JP2008163127A - 粘着剤組成物、それを用いた粘着シート製造方法、粘着シートおよび粘着剤組成物の製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物、それを用いた粘着シート製造方法、粘着シートおよび粘着剤組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速度(150m/分以上)で塗工した場合でも、塗工欠陥が少なく、耐水白化性に優れかつ粘着物性のバランスに優れたエマルション型粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含む不飽和単量体混合物100質量部に対して粘着付与樹脂5〜20質量部存在下、同混合物の乳化重合により得られる平均粒子径が100〜300nmのアクリル系重合体を主成分とし、固形分が40質量%以上、かつ、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であるエマルション型粘着剤組成物、同エマルション型粘着剤組成物の製造方法および同組成物を塗工速度150〜500m/分で塗工することを特徴とする粘着シート製造方法、ならびに同製造方法を用いて形成された粘着シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物、それを用いた粘着シート製造方法、粘着シートおよび粘着剤組成物の製造方法に関するものであり、特に粘着ラベル、粘着シート等の基材がプラスチックフィルムである粘着製品に適した粘着付与樹脂を含有したアクリル系共重合体のエマルション型粘着剤、それを用いた粘着シート製造方法、粘着シートおよび粘着剤組成物の製造方法に関するものである。
近年、粘着剤の分野でも、低公害、安全衛生等の観点から、無溶剤の要望が高まり、圧倒的な割合を占めていた有機溶剤型粘着剤が水性エマルション型に置き換わりつつある。
しかしながら、水性エマルション型粘着剤は一般に溶剤型粘着剤と比較して耐水白化性および耐水粘着性が大幅に劣っている。また、上記アクリルエマルション型粘着剤を用い、剥離シートに粘着剤を塗工する転写方式で製造する場合、粘着剤の塗工筋、ハジキやチヂミなどの塗工欠陥が発生する場合がある。これを抑制する手段として、剥離シートの剥離剤層に対して濡れ易くさせるため、界面活性剤などの濡れ剤を比較的多く添加することがあるが、結果として耐水性が低下するなどの問題点があった。
支持体に紙を用いた場合は、耐水性や透明性がそれほど求められないためエマルション型粘着剤が主流であるが、プラスチックフィルム基材の粘着製品の場合には、耐水粘着力(被着体に貼付後、水中や高湿化に置かれた場合の粘着力低下)および耐水白化性(同条件で粘着剤被膜が白く不透明になること)の両方の観点から依然として溶剤型粘着剤が多く用いられている。
さらに、従来のエマルション型粘着剤の場合、表面エネルギーの低いポリエチレンやポリプロピレン製の容器やフイルム等への粘着力が実用的に不十分であるという欠点をもっており、その向上が強く要望されている。アクリルエマルション型粘着剤は、共重合させる(メタ)アクリル系単量体の種類を選択することにより、必要な粘着力、凝集力、タックという粘着3物性のバランスをある程度まで調節できるが、粘着力、凝集力が共に十分大きいものはアクリル系重合樹脂のみでは得られ難い。
また、粘着ラベルや粘着シート等の粘着製品を製造する際の生産効率を上げるためには、塗工時の乾燥性を考慮し、粘着剤の高固形分化が望まれているが、固形分が高いと粘度が高くなる。また、エマルション型粘着剤は一般的に、チキソ性の大きな流体であり、高速塗工時の塗工状態を安定化させると低速度領域で高粘度化し、低速塗工時の塗工状態を安定化させると、高速度領域では、ハジキやチヂミなどの塗工欠陥が発生するという問題がある。
粘着剤の塗工方法によっては、粘度が広いせん断速度範囲において低い、ニュートニアン粘性に近いことが求められる場合があるが、これらの要求に必ずしも対応できていない。
上記のエマルション型粘着剤の欠点改善のため、それぞれの課題に対して種々の方法が提案されている。
粘着剤を高固形分とするためにはエマルションの粒子径を大きくしかつ幅広い粒子径分布をもたせる方法が一般的に用いられている(例えば、特許文献1)。
エマルション型粘着剤の粘着力を向上させるためには、粘着付与樹脂のエマルションをブレンドする方法が知られている(例えば、特許文献2)。
耐水白化性を改良するためには、エマルション粒子の粒子径を小さくかつ粒度分布を単分散にする方法や、製造時に反応性乳化剤を使用する方法、乳化剤や親水性成分などを低減する方法等の手法が提案されている(例えば、特許文献3)。上記の方法のうち、特に耐水白化性に有効な手段として粒子径を小粒径、単分散とする方法が挙げられる。
しかしながら、粒子径が小さいほど低せん断速度下での粘度が高く、塗工後のレベリング性が悪く、塗工筋の原因となりやすい。
