JP2008162813A - シリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法 - Google Patents

シリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコンスラッジに含まれるシリコン粒を用いて安価に酸化シリコン粒を生成させる再生方法を提供する。
【解決手段】砥粒と分散剤からなるスラリー87にシリコン粒が混入したシリコンスラッジ11を貯留するスラッジ貯留タンク10と、スラッジ貯留タンク10からシリコンスラッジ11を筒状容器21からなる炉内に導入し、このシリコンスラッジ11を攪拌しながら加熱乾燥する乾燥機20とを備え、シリコンスラッジ11を、乾燥機20の炉内に砥粒と分散剤を除去せずに導入し、攪拌時の回転数を加熱温度に応じて制御することにより、シリコンスラッジ11に含まれるシリコン粒を酸化させて酸化シリコン粒28を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造工場から排出される金属シリコン粒を含有したシリコンスラッジを有効利用するための、酸化シリコン粒製造方法に関するものである。
シリコンインゴットの切削工程やシリコンウエハの研磨工程においては、砥粒と分散剤からなるスラリーに被削された金属シリコン粒を含有する多量のシリコンスラッジ(廃スラリー)や超純水が排出されるが、シリコンスラッジに含有される金属シリコン粒自体は貴重な資源であり、従来のように、これを単に産業廃棄物として廃棄するのは無駄であり、環境的配慮を欠くものであった。そこで、このシリコンスラッジを有効に再利用する方法として、シリコンスラッジから高純度のシリコン粉を回収する方法が考えられ、提案されてきた。また、一方で、超純水を回収する方法も多く考えられ、実用化されてきている。
例えば、特許文献1に開示された高純度シリコン粉回収方法では、図7に示すように、シリコンインゴットをワイヤソーにより切削する際に生じる廃スラリーを濾過して(第1の濾過工程)、得られるスラッジをアセトン等の有機溶剤で洗浄し(有機溶剤洗浄工程)、スラッジから分散剤を除去して(固液分離工程)、シリコンの切り粉、金属粉、砥粒を主成分とする固形分(ケーキ)を得る(水洗、第2、第3の濾過工程)。そして、この固形分を弗化水素と無機酸からなる酸溶液で洗浄し(酸洗浄工程)、これを濾過して酸化シリコンと金属分とを取り除き(第4の濾過工程)、水洗(水洗工程)、乾燥して(第5の濾過、乾燥工程)得られる塊状固形分を解砕した(解砕工程)上で、分級する(分級工程)方法が提示されている。
このようにして得られるシリコン粒は、高純度であるため、半導体製造等における原材料として再び使用することができる。
特開2001−278612号公報
しかしながら、特許文献1に記載された高純度シリコン粉の回収方法は、数多くの処理工程を経て回収、再生するものであり、各工程で用いられる処理設備も多く必要であり、回収にかかる設備投資およびランニングコストは莫大なものとなる。
したがって、今なおシリコンスラッジの多くが廃棄されている現状をなくすため、それに含まれるシリコン粒から市場に受け入れられる有用な物質を安価に製造して、市場に提供することが求められている。
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、シリコンスラッジに含まれるシリコン粒を用いて安価に酸化シリコン粒を生成させる方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、砥粒と分散剤からなるスラリーに金属シリコン粒を含有したシリコンスラッジを貯留するスラッジ貯留タンクと、前記スラッジ貯留タンクから前記シリコンスラッジを筒状容器からなる炉内に導入し、該シリコンスラッジを攪拌しながら加熱乾燥する乾燥機と、を備え、前記シリコンスラッジを、前記乾燥機の炉内に分散剤を除去せずに導入し、攪拌時の回転数を加熱温度に応じて制御することにより、前記シリコンスラッジに含まれる前記金属シリコン粒を酸化させて酸化シリコン粒を生成することを特徴とするものである。
請求項1に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、シリコンスラッジを乾燥機の炉内で乾燥温度に応じて攪拌時の回転数を制御しながら乾燥させるので、分散剤を除去せずに導入されたシリコンスラッジであっても、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒を生成することができる。
しかも、分散剤を除去せずに酸化シリコ粒ンを生成するので、特別な濾過装置などの設備も必要なく、また、スラッジ貯留槽と乾燥機という少ない設備を備えるだけで、安価に酸化シリコン粒を製造することができる。
本発明の請求項2に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項1に記載の酸化シリコン粒製造方法において、前記筒状容器内で、回転することによりシリコンスラッジを掻き上げ、攪拌するパドルを備え、前記筒状容器の側壁側に配されたバーナーからの加熱と、加熱された前記筒状容器の周壁内面と前記パドルの回転軸の外周面からの伝熱により、前記シリコンスラッジが加熱乾燥され、さらに前記パドルにより掻き上げられ、攪拌されることにより酸化されることを特徴とするものである。
