JP2008057710A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周側部材1の内径と内周側部材2の外径との径寸法差Δφが大きい場合でも、内圧による抜けを有効に防止し得る密封装置を提供する。
【解決手段】外周側部材1の内周面1aに密嵌・固定されるオイルシール3と、外周にこのオイルシール3のシールリップ33に摺動可能に密接される摺動筒部41aを有するフランジ部材4とからなり、このフランジ部材4の内周部に形成された圧入筒部41cが、前記外周側部材1の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材2の外周面2aに所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部41cに隣接して形成され円周方向に連続した溝部4aと、前記内周側部材2の外周面2aとの間に、シールリング5が適宜圧縮状態に介在される
【選択図】図1
【解決手段】外周側部材1の内周面1aに密嵌・固定されるオイルシール3と、外周にこのオイルシール3のシールリップ33に摺動可能に密接される摺動筒部41aを有するフランジ部材4とからなり、このフランジ部材4の内周部に形成された圧入筒部41cが、前記外周側部材1の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材2の外周面2aに所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部41cに隣接して形成され円周方向に連続した溝部4aと、前記内周側部材2の外周面2aとの間に、シールリング5が適宜圧縮状態に介在される
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車や一般機械、産業機械等において、相対的に回転又は往復動する内周側部材と外周側部材との間をシールリップにより密封する密封装置であって、特に、前記内周側部材と外周側部材との径寸法差が大きい場合に好適に用いられるものに関する。
回転軸の外周でオイル等を密封するために使用される密封装置としては、例えば特許文献1のようなオイルシールが良く知られている。
特開2002−206644号公報
外周側の静止部材の内径と内周側の回転部材の外径との径寸法差が大きい場合に、両部材間を、特許文献1のようなオイルシールを用いて密封するには、従来、例えば図4あるいは図5に示されるような方法が採用される。
このうち、図4は、オイルシール100の金属環103の径方向寸法を大きくして円盤状に形成することによって、外周側の静止部材(ハウジング)200の内径と内周側の回転部材300の外径との大きな径寸法差Δφに対処しているものである。すなわちオイルシール100は、円盤状に形成された金属環103の外周部にゴム状弾性材料によって一体的に成形された取付筒部101と、金属環103の内周部にゴム状弾性材料によって一体的に成形されて機内空間A側を向いたシールリップ102と、このシールリップ102の緊迫力を補償するエキステンションスプリング104とを備え、取付筒部101がハウジング200の内周面に圧入固定されると共に、シールリップ102が回転部材300の外周面に摺動可能に密接されるものである。
また、図5は、オイルシール100が汎用タイプの構造を有するものであって、ハウジング200の内径と内周側の回転部材300の外径との大きな径寸法差Δφに対処するため、回転部材300の外周にゴム状弾性材料からなるパッキン301を介して金属製のフランジ部材302を取り付け、取付筒部101においてハウジング200の内周面に圧入固定されたオイルシール100のシールリップ102を、前記フランジ部材302における外周筒部302aの外周面に摺動可能に密接させるようにしたものである。
しかしながら、ハウジング200の内径と内周側の回転部材300の外径との径寸法差Δφが大きいので、図4の場合は、オイルシール100における金属環103の受圧面積が大きく、したがって機内空間Aの内圧が僅かに上昇しただけでも機外B側への軸方向荷重が大きくなり、ゴム状弾性材料からなる取付筒部101による締め代のみではオイルシール100の抜けを確実に防止できないことが懸念される。しかも、オイルシール100の近傍に位置して、機内空間A側から回転部材300の外周へ向けてオイル噴射ノズル400が開口しているような場合は、このノズル400からのオイルの噴出圧力によってシールリップ102の円周方向一部が変形し、これに起因する密封性の低下も懸念される。
