JP4437935B2 - ねじ付缶 - Google Patents
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Description
このようなねじ付缶に装着されるキャップは、ねじ付缶のねじ形成部に螺着される円筒状のスカート部と、このスカート部に連設されキャップ開栓後にねじ付缶側に残存されるタンパーエビデントリングと、を備える。
このようなキャップにおけるスカート部とタンパーエビデントリングとの間には、その周方向に橋絡部が形成されており、キャップ上部を掴んで回転させることによって上記橋絡部が破断され、タンパーエビデントリングがねじ付缶の口頸部に残存されるとともに、キャップ上部がねじ付缶の口頸部から取り外されて開栓される。
タンパーエビデントリングを備えたねじ付缶の製造方法に関連して、例えば、特許文献1には、タンパーエビデントリングを巻締するスカートローラの巻締成形面が、前記タンパーエビデントリングをねじ付缶の顎部係止面の最大外径部の下方位置に圧接させる上部成形面と、顎部係止面の最小外径部の上方位置近傍に圧接させる下部成形面とが連続してなるようにしたキャップシーリング装置により製造されるねじ付缶が記載されている(図5参照)。
特に、特許文献1に記載のねじ付缶では、ねじ付缶のねじ形成部円周上に金属薄板を配置して、その外周側に配置したローラ型治具などで鋏圧することにより金属薄板を巻締加工してキャップをねじ付缶に装着させ、キャップ下部のタンパーエビデントリングとなる部分をねじ付缶に噛み込んだ状態で強固に固定しているので、キャップの開栓が困難となるという問題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、ねじ付缶に装着されたキャップを捻って開栓する際の回転トルクを低減させキャップの開栓性に優れたねじ付缶を提供することを目的とする。
前記トルク調整手段が、前記アゴ部円周上で周方向に延びる少なくとも1本の環状凸部又は環状凹部であるように構成されている。
(2)本発明のねじ付缶は、前記(1)において、環状凸部又は環状凹部が、上下方向に複数本形成されていることにも特徴を有する。
また、トルク調整手段は、ねじ付缶のアゴ部に所定の形状や数の小突起体や小凹部などを配置形成させるだけで構成させることができるので、ねじ付缶を成形する際の加工性に優れている。
本発明のねじ付缶は、前記環状凸部又は環状凹部が、上下方向に複数本形成されているので、ねじ付缶口頸部をさらに補強する補強性に優れる。
図1(a)は本発明の実施の形態1に係るねじ付缶のねじ形成部の正面図であり、図1(b)は同ねじ付缶の口頸部にキャップを装着したときの一部断面図、図1(c)は図1(b)の要部拡大図である。
図1において、実施の形態1のねじ付缶10の口頸部12は、
キャップ11が装着される口頸部12のねじ形成部12b下部側で下方に向かって縮径して形成されたアゴ部12cと、アゴ部12cに円周状に配列されトルク調整手段を構成する小突起体12dとを有している。
また、キャップ11には、キャップ11の天面壁11aの周縁から垂下するスカート部11bに橋絡部11cを介して配設されたタンパーエビデントリング11dが備えられている。
スカート部11bにはその下端側にタンパーエビデントリング11dが橋絡部11cを介して連設されている。橋絡部11cはスリット状や薄肉状に形成された部分を多数有して容易に破断可能になっている。キャップ開栓時に橋絡部11cが破断されることによって、スカート部11bとタンパーエビデントリング11dとが分離できるようになっている。
キャップ11の素材となる金属薄板としては、例えば、反応性シリコーン化合物などで変性した融点90℃以上のワックスを有機溶媒中に溶解もしくは分散させてなるポリオレフィン接着性塗料を塗布、硬化させてなる塗装金属薄板などが適用できる。そしてこの塗装面が内面となるようにキャップ本体を成形加工して、この内側底面に接着した合成樹脂製ライナーを形成させることにより金属製のキャップとすることができる。
本発明のねじ付缶においては、図1(b)に示すように、トルク調整手段となる小突起体12dが形成されたアゴ部12cに、キャップ11のタンパーエビデントリング11dが巻締められた状態で配置されている。これによって、キャップを装着した状態において、アゴ部12cとタンパーエビデントリング11dとの接触面積を少なくして、タンパーエビデントリング11dを缶本体12のアゴ部12cに対して相対回転させた場合の回転摩擦抵抗を低減させることができる。
このような合成樹脂製ライナーは、例えば、軟化乃至溶融状態の合成樹脂素材をキャップ11の天面壁11a内面に供給し、合成樹脂素材を型押工具によって型押する型押成形法などによって形成することができる。
キャップをねじ付缶口頸部に巻締密封する場合、図5に示すように、口頸部12のねじ形成部12bに装着したキャップ11のスカート部11bを、スレッドローラ13でねじ形成部12bに押し当てるようにしてねじを成形し、スカートローラ14で、タンパーエビデントリング11dの下部をアゴ部12cの係止面に係合するように回転しながら押し込んで巻締成形する。なお、15はキャップ11の上部周縁部を押圧してライナーを口頸部端縁外周部に押しつけるための治具である。
この際、タンパーエビデントリング11dを確実に缶本体12の係止面に係止するように巻締成形し、キャップ11を捻って開栓する際の回転トルクを軽減させるために、タンパーエビデントリング11dとアゴ部12cとが接する接触面積を少なくするように小突起体12dを形成配置している。こうして、キャップ11がその回転により引き上げられて、上方へのせり上がりが阻止されたタンパーエビデントリング11dが橋絡部11cの部分で破断される。
