JP2010151213A - 密封装置 - Google Patents

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JP2010151213A JP2008329347A JP2008329347A JP2010151213A JP 2010151213 A JP2010151213 A JP 2010151213A JP 2008329347 A JP2008329347 A JP 2008329347A JP 2008329347 A JP2008329347 A JP 2008329347A JP 2010151213 A JP2010151213 A JP 2010151213A
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Abstract

【課題】シールリップのカシメ固定部からの漏洩を生じない密封装置を提供する。
【解決手段】外環11と、この外環11における密封空間A側から延在された内向きフランジ11eに一体に設けられた第一シールリップ12と、内向きフランジ11eより大気側で外環11にカシメ固定された内環13と、この内環13と内向きフランジ11eに挟持された第二シールリップ14とを備える。このため、外環11及び内環13と第二シールリップ14のカシメ固定部10aが密封空間Aに対して閉塞された構造となり、したがって密封空間A側の流体が前記カシメ固定部10aを通じて漏洩することがなく、前記カシメ固定部10aにシーリング剤や接着剤を用いた場合でも、これらシーリング剤や接着剤が密封空間側へ溶出することがない。
【選択図】図1

Description

本発明は、密封装置、とくにシールリップによって回転部分の密封を行う密封装置に関する。
回転軸周などの密封を行う密封装置には、ゴム又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料(以下、ゴム状弾性材料という)からなる第一シールリップと、耐熱性、耐摩耗性に優れたPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene:四フッ化エチレン樹脂)等の低摩擦合成樹脂材料からなる第二シールリップとを有するものがある。図2は、このような構造を有する従来の密封装置を、その軸心Oを通る平面で切断して示す片側断面図である。
図2に示される密封装置100は、金属製の外環101と、この外環101の筒状部101aの内周に筒状部102aがカシメ固定された金属製の内環102と、この内環102の内向きフランジ102bの内径部に一体的に成形されゴム状弾性材料からなる第一シールリップ103と、外径部が前記外環101の内向きフランジ101bと内環102の内向きフランジ102bとの間で軸方向に適宜圧縮された状態で挟持されPTFEからなる第二シールリップ104とで構成される。なお、参照符号105は、第一シールリップ103の緊迫力を補償するためにこの第一シールリップ103に装着されたガータスプリングである。
そしてこの密封装置100は、第一シールリップ103が機内の密封空間A側を向くように、外環101が不図示のハウジングの内周面に圧入により密嵌状態で固定され、第一シールリップ103及び第二シールリップ104の内径部103a,104aが、回転又は往復動する軸200の外周面に摺動可能に密接されることによって、密封空間A内のオイルなどが大気側空間Bへ漏洩するのを防止するものである。
なお、図2と類似する構成を備えた密封装置としては、下記の特許文献1に開示されたようなものが知られている。
実開昭61−173863号公報
この種の密封装置100において、金属製の外環101と内環102とのカシメ部100a及び嵌着部100bは密封空間A側を向いているが、このカシメ部100a及び嵌着部100bは気体やオイルに対する密封性が低く、したがって、外環101と内環102との間の密封性は、第二シールリップ104の外径部に、外環101の内向きフランジ101bと内環102の内向きフランジ102bとの間で軸方向に適当なつぶしを与えると共にシーリング剤を塗布することによって確保している。しかしながら、PTFEからなる第二シールリップ104の経時的なクリープや、シーリング剤の塗布むらなどによって、密封空間A側の気体やオイルが、前記カシメ部100aの微小隙間を通じて大気側空間Bへ漏洩するおそれがあった。
また、第二シールリップ104の外径部を、外環101の内向きフランジ101bと内環102の内向きフランジ102bに接着剤を介して接着することも考えられるが、この場合は、接着剤がカシメ部100aの微小隙間を通じて侵入した密封対象流体との接触によって密封空間A側へ溶出してしまうおそれがあり、したがって食品、飲料の製造用機器や製薬用機器などの密封手段としては使用できなかった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、シールリップのカシメ固定部からの漏洩を生じない密封装置を提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係る密封装置は、外環と、この外環における密封空間側から延在された内向きフランジに一体に設けられた第一シールリップと、前記内向きフランジより大気側で前記外環にカシメ固定された内環と、この内環と前記内向きフランジに挟持された第二シールリップとを備えるものである。
また、本発明に係る密封装置において一層好ましくは、外環における内向きフランジの外周側が密封空間へ向けて凸の形状に折り返された二重筒構造をなすものである。
本発明に係る密封装置によれば、第一シールリップを一体に有する内向きフランジが、外環における密封空間側から延在され、第二シールリップを挟持する内環が、第一シールリップを一体に有する内向きフランジよりも大気側で外環に固定されているので、外環及び内環と第二シールリップのカシメ固定部が密封空間に対して閉塞された構造となり、したがって密封空間側の流体が外環及び内環と第二シールリップのカシメ固定部を通じて漏洩することがなく、第二シールリップの固定部にシーリング剤や接着剤を用いた場合でも、シーリング剤や接着剤が密封空間側へ溶出することがない。