一方、図5の場合も、フランジ部材302は、機内空間Aの内圧に対する受圧面積が大きいので、パッキン301の締め代のみではフランジ部材302の抜けを確実に防止できないことが懸念され、しかも、フランジ部材302の外周筒部302aの外周面に作用するシールリップ102との摺動トルクによって、内周筒部302bの内周側のパッキン301と回転部材300との嵌着面にスベリを生じやすく、このためパッキン301が摩耗して漏れを生じるおそれがある。また、フランジ部材302の外周筒部302aと内周筒部302bの同心度や同軸度の誤差によって、シールリップ102に作用する負荷が大きくなり、その耐久性が損なわれやすくなるおそれも懸念される。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題とするところは、外周側部材の内径と内周側部材の外径との径寸法差が大きい場合でも、内圧による抜けを有効に防止し得る密封装置を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る密封装置は、外周側部材の内周面に密嵌・固定されるオイルシールと、外周にこのオイルシールのシールリップに摺動可能に密接される摺動筒部を有するフランジ部材とからなり、このフランジ部材の内周部に形成された圧入筒部が、前記外周側部材の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材の外周面に所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部に隣接して形成され円周方向に連続した溝部と、前記内周側部材の外周面との間に、シールリングが適宜圧縮状態に介在されるものである。
上記構成において、外周側部材の内周に固定されたオイルシールは、シールリップが、内周側部材の外周面に固定されたフランジ部材の摺動筒部に摺動可能に密接されるので、外周側部材の内径と内周側部材の外径との径寸法差が大きくても、内圧に対する受圧面積が小さいものとなる。また、フランジ部材は、内周側部材の外周面に、圧入筒部において所要の締め代をもって嵌着されるので、内圧による軸方向変位力に十分に対抗可能な嵌着力が与えられ、フランジ部材と内周側部材との間は、シールリングによって密封状態に保持される。
また、請求項2の発明に係る密封装置は、外周側部材の内周面に固定される環状ホルダと、この環状ホルダの内周に密嵌・固定されてシールリップが前記外周側部材の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材の外周面に摺動可能に密接されるオイルシールとからなり、前記環状ホルダの外周部に形成された圧入筒部が、前記外周側部材の内周面に所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部に隣接して形成され円周方向に連続した溝部と、前記外周側部材の内周面との間に、シールリングが適宜圧縮状態に介在されるものである。
上記構成において、オイルシールは、外周側部材の内周に環状ホルダを介して固定されるので、前記外周側部材の内径と内周側部材の外径との径寸法差が大きくても、内圧に対する受圧面積が小さいものとなる。また、環状ホルダは、外周側部材の内周面に、圧入筒部において所要の締め代をもって嵌着されるので、内圧による軸方向変位力に十分に対抗可能な嵌着力が与えられ、環状ホルダと外周側部材との間は、シールリングによって密封状態に保持される。
また、請求項3の発明に係る密封装置は、請求項2に記載のオイルシールに、シールリップの機内空間側を覆うように延びる保護プレートが設けられたものである。
請求項1の発明に係る密封装置によれば、外周側部材の内径と内周側部材の外径との径寸法差が大きくても、内圧に対するオイルシールの受圧面積が小さく、また、このオイルシールのシールリップが摺接されるフランジ部材には、その圧入筒部に十分な嵌着力が与えられるので、内圧によるオイルシール及びフランジ部材の抜けが有効に防止される。
請求項2の発明に係る密封装置によれば、外周側部材の内径と内周側部材の外径との径寸法差が大きくても、内圧に対するオイルシールの受圧面積が小さく、また、このオイルシールを外周側部材側又は内周側部材側に保持する環状ホルダには、その圧入筒部に十分な嵌着力が与えられるので、内圧によるオイルシール及び環状ホルダの抜けが有効に防止される。
請求項3の発明に係る密封装置によれば、請求項2による効果に加え、機内空間側からのオイルの噴出圧力等によるシールリップのめくれが、保護プレートによって有効に防止される。
以下、本発明に係る密封装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず図1は、第一の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
図1において、参照符号1は機器の軸孔部を形成している非回転のハウジング、参照符号2はハウジング1の内周に挿通された回転部材である。ハウジング1は特許請求の範囲に記載された外周側部材に相当し、回転部材2は特許請求の範囲に記載された内周側部材に相当する。
図1に示される密封装置は、ハウジング1の内周面1aに密嵌・固定されるオイルシール3と、このオイルシール3のシールリップ33に摺動可能に密接される摺動筒部41aを有するフランジ部材4と、このフランジ部材4と回転部材2の間に介在されるOリング5からなる。なお、Oリング5は、特許請求の範囲に記載されたシールリングに相当するものである。また、ハウジング1の内径と回転部材2の外径との径寸法差Δφは、オイルシール3の径方向幅より遥かに大きく、オイルシール3とフランジ部材4の径方向幅の和よりも僅かに小さい。