請求項2に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、バーナーからの加熱と、筒状容器の周壁内面と回転軸の外周面からの伝熱により、シリコンスラッジが効率的に加熱され、さらにパドルにより掻き上げられ、攪拌されることにより、シリコンスラッジの含水量が急速に低下し、シリコンスラッジの酸化が促進されるため、分散剤を除去しなくても、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒を生成することができる。
本発明の請求項3に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項1または2に記載の酸化シリコン粒製造方法において、前記パドルの回転数がインバータ制御され、乾燥の最終段階において、前記パドルの回転数が200〜500rmpに制御され、かつ、前記筒状容器内の温度が300℃〜400℃の範囲に維持されることを特徴とするものである。
請求項3に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、乾燥の最終段階において、シリコンスラッジが高温に維持され、高速でパドルが回転されるため、シリコンスラッジ中の塊状の固形分が効果的により小さく分断され、さらに、シリコンスラッジの含水量が急速に低下させられることにより、金属シリコン粒の酸化が促進され、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒を生成することができる。なお、ここでの乾燥の最終段階とは、後述の実施の形態で示されるように、シリコンスラッジの含水量が約20%を下回った状態にある段階をいう。
本発明の請求項4に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化シリコン粒製造方法において、前記乾燥機で乾燥される前記シリコンスラッジの含水量が所定値以下となった後に、前記パドルの回転数がそれ以前より上昇するよう制御されることを特徴とするものである。
請求項4に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、乾燥の最終段階において、さらに、シリコンスラッジの含水量が所定値以下となった後、パドルがより高速で回転されるため、シリコンスラッジ中の塊状の固形分がパドルによりより高速で掻き上げられ、攪拌され、さらには筒状容器の周壁やパドルの羽根に接触して効果的により小さく分断されることにより、金属シリコン粒の酸化が促進され、内部までより均質に酸化された酸化シリコン粒を生成することができる。なお、ここでの所定値以下とは、後述の実施の形態で示されるように、シリコンスラッジの含水量が約10%またはそれを下回った状態をいう。
本発明の請求項5に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化シリコン粒製造方法において、さらに、前記シリコンスラッジを前記スラッジ貯留タンクに貯留する間に、前記金属シリコン粒と前記シリコンスラッジ中の水分との反応により発生する水素ガスを回収して貯留する水素貯留タンクと、前記水素貯留タンクから供給される水素ガスを用いて発電する水素発電システムと、を備え、前記水素発電システムで発電される電力が、前記乾燥機の前記パドルを回転させる電動機の補助電力として供されることを特徴とするものである。
請求項5に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、スラッジ貯留タンクでシリコンスラッジを貯留する間に、金属シリコン粒とシリコンスラッジ中の水分との反応により水素ガスが発生し、そのまま放置すれば危険であるところを、水素発電システムにより発電に有効に利用され、その電力で乾燥機のパドル回転軸を回転する電動機に供給される電力の一部を賄うことができるため、省エネルギー化に寄与するとともに、生成される酸化シリコン粒の製造コストを低減することができる。
本発明の請求項6に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項5に記載の酸化シリコン粒製造方法において、前記水素発電システムが、水素燃焼タービン発電機で構成され、前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが、前記水素燃焼タービンの燃焼器に供給され、燃焼器内で燃焼されて作動流体ガスとしてタービンに供給されてタービン翼を回転させ、このタービンの回転軸に連結する発電機により発電することを特徴とするものである。
請求項6に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、水素燃焼タービン発電機で構成される水素発電システムにより、前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが有効に利用されて発電され、その電力で乾燥機のパドル回転軸を回転する電動機に供給される電力の一部を賄うことができ、省エネルギー化に寄与し、酸化シリコン粒の製造コストを低減することができる。
本発明の請求項7に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、請求項5に記載の酸化シリコン粒製造方法において、前記水素発電システムが、固体高分子電解質型燃料電池と直流−交流変換器とで構成され、前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが、前記固体高分子電解質型燃料電池の燃料極に供給され、空気極との間の電気化学的反応により発電された直流電力を、前記直流−交流変換器で交流電力に変換することを特徴とするものである。
