以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、請求項4〜6に係る発明を、「羽根物型セブン機」に適用した具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の前面側の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図4を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。このうち、外枠2は、図3に示すように、パチンコホールの島設備Sに設けられた設置部位S1に固定されると共に、遊技機本体Hを支持するためのものである。
この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22と、を備えている。このうち、外枠本体21は、上下に一対の水平板21aと、左右に一対の立設板21bと、を備えている(図1を参照)。そして、両水平板21aは、上下に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、左右方向に長尺とされている。また、両立設板21bは、左右に所定の間隔をおいて立設配置されると共に、上下方向に長尺とされている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、中枠3と、前面枠(ガラス扉枠)4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図24を参照)等を主要部としている。
中枠3は、図3に示すように、外枠2の内側に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、中枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。この施錠装置7は、中枠3を外枠2に施錠したり、前面枠4や上皿部材5を中枠3に施錠するために用いられる。
中枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この中枠3は、上半部に窓部3Aを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、中枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。この突出部3cは、枠本体部3bの裏面部のうちで、枠本体部3bの周縁部よりも内側であって、窓部3Aよりも外側の部位から突出している。そして、突出部3cの内側の壁面部3dと、枠本体部3bの裏面部のうちの窓部3Aに周辺に位置すると共に壁面部3dよりも内側に位置する部位(以下、「窓部周辺部」という。)3eとが、略直交する状態とされる。
また、突出部3cの突端面であって、窓部3Aの左方側の上下と、窓部3Aの右方側の上下には、保持具3fが装着されている。この保持具3fは、突出部3cの突端面に回動可能な状態で装着され、その回動軸心回りに回動すると、その突端部3i側を窓部周辺部3eの後方に配置させる保持状態(図3を参照)と、突端部3i側を窓部周辺部3eの後方から退避させる解除状態と、を実現することができる。そして、保持具3fを解除状態としつつ、遊技盤10を前面部を前方に向けつつ、突出部3cに嵌合すると共に、遊技盤10の前面部の周縁側を窓部周辺部3eに当接させる。この後、保持具3fを保持状態とし、この保持状態とされた保持具3fを、遊技盤10の後面部に当接させ、遊技盤10が中枠3により保持された状態となっている。
このように、中枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Aによって、中枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図24参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。尚、図示を省略するが、遊技盤10の中枠3に対する位置決めは、遊技盤10及び中枠3のうちの一方に設けられた突部を、他方に設けられた嵌合部(孔や凹部)に嵌合して行うことができる。また、裏機構盤102の詳細に関しては後述する。
前面枠4は、ガラス扉枠の具体例を構成するものであり、図1に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、扉枠本体41と、ガラス板43と、ガラス板43を扉枠本体41に保持させる(取り付ける)ための保持部材(図示を省略)と、を備えている。尚、保持部材を扉枠本体41に対して一体的に設けることもできる。
扉枠本体41は、レンズ状のプラスチックを主体に構成され、円形状の開口部41aを有している。この開口部41aは、扉枠本体41の前面部及び後面部を貫通する状態に設けられている。そして、前面枠4を閉じた状態としたときに、前面枠4の奥側(背後)に配置される遊技盤10の盤面(遊技領域11)を、前方(遊技者の側)から視認可能とするためのものである。つまり、この開口部41aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。
図2に示すように、前面枠4において、開口部41aの周縁の部位には、各種のLED基板4b、4c、4d、4e、4f、4g、4hが内蔵されている。また、何れのLED基板4b〜4hも、プリント配線基板と、プリント配線基板に搭載された複数のLEDランプと、を備えている。そして、これらのLED基板4b〜4hを構成するLEDランプは、目的(遊技効果を高める目的、賞球を報知する目的、当該遊技機1にエラーを生じたことを報知する目的)に応じて、点灯及び消灯したり、点滅する。
図1及び図2に示すように、前面枠4の上端部側の左右には、各々、スピーカーSP1、SP2(図22参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカーSP3、SP4(図22参照)が内蔵されている。このため、本遊技機1においては、前面部の4隅にスピーカーSP1〜SP4を配置することで、「4ウェイのスピーカーシステム」を構成している。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカーSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで、前面枠3の下方の部位が、上皿部材5と下皿部材6とを備える構成とされている。つまり、上皿部材5は、前面枠3の下方に配置され、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。また、上皿部材5は、遊技機1の内部の遊技球を、この上皿部材5に排出するための排出口5b等を備えている。
尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図21参照)及び演出ボタン基板228(図22参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「球貸操作部5c」と、操作スイッチSWとが配置されている。また、上皿部材5の外郭部分も、レンズ状のプラスチックを主体され、上皿部材5の内部にも、LED基板4iが内蔵されている(図2を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。また、下皿部材6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部材6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、前述の施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニットが設けられている(図示を省略)。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について、図4等を用いて説明する。この遊技盤10は、前述のように、中枠3(図1を参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図24参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10の前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、遊技盤10の前面部において、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって構成される部位が、遊技領域11を構成している。尚、本実施例では、2本のレール(外側レール12、内側レール13)を用いて、遊技領域11の外縁部を構成する態様を例示したが、例えば、1本のレール(C字状に配設された1本のレール)を用いて遊技領域11の外縁部を構成することもできる
この遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位には、中央装置20と、2個の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bと、3つの始動入賞装置17、18、19と、下部装置30と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車46等が配設されている。この中央装置20は、請求項4の発明の入球装置の具体例を構成するものである。また、この中央装置20には、保留図柄表示装置50と、第1の表示装置60と、第2の表示装置70と、が一体化されている。
中央装置20は、図5等を用いて示されるように、ベース部材(化粧板)21と、収納ボックス(図8及び図9を参照)22と、通過路選択装置23と、第1の通過路形成部材24Aと、第2の通過路形成部材24Bと、第1の誘導装置25と、第2の誘導装置26と、左右一対の開閉部材27A、27Bとを備えている。
ベース部材21は、図5に示すように、遊技盤10の前面部の略中央に装着される枠状体によって構成される。つまり、図8及び図9に示すように、遊技盤10の略中央部には大型の取付孔10dが設けられている。そして、ベース部材21は、遊技盤10の前面部において、この取付孔10dの周縁に位置する部位に装着されている。また、収納ボックス22は、開口部22aを前方(遊技者の方向)に向け、前端部を、取付孔10dに挿通しつつ、ベース部材21の後方に突出する状態とされている。そして、ベース部材21の内縁部は、収納ボックス22の内部を視認可能とするための窓部21aを構成している。
図5に示すように、ベース部材21の前面部には、周壁部材21bが前方に突出する状態に装着されている。この周壁部材21bは、窓部21aを略包囲する略枠形状とされており、本体壁部21cと、左側庇部21dと、右側庇部21eと、頂壁部21fとを備えている。
図5に示すように、本体壁部21cは、略U字状(正面視。)の経路を描きつつ、窓部21aの左右の左側縁部及び下縁部を包囲している。また、左側庇部21dは、左方向に下り傾斜状とされつつ、窓部21aの上縁部における左側の領域に配設され、右側庇部21eは、右方向に下り傾斜状とされつつ、窓部21aの上縁部における右側の領域に配設さている。但し、左側庇部21dの右端部と、右側庇部21eの左端部とは所定幅(遊技球の直径の約3〜5倍の幅)の空間部(以下、「第1の空間部」という。)21gを挟んだ対向している。
左側庇部21dの左端部と、本体壁部21cの左端部との間には、遊技球が進入可能な空間部(以下、「第2の空間部」という。)21hが設けられ、右側庇部21eの右端部と、本体壁部21cの右端部との間にも、遊技球が進入可能な空間部(以下、「第3の空間部」という。)21iが設けられている。尚、収納ボックス22内には、(a)中央装置20の左側方から取り入れた遊技球を、中央装置20内で誘導させ、後述の始動入賞装置17の上方に位置する部位で遊技領域11に返還する「第1ワープ通路28a」と、(b)中央装置20の右側方から取り入れた遊技球を、中央装置20内で誘導させ、後述の始動入賞装置17の上方に位置する部位で遊技領域11に返還する「第2ワープ通路28b」と、が設けられている。そして、第2の空間部21hは第1ワープ通路28aの入口部に接続され、第3の空間部21iは第2ワープ通路28bの入口部に接続されている。
図5に示すように、頂壁部21fは、略逆U字状(正面視)の経路を描きつつ、第1の空間部21gの上方に配置されている。この頂壁部21fの左方側の下端部と、左側庇部21dの右端部との間には、所定幅(遊技球の直径の約2〜4倍の幅)の空間部(以下、「第4の空間部」という。)21kが設けられ、頂壁部21fの右方側の下端部と、右側庇部21eの左端部との間にも、所定幅(遊技球の直径の約2〜4倍の幅)の空間部(以下、「第5の空間部」という。)21mが設けられている。この第4の空間部21kと、第5の空間部21mが、各々、入球口29A、29Bの具体例を構成している。
図5に示すように、左側の開閉部材27Aは、略羽根形の部材によって構成されると共に、その下端部側が第4の空間部21kにおいて、ベース部材21に軸支され、この第4の空間部21kによって構成される入球口29Aの開閉を行う。つまり、この開閉部材27Aの下端部側の回動軸心を支点として回動可能とされ、「起立状態となりつつ、入球口29Aを閉鎖する閉鎖姿勢」と、「左上がり傾斜状に傾斜して、入球口29Aを開放する開放姿勢」との間で姿勢変更を行うことができる。そして、開閉部材27Aが閉鎖姿勢となると、入球口29Aが閉鎖され、遊技領域11を流下する遊技球が、入球口29Aを通じて、中央装置20内に進入することが不可能となる。一方、開閉部材27Aが開放姿勢となると、入球口29Aが開放され、入球口29Aを通じて、中央装置20内に進入することが可能となると共に、開閉部材27Aの右側面部が入球口29Aに向かって下り傾斜となり、入球口29Aに遊技球を誘導するため、誘導面を構成する。
右側の開閉部材27Bは、左側の開閉部材27Aと鏡面対称な略羽根形の部材によって構成されると共に、その下端部側が第5の空間部21mにおいて、ベース部材21に軸支され、この第5の空間部21mによって構成される入球口29Bの開閉を行う。つまり、この開閉部材27Bの下端部側の回動軸心を支点として回動可能とされ、「起立状態となりつつ、入球口29Bを閉鎖する閉鎖姿勢」と、「右上がり傾斜状に傾斜して、入球口29Bを開放する開放姿勢」との間で姿勢変更を行うことができる。そして、開閉部材27Bが閉鎖姿勢となると、入球口29Bが閉鎖され、遊技領域11を流下する遊技球が、入球口29Bを通じて、中央装置20内に進入することが不可能となる。一方、開閉部材27Bが開放姿勢となると、入球口29Bが開放され、入球口29Bを通じて、中央装置20内に進入することが可能となると共に、開閉部材27Bの左側面部が入球口29Aに向かって下り傾斜となり、入球口29Bに遊技球を誘導するため、誘導面を構成する。
両開閉部材27A、27Bは、所定のリンク機構(図示を省略)を介して、開閉ソレノイド27c(図21を参照)に接続されている。そして、この開閉ソレノイド27cを駆動することで、両開閉部材27A、27Bが開閉動作を行う。例えば、開閉ソレノイド27cを通電したときに、両開閉部材27A、27Bは開放姿勢となり、開閉ソレノイド27cへの通電を停止したときに、両開閉部材27A、27Bは閉鎖姿勢とされる。尚、後述する主制御部200Aによって、「開閉ソレノイド27cの動作を制御する開閉動作制御手段」が構成される。また、開閉部材27A、27Bと、開閉ソレノイド27cと、両者間に介在されるリンク機構(図示を省略)とによって、入球口29A、29Bの開閉を行うための入球口開閉装置を構成する。