さらに粘着力を向上させるために、粘着付与樹脂のエマルションをブレンドする方法では、粒子径が単分散になりにくく、耐水白化性が悪化する。
また、粘着剤の流動特性については、組成物の組成が同一であれば固形分が低いほど粘度は低くなるが、乾燥に必要なエネルギーも大きくなることから固形分が低いほど高速での塗工作業が困難となる。高固形分を保ちつつ低粘度化するためには、エマルションの粒子径を大きくしかつ幅広い粒子径分布をもたせる方法が用いられるが、この場合には耐水白化性が悪化する。
また、固形分を50質量%以上、重合体粒子の平均粒子径を0.2μm以上、及びせん断速度1.0×105(1/s)における粘度を20mPa・s以上とすることで高速塗工に適した粘着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献4)。
さらに、アクリルモノマー重量に対し、粘着付与樹脂が異なる割合で溶解されたアクリルモノマー分散液が少なくとも2種類用意され、一方のアクリルモノマー分散液の重合反応が行われた後、他方のアクリルモノマー分散液が加えられ、重合反応をさらに行なうことにより粘着剤組成物を得ることが提案されている(例えば、特許文献5)。
しかしながら、この方法で得られる粘着剤組成物は品質のコントロールが難しいという問題がある。
さらにまた、300〜600m/分の塗工速度で基材に塗工するための粘着剤組成物を粘度のチクソトロピー依存性によりコントロールすることが開示されている(例えば、特許文献6)。しかしながら、ここに開示されている粘着剤組成物は粘着付与樹脂を後で添加するものであるため、粘着力の点で充分ではない。
さらに、表面積が収縮する際の表面張力をコントロールしたり、表面積が拡大する際の表面張力値との差をコントロールすることにより、高速塗工時においてもハジキ等のない平滑な塗工面を得ることができる水分散型粘着剤組成物(例えば、特許文献7、8)が提案されているが、品質のコントロールが難しい。
加えて、単量体混合物を粘着付与樹脂の存在下に乳化重合することにより得られる粘着剤組成物のフィルム基材や合成紙に対する粘着特性のバランスをコントロールする方法も提案されている(例えば、特許文献9)が、せん断速度による粘着剤組成物の粘度の違いを高速度で塗工する際のパラメーターとして応用することは開示されていない。
特開平5−255411号公報(特許2558392号) 特開平8−183935号公報 特開平9−278837号(特許3358437号)公報 特開平8−218047号(特許2924695号)公報 特開平11−189610号公報(特許3793342号) 特開2001−181590号公報 特開2003−027027号公報 特開2003−277708号公報 特開2004−107545号公報
このような状況の下、本発明の課題は、エマルション型粘着剤を高速度で塗工した場合でも、低い剪断速度における粘度が低く、エマルション型粘着剤に特有のチキソ性が低減され塗工による筋、ハジキ及びチヂミなどの塗工欠陥が少なく、特に基材としてプラスチックフィルムを用いた場合に耐水白化性に優れかつ粘着物性のバランスに優れたエマルション型粘着剤組成物、その製造方法、粘着剤組成物を基材に塗工する粘着シート製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者は、種々研究を重ねた結果、不飽和単量体混合物に対して一定量の粘着付与樹脂を存在させて、同混合物を乳化重合することにより、エマルション粒子径が100〜300nmと小さい場合でも、低せん断速度での粘度が2000mPa・s以下となり、かつ、広いせん断速度範囲においてチキソ性の抑制されたエマルション型粘着剤組成物が得られ、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記
(1)(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含む不飽和単量体混合物100質量部に対して粘着付与樹脂5〜20質量部存在下、同混合物の乳化重合により得られる平均粒子径が100〜300nmのアクリル系重合体を主成分とし、固形分が40質量%以上、かつ、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であるエマルション型粘着剤組成物、
(2)粘着剤組成物の25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度とせん断速度1.0×103sec-1における粘度の比が25以下である上記(1)記載の粘着剤組成物、
(3)不飽和単量体混合物が架橋性官能基を有する単量体を含む上記(1)または(2)に記載の粘着剤組成物、