ことを特徴とするものである。
請求項7に係る酸化シリコン粒製造方法によれば、固体高分子電解質型燃料電池と直流−交流変換器とで構成される水素発電システムはエネルギー変換効率が高く、これにより前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが有効に利用されて発電され、その電力で乾燥機のパドル回転軸を回転する電動機に供給される電力の一部を賄うことができ、省エネルギー化に寄与し、酸化シリコン粒の製造コストを低減することができる。
本発明のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法は、シリコンスラッジを乾燥機の炉内で乾燥温度に応じて攪拌時の回転数を制御しながら乾燥させるので、砥粒と分散剤を除去せずに導入されたシリコンスラッジであっても、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒を生成することができる。しかも、砥粒や分散剤を除去せずに酸化シリコ粒ンを生成するので、特別な濾過装置などの設備も必要なく、また、スラッジ貯留槽と乾燥機という少ない設備を備えるだけであるため、安価に酸化シリコン粒を製造することができる。本発明の再生方法により生成されたシリコン粒は、安価なため、造園用砂やセメント原材料などの用途に好適に使用できるものである。
以下、本発明の酸化シリコン粒製造方法に係る最良の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る酸化シリコン粒製造方法について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法の概要を説明するための全体構成図であり、図2は、この酸化シリコン粒製造方法の前段階においてシリコンスラッジが排出されるシリコンウエハの研磨加工装置の構成と動作を模式的に示す概念図である。また、図3は、この酸化シリコン粒製造方法においてシリコンスラッジの乾燥に用いられる乾燥機の構造を説明するための一部を切り欠いて示す斜視図であり、図4は、一部を切り欠いて示す断面図である。
この実施の形態1に係る酸化シリコン粒生成システム100Aは、図1に示すように、半導体製造等に用いられるシリコンインゴットの切削工程あるいはシリコンウエハの研磨工程で排出される金属シリコン粒11aを含有するシリコンスラッジ11を貯留するSiスラッジ貯留タンク10と、Siスラッジ貯留タンク10に貯留されたシリコンスラッジ11を導入して、加熱乾燥してシリコンスラッジ11中の金属シリコン粒11aを酸化させて酸化シリコン粒28を生成する乾燥機20と、この乾燥機20の炉内を加熱するための燃焼ガス(LPガス)を供給する燃焼ガス貯留ボンベ30と、Siスラッジ貯留タンク10に貯留されたシリコンスラッジ11中の金属シリコン粒11aと水分との反応により発生する水素ガスを貯留する水素貯留タンク40と、水素貯留タンクに貯留された水素ガスを燃料として発電する水素燃焼タービン発電機50とを備えて構成される。
実施の形態1における上記の構成では、シリコンウエハの研磨装置(例えば、化学的機械研磨装置)80から排出されるシリコンスラッジ11がSiスラッジ貯留タンク10に導入され、そこで貯留される。
化学的機械研磨装置80(CMP装置)は、図2に示すように、研磨常盤81と、この研磨常盤81の上面に貼り付けられた研磨パッド82と、この研磨パッド82の上方でシリコンウエハ86を保持する保持ヘッド83と、研磨剤としてのスラリー87を研磨パッド82上に供給するスラリー供給部84と、洗浄液としての超純水を研磨パッド82上に供給する超純水供給部85と、を備えて構成される。
研磨常盤81は、その下面側に位置する回転軸81aを回転駆動する駆動源(不図示)を備えてなり、この研磨常盤81の上面に貼り付けられた研磨パッド82は、この駆動源の駆動により研磨常盤81とともに回転駆動される。研磨パッド82は、ポリウレタン樹脂等を用いて、その上面が平坦に成形されたものである。保持ヘッド83は、シリコンウエハ86を保持しながら、研磨常盤81の回転軸81a中心よりその半径方向に変位した位置を中心として回転し、その保持ヘッド83に保持されたシリコンウエハ86の下面を上記の研磨パッド82の上面に押圧するものである。また、研磨のために供給されるスラリー87は、微細な砥粒を分散媒としてのアルカリ性または酸性水溶液に懸濁させた研磨剤である。
このように構成された化学的機械研磨装置80は、スラリー87を回転する研磨パッド82上に滴下し、この研磨パッド82の上方からシリコンウエハ86を保持した保持ヘッド83を回転させながら下降させ、シリコンウエハ86の下面を研磨パッド82の上面に押圧して、このシリコンウエハ86の下面を化学的機械研磨により平坦化する。この化学的機械研磨においては、シリコンウエハ16表面上に形成された層間絶縁皮膜としてのシリカ(SiO2 )が、水溶液中の水分と反応してSi(OH)4 を形成し、スラリー17中の砥粒(SiO2 やSiCなど)により機械的作用で研削される。また、シリコンウエハ16表面上にメタル配線が形成されている場合には、スラリー17中に添加された酸化剤により表面が酸化され、この酸化物層がスラリー17中の砥粒(SiO2 やSiCなど)により機械的作用で研削される。