通過路選択装置23は、請求項4の発明の「選択装置」の具体例を構成すると共に、入球口29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球の通過する通路(第1の通過路形成部材24Aによって構成される通過路と、第2の通過路形成部材24Bによって構成される特別通過路)との間でを振り分けるための装置である。つまり、入球口29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球は、この通過路選択装置23によって、第1の通過路形成部材24Aと、第2の通過路形成部材24Bとのうちの何れか一方に誘導される。この通過路選択装置23の構造、誘導態様は種々選択可能であるが、本実施例では、図10に示すように、誘導板23aと、カム23bと、伝達部材(スタンパ)23cと、誘導モータ23d(図21を参照)とを備えるものを例示できる。尚、後述する主制御部200Aによって、「誘導モータ23dの動作を制御する誘導動作制御手段」が構成される。
誘導板23aは、第1の空間部21g内において、ベース部材21の前面部に回動可能な状態に支持され、遊技者から視認可能とされている。つまり、この誘導板23aは、左右方向に沿った中間部の回動軸心23eを基準として回動可能な状態に支持されている。但し、この誘導板23aにおいては、左端側には錘231aを装着することで、誘導板23aの重心位置が、回動軸心23eよりも左側に位置している。このため、誘導板23aは、左方向に傾斜するような挙動を示し易くなっている。また、誘導板23aの上面部23fは、入球口29A、29Bを通じて、中央装置20内に進入し、上方から落下する遊技球を受け取り、左端部若しくは右端部に転動させるための転動面を構成している。
伝達部材(スタンパ)23cは、軸心を上下に向け、上下方向中間部に突起部23gを突出させた軸体を用いて構成され、軸受部23h、23iを用いて上下動可能に支持される。但し、伝達部材23cの下方に規制部(規制面)23jが配設され、伝達部材23cの下降範囲は、伝達部材23cの下端部23uが規制部(規制面)23jに当接するまでの範囲とされる。
カム23bは、誘導モータ23dの軸部23kに一体回転可能な状態に装着されると共に、外周部の一カ所から突起部(タペット)23mを突出させている。このカム23bは一回転する間に一度、突起部23mが突起部23gに対して下方から係合し、この突起部(タペット)23mが、突起部23g、ひいては、伝達部材23c全体を上方に跳ね上げることができる。
但し、伝達部材23cの長さ(上下方向に沿った長さ)は、以下のように定められている。つまり、(A)突起部23mが突起部23gに係合していない場合には、下端部23uを規制部(規制面)23jに当接させつつ、上端部23wで、左方向に傾斜する姿勢(以下、「通常誘導姿勢」という。)の誘導板23aを支持可能であると共に、(B)突起部23mが突起部23gに係合し、跳ね上げられた場合には、上端部23wで、「誘導板23aが右方向に傾斜する姿勢(以下、「特別誘導姿勢」という。)」となるように、誘導板23aを押し上げ、可能な長さとされている。
誘導板23aの姿勢が「通常誘導姿勢」である場合には、入球口29A、29Bを通じて、「中央装置20内に進入し、誘導板23aの上面部23fに落下する遊技球Y1」は、第1の通過路形成部材24Aに誘導され、この後、第1の誘導装置25に受け入れられる{図10(a)を参照}。一方、誘導板23aの姿勢が「特別誘導姿勢」である場合には、「誘導板23aの上面部23fに落下する遊技球Y2」は、第2の通過路形成部材24Bに誘導され、この後、第2の誘導装置26に受け入れられる{図10(b)を参照}。そして、後述するように、「遊技球が第1の通過路形成部材24Aに誘導される場合」に比べて、「遊技球が第2の通過路形成部材24Bに誘導される場合」の方が、「遊技者にとって有利な遊技結果」が得られる可能性が高くなっている。
本実施例においては、「入球口29A、29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球が、第2の通過路形成部材24Bに誘導される確率(以下、「第2の誘導確率」という。)」は、「入球口29A、29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球が、第1の通過路形成部材24Aに誘導される確率(以下、「第1の誘導確率」という。)」に比べて低くなるように設定されている。蓋し、本実施例において、誘導モータ23dの軸部23k及びカム23bは、常時(遊技機の遊技状態に関わらず、常時)、一定速度で回転している。ところが、カム23bが一回転する毎に、誘導板23aの姿勢を「特別誘導姿勢」とする時間(突起部23gが突起部23mを跳ね上げられる時間)は、誘導板23aの姿勢を「通常誘導姿勢」とする時間に比べて短くなるからである。
但し、「第2の誘導確率」を、「第1の誘導確率」に比べて高くするための方法は、これに限定されない。例えば、開閉部材27A、27Bの姿勢が閉鎖姿勢にあるときには、誘導板23aの姿勢を「通常誘導姿勢」に維持し、開閉部材27A、27Bの姿勢が開放姿勢となると同時に、誘導板23aの姿勢を「特別誘導姿勢」とし、この「特別誘導姿勢」を短時間(例えば、開閉部材27A、27Bの開放時間の半分以下の時間で、特に、0.5〜1.5秒)で終了させる(短時間に通常誘導姿勢に戻す)ように、後述する主制御部200Aが、前述の入球口開閉装置と、通過路選択装置23の駆動を制御する手法(以下、「第2の手法)という。)を例示できる。
この第2の手法においては、例えば、カム23bの外周部の複数カ所(例えば、周方向に等間隔な3〜6カ所)において、突起部(タペット)23mを突出させ、開閉部材27A、27Bの姿勢が開放姿勢となると同時に、誘導モータ(特に、ステッピングモータ)23dを動作させ、何れかの突起部(タペット)23mで、突起部23gを押し上げてもよい。また、第2の手法においては、入球口開閉装置が開放動作(入球口29A、29Bを開放するための動作)を行う度に、通過路選択装置23が、誘導板23aの姿勢を「特別誘導姿勢」とするように動作することは必ずしも、必要とされない。例えば、主制御部200Aは、入球口開閉装置が開放動作(入球口29A、29Bを開放するための動作)を行う旨を決定する度に、「通過路選択装置23に、誘導板23aの姿勢を特別誘導姿勢とするように動作させる否か」を決定してもよい。尚、図示を省略するが、中央装置20内において、「通過路選択装置23と、入球口29A、29Bとの間に位置する部位」には、入賞検出スイッチ20s(図21を参照)が配設されている。このため、「入球口29A、29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球」は、通過路選択装置23に到達する前に、この入賞検出スイッチ20sによって検出される。
第1の通過路形成部材24Aは、請求項3の発明の「通過路」を構成するための部材であり、図8に示すように、収納ボックス22内に配置される。この第1の通過路形成部材24Aは、「入球口29A、29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球」を、第1の誘導装置25に向かって通過させるためのものである。この第1の通過路形成部材24Aは、断面形状が略四角枠状で、中間部の2カ所に屈曲部を備える筒状体(樋)を用いて構成されている。
この第1の通過路形成部材24Aは、図8及び図9を用いて示されるように、第1の筒状部241Aと、第2の筒状部243Aと、第3の筒状部245Aとを備えている。また、第1の筒状部241Aは、右端部を誘導板23aの中間部(回動軸心23eが通過する位置)の直下にを位置させつつ、左右に略水平に配置されている。更に、第2の筒状部243Aは、第1の筒状部241Aの左端部と連通しつつ、この左端部から下方に突出する状態に配置されている。更に、第3の筒状部245Aは、第2の筒状部243Aの下端部と連通しつつ、この下端部の後方に向かって突出する状態に配置されている。
この第1の筒状部241Aの右端部側の上面部は切り欠かれ、入口部246Aを構成している(図8を参照)。そして、この入口部246Aには、通常誘導姿勢とされた誘導板23aの左端側が進入可能とされている。そして、この誘導板23aの上面部23fを転動した遊技球は、この入口部246Aを通じて、第1の通過路形成部材24A内に進入可能となっている。また、第3の筒状部245Aの後端部側の下面部は切り欠かれ、出口部247Aを構成している(図9を参照)。更に、第1の通過路形成部材24Aの床面は、入口部246Aから出口部247Aに向かって下る傾斜面とされている。このため、第1の通過路形成部材24Aは、入口部246Aで受け入れた遊技球を、出口部247Aに向かって通過させることができる。
第2の通過路形成部材24Bは、請求項4の発明の「特別通過路」を構成するための部材であり、図8に示すように、収納ボックス22内に配置される。この第2の通過路形成部材24Bは、「入球口29A、29Bを通じて中央装置20内に進入した遊技球」を、第2の誘導装置26に向かって通過させるためのものである。この第2の通過路形成部材24Bも、断面形状が略四角枠状で、中間部の2カ所に屈曲部を備える筒状体(樋)を用いて構成されている。
この第2の通過路形成部材24Bは、図6及び図8を用いて示されるように、第1の筒状部241Bと、第2の筒状部243Bと、第3の筒状部245Bとを備えている。また、第2の筒状部241Bは、左端部を誘導板23aの中間部(回動軸心23eが通過する位置)の直下にを位置させつつ、左右に略水平に配置されている。更に、第2の筒状部243Bは、第1の筒状部241Bの右端部と連通しつつ、この左端部から下方に突出する状態に配置されている。更に、第3の筒状部245Bは、第2の筒状部243Bの下端部と連通しつつ、この下端部の後方の後方に向かって突出する状態に配置されている。
この第2の筒状部241Bの左端部側の上面部は切り欠かれ、入口部246Bを構成している(図8を参照)。そして、この入口部246Bには、特別誘導姿勢とされた誘導板23aの左端側が進入可能とされている。そして、この誘導板23aの上面部23fを転動した遊技球は、この入口部246Bを通じて、第2の通過路形成部材24B内に進入可能となっている。また、第3の筒状部245Bの後端部側の下面部は切り欠かれ、出口部(図示を省略)を構成している。更に、第2の通過路形成部材24Bの床面も、入口部246Bから出口部に向かって下る傾斜面とされている。このため、第2の通過路形成部材24Bは、入口部246Bで受け入れた遊技球を、出口部に向かって通過させることができる。
第1の誘導装置25は、請求項4の発明の「誘導装置」の具体例を構成するものであり、収納ボックス22内において中央部よりも左側の部位に配置されている。この第1の誘導装置25は、第1の通過路形成部材24Aを通過した遊技球を受け入れ、通常領域部TR(図17を参照)及び第2の誘導装置26のうちの一方に誘導するためのものである。
第1の誘導装置25は、図6に示すように、基体部25aと、移送ローラ装置25bと、を備えている。また、基体部25aは、遊技球を転動させる転動面を構成すると共に、移送ローラ装置25bを支持するための部材であり、「横長の略矩形状」の平面形状を備えている。この基体部25aは、図7に示すように、本体部25cと、モータ取付部25dとを備えている。尚、モータ取付部25dは、基体部25aの左端側を構成し、本体部25cは「基体部25aのその他の部分」を構成する。
図7に示すように、本体部25cにおいて、前後方向に沿った中央部であって、右端側に偏心した位置には、装着部25eが設けられている。この装着部25eは、略樽形の開口形状を呈しつつ、上方に向かって開口する凹部によって構成されている(図11を参照)。また、本体部25cの後縁部からは後壁部25fが立ち上げられ、本体部25cの左縁部からは左側壁部25gが立ち上げられている。更に、本体部25cの前縁部からは、前壁部25hが立ち上げられているが、この前壁部25hは、2つの切り欠き部K1、K2を備えている{図13(a)を参照}。
本体部25cの上面部からは仕切壁部25iが立ち上げられている。この仕切壁部25iは、後端部を後壁部25fに一体化させ、左側壁部25gと略平行に配設されている。但し、この仕切壁部25iと、左側壁部25gとの間には遊技球の通過を許容する空間(11mmを超える幅を有する間隔)が設けられている。また、仕切壁部25iの前端部と、前壁部25hとの間にも、遊技球の通過を許容する空間(11mmを超える幅を有する間隔)が設けられている。
本体部25cの上面部において、左側壁部25gと、仕切壁部25iとの間に位置する部位は、球導入路D1を構成する。この球導入路D1は、第1の通過路形成部材24A(通過路)を通過した遊技球を受け取り、後述する受入転動部Eに導入するためのものである。この球導入路D1は、入口部D11を、第1の通過路形成部材24Aの出口部247Aの直下に位置させる(図9を参照)と共に、出口部D12を、後述する受入転動部Eに接続している(図7を参照)。また、球導入路D1の床面部は、入口部D11から出口部D12に向かって下り傾斜状とされている(図9を参照)。
本体部25cの上面部において、前壁部25hと、装着部25eとの間の部位は、受入転動部Eを構成している(図7を参照)。この受入転動部Eは、左右方向に形成されると共に、左端部ELが、球導入路D1の出口部D12と略直交する状態で接続されている。このため、受入転動部Eは、第1の通過路形成部材24A(通過路)に球導入路D1を介して接続され、第1の通過路形成部材24A(通過路)、球導入路D1の順に通過した遊技球を受け入れることができる。但し、受入転動部Eの右端部の床面(路面)は、球導入路D1の出口部D12の床面(路面)に比べて段差状に低くされている(図9を参照)。
図6及び図13(a)に示すように、この受入転動部Eは略波形とされつつ、左右方向に転動経路を形成している。つまり、この受入転動部Eは、なだらかな凹凸を形成しつつ、「平面視で略直線状」に設けられた転動面(路面)を用いて構成されると共に、左端部EL(図7等を参照)を、遊技球を導入するための導入部とし、右端部ER(図7等を参照)を、転動した遊技球が折り返す折り返し部としている。この受入転動部Eの転動経路の経路途中には、転動面(路面)を略山形に隆起させて構成される障害用隆起部Vが設けられている。また、この受入転動部Eにおいては、右端部ER及び左端部ELの高さを、他の何れの部位の高よりも高くしている。
図6及び図13(a)に示すように、この受入転動部Eにおいては、障害用隆起部Vの頂部VTよりも左側に位置する部位が、通常転動部NTを構成し、頂部VTよりも右側に位置する部位が、特別転動部STを構成する。
通常転動部NTは、図13(a)に示すように、谷形に凹む(略円弧状に凹む)形状とされ、左右に沿った両端部(受入転動部Eの左端部EL及び障害用隆起部Vの頂部VT)において床面を高くし、中央部において床面を高さを最も低くしている。この通常転動部NTでは、左端部(受入転動部Eの左端部EL)から中央部に向かって、下り傾斜部(緩やかな略円弧状の経路をたどって、右下り傾斜となる下り傾斜部)が形成され、右端部(障害用隆起部Vの頂部VT)から中央部に向かって、下り傾斜部(緩やかな略円弧状の経路をたどって、左下り傾斜となる下り傾斜部)が形成されている。
特別転動部STも、図13(a)に示すように、谷形に凹む(略円弧状に凹む)形状とされ、両端部(障害用隆起部Vの頂部VT及び受入転動部Eの右端部ER)において床面を高くし、中央部において床面を高さを最も低くしている。この特別転動部STでは、左端部(障害用隆起部Vの頂部VT)から中央部に向かって、下り傾斜部(緩やかな略円弧状の経路をたどって、左下り傾斜となる下り傾斜部)が形成され、右端部(受入転動部Eの右端部ER)から中央部に向かって、下り傾斜部(緩やかな略円弧状の経路をたどって、左下り傾斜となる下り傾斜部)が形成されている。
