JP2008163984A - メカニカルシール、軸封装置、及びそれら用のシールリング - Google Patents

メカニカルシール、軸封装置、及びそれら用のシールリング Download PDF

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Abstract

【課題】メカニカルシールの収容空間部に高粘性のシール対象が漏れ入ってきて堆積しても、それに起因して環状バネがセグメントから早期に外れたり、セグメントが損傷すること、並びにそれらによってシール性が悪化することが回避され、長期に亘って良好なシール性を発揮することができるメカニカルシールを提供する。
【解決手段】メカニカルシールにおいて、回転軸1の周方向に並べられた3個のシール用セグメント6に環状バネ7を巻回装備して成るシールリング5の2個を、互いのセグメント繋がり部分15が周方向で五一となる状態で軸方向に並べて配置し、それらシールリング5,5を軸方向に押圧してハウジング3の側壁3hに押付ける弾性手段dを設け、セグメント6には、これの外周側に位置する環状バネ7を軸方向で一方の側及び外周側を覆うカバー部10を一体装備させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数のセグメントと環状バネとで成るシールリング、及びそのシールリングを用いて構成されるメカニカルシール、並びにメカニカルシールを複数対用いて構成される軸封装置に関するものである。
セグメントを用いたメカニカルシールは、外装される環状バネによってシール内周面と回転軸の外周面との間をシールし、かつ、シールリングを軸方向に押圧付勢することでシールリングの側周面とハウジングの側壁との間をシールするものであり、それによって回転軸の外周面とハウジング側壁との間をシールすることができるように構成されている。このようなメカニカルシールとしては、特許文献1や特許文献2において開示されたものが知られている。
つまり、複数のセグメントを用いたメカニカルシールは、「回転軸の周方向に並べられた複数のシール用セグメントに環状バネを巻回装備して成るシールリングの複数を、互いのセグメント繋がり部分が周方向で五一となる状態で軸方向に並べて配置し、それら複数のシールリングを軸方向に押圧してハウジングの側周壁に押付ける弾性手段を設けて構成されるメカニカルシール」と定義することができる。
このようなメカニカルシールにおいては、環状バネは各セグメントの外周部に形成される凹入溝に嵌り込んで外装されていて、環状バネの外径側部分、具体的には環状バネに対する左右の側、及び外周側の三側が剥き出しとなる状態に構成されている。そして、メカニカルシールでは、シール対象の極僅かな漏れは生じるものであるが、例えばシール対象がゴムや合成樹脂等の粘性の比較的高いものである場合に、漏れ出たシール対象によって問題が生じることがある。
即ち、メカニカルシールを収容する部分であるハウジングの環状空間部に漏れ出てきて溜るシール対象が、各セグメントに跨って外装される環状バネを軸方向に押すとか、機械の停止に伴って次第に冷えて固まるシール対象が次回の機械稼働時に環状バネに悪影響を及ぼす作用をする等により、早期に環状バネが脱落するとかセグメントの変形や破損が生じる、或いはそれらによってシール機能が損なわれる等の不具合が起きていたのである。
特開2005−201314号公報 特開平7−119840号公報
本発明の目的は、ハウジングにおけるメカニカルシールの収容空間部にシール対象(特に粘性の高いシール対象)が漏れ入ってきて堆積するようになっても、そのことによって環状バネがセグメントから早期に外れたり、セグメントが損傷すること、並びにそれらによってシール性が悪化することを回避し、長期に亘って良好なシール性を発揮することができる改善されメカニカルシール、軸封装置、並びにそれらに用いられるシールリングを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、メカニカルシールにおいて、回転軸1の周方向に並べられた複数のシール用セグメント6に環状バネ7を巻回装備して成るシールリング5の複数を、互いのセグメント繋がり部分15が周方向で五一となる状態で軸方向に並べて配置し、それら複数のシールリング5,5を軸方向に押圧してハウジング3の側壁3hに押付ける