そして、研磨に供された後の廃スラリー(シリコンスラッジ11)は、研磨パッド82の側方から、下方に配された排出配管88に排出され、Siスラッジ貯留タンク10に送給される。したがって、このシリコンスラッジ11には、シリコンウエハ86の被削粒子(Si、SiO2 など)や研磨パッド82の被削屑(ポリウレタン樹脂)が混入し、砥粒とこれらの被削粒子や被削屑が分散剤中に分散されてコロイド状の液体となっている。このシリコンスラッジ11中の含水量は約40%〜70%であり、また、シリコンスラッジ11中の金属シリコン粒11a(シリコンウエハ86の被削粒子)は直径約0.1μm〜0.1mmを主体とするものである。なお、ここではその説明を省くが、シリコンインゴットを切削する工程においても、同様のシリコンスラッジ11が排出される。
上記の化学的機械研磨を終えた後には、研磨パッド82やシリコンウエハ86の表面等に付着したスラッジ11を洗い流すため、超純水供給部85から大量の超純水が研磨パッド82上に供給され、研磨パッド82の側方から、下方に配された排出配管88に排出され、別の貯留タンク(不図示)に送給される。
シリコンスラッジ11は、化学的機械研磨装置80でシリコンウエハ86の研磨加工を行っている間、随時Siスラッジ貯留タンク10に貯留され、一定量以上貯留された時点で、分散剤等を分離除去せずに、Siスラッジ貯留タンク10の底部から導出されたスラッジ送給配管12に設けられた開閉弁13を開放操作することにより、このスラッジ送給配管12を介して乾燥機20に投入される。
乾燥機20は、図3に示すように、円管状に形成された周壁21aの両端に、互いに周壁21aの軸方向に対して垂直に側壁21b、21cが取り付けられるとともに、一方の側壁21b近くに多数の貫通孔を有する隔壁21dが側壁21bと平行に設けられ、軸方向を水平にして横置きされた筒状容器21と、この筒状容器21の中心軸に沿って、他方の側壁21cと隔壁21dとに回転可能に軸支された回転軸22と、この回転軸22の適所に取り付けられ、回転軸22の回転に伴い、筒状容器21内(他方の側壁21cと隔壁21dとの間の空間。以下、単に炉内という。)に導入されたシリコンスラッジ11を攪拌する複数のパドル23と、筒状容器21の他方の側壁21cに取り付けられ、回転軸22を回転駆動する電動機24と、この電動機24に電力を供給し、回転軸22の回転を制御する電源制御盤25とを備え、さらに、筒状容器21の一方の側壁21bと隔壁21dとの間に形成された空間に配されて、炉内に導入されたシリコンスラッジ11を加熱するバーナー26と、このバーナー26より隔壁部21d寄りに配置され、バーナー26により加熱された気体を隔壁部21dに設けられた多数の貫通孔を通して炉内に送風する送風ファン27とを備えて構成される。
また、筒状容器21の周壁21aには、他方の側壁21cと隔壁21dとの間の、隔壁21d近くの上方にスラッジ投入口21eが設けられ、中央下方に酸化生成物取出口21fが設けられ、他方の側壁21c近くの上方に排気口21gが設けられ、さらに、隔壁21dと一方の側壁21bとの間の下方に吸気口21hが設けられている。
回転軸22は、その外周面に螺旋状の螺合溝部22aが形成されており、後述するパドル23の螺合円環部材23aの内周面に突設された螺合突条部(不図示)がこの螺合溝部22aに螺合することにより、回転軸22の回転に伴いパドル23を回転させるとともに、筒状容器21をその軸方向に移動させるように構成されている。この螺旋状の螺合溝部22aは、回転軸22がn回転(本実施の形態1では4回転)することによってパドル23が他方の側壁21cから隔壁21dまでの間を移動するようなピッチで形成されており、この回転軸22の回転数を計数することより、パドル23の他方の側壁21cまたは隔壁21dからの離間距離(位置)を把握することができる。
複数のパドル23は、それぞれ、回転軸22の螺合溝部22aに係合する形状に形成された螺合突条部を内周面に有し、螺合溝部22aと螺合突条部との螺合により回転軸22の回転に伴って軸方向に移動可能に保持される螺合円環部材23aと、この螺合円環部材23aに基端側が固定され、半径方向に沿って延設される支持部材23bと、この支持部材23bの先端側に取り付けられ、幅の狭い円管帯状に形成される円管状部材23bc、この円管状材材23cの軸方向の端面から突出して設けられ、円管状部材23cの軸方向に沿った内外周面に対して傾斜して、パドル23(回転軸22)の回転に伴ってシリコンスラッジを攪拌する複数の攪拌部材23dとを備え、さらに、複数のパドル23の円管状部材23c相互間が円周方向120°ピッチで配された3つの連結部材23eにより連結されている。なお、複数の攪拌部材23dは、隣り合う攪拌部材23d同士が互いに異なる軸方向に向けて突出し、それぞれの攪拌部材23dが、円管状部材23cに取り付く基端部から先端部に行くにしたがって半径方向の内方側に変位するように傾斜して形成されている。炉内に導入されたシリコンスラッジ11は、円環状部材23cおよび攪拌部材23dに掻き上げられて攪拌され、送風ファン26から送り込まれてくる熱風により効果的に加熱乾燥される。
電動機24は、その回転シャフト(不図示)が回転軸22に直結されており、回転シャフト(回転軸22)を回転させることによりパドル23を回転させるものであるが、電動機24の回転数を計数して電動機24の回転方向を切り換える切換スイッチ24aが電動機24の側方の位置に設けられている。前述したように、パドル23は、その螺合円環部材23aに設けられた螺合突条部が回転軸22の螺合溝部22aに螺合することにより、回転軸22の回転に伴って回転しながら、軸方向に移動可能に構成されており、パドル23が筒状容器21の他方の側壁21cあるいは隔壁21dに接近した時点で、切換スイッチ24aが動作して電動機24を停止させ、逆方向に回転させることで、パドル23を逆方向に移動させる、すなわち、図3に示すパドル移動範囲Sの間を往復動させることができる。このパドル移動範囲Sは、他方の側壁21cと隔壁21dとの間の距離(スパン)の3/4〜7/8程度に設定することができる。これにより、本実施の形態1では、回転軸22が6〜7回転する間に、パドル23が上記のパドル移動範囲Sを1往復することになる。