通常転動部NTの左右方向に沿った経路長は、遊技球の直径(11mm)の約6倍とされているが、図13に示すように、中央部を中心とする「遊技球の直径(11mm)の約2倍」の幅の部位が、第1の通常誘導部NY1とされている。また、特別転動部STの左右方向に沿った経路長は、遊技球の直径(11mm)の約3倍とされているが、図13に示すように、中央部を中心とする「遊技球の1個分」の幅の部位が、第2の通常誘導部NY2とされている。この第1の通常誘導部NY1及び第2の通常誘導部NY2は、何れも、「通常誘導部」の具体例を構成すると共に、前方に下り傾斜となる傾斜面によって構成されている(図6等を参照)。
図13に示すように、前述の前壁部25hにおいて、受入転動部Eの前方に位置する部位では、本体部25cの上方(受入転動部Eの上方)への突出量が少なくされ、遊技球の直径(11mm)の約「1/4」の量に相当する突出量とされている。また、前壁部25hに設けられる一方の切り欠き部K1は、第1の通常誘導部NY1の前縁部に相当する部位に設けられる。このため、第1の通常誘導部NY1において、その「前方への下り傾斜」を利用して、前方へ転動する遊技球は、この切り欠き部K1を通過し、受入転動部E外へ排出され、所定の連絡路TR1を介して、通常領域部TRに誘導される(図17を参照)。
前壁部25hに設けられる他方の切り欠き部K2は、第2の通常誘導部NY2の前縁部に相当する部位に設けられる。このため、第2の通常誘導部NY2において、その「前方への下り傾斜」を利用して、前方へ転動する遊技球は、この切り欠き部K2を通過し、受入転動部E外へ排出され、前述の連絡路TR1を介して、通常領域部TRに誘導される(図17を参照)。
図6及び図7に示すように、本体部25cの上面部において、装着部25eと後壁部25fとの間には、球受取転動部Gが設けられ、装着部25eと仕切壁部25iとの間には、連結用転動部Jが設けられている。尚、球受取転動部G及び連結用転動部Jは、1球の遊技球が通過可能な幅(11mmを超える幅)を有している。
球受取転動部Gは、移送ローラ装置25b(後述する。)によって上方に移送される遊技球を受け取り、受入転動部E及び第2の誘導装置26のうちの一方に誘導するための誘導部を構成する。この球受取転動部Gは、図12に示すように、頂部GTの左右に下り傾斜となる下り傾斜面を用いて構成されている。つまり、頂部GTを基準として左方向に下り傾斜となる第1の傾斜部G1と、頂部GTを基準として右方向に下り傾斜となる第2の傾斜部G2と、を備えている。また、「球受取転動部Gの頂部GT」と、「障害用隆起部Vの頂部VT」とは前後に位置合わせされている。また、「球受取転動部Gの頂部GT」の高さは、「障害用隆起部Vの頂部VT」の高さよりも高くされている。
連結用転動部Jは、図6に示すように、後方から前方に向かって下り傾斜となる下り傾斜部を用いて構成されている。そして、連結用転動部Jの後端部(上端部)と、第1の傾斜部G1の左端部(下端部)とが、略直交する状態で連結されると共に、連結用転動部Jの前端部(下端部)と、通常転動部NTとが略直交する状態で連結されている。このように、第1の傾斜部G1と、連結用転動部Jとが連結されることで、下り傾斜状の通路(戻し通路)が形成されるが、この通路(戻し通路)によって、「返還誘導部N1」の具体例が構成される(図7を参照)。
図7に示すように、第2の傾斜部G2の下端部は、本体部25cの右端面の後方側において、第1の誘導装置25の外部に開放され、後述する「第2の誘導装置26の転動面26k」に連結されている。このように、第2の傾斜部G2は、第2の誘導装置26に向かって下り傾斜状の通路が構成されるが、この通路によって、「特別誘導部S1」の具体例が構成される。
移送ローラ装置25bは、図11に示すように、移送ローラ25mと、ローラ25mを回転可能な状態に支持するための支持部25n、25pと、移送ローラ25mを回転駆動させるための移送モータ25rと、を備えている。また、移送ローラ25mは、 請求項3の発明の「回転移送部材」の具体例を構成すると共に、ローラ本体25sと、ローラ軸25tと、通常吸着片25uと、特別吸着片25vと、を備えている。
ローラ本体25sは、樹脂を用いて構成されると共に、略樽形状の外形を備えている。このローラ本体25sの縦断面(回転軸心を通過する縦断面)の形状は、装着部25eの開口形状と略等しくされている。但し、ローラ本体25sの縦断の外縁寸法は装着部25eの開口部の内縁寸法よりも僅かに小さくされている。つまり、このローラ本体25sは、その回転軸心を略水平方向に向け、下方側の部分を装着部25e内に埋没させ、上方側の部分を本体部25cの上方に露呈させた状態とされつつ、回転可能なサイズとされている。尚、以下の説明においては、ローラ本体25sのうちで、外径が最大となる部分を大径部251sと称し、この大径部251sよりも右側の部分(ローラ本体25sの軸心方向に沿った右側の部分)を右方部252sと称し、この大径部251sよりも左側の部分(ローラ本体25sの軸心方向に沿った左側の部分)を左方部253sと称することがある。
ローラ軸25tは、ローラ本体25sの軸心位置に配設され、ローラ本体25sと一体で回転可能とされている。また、ローラ軸25tの左端部側は、ローラ本体25sの左端面から突出し、ローラ軸25tの右端部側は、ローラ本体25sの右端面から突出している。尚、ローラ軸25tの軸心は、移送ローラ25mの回転軸心に一致する。
通常吸着片25uは、永久磁石を用いて構成される小片を用いて構成されると共に、ローラ本体25sの左方部253sに装着されて、この左方部253sの所定の部位の外周部に「通常吸着部」を形成する。この通常吸着片25uは、左方部253sにおいて、「ローラ本体25sの回転軸心(ローラ軸25tの軸心)」に沿った2箇所において、左方部253s(ローラ本体25s)の外周部を周回する方向に沿って、複数個ずつ、形成間隔をおいた状態で装着されている。
つまり、この左方部253sにおける「2カ所」のうちで、左側に位置する部位(以下、「第1の形成位置d1」という。)には、3個の通常吸着片25uが、左方部253sの外周部を周回する方向に沿って等間隔に装着されている。また、この左方部253sにおける「2カ所」のうちで、右側に位置する部位(以下、「第2の形成位置d2」という。)には、2個の通常吸着片25uが、左方部253sの外周部を周回する方向に沿って等間隔に装着されている。但し、左方部253sに装着される通常吸着片25uの数を更に多くしてもよい。この場合、移送ローラ装置25bと、返還誘導部N1(後述する。)等を用いた演出(前述の返還機能を用いた演出)の実行頻度を高くすることができる。
特別吸着片25vも、通常吸着片25uと同様に、永久磁石を用いて構成される小片を用いて構成されている。そして、この特別吸着片25vは、ローラ本体25sの右方部252sに装着されて、この右方部252sの所定の部位の外周部に「特別吸着部」を形成する。この特別吸着片25vは、右方部252sにおいて、「ローラ本体25sの回転軸心(ローラ軸25tの軸心)」に沿った1箇所において、1個装着されている。但し、右方部252sに装着される特別吸着片25vの数を多くしてもよい。この場合、移送ローラ装置25bと、特別誘導部S1(後述する。)等を用いた演出の実行頻度を高くすることができる。
但し、各形成位置d1、d2、d3における各吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)の形成箇所は、以下のように定められている。つまり、ローラ本体25sの外周部において、ローラ本体25sの軸心方向に沿った同一直線上には、複数の吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)が存在しないように定められている。換言すると、各形成位置d1、d2、d3における吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)の形成箇所を比べると、ローラ本体25sの外周部を周回する方向に沿って位置ずれを生じた状態(ローラ本体25sの軸心方向を基準とする位相が異なる状態)とされている。また、本実施例では、右方部252sに多数の通常吸着片25uを配設しているため、再チャレンジ演出(移送ローラ装置25b等の返還機能を用いた演出)」を実行する可能性が高くされている。
尚、吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)のローラ本体25sへの装着方法は特に問わず、例えば、ローラ本体25sの外周部で開口する装着穴やローラ本体25sの外周部で開口する装着溝に装着する態様を例示できる。この場合、装着される吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)は、ローラ本体25sの外周部と面一とされてもよいし、ローラ本体25sの外周部よりも突出してもよし、ローラ本体25sの外周部よりも凹んだ箇所に位置してもよい。更に、移送ローラ25mに吸着部(通常吸着部及び特別吸着部)を設けるための方法は、本実施例に示すものに限定されず、例えば、ローラ本体25sに吸着片(通常吸着片25u及び特別吸着片25v)を埋没させて設けることができる。
支持部25n、25pは、移送ローラ25m(ローラ軸25t)を回転可能な状態で支持する軸受部である。このうち、左側の支持部25nは、導入路D1及び連結用転動部Jの下方に埋設された状態に配置され、右側の支持部25pは、基体部25aの右端側において埋設された状態に配置されている。そして、左側の支持部25nは、ローラ軸25tの左端部側を回転可能な状態に支持し、右側の支持部25pは、ローラ軸25tの右端部側を回転可能な状態に支持している。
移送ローラ25mは、支持部25n、25pで支持されつつ、基体部25aに対して、以下の状態で配置されている。即ち、移送ローラ25mの回転軸心(ローラ軸25t)を左右方向に向け、移送ローラ25m(ローラ本体25s)の下方側の部分を装着部25e内に埋没させ、上方側の部分を基体部25aの上方に露呈させた状態とされつつ、回転可能な状態に配置されている。
移送ローラ25mが、基体部25aに対して、このような状態で配置されると、移送ローラ25mの上方側の部分が、「受入転動部E、球受取転動部G、及び、連結用転動部J」よりも上方に突出する状態とされる。また、受入転動部E及び移送ローラ25mの外周部の距離と、球受取転動部G及び移送ローラ25mの外周部の距離と、連結用転動部J及び移送ローラ25mの外周部の距離は、何れも、遊技球の直径の半分以下(ゼロを含まない。)の距離とされる。
図7に示すように、「ローラ本体25sの大径部251s」は、「障害用隆起部Vの頂部VT」及び「球受取転動部Gの頂部GT」と前後に位置合わせされている。また、「左側の通常吸着片25u」は、「第1の通常誘導部NY1の左端部」と前後に位置合わせされ、「右側の通常吸着片25u」は、「第1の通常誘導部NY1の右端部」と前後に位置合わせされている。更に、「特別吸着片25v」は、「第2の通常誘導部NY2の略中央部」と前後に位置合わせされている。
ここで、図7に示すように、第1の傾斜部G1(返還誘導部N1)において、「左側の通常吸着片25u」と前後に位置合わせされる箇所が、第1の通常球受取部F1を構成する。また、第1の傾斜部G1(返還誘導部N1)において、「右側の通常吸着片25u」と前後に位置合わせされる箇所が、第2の通常球受取部F2を構成する。そして、第1の通常球受取部F1及び第2の通常球受取部F2は、請求項3の発明の「通常球受取部」の具体例を構成する。更に、第2の傾斜部G2(特別誘導部S1)において、「特別吸着片25v」と前後に位置合わせされる箇所が、特別球受取部Wを構成する。
移送モータ25rは、移送ローラ25mを回転させるためのモータであり、図11に示すように、モータ取付部25dに取り付けられている。そして、この移送モータ25rの回転軸251rに装着されたギア252rと、ローラ軸25tに装着されたギア251tとが噛合されている。このため、移送モータ25rによって生ずる回転駆動力が移送ローラ25mに伝達される。ここで、後述する主制御部200Aは、移送モータ25rの動作を制御する動作制御手段として機能する。そして、本実施例では、この主制御部200Aが移送モータ25rの動作を制御することで、回転軸251rが、常時、一定速度で回転するため、移送ローラ25mは、常時、一定速度で回転(移送ローラ25mの右側方から見て、右回転方向)している。但し、主制御部200Aは、所定条件が成立したときのみに(例えば、後述する「小当たりを生じたときのみに)、回転軸251rが回転するように、移送モータ25rの動作を制御してもよい。
本実施例においては、図14(a)及び図17に示すように、第1の通過路形成部材24A及び球導入路D1を通過し、受入転動部Eに導入される遊技球Yの多くは、通常転動部NTを転動{例えば、1回若しくは複数回、往復動(転動)したり、片道分転動する。}し、勢い(転動速度)が低下したところで、第1の通常誘導部NY1によって、通常領域部TRに誘導される。
但し、図14(b)に示すように、遊技球Yが通常転動部NTを転動中に(第1の通常誘導部NY1によって通常領域部TRに誘導される前に)、何れかの通常吸着片25u(通常吸着部)によって吸着されると、この遊技球Yは移送ローラ25mと一体で回転する。この遊技球Yは、移送ローラ25mと一体で回転し、受入転動部Eの上方に移送される。
更に、この遊技球Yは、第1の傾斜部G1(返還誘導部N1)の床面(第1の通常球受取部F1、若しくは、第2の通常球受取部F2)に当接したところで、この床面に追従するため、「移送ローラ25mとの一体回転」を禁止され、この床面に移行する。換言すると、この床面(第1の通常球受取部F1、若しくは、第2の通常球受取部F2)は、通常吸着片25uによって吸着された遊技球Yを、通常吸着片25uから剥奪する。更に、この床面(第1の通常球受取部F1、若しくは、第2の通常球受取部F2)に移行した遊技球は、返還誘導部N1の下り傾斜状の床面に沿って転動して、通常転動部NTに誘導される。
このように、返還誘導部N1を通じて、通常転動部NTに誘導される(通常転動部NTに返還される)遊技球Yは、図15(a)に示すように、障害用隆起部Vの頂部VTを超えて、特別転動部STに到達する可能性が高くなっている。蓋し、本実施例では、返還誘導部N1において、遊技球Yを受け取る部位(第1の通常球受取部F1、若しくは、第2の通常球受取部F2)の高さが、障害用隆起部Vの頂部VTの高さよりも、20mm以上高くされている。しかも、返還誘導部N1の経路長及び通常転動部NTの経路長を合わせたもの(以下、「第2の経路長a2」という。)が、短くされている(例えば、150mm以下)とされているからである。尚、本実施例では、このように、「返還誘導部N1において遊技球Yを受け取る部位の高さを、障害用隆起部Vの頂部VTの高さよりも、20mm以上高くすること」で、前述の「確率向上手段」の具体例を実現させている。
ここで、本実施例では、第2の通常球受取部F2と、障害用隆起部Vの頂部VTとの高低差(以下、「第2の高低差h2」という。)と、「第2の経路長a2」とが以下の条件を満たすことが望ましい。つまり、入球口(29A、29B)と、障害用隆起部Vの頂部VTとの高低差を「h1」とする。また、入球口(29A、29B)から入球した遊技球Yが、仮に、第1の通過路形成部材24A及び球導入路D1を通過して、受入転動部Eに導入され、障害用隆起部Vの頂部VTに到達したとする場合に、遊技球が通過する経路の経路長を、「第1の経路長A1」とする。この場合、第2の高低差h2を、第2の経路長a2で割った値(h2/A2)が、第1の高低差h1を、第1の経路長a1で割った値(h1/A1)で割った値よりも大きくなることが望ましい。
