる球面収差21(図4(b))が、図4(c)に示す球面収差25のように補正される。なお、透明電極パターン300へは、液晶光学素子制御回路63から配線6(図1参照)を通じて電圧が印加される。
【0039】
なお、記録媒体4の基板中に発生する球面収差が図4(b)に示す球面収差21とは逆向きに発生する場合には、電極パターン300の各透明電極31〜39に、図4(b)とは逆に、基準電圧(透明電極31に印加される電圧)に対して負(−)の電圧を印加するように制御することもできる。その場合、電極パターン300の各透明電極を通過する光ビームは、その位相を遅らされるような作用を受ける。
【0040】
透明絶縁膜301〜308は、場合により不透明な膜で構成しても良い。その場合、液晶光学素子70の光透過率は低減してしまい、しかも不透明な絶縁膜の影響により若干の回折光が生ずることとなる。しかしながら、この透明絶縁膜301〜308が形成される箇所は、元来正しい波面変調を受ける場所ではないので、この様に光遮断しても波面収差の特性上殆ど影響を受けることはなく、つまり液晶光学素子70の一部分が光遮断された振幅型回折素子となるため、従来の透明な位相型回折素子7に比べて、回折の度合いを約半分以下に低減することができる。
【0041】
図5に、球面収差補正用の透明電極パターン300を製造するための手順を示す。
【0042】
最初にガラス透明基板71上に、第1ITO(インジウム錫酸化物)膜500を成膜する(図5(a)参照)。ITO膜500は、200μΩcmの抵抗率を有し、500〜1000Åの厚さに、300℃スパッタリングにより成膜される。また、ITO膜500の透過率は80%以上であることが好ましい。
【0043】
次に、HCl及びFeClによるウエットエッチングによって、同心円状の透明電極32、34、36及び38が形成されるようにパターンニングがなされる(図5(b)参照)。
【0044】
次に、第1ITO膜によって形成された透明電極32、34、36及び38の上に、透明絶縁膜510が形成される(図5(c)参照)。透明絶縁膜510は500〜2000Åの厚さに、スパッタリングによって成膜される。また、透明絶縁膜510の透過率は80%以上であることが好ましい。さらに、透明絶縁膜510は、Taから構成され、その抵抗率は10−12Ωcm程度が好ましい。なお、透明絶縁膜510として、Mg,SiO等を用いることもできる。
【0045】
次に、SFによるドライエッチングによって、透明電極32、34、36及び38を絶縁膜マージン(m1)を持って覆うようにパターンニングして、絶縁膜520及び530等を作成する(図5(d)参照)。絶縁膜マージン(m1)は、2〜5μmであることが好ましい。また、エッチング用のガスは、第1ITO膜によってパターンニングされた透明電極がダメージを受けないよなガスであれば、他のガスを利用することもできる。
【0046】
次に、絶縁層520及び530等の上に、第2ITO膜540を成膜する(図5(e)参照)。第2ITO膜540は、第1ITO膜と同じ膜質及び成膜条件によることが好ましい。第1ITO膜と第2ITO膜の膜質(透過率及び膜厚等)が異なると、光ビームによる挙動が異なってしまうからである。
【0047】
次に、第2ITO膜540をHCl及びFeClによるウエットエッチングして、透明電極31、33、35、37及び39を作成する(図5(f)参照)。ここで、第2ITO膜は、透明電極マージン(m2)をもって、絶縁膜を覆うようにパターンニングされる。透明電極マージン(m2)は、2〜5μmであることが好ましい。ウエットエッチングにより、各透明電極は、透明電極マージン(m2)を持って上下方向(光ビームの入射方向)に対して重なり合うこととなる。
【0048】
最後に、SFによるドライエッチングによって、透明電極32、34、36及び38上の絶縁膜520及び540等をエッチングし、各透明電極間の絶縁膜301〜308を形成して、透明電極パターン300を完成する(図5(g)参照)。また、ドライエッチングにより、各透明絶縁膜301〜308も、透明絶縁膜マージン(m3)を持って透明電極に乗り上げるように設けられることとなる。
【0049】
図6に、他の球面収差補正用の透明導電パターン310を示す。
【0050】
図6に示す透明導電パターン310は、図5に示す(f)の状態を示している。図6に示すように、透明電極パターン310における各透明電極は、透明絶縁膜によって電気的に絶縁されていることから、図3〜5に示す透明電極パターン300と同様に、光ビームの回折を防止できるだけでなく、実質的に球面収差の補正に寄与する透明電極を拡大することが可能である。
【0051】