電源制御盤25は、商用電源から供給される交流電力に、後述する水素燃焼タービン発電機50から供給される交流電力を重畳させて、周波数を電動機24の回転数に対応した周波数に変換した上で、所定電圧(AC200V)の交流電力として電動機に供給するものであり、したがって、回転軸22の回転数はこの電源制御盤25から電動機24に供給される交流電力の周波数を制御することにより制御される。
バーナー26は、燃焼ガス貯留ボンベ30から燃焼ガス送給配管31を介して送給されるLPガス32を燃焼させ、隔壁21dにより仕切られた一方の側壁21bとの間の空間を、吸気口21hから新鮮な空気を導入しつつ、加熱する。そして、送風ファン27は、一方の側壁21bと隔壁21dとの間の空間で加熱された空気を、隔壁21dに設けられた多数の貫通孔を通して、熱風として炉内に送風し、炉内を加熱する。
そして、加熱された空気は、炉内を循環する間に、炉内に導入されたシリコンスラッジ11とともに、回転軸22、パドル23および筒状容器21の周壁21aや側壁21c、隔壁21dを加熱する。炉内に導入されたシリコンスラッジ11は、パドル23で攪拌される際に、これらのパドル23や筒状容器21の周壁21a内面、回転軸22の外周面などに直接接触し、それらからの伝熱を受けて効率的に加熱されることになる。そして、シリコンスラッジ中に含まれる金属シリコン粒11a(シリコンウエハ86の被削粒子)は、直径が約0.1μm〜0.1mm程度の微細なものであるため、300℃以上の温度で加熱されると、周囲の空気中の酸素により酸化され、酸化シリコン粒28となる。
なお、炉内を循環して冷えた空気は、筒状容器21のスラッジ排気口21gから、その下流側に配置されたサイクロン式集塵機(不図示)により排気配管(不図示)を介して吸引され、粉塵や未燃焼ガス、水素ガス等が除去された上で大気中に排出される。
また、炉内の温度は、炉内の適所に配置された温度計測具(熱電対など)により計測され、炉外に配置された温度記録計により監視され、バーナー26に送給されるLPガス32の流量を調整することにより制御される。
このように構成されたシステムにより、分散剤等が除去せずに、乾燥機20の筒状容器21内(炉内)に導入されたシリコンスラッジ11をパドル23で攪拌しながら、加熱乾燥することによって、シリコンスラッジ11中の水分が除去され、シリコンスラッジ11中に含まれる金属シリコン粒11a(シリコンウエハの被削粒子)が酸化されるとともに、徐々に解れ易い粉体状の性状を有するものに変化しつつ、乾燥、酸化が促進され、最終的には均質な酸化シリコン粒28が生成され、酸化生成物取出口21fが取り出されることとなる。
このような酸化シリコン粒の生成方法は、従来にない方法であり、生成された微細な酸化シリコン粒28は、多少の不純物(研磨パッド被削屑など)を含むものの、造園用砂やセメント原料などの用途に好適に使用できるものである。
次に、乾燥機20におけるパドル23の回転数および炉内温度の制御について、図5を用いて説明する。図5は、この酸化シリコン粒製造方法における乾燥機のパドル回転数と炉内温度の制御例を示すダイヤグラムである。
シリコンスラッジ11が、Siスラッジ貯留タンク10からスラッジ送給配管12を介して供給され、筒状容器21のスラッジ投入口21eから炉内に導入されると、電動機24の回転に伴って回転軸22およびパドル23が回転し、パドル23の円環状部材23cと攪拌部材23dに掻き上げられて攪拌されるともに、バーナー26および送風ファン27の運転により炉内およびシリコンスラッジ11が加熱される。炉内に導入された当初のシリコンスラッジ11は、多くの水分を含有しており、粘度の高いコロイド状物としての性状をもつものであるが、次第に乾燥が進むとともに、シリコンスラッジ11中の水分が減少し、微細な金属シリコン粒11aが酸化されて酸化シリコン粒28となり、相互に解れ易くなった粉体状の性状をもつものに変化してくる。
そこで、本実施の形態1においては、このような乾燥過程におけるシリコンスラッジ11の性状変化に対応してシリコンスラッジ11を効率的に攪拌、加熱乾燥し、均質に酸化された酸化シリコン粒28を生成させるために、電動機24に対するインバータ制御により、電動機24の回転数が、炉内温度と時間に対応した回転数に制御されている。すなわち、図5に示す制御例では、時間の経過ないしは炉内温度の上昇とともに電動機24(パドル23)の回転数を上げることで、シリコンスラッジ11における含水量の低下により解れ易くなったシリコンスラッジ11を効果的に攪拌し、その乾燥を促進するよう制御されている。そして、乾燥過程の最終段階(図5に示す制御例では60分経過後)においては、パドル回転数が250〜300rpmに制御され、炉内温度が350℃に維持される。
この最終段階におけるパドル回転数と炉内温度は、そこに至る以前の温度上昇の速度等により若干調整する必要のある場合もあるが、それぞれ概ね200〜500rpm、300〜400℃の範囲に制御されるのが好適である。パドル回転数が200rpm未満であると、金属シリコン粒11aの酸化が促進されず、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒28が得られない。同様に、炉内温度が300℃未満であると、金属シリコン粒11aの酸化が進まず、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒28が得られない。また、パドル回転数が500rpmを越える、または、炉内温度が400℃を越えると、そのような回転数や炉内温度に耐え得る乾燥機20とする必要があり、設備の製造コストが高くなる。これらの条件は、個々のケースに応じて実験的検証により設定されるのがよい。