蓋し、「返還誘導部N1を通じて、通常転動部NTに誘導される遊技球Yが、障害用隆起部Vの頂部VTを超えて、特別転動部STに到達する可能性」を、より高くできるからである。尚、本実施例においては、値(h2/A2)が、値(h1/A1)の1.2倍以上であることが望ましく、1.5倍以上であることが更に望ましく、2倍以上であることが更に一層望ましい。
このように、障害用隆起部Vの頂部VTを超えて、特別転動部STに到達した遊技球Yは、特別転動部STを転動{例えば、1回若しくは複数回、往復動(転動)したり、片道分転動する。}する。そして、図15(b)に示すように、勢い(転動速度)が低下したところで、特別吸着片25v(特別吸着部)によって吸着されると、この遊技球Yは移送ローラ25mと一体で回転する。但し、本実施例では、特別吸着片25v(特別吸着部)に吸着されず、第2の通常誘導部NY2によって、通常領域部TRに誘導される遊技球も存在する。
特別転動部STを転動中に、特別吸着片25v(特別吸着部)によって吸着された遊技球Yは、移送ローラ25mと一体で回転し、受入転動部Eの上方に移送される。この遊技球Yは、第2の傾斜部G2(特別誘導部S1)の床面(特別球受取部W)に当接したところで、この床面に追従するため、「移送ローラ25mとの一体回転」を禁止され、この床面に移行する。換言すると、この床面(特別球受取部W)は、特別吸着片25vから遊技球を剥奪する。更に、この床面(特別球受取部W)に移行した遊技球は、右方向に向かって下り傾斜状の特別誘導部S1に沿って、第2の誘導装置26に誘導される。
尚、第1の通過路形成部材24A及び球導入路D1を通過し、受入転動部Eに導入される際に、遊技球Yの速度が速い場合に、この遊技球Yは、障害用隆起部Vの頂部VTを超えて、特別転動部STに到達することがある。この場合においても、遊技球Yは、特別吸着片25v(特別吸着部)によって吸着され、特別球受取部W、特別誘導部S1を経て第2の誘導装置26に誘導されるか、若しくは、特別吸着片25v(特別吸着部)に吸着されず、第2の通常誘導部NY2によって、通常領域部TRに誘導される。
本実施例では、遊技球が特別転動部STに到達しても、通常領域部TRに誘導される可能性がある。但し、特別転動部STから、第2の通常誘導部NY2を排除することで、特別転動部STに到達した遊技球は、一律に、第2の誘導装置26に誘導されるものとしてもよい。
第2の誘導装置26は、請求項3の発明の「特別誘導装置」の具体例を構成するものであり、収納ボックス22内において中央部よりも右側の部位に配置されている(図8を参照)。この第2の誘導装置26は、(1)第1の誘導装置25から誘導された遊技球を受け入れ、通常領域部TR及び特別領域部SRのうちの一方に誘導したり、(2)第2の通過路形成部材24Bを通過した遊技球を受け入れ、通常領域部TR及び特別領域部SRのうちの一方に誘導するためのものである。
第2の誘導装置26は、図6及び図7に示すように、基体部26aと、回転誘導体26bと、誘導モータ26c(図21を参照)とを備えている。このうち、基体部26aの上面部には、図7に示すように、上方に開口すると共に、外縁部の形状が略円形の凹部26dが設けられている。この凹部26dは、中心側に位置すると共に平面形状が略円形の装着部26eと、装着部26eを周回状に包囲すると共に平面形状が略リング状の球導入部26fとを備えている。そして、装着部26eの深さは、球導入部26fの深さよりも深くされている。また、球導入部26fの底面部は、装着部26eに向かって下り傾斜となる傾斜面とされている。
装着部26eの底面部においては、図16(b)及び(c)に示すように、遊技球を通常領域部TRに誘導するための通常誘導孔26gと、遊技球を特別領域部SRに誘導するための特別誘導孔26hとが開口している。但し、特別誘導孔26hの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離は、通常誘導孔26gの開口位置と装着部26eの中心部26jとの距離よりも小さくされている。つまり、前者の距離は、後者の距離よりも、「遊技球の直径(11ミリ)」を超える長さの分だけ、小さくされている。
図7に示すように、基体部26aの上面部において、凹部26dの後方に位置する部位には、特別誘導部S1の下端部(出口部)と、球導入部26fとの間を介在する転動面26kが設けられている。この転動面26kは、球導入部26fの方向に下り傾斜とされ、樋部材25cを通じて、第1の誘導装置25から誘導される遊技球を受け入れ、球導入部26fに向かって転動させる。
図7に示すように、基体部26aの上面部において、凹部26dの右側方に位置する部位には、特別誘導溝26pが設けられている。この特別誘導溝26pは、第2の通過路形成部材24B(特別通過路)を通過した遊技球を受け取り、球導入部26fに導入するためのものである。この特別誘導溝26pは、入口部261pを、第2の通過路形成部材24Bの出口部の直下に位置させると共に、出口部261pを球導入部26fに接続している。また、特別誘導溝26pの床面部は、入口部261pから出口部262pに向かって下り傾斜状とされている。このため、特別誘導溝26pを通過した遊技球は、球導入部26fに進入可能となっている。
回転誘導体26bは、図7に示すように、装着部26eに回転可能な状態に装着されている。尚、回転誘導体26bの上面部には、略球状の装飾部材26mが装着されているが、図7及び図16(a)においては図示を省略する。
回転誘導体26bは、上面部が曲面部とされた円板に対して、4個の誘導用凹部261b、261b、261b、262bを設けた構成を備える。これらの誘導用凹部261b、262bは、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に形成されると共に、1個の遊技球を受け入れ可能なサイズとされている。また、何れの誘導用凹部261b、262bも、回転誘導体26bの外周部の側から回転誘導体26bの中心部の側に凹む状態に形成されると共に、回転誘導体26bの上面部及び下面部においても開口している。そして、球導入部26f上の遊技球を、受け入れことが可能である。
但し、3個の誘導用凹部261bが、遊技球を通常誘導孔26gに誘導するために用いられ、残りの1個の誘導用凹部262bが、遊技球を特別誘導孔26hに誘導するために用いられる。つまり、誘導用凹部261b、262bに受け入れられた遊技球は、図16(c)に示すように、誘導用凹部261bの出口部265b、266bから、通常誘導孔26g及び特別誘導孔26hのうちの何れか一方に誘導される。そして、この出口部265b、266bは、回転誘導体26bの底面部で開口しているが、(a)3個の誘導用凹部(以下、「通常誘導用凹部」という。)261bが、回転誘導体26bを回転させることで、通常誘導孔26g(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられ、(b)残りの1個の誘導用凹部(以下、「特別誘導用凹部」という。)262bが、回転誘導体26bを回転させることで、特別誘導孔26h(入口部)と上下に位置合わせ可能な位置に設けられているからである。
誘導モータ26cは、回転誘導体26bを回転させるためのモータである。この誘導モータ26cから発生する回転駆動力は、所定の伝達部材(ギア等)を介して、回転誘導体26bに伝達される。尚、後述する主制御部200Aは、誘導モータ26cの動作を制御する動作制御手段として機能する。そして、本実施例では、この主制御部200Aが誘導モータ26cの動作を制御することで、その回転軸が、常時、一定速度で回転するため、回転誘導体26bは、常時、一定速度で回転(上方側から見て、左回転方向)している。
本実施例においては、第1の誘導装置25から誘導された遊技球や、第2の通過路形成部材24Bを通過した遊技球を球導入部26fで受け入れる。この遊技球は、球導入部26fを転動した後、通常誘導用凹部261b、及び、特別誘導用凹部262bのうちの一方に進入する。そして、通常誘導用凹部261bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させことで、通常誘導孔26gに誘導され、特別誘導用凹部262bに進入した遊技球は、回転誘導体26bを回転させことで、特別誘導孔26hに誘導される。
図17に示すように、中央装置20に入球した遊技球は、先ず、通過選択装置23によって、その通過方向が選択される。そして、第1の通過路形成部材(通過路)24Aに誘導されると(つまり、通常ルートLNに誘導されると)、球導入路D1を経て受入転動部Eに導入され、この受入転動部Eを転動する(L1)。この受入転動部Eを転動中に、何れの吸着片(通常吸着片25u、特別吸着片25v)にも吸着されない場合、遊技球は、通常誘導部(第1の通常誘導部NY1、第2の通常誘導部NY2)によって、通常領域部TRに誘導される(L2)。
一方、受入転動部Eを転動中に、通常吸着片25uに吸着されると、返還誘導部N1を通じて、通常転動部NTに誘導される(通常転動部NTに返還される)。また、受入転動部Eを転動中(返還誘導部N1による返還履歴の有無を問わない。)に、特別吸着片25vに吸着されると、特別誘導部S1を経て第2の誘導装置26に誘導される(L3)。そして、転動面26k、球導入部26fを経て、通常誘導用凹部261b及び特別誘導用凹部262bのうちの何れかに進入する。更に、通常誘導用凹部261bに進入すると、通常誘導孔26gを経て通常領域部TRに誘導され(L4)、特別誘導用凹部262bに進入すると、特別誘導孔26hを経て特別領域部SRに誘導される(L5)。そして、特別領域部SRに誘導された遊技球は、通過検出スイッチ8t(図21を参照)によって検出される。ここで、回転誘導体26bには、3個の通常誘導用凹部261bと、1個の特別誘導用凹部262bとが、回転誘導体26bの周方向に沿って等間隔に配置されているため、球導入部26fに到達した遊技球が、特別領域部SRに誘導される確率は、「1/4」とされている。但し、第1の通過路形成部材(通過路)24Aを通過した遊技球が、球導入部26fに到達するためには、特別吸着片25vによって吸着されることが前提となる。このため、第1の通過路形成部材(通過路)24Aを通過した遊技球が、特別領域部SRに誘導される確率は、「1/4」よりも更に小さくなる。
中央装置20に入球した遊技球が、通過選択装置23によって、第2の通過路形成部材(通過路)24Bに誘導されると(つまり、特別ルートLSに誘導されると)、特別誘導溝28p、球導入部26fを経て、通常誘導用凹部261b及び特別誘導用凹部262bのうちの何れかに進入する。このように、第2の通過路形成部材(通過路)24Bに誘導される遊技球は、直接(第2の誘導装置26を経由せずに)、球導入部26fに到達するため、この遊技球が、特別領域部SRに誘導される確率は、「1/4」となる。
本実施例では、遊技球が中央装置20に入球すると、通過選択装置23によって、この遊技球を、特別領域部SRを通過する確率が低い通常ルート(LN)に誘導するか、或いは、特別領域部SRを通過する確率が高い特別ルート(LS)に誘導するかが選択されるため、遊技者の興趣が高められる。しかも、遊技球が、通常ルート(LN)を通過した後、第2の誘導装置26に進入する場合には、この遊技球が、第2の誘導装置26に進入するタイミングを、ランダムなものとすることができる。つまり、特別ルート(LS)を経て第2の誘導装置26に進入する場合、遊技球が中央装置20に入球するタイミングによって、遊技球が第2の誘導装置26に到達するタイミングが定まる。しかも、回転誘導体26bの回転速度が一定であるため、遊技球が中央装置20に入球するタイミングによって、この遊技球が特別領域部SRを通過する否かが概ね、定まる。
一方、遊技球が、通常ルート(LN)を通過し、第2の誘導装置26に進入する場合、「通常転動部NTにおける転動時間の長短」、「遊技球が返還誘導部N1を通過する回数」、「特別転動部STにおける転動時間の長短」、等が不明である」等の理由で、「遊技球が特別吸着片25vに吸着されるタイミング」を一義的に定めることができない。このため、遊技球が中央装置20に入球するタイミングによっては、この遊技球が特別領域部SRを通過する否かを定めることができない。
図4に戻り、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bは、遊技領域11において、中央装置20の下方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bには普通図柄作動ゲート通過検出用スイッチ16s、16s(図21参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出用スイッチ16sを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件(つまり、普通図柄変動開始条件)」が成立すると、第1の表示装置60において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
図4に示すように、始動入賞装置17は、遊技領域11において、中央装置20の中央部の直下に配設され、始動入賞装置18は、遊技領域11において中央装置20の左斜め下方に配設され、始動入賞装置19は、遊技領域11において中央装置20の左斜め下方に配設されている。このうち、始動入賞装置17の入口側部分には、普通電動役物17dが配置されている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図21参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、その他の始動入賞装置18、19は、入球可能性を変化させることができない、通常形式の入賞装置である。
各始動入賞装置17、18、19の内部には、遊技球の通過を検出する始動入賞検出用スイッチ17s、18s、19s(図21参照)が配設されている。但し、全ての始動入賞装置17、18、19に入賞した遊技球を、同一の通路(図示を省略)に導き、この通路の経路途中に配設された共通の「始動入賞検出用スイッチ」を配設してもよい。
図4に示すように、下部装置30は、始動入賞装置17の下方に配設されている。この下部装置30は、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。また、取付板部31kの背後には、大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための「大入賞口入賞通路(図示を省略)」が設けられている。
そして、可変入賞装置(大入賞装置)31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイ板31c(図21参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた入賞球検出用スイッチ31s(図21参照)と、を備えている。この可変入賞装置(大入賞装置)31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置(大入賞装置)31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aを開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置(大入賞装置)31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