(4)形成される皮膜中のゲル分率が40〜80質量%である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(5)粘着付与樹脂が5〜10質量部である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(6)粘着付与樹脂がロジンエステル樹脂である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着剤組成物、
(7)乳化重合時の乳化剤がアルキルフェノール構造を有さないアニオン型反応性乳化剤である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着剤組成物を塗工速度150〜500m/分で塗工することを特徴とする粘着シート製造方法、
(9)上記(8)に記載の製造方法を用いて形成してなる粘着シート、
(10)粘着シートの基材がプラスチックフィルムである上記(9)に記載の粘着シート、
および
(11)(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むエチレン性不飽和単量体混合物100質量部、粘着付与樹脂5〜20質量部および反応性乳化剤を主成分とする混合物を水中で乳化重合させることを特徴とする平均粒子径が100〜300nmのアクリル系重合体を主成分とし、固形分が40質量%以上、かつ、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であるエマルション型粘着剤組成物の製造方法を提供する。
本発明によれば、高速度(例えば、150m/分以上)で塗工した場合でも、塗工による筋、ハジキ及びチヂミなどの塗工欠陥が少なく、特に基材としてプラスチックフィルムを用いた場合、耐水白化性に優れかつ粘着物性のバランスに優れたエマルション型粘着剤組成物、その製造方法、粘着剤組成物を基材に塗工する粘着シート製造方法が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエマルション型粘着剤組成物において用いられる不飽和単量体としては、各種(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステルとして、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル、メチルメタアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびこれらの4級化物等が挙げられ、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましく用いられる。
粘着付与樹脂としては、ロジン、ロジンフェノール樹脂、及びそのエステル化合物等のロジン系樹脂、テルペン低重合体、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン等のテルペン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂等の粘着付与樹脂が例示できるが、これらに限定されるものではない。中でも、(メタ)アクリル酸エステルとの相溶性の観点からロジンエステル樹脂等のロジン系樹脂が好ましい。
これらの粘着付与樹脂は2種以上併用しても良い。
配合部数は、使用する粘着付与樹脂によって異なるが、(メタ)アクリル酸エステルを含む不飽和単量体混合物100質量部に対し5〜20質量部、好ましくは5〜15質量部、さらに好ましくは5〜10質量部である。
粘着付与樹脂を5質量部以上とすることにより、所望の粘着力を確保するとともに粘度のせん断速度依存性を小さくし、ハジキ、チヂミ、塗工筋等が発生するのを防止し、20質量部より多い場合、得られる粘着剤皮膜のゲル分率が低くなり、凝集力が低下し、これを用いた粘着シートの裁断および打ち抜き等の2次加工性が悪くなる。粘着付与樹脂は軟化点70〜130℃を有するものが好ましい。
上記、粘着付与樹脂存在下、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含む不飽和単量体混合物を重合させるには単量体混合物中に粘着付与樹脂を溶解、混合して乳化重合させる。それによって、得られる重合体エマルションの粒子中に粘着付与樹脂を含ませることができる。
より具体的には、特開昭58−185668号公報に記載されているように、単量体混合物中に粘着付与樹脂を溶解した混合物に水、乳化剤および重合触媒を連続的に添加しながら乳化重合を行なうことにより、前記のような物性を有するエマルション型粘着剤組成物が得られる。
また、特開平4−178402号公報に記載されているように、不飽和単量体混合物、乳化剤および重合開始剤をホモジナイザー等で乳化したエマルション(1)に、不飽和単量体混合物、粘着付与樹脂、乳化剤および重合開始剤をホモジナイザー等で乳化したエマルション(2)を添加して乳化重合してもよい。