このように、乾燥の最終段階において、シリコンスラッジ11が高温に維持され、高速でパドル23が回転されるため、シリコンスラッジ11中の塊状の固形分(金属シリコン粒11aなど)が効果的により小さく分断され、さらに、シリコンスラッジ11の含水量が急速に低下させられることにより、金属シリコン粒11aの酸化が促進され、内部まで均質に酸化された酸化シリコン粒28を生成することができる。
さらに、この最終段階において、さらにシリコンスラッジ11の含水量が所定値(約10%)以下となった後は、パドル23の回転数をそれ以前より上昇させるように制御している。図5に例示されるところの電動機24(パドル回転数)のインバータ制御においては、炉内温度が350℃に達した後、時間の経過とともにシリコンスラッジ11中の含水量が低下してくるが、含水量が20%になるのを一つの基準として、それ以降(120分経過後)は炉内温度を350℃で維持しつつ、パドル回転数を250rpmから300rpmに上昇させている。このような制御により、分散剤等が除去されずに、大量に水分を含有するシリコンスラッジ11であっても、乾燥過程におけるシリコンスラッジ11の性状変化に対応して電動機24(パドル23)の回転数を制御して、シリコンスラッジ11を効率的に攪拌、乾燥することにより、均質に酸化された酸化シリコン粒28を生成させることができる。
また、上記のように構成された乾燥機20は、パドル23の回転により、シリコンスラッジ11を円環状部材23cおよび攪拌部材23dで円周方向に掻き上げて攪拌するだけでなく、パドル23の往復動により軸方向に掻き上げて攪拌する。乾燥の最終段階でパドル23を300rpmで回転させると、このパドル23は上記のパドル移動範囲Sの間を1分間に85〜100往復することになる。このように、乾燥機20によってシリコンスラッジ11を高速で効率よく攪拌することができ、金属シリコン粒11aの均質な酸化を加速することができる。
このように、シリコンスラッジ11の含水量が約10%以下となった後、パドル23がより高速で回転され、往復動されるため、シリコンスラッジ11中の塊状の固形分がパドル23によりより高速で掻き上げられ、攪拌され、さらには筒状容器21の周壁21aやパドル23の攪拌部材23dに接触して効果的により小さく分断されることにより、金属シリコン粒11aの酸化が促進され、内部までより均質に酸化された酸化シリコン粒28を生成することができる。
さらに、本実施の形態1では、シリコンスラッジ11をスラッジ貯留タンク10に貯留する間に、金属シリコン粒11aとシリコンスラッジ11中の水分との反応により発生する水素ガス14を回収して貯留する水素貯留タンク40と、水素貯留タンク10から供給される水素ガス14を用いて発電する水素発電システム(水素燃焼タービン発電機50)とを備えている。
Siスラッジ貯留タンク10に貯留されたシリコンスラッジ11は、貯留されたままの状態で、次の(1)式に示す反応によって、シリコンスラッジ11中に含まれる水分が金属シリコン粒11a(シリコンウエハ86の被削粒子)と反応して、水素ガス14を発生する。なお、(1)式中のH2 SO4は、分散剤としてスラリー87中に添加されたものであり、このH2 SO4の存在が(1)式の反応を助長している。
Si + 2H2 O + H2 SO4 → SiO2 +2H2 + H2 SO4 (1)
本実施の形態1では、このような貯留された状態でシリコンスラッジ11中の金属シリコン粒11aと水分との反応により発生する水素ガス14が水素貯留タンク40に貯留され、この水素貯留タンク40に貯留された水素ガス14を用いて電気エネルギーに変換(発電)する水素発電システムとして、水素燃焼タービン発電機50を用い、この水素発電システムにより発電された交流電力が乾燥機20の回転軸22を回転駆動する電動機24に供給され、その補助電力として使用されている。
水素燃焼タービン発電機50は、燃焼器と、タービンと、発電機とを備えて構成され、水素貯留タンク40に貯留された水素ガス14が、水素燃焼タービンの燃焼器に供給され、燃焼器内で燃焼されて作動流体ガスとしてタービンに供給されて、タービンを回転させ、このタービンの回転軸に連結する発電機により発電するものである。
本発明において、水素燃焼タービン発電機50などからなる水素発電システムは、必ずしも必要ではないが、この水素発電システムを備えることにより、スラッジ貯留タンク10でシリコンスラッジ11を貯留している間に水素ガスが発生し、そのまま放置すれば危険であるところを、水素発電システムにより発電に有効に利用され、その電力で乾燥機20の回転軸22を回転する電動機24に供給される電力の一部を賄うことができるため、省エネルギー化に寄与するとともに、生成される酸化シリコン粒28の製造コストを低減することができる。
また、水素ガスが燃焼するときの火炎は、外炎の部分で温度が高く、しかも、外炎の広がりが少ないことから、熱変換効率が高く、したがって、水素燃焼タービン発電機50を用いた水素発電システムはエネルギー変換効率が高く、これにより水素貯留タンク40に貯留された水素ガスが有効に利用されることになる。なお、水素燃焼タービン発電機50の燃焼器およびタービンで発生した廃熱を、乾燥機による乾燥前の工程でシリコンスラッジを予熱するために利用されてもよく、その場合、より熱的資源の有効利用が図られることになる。