保留図柄表示装置50は、図5に示すように、頂壁部21fの下端側に一体化され、左側に配置される特別図柄保留表示部51と、右側に配置される普通図柄保留表示部52とを備えている。このうち、特別図柄保留表示部51は、図18(a)に示すように、2個のLED51a、51bを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17、18、19に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17、18、19に入賞したが、後述する特別図柄表示部51において、当該通過に伴う当否判定の結果の表示(判定結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
尚、本実施例では、「遊技球が、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bを通過すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断、つまり、普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの判断を、「当否抽選」と称する。また、「遊技球が、始動入賞装置17に入賞すること条件に、主制御部200Aによって実行される判断」、即ち、「可変入賞装置(大入賞装置)31を開放を許容するか否かの判断」、つまり、「遊技機の遊技状態を、可変入賞装置31を閉鎖状態に維持する通常遊技状態から、可変入賞装置31の開閉を行う特別遊技状態(大当たり遊技状態)にすべきか否かの判断」を、「当否判定」と称する。
普通図柄保留表示部52は、図18(a)に示すように、2個のLED52a、52bを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bを通過したが、未だ、未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の個数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bを通過したが、後述する普通図柄表示部52において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部51及び普通図柄保留表示部52においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、図18(b)に示すように、2個LEDを消灯させることで、「保留数」が「ゼロ個」であることを示す。また、1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させることで、「保留数」が「1個」であることを示す。更に、2個のLEDを点灯させることで、「保留数」が「2個」であることを示す。また、1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させることで、「保留数」が「3個」であることを示す。更に、2個のLEDを点滅させることで、「保留数」が「4個」であることを示す。
第1の表示装置60は、図5に示すように、右側庇部21eに一体化されている。この第1の表示装置60は、図19(a)に示すように、遊技状態表示部62と、特別図柄表示部63と、普通図柄表示部65とを備えている。このうち、遊技状態表示部62は、1個のLEDを用いて構成され、遊技機1の現在の遊技状態を表示するために用いられる。つまり、図19(b)に示すように、1個のLEDを消灯させることで、「遊技機1の現在の遊技状態が通常遊技状態である」旨が表示される。また、LEDを「赤色で点灯すること」で、「遊技機1の現在の遊技状態が、3ラウンド大当り中(後述する。)である」旨が表示される。更に、LEDを「緑色で点灯すること」で、「遊技機1の現在の遊技状態が、8ラウンド大当り中(後述する。)である」旨が表示され、LEDを「青色で点灯すること」で、「遊技機1の現在の遊技状態が、16ラウンド大当り中(後述する。)である」旨が表示される。
普通図柄表示部65は、1個のLEDを用いて構成され、前述の如く、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16A、16Bに伴う当否抽選の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)を経て実行する。つまり、この「当否抽選に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、普通図柄表示部65は点滅表示を開始する。そして、「当否抽選に関する結果の表示」の実行時期が到来すると(換言すると、普通図柄の変動時間を終了すると)、普通図柄表示部65を用いて、「当否抽選に関する結果」の確定表示がなされる。具体的には、20(c)に示すように、LEDを点灯状態とすることで、当該「当否判定に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示され、LEDを消灯状態とすることで、当該「当否抽選に関する結果」が外れ(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)であることが確定表示される。尚、当該「当否抽選に関する結果」が当り(普通図柄に関する当否抽選の結果が当り)である場合には、前述のように、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
本実施例では、このように、LEDを点灯状態としたり、消灯状態とすることで、普通図柄の確定表示を示し、LEDを点滅状態とすることで、普通図柄の変動表示を示する。つまり、ランプ装置による点灯表示と、消灯表示と、点滅表示とを用いて、普通図柄の表示を行う。但し、本実施例においては、数字(例えば、1〜9の数字)、アルファベット文字、図形等を用いて普通図柄や、後述する特別図柄の表示を行うこともできる。
特別図柄表示部63は、図19(a)に示すように、略円弧状に配設された「4個のLED63a〜63d」を用いて構成され、「始動入賞装置17、18、19への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、図20(a)に示すように、特別図柄表示部63は、「4個のLED63a〜63d」を順次、循環的に点灯させる。この変動表示(以下、「LED63a〜63dを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部63において、特別図柄の確定表示が実行される。
ここで、この特別図柄の確定表示の表示態様を、図20(b)を用いて説明する。先ず、全てのLED63a〜63dが消灯状態とすることで、「当否判定の結果が外れであること」が示される。また、1個のLED(例えば、63b)を点灯状態とし、残りの3個のLED(例えば、63a、63c、63d)を消灯状態とすることで、「当否判定の結果が小当り(後述する。)であること」が示される。更に、2個のLED(例えば、63a、63b)を点灯状態とし、残りの2個のLED(例えば、63c、63d)を消灯状態とすることで、「当否判定の結果が、3ラウンド大当り(後述する。)であること」が示される。また、3個のLED(例えば、63a〜63c)を点灯状態とし、残りの1個のLED(例えば、63d)を消灯状態とすることで、「当否判定の結果が、8ラウンド大当り(後述する。)であること」が示され、全てのLED63a〜63dが点灯状態とすることで、「当否判定の結果が16ラウンド大当り(後述する。)外れであること」が示される。
第2の表示装置70は、液晶表示装置を用いて構成されると共に、収納ボックス22の後方に装着されている(図8及び図9を参照)。そして、その表示画面71が、収納ボックス22の背面部に設けられた表示窓(図示を省略)を介して、前方から視認可能とされている。この第2の表示装置70の表示画面71は可変状態に用いられ、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面71には、種々の演出図柄(特別図柄表示部63に表示される確定表示を、演出的に表示する図柄、リーチ演出、発展演出、キャラクター表示等)を表示すること等が可能である。
図4に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、遊技領域11において、中央装置20の左側方に位置する部位に配設され、残りの2個の一般入賞装置43、44は、中央装置20の右側方に位置する部位に配設されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出用スイッチ40s、41s、43s、44s(図21参照)が配設されている。
図4に示すように、風車46は、中央装置20を取り囲む4カ所に配置されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。尚、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられ、そのアウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
尚、本遊技機1では、前述のように、上皿部材5に操作スイッチSWを配設している。本実施例の遊技機1では、この操作スイッチSWを操作しても、遊技上の演出に変化を与えることはできないが、各発明においては、この操作スイッチSWを、遊技上の演出に変化を与えるために用いることとしてもよい。例えば、第2の表示装置70の表示画面71で行われる表示に変更を加えるために用いることとしてもよい。
e.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図24を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏機構盤102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏機構盤102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏機構盤102には、遊技球が蓄えられる賞球タンク105と、賞球の払出を行う賞球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、賞球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。
賞球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、賞球タンク105と賞球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図24において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。また、賞球払出装置109の下流側には、遊技球の振り分け部が設けられている。尚、図24は、図示が煩雑となることを避けるために、振り分け部の表示は省略されている。
主制御基板ケース、中継端子板や、払出制御基板ケース118等の各種基板類は、裏機構盤102に回動自在に懸架された図示しない金属板に、着脱自在に装着されている。
裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス、電源スイッチ、電源ターミナル基板132及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた中継端子板が設けられている。尚、電源ターミナル基板132には、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ132aが接続されている。また、中継端子板の上側には、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブルも配設されている。更に、払出制御基板ケース118からは接続ケーブルが上方へ延出し、電源ケーブルを備えた球貸装置に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部材用球通路部材が設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図21〜図23を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や大当りに関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)演出制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示」、「ランプの発光」、「効果音」、「可動物の動作」、「演出表示装置23の演出表示」等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に第2の表示装置70における演出用図柄(疑似図柄や背景図柄など)の表示制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(222A、260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図21〜図23中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図21においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出用スイッチ16s、入賞検出スイッチ20s、始動入賞検出用スイッチ17s、18s、19s、入賞球検出用スイッチ31s、40s、41s、43s、44s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、演出制御部200A(演出制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種のコマンドを出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、保留表示装置50、第1の表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。即ち、第2の表示装置(液晶表示装置)70を駆動する演出表示制御基板222やスピーカーSPを駆動するアンプ基板224が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、各種LEDランプ4b〜4f等を駆動する飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。尚、操作スイッチSWからの操作信号は、演出ボタン基板228を介して、演出制御部220A(演出制御基板220)に入力される。また、演出制御部220A(演出制御基板220)の詳細な入出力関係については後述する。
払出制御部240A(払出制御基板240)は、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が上皿部5に設けられた球貸スイッチ5eや返却スイッチ5fを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置に伝達される。この球貸装置は、払出制御部240A(払出制御基板240)とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。
主制御部200A(主制御基板200)が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240A(払出制御基板240)が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出された賞球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後ろ側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200A(主制御基板200)でも計数されている。
