JP2008162622A - 金属製ボトル缶及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミニウム製の飲料用ボトル缶において、キャップの再栓時に、再栓途上の未だ不完全封止状態の段階でキャップの回転トルクが異常に急増することにより、封止されたものと勘違いを起こす再封止過誤の発生を防止する。
【解決手段】口金部12における雄ねじ部13のねじ山13aのクレストと、カール部14の外周面との間の距離Aの周方向におけるバラツキを0.20mm以下に規制する。また、このようなボトル缶の製造方法において、雄ねじ部13の成形加工前のねじ部成形用筒状部113の外径を、ねじ谷から、ねじ山高さの60〜80%の範囲の位置を通る円の直径に設定してねじ部の成形加工を行う。
【選択図】 図8
【解決手段】口金部12における雄ねじ部13のねじ山13aのクレストと、カール部14の外周面との間の距離Aの周方向におけるバラツキを0.20mm以下に規制する。また、このようなボトル缶の製造方法において、雄ねじ部13の成形加工前のねじ部成形用筒状部113の外径を、ねじ谷から、ねじ山高さの60〜80%の範囲の位置を通る円の直径に設定してねじ部の成形加工を行う。
【選択図】 図8
Description
この発明は、主として飲料用容器に用いられる金属製ボトル缶、特にアルミニウム又はその合金によるボトル缶の再栓封止特性の改良技術に関する。
この種のボトル缶は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属板を成形素材として、絞り加工及びしごき加工を施すことで有底円筒状の缶本体用中間成形体を成形したのち、その開口側上端部にネッキング加工によって縮径された口金部が形成される。次いで、この口金部に、キャップ装着用の雄ねじ部が形成されると共に、上端の開口端部にカール成形加工によって外方に折返された中空状のカール部が形成される。
そして、上記により得られたボトル缶の本体内に所定の飲料等の内容物が充填されたのち、カップ状のキャップ材が被せられ、前記口金部の雄ねじ部に沿って雌ねじ部が形成されることにより封止され、キャップ付きボトル缶として市場に供される。
ところで、この種のボトル缶は、キャップをねじ回して開栓したのち、内容物の一部を残して再栓されることが多い。
ところが、従来のボトル缶にあっては、この再栓時のリシール特性、即ち再封止特性にいささか難点があるものが多く含まれるという問題点があった。
リシール特性は、理想的には、キャップを被せたのち、完全再封止状態の直前に至るまでは当該キャップを比較的小さい回転トルクで軽快に回転させることができ、キャップの天面の内周縁部に装着されているシール用のライニング材の下面に口金部の上端のカール部が当接し始めてから、漸増的に回転トルクが増大し、これが最大トルクに至ることで取扱者が完全封止状態に至ったことを手応えで感知しうるものであることが望まれる。ところが、上記リシール特性に難点のあるボトル缶の場合にあっては、リシール操作の途上、即ち、完全封止状態に至るまでの相当手前の段階でキャップの回転トルクが一時的に急増する。このために、取扱者は上記回転トルクの増大時点で完全封止状態に至ったものと勘違いを起こし、不完全な再封止状態のまま携行し、あるいは横倒し状態にすることで内容物の漏洩を招くことがある。
従来、金属製ボトル缶の再栓時のキャップの回転操作性の改善技術に関しては、下記特許文献1、2に示されるようなものが提案されている。
しかしながら、下記特許文献1、2に示される提案技術は、いずれも再栓時のキャップの初期回転特性の改善をはかることを課題とするものである。即ち、キャップの雌ねじ部のねじ終わり部がボトル缶本体側の口金部の雄ねじ部のねじ始まり部に螺合しはじめる段階での、キャップの回わし始めの時点またはその近傍時点でのキャップの回転トルクの急増または引掛かりによるキャップの被嵌阻害を防止しようとするものであり、前述したようなリシール特性、つまり再栓時のキャップの回転途上の段階、とくに完全封止状態に至る相当手前の段階でのキャップの一時的な回転トルクの増大に対処するための技術を開示しているものではない。
特開2004−90967号公報
特開2004−155487号公報