弾性手段dを設けるとともに、前記セグメント6に、これの外周側に位置する前記環状バネ7を軸方向で一方の側及び外周側を覆うカバー部10が装備されて成ることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のメカニカルシールにおいて、前記カバー部10は、前記セグメント6から外径方向に延びて前記環状バネ7の軸方向で一方の側に位置するように一体形成される側周壁10aと、前記側周壁10aの外周端から続けて一体形成される外周壁10bとで構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のメカニカルシールにおいて、前記複数のシールリング5,5のうちの軸方向で隣合う一対のシールリング5,5が、互いの軸方向で前記一方の側とは反対側である他方の側どうしが対向するように並べられていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、軸封装置において、請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシールの一対5,5が、それらの間に互いの前記弾性手段d,dが配置される状態で軸方向に並べて構成されることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の軸封装置において、前記メカニカルシールMが前記ハウジング3の環状空間部20に収容されるとともに、前記環状空間部20にパージガスを供給するための供給路4が前記ハウジング3に形成されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の軸封装置において、前記弾性手段dは、前記ハウジング3における前記環状空間部20どうしの間に位置する環状仕切り部分3bに形成される軸方向に沿う穴部18に収容される状態で周方向に複数配備される巻きバネ9と、前記回転軸1に遊外嵌される状態で前記巻きバネ9と前記シールリング5との間に介装されるストッパリング19とで構成されるとともに、前記供給路4は前記環状仕切り部分3bの内周面23に開口するように形成されていることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシールM又は請求項4〜6の何れか一項に記載の軸封装置Aにおいて、前記環状バネ7は、金属線を捩って成る多数巻きコイルバネの両端部どうしを引掛け連結することで構成されていることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシールM又は請求項4〜7の何れか一項に記載の軸封装置Aに用いられるシールリングにおいて、周方向に並べられた複数のシール用セグメント6と、これら複数のシール用セグメント6に巻回装備される環状バネ7とを有して構成されるとともに、各セグメント6には、これの外周側に位置する前記環状バネ7を軸方向で一方の側及び外周側を覆うカバー部10が一体的に形成されていることを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載のシールリングにおいて、前記セグメントどうし6,6を軸方向において対向配置することにより、前記カバー部10の端部どうしが当接して前記環状バネ7の軸方向で他方の側を互いに閉塞し合うように構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、セグメントに設けられたカバー部により、環状バネが露出される部分、即ち環状バネに対する左右の側と外周側との三側のうち、左右いずれか一方の側と外周側との二側が覆われるようになるから、左右の各側及び外周側の三側が露出されている従来のものに比べて、漏れ入って来たシール対象が環状バネに及び可能性を大きく低減させることができる。その結果、漏れ入って来たシール対象により、環状バネがセグメントから早期に外れたり、セグメントが損傷すること、並びにそれらによってシール性が悪化することが軽減され、長期に亘って良好なシール性を発揮することが可能となる改善されメカニカルシールを提供することができる。
請求項2の発明によれば、一方の側に相当する側周壁と外周側である外周壁とで成るカバー部がセグメントに一体形成されているので、別体のものとして取付手段を用いて装着する構造に比べて、構造簡単で廉価にカバー部を、即ちセグメントを構成することができる利点がある。