しかしながら、透明電極32、34、36及び38の上には、透明絶縁膜520及び530等が配置されているので、透明電極31、33、35、37及び39と、透明電極32、34、36及び38とが光ビームに対して同じ挙動をするように、透明絶縁膜は、より透過率が高いこと(90%以上)が好ましい。しかしながら、透明絶縁膜510を成膜後、絶縁膜520及び530等にパターンニングする必要がないことから、製造コストを抑えることが可能となる。
【0052】
図7に、他の球面収差補正用の透明導電パターン320を示す。
【0053】
図7に示す透明導電パターン320は、図3及び5に示す透明電極パターン300の変形例である。透明電極パターン320では、透明絶縁膜301を透明電極31が覆い、透明絶縁膜302を透明電極32が覆い、透明絶縁膜303を透明電極33が覆い、透明絶縁膜304を透明電極34が覆い、透明絶縁膜305を透明電極35が覆い、透明絶縁膜306を透明電極36が覆い、透明絶縁膜307を透明電極37が覆い、透明絶縁膜308を透明電極38が覆うように構成されている。
【0054】
図8に、他の球面収差補正用の透明電極パターン330とその製造するための手順を示す。
【0055】
最初にガラス透明基板71上に、第1ITO膜800を成膜する(図8(a)参照)。ITO膜800は、200μΩcmの抵抗率を有し、500〜1000Åの厚さに、300℃スパッタリングにより成膜される。また、ITO膜800の透過率は80%以上であることが好ましい。
【0056】
次に、HCl及びFeClによるウエットエッチングによって、同心円状の透明電極32、34、36及び38が形成されるようにパターンニングがなされる(図8(b)参照)。
【0057】
次に、第1ITO膜によって形成された透明電極32、34、36及び38の上に、透明絶縁膜810が形成される(図8(c)参照)。透明絶縁膜810は500〜2000Åの厚さに、スパッタリングによって成膜される。また、透明絶縁膜810の透過率は80%以上であることが好ましい。さらに、透明絶縁膜810は、Taから構成されることが好ましい。
【0058】
次に、透明絶縁層810の上に、第2ITO膜820を成膜する(図d(d)参照)。第2ITO膜820は、第1ITO膜と同じ膜質及び成膜条件によることが好ましい。
【0059】
次に、第2ITO膜820をHCl及びFeClによるウエットエッチングして、透明電極31、33、35、37及び39を作成する(図8(e)参照)。ここで、第2ITO膜は、透明電極マージン(m2)をもって、絶縁膜を覆うようにパターンニングされる。透明電極マージン(m2)は、2〜5μmであることが好ましい。また、ウエットエッチングにより、各透明電極は、透明電極マージン(m2)を持って上下方向(光ビームの入射方向)に対して重なり合うこととなる。
【0060】
最後に、SFによるドライエッチングによって、透明電極32、34、36及び38上の透明絶縁膜810をエッチングして、球面収差補正用の透明電極パターン330を完成する(図8(d)参照)。また、ドライエッチングにより、各透明絶縁膜830、840及び850等も、透明絶縁膜マージン(m3)を持って透明電極に乗り上げるように設けられることとなる。
【0061】
図8に示すように、透明電極パターン330における各透明電極は、透明絶縁膜によって電気的に絶縁されていることから、図3〜5に示す透明電極パターン300と同様に、光ビームの回折を防止できるだけでなく、実質的に球面収差の補正に寄与する透明電極を拡大することが可能である。
【0062】
しかしながら、透明電極31、33、35、37及び39の下には、透明絶縁膜830、840及び850等が配置されているので、透明電極31、33、35、37及び39と、透明電極32、34、36及び38が光ビームに対して同じ挙動をするように、透明絶縁膜は、より透過率が高いこと(90%以上)が好ましい。
【0063】
図9に、他の球面収差補正用の透明導電パターン340を示す。
【0064】
図9に示す透明導電パターン340は、図8に示す(e)の状態を示している。図9に示すように、透明電極パターン340における各透明電極は、透明絶縁膜によって電気的に絶縁されていることから、図3〜5に示す透明電極パターン300と同様に、光ビームの回折を防止できるだけでなく、実質的に球面収差の補正に寄与する透明電極を拡大することが可能である。
【0065】
また、透明電極32、34、36及び38の上と、透明電極31、33、35、37及び39の下には、同じ透明絶縁膜810は配置されていることから、全ての透明電極31〜39は、光ビームに対して同じ挙動示すことができる。さらに、透明絶縁膜810を成膜後、パターンニングする必要がないことから、製造コストを抑えることが可能となる。しかしながら、光ビームの光量を有効に活用する観点から、透明絶縁膜810は、より透過率が高いこと(90%以上)が好ましい。