また、外環における内向きフランジの外周側が密封空間へ向けて凸の形状に折り返された二重筒構造をなすことによって、機器に対する外環の所要の装着面積を確保して安定させることができる。
以下、本発明に係る密封装置の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る密封装置を、その軸心を通る平面で切断して示す片側断面図である。
図1に示される密封装置10は、外環11と、この外環11における密封空間A側から延在された内向きフランジ11eに一体に設けられた第一シールリップ12と、前記内向きフランジ11eより大気側空間B側で外環11にカシメ固定された内環13と、この内環13と前記内向きフランジ11eとの間に挟持された第二シールリップ14とを備える。
詳しくは、外環11は金属のプレス成形により製作されたものであって、不図示の機器ハウジング等へ密嵌される外筒部11aと、この外筒部11aにおける大気側空間B側となる端部に形成されたカシメ屈曲部11bと、外筒部11aにおける密封空間A側となる端部で密封空間A側へ向けて凸の形状に折り返された折り返し部11cと、この折り返し部11cから外筒部11aの内周側を延びる内筒部11dと、この内筒部11dから前記カシメ屈曲部11bより密封空間A側の位置で内径側へ延びる内向きフランジ11eとからなる。
第一シールリップ12は、ゴム状弾性材料からなるものであって、密封空間A側を向いており、その基部12aが、外環11における内向きフランジ11eの内径部を埋設した状態でこの内径部に一体的に加硫接着され、先端近傍の内径部12bが、軸200の外周面に摺動可能に密接されるものである。また、第一シールリップ12における先端近傍の外周面には、この第一シールリップ12の緊迫力を補償するための金属製のガータスプリング15が装着されている。
内環13は金属板の打ち抜き等により製作されたものであって、平座金状を呈し、外径部が外環11における外筒部11aの内周に遊嵌されると共にカシメ屈曲部11bにより抜け止め固定されている。
第二シールリップ14はPTFEからなるものであって、円盤状に延びる中腹部14aが、外環11における内向きフランジ11eと、それより大気側空間B側に位置してカシメ屈曲部11bに固定された内環13との間に、軸方向への適当なつぶしを与えられた状態で挟持されており、その内径側から大気側空間B側へ円錐状に突出した内径部14bが軸200の外周面に摺動可能に密接されるものである。
以上のように構成された密封装置10は、第一シールリップ12が機内の密封空間A側を向くように、外環11における外筒部11aが不図示のハウジングの内周面に圧入により密嵌状態で固定され、第一シールリップ12及び第二シールリップ14の内径部12b,14bが、回転又は往復動する軸200の外周面に摺動可能に密接されることによって、密封空間A内のオイルなどが大気側空間Bへ漏洩するのを防止するものである。
そして本発明によれば、第一シールリップ12が一体に加硫接着された内向きフランジ11eが、外環11の外筒部11aにおける密封空間A側から延在され、第二シールリップ14を前記内向きフランジ11eとの間に挟持する内環13が、第一シールリップ12を一体に有する内向きフランジ11eよりも大気側空間B側で外環11に固定されているので、外環11及び内環13と第二シールリップ14とのカシメ固定部10aが密封空間Aに対して閉塞された構造となっている。したがって密封空間A側の気体やオイルなどの密封対象流体が前記カシメ固定部10aを通じて漏洩するのを確実に防止することができる。
またこのため、外環11の内向きフランジ11e及び内環13と第二シールリップ14との間に、密封性確保のためにシーリング剤を介在させる必要はなく、あるいは外環11の内向きフランジ11e及び内環13と第二シールリップ14との間にシーリング剤や接着剤を介在させた場合でも、上述のようにカシメ固定部10aが密封空間Aに対して閉じた構造になっているため、これらシーリング剤あるいは接着剤が密封空間A側へ溶出することがない。したがって、本発明の密封装置10は、食品、飲料の製造用機器や製薬用機器などの密封手段としての使用も可能である。
さらには、外環11は、外筒部11aと内筒部11dが密封空間A側へ凸の折り返し部11cを介して互いに連続した二重筒形状をなすため、機器のハウジングに対する外環11の所要の装着面積(幅W)を確保して取付状態を安定させることができる。
本発明に係る密封装置を、その軸心を通る平面で切断して示す片側断面図である。 従来の密封装置を、その軸心を通る平面で切断して示す片側断面図である。
符号の説明
10 密封装置
11 外環
11a 外筒部
11b カシメ屈曲部
11c 折り返し部
11d 内筒部
11e 内向きフランジ
12 第一シールリップ
13 内環
14 第二シールリップ
200 軸
A 密封空間
B 大気側空間

Claims (2)

  1. 外環と、この外環における密封空間側から延在された内向きフランジに一体に設けられた第一シールリップと、前記内向きフランジより大気側で前記外環に固定された内環と、この内環と前記内向きフランジに挟持された第二シールリップとを備えることを特徴とする密封装置。
  2. 外環における内向きフランジの外周側が密封空間へ向けて凸の形状に折り返された二重筒構造をなすことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
JP2008329347A 2008-12-25 2008-12-25 密封装置 Withdrawn JP2010151213A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103410976A (zh) * 2013-09-05 2013-11-27 青岛开世密封工业有限公司 长效洗衣机密封圈
JP2016133196A (ja) * 2015-01-21 2016-07-25 Nok株式会社 密封装置

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