JP2008161841A - 焼酎蒸留廃液の処理物を原料とした固化材 - Google Patents

焼酎蒸留廃液の処理物を原料とした固化材 Download PDF

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Abstract

【課題】焼酎蒸留廃液の処理物をカルシウム源の材料として利用した固化材であって、焼酎蒸留廃液の処理物を大量に消費できる固化材を提供する。
【手段】焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物を原料としたことを特徴とする固化材であって、好ましくは、焼酎蒸留廃液100質量部に対して生石灰を30〜300質量部添加して該焼酎蒸留廃液を脱臭し粉末化した処理物を原料とした固化材。好ましくは、上記処理物を熱処理したものを原料とした固化材。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼酎蒸留廃液の処理物を原料とした固化材に関し、詳しくは、焼酎蒸留廃液を、消石灰を主体とする処理物に代え、これを原料として有効利用した固化材に関する。
焼酎の製造においては、焼酎蒸留粕や焼酎廃液等と呼ばれる焼酎蒸留廃液が発生し、一般に、この焼酎蒸留廃液量は生産量の2倍に達する。しかも、近年の焼酎ブームによって、その発生量は増加傾向にあり、有効な処理が切望されている。しかし、この焼酎蒸留廃液は、臭気が酷いうえに、含水分が高く(90%〜97%)、BODやSS等の濃度が一般の排水に比べて高く、微細な植物繊維を多量に含むために固液分離が困難な廃液である。
この焼酎蒸留廃液を有用化する方法が従来から試みられており、例えば、焼酎蒸留廃液をそのまま又は堆肥化して肥料化する方法、或いはそのまま飼料化する方法、プラント処理によって濃縮・乾燥した上で飼料化する方法、焼却する方法、嫌気性処理法と活性汚泥法とを組み合わせて排水処理する方法等が知られている(例えば非特許文献1、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)
しかし、焼酎蒸留廃液をそのまま飼料化または肥料化する方法は、悪臭が著しく、夏季に腐敗し易い問題があり、堆肥化して肥料にする場合も同様の問題がある。また飼料化や肥料化したものはその使用量に限界がある。一方、プラント処理による飼料化、焼却処理、嫌気性処理法と活性汚泥法とを組み合わせた排水処理などの方法は、大規模なプラントの建設や維持に費用を要し、中小の焼酎メーカーでは実施し難い。
このため、現状では、乙類焼酎の生産が日本一の鹿児島県において、平成15年度(醸造年度:7月1日〜翌年6月30日)に発生した約33万tの焼酎蒸留廃液のうち、少なくとも10万tの焼酎蒸留廃液が海洋投入されている。今までは天然に由来する汚染されていない有機物等と見なされ、「廃棄物その他の物の海洋汚染防止に関する条約」(通称「ロンドン条約」)の例外品目として海洋投入が認められてきたが、規制強化により、近々海洋投入が極めて困難となる法的規制が予定されており、そこで、従来の方法によらない焼酎蒸留廃液の処理方法が熱望されており、その処理物を有効に利用する技術が求められている。
焼酎蒸留粕の処理状況に関する研究開発や取り組みの現状について、鹿児島県工業技術センター、平成17年5月、p.1−4 特開2005−131592号公報 特開2000−157182号公報 特開平11−57794号公報 特開2001−310197号公報
本発明は、焼酎蒸留廃液の処理について、従来の上記問題を解決したものであり、焼酎蒸留廃液を、消石灰を主体とする処理物に代え、これを原料として有効利用した固化材を提供することを目的とする。
本発明は、特定の添加剤を焼酎蒸留廃液に添加して生じた処理物を原料とすることによって上記問題を解決した。即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)で表す固化材である。
(1)焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物を原料としたことを特徴とする固化材。