(実施の形態2)
次に、水素発電システムとして固体高分子電解質型燃料電池を用いる、実施の形態2に係る酸化シリコン粒製造方法について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法の概要を説明するための全体構成図である。なお、上記の実施の形態1と同一部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
この実施の形態2に係る酸化シリコン粒生成システム100Bは、図6に示すように、上記の実施の形態1の場合と同様、Siスラッジ貯留タンク10と、乾燥機20と、燃焼ガス貯留ボンベ30と、水素貯留タンク40とを備え、水素燃焼タービン発電機60に代えて、水素貯留タンクに貯留された水素ガスを燃料として発電する固体高分子電解質型燃料電池60と、発電された直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換器70(コンバータ)とを備えて構成される。この実施の形態2において用いられる固体高分子電解質型燃料電池60と直流−交流変換器70とで構成される水素発電システムにより発電された電力は、実施の形態1の場合と同様、乾燥機20のバレルを回転駆動する電動機に供給され、付加されて、その補助電力として使用される。
固体高分子電解質型燃料電池60は、イオン伝導性を有する固体高分子膜を挟んで両側に燃料極(アノード極)と空気極(カソード極)とが配置され、さらにその両側にセパレータとが配置されてなる積層体(セル)を数多く積み重ねて構成される燃料電池本体(スタック)を備えて構成されている。燃料電池本体は、水素貯留タンク40に貯留された水素ガスが燃料極に供給され、燃料極表面の触媒の作用で水素イオンとに電子に分解されるとともに、この水素イオンが、固体高分子膜を通過して空気極に達し、空気極に導入される空気中の酸素と電子と、空気極表面の触媒の作用で結合して水を生成しつつ、燃料極で生成された電子が外部回路を介して燃料極から空気極に移動することで直流電力を発生させるものである。
直流−交流変換器70は、固体高分子電解質型燃料電池60で発電された直流電力を所定のAC200Vの交流電力に変換するものであり、公知の変換器(コンバータ)が適用可能である。
固体高分子電解質型燃料電池60と直流−交流変換器70とで構成される水素発電システムはエネルギー変換効率が高く、これにより水素貯留タンク40に貯留された水素ガスが有効に利用されて発電され、その電力で乾燥機20のパドル回転軸を回転する電動機に供給される電力の一部を賄うことができ、省エネルギー化に寄与し、さらに、酸化シリコン28の製造コストを低減することができる。
(実施の形態における変形例)
最後に、上記の実施の形態1および2に示した態様の一部を変更して、同様の効果を得ることができる実施形態の変形例について、いくつか説明する。
上記の実施の形態1および2では、パドル螺合円環部材23aの内周面に形成された螺合突条部を回転軸22の外周面に形成された螺合溝22aを係合させることによってと、パドル23を回転軸22に螺合させて、回転軸22の回転に伴い、パドル23を軸方向に移動させる機構を構成したが、これに限定されることなく、他の機構を用いて同様に、パドル23を軸方向に移動させるようにしてもよい。例えば、回転軸22の外周面に形成された螺合溝22aに対応する形状の螺合溝部を螺合円環部材23aの内周面にも形成し、これらの螺合溝部同士が対向する間に球状のボールまたは円柱状のコロを嵌めこみ、これによりパドル23を回転軸22に螺合させてもよい。
また、上記の実施の形態1および2では、パドル23を、螺合円環部材23aと、支持部材23bと、円管状部材23cと、攪拌部材23dと、連結部材23eとを用いて構成したが、これに代えて、乾燥炉20の側壁20cと隔壁20dとの間に2本の回転軸を平行に配置し、それぞれの回転軸の外周面上に、半径方向の外方に向けて突出した鍔部を、互いに異なる方向に内容物(シリコンスラッジ)を移送しながら攪拌する螺旋状(スクリュー状)に形成してもよい。その他、シリコンスラッジを往復動もさせながら攪拌するパドルであれば、どのような形式のものでもよく、シリコンスラッジを一方向に移動させながら攪拌する機構と、移動し終えたシリコンスラッジを攪拌機構の上流側に移送する機構とを別々に設けた形式のものであってもよい。ただし、上記の実施の形態1において例示した乾燥機のパドルによるシリコンスラッジの攪拌・往復動機構が、金属シリコン粒11aの酸化を促進させる上で最も効果的であり、本発明の酸化シリコン粒製造方法において最も好適であると考えられる。
上記の実施の形態1および2では、炉内を循環して冷えた空気は、筒状容器21のスラッジ排気口21gから、その下流側に配置されたサイクロン式集塵機により排気配管を介して外部に排出されることとしたが、この冷えたとはいえ十分に暖かい空気を、吸気口21hから筒状容器21内に送り込み、循環させることにより、廃熱を出さずに熱利用効率を向上させることができ、その分、加熱に使用するLPガスを節約することができる。
上記の実施の形態1および2では、水素発電システムとして、水素燃焼タービン発電機50を用いたシステムと固体高分子電解質型燃料電池60を用いたシステムについて例示したが、これらに限定されず、その他の水素ガスを燃料ガスとする燃料電池や水素エンジンなどを用いる多種多様なシステムが利用可能である。