請求項3の発明によれば、次のような効果が得られる。即ち、セグメント単品では、環状バネに対する左右いずれか他方の側は開放されているのであるが、そのセグメントを軸方向で対向配備されるように並列配置することで、互いの開放されている左右いずれかの側が互いに閉塞されるから、前述した三側の全てが閉塞される構成を実現することができる。つまり、隣合うセグメントの並び方を工夫する程度の構造としては何ら複雑化することがないようにしながら、請求項1や2の発明による前記効果を強化することができ、漏れ入って来たシール対象により、環状バネがセグメントから早期に外れたり、セグメントが損傷すること、並びにそれらによってシール性が悪化することが完全なまでに回避することができ、長期に亘って良好なシール性を発揮することが容易となる改善されメカニカルシールを提供することができる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜3のいずれかの効果を有するメカニカルシールの一対を設けることにより、より優れたシール性を発揮できるものでありながら、それらの構成要素である弾性手段の配置スペースを共有すること、即ち省スペース化を図ることが可能となる合理的な軸封装置として提供することができる。
請求項5の発明によれば、メカニカルシールを収容する環状空間部にパージガスを供給できるようになるから、シール対象やゴミ等が環状空間部に漏れ入ること自体を軽減させることができ、請求項4の発明による前記効果をより強化できる利点がある。しかも、パージガス用の供給路は、メカニカルシールを収容するハウジングに一体形成されており、構造簡単で廉価に構成できる点も好ましい。
請求項6の発明によれば、弾性手段が、複数の巻きバネ及びこれらとシールリングとの間に介装されるストッパリングとで構成されているから、複数のセグメントを互いに均等な条件で軸方向に押圧することができるとともに、その好ましい機能を巻きバネの個数如何に拘らずに発揮可能となり、良好で安定したシール性能の発揮に寄与できる利点が得られる。
請求項7の発明によれば、両端がフック等の引掛け形状に形成され、かつ、多数巻きされた長いコイルバネを1個用意するだけの簡単で廉価な手段で弾性手段を得ることができる利点がある。
請求項8の発明によれば、請求項1〜7のいずれかの発明による前記効果を得ることが可能なシールリングを提供することができ、請求項9の発明によれば、請求項8の発明による効果を強化することができるより好ましいシールリングを提供することができる。
以下に、本発明によるメカニカルシール、軸封装置、及びシールリングの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は軸封装置の断面図、図2はメカニカルシール部分の拡大断面図、図3はシールリングの側面図、図4は図3のシールリングの断面図、図5はセグメント単品の側面図、図6はセグメント繋がり部分を示す斜視図である。
〔実施例1〕
図1,図2に成形機等に装備される軸封装置A及びメカニカルシールMが示されている。図1において、1は軸心Pを有する回転軸、2は回転軸1に一体回転状態に外嵌される筒軸、3は第1〜第5ハウジング部3A〜3Eから成るハウジング、Mは対向配置される一対のメカニカルシール、4は第2ハウジング部3Bに形成されるパージガスの供給経路である。図1において第1ハウジング部3Aの右側部分が大気側であり、第5ハウジング部3Eの左側部分が機内側である。尚、本実施例においては、セグメント6が摺接される筒軸2は、実質的に回転軸1と見て差し支えない。
各メカニカルシールMは、図1〜図4に示すように、回転軸1の周方向に並べられた3個(複数の一例)のシール用セグメント6に環状バネ7を巻回装備して成るシールリング5の2個(複数の一例)を、互いのセグメント繋がり部分8が周方向で五一となる状態で軸方向に並べて配置し、それら2個のシールリング5,5を軸方向に押圧してハウジング3の側壁、具体的には第1ハウジング部3Aの側壁3hと第3ハウジング部3Cの側壁3hに押付ける複数の巻きバネ(弾性手段の一例)9を設けて構成されている。尚、筒軸2の機内側の端部には、ラビリンス部rを形成するためのリング板2aが溶着等によって取り付けられている。