(2)焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物が、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰を30〜300質量部添加したものである上記(1)に記載する固化材。
(3)上記処理物が、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加することによって、該焼酎蒸留廃液を脱臭し粉末化したものである上記(1)または上記(2)に記載する固化材。
(4)上記処理物を熱処理したものを原料としたことを特徴とする上記(1)〜上記(3)の何れかに記載する固化材。
焼酎蒸留廃液は含水率が90%以上の高含水物であるが、これに生石灰を添加すると、その水和反応の発熱によって水分が蒸発し、また生石灰が消石灰に変化するときに多量の水分を吸収して脱水が進み、水酸化カルシウム(消石灰)を主体とした処理物が得られる。本発明の固化材はこれをカルシウム源として利用したものである。この処理物を原料として用いると、水酸化カルシウムが酸化カルシウムになる温度は約450℃であり、炭酸カルシウムが酸化カルシウムになる温度約900℃に比べてかなり低いので、炭酸カルシウムを用いるよりも製造時の燃料費が少なく、かつ発生するCO量も少なくできる利点がある。
本発明の固化材は焼酎蒸留廃液の処理物を原料として用いるので、焼酎蒸留廃液の処理物を大量に消費することができる。従って、焼酎蒸留廃液の有用化を推進することができ、焼酎蒸留廃液の大量処理を可能にする。本発明に用いる焼酎蒸留廃液の処理物は焼酎蒸留廃液に生石灰を添加したものであり、その製造には大規模なプラントは必要としないので、この実施には中小の焼酎メーカーでも容易に行うことができる。このため、本発明によれば、焼酎メーカーで発生した大量の焼酎蒸留廃液を有用化することを可能にする。
本発明の固化材を用いると、固化処理する土中の水分を固化材中に吸収、結晶水として取り込み又は固化材の反応熱により蒸発させることで土が固くなり、或いは、固化処理する土中の水以外の成分と反応することで土が固くなる。
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明は、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物を原料としたことを特徴とする固化材であり、好ましくは、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物が、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰を30〜300質量部添加した処理物を原料とした固化材である。また、本発明の固化材は、好ましくは上記処理物を熱処理したものを原料としたものである。
本発明の固化材に用いる処理物を製造する焼酎蒸留廃液の種類は限定されない。芋焼酎蒸留廃液、麦焼酎蒸留廃液、米焼酎蒸留廃液、そば焼酎蒸留廃液、黒糖焼酎蒸留廃液、泡盛焼酎蒸留廃液などの各種原料を用いる蒸留廃液について本発明を適用することができる。
上記処理物の製造に用いる生石灰は、硬焼生石灰、軟焼生石灰などが挙げられ、酸化カルシウムを主成分とするものであれ生石灰として用いることができる。バッチ式で焼酎蒸留廃液に生石灰を添加する場合、生石灰に硬焼生石灰を用いると、水和反応が比較的緩やかに起こり、処理物の急激な温度上昇が起こり難いので、一バッチ当たりの処理量を多くすることができる。一方、生石灰に中焼生石灰または軟焼生石灰を用いると、水和反応が比較的速やかに起こり、処理時間を短くすることができるので好ましい。
上記処理物を製造する装置の種類・大きさ・数並びに処理速度(単位時間当たりの処理量)に応じて、生石灰の焼成度、粒度および生石灰の添加量などを適宜選択すれば良い。また、生石灰の焼成度、粒度および生石灰の添加量などに応じて、処理装置の種類・大きさ・数並びに処理速度を適宜選択しても良い。
