JP2008161765A - セラミックハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セル壁で仕切られた多数のセルを有するセラミックハニカム構造体の端面にマスキングフィルムを貼着した後、レーザ光でマスキングフィルムの所定のセルに対応した位置を穿孔し、次いで、マスキングフィルムの貼着面を目封止材に浸漬して穿孔された穴から目封止材を所定のセルに充填して目封止するセラミックハニカムフィルタの製造方法で、レーザ光によってマスキングフィルムの所定の位置に、セル面積の45%以上を穿孔するにあたり、レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、セラミックハニカム構造体に貼着したマスキングフィルムにレーザ光で穿孔する。
【選択図】 図1
Description
このレーザ加工装置のガルバノメータの温度ドリフト問題に対して、特許文献3では、マスキングフィルムの孔開けに用いる記載はないものの、ガルバノメータの温度を測定して、温度がある一定の変動幅を超えたときにトリガー信号を発する温度トリガー部と、温度トリガー部より発せられたトリガー信号を受けて加工点の画像認識を行って加工目標とのずれを検出し、ガルバノコントロール部の位置データに補正を与える画像処理部とを有する、ガルバノ温度ドリフト自己補正機能付きレーザ加工装置が提案されており、リアルタイムで温度ドリフトによるレーザ光のずれをなくし、正確な位置にレーザ加工が行えるとしている。しかしながら、このようなガルバノ温度ドリフト自己補正機能付きレーザ加工装置は、加工目標とのずれを検出して、ガルバノコントロール部の位置データに補正を与える画像処理部を要することから、補正のために複雑な機構が必要となっていた。
本発明において、前記レーザ加工装置の周囲温度を23℃±5℃として前記レーザ光で穿孔することが好ましい。
さらに、本発明において、前記レーザ光を空照射して、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することが好ましい。
さらに、本発明において、前記レーザ光をダミー体に照射して、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することが好ましい。
本発明において、セル壁で仕切られた多数のセルを有するセラミックハニカム構造体の端面にマスキングフィルムを貼着した後、レーザ加工装置のレーザヘッドから発したレーザ光によって前記マスキングフィルムの所定の前記セルに対応した位置を穿孔し、次いで、前記マスキングフィルムの貼着面を目封止材に浸漬して前記穿孔された穴から目封止材を前記所定のセルに充填して目封止するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記レーザ光によって前記マスキングフィルムの所定の位置にセル面積の45%以上を穿孔するにあたり、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することで、次のような作用効果を有する。即ち、レーザ発振部から発したレーザ光によりレーザヘッド内のガルバノメータの温度が変動すると、温度ドリフトによってレーザ光のずれが大きくなり、図5(a)に示すように、正確な位置にマスキングフィルムを穿孔することができない。しかし、セル面積の45%以上を穿孔する場合において、レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36℃±5℃とすることで、目封止材を良好に充填することができるとともに、ガルバノメータの温度が安定し、レーザ光のずれが生じ難くなるため、図4(a)に示すように、セル壁24からの間隔(d)が所定の範囲となるように、正確な位置にマスキングフィルムを穿孔することができる。そして、穿孔された穴の位置がセル壁に近接し過ぎたり、図5(a)に示すように、隣接するセルに跨ってしまうことで、図5(b)に示すように、目封止材23が隣のセル25bへ浸入(34)してしまい、目封止材を設けないはずの隣のセル25bが、一部または全体が塞がれたハニカムフィルタとなる不良の発生を抑制することができる。ここで、レーザヘッド内のガルバノメータの温度が31℃未満や41℃を超えると、レーザ光の温度ドリフトが生じ易くなり、安定して、正確な位置にマスキングフィルムを穿孔することができない。
尚、レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36℃±5℃と安定して維持させるために、レーザヘッドのガルバノメータ近傍にヒータを設置してもよい。
尚、本発明において、図4(a)に示すように、マスキングフィルムをセル壁24からの間隔(d)が0.01〜0.2mmの位置に穿孔することで、目封止材を充填した際、目封止材がセル開口穴全面に浸透することができるので好ましい。