つまり、第1ハウジング部3Aと第2ハウジング部3Bとに跨って形成される環状空間部20に収容される第1のメカニカルシールMは、筒軸2の外周面2aと第1ハウジング部3Aの側壁3hとの間をシールしている。そして、第2ハウジング部3Bと第3ハウジング部3Cとに跨って形成される環状空間部20に収容される第2のメカニカルシールMは、筒軸2の外周面2aと第3ハウジング部3Cの側壁3hとの間をシールしている。ハウジング3は、PTFE等のフッ素樹脂やその他の樹脂、又は金属材等で構成される。
メカニカルシールMの詳細な構造を、第2のメカニカルシールMのもので説明する。まず、セグメント6は、図2〜図6に示すように、内周面6aと、摺接用の第1側周壁6bと、第1側周壁6bの外端に続いて一体形成されるカバー部10と、環状バネ7挿入用の円弧開口6cの側である第二側周壁6dと、環状バネ7を外装するための外周溝6eとが形成される合成樹脂(フッ素樹脂等)製で円弧状の部材に構成されている。カバー部10は、セグメント6の外周側に位置する環状バネ7を軸方向で一方の側及び外周側を覆うものであって、第1側周壁6bから一段厚み方向に下がった状態で外径方向に延びて環状バネ7の軸方向で一方の側に位置するように一体形成される側周壁10aと、側周壁10aの外周端から続けて一体形成される外周壁10bとで構成されている。
セグメント6の周方向で一方の端部は、外径側ほど周方向に延長される方向の傾斜が付けられた内周面側の第1カット面11と、第二側周壁6d側の内周側部分が厚みの半分で削り取られたように形成されている凹入部12とを有する第1端部t1に構成されている。また、他方の端部は、内径側ほど周方向に延長される方向の傾斜が付けられた外周面側の第2カット面13と、凹入部12に嵌り込み自在な先端幅狭突部14とを有する第2端部t2に構成されている。つまり、図4に示すように、第1及び第2端部t1、t2どうしは互いに嵌り込み係合し、かつ、筒軸2の外周面2aに沿っての若干の相対移動が可能となるように形成されており、嵌り込み係合した状態で、第1及び第2端部t1、t2で成るセグメント繋がり部分15の幅寸法は、丁度セグメント6の幅寸法と合致するように構成されている。これにより、環状バネ7による縮径方向の締付付勢力により、筒軸2の外周面2aにセグメント6の内周面6aを押圧接触してのシール作用が可能となるように構成されている。
一対のシールリング5,5は、互いのセグメント繋がり部分15,15が周方向で五一となる状態(互い違いとなる状態)で軸方向に並べて配置されるように、一方のシールリング5(図2において右側に位置するシールリング5)の各セグメント6には、軸方向に突設する段付棒状で合成樹脂製の係止ピン16が打ち込み装備されている。そして、他方のシールリング5(図2において左側に位置するシールリング5)の各セグメント6の対応する箇所には、係止ピン16を遊内嵌可能な係合穴17が形成されている。ここでは便宜上、係止ピン16付のセグメント6をピン付セグメント6Aとし、これを用いたシールリング5を雄シールリング5Aと定義し、係合穴17付のセグメント6を穴付セグメント6Bとし、これを用いたシールリング5を雌シールリング5Bと定義する。環状バネ7は、金属線を捩って成る多数巻きコイルバネの両端部どうしを引掛け連結することで構成されている。
尚、係止ピン16を金属製のものとする場合には、図7に示すように、図2等に示す係止ピンよりも径の細いものを、相手方セグメント6側の面から形成される非貫通の穴6zに打ち込むことで構成されている。このようにすれば、摺動面が摩耗しても金属製の係止ピン16が摺接用の第1側周壁6bには出現しないようにすることができる。
さて、一対のシールリング5A,5Bは、以上のような構造のセグメント6A,6Bの3個ずつを周方向に並べて環状バネ7を巻いて構成されており、これらセグメントどうし5A,5Bを軸方向で向かい合わせ状態となるように対向配置することにより、カバー部10,10の端部どうし、具体的には外周壁10bの側端どうしが当接して環状バネ7の軸方向で他方の側を、互いに蓋となって閉塞し合うように構成されている。つまり、複数のシールリング5のうちの軸方向で隣合う一対のシールリング5A,5Bが、互いの軸方向で他方の側(円弧開口6cが形成されている側)どうしが対向するように並べられている。これにより、各環状バネ7,7は殆ど環状空間部20には露出されない用に構成されている(3箇所のセグメント繋がり部分15に、極僅かな隙間が形成される可能性が有るのみであり、図6を参照)。