生石灰の添加量は、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰30〜300質量部が好ましい。30質量部未満では焼酎蒸留廃液の水分量が多いために、得られるスラリー濃度が薄く、水分を除去するには更に乾燥工程や設備が必要となる。一方、生石灰添加量が300質量部を超えると、生石灰の一部が水和反応せずに残り、保管時に保管状況によっては周りから供給される水分によって発熱し、保管容器が熱によって破損する虞がある。
生石灰の添加量は、好ましくは、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰50〜200質量部である。生石灰を50質量部以上加えることによって、処理物を粉末化することができるので、処理物の取り扱いが容易となる。また、生石灰の添加量が200質量部以下であれば、未反応の生石灰が少ない又は無いので、保管時に保管状況によっては周りから供給される水分によって発熱し保管容器が熱によって破損する虞が少ない又は全くない。より好ましい生石灰の添加量は、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰50〜150質量部である。生石灰の添加量が150質量部以下であれば、処理物が適度な付着水分を有するので処理時,輸送時,使用時等において粉塵が発生し難いと伴に、処理設備をより小さくでき、処理物や原材料の保管スペースをより少なくすることができる。
上記処理物を製造する装置は、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加できるものであれば良く、形式、大きさなどは限定されない。例えば、連続的に焼酎蒸留廃液に生石灰を所定量添加できる装置を用いても良いし、バッチ式で焼酎蒸留廃液に生石灰を所定量添加できる装置を用いても良い。連続的に焼酎蒸留廃液に生石灰を所定量添加できる装置としては、例えば、連続式コンクリートミキサ、生石灰用ベルトコンベアに所定量の焼酎蒸留廃液を噴霧添加するための噴霧装置を備えた装置、生石灰用輸送管に所定量の焼酎蒸留廃液を噴霧添加するための噴霧装置を備えた装置などが挙げられる。また、バッチ式で焼酎蒸留廃液に生石灰を所定量添加できる装置としては、パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、ヘンシェル式ミキサ、リボンミキサ、噴射式ミキサ、トラックアジテータなどが挙げられる。
なお、上記製造装置においては、生石灰と焼酎蒸留廃液とが均一に混合されるように、コンクリートミキサなどの混合手段を有する装置が好ましい。また、上記実施装置は、ミキサ、計量器、焼酎蒸留廃液供給用ポンプ、生石灰用ホッパ、および制御盤などをトラック等の車体に載せた移動式の装置としても良い。
上記処理物の製造においては、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加することによって、焼酎蒸留廃液に95質量%程度含まれる水分と生石灰が発熱しながら水和反応し、水酸化カルシウム(消石灰)を生じる。このときの発熱によって焼酎蒸留廃液中の水分が蒸発し、また消石灰に水分が取り込まれるので更らに水分が減少する。処理物の状態は生石灰の添加量に応じてスラリー状からペースト状になり、生石灰の添加量が増えると粉末状になる。
上記処理物は、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加したものであり、消石灰を主体とした強アルカリ性の物質であるので、腐敗し難く、長期保存し易い。また、この処理物は脱臭されており、原料である焼酎蒸留廃液の臭気が大幅に除去されているので取り扱い易い。特に、該処理物を粉末状にすることによって取扱性がさらに向上し、また臭気も消石灰と同程度になるので消石灰と同様に取り扱うことができ、より好ましい。
さらに、上記処理物は、主成分が水酸化カルシウムであるので、カルシウム化合物、特に消石灰、生石灰または炭酸カルシウム(石灰石)の代替原材料として用いることができる。因みに、水酸化カルシウムが酸化カルシウムになる温度は約450℃であり、炭酸カルシウムが酸化カルシウムになる温度約900℃に比べてかなり低いので、上記処理物を炭酸カルシウムの代替原材料として用いると、燃料費が少なく、かつ発生するCO量も少なくできるので好ましい。