而して、本願発明は、再栓時におけるキャップの回転途上段階における急激な回転トルクの増大の問題を解消し、良好なリシール操作特性を有する金属製ボトル缶を提供すること、そしてまた、そのようなボトル缶を従来汎用されている成形設備の大幅な設計的改変を要することなく簡易かつ確実に製造しうる製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者らは、先ず再栓時のキャップの回転途上の中間段階での回転トルクの急激な増大原因について鋭意調査研究をすすめた。
然るところ、上記の回転トルクの急増は、多くの場合、図2に示すように、閉栓の手前約130°の近傍の位置(P1)で、最大のトルク値を示すことが判明した。図2において、横軸は、キャップの閉栓位置を0度に設定して、その手前方向へのキャップの回転角度を示すものである。縦軸は、上記回転角度の変化に対する該キャップの回転トルク値をあらわしたものである。図2に示す領域(R)のトルク値は、ライナー抵抗値と称されるものであり、ボトル缶本体(10)の口金部(12)の上端のカール部(14)が、キャップ(20)の天板部の内面周縁部に装着されたシール用のライニング材(21)の下面に接触し始めてから、閉栓位置の手前30°の位置に至るまでの回転トルク値である。このライナー抵抗値は、仮想曲線(M)に示すようにキャップ(20)の回転が進むに従って漸増し、閉栓位置の手前30°の位置(P2)で最大値を示すものであることが望まれる。一方、ライナー抵抗値の領域(R)より手前方向の角度領域(Q)におけるトルク値は、ねじ部抵抗値と呼ばれるものであり、主としてボトル缶本体(10)側の雄ねじ部(13)とキャップ(20)の雌ねじ部(22)との接触による摩擦抵抗に基づく回転トルク値である。この領域(Q)の回転トルクは、全体として漸増傾向を示しつつ、比較的小さい値で軽快にキャップ(20)を回転させ得るものであることが好ましい。
前記の閉栓130°手前位置(P1)近傍での回転トルクの急増は、ライナー抵抗値の領域(R)の初期段階で生じているものである。このことから、本発明者らは、更にその原因を究明すべく多くの実験と研究を繰返した。
その結果、上記回転トルクの急激な増大は、キャップ(20)のライニング(21)に対するボトル本体(10)の口金部(12)の片当たり現象の発生にその主因があることを突き止め得た。即ち、図3に示すように、キャップ(20)の再栓時の回転の進行によって、やがてそのシール用ライニング材(21)にボトル缶本体(10)側の上端のカール部(14)が接触するが、このとき、周方向の大半の部分では、図3の(イ)に示すように、ライニング材(21)の外周縁の斜め外方に傾斜した垂下縁部(21a)の内周面側にカール部(14)が接触しはじめるのに対し、周方向の一部では、同図3の(ロ)に示すように、上記垂下縁部(21a)の下面側の内周縁部に突き当たり、これがキャップ(20)の相対的下降移動に大きな抵抗を与えて、結果的に、閉栓の手前段階、即ちライナー抵抗値の領域(R)の初期段階で急激なキャップ(20)の回転トルクの増大を招来してるものであることが判明した。なお、図3の(21b)はライニング材(21)の本体部、(21c)はその内周縁の垂下縁部を示す。
このような原因解明に基づき、上記片当りの発生を防止するための具体的な技術手段について、試行錯誤を繰返しつつ研究をすすめたところ、上記片当りの原因は、カール部(14)の真円度とかその外径の大きさ等の要因によるものではなく、図4に示すように、口金部(12)の雄ねじ部(13)のねじ山(13a)のクレスト(山頂)と、カール部(14)の外周面との間の距離(A)の、周方向におけるバラツキ、即ち、上記距離(A)の最大値と最小値の差に主因があることを知り得るに至った。実際に、多数のサンプルによる実験の結果、上記距離(A)のバラツキの大きいものほど、閉栓手前約120°近傍領域でのキャップの回転トルクに顕著な増大傾向を示すことを確認し得た。
そこで、本発明の1つは、上記知見に基づき、キャップの再栓時に封止過誤を生じないレベルにキャップの再栓操作途上での回転トルクの急激な増大を抑制しうる上記距離(A)のバラツキの許容範囲を見出すことにより完成し得たものである。
具体的には、本発明の1つは、上記距離(A)のバラツキの範囲を0.20mm以下に規制することを要旨とするものである。このバラツキの範囲は、好ましくは0.10mm以下である。
次に、距離(A)のバラツキを上記の規定値0.20mm以下に確実に規制するためのボトル缶の製造方法について説明する。