【0066】
図10に、本発明に係るコマ収差補正用の透明電極パターン400を示す。図1で説明した光学装置100では、記録媒体4のそり又は曲がり、記録媒体4の駆動機構の欠陥等によって、記録媒体4に傾きが生じる場合がある。対物レンズ3によって集光された光ビームの光軸が記録媒体4のトラックに対して傾くことによって、記録媒体4の基板内には、コマ収差を生じ、記録媒体4からの反射光ビームに基づいて発生される情報信号を劣化させる原因となる。そこで、コマ収差補正用の透明電極パターン400は、発生したコマ収差を相殺するように作用するものである。コマ収差補正用の透明電極パターン400は、図2に示した液晶光学素子70の球面収差補正用の透明電極パターン300の代わり、又は併用して用いられることができる。
【0067】
図10に示すコマ収差補正用の透明電極パターン400では、前述した球面収差補正用の透明電極パターン300と同様に、液晶に生じる電位差に応じて液晶の配向性が変化することを利用し、液晶を通過する光ビームの位相を変化させ、それによってコマ収差を相殺しようとするものである。図10では、液晶光学素子70に入射される光ビームの有効径10とほぼ同じ大きさの透明電極内に、位相を進ませるための2つの透明電極42及び43、位相を遅らせるための2つの透明電極44及び45を、及び基準電位V1(この場合は2v)を印加するための透明電極41を有している。
【0068】
透明電極42及び43に、基準電位に対して正(+)の電圧を印加すると、対向透明電極(図2の40参照)との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を進められるような作用を受ける。また、透明電極44及び45に対して負(−)の電圧を印加すると、対向透明電極との間に電位差を生じ、その間の液晶の配向性が電位差に応じて変化する。したがって、この部分を通過する光ビームは、その位相を遅らせるような作用を受ける。
【0069】
また、透明電極43の周囲には透明電極41との間を絶縁するための透明絶縁膜401、透明電極44の周囲には透明電極41との間を絶縁するための透明絶縁膜402、透明電極42の周囲には透明電極41との間を絶縁するための透明絶縁膜403、及び透明電極42の周囲には透明電極41との間を絶縁するための透明絶縁膜404が設けられている。透明絶縁膜401〜404は、前述した図3に示す透明絶縁膜301〜308にように、各透明電極41〜45との間を相互に絶縁するために設けられている(図中点線で示す)。
【0070】
図11(a)は、図10に示したコマ収差補正用の透明電極パターン400の断面を示した図である。図11(a)に示すように、各透明電極41〜45の間に、透明絶縁膜401〜404が、各透明電極41〜45を相互に絶縁するように設けられている。
【0071】
図11(b)は、発生するコマ収差50の例と、各透明電極41〜45に印加される実効電圧51(基準電位V1)の例を示すものである。図11(b)に示すように、発生するコマ収差50を相殺するように各透明電極41〜45に対して実効電圧51が印加される。
【0072】
図11(c)は、各透明電極41〜45間に透明絶縁膜401〜404を設けなかった従来例を示している。前述したように、従来では、図11(b)に示すような実効電圧51を各透明電極41〜45に印加しようとして、各透明電極間に間隔を空けて絶縁を行っていた。しかしながら、図15を用いて説明したように、各透明電極間S10〜S17の電位はほぼ基準電位まで低下してしまい、各間隔S10〜S17の箇所において光の回折が発生してしまうという不具合があった。これに対して、図10及び図11(a)に示すように、各透明電極41〜45間に透明絶縁膜401〜404を設けることによって、図11(b)に示すような実効電圧51を実際にコマ収差補正用の透明電極パターンに印加することが可能となった。
【0073】
なお、図11(a)に示すコマ収差補正用の透明電極パターン400は、前述した図5において説明した方法によって製造されているが、同様に前述した図6〜9にて説明した方法によって製造することもできる。
【0074】
【発明の効果】
このように、本発明に従った液晶光学素子及びそれを用いた光学装置では、波面補正のための各透明電極を透明絶縁膜で絶縁し、透明電極の一部分を透明絶縁膜の上に配置して、相互の間隔を縮めたので、波面収差補正用透明電極パターンが櫛歯状の屈折率分布を生じることがなく、位相型の回折格子として機能せず、光ビームを回折させることがない。即ち、光ビームの回折による光強度信号を劣化を防止することが可能となった。
【0075】