上記処理物は、主成分が水酸化カルシウムであるので、カルシウム化合物、特に消石灰、生石灰または炭酸カルシウムの代替原材料として用いることができるが、特に上記処理物を熱処理により製造する固化材の原材料として用いると、原料の(圧縮)成形性が良くなり、燃料費を少なく焼成できるので好ましい。
本発明の固化材に上記処理物を用いる態様としては、上記焼酎蒸留廃液処理物を、そのまま、加水,乾燥又は/及び粉砕し、或いは化学反応により一部又は全部を他の化合物に変えて、本発明の固化材を製造する。上記焼酎蒸留廃液処理物は主にカルシウム質原料として使用される。上記焼酎蒸留廃液処理物のほかに、必要に応じて、シリカ質原料、アルミナ質原料、酸化鉄原料、アルカリ質原料、硫黄原料、ハロゲン原料、他のカルシウム質原料等を添加しても良い。本発明の固化材は、上記処理物を原料としていることから、固化処理する土中の水分を固化材中に吸収、結晶水として取り込み又は固化材の反応熱により蒸発させることで土が固くなり、或いは、固化処理する土中の水以外の成分と反応することで土が固くなる。
シリカ質原料としては例えば珪藻土,珪石粉,シリフューム,フライアッシュ,高炉スラグ,ポルトランドセメント,エコセメント,バンド頁岩,粘土鉱物等が挙げられ、アルミナ質原料としては例えばボーキサイト,アルミナ,フライアッシュ,高炉スラグ,ポルトランドセメント,エコセメント,アルミナセメント,バンド頁岩,粘土鉱物等が挙げられ、酸化鉄原料としては、例えば酸化鉄,鉄鉱石,製鋼スラグ等が挙げられ、アルカリ質原料としては例えばソーダ灰,炭酸リチウム,炭酸カリウム,カリウム明礬等が挙げられ、硫黄原料としては例えば石膏,明礬,硫酸ソーダ等が挙げられ、ハロゲン原料としては例えば弗化ナトリウム,螢石等が挙げられ、別なカルシウム質原料としては例えば石灰石,酸化カルシウム,消石灰,石膏,ポルトランドセメント,エコセメント,アルミナセメント,高炉スラグ等が挙げられる。
本発明の固化材において、上記焼酎蒸留廃液処理物は消石灰を主体としたものであり、主にカルシウム原料として使用されるが、化学反応によって、その一部又は全部を他のカルシウム化合物に変えて使用することができる。この他のカルシウム化合物としては、例えば、酸化カルシウム、カルシウムサルフォアルミネート(例えば4CaO・3Al・SO)、カルシウムアルミネート(例えば3CaO・Al、CaO・Al、12CaO・7Al)、カルシウムハロアルミネート(例えば11CaO・7Al・CaF)、カルシウムナトリウムアルミネート(例えば8CaO・3Al・NaO)、カルシウムアミノフェライト(例えば4CaO・Al・Fe)、珪酸カルシウム(例えば3CaO・SiO,2CaO・SiO)、石膏等が挙げられる。具体的には、主にカルシウム質原料として使用する上記焼酎蒸留廃液処理物の他に、必要に応じて、シリカ質原料、アルミナ質原料、鉄原料、アルカリ質原料、硫黄原料、ハロゲン原料、他のカルシウム質原料などを添加・混合した上で加熱後冷却し、通常は分級及び/又は粉砕により粒度を調整し、反応性を調整した上で使用する。本発明の固化材が、上記処理物を熱処理したものを原料としたものであると、固化処理する土中のより多くの水分を固化材中に吸収、結晶水として取り込み又は固化材の反応熱により蒸発させることで土がより固くなり、或いは、固化処理する土中の水以外の成分と反応し易いことで土がより固くなることから好ましい。
本発明の固化材に、本発明の効果を喪失しない範囲で、珪藻土粉末,シリカフューム,フライアッシュ等のポゾラン、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE減水剤、流動化剤、減水剤、高炉スラグ等の潜在水硬性物質、石粉、樹脂エマルション、再乳化型粉末樹脂、膨張材、起泡剤、発泡剤、防錆剤、顔料、繊維、撥水剤、防水材、急結剤、消泡剤、遅延剤、促進剤、粉塵低減剤、収縮低減剤、水中不分離性混和剤、増粘剤、吸着剤、吸水剤、水和熱抑制剤等の混和材料、ポルトランドセメントやアルミナセメント等のセメント、細骨材や粗骨材等の骨材から選ばれる一種又は二種以上を添加剤として添加しても良い。