賞球タンク105に設けられたタンクスイッチ104からの信号や、賞球タンク105に供給する遊技球が蓄えられる図示しない外部タンクに設けられた外部タンクスイッチ124からの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、払出制御部240A(払出制御基板240)は、球切れのため賞球の払い出しができなくなる前に、前述したエラーLED4g,4hによって異常を報知することが可能となっている。
下皿部6に設けられた下皿満タンスイッチ6sからの信号も払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、下皿部6が遊技球で一杯となった場合にも、下皿満タンスイッチ6sで検出された信号を受けて、払出制御部240A(払出制御基板240)が賞球の払い出しを一時的に停止することが可能となっている。
加えて、前面枠4が開放状態となっていることを検出する前面枠スイッチ4sからの信号も、払出制御部240A(払出制御基板240)に入力されている。このため、何らかの理由で前面枠4が明けられた場合には、賞球の払い出し、或いは、遊技球の球貸し等の動作を中止することが可能となっている。また、払出制御部240A(払出制御基板240は、主制御部200A(主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御部260A(発射制御基板260)に向かって出力している。そして、発射制御部260A(発射制御基板260)は、この発射許可信号を受けて、後述するように、遊技球を発射するための各種制御を行っている。
次に、演出制御部220A(演出制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、演出制御部220A(演出制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。
演出制御部220A(演出制御基板220)は、前述のように、主制御部200A(主制御基板200)から各種の演出用のコマンドを受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)第2の表示装置(液晶表示装置)70での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜SP4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、第2の表示装置(液晶表示装置)70の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に出力して、演出用図柄の変動停止表示を行う。このとき、表示されるキャラクタ図柄や背景図柄などの一部データについては、第2の表示装置(液晶表示装置)70、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された演出表示ROM27rに格納されているデータを使用する。
また、疑似図柄の変動停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LED、ランプ類4b〜4f等の駆動信号を出力することによって、各種LEDやランプ類の点灯・点滅動作等を制御する。更に、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSWを遊技者が操作すると、この操作信号が演出制御部220A(演出制御基板220)に供給される。そして、演出制御部220A(演出制御基板220)は、供給された操作信号に基づいて、第2の表示装置(液晶表示装置)70を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技の要点
次に、本実施例の本実施例の遊技機1で行われる遊技の要点について、図25等を用いて簡単に説明する。
「始動入賞に伴う当否判定の結果の表示」の実行時期が到来すると、前述のように、図20(a)に示すように、特別図柄表示部63において変動表示を実行する。そして、「特別図柄に関する当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部63において、特別図柄の確定表示が実行される。
この特別図柄の確定表示により、「当否判定の結果が外れである」旨が表示されると、遊技機の遊技状態は通常状態に維持され、大入賞口31a、及び、入球口29A、29Bは閉鎖状態のままとされる。
また、特別図柄の確定表示により、「当否判定の結果が大当りである」旨が表示されると、特別遊技移行手段(主制御部200A)は、遊技機の状態を特別遊技状態に移行させる。これにより、大入賞口31aを所定回数だけ、開放状態とする「大当り遊技」が実行される。つまり、この大当り遊技を開始すると、開閉板31b(開閉部材)に、「単位駆動」が所定回数だけ、施される。この「単位駆動」は、開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、大入賞口31aを閉鎖する姿勢(以下、「閉鎖姿勢」という。)から、大入賞口31aを開放する姿勢(以下、「開放姿勢」という。)に移行させ、この開放姿勢を第1の時間(例えば、20秒〜30秒から選択される時間)維持した後、この開閉板31b(開閉部材)の姿勢を、閉鎖姿勢に戻すこと、で構成される「開閉板31b(開閉部材)の開閉動作)」によって構成される。
この「単位駆動」が、所定のインターバル時間を挟みつつ、所定回数実行されると、特別遊技移行手段(主制御部200A)は、遊技機の状態を、特別遊技状態から通常遊技状態に戻す。尚、本実施例では、この大当りとして、「大入賞口31aを3回開放することを内容とする大当り(3ラウンド大当り)」と、「大入賞口31aを8回開放することを内容とする大当り(8ラウンド大当り)」と、「大入賞口31aを16回開放することを内容とする大当り(16ラウンド大当り)」と、を実行することができる。
更に、特別図柄の確定表示により、「当否判定の結果が小当りである」旨が表示されると、開放動作実行条件が成立し、小当り遊技が実行される。この小当り遊技では、所定の動作パターンに従って、開閉部材27A、27Bが開放動作を実行する。この動作パターンは、「開閉部材27A、27Bの姿勢を、短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放姿勢とすることを、1回若しくは3回行うこと」を、内容とするものであり、これにより、入球口29A、29Bは、短時間(例えば、0.4秒間)の間、開放状態とされる(図37を参照)。このとき、中央装置20に遊技球が入球し、更に、この遊技球が、通常領域部TRを通過すると、「外れ」となり、特別遊技移行手段(主制御部200A)は、遊技機の状態を通常遊技状態に維持する。
一方、中央装置20に遊技球が入球し、更に、この遊技球が、特別領域部SRを通過すると、「大当り」となり、特別遊技移行手段(主制御部200A)は、遊技機の状態を特別遊技状態に移行させる。この「大当り」にも、「3ラウンド大当り」と、「8ラウンド大当り」と、「16ラウンド大当り」と、存在するが、小当り遊技から移行する大当り遊技においては、「そのまま通常遊技状態から、特別遊技状態に移行して実行される大当り遊技」に比べて、ラウンド数(大入賞口31aの開放回数)を1回分減じた状態で実行される。つまり、「3ラウンド大当り」に関わる大当り遊技を実行する場合、大入賞口31aが2回開放され、「8ラウンド大当り」に関わる大当り遊技を実行する場合、大入賞口31aが7回開放され、「16ラウンド大当り」に関わる大当り遊技を実行する場合、大入賞口31aが15回開放される。
(4)遊技機の制御内容
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例の遊技機1が行っている制御内容について詳しく説明する。
a.遊技制御処理
図26は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理や、普通図柄に関連する処理、普通電動役物17dに関連する処理、特別図柄に関連する処理、小当り遊技に関連する処理、大当り遊技に関連する処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ(始動入賞検出用スイッチ17s、18s、19sや、入賞スイッチ、20s、40s、41s、43s、44s、31sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを出力する処理を行う。
払出制御基板240は、主制御基板200から出力された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
b.普通図柄関連の処理 :
主制御基板200のCPU201は、賞球関連処理(S50)に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する処理を行う(S100)。図27は、普通図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(普通図柄遊技開始判断処理)の流れを示すフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、普通図柄作動ゲート16A、16Bを遊技球が通過したか否かを判断する(S102)。
遊技球が、普通図柄作動ゲート16A、16Bを通過すると、ゲートに組み込まれたゲートスイッチ16s、16sによって通過を検知することができる。遊技球が何れかのゲートを通過していれば(S102:yes)、普通図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S104)。そして、保留数が4に達していなければ(S104:no)、普通図柄当否判定乱数を記憶して、普通図柄の保留数に1つを加算する(S106)。後述するように、普通図柄についての当否の判定は、こうして記憶された普通図柄当否判定乱数に基づいて行われる。一方、普通図柄の保留数が4に達している場合は(S104:no)、普通図柄の当否判定用乱数の取得は行わない。その結果、普通図柄当否判定乱数は、最大4つまで記憶することが可能となっている。
以上のようにして普通図柄の保留に関わる処理を終了したら、普通電動役物17dが作動中か否かを判断する(S108)。本実施例の遊技機1では、3つの始動入賞装置17,18,19のうちで、中央のチューリップ式の始動入賞装置17が普通電動役物17dに対応しており、普通電動役物17dの作動中は、チューリップ式の始動入賞装置17が開口状態となる。普通電動役物17dは、普通図柄遊技を行った結果として作動する役物である。従って、普通電動役物17dが作動中であれば(S108:yes)、重ねて普通図柄遊技を開始する必要はないので、普通図柄遊技は開始しないと判断する(すなわち、S100:no)。一方、普通電動役物17dが作動中でない場合は(S108:no)、普通図柄遊技を開始すると判断する(S108:yes)。
図26に示した遊技制御処理のステップS100では、以上のようにして、普通図柄遊技を開始するか否かを判断する。そして、普通図柄遊技を開始すると判断した場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を開始する(S150)。一方、普通図柄遊技を開始しないと判断した場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理はスキップする。
図28は、遊技制御処理の中で行われる普通図柄遊技処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。また、図29は、遊技制御処理の中で行われる普通図柄遊技処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。普通図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、普通図柄が変動中か否かを判断する(S152)。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部65で行われる。普通図柄表示部29の変動表示は、主制御基板200に搭載されたCPU201の制御の下で行われており、従ってCPU201は、普通図柄が変動中か否かを容易に判断することができる。
普通図柄が変動中でないと判断された場合は(S152:no)、普通図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの何れかである。そこで、普通図柄の停止表示時間中であるか否かを判断する(S154)。そして、普通図柄の停止表示時間中では無いと判断された場合(S154:no)、すなわち、普通図柄が変動表示されておらず且つ普通図柄の停止図柄を表示中でもない場合は、普通図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S156)。保留数が「0」でない場合、すなわち普通図柄の保留が残っている場合は(S156:no)、普通図柄の当否判定を行う(S158)。普通図柄の当否判定は、普通図柄の保留時に記憶しておいた普通図柄当否判定乱数(図27のS106参照)が、予め定めておいた当り値と一致するか否かを判断することによって行う。そして、記憶しておいた普通図柄当否判定乱数が当り値と一致していれば、普通図柄の当りと判断し、一致していなければ普通図柄の外れと判断する。
こうして普通図柄の当否判定を行ったら、主制御基板200のCPU201は、普通図柄の変動時間を設定する処理を開始する(S160)。普通図柄の変動時間は、通常の遊技状態では約30秒間に設定されるが、後述する変動時間短縮機能が作動すると、約2秒間に短縮される。そこで、S160では、変動時間短縮機能が作動しているか否かを確認し、その結果に応じて普通図柄の変動時間を設定する処理を行う。次いで、普通図柄の変動表示を開始するとともに(S162)、普通図柄保留数から1を減算した後(S164)、図26に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、普通図柄保留数が0と判断された場合は(S156:yes)、普通図柄当否判定処理(S158)や、普通図柄変動時間設定処理(S160)、普通図柄の変動表示などを行うことなく、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図26に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、普通図柄が変動中であると判断された場合は(S152:yes)、その普通図柄の変動開始に先立ってS160で設定した普通図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S166)。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S160:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して、図26に示す遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄変動時間が経過したと判断された場合は(S166:yes)、普通図柄を停止表示させた後(S168)、停止表示された普通図柄を遊技者が確認することができるように、普通図柄の停止表示時間を設定する(S170)。そして、普通図柄の停止表示時間が経過したか否かを判断し(S172)、停止表示時間が経過していない場合は(S172:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図26に示す遊技制御処理に復帰する。こうして遊技制御処理に一旦戻った場合には、再び図28の普通図柄遊技処理が行われる際に、普通図柄が停止表示中であると判断されて(S152:no、S154:yes)、普通図柄の停止表示時間が経過したか否かの判断が行われる(S172)。こうした判断を繰り返しているうちに、普通図柄の停止表示時間が経過したと判断された場合は(S172:yes)、今度は、停止表示された普通図柄が「当り図柄」か否かを判断する(図29のS174)。