また、水素発電システムで発電された交流電力を商用の交流電力に重畳させて回転軸23を回転駆動する電動機24に供給する例を示したが、これに限定されることなく、電源制御盤25に電源切換部25aを備え、水素発電システムで発電された交流電力を優先的に使用し、この水素発電システムに使用される水素ガスがなくなった時点で、商用の交流電力に切り換えて電動機24を運転することとしてもよい。
本発明の実施の形態1に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法の概要を説明するための全体構成図である。 本発明の実施の形態1に係る酸化シリコン粒製造方法の前段階において、シリコンスラッジが排出されるシリコンウエハの研磨加工装置の構成と動作を模式的に示す概念図である。 本発明の実施の形態1に係る酸化シリコン粒製造方法において、シリコンスラッジの乾燥に用いられる乾燥機の構造を説明するための一部を切り欠いて示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る酸化シリコン粒製造方法において、シリコンスラッジの乾燥に用いられる乾燥機の構造を説明するための一部を切り欠いて示す断面図である。 本発明の実施の形態1に係る酸化シリコン粒製造方法における乾燥機のパドル回転数と炉内温度の制御例を示すダイヤグラムである。 本発明の実施の形態2に係るシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法の概要を説明するための全体構成図である。 従来のシリコンスラッジから高純度シリコン粒を回収する再生方法の概要を説明するための全体構成図である。
符号の説明
100A,100B 酸化シリコン粒生成システム
10 Siスラッジ貯留タンク
11 シリコンスラッジ
14 水素ガス
20 乾燥機
21 筒状容器
21a 周壁
22 回転軸
23 パドル
24 電動機
26 バーナー
28 酸化シリコン粒
40 水素貯留タンク
50 水素燃焼タービン発電機
60 高分子固体電解質型燃料電池
70 直流−交流変換器

Claims (7)

  1. 砥粒と分散剤からなるスラリーに金属シリコン粒を含有したシリコンスラッジを貯留するスラッジ貯留タンクと、
    前記スラッジ貯留タンクから前記シリコンスラッジを筒状容器からなる炉内に導入し、該シリコンスラッジを攪拌しながら加熱乾燥する乾燥機と、を備え、
    前記シリコンスラッジを、前記乾燥機の炉内に分散剤を除去せずに導入し、攪拌時の回転数を加熱温度に応じて制御することにより、前記シリコンスラッジに含まれる前記金属シリコン粒を酸化させて酸化シリコン粒を生成することを特徴とするシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  2. 前記乾燥機が、前記筒状容器内で、回転することによりシリコンスラッジを掻き上げ、攪拌するパドルを備え、前記筒状容器の側壁側に配されたバーナーからの加熱と、加熱された前記筒状容器の周壁内面と前記パドルの回転軸の外周面からの伝熱により、前記シリコンスラッジが加熱乾燥され、さらに前記パドルにより掻き上げられ、攪拌されることにより酸化されることを特徴とする請求項1に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  3. 前記パドルの回転数がインバータ制御され、乾燥の最終段階において、前記パドルの回転数が200〜500rmpに制御され、かつ、前記筒状容器内の温度が300℃〜400℃の範囲に維持されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  4. 前記乾燥機で乾燥される前記シリコンスラッジの含水量が所定値以下となった後に、前記パドルの回転数がそれ以前より上昇するよう制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  5. さらに、前記シリコンスラッジを前記スラッジ貯留タンクに貯留する間に、前記金属シリコン粒と前記シリコンスラッジ中の水分との反応により発生する水素ガスを回収して貯留する水素貯留タンクと、
    前記水素貯留タンクから供給される水素ガスを用いて発電する水素発電システムと、を備え、
    前記水素発電システムで発電される電力が、前記乾燥機の前記パドルを回転させる電動機の補助電力として供されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  6. 前記水素発電システムが、水素燃焼タービン発電機で構成され、前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが、前記水素燃焼タービンの燃焼器に供給され、燃焼器内で燃焼されて作動流体ガスとしてタービンに供給されてタービン翼を回転させ、このタービンの回転軸に連結する発電機により発電することを特徴とする請求項5に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
  7. 前記水素発電システムが、固体高分子電解質型燃料電池と直流−交流変換器とで構成され、前記水素貯留タンクに貯留された水素ガスが、前記固体高分子電解質型燃料電池の燃料極に供給され、空気極との間の電気化学的反応により発電された直流電力を、前記直流−交流変換器で交流電力に変換することを特徴とする請求項5に記載のシリコンスラッジからの酸化シリコン粒製造方法。
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