さらに、特開2001−348551号公報等に記載されているように、単量体混合物中に粘着付与樹脂を溶解した混合物を水、乳化剤および重合触媒を混合したエマルションに添加しながら高圧ホモジナイザー処理または超音波処理することにより乳化重合を行ない、エマルション型粘着剤組成物を得ることができる。
乳化重合の条件としては、特に限定されず、通常の乳化重合で適用される条件をそのまま適用することができる。一般的には、反応器内を不活性ガスで置換した後、還流下撹拌しながら昇温開始し40〜100℃程度の温度範囲、昇温開始後1〜8時間程度重合を行う。
粘着付与樹脂存在下、不飽和単量体混合物を乳化重合させる本発明の場合は添加量、種類により重合阻害や、充分な粘着力が得られにくいということがあるため、必要に応じて、乳化重合後さらに粘着付与樹脂のエマルションを添加してもよい。乳化重合後さらに粘着付与樹脂のエマルションを添加する場合は、さらに添加した粘着付与樹脂のエマルションの乳化剤による影響で、耐水白化性を悪化させてしまうことがあるので、さらに添加する粘着付与樹脂のエマルションの量は、不飽和単量体混合物100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜6質量部である。
また、本発明におけるように粘着付与樹脂存在下、不飽和単量体混合物を共重合させると粘着付与樹脂による連鎖移動が起こり、粘着剤組成物から形成される皮膜中のゲル分率が上がりにくい。
したがって、ゲル分率を上げるために、不飽和単量体混合物中に架橋性官能基を有する単量体を含ませることが好ましい。
架橋性官能基を有する単量体として、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有単量体、エポキシ基含有単量体、アルコキシシリル基含有単量体、アミド基やメチロール基、アセトアセチル基を含有する単量体、および多官能性モノマー等が挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
アミド基やメチロール基、アセトアセチル基を含有する単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
多官能モノマーとしてはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフタレート、テトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等が挙げられる。
架橋性官能基を有する単量体の含有量は、不飽和単量体混合物中
0.1〜5.0質量%、好ましくは、0.2〜3.0質量%である。
本発明においては、形成される皮膜中のゲル分率は40〜80質量%の範囲であることが好ましい。40質量%以上とすることにより、粘着シートとした場合の粘着剤層のはみ出しにより裁断や打ち抜き等の2次加工性が低下しないようにし、80質量%以下とすることにより、粘着力が低下するのを防止する。
なお、ゲル分率の測定は後記する実施例の項で述べる。
本発明においては、乳化剤としてエチレン性不飽和二重結合などの官能基を有する反応性乳化剤が使用される。
反応性乳化剤としては、反応性を有する乳化剤であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(11)のような構造を有するものが挙げられる。
Figure 2008163127
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上記一般式(1)〜(11)において、R1はアルキル基、R2は水素またはメチル基、R3はアルキレン基、nは1以上の整数、m、lは1以上の整数(m+l=3)、Xは水素又はSO3NH4、SO3Na、YはSO3NH4又はSO3Naのいずれかである。
上記乳化剤中、アニオン型のものとしては、上記一般式(1)〜(11)において、XおよびYがSO3NH4、SO3Naのいずれかの場合であるが、具体的には、アデカリアソープSE−20N、アデカリアソープSE−10N、アデカリアソープPP−70、アデカリアソープPP−710、アデカリアソープSR−10、アデカリアソープSR−20〔以上旭電化工業社製〕、エレミノールJS−2、エレミノールRS−30〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルSー180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、フォスフィノ−ルTX〔東邦化学工業社製〕等の市販品が挙げられる。
また、ノニオン型のものとしては、例えば、上記一般式(1)〜(5)、(8)〜(11)において、Xが水素の場合であるが、具体的には、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」〔以上旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRNー30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等が挙げられる。