本発明において、レーザ光を空照射する際、ダミー体にレーザ光を照射しても良い。ダミー体とは、レーザ光を照射させることができるものであれば何を用いても良いが、マスキングフィルムを貼着した、良品若しくは不良品のセラミックハニカム構造体を用いることが好ましい。マスキングフィルムを貼着した、良品若しくは不良品のセラミックハニカム構造体をダミー体として用いると、レーザヘッドレーザヘッド内のガルバノメータの温度が36℃±5℃となった後に、実際に使用するセラミックハニカム構造体をセットしても、レーザ光の設定(例えば、出力や移動方法等)を特に変更することなく、そのまま速やかに生産に移れるので好ましい。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るレーザ加工装置11の模式図である。図1で、両端面にマスキングフィルム31が貼着されたハニカム構造体21がXYステージ12上にセットされ、XYステージ12の上方には、ハニカム構造体21の端面を撮像するCCDカメラ13と、レーザヘッド15を配設し、レーザヘッド15には、レーザ発振部から発したレーザ光を制御するガルバノメータ18を収納する。また、レーザヘッド15の周囲には設定温度を36℃としたヒータ17を取り付け、レーザヘッド内のガルバノメータ18の温度を36℃±5℃とする。さらに、レーザ加工装置11は、23℃に空調設定した恒温室16に設置し、レーザ加工装置の周囲温度を23℃±3℃とする。XYステージ12は、ハニカム構造体21をセットし取出す位置と、CCDカメラ13で撮像する位置と、レーザ光を照射する位置との間を移動できるストロークとする。制御装置14は、XYステージ12の位置制御をするとともに、撮像時のCCDカメラ13からの画像情報およびXYステージ12の移動情報を取込んで、目封止すべき所定のセルの位置と穿孔形状を決め、レーザ光の照射制御およびXYステージ12の位置制御を行う。CCDカメラ13は、セルの形状を規定するに十分の画像分解能とする。また、レーザ光は、レーザヘッド15内のガルバノメータ18を用いて機械的に或いは電気的に偏向させて進行方向に振る。なお、CCDカメラ13は、マスキングフィルム31を通してセルを撮像するので、マスキングフィルム31を光透過性とし、レーザ光や目封止材(スラリー)に合わせた材質、厚さのものを使用する。
次に、ハニカム構造体21をXYステージ12上にセットし、レーザ加工装置11のレーザヘッド15内のガルバノメータ18の温度が36℃±5℃として、マスキングフィルムへレーザ光で穿孔を行う。マスキングフィルム31へのレーザ光での穿孔は、セル開口面積に対して、穿孔された穴の面積が45%以上となるよう、図4(a)に示すように、セル壁24からの間隔(d)が0.01〜0.2mmの位置に行う。ハニカム構造体21の一方の端面に貼着したマスキングフィルム31への穿孔が終了すると、ハニカム構造体21の上下を反対にし、他方の端面に貼着したマスキングフィルム31へも同様に穿孔する。
次に、図3(b)に示すように、マスキングフィルム31の貼着面を目封止材(スラリー)23に浸漬し、穿孔32から目封止材(スラリー)23をセル25aに充填する。そして、図3(c)に示すように、充填後の目封止材(スラリー)23を硬化、乾燥させ、一方の端面22a側が目封止材23aで交互に目封止されたハニカム構造体21とする。同様にして、他方の端面22b側も目封止材(スラリー)23で交互に目封止を行い、さらにマスキングフィルム31を除去して、図2に示すハニカムフィルタ20とする。
図1は、本発明に係るレーザ加工装置11の模式図である。図1で、両端面にマスキングフィルム31が貼着されたハニカム構造体21がXYステージ12上にセットされ、XYステージ12の上方には、ハニカム構造体21の端面を撮像するCCDカメラ13と、レーザヘッド15を配設し、レーザヘッド15には、レーザ発振部から発したレーザ光を制御するガルバノメータを収納する。また、レーザ光を空照射した後、レーザヘッド内のガルバノメータ18の温度を36℃±5℃に安定して維持させるためにレーザヘッド15の周囲にヒータ17を設置している。さらに、レーザ加工装置11は、23℃に空調設定した恒温室16に設置し、レーザ加工装置の周囲温度を23℃±5℃とする。XYステージ12は、ハニカム構造体21をセットし取出す位置と、CCDカメラ13で撮像する位置と、レーザ光を照射する位置との間を移動できるストロークとする。制御装置14は、XYステージ12の位置制御をするとともに、撮像時のCCDカメラ13からの画像情報およびXYステージ12の移動情報を取込んで、目封止すべき所定のセルの位置と穿孔形状を決め、レーザ光の照射制御およびXYステージ12の位置制御を行う。CCDカメラ13は、セルの形状を規定するに十分の画像分解能とする。また、レーザ光は、レーザヘッド15内のガルバノメータを用いて機械的に或いは電気的に偏向させて進行方向に振る。なお、CCDカメラ13は、マスキングフィルム31を通してセルを撮像するので、マスキングフィルム31を光透過性とし、レーザ光や目封止材(スラリー)に合わせた材質、厚さのものを使用する。
次に、ハニカム構造体21をXYステージ12上にセットし、レーザ加工装置が停止した状態から運転を開始して、ハニカム構造体に当たらないようにXYステージの位置をずらしてレーザ光を空照射する。そして、レーザ加工装置11のレーザヘッド15内のガルバノメータ18の温度が36℃±5℃となった時、一旦、レーザ光の照射を終了し、マスキングフィルム31へレーザ光が当たるようにXYステージの位置をセットし直して、マスキングフィルムへレーザ光で穿孔を行う。マスキングフィルム31へのレーザ光での穿孔は、セル開口面積に対して、穿孔された穴の面積が45%以上となるよう、図4(a)に示すように、セル壁24からの間隔(d)が0.01〜0.2mmの位置に行う。ハニカム構造体21の一方の端面に貼着したマスキングフィルム31への穿孔が終了すると、ハニカム構造体21の上下を反対にし、他方の端面に貼着したマスキングフィルム31へも同様に穿孔する。