本発明の固化材は、通常の粉末固化材の製造設備を用い、これらと同様に製造することができる。本発明の固化材と、必要により添加されるセメント,粗骨材,細骨材,混和材料等の添加剤を、予め混合しておいても良い。
本発明の固化材は市販の通常の固化材と同様に使用できる。本発明の固化材を、処理する土と、必要により添加されるセメント,粗骨材,細骨材,混和材料等の添加剤と、ホイールローダ,バックホー,耕耘機等の重機又はミキサ等を用いて混合すればよい。
〔焼酎蒸留廃液処理物の製造〕
直径約15cmの蒸発皿に焼酎蒸留廃液を50ml入れ、攪拌しながら生石灰を所定量添加し、更に3分間スパチュラで混合した。焼酎蒸留廃液は芋焼酎製造時に発生したもの(水分97質量%、褐色濁液、独特な臭気あり)を用い、生石灰は、軟焼生石灰(粒度:ブレーン比表面積4000cm/g)を用いた。焼酎蒸留廃液に対する生石灰の添加量を変えて試験を行った。生石灰の添加量に応じた処理物の最高温度、処理時の粉塵の発生状況、処理物の性状を表1に示す。
Figure 2008161841
何れの試験水準も、生石灰投入開始から数秒で水蒸気が発生した。投入開始から1〜2分間は激しく水蒸気が発生し、以後は数分にわたり水蒸気が発生し続けたことを目視により確認した。
さらに、各試験水準の処理物について、付着水分量と強熱減量、化学成分および構成鉱物を調べた。この分析結果を表2に示す。付着水分は、混練終了直後の処理物を105℃の恒温槽内に24時間入れ、その前後の質量変化を混練終了直後の処理物の質量で除し、パーセント表示で表したものである。また、構成鉱物は付着水分を105℃の恒温槽内で除去したものを粉末X線回折装置によって分析した。強熱減量(ig.loss)は、1000℃における値である。また、他の化学成分は、強熱減量を測定した後の処理物を蛍光X線分析により求めた値である。
表2に示すように、試験水準No.1〜No.6の何れの処理物も、水酸化カルシウムのピークのみ確認できた。化学成分の測定結果を併せて考慮すると、試験水準No.1〜No.6の処理物の主成分は水酸化カルシウムであることが確認された。試験水準No.7〜No.9の処理物について同様に構成鉱物を分析すると、水酸化カルシウムのピークの他に、酸化カルシウムのピークも確認でき、未反応の生石灰が処理物中に残っていることが確認された。
表2の結果から、生石灰の添加量は焼酎蒸留廃液100質量部に対して30〜300質量部が適当であり、50〜200質量部が好ましいことが分かる。生石灰を30〜150質量部添加した処理物は生石灰の全量が消石灰に変化し、30質量部添加したものは24時間後に粉末状になり、50質量部添加したものは混練直後に粉末状の処理物が得られ、処理時の粉塵の発生も少ない。一方、生石灰を200質量部以上添加すると、未反応の生石灰が残り、処理時の粉塵が激しく、300質量部を超えると、処理物の最高温度がかなり高くなる。
Figure 2008161841
[処理物の性状]
100リットルのパン型モルタル用ミキサに焼酎蒸留廃液を入れ、攪拌しながら生石灰を所定量添加し、更に15分間混合した。処理物の温度が50℃程度に下がったところで、当該処理物をフレキシブルコンテナに移し保管した。焼酎蒸留廃液は芋焼酎製造時に発生したもの(水分97質量%,褐色濁液,独特な臭気あり)を用い、生石灰は軟焼生石灰(粒度:目開き3mmの篩通過品)を用いた。焼酎蒸留廃液に対する生石灰の添加量を変えて試験を行った。生石灰の添加量に応じた処理時の粉塵の発生状況、処理物の性状を表3に示す。
No.10〜No.13の何れの試験水準も、生石灰投入開始から数秒で水蒸気が発生した。投入開始から1〜2分間は激しく水蒸気が発生し、以後は10数分にわたり水蒸気が発生し続けた。処理時における処理物の最高温度は、何れの水準も103℃程度であった。
Figure 2008161841