上記乳化剤の中でも、エマルションの安定性に優れているという点で上記一般式(1)〜(11)のアニオン型反応性乳化剤が好ましく、中でも特に、上記不飽和単量体との反応性が良好であり、生分解性が悪く環境ホルモンの疑いのあるアルキルフェノール構造を有さないアニオン型反応性乳化剤、例えば、上記一般式(3)、(4)、(5)、(8)、(9)、(10)などで示される構造の乳化剤、具体的には、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」等が好適である。上記乳化剤は1種又は2種以上併用して用いることができる。
この反応性乳化剤の使用量は、不飽和単量体混合物100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.8〜7質量部、特に好ましくは1〜5質量部である。反応性乳化剤が0.5質量部未満では乳化重合が不安定となり、10質量部を越えると未反応の反応性乳化剤が多くなり基材密着性や耐水白化性低下の原因となり好ましくない。
なお、反応性乳化剤は単量体混合物からなる乳化モノマー液に添加したり、予め重合缶に添加しておいたりしてもよく、又両者を併用してもよい。
また、必要に応じて、反応性を有しないアニオン型乳化剤や、反応性を有しないノニオン型乳化剤を併用することもできる。
反応性を有しないアニオン型乳化剤としては、例えばアルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。反応性を有しないノニオン型乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸等が挙げられる。
また、本発明では、必要に応じて上記架橋性を有する単量体の官能基を架橋する目的で、架橋剤を併用してもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物、エポキシ系化合物、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、金属錯体等の金属系化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。これらの架橋剤としては、水溶液型、水分散型あるいは自己乳化型のものが好ましい。
架橋剤は、架橋性官能基を有する単量体の官能基に対してほぼ当量となるように添加するのが好ましい。
上記のような乳化重合により得られるアクリル系重合体の粒子の平均粒子径は100〜300nmであり、このような平均粒子径であることが他の要件と相まって本発明のエマルション型粘着剤組成物に所望の性能を付与することが可能となる。平均粒子径が100nm未満である場合、特に低せん断粘度が高くなり、粘性挙動はチキソ性が増大する方向に変化する。また、300nmより大きい場合には粒度分布が多分散になり易いため耐水白化性が低下する。
エマルション型粘着剤組成物中の固形分は40質量%以上であり、好ましくは、50質量%以上である。固形分を40質量%以上とするためには、乳化重合時に添加される水の量は仕込まれる物質の全量中60質量%未満とする必要があり、50質量%以上とするためには、添加される水の量を50質量%未満とする必要がある。固形分の上限は通常70質量%程度である。
本発明のエマルション型粘着剤組成物においては、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であり、粘度のせん断速度依存性が小さい、すなわち、従来のものと比較してニュートニアン性が高いことが特徴の一つである。
より具体的には、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度と25℃でのせん断速度1.0×103sec-1における粘度の比が25以下であることが好ましい。
このように、1.0×10-1sec-1という低いせん断速度における粘度が2000mPa・s以下で、かつ、粘度のせん断速度依存性が小さいことが本発明のエマルション型粘着剤組成物を基材、特にプラスチックフィルムや剥離剤処理した剥離シートに高速で塗工した場合でも塗工面にハジキ、チヂミ、泡が発生せず、かつ、塗工筋が発生しない優れた粘着シートが得られる。25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度の下限は500mPa・s程度である。1.0×10-1sec-1という低いせん断速度における粘度の好ましい範囲は600〜1000Pa・s程度である。
粘度の比は小さければ小さいほどチキソ性が抑制されニュートニアン粘性に近づくことになるので好ましいが、現実的には、粘度の比の下限値は10程度である。