次に、図3(b)に示すように、マスキングフィルム31の貼着面を目封止材(スラリー)23に浸漬し、穿孔32から目封止材(スラリー)23をセル25aに充填する。そして、図3(c)に示すように、充填後の目封止材(スラリー)23を硬化、乾燥させ、一方の端面22a側が目封止材23aで交互に目封止されたハニカム構造体21とする。同様にして、他方の端面22b側も目封止材(スラリー)23で交互に目封止を行い、さらにマスキングフィルム31を除去して、図2に示すハニカムフィルタ20とする。
実施の形態2で示したレーザ加工装置において、ハニカム構造体21とダミー体40を準備する。ハニカム構造体21は、図2に示すように、外径が300mm、全長が300mmで、セル25a、25bは略正方形状で開口寸法(A)が0.7〜1.3mm、セル25a、25bが約15000個有するものを用いる。また、ダミー体40として、前記したハニカム構造体21の不良品にマスキングフィルム31を貼着したものを用いる。
次に、ダミー体40をXYステージ12上にセットし、ダミー体40に貼着されたマスキングフィルム31にレーザ光を照射して、マスキングフィルムを穿孔していく。そして、レーザ加工装置11のレーザヘッド15内のガルバノメータ18の温度が36℃±5℃となった時、ダミー体へのレーザ光の照射を終了し、ダミー体40をXYステージ12上から取り出す。そして、マスキングフィルム31を貼着したハニカム構造体21をXYステージ12上にセットし、マスキングフィルム31にレーザ光で穿孔を行う。マスキングフィルム31へのレーザ光での穿孔は、セル開口面積に対して、穿孔された穴の面積が45%以上となるよう、図4(a)に示すように、セル壁24からの間隔(d)が0.01〜0.2mmの位置に行う。ハニカム構造体21の一方の端面に貼着したマスキングフィルム31への穿孔が終了すると、ハニカム構造体21の上下を反対にし、他方の端面に貼着したマスキングフィルム31へも同様に穿孔する。
次に、図3(b)に示すように、マスキングフィルム31の貼着面を目封止材(スラリー)23に浸漬し、穿孔32から目封止材(スラリー)23をセル25aに充填する。そして、図3(c)に示すように、充填後の目封止材(スラリー)23を硬化、乾燥させ、一方の端面22a側が目封止材23aで交互に目封止されたハニカム構造体21とする。同様にして、他方の端面22b側も目封止材(スラリー)23で交互に目封止を行い、さらにマスキングフィルム31を除去して、図2に示すハニカムフィルタ20とする。
12:XYステージ
13:CCDカメラ
14:制御装置
15:レーザヘッド
16:恒温室
17:ヒータ
18:ガルバノメータ
20:セラミックハニカムフィルタ(ハニカムフィルタ)
21:セラミックハニカム構造体(ハニカム構造体)
21a:外周壁
22a、22b:端面
23:目封止材(スラリー)
23a、23b:目封止材
24:セル壁
25a、25b:セル
31:マスキングフィルム
32:穿孔
34:隣接のセルへ侵入した目封止材(スラリー)
40:ダミー体
A:対辺寸法
b:隙間
Claims (4)
- セル壁で仕切られた多数のセルを有するセラミックハニカム構造体の端面にマスキングフィルムを貼着した後、レーザ加工装置のレーザヘッドから発したレーザ光によって前記マスキングフィルムの所定の前記セルに対応した位置を穿孔し、次いで、前記マスキングフィルムの貼着面を目封止材に浸漬して前記穿孔された穴から目封止材を前記所定のセルに充填して目封止するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記レーザ光によって前記マスキングフィルムの所定の位置に、セル面積の45%以上を穿孔するにあたり、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
- 前記レーザ加工装置の周囲温度を23℃±5℃として前記レーザ光で穿孔することを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
- 前記レーザ光を空照射して、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
- 前記レーザ光をダミー体に照射して、前記レーザヘッド内のガルバノメータの温度を36±5℃として、前記セラミックハニカム構造体に貼着した前記マスキングフィルムに前記レーザ光で穿孔することを特徴とする請求項3に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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WO2012018022A1 (ja) * | 2010-08-03 | 2012-02-09 | 住友化学株式会社 | ハニカム構造体の封口方法 |
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