そして、停止表示された普通図柄が当り図柄ではなかった場合(S174:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了して図26に示す遊技制御処理に復帰する。一方、停止表示された普通図柄が当り図柄であった場合は(S174:yes)、前述したように始動入賞装置17が所定時間だけ開口状態となるが、始動入賞装置17を開口させる前に、普通電動役物17dの開口時間延長機能が作動中か否かを判断する(S176)。ここで、前述したように普通電動役物17dとは、本実施例ではチューリップ式の始動入賞装置17のことであり、普通電動役物17dが作動すると所定時間だけ始動入賞装置17が開口状態となる。そして、普通電動役物17dの開口時間延長機能が作動すると、始動入賞装置17の開口時間が所定時間に延長される。また、この開口時間延長機能は、後述するように、大当り遊技が終了すると作動するようになっている。このことと対応して、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、始動口(普通電動役物17d)17の作動時間を設定するべく、開口時間延長機能が作動中か否かを判断するのである。
そして、開口時間延長機能が作動中であると判断された場合には(S176:yes)、普通電動役物17dの作動時間を、開口時間延長機能が作動中である場合の延長された作動時間に設定し(S178)、一方、開口時間延長機能が作動中でなかった場合には(S176:no)、開口時間延長機能が作動中でない場合の通常の作動時間に設定する(S180)。そして、普通電動役物17dの作動を開始した後(S182)、図28および図29に示した普通図柄遊技処理を終了して、図26に示す遊技制御処理に復帰する。本実施例の遊技機1では、開口時間延長機能が作動中ではない通常状態の普通電動役物17d作動時間(すなわち、始動入賞装置17の開口時間)は約0.5秒間に設定されている。また、開口時間延長機能が作動すると、この作動時間が約4.5秒間に延長される。ここで、始動入賞装置17の開口回数(作動回数)は、設定される作動時間(開口時間)を超えなければ、1回であっても複数回であってもどちらでもよく、例えば、開口時間延長機能作動時の始動入賞装置17の作動時間(開口時間)が4.5秒であれば、始動入賞装置17の1回の開口動作における開口時間が4.5秒の形態であっても、1回の開口時間が1.5秒で開口動作を3回行う形態であってもよい。
c.普通電動役物関連の処理 :
上述したように、普通図柄遊技処理では、普通図柄の変動表示が行われ、その結果、当り図柄で停止表示された場合には、普通電動役物17dの作動が開始される。そこで、図26に示した遊技制御処理では、普通図柄遊技処理から復帰すると、普通図柄遊技処理中で作動された普通電動役物17dの作動を停止するために行われる一連の処理(普通電動役物17dに関連する処理)を開始する。
普通電動役物17dに関連する処理では、先ず初めに、普通電動役物17dが作動中か否かを判断する(S190)。そして、普通電動役物17dが作動中でなかった場合には(S190:no)、停止している普通電動役物17dの作動を重ねて停止する処理は不要であるため、後述する普通電動役物停止処理(S200)はスキップする。一方、普通電動役物17dが作動中であった場合は(S190:yes)、以下に示すような普通電動役物停止処理を開始する(S200)。
図30は、普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。普通電動役物停止処理を開始すると、先ず初めに、普通電動役物作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物17dが作動すると、始動入賞装置17が所定時間だけ開口状態となるが、普通電動役物17dの作動時間(始動入賞装置17の開口時間)は、普通電動役物17dの作動を開始するに先立って、普通図柄遊技処理の中で予め設定されている(図29のS178,S180参照)。そこで、普通電動役物停止処理が開始されると、先ず初めに、普通電動役物17dの作動開始時に設定された普通電動役物作動時間が経過したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:yes)、普通電動役物17dの作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
一方、普通電動役物17dの作動時間が経過していない場合は(S202:no)、普通電動役物17dに規定数の遊技球が入球したか否かを判断する(S204)。そして、規定数の入球があったと判断された場合にも(S204:yes)、普通電動役物17dの作動を停止して、図30に示した普通電動役物遊技処理を終了した後、図26の遊技制御処理に復帰する。すなわち、普通電動役物17dは、予め設定しておいた普通電動役物作動時間が経過するか(S202:yes)、若しくは普通電動役物17dに規定数の遊技球が入球したと判断された場合には(S204:yes)、作動を停止するようになっている(S206)。こうして普通電動役物17dが作動を停止すると、始動入賞装置17の開口状態は通常状態に戻る。これに対して、普通電動役物17dの作動時間が所定時間に達しておらず(S202:no)、普通電動役物17dに入球した遊技球が規定数にも達していない場合は(S204:no)、普通電動役物17dを作動させたまま、図30に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
d.特別図柄関連の処理
遊技制御処理では、普通電動役物停止処理から復帰すると、特別図柄に関連する処理を開始する。かかる処理では、後述する特別図柄遊技処理を行うための所定の条件を満足しているか否かを判断した後、所定の条件を満足していた場合には、特別図柄遊技処理を開始する。
図31は、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断するために行う処理(特別図柄遊技開始判断処理)の流れを示すフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始するか否かの判断に当たっては、先ず初めに、3つの始動入賞装置17,18,19の何れかに遊技球が入球したか否かを判断する(S302)。前述したように、それぞれの始動入賞装置17,18,19の内部には、遊技球の入球を検出する始動入賞検出用スイッチ17s、18s、19sが設けられており、遊技球が入球したことを検出することができる。
遊技球が何れかの始動入賞検出用スイッチ17s,18s,19sを通過していれば(S302:yes)、特別図柄の保留数が4以上か否かを判断する(S304)。そして、保留数が4に達していなければ(S304:no)、特別図柄当否判定乱数を記憶するとともに、特別図柄の保留数に「1」を加算する(S306)。後述するように、特別図柄についての当否の判定は、こうして記憶された特別図柄当否判定乱数に基づいて行われ、特別図柄当否乱数が取得されると、その時点で、特別図柄の当否判定が決まってしまう。従って、特別図柄当否判定乱数を取得する処理は、特別図柄の当否判定を抽選によって決定していることと同等である。このことから、本実施例の遊技機1において特別図柄当否判定乱数を取得する処理を主制御基板200は、本発明の「抽選手段」に対応するものとなっている。一方、特別図柄の保留数が4に達している場合は(S304:no)、特別図柄の当否判定用乱数の取得は行わない。その結果、特別図柄当否判定乱数も、前述した普通図柄当否判定乱数と同様に、最大4つまで記憶することが可能となっている。
以上のようにして特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、大当り遊技中または小当り遊技中か否かを判断する(S308)。後述する特別遊技処理は、特別図柄を変動表示させ、所定の当り図柄で停止表示された場合には、当り図柄に応じて、大当り遊技あるいは小当り遊技を開始する処理である。そして、現在、大当り遊技あるいは小当り遊技を行っているのであれば、重ねて大当り遊技あるいは小当り遊技を開始する必要はない。そこで、特別図柄の保留に関わる処理を終了したら、大当り遊技中または小当り遊技中か否かを判断し(S308)、大当り遊技中でも小当り遊技中でも無かった場合は(S308:no)、後述する特別図柄遊技処理を開始すると判断する(すなわち、S300:yes)。一方、現在、既に大当り遊技中あるいは小当り遊技中であった場合は(S308:yes)、特別図柄遊技処理は開始しないと判断する(すなわち、S300:no)。
図32および図33は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図5を用いて前述したように、中央装置20には特別図柄表示部63が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。
特別図柄表示部30の特別図柄が変動中でない場合は(S322:no)、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S324)。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、特別図柄が何れの図柄で停止表示されたかを遊技者が確認するために停止表示させる時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間も経過していることが確認された場合は(S324:no)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S326)。前述したように特別図柄保留数は、遊技球が始動入賞装置17,18,19の何れかに入球した場合に設定され、上限値「4」に達するまで設定可能となっている。そして、特別図柄保留数が「0」である場合には(S326:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図26に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S326:no)、特別図柄の当否判定を開始する(S330)。
図34は、特別図柄の当否判定を行う処理の流れを示したフローチャートである。図示するように、特別図柄当否判定処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄当否判定乱数を読み出す処理を行う(S3300)。特別図柄当否判定乱数とは、図31を用いて前述した特別図柄遊技開始判断処理の中で、遊技球が始動入賞装置17,18,19の何れかに入球したと判断されると、特別図柄の保留数が4個に達するまで、4個を限度として取得される乱数である。図34に示した特別図柄当否判定処理では、先ず初めに、予め記憶しておいた特別図柄当否判定乱数を1つ読み出す処理を行う。
そして、読み出した特別図柄当否判定乱数に基づいて、大当りか否かを判断する(S3302)。主制御基板200に搭載されたROMの中には、特別図柄当否判定乱数の値と、当否判定結果とを対応付けた当否判定テーブルが記憶されており、特別図柄当否判定乱数から当否判定テーブルを参照することにより、大当りか否かを判断することができる。
図35は、特別図柄当否判定乱数と当否判定結果とを対応付けた当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示した例では、特別図柄判定乱数は「0」〜「1023」までの範囲を採り得るものとして、読み出した特別図柄判定乱数「0」〜「2」の範囲に対しては当否判定結果として「大当り」が設定されており、特別図柄判定乱数「3」〜「1015」の範囲に対しては当否判定結果として「小当り」が設定されており、その他の乱数範囲(すなわち「1016」〜「1023」)に対しては「外れ」の当否判定結果が設定されている。図34の特別図柄当否判定処理のS3302では、読み出した当否判定用乱数が「0」〜「2」の範囲にあるか否かを判断して、この範囲にあれば当否判定結果は「大当り」であると判断し(S3302:yes)、この範囲になかった場合は「大当り」ではないと判断する(S3302:no)。
そして、当否判定結果が大当りであったと判断された場合は(S3302:yes)、特別図柄表示部63に停止表示させる大当り図柄や、大当り遊技の態様などを決定するべく、大当り図柄決定乱数を取得する(S3304)。尚、本実施例では、大当り図柄決定乱数は「0」〜「255」の範囲を取り得る1バイトの乱数となっている。
次いで、取得した大当り図柄決定乱数に基づいて、大当り図柄や、大当り遊技のラウンド数、大当り遊技終了後に行われる時短遊技の遊技回数を決定する処理を行う(S3306)。図36は、大当り図柄決定乱数に基づいて、大当り図柄や、大当り遊技のラウンド数、大当り遊技終了後の時短遊技回数を決定するために参照される大当り遊技態様決定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、大当り遊技態様決定テーブルには、大当り図柄決定乱数に対応付けて、大当り図柄、大当り遊技ラウンド数、および時短遊技回数が設定されている。すなわち、大当り図柄決定乱数の取り得る範囲のうち、「0」〜「126」の範囲の乱数に対しては、「2個のLEDを点灯させて構成される図柄」が大当り図柄に設定されており、また、大当り遊技ラウンド数は3ラウンド、大当り遊技終了後に行われる時短遊技回数は50回が設定されている。また、「127」〜「200」の範囲にある大当り図柄決定乱数に対しては、「3個のLEDを点灯させて構成される図柄」が大当り図柄に設定されており、また、大当り遊技ラウンド数は8ラウンド、大当り遊技終了後に行われる時短遊技回数は100回が設定されている。更に、「201」〜「255」の範囲にある大当り図柄決定乱数に対しては、「4個のLEDを点灯させて構成される図柄」が大当り図柄に設定されており、また、大当り遊技ラウンド数は16ラウンド、大当り遊技終了後に行われる時短遊技回数は100回が設定されている。図34に示した特別図柄当否判定処理のS3306では、特別図柄の当否判定結果が大当りであると判断された場合に(S3302:yes)、以上のようにして大当り遊技態様決定テーブルを参照することにより、停止表示させる特別図柄の大当り図柄や、大当り遊技中のラウンド数、大当り遊技終了後の行われる時短遊技回数を決定する処理を行う。なお、時短遊技回数とは、大当り遊技が終了してからの特別図柄の変動回数(特別図柄の当否判定実行回数)に相当する。