本発明のエマルション型粘着剤組成物には、公知の湿潤剤、粘性調節剤、増粘剤、消泡剤、改質剤、顔料、着色剤、充填剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で加えてもよい。
本発明は、上記エマルション型粘着剤組成物とともに粘着シート製造方法も提供する。
本発明の製造方法で製造される粘着シートは基材の少なくとも片面に粘着剤層が設けられ、必要に応じて剥離シートが仮着されているものであり、上記エマルション型粘着剤組成物を以下に述べる基材に塗工するか、または剥離シートに塗工後、それを基材に転写することにより製造される。
本発明の製造方法において用いられる粘着シートを構成する基材としては特に限定されるものではないが、特にプラスチックフィルムを基材として使用した場合に本発明による効果が発揮される。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、セロハン等の単体、もしくは混合フィルム、あるいはそれらに金属蒸着を施したフィルム、あるいはそれらの積層フィルムや同積層フィルムにアルミニウムなどの金属を蒸着処理したものが例示できる。
プラスチックフィルムの片面あるいは両面には、所望により、濡れ張力を増大させる目的でコロナ放電処理、火炎処理、サンドブラストなど既知の方法により表面処理を施してもよい。
プラスチックフィルムの厚さは通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度のものが用いられる。
プラスチックフィルムの厚さを上記範囲とすることにより、強度と経済性を保持するとともに、粘着シートを積層した場合やロール状に積層巻回した場合に嵩高くなるのを防止することができる。
粘着剤層を保護する剥離シートとしては、特に限定されるものではなくグラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙、または上質紙にポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリエステルフィルムのようなプラスチックフィルム等に剥離剤であるフッ素樹脂やシリコーン樹脂等を乾燥質量で0.1〜3g/m2程度になるように塗工し、熱硬化やUV硬化等によって剥離層を設けたものが適宜使用される。
本発明のエマルション型粘着剤組成物を使用することにより、塗工速度を高速にしても、筋、ハジキおよびチヂミなどが起こりにくくなる。基材または剥離シートに上記エマルション型粘着剤組成物を塗工する際の塗工速度は150〜500m/分、好ましくは180〜450m/分である。塗工速度を150m/分以上とすることにより、生産性を確保し、500m/分以下とすることにより塗工による筋、ハジキ及びチヂミなどの塗工欠陥が生じるのを防止する。
本発明の粘着剤組成物の塗工装置としては、スロットダイコーター、リバースグラビアコーター、加圧型チャンバードクターグラビアコーター、カーテンコーター等の公知の塗工機が使用され、塗工量は乾燥質量で5〜50g/m2程度の範囲で調整される。好ましくは10〜30g/m2の範囲であり、5g/m2以上とすることにより充分な粘着性能が得られ、50g/m2以下とすることにより粘着剤がはみ出したりするのを防止する。
塗工方法としては、剥離シートに粘着剤を塗工後、基材に転写する方法、基材に塗工後、剥離シートと貼り合わせる直接塗工法が挙げられる。剥離シートに粘着剤を塗工後、基材に転写する方法では、粘着剤の剥離剤層に対する濡れ性を高めるため、界面活性剤などの濡れ剤を耐水性に影響の少ない範囲で目的に応じて添加する。また、環境への配慮を考慮し、上記剥離シートの剥離剤にはソルベントレスシリコーンのようなシリコーン系の剥離剤を用いるのが好ましい。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」および「%」はいずれも質量基準である。
〔実施例1〜8〕
2−エチルヘキシルアクリレート75部、メチルアクリレート15部、メチルメタクリレート7.5部、アクリル酸1.5部、ダイアセトンアクリルアミド1.0部、表1に記載した部数の各粘着付与樹脂を攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応容器に投入して約30℃に保ちながら、30分間攪拌し溶解させた。
上記成分を均質に溶解させた後、同温度で反応性乳化剤[旭電化工業(株)製、アデカリアソープSR−10]2.0部を脱イオン水57部に分散させた分散液を加え、30分間攪拌して不飽和単量体混合物等を含む乳化物を作製した。
別途、攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応容器に脱イオン水40部と反応性乳化剤(アデカリアソープSR−10)0.2部を仕込み、窒素を流入させて、反応容器内の温度を80℃まで昇温させ、5%濃度に溶解した過硫酸カリウム水溶液4部を仕込んだ。この中に予め調製した前記単量体混合物等を含む乳化物を約80℃に保ちながら3時間かけて滴下した。乳化物の滴下と並行して5%濃度の過硫酸カリウム水溶液4部を滴下して反応容器内の温度を80〜83℃に保持しながら3時間攪拌して乳化重合を行なった。