また、本発明に従った液晶光学素子及びそれを用いた光学装置では、波面収差補正のための各透明電極を透明絶縁膜で絶縁し、透明電極の一部分を透明絶縁膜の上に配置して、相互の間隔を縮めたので、波面収差補正用の各透明電極間の微細な間隔にも所定の電圧が印加されることから、それぞれの印加電圧に応じてその部分の液晶が動作するので、波面収差の補正に寄与することができる。したがって、実質的に波面収差の補正に寄与する透明電極を拡大することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液晶光学素子を有する光学装置を示す図である。
【図2】本発明に係わる液晶光学素子の断面図の一例を示す図である。
【図3】(a)は本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターン一例を示し、(b)は(a)に示す電極パターンに印加される実効電圧の一例を示す図である。
【図4】(a)は液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの一例を示し、(b)は(a)に示す電極パターンに印加される実効電圧の一例を示し、(c)は補正された球面収差の一例を示す図である。
【図5】(a)〜(g)は、本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの製造手順を説明するための図である。
【図6】本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの他の例を示す図である。
【図7】本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの他の例を示す図である。
【図8】(a)〜(f)は、本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの他の例の製造手順を示す図である。
【図9】本発明に係わる液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンの他の例を示す図である。
【図10】本発明に係る液晶光学素子のコマ収差補正用の透明電極パターンの一例を示す図である。
【図11】(a)は図10に示すコマ収差補正用の透明電極パターンの断面図を示し、(b)は(a)に印加される実効電圧波形の一例を示し、(c)は従来のコマ収差補正用の透明電極パターンに印加される実効電圧波形の一例を示す図である。
【図12】(a)は従来の球面収差補正用の液晶光学素子を有する光学装置の一例を示し、(b)は発生する球面収差の例を示す図である。
【図13】従来の球面収差補正用の液晶光学素子を有する光学装置の一例を示す図である。
【図14】液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンへの電圧の印加例を示す図である。
【図15】液晶光学素子の球面収差補正用の電極パターンへの電圧の印加例を示す図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ光源
2…コリメータレンズ
3…対物レンズ
4…記録媒体
5…アクチュエータ
31〜39…透明電極
70…液晶光学素子
63…液晶光学素子制御回路
100…光学装置
300、310、320、330、340…球面収差補正用の透明電極パターン
301〜308、520、530、810、830、840、850…透明絶縁膜

Claims (18)

  1. 光ビームの収差を補正するための液晶光学素子であって、
    第1の透明基板と、
    第2の透明基板と、
    前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
    前記第1及び第2の透明基板の一方の面上に形成された波面収差補正用の電極パターンとを有し、
    前記電極パターンは、
    第1の透明電極と、
    第2の透明電極と、
    前記第1及び第2の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、
    前記第1の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜の上に配置されていることを特徴とする液晶光学素子。
  2. 前記波面収差補正用の電極パターンは、球面収差補正用の電極パターンである請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 前記波面収差補正用の電極パターンは、コマ収差補正用の電極パターンである請求項1に記載の液晶光学素子。