この種のボトル缶(1)の口金部(12)の雄ねじ部(13)のねじ巻き数は、開栓および再栓時の適正なキャップの回転数の確保と閉栓時の密封性の担保との関係から、有効ねじ巻数が2.2巻き、2.5巻き等の、2巻きを超え、3巻き未満に設定されることが多い。ここに有効ねじ巻き数とは、ねじ切り始めの点とねじ山が規定高さに達する点(完全ねじの始点)との間の中点から、ねじ山が規定高さを有する完全ねじ部の領域を経て、ねじ山が規定高さより小さくなり始める点(完全ねじの終点)とねじ切り終わりの点との間の中点まで、の領域の巻数を意味するものとする。
ところで、ねじ巻数を種々異にする多種多数のボトル缶について調べたところ、上記距離(A)のバラツキは、ねじ巻き数が2.2巻きのように2巻きを超えるボトル缶の場合に大きな値を示す傾向がみられる。
そこで、この原因について追求したところ、次のようなことが判明した。
雄ねじ部(13)のねじ巻き数が例えば2.2巻きである場合、図5(イ)に示すように雄ねじ部(13)の周方向において、缶軸方向にねじ山(13a)が3列に存在する部分と、同図(ロ)に示すように2列に存在する部分とが生じる。
一方、雄ねじ部(13)の成形加工は、図6に示すように、雄ねじ部の成形加工前のねじ部成形用筒状部(113)に対して、その内側に内ゴマ(2)を挿入配置し、これと対向させて外側に外ゴマ(3)を配置し、これらの内外両コマ(2)(3)の間に上記筒状部(113)を所定のニップ圧で挟み込みながら、筒状部(113)を両コマ(2)(3)に対し軸線中心に相対回転させることによって雄ねじ部(13)が成形される。従って、雄ねじ部(13)のねじ山(13a)は内ゴマ(2)によって外方に張り出し成形され、ねじ谷(13b)は外ゴマ(3)によって内方に張り出し成形される。
このような雄ねじ部(13)の成形加工において、従来の一般的な技法では、ねじ部成形加工時の内外方への張り出し量を均等化して、効率良く厚みの均整なねじ部を形成するために、ねじ部成形用筒状部(113)の外径(L)(図7参照)を、ねじ成形後のねじ山(13a)の高さ(H)の中央位置ないし該中央位置より内方の位置を通る円周線上の直径に設定していた。即ち、図8にやや誇張して示すように、上記ねじ部成形用筒状部(113)の周壁(113A)をねじ山高さ(H)の1/2位置ないしそれより内方寄りの位置に設定していた。
ところが、この場合、ねじ成形加工時において、前記のようにねじ山(13a)が3列存在する部分と、ねじ山(13a)が2列しか存在しない部分とでは内外両コマ(2)(3)による成形負荷が異なるため、概して3列部分のねじ山高さ(H)が2列部分より低くなる傾向を示す。この結果、雄ねじ部(13)成形後の口金部(12)において、ねじ山の外周円が口金部(12)の軸線に対して僅かに芯ずれを起こした非真円状態のものとなり、ひいては、前記のように、口金部(12)の周方向において、ねじ山(13a)のクレストと上端のカール部(14)の外周面との間の距離(A)に差異を有するものとなる。即ち、上記距離(A)にバラツキを有するものとなる。
そこで、本発明のもう1つは、このような現象を回避するためのボトル缶の製造方法を探求し、最も簡易な製造方法を見出し得たものである。
而して、本発明は、前記雄ねじ部(13)の成形加工前の前記口金部のねじ部成形用筒状部(113)の外径(L)を、ねじ成形加工後の雄ねじ部(13)のねじ山高さ(H)の中央位置より外側の位置を通る円の直径に設定し、ねじ成形加工時において、ねじ山(13a)の成形張出し量をねじ谷(13b)の成形張出し量より小とする態様で前記雄ねじ部の成形加工を行うことを特徴とするものである。
端的には、図8に示すように、ねじ部成形加工前のねじ部成形用筒状部(113)の周壁(113B)の位置を、従来の周壁(113A)の位置より僅かに半径方向の外側へ変位させ、これにより、ねじ山(13a)の成形負荷をねじ谷(13b)の成形負荷より相対的に小さいものとして、ねじ山(13a)の高さを周方向に均一化させるようにし、前記距離(A)のバラツキを減少したものである。
前記ねじ部成形用筒状部(113)の外径(L)は、好ましくは、ねじ谷(13b)からねじ山高さ(H)の60〜80%の範囲の位置を通る円の直径に設定することが推奨される。この値の好ましい範囲は65〜75%である。