滴下終了後、同温度で3時間熟成した後室温に冷却した。次いで25%アンモニア水を加えてpHが7.5になるように調整し、さらに濡れ剤[旭電化工業(株)製、アデカコールEC−4500]0.5質量部を添加してアクリル系重合体を含むエマルション型粘着剤組成物を得た。各粘着付与樹脂の配合量、架橋剤の配合量および得られたエマルション型粘着剤組成物の固形分濃度、平均粒子径等を表1に示した。なお、実施例8においては、架橋剤は使用されなかった。
〔比較例1〜5〕
表2に示す量の各粘着付与樹脂または表2に示す量の連鎖移動剤(比較例4のみにおいてドデシルメルカプタンを使用)を不飽和単量体混合物に混合して乳化重合するか、乳化重合後表2に示す量の粘着付与樹脂のエマルションを添加するかした以外は製造実施例と同様に行い、比較用のエマルション型粘着剤組成物を得た。比較例5のものは固形分が表2に記載された数値になるように得られたエマルション型粘着剤組成物を蒸留水で固形分35.0%に希釈したものである。
各粘着付与樹脂の配合量、架橋剤の配合量および得られたエマルション型粘着剤組成物の固形分濃度、平均粒子径等を表2に示した。
各例で使用して表1及び2に示した粘着付与樹脂や架橋剤等は以下の通りである。
<粘着付与樹脂>
A−100:荒川化学(株)製のロジンエステル樹脂、「スーパーエステ ルA−100、軟化点100℃」
KE−100:荒川化学(株)製の水添ロジンエステル樹脂、「パインク リスタルKE−100、軟化点100℃」
A−125:荒川化学(株)製のロジンエステル樹脂、「スーパーエステ ルA−125、軟化点125℃」
TO−85:ヤスハラケミカル(株)製の芳香族変性テルペン樹脂、「Y SレジンTO−85、軟化点85℃」
N−125:ヤスハラケミカル(株)製のテルペンフェノール樹脂、「Y SポリスターN−125、軟化点125℃」
E―720:荒川化学(株)製のエマルション化されたロジンエステル樹 脂、「スーパーエステルE―720、樹脂軟化点100℃」
<架橋剤>
ADH:日本ヒドラジン工業(株)製のアジピン酸ジヒドラジド
V−02:日清紡績(株)製のカルボジイミド系樹脂、「カルボジイミド V−02」
K−2010E:日本触媒(株)製のオキサゾリン基含有エマルシ
ョンタイプ架橋剤、「エポクロスK−2010E」
各実施例で得られたエマルション型粘着剤組成物、各比較例で得られた比較用のそれらの各物性値の測定は次の方法で行った。
(1)固形分
JIS−K6833に準じて107℃で3時間乾燥後秤量した質量(単位:%)である。
(2)平均粒子径
株式会社堀場製作所製の動的光散乱方式粒度分布測定装置LB−550を使用し、25℃で体積基準のメジアン径を測定した数値(単位:nm)である。
(3)各せん断速度下での粘度および粘度比
Anton Paar社製粘弾性測定装置 Physica MCR300を使用し、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度とせん断速度1.0×103sec-1における定常流粘度を測定し、両者の粘度との比を粘度比とした。粘度の単位はmPa・sである。
(4)ゲル分率(単位%)
粘着剤から形成された皮膜約500mgをSUSメッシュ#300に包み、THF中に72時間浸漬し、SUSメッシュごと取り出し120℃、3時間乾燥後、浸漬前後の重量比より算出した(単位:%)。
[粘着シートの製造および粘着剤面の観察]
上質紙にポリエチレンフィルムをラミネートし、シリコーン系剥離剤で表面処理された剥離シート上に、各例で得られた粘着剤組成物を乾燥後の厚さが20μmになるようにスロットダイコーターを用いて塗工速度300m/分で塗工し、120℃で乾燥後、基材として50μmの透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに貼り合わせ、形成された粘着剤層をPETフィルム側に転写させ粘着シートを製造した。製造された粘着シート(10m)の剥離シートを剥離してPETフィルム側に転写された粘着剤層面の状態を観察した。
表1および2における粘着剤層面の状態の評価基準は以下の通りである。
○:塗工筋が観察されない。
△:少し塗工筋が観察される。
×:多くの塗工筋が観察される。
[粘着力測定]
得られた粘着シートを、被着体としてポリエチレン板(新神戸電機株式会社製、コウベポリシート EL―N−AN)に23℃、50%RHの雰囲気下で貼合させて、JIS Z 0237に記載の粘着力の測定法に準じて180°剥離強度を測定した。
[耐水白化性試験]