オイルシール3は、金属板の打ち抜きプレス成形等により製作された金属環35にゴム状弾性材料で一体成形され、良く知られた汎用タイプの構造を備えるものである。すなわちハウジング1の内周面1aに圧入・密嵌される略円筒状の外周ガスケット部31と、その機外B側となる端部から内周側へ延びるリップホルダ部32と、このリップホルダ部32の内周端から外周ガスケット部31及びリップホルダ部32と共に断面略コ字形をなすように、機内空間A側へ向けて延びるシールリップ33と、前記リップホルダ部32の内周端からシールリップ33と反対側(機外B側)へ向けて延びるダストリップ34と、外周ガスケット部31及びリップホルダ部32に跨って埋設された補強用の金属環35と、シールリップ33に嵌着されたエキステンションスプリング36とを有する。
オイルシール3におけるシールリップ33の先端部近傍の内周には、略V字形断面をなすシールエッジ33aが形成され、このシールエッジ33aは、フランジ部材4における後述の摺動筒部41aの外周面に適当な緊迫力をもって密接される。一方、オイルシール3におけるダストリップ34は、その内周縁が、フランジ部材4の主リング41における摺動筒部41aの外周面に微小な隙間をもって近接されるか、あるいは僅かな締め代をもって摺動可能に密接される。また、オイルシール3における外周ガスケット部31は、装着状態において、金属環35とハウジング1の内周面1aとの間で径方向に適当なつぶしが与えられるようになっている。
フランジ部材4は、金属板の打ち抜きプレス成形等により製作された主リング41と副リング42からなるものであって、主リング41は、外周面がオイルシール3のシールリップ33のシールエッジ33aに摺動可能に密接される摺動筒部41aと、その機外B側の端部から内周側へ向けて延びる円盤部41bと、その内周端部から機内空間A側へ向けて延び、回転部材2の外周面2aに所要の締め代をもって嵌着される圧入筒部41cと、その機内空間A側の端部に略Z形の断面形状をなして拡径形成された環状段差部41dとを備える。また、副リング42は、断面形状が主リング41の環状段差部41dとは逆向きの屈曲形状をなすものであって、その大径側の端部42aが前記環状段差部41dの外周面に圧入嵌着されることにより、前記圧入筒部41cに隣接して、円周方向に連続した溝部4aが形成されている。
フランジ部材4における主リング41の環状段差部41dと副リング42により形成された溝部4aはアリ溝状をなすものであって、ゴム状弾性材料からなるOリング5は、この溝部4aと、回転部材2の外周面2aの間に適宜圧縮状態に介在されている。なお、副リング42の内径は、主リング41の圧入筒部41cの内径よりも僅かに大径であり、回転部材2の外周面2aに対する締め代を有さない。
オイルシール3におけるエキステンションスプリング36は、金属製のコイルスプリングを環状に繋げたものであって、シールリップ33の先端部近傍の外周面に形成された環状溝に嵌着され、フランジ部材4(主リング41)の摺動筒部41aに対するシールリップ33の緊迫力を補償するものである。
以上の構成を備える第一の形態による密封装置は、基本的には先に説明した図5と同様、ハウジング1の内径と回転部材2の外径との大きな径寸法差Δφに対処するため、回転部材2の外周面2aにOリング5を介してフランジ部材4を取り付けたものであって、オイルシール3のシールリップ33(シールエッジ33a)を、フランジ部材4(主リング41)の摺動筒部41aの外周面に摺接させることによって、機内空間Aの流体が機外B側へ漏れるのを防止するものである。
そして上記構成によれば、オイルシール3は、ハウジング1の内径と回転部材2の外径との径寸法差Δφが大きくても、機内空間Aの内圧に対する受圧面積が小さいものとなる。また、フランジ部材4は、回転部材2の外周面2aに、主リング41の圧入筒部41cにおいて所要の締め代をもって嵌着されるので、機内空間Aの内圧による軸方向変位力に十分に対抗可能な嵌着力を与えることができる。このため、前記内圧によりオイルシール3及びフランジ部材4が機外B側へ軸方向変位して抜けるのを、有効に防止することができる。
また、Oリング5を保持する溝部4aがアリ溝状をなすものであるため、フランジ部材4を回転部材2の外周面2aに装着する前の搬送過程等において、Oリング5が溝部4aから脱落するようなことがない。しかも図示の例のように、この密封装置の近傍に位置して、機内空間A側から回転部材2の外周へ向けてオイル噴射ノズル6が開口していても、オイルシール3のシールリップ33は、フランジ部材4によって、オイル噴射ノズル6の開口位置よりも外周側に存在するので、オイル噴射ノズル6からのオイルの噴出圧力によってシールリップ33にめくれが発生するようなこともない。