また、この種のボトル缶(1)の雄ねじ部(13)のねじ山高さは、一般的に0.6〜1.0mmの範囲に設定されるのが通例であり、0.8mmに設定されることが多い。このねじ山高さとの関係で上記位置を具体的な数値で示せば、上記60〜80%の範囲の位置は、ねじ山高さが0.6〜1.0mmである場合、ねじ谷から0.36〜0.80mmの範囲の位置であり、ねじ山高さが0.8mmの場合、ねじ谷から0.48〜0.64mmの範囲の位置である。
以上の説明から既に概ね理解されるように、本発明は、前記課題の解決手段として、下記の手段を提示するものである。
[1] ボトル缶本体の口金部に雄ねじ部が形成され、該口金部の上端の開口端部に外向きのカール部が形成されたボトル缶において、
前記雄ねじ部のねじ山のクレスト(山頂)と前記カール部の外周面との間の距離の、口金部の周方向における最大値と最小値との差異が0.20mm以下の範囲に規制されていることを特徴とする金属製ボトル缶。
前記雄ねじ部のねじ山のクレスト(山頂)と前記カール部の外周面との間の距離の、口金部の周方向における最大値と最小値との差異が0.20mm以下の範囲に規制されていることを特徴とする金属製ボトル缶。
[2] 前記雄ねじ部の有効ねじ巻き数が、2巻を超え、3巻未満である前項[1]に記載の金属製ボトル缶。
[3] ボトル缶本体の口金部に雄ねじ部が形成され、該口金部の上端の開口端部に外向きのカール部が形成されたボトル缶の製造方法において、
前記雄ねじ部の成形加工前の前記口金部のねじ部成形用筒状部の外径を、ねじ成形加工後の雄ねじ部のねじ山高さの中央位置より外側の位置を通る円の直径に設定し、ねじ成形加工時において、ねじ山の成形張出し量をねじ谷の成形張出し量より小とする態様で前記雄ねじ部の成形加工を行うことを特徴とする金属製ボトル缶の製造方法。
前記雄ねじ部の成形加工前の前記口金部のねじ部成形用筒状部の外径を、ねじ成形加工後の雄ねじ部のねじ山高さの中央位置より外側の位置を通る円の直径に設定し、ねじ成形加工時において、ねじ山の成形張出し量をねじ谷の成形張出し量より小とする態様で前記雄ねじ部の成形加工を行うことを特徴とする金属製ボトル缶の製造方法。
[4] 前記ねじ部成形用筒状部の外径を、ねじ谷から、ねじ山高さの60〜80%の範囲の位置を通る円の直径に設定する前項[3]に記載の金属製ボトル缶の製造方法。
[5] 前記雄ねじ部の有効ねじ巻数を、2巻を超え、3巻未満に設定する前項[3]〜[4]のいずれか1項に記載の金属製ボトル缶の製造方法。
前記発明[1]によれば、ボトル缶の再栓時において、キャップの回転途上の段階での回転トルクの急激な異常増大による閉栓過誤を生じることのない、リシール特性に優れた金属製ボトル缶を提供しうる。
前記発明[2]によれば、最も頻度高く閉栓過誤を生じ易いねじ巻き数のボトル缶についても、確実に閉栓過誤を生じるおそれのないものとなしうる。
前記発明[3]によれば、発明[1][2]に係るリシール特性に優れたボトル缶を、既存の製造設備、とくに口金部の成形加工設備の大幅な変更を要することなく、単に、雄ねじ部成形加工前のねじ部成形用円筒状部の外径を従来より僅かに大きく設定するという極めて僅かな改変により、確実に製造することができる。
前記発明[4]によれば、上記発明[3]の効果をより一層確実に達成しうる。
前記発明[5]によれば、前記発明[2]の効果を奏するボトル缶を容易に製造しうる。
次に、本発明の好適な実施形態とその効果を、各種実験例に基づき、対照例との対比において示す。
<実験例1>
JIS3004−H19材からなるアルミニウム圧延板を缶素材とし、従来の常法に従った絞り加工、しごき加工、ネッキング加工、雄ねじ部の成形加工、カール部成形加工を施して、下記の設計仕様によるボトル缶本体(10)を製造した。
JIS3004−H19材からなるアルミニウム圧延板を缶素材とし、従来の常法に従った絞り加工、しごき加工、ネッキング加工、雄ねじ部の成形加工、カール部成形加工を施して、下記の設計仕様によるボトル缶本体(10)を製造した。
ここに、雄ねじ部成形加工前の口金部(12)のねじ部成形用筒状部(113)の外径は、後記実験例2に示すところにより、各種に変化させて雄ねじ部(13)の成形加工を行うものとした。
缶高さ: 133mm
缶胴部外径: 66mm
雄ねじ部のねじ山外径: 38mm
雄ねじ部の有効ねじ巻き数: 2.2巻き
雄ねじ部のねじ山高さ: 0.80mm
雄ねじ部のねじピッチ: 8山/インチ
カール部外径: 33.4mm
缶胴部外径: 66mm
雄ねじ部のねじ山外径: 38mm
雄ねじ部の有効ねじ巻き数: 2.2巻き
雄ねじ部のねじ山高さ: 0.80mm