  4. 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極が上下方向に所定の重なり部分を持って配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶光学素子。
  5. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極の上に所定のマージンを持って乗り上げるように設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載の液晶光学素子。
  6. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極全体を覆うように設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載の液晶光学素子。
  7. 前記透明絶縁膜は、前記第1の透明電極全体の下に設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載の液晶光学素子。
  8. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極全体を覆うように設けられている請求項7に記載の液晶光学素子。
  9. 光ビームの収差を補正するための液晶光学素子であって、
    第1の透明基板と、
    第2の透明基板と、
    前記第1及び第2の透明基板の間に封入された液晶と、
    前記第1及び第2の透明基板の一方の面上に形成された波面収差補正用の電極パターンとを有し、
    前記電極パターンは、
    複数の透明電極と、
    前記複数の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、
    前記複数の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜上に配置されることによって、前記複数の透明電極は上下方向に所定の重なり部分を持って配置されていることを特徴とする液晶光学素子。
  10. 光学装置であって、
    光ビームを出力する光源と、
    前記光ビームの波面収差補正用の電極パターンを有する液晶光学素子と、
    前記電極パターンへ電圧を印加するための電源とを有し、
    前記電極パターンは、
    第1の透明電極と、
    第2の透明電極と、
    前記第1及び第2の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、
    前記第1の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜の上に配置されていることを特徴とする光学装置。
  11. 前記波面収差補正用の電極パターンは、球面収差補正用の電極パターンである請求項10に記載の光学装置。
  12. 前記波面収差補正用の電極パターンは、コマ収差補正用の電極パターンである請求項10に記載の光学装置。
  13. 前記第1の透明電極と前記第2の透明電極が、前記光ビームの入射方向に対して、所定の重なり部分を持って配置されている請求項10〜12の何れか一項に記載の光学装置。
  14. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極の上に所定のマージンを持って乗り上げるように設けられている請求項10〜13の何れか一項に記載の光学装置。
  15. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極全体を覆うように設けられている請求項10〜13の何れか一項に記載の光学装置。
  16. 前記透明絶縁膜は、前記第1の透明電極全体の下に設けられている請求項8〜15の何れか一項に記載の光学装置。
  17. 前記透明絶縁膜は、前記第2の透明電極全体を覆うように設けられている請求項16に記載の光学装置。
  18. 光学装置であって、
    光ビームを出力する光源と、
    前記光ビームの波面収差補正用の電極パターンを有する液晶光学素子と、
    前記電極パターンへ電圧を印加するための電源とを有し、
    前記電極パターンは、
    同心円状に設けられた複数の透明電極と、
    前記複数の透明電極を相互に絶縁するための透明絶縁膜とを有し、
    前記複数の透明電極の一部分が前記透明絶縁膜上に配置されることによって、前記複数の透明電極は、前記光ビームの入射方向に対して、所定の重なり部分を持って配置されていることを特徴とする光学装置。
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