図2は、フランジ部材4の形状変更例を、軸心Oを通る平面で切断して示す部分断面図である。すなわち、図1に示される形態では、溝部4aを、主リング41の環状段差部41dと、これに圧入嵌着した副リング42によって形成したが、副リング42は設けずに、図2に示されるように、圧入筒部41cから機内空間A側へ延在された部分を塑性加工することによって溝部4aを形成することもできる。この場合、溝部4aの機内空間A側となる端部41eの内径は、圧入筒部41cの内径よりも僅かに大径とし、すなわち図1に示される回転部材2の外周面2aに対する締め代を有さないものとする。
次に図3は、本発明に係る密封装置の第二の形態を、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。
この形態において、密封装置は、ハウジング1の内周面1aに固定される環状ホルダ7と、この環状ホルダ7に密嵌・固定されてシールリップ33が回転部材2の外周面2aに摺動可能に密接されるオイルシール3と、環状ホルダ7とハウジング1の内周面1aの間に介在されるOリング5からなる。ハウジング1の内径と回転部材2の外径との径寸法差Δφは、オイルシール3の径方向幅より遥かに大きく、オイルシール3と環状ホルダ7の径方向幅の和よりも僅かに小さい。
環状ホルダ7は、金属板の打ち抜きプレス成形等により製作された主リング71と副リング72からなるものであって、主リング71は、内周の保持筒部71aと、その機外B側の端部から外周側へ向けて延びる円盤部71bと、その外周端部から機内空間A側へ向けて延び、ハウジング1の内周面1aに所要の締め代をもって嵌着される圧入筒部71cと、その機内空間A側の端部に略Z形の断面形状をなして縮径形成された環状段差部71dとを備える。また、副リング72は、断面形状が主リング71の環状段差部71dとは逆向きの屈曲形状をなすものであって、その小径側の端部72aが前記環状段差部71dの内周面に圧入嵌着されることにより、前記圧入筒部71cに隣接して、円周方向に連続した溝部7aが形成されている。
環状ホルダ7における主リング71の環状段差部71dと副リング72により形成された溝部7aはアリ溝状をなすものであって、ゴム状弾性材料からなるOリング5は、この溝部7aと、ハウジング1の内周面1aの間に適宜圧縮状態に介在されている。なお、副リング72の内径は、主リング71の圧入筒部71cの外径よりも僅かに小径であり、ハウジング1の内周面1aに対する締め代を有さない。
オイルシール3は、金属環35にゴム状弾性材料で一体成形され、良く知られた汎用タイプの構造を備えるもので、すなわち環状ホルダ7における主リング71の保持筒部71aの内周面に圧入・密嵌される略円筒状の外周ガスケット部31と、その機外B側となる端部から内周側へ延びるリップホルダ部32と、このリップホルダ部32の内周端から外周ガスケット部31及びリップホルダ部32と共に断面略コ字形をなすように、機内空間A側へ向けて延びるシールリップ33と、前記リップホルダ部32の内周端からシールリップ33と反対側(機外B側)へ向けて延びるダストリップ34と、外周ガスケット部31及びリップホルダ部32に跨って埋設された補強用の金属環35と、シールリップ33に嵌着されたエキステンションスプリング36と、金属板の打ち抜きプレス成形等により製作され、金属環35における機内空間A側の端部内周に嵌合された保護プレート37とを有する。
オイルシール3におけるシールリップ33の先端部近傍の内周には、略V字形断面のシールエッジ33aが形成され、シールリップ33は、このシールエッジ33aにおいて、回転部材2の外周面2aに適当な緊迫力をもって密接される。一方、オイルシール3におけるダストリップ34は、その内周縁が、回転部材2の外周面2aに微小な隙間をもって近接されるか、あるいは僅かな締め代をもって摺動可能に密接される。また、オイルシール3における外周ガスケット部31は、装着状態において、金属環35と環状ホルダ7における主リング71の保持筒部71aの内周面との間で径方向に適当なつぶしが与えられるようになっている。
オイルシール3におけるエキステンションスプリング36は、金属製のコイルスプリングを環状に繋げたものであって、シールリップ33の先端部近傍の外周面に形成された環状溝に嵌着され、回転部材2の外周面2aに対するシールリップ33の緊迫力を補償するものである。また、保護プレート37は、当該密封装置の近傍の機内空間Aに、回転部材2の外周へ向けてオイルを噴射するオイル噴射ノズル6が存在する場合に、オイルの噴射圧力からシールリップ33を保護するもので、シールリップ33の機内空間A側を覆うように延びて回転部材2の外周面2aとは非接触の内向き鍔部37aを有する。
以上の構成を備える第二の形態による密封装置は、ハウジング1の内径と回転部材2の外径との大きな径寸法差Δφに対処するため、ハウジング1の内周に環状ホルダ7を介してオイルシール1を取り付け、その内周のシールリップ33(シールエッジ33a)を、回転部材2の外周面2aに摺接させることによって、機内空間Aの流体が機外B側へ漏れるのを防止するものである。