雄ねじ部のねじピッチ: 8山/インチ
カール部外径: 33.4mm
上記により得られた多数のボトル缶本体(10)について、その口金部(12)の雄ねじ部(13)のねじ山(13a)のクレストと、カール部(14)の外周面との間の距離(A)を周方向の全域に亘って測定した。
そして、周方向における上記距離(A)の最大値と最小値との差をバラツキ値として求め、このバラツキ値の大小により、後記表1に示すI〜VIの6つのサンプル群にそれぞれ10個ずつ仕分けして準備した。
次に、上記各サンプル群のボトル缶本体(10)につき、その口金部(12)にカップ状に絞り成形したキャップ材を被嵌し、キャッピング装置により該キャップ材の周壁にボトル缶本体(10)の雄ねじ部(13)に沿った雌ねじ部(22)を形成して密封した。
その後、一旦、上記により被着したキャップ(20)を取り外し方向に回して開栓したのち、当該キャップ(20)を再び口金部(12)に装着して再栓するものとした。
このとき、再栓時におけるキャップ(20)の回転トルクの変化をキャップの回転角度との関係において逐次測定し、キャップの完全封止位置を0度としたときの手前方向30度の位置のトルク値と、130度±10度(120〜140度)の領域内での最大トルク値とを、前記I〜VI群のサンプルにつき各10個の平均値として求めた。
その結果を表1に示す。
上記表1に示すように、距離(A)のバラツキが小さいほど、再栓時における閉栓途上の手前130度近傍領域でのキャップ(20)の回転トルクが小さい値を示す傾向があることが分かる。そして、このバラツキ値が0.20mm以下である場合には、閉栓位置の手前30度の位置に至る時点まで、即ちカール部(14)がキャップ(20)のライニング材(21)の天面部下面に当接するに至る時点まで、当該時点でのトルク値を超えるような大きなトルク値を示さないことを確認し得た。従って、上記バラツキ値が0.20mm以下であれば、上記手前120度近傍領域での急激なトルクの増大を生じることがなく、ひいては再栓途上で取り扱い者が閉栓されたものと勘違いして不完全封止状態のままボトルを携行し、あるいは横倒し状態にして内容物の不慮の漏洩を招くというような事態の発生を回避しうる。
このような効果は、上記距離(A)のバラツキが、0.10mm以下である場合に、一層確実に享受しうる。
従って、表1の評価欄には、上記のような再栓封止過誤を生じるおそれの有無を判定基準として、そのおそれのない良好なものから順に◎印、○印、×印を示した。
<実験例2>
前記実験例1と略同様の設計仕様(雄ねじ部(13)のねじ山外径:38mm、有効ねじ巻き数:2.2巻き)のボトル缶本体(10)の製造において、口金部(12)のねじ部成形加工前のねじ部成形用筒状部(113)の外径(L)、及びねじ山高さ比を、後掲の表2 に示すように種々異なった値に設定して雄ねじ部(13)の成形加工を行った。次いでカール部(14)の成形加工を行って、表2に示す実施例1〜5および比較例1、2の各ボトル缶本体(10)を得た。
前記実験例1と略同様の設計仕様(雄ねじ部(13)のねじ山外径:38mm、有効ねじ巻き数:2.2巻き)のボトル缶本体(10)の製造において、口金部(12)のねじ部成形加工前のねじ部成形用筒状部(113)の外径(L)、及びねじ山高さ比を、後掲の表2 に示すように種々異なった値に設定して雄ねじ部(13)の成形加工を行った。次いでカール部(14)の成形加工を行って、表2に示す実施例1〜5および比較例1、2の各ボトル缶本体(10)を得た。
そして、各ボトル缶本体毎に、そのねじ部成形加工前のねじ部成形用筒状部(113)の外径円が通る位置のねじ山高さ(H)に対するねじ谷(13b)からの距離の比(ねじ山高さ比)を求めた。
また、雄ねじ部(13)の成形加工後の各ボトル缶本体(10)について、その口金部(12)の雄ねじ部(13)のねじ山(13a)のクレストとカール部(14)の外周面との間の距離(A)を周方向の全域に亘って測定し、その周方向の距離(A)のバラツキ(最大値と最小値との差)を求めた。
その結果を表2に併記する。
表2において、実施例1〜5は、ねじ山高さ比を62%〜80%の範囲で変化させたものである。この場合、ねじ山高さ比が本発明の規定値範囲内であることにより、いずれも距離(A)のバラツキを0.20mm以下の範囲に制御しうるものであることが分かる。
また、比較例1及び2は、ねじ山高さ比を50%と90%とに変化させたものである。