一対のメカニカルシールM,Mは、第2ハウジング部3Bの環状仕切り部分3bを挟んで配置されており、環状仕切り部分3bの両側それぞれに開口して軸方向に延びる穴部18が周方向で均等角度毎に複数箇所形成されており、それら穴部18に、各メカニカルシールM,M用の巻きバネ9が収容配備されている。巻きバネ9とシールリング5との間、即ち、第1のメカニカルシールMでは雌シールリング5Bとの間、第2のメカニカルシールMでは雄シールリング5Aとの間にPTFE等のフッ素樹脂やその他の材料で成るストッパリング19が介装されている。各ストッパリング19は、環状仕切り部分3bに打たれるノックピン21を用いて、軸方向移動可能で、かつ、相対回転不能に環状空間部20に収容されている。また、これら両ストッパリング19、及び環状仕切り部分3bのそれぞれの内径寸法は、筒軸2とは径方向に明確な間隙が形成される値に設定されている。尚、22は、ストッパリング19を第2ハウジング部3Bに抜け止め状態で予備組付けするためのスナップリングである。
図1,図2においては、図面都合上、第2のメカニカルシールM用の巻きバネ9のみを描いてある。また、ノックピン21は同様の理由により第1のメカニカルシールM用のもののみを描いてある。第1のメカニカルシールMにおいては、巻きバネ9がストッパリング19を介して雌シールリング5Bを押し、それによって雄シールリング5Aの(ピン付セグメント6Aの)第1側周壁6bを第1ハウジング部3Aの側壁3hに圧接させている。また、第2のメカニカルシールMにおいては、巻きバネ9がストッパリング19を介して雄シールリング5Aを押し、それによって雌シールリング5Bの(穴付セグメント6Bの)第1側周壁6bを第3ハウジング部3Bの側壁3hに圧接させている。
前述の供給経路4は、その入口部4Aが、図外のパージガス供給手段のガス供給路に接続されるとともに、その出口部4Bは第2ハウジング部3Bを(環状仕切り部分3bを)径方向に貫通して筒軸2との間隙部分に開口している。図示は省略するが、環状仕切り部分3bにおいては、コイルスプリング9収容用の穴部18と、周方向で互い違いに配置されるその隣の穴部18との間の部分に供給経路4形成がされている。つまり、パージガスが、供給経路4及び各メカニカルシールM,Mの隙間部分を通って各環状空間部分20,20に供給可能に構成されており、そのパージガスの圧力により、各メカニカルシールM部分に、即ち、環状空間部分20,20に、ゴムや合成樹脂等のシール対象や大気(又はゴミを伴った大気)が漏れ入ることを高次元に規制できるように構成されている。
本発明によるメカニカルシールM及び軸封装置Aは以上のように構成されているので、パージガス供給によってシール対象が機内側から第2のメカニカルシールM収容用の環状空間部20に漏れ入ったとしても、各カバー部10,10及び、それらの対向配置による円弧開口6cの閉塞により各環状バネ7,7はほぼ完全に覆われているため、シール対象が環状バネ7に及ぶことが殆ど無いようになる。加えて、パージガス供給による正圧により、機内側からのシール対象の漏れ入り自体が抑制されるようになる。
その結果、例え、ゴムや合成樹脂等の粘性の高い材料によるシール対象が環状空間部20に漏れ入って来たとしても、それらが環状バネ7には及ばないようになり、環状バネ7を軸方向押し出すとか、機械停止によって冷えて固まったシール対象が次回の作動時に悪影響を及ぼす等により、環状バネ7がセグメント6から早期に外れるとか損傷するといった従来の不具合が回避され、それによるシール性悪化も回避される改善されたメカニカルシールM、軸封装置A、及びそれら用のシールリング5が実現できている。
〔別実施例〕
(1)メカニカルシールMを構成するシールリング5の数は3個以上でも良い。例えば3個のシールリングを用いる場合では、軸方向で中央のシールリングのセグメントにおける側周壁10aを、第二側周壁6bと互いに同一面として、いずれの円弧開口6cも閉塞されるようにすれば好都合である。(2)カバー部10は、例えば板金材等によるセグメント6とは別体のものとして、取付手段を用いてセグメント6に装備するという構成でも良い。(3)実施例1の軸封装置では、一対のメカニカルシールM,Mを用いてしるが、1組や3組以上のメカニカルシールMを用いる構造のものでも良い。