さらに、試験水準No.10〜No.13の処理物について、付着水分量と強熱減量、化学成分および構成鉱物を調べた。この分析結果を表4に示す。付着水分は、混練終了直後の処理物を105℃の恒温槽内に24時間入れ、その前後の質量変化を混練終了直後の処理物の質量で除し、パーセント表示で表したものである。また、構成鉱物は付着水分を105℃の恒温槽内で除去したものを粉末X線回折装置によって分析した。強熱減量(ig.loss)は、1000℃における値である。また、他の化学成分は、強熱減量を測定した後の処理物を蛍光X線分析により求めた値である。
表4に示すように、試験水準No.10〜No.13の何れの処理物も、水酸化カルシウムのピークのみ確認できた。化学成分の測定結果を併せて考慮すると、この処理物の主成分は水酸化カルシウムであることが確認された。また、処理前の焼酎蒸留廃液に比べて、処理物の臭気はかなり抑えられて取り扱い易くなっており、2週間フレキシブルコンテナで保管した後の処理物の臭気は、市販の消石灰の臭気と略同程度であった。
Figure 2008161841
〔実施例1:固化材の製造及び評価試験〕
試験水準No.13の処理物、試験水準No.13の処理物を1000℃で焼成したもの及び試験水準No.13の処理物に添加剤を添加したものについて、固化材としての評価試験を実施した。使用した土は建設発生土で、水を加えて泥土とし、これに固化材を添加混合して評価した。用いた土は、火山灰質粘性土(多摩産関東ローム、土の湿潤密度1.35g/cm、土の含水比150%)、シルト質砂(流山産、土の湿潤密度:1.46、土の含水比:80%)の2種類を使用した。
固化材としての評価は、JIS A 1228「締固めた土のコーン指数試験方法」に準じてコーン指数を測定し、コーン指数の測定値が400kNg/m以上となり「建設発生土利用技術マニュアル」(財団法人土木研究センター編)の土質区分基準「第3種改良土」に当たるか否かで、固化材としての性能を評価した。固化材を混合した土(固化材を添加しない土はそのまま)を、内径10cm、高さ10cmの円柱型枠に充填し、20℃で7日湿空養生した後にコーン指数を測定した。このときの土の種類、固化材の配合及びコーン指数の測定結果を表5に示した。
Figure 2008161841
本発明の実施例に当たる試験水準No.15〜No.17及び試験水準No.19〜No.21の材齢7日におけるコーン指数は、何れも400kNg/m以上となり、「建設発生土利用技術マニュアル」(財団法人土木研究センター編)の土質区分基準「第3種改良土」に当たり、これらの試験水準に用いた固化材は、固化材としての性能が充分であった。なお、「第3種改良土」は、通常の施工性が確保される粘性土及びこれに準ずるものとされる「第3種建設発生土」に属する。また、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物を熱処理し原料とした固化材を用いた試験水準No.17及びNo.21の材齢7日におけるコーン指数は、処理物を熱処理せずにそのまま固化材とし、且つ添加剤を添加しなかった試験水準No.15及びNo.19に比べ、少量の添加でより高いコーン指数を得られ、用いた固化材はより優れていた。
本発明の焼酎蒸留廃液処理物を用いた固化材は、廃棄物として処分されてきた焼酎蒸留廃液を有効に再利用できるので、より多くの焼酎蒸留廃液を有用化することができる。また、本発明の固化材は、市販の通常のセメント固化材と同様に用いることができる。

Claims (4)

  1. 焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物を原料としたことを特徴とする固化材。
  2. 焼酎蒸留廃液に生石灰を添加して生じた処理物が、焼酎蒸留廃液100質量部に対し、生石灰を30〜300質量部添加したものである請求項1に記載する固化材。
  3. 上記処理物が、焼酎蒸留廃液に生石灰を添加することによって、該焼酎蒸留廃液を脱臭し粉末化したものである請求項1または請求項2に記載する固化材。
  4. 上記処理物を熱処理したものを原料としたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載する固化材。
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