この対比により、ねじ山高さ比が本発明の規定値より小さい場合において、距離(A)のバラツキが0.20mmを超えるものとなることが分かり、又、ねじ山高さ比が本発明の規定値より大きい場合においては、安定したねじ谷の成形ができなかった。
距離(A)のバラツキが0.20mm以下である場合に、キャップ(20)の再栓時に封止過誤を生じるおそれのないものとなしうることは、前記実験例1で確認した通りである。従って、表2の評価欄には、上記バラツキが0.20mm以下であるサンプル群(実施例1〜5)につき、封止過誤を生じるおそれのない良好なものから順に◎印、○印を、また0.20mmを超えるサンプル(比較例1)及び成形不良のサンプル(比較例2)につき×印を示した。
1…金属製ボトル缶
10…ボトル本体
12…口金部
13…雄ねじ部
13a…ねじ山
13b…ねじ谷
14…カール部
20…キャップ
21…ライニング材
21a…ライニング材の垂下部
113…ねじ部成形用筒状部
10…ボトル本体
12…口金部
13…雄ねじ部
13a…ねじ山
13b…ねじ谷
14…カール部
20…キャップ
21…ライニング材
21a…ライニング材の垂下部
113…ねじ部成形用筒状部
Claims (5)
- ボトル缶本体の口金部に雄ねじ部が形成され、該口金部の上端の開口端部に外向きのカール部が形成されたボトル缶において、
前記雄ねじ部のねじ山のクレスト(山頂)と前記カール部の外周面との間の距離の、口金部の周方向における最大値と最小値との差が0.20mm以下の範囲に規制されていることを特徴とする金属製ボトル缶。 - 前記雄ねじ部の有効ねじ巻き数が、2巻を超え、3巻未満である請求項1に記載の金属製ボトル缶。
- ボトル缶本体の口金部に雄ねじ部が形成され、該口金部の上端の開口端部に外向きのカール部が形成されたボトル缶の製造方法において、
前記雄ねじ部の成形加工前の前記口金部のねじ部成形用筒状部の外径を、ねじ成形加工後の雄ねじ部のねじ山高さの中央位置より外側の位置を通る円の直径に設定し、ねじ成形加工時において、ねじ山の成形張出し量をねじ谷の成形張出し量より小とする態様で前記雄ねじ部の成形加工を行うことを特徴とする金属製ボトル缶の製造方法。 - 前記ねじ部成形用筒状部の外径を、ねじ谷から、ねじ山高さの60〜80%の範囲の位置を通る円の直径に設定する請求項3に記載の金属製ボトル缶の製造方法。
- 前記雄ねじ部の有効ねじ巻数を、2巻を超え、3巻未満に設定する請求項3〜4のいずれか1項に記載の金属製ボトル缶の製造方法。
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JP2006352613A Pending JP2008162622A (ja) | 2006-12-27 | 2006-12-27 | 金属製ボトル缶及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008162622A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017514756A (ja) * | 2014-03-26 | 2017-06-08 | アルダフ エムピー ウエスト フランス | スクリューキャップ型のシール要素を受けることができる首部を含む金属容器 |
JP2018104096A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | ユニバーサル製缶株式会社 | ボトル缶およびキャップ付きボトル缶 |
-
2006
- 2006-12-27 JP JP2006352613A patent/JP2008162622A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017514756A (ja) * | 2014-03-26 | 2017-06-08 | アルダフ エムピー ウエスト フランス | スクリューキャップ型のシール要素を受けることができる首部を含む金属容器 |
JP2018104096A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | ユニバーサル製缶株式会社 | ボトル缶およびキャップ付きボトル缶 |
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