したがって、タンパーエビデントリング11dとアゴ部12cとの接触面積を小突起体12dの形状や配置によって調整して、その回転トルクの大きさを、所定範囲、例えば0.6〜2.0N・mの範囲にしておくことが好ましい。この回転トルクの大きさが0.6N・mより小さいと、タンパーエビデントリング11dがアゴ部12cを把持す把持力が低下してタンパーエビデントリング11dがすっぽ抜け易くなり、逆に2.0N・mを超えて回転トルクが大きくなると高齢者などではキャップの開栓が著しく困難になるからである。
図2(a)は本発明の実施の形態2に係るねじ付缶のねじ形成部の正面図であり、図2(b)は同ねじ付缶の口頸部にキャップを装着したときの一部断面図、図2(c)は図2(b)の要部拡大図である。
図2において、実施の形態2のねじ付缶20の口頸部12は、キャップ11が装着される口頸部12のねじ形成部12b下部側で下方に向かって縮径して形成されたアゴ部12cと、アゴ部12cに円周状に配列されトルク調整手段を構成する小凹部22とを有している。
なお、実施の形態2のねじ付缶20はそのトルク調整手段の形態が実施の形態1のねじ付缶10と異なっており、その他の構成は略同様であるので、同様の構成のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
このようにトルク調整手段となる小凹部22が形成されたアゴ部12cにタンパーエビデントリング11dが巻締められた状態で配置して両者の接触面積を少なくし、タンパーエビデントリング11dを備えたねじ付缶20の開栓性を良好に保持させている。
また、ねじ付缶20は、トルク調整手段をアゴ部円周上に設けられた複数個の小凹部22としているので、キャップ11のタンパーエビデントリング11dの形状とは独立にその回転トルクの調整ができ、種々のキャップとの適合性にも優れている。
図3(a)は本発明の実施の形態3に係るねじ付缶のねじ形成部の正面図であり、図3(b)は同ねじ付缶の口頸部にキャップを装着したときの一部断面図、図3(c)は図3(b)の要部拡大図である。
図3において、実施の形態3のねじ付缶30の口頸部12は、キャップ11が装着される口頸部12のねじ形成部12b下部側で下方に向かって縮径して形成されたアゴ部12cと、アゴ部12cに円周状に配列されトルク調整手段を構成する1本の環状凸部32と、を有している。
なお、実施の形態3のねじ付缶30はそのトルク調整手段の形態が、実施の形態1及び2のねじ付缶と異なっており、その他の構成は略同様であるので、同様の構成のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、トルク調整手段としての環状凸部を凸状とは逆に凹状の環状凹部とすることもでき、これによっても略同様の効果を奏することができる。
本実施の形態のねじ付缶30では、タンパーエビデントリングが接触する面積を効果的に減少させることによって、開栓トルクを効果的に低減することができる。
また、環状凸部32はアゴ部12cの円周上に配置され、これによってタンパーエビデントリング11dが係合されるアゴ部12cを効果的に補強する。
また、環状凸部32の形成は、小突起体や小凹部などを形成する場合に較べて容易にでき、生産性にも優れている。
さらに、アゴ部とタンパーエビデントリングとの係止力を強固にして、開栓する際に橋絡部を破断することなく、タンパーエビデントリングと共にキャップが口頸部から外れることがなくなる。
図4(a)は本発明の実施の形態4に係るねじ付缶のねじ形成部の正面図であり、図4(b)は同ねじ付缶の口頸部にキャップを装着したときの一部断面図、図4(c)は図4(b)の要部拡大図である。
図4において、実施の形態4のねじ付缶40の口頸部12は、キャップ11が装着される口頸部12のねじ形成部12b下部側で下方に向かって縮径して形成されたアゴ部12cと、アゴ部12cに円周状に配列されトルク調整手段を構成する上下2本の環状凸部42,43と、を有している。
なお、実施の形態4のねじ付缶40はそのトルク調整手段の形態が実施の形態1〜3のねじ付缶と異なっており、その他の構成は略同様であるので、同様の構成のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
ねじ付缶40の環状凸部42、43は図示するように缶本体12のアゴ部12cの円周上に上下2段に配設される。なお、環状凸部は上下3段以上となる多段に構成することもでき、また、環状凸部に換えて環状凹部を配設することもできる。これによって、前記実施の形態2の効果に加えて、タンパーエビデントリング11dの巻締加工の際に特に負荷のかかるアゴ部12cの補強をさらに効果的に行うことができるとともに、新たなデザイン性を付加することも可能となる。
11 キャップ
11a 天面壁
11b スカート部
11c 橋絡部
11d タンパーエビデントリング
12 缶本体
12a 口頸部
12b ねじ形成部
12c アゴ部
12d 小突起体(トルク調整手段)
13 スレッドローラ
14 スカートローラ
15 押さえ治具
20 実施の形態2のねじ付缶
21 缶本体
22 小凹部(トルク調整手段)
30 実施の形態3のねじ付缶
31 缶本体
32 環状凸部(トルク調整手段)
40 実施の形態4のねじ付缶
41 缶本体
42、43 環状凸部(トルク調整手段)
Claims (2)
- 天面壁と該天面壁の周縁から垂下するスカート部を有し、該スカート部には橋絡部を介してタンパーエビデントリングが設けられている金属製キャップが口頸部に装着されるねじ付缶において、
前記口頸部に前記キャップが螺着されるねじ形成部と、
前記ねじ形成部の下部側で下方に向かって縮径して形成され前記キャップのタンパーエビデントリングが圧着係止されるアゴ部と、
前記アゴ部に形成され前記タンパーエビデントリングとの回転摩擦抵抗を低減させるトルク調整手段と、を有し、
前記トルク調整手段が、前記アゴ部円周上で周方向に延びる少なくとも1本の環状凸部又は環状凹部であることを特徴とするねじ付缶。 - 前記環状凸部又は環状凹部が、上下方向に複数本形成されている、請求項1に記載のねじ付缶。
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