各例で得られた粘着剤組成物を用いた粘着シートの剥離シートを剥離して粘着剤面を基材に用いたものと同じ50μmのPETフィルムにラミネートした後、50mm×50mmに裁断して試験片を作製した。この試験片を60℃の温水に3日間放置し、温水から取り出した後の試験片のHAZE値をHAZEメーター[日本電色工業(株)製の濁度計、NDH2000]にて測定した。
Figure 2008163127
Figure 2008163127
表1および表2から以下のことが明らかである。
(1)実施例1〜7のようなエマルション型粘着剤を用いた場合には、高速塗工後のレベリング性が良好であり、得られる粘着剤被膜のゲル分率が低すぎないことから、裁断及び打ち抜き等の2次加工性が良好であり、ポリオレフィンへの粘着力が高く、耐水性に優れ、塗工筋の発生もない。実施例8では塗工筋は発生していないが、架橋剤を使用していないためゲル分率が低く、耐水白化性も良くない。
(2)比較例1では重合時に添加する粘着付与樹脂の量が少ないため、比較例3における結果と同じような結果が得られている。
(3)比較例2では重合時に添加する粘着付与樹脂の量が多いため、粘着力は実施例並みであるが、ゲル分率が低く、耐水白化性が悪く、塗工筋が発生している。
(4)比較例3では各実施例と同じ不飽和単量体混合物や架橋剤等を用いて固形分濃度、平均粒子径、ゲル分率等が各実施例と同じような粘着剤組成物が得られているが、粘着付与樹脂を重合時に添加せず、重合終了後に添加しているのでせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が9260mPa・sと高く、かつ、せん断速度1.0×103sec-1における粘度に対する比が190と極めて大きいため塗工筋が発生している。しかも、耐水白化性が悪く粘着力も低い。
(5)比較例4では粘着付与樹脂を使用せず、連鎖移動剤を使用しているため、多くの塗工筋が観察された。
(6)比較例5では希釈して固形分濃度を低下させているため高速での塗工ができなかった。
本発明のエマルション型粘着剤組成物は各種粘着ラベル、粘着シート等、支持基材が特にプラスチックフィルムである粘着製品の高速塗工による製造に適用することができる。

Claims (11)

  1. (メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含む不飽和単量体混合物100質量部に対して粘着付与樹脂5〜20質量部存在下、同混合物の乳化重合により得られる平均粒子径が100〜300nmのアクリル系重合体を主成分とし、固形分が40質量%以上、かつ、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であるエマルション型粘着剤組成物。
  2. 粘着剤組成物の25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度とせん断速度1.0×103sec-1における粘度の比が25以下である請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 不飽和単量体混合物が架橋性官能基を有する単量体を含む請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 形成される皮膜中のゲル分率が40〜80質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  5. 粘着付与樹脂が5〜10質量部である請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  6. 粘着付与樹脂がロジンエステル樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  7. 乳化重合時の乳化剤がアルキルフェノール構造を有さないアニオン型反応性乳化剤である請求項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の粘着剤組成物を塗工速度150〜500m/分で塗工することを特徴とする粘着シート製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法を用いて形成してなる粘着シート。
  10. 粘着シートの基材がプラスチックフィルムである請求項9に記載の粘着シート。
  11. (メタ)アクリル酸エステルを必須成分として含むエチレン性不飽和単量体混合物100質量部、粘着付与樹脂5〜20質量部および反応性乳化剤を主成分とする混合物を水中で乳化重合させることを特徴とする平均粒子径が100〜300nmのアクリル系重合体を主成分とし、固形分が40質量%以上、かつ、25℃でのせん断速度1.0×10-1sec-1における粘度が2000mPa・s以下であるエマルション型粘着剤組成物の製造方法。
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