(4)単一のシールリング5によるメカニカルシールMも可能であり、その場合には、ストッパリング19がセグメント6における円弧開口6c側の側周壁6bを押圧する構成とすれば、円弧開口6cをストッパリング19で閉塞可能となり、好都合である。(5)セグメント6の数は、2個とか4個以上でも良い。(6)係止ピン16の大径側端部の位置を、図2に仮想線で示すようなセグメント6の厚み範囲内に収まる位置に設定し、係止ピン16がハウジング3の側壁3hとは絶対に接しない構造とすれば好都合である。
メカニカルシール及び軸封装置の構造を示す断面図(実施例1) メカニカルシール部分の構造を示す拡大断面図 図1のメカニカルシールの側面図 図1のメカニカルシールの断面図 セグメント繋がり部分の構造を示す要部の斜視図 セグメント単体の側面図 係止ピンの別構造を示す要部の断面図
符号の説明
1 回転軸
3 ハウジング
3b 環状仕切り部分
3h 側壁
4 供給路
5 シールリング
6 セグメント
7 環状バネ
9 巻きバネ
10 カバー部
10a 側周壁
10b 外周壁
15 セグメント繋がり部分
18 穴部
19 ストッパリング
20 環状空間部
23 内周面
A 軸封装置
M メカニカルシール
d 弾性手段

Claims (9)

  1. 回転軸の周方向に並べられた複数のシール用セグメントに環状バネを巻回装備して成るシールリングの複数を、互いのセグメント繋がり部分が周方向で五一となる状態で軸方向に並べて配置し、それら複数のシールリングを軸方向に押圧してハウジングの側壁に押付ける弾性手段を設けるとともに、前記セグメントに、これの外周側に位置する前記環状バネを軸方向で一方の側及び外周側を覆うカバー部が装備されて成るメカニカルシール。
  2. 前記カバー部は、前記セグメントから外径方向に延びて前記環状バネの軸方向で一方の側に位置するように一体形成される側周壁と、前記側周壁の外周端から続けて一体形成される外周壁とで構成されている請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記複数のシールリングのうちの軸方向で隣合う一対のシールリングが、互いの軸方向で前記一方の側とは反対側である他方の側どうしが対向するように並べられている請求項1又は2に記載のメカニカルシール。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシールの一対が、それらの間に互いの前記弾性手段が配置される状態で軸方向に並べて構成される軸封装置。
  5. 前記メカニカルシールが前記ハウジングの環状空間部に収容されるとともに、前記環状空間部にパージガスを供給するための供給路が前記ハウジングに形成されている請求項4に記載の軸封装置。
  6. 前記弾性手段は、前記ハウジングにおける前記環状空間部どうしの間に位置する環状仕切り部分に形成される軸方向に沿う穴部に収容される状態で周方向に複数配備される巻きバネと、前記回転軸に遊外嵌される状態で前記巻きバネと前記シールリングとの間に介装されるストッパリングとで構成されるとともに、前記供給路は前記環状仕切り部分の内周面に開口するように形成されている請求項5に記載の軸封装置。
  7. 前記環状バネは、金属線を捩って成る多数巻きコイルバネの両端部どうしを引掛け連結することで構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシール又は請求項4〜6の何れか一項に記載の軸封装置。
  8. 請求項1〜3の何れか一項に記載のメカニカルシール又は請求項4〜7の何れか一項に記載の軸封装置に用いられるシールリングであって、周方向に並べられた複数のシール用セグメントと、これら複数のシール用セグメントに巻回装備される環状バネとを有して構成されるとともに、各セグメントには、これの外周側に位置する前記環状バネを軸方向で一方の側及び外周側を覆うカバー部が一体的に形成されているシールリング。
  9. 前記セグメントどうしを軸方向で対向配置することにより、前記カバー部の端部どうしが当接して前記環状バネの軸方向で他方の側を互いに閉塞し合うように構成されている請求項8に記載のシールリング。
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