そして上記構成によれば、オイルシール3は、ハウジング1の内径と回転部材2の外径との径寸法差Δφが大きくても、機内空間Aの内圧に対する受圧面積が小さいものとなる。また、環状ホルダ7は、ハウジング1の内周面1aに、主リング71の圧入筒部71cにおいて所要の締め代をもって嵌着されるので、機内空間Aの内圧による軸方向変位力に十分に対抗可能な嵌着力を与えることができる。このため、前記内圧によりオイルシール3及び環状ホルダ7が機外B側へ軸方向変位して抜けるのを、有効に防止することができる。
また、Oリング5を保持する溝部7aがアリ溝状をなすものであるため、環状ホルダ7をハウジング1の内周面1aに装着する前の搬送過程等において、Oリング5が溝部7aから脱落するようなことがない。しかも図示の例のように、この密封装置の近傍に位置して、機内空間A側から回転部材2の外周へ向けてオイル噴射ノズル6が開口していても、オイルシール3のシールリップ33は、このオイルシール3に取り付けられた保護プレート37によって、オイル噴射ノズル6から噴射されるオイルが直接当たらないようになっているので、シールリップ33にめくれが発生するようなこともない。
なお、環状ホルダ7は、副リング72を設けずに、溝部7aは、圧入筒部71cから機内空間A側へ延在された部分を塑性加工することによって、先に説明した図2と同様に形成することもできる。そしてこの場合は、溝部7aの機内空間A側となる端部の外径は、圧入筒部71cの外径よりも僅かに小径とし、すなわちハウジング1の内周面1aに対する締め代を有さないものとする。
1 ハウジング(外周側部材)
1a 内周面
2 回転部材(内周側部材)
2a 外周面
3 オイルシール
33 シールリップ
37 保護プレート
4 フランジ部材
4a,7a 溝部
41,71 主リング
41a 摺動筒部
41c,71c 圧入筒部
42,72 副リング
5 Oリング(シールリング)
6 オイル噴射ノズル
7 環状ホルダ
A 機内空間
B 機外
1a 内周面
2 回転部材(内周側部材)
2a 外周面
3 オイルシール
33 シールリップ
37 保護プレート
4 フランジ部材
4a,7a 溝部
41,71 主リング
41a 摺動筒部
41c,71c 圧入筒部
42,72 副リング
5 Oリング(シールリング)
6 オイル噴射ノズル
7 環状ホルダ
A 機内空間
B 機外
Claims (3)
- 外周側部材(1)の内周面(1a)に密嵌・固定されたオイルシール(3)と、外周にこのオイルシール(3)のシールリップ(33)に摺動可能に密接される摺動筒部(41a)を有するフランジ部材(4)とからなり、このフランジ部材(4)の内周部に形成された圧入筒部(41c)が、前記外周側部材(1)の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材(2)の外周面(2a)に所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部(41c)に隣接して形成され円周方向に連続した溝部(4a)と、前記内周側部材(2)の外周面(2a)との間に、シールリング(5)が適宜圧縮状態に介在されることを特徴とする密封装置。
- 外周側部材(1)の内周面(1a)に固定される環状ホルダ(7)と、この環状ホルダ(7)の内周に密嵌・固定されてシールリップ(33)が前記外周側部材(1)の内周に相対回転可能に挿通された内周側部材(2)の外周面(2a)に摺動可能に密接されるオイルシール(3)とからなり、前記環状ホルダ(7)の外周部に形成された圧入筒部(71c)が、前記外周側部材(1)の内周面(1a)に所要の締め代をもって嵌着され、この圧入筒部(71c)に隣接して形成され円周方向に連続した溝部(7a)と、前記外周側部材(1)の内周面(1a)との間に、シールリング(5)が適宜圧縮状態に介在されることを特徴とする密封装置。
- オイルシール(3)に、シールリップ(33)の機内空間(A)側を覆うように延びる保護プレート(37)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
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Cited By (2)
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JP2012047265A (ja) * | 2010-08-26 | 2012-03-08 | Eagle Industry Co Ltd | 軸封装置 |
CN108571579A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-09-25 | 陕西法士特齿轮有限责任公司 | 一种防油封脱出端盖结构 |
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2006
- 2006-09-01 JP JP2006237101A patent/JP2008057710A/ja not_active Withdrawn
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