以上では、特別図柄当否判定処理の開始時に読み出した当否判定用乱数に基づいて、当否判定結果が「大当り」であると判断された場合(S3302:yes)に行われる処理について説明した。これに対して、特別図柄の当否判定結果が「大当り」ではないと判断された場合は(S3302:no)、図35に示した当否判定テーブルに基づいて「小当り」か否かを判断する(S3308)。そして、当否判定結果が小当りであると判断された場合は(S3308:yes)、今度は、小当り図柄決定乱数を取得する(S3310)。すなわち、上述したように、大当りであった場合には、大当り図柄や大当り遊技の態様などを決定するために大当り図柄決定乱数を取得したことと同様に、特別図柄の当否判定結果が小当りであると判断された場合は、小当り図柄や小当り遊技の態様などを決定するための小当り図柄決定乱数を取得するのである。尚、本実施例では、小当り図柄決定乱数も、前述した大当り図柄決定乱数と同様に「0」〜「255」の範囲を取り得る1バイトの乱数となっている。
そして、取得した小当り図柄決定乱数に基づいて、小当り図柄や、小当り遊技時の開口時間および開口回数を決定する処理を行う(S3312)。すなわち、図37に示すように、本実施例の遊技機1では8種類の小当り図柄が設けられているので、後述する小当り遊技を開始するにあたっては、この中の何れの小当り図柄で特別図柄を停止表示させるかを決定しておく必要がある。また、小当り遊技は、一対の開閉部材27A、27Bを外側に開いて入球口29A、29Bを開口させることによって行われるが、小当り遊技中に入球口29A、29Bを開口させる回数が、幾段階かに変更可能となっているため、これらについても予め決定しておく必要がある。そこで、特別図柄の当否判定結果が小当りであると判断された場合には(S3308:yes)、これらについて決定するべく、小当り図柄決定乱数を取得するのである(S3310)。の具体例を構成している。
こうして取得した小当り図柄決定乱数に基づいて、小当り図柄、小当り遊技時の開口時間および開口回数を決定する処理(S3312)は、小当り遊技態様決定テーブルを参照して行われる。尚、この図37に示す「開口時間および開口回数」によって、開閉部材27A、27Bの「動作パターン」が示される。
図37は、小当り図柄決定乱数に基づいて、小当り図柄や、小当り遊技での可変入球口102の開口時間および開口回数を決定するために参照される小当り遊技態様決定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、小当り遊技態様決定テーブルには、小当り図柄決定乱数に対応付けて、小当り図柄や、小当り遊技時の開口時間、開口回数などが設定されている。例えば、「0」〜「31」の範囲の小当り図柄決定乱数に対しては、「第1番目のLED(63a)を赤色に点灯させて実行する小当り図柄」が設定されており、小当り遊技時の開口時間は0.4秒、開口回数は1回が設定されている。同様に、「32」〜「63」の範囲の小当り図柄決定乱数に対しては、「第2番目のLED(63b)を赤色に点灯させて実行する小当り」が設定され、小当り遊技時の開口時間は0.4秒、開口回数は1回が設定されている。このようにして、図35に示した小当り遊技態様決定テーブルを参照することにより、小当り図柄決定乱数から、小当り図柄、小当り遊技時の開口時間および開口回数を決定することができる。図34のS3312では、こうして小当り図柄や、小当り遊技での入球口29A、29Bの開口時間および開口回数を決定する処理を行う。
図25を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では、小当り遊技中に遊技球が特別領域部SR(図17を参照)を通過した場合には、小当り遊技の終了後、続いて大当り遊技が開始される。そこで、図34に示した特別図柄当否判定処理では、小当り遊技の態様を決定すると、続いて、その小当り遊技から大当り遊技が開始された場合に備えて、大当り遊技の態様も決定しておく(S3314)。
本実施例の特別図柄当否判定処理では、小当り遊技後に行われる大当り遊技の態様が、小当り図柄決定乱数に基づいて決定される。すなわち、図37を用いて前述した小当り遊技態様決定テーブルには、小当り図柄決定乱数に対応付けて、大当り遊技態様についても設定されており、小当り図柄決定乱数からかかるテーブルを参照することで、直ちに大当り遊技態様を決定することができる。
尚、こうして決定される大当り態様によると、図36に示した大当り遊技態様決定テーブルを用いて決定される大当り態様と同様、ラウンド数および時短遊技回数が)が決定される。結局、図34に示した特別図柄当否判定処理のS3314では、小当り遊技経由で大当り遊技が開始された場合に備えて、大当り遊技時のラウンド数、大当り遊技終了後に開始される時短遊技回数などを、小当り図柄決定乱数に基づいて決定する処理を行う。
以上のようにして、特別図柄の当否判定結果が大当りであった場合は(S3302:yes)、大当り図柄、大当り遊技態様などについて決定し(S3306)、当否判定結果が小当りであった場合は(S3308:yes)、小当り図柄、小当り遊技態様、小当り遊技経由で行われる大当り遊技態様などを決定した後(S3312,S3314)、図34に示す特別図柄当否判定処理を終了して、図32の特別図柄遊技処理に復帰する。また、特別図柄の当否判定結果が小当りでもなかった場合は(S3308:no)、当否判定結果は外れと判断される。そこで、外れ図柄決定乱数を取得して外れ図柄を決定した後(S3316)、図34の特別図柄当否判定処理を終了して、図32の特別図柄遊技処理に復帰する。なお、本実施例では、図35の当否判定テーブルからも明らかな通り、特別図柄の当否判定では「小当り」となる確率が非常に高く設定されている。このため、本実施例の遊技機1では、「羽根物」の遊技性をベースとして通常時の遊技が進行されることとなる。
図32に示されているように、特別図柄遊技処理では、特別図柄当否判定処理(S330)から復帰すると、特別図柄変動パターン設定処理を開始する(S334)。特別図柄変動パターンとは、特別図柄をどのような態様で変動させるかについてのパターンであり、本実施例では、特別図柄変動パターンに応じて、特別図柄を変動表示させる時間(特別図柄変動表示時間)が設定されている。
図38は、本実施例の遊技機1で行われる特別図柄変動パターン設定処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄変動パターン設定処理では、先ず初めに、特別図柄の当否判定結果が小当りか否かを判断する(S3340)。図32に示されているように特別図柄遊技処理中では、特別図柄変動パターン設定処理に先立って特別図柄当否判定処理(S330)が行われており、特別図柄の当否態様が、「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れかに決定されている。特別図柄変動パターン設定処理のS3340では、この結果を受けて、特別図柄の当否判定結果が小当りか否かを判断するのである。
そして、小当りではないと判断された場合は(S3340:no)、特別図柄の変動時間が20秒に設定されている特別図柄変動パターンを選択する(S3342)。上述したように、特別図柄の当否態様は「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れかであり、ここでは「小当り」出はないと判断されているから、こうして選択された特別図柄の変動パターンは、「大当り」または「外れ」用の変動パターンとなる。これに対して、特別図柄の当否判定結果が小当りであると判断された場合は(S3340:yes)、特別図柄の変動時間が1秒に設定された特別図柄変動パターンを選択した後(S3344)、図38に示す特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図32の特別図柄遊技処理に復帰する。
図32に示すように特別図柄遊技処理では、特別図柄の変動パターン設定処理(S334)から復帰すると、変動パターン設定処理(S334)中で設定しておいた、特別図柄の変動パターンを指定するコマンド(変動パターン指定コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力した後(S336)、特別図柄当否判定処理(S330)中で設定しておいた、特別図柄の当否態様(すなわち、大当り、小当り、外れの何れの態様であるか)を指定するコマンド(当否態様指定コマンド)を、サブ制御基板220に向かって出力する(S338)。そして、特別図柄の変動表示を開始するとともに(S340)、特別図柄保留数から1を減算した後(S342)、図26に示す遊技制御処理に復帰する。
以上、特別図柄が変動表示していない場合(すなわち、図32のS322:noの場合)に、特別図柄遊技処理で行われる詳細な処理について説明した。一方、特別図柄が変動中に、図32の特別図柄遊技処理が開始された場合は、最初に行うS322の判断で、特別図柄が変動中であると判断される(S322:yes)。この場合は、既に、特別図柄の当否判定が行われ(S330)、特別図柄変動パターン(すなわち、特別図柄変動時間)が設定されて(S334)、特別図柄の変動が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S344)そして、特別図柄変動時間が未だ経過していない場合は(S344:no)、そのまま図32に示す特別図柄遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、特別図柄変動時間が経過したと判断された場合は(S344:yes)、特別図柄を停止表示させることを示すコマンド(特別図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力した後(S345)、特別図柄表示部63で変動表示している特別図柄を停止表示させる(S346)。このとき停止表示される特別図柄は、図34を用いて前述した特別図柄当否判定処理中で、大当り図柄決定乱数、小当り図柄決定乱数、または外れ図柄決定乱数を用いて決定しておいた特別図柄である。次いで、特別図柄を停止表示させる時間(停止表示時間)を設定して(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。そして、停止表示時間が経過していなければ(S350:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図26に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350:yes)、停止表示された特別図柄が大当り図柄か否かを判断する(図32のS352)。そして、大当り図柄であると判断された場合は(S352:yes)、図34を用いて前述した特別図柄当否判定処理中で予め決定しておいた大当り遊技態様(大当り遊技時のラウンド数)を設定した後(S354)、設定した大当り遊技態様を指定するコマンド(大当り遊技態様指定コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力する(S355)。次いで、大当り遊技の開始を示すコマンド(大当り遊技開始コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力した後(S356)、条件装置および役物連続作動装置を作動させることによって大当り遊技を開始する(S357)。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、条件装置が作動すると、大入賞口31aが開口状態となる。また、役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された大入賞口31aを再び開口させる装置である。こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、後述する大当り遊技が開始される。
また、本実施例の遊技機1では、大当り遊技中は、時短機能や普通電動役物の開口時間延長機能は働かないこととしている。ここで、時短機能とは、普通図柄表示部65で普通図柄が変動表示される時間を短縮する機能である。また、開口時間延長機能とは、普通電動役物(始動入賞装置17)の開口時間を延長する機能であり、時短機能が作動すると、普通電動役物の開口時間延長機能も作動するようになっている。そこで、図33のS357において、大当り遊技を開始して条件装置および役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(S358)。そして、時短中であれば(S358:yes)、時短機能および普通電動役物の開口時間延長機能の作動を停止させる(S360,S362)。一方、現在の遊技状態が時短中ではなかった場合は(S358:no)、時短機能も普通電動役物の開口時間延長機能も作動していないと判断できるので、これら機能の作動を停止する処理は行わずに、そのまま、図32および図33に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図26の遊技制御処理に復帰する。
以上、特別図柄表示部63で停止表示された特別図柄が、大当り図柄であった場合(S352:yes)の処理について説明したが、停止表示された特別図柄が大当り図柄でなかった場合は(S352:no)、小当り図柄か否かを判断する(S364)。そして、小当り図柄であった場合は(S364:yes)、図34を用いて前述した特別図柄当否判定処理中で予め決定しておいた小当り遊技態様(入球口29A、29Bの開口時間および開口回数)を設定した後(S366)、特別電動役物を作動させることによって、いわゆる小当り遊技を開始する(S368)。ここで、特別電動役物とは、一対の開閉部材27A、27Bを駆動して、入球口29A、29Bを所定の態様で開口させる装置である。一方、特別図柄表示部63で停止表示された特別図柄が小当り図柄ではなかった場合は(S364:no)、小当り遊技態様を設定して小当り遊技を開始する処理(S366,S368)はスキップする。
次いで、現在の遊技状態が時短中か否かを判断し(S370)、時短中ではないと判断された場合は(S370:no)、そのまま、図32および図33に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図26の遊技制御処理に復帰する。これに対して、時短中と判断された場合は(S370:yes)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S372)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S374)。後述するように、時短遊技(時短機能が作動した状態で行われる遊技)は大当り遊技の終了後に開始され、その大当り遊技毎に予め設定された回数だけ継続される(図36および図37参照)。そこで、変動表示装置28で停止表示された特別図柄が大当り図柄でなかった場合は(S352:no)、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判断して(S370)、時短中であれば(S370:yes)、時短遊技の継続回数として予め定められた回数(時短遊技回数)に達したか否かを判断するのである。そして、所定の時短遊技回数に達したと判断された場合は(S374:yes)、時短機能の作動を停止させ(S360)、続いて、普通電動役物の開口時間延長機能の作動も停止させた後(S362)、図32および図33に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図26の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ所定の時短遊技回数に達していなければ(S374:no)、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図26の遊技制御処理に復帰する。
d.小当り遊技関連の処理
図26に示すように、遊技制御処理では特別図柄遊技処理から復帰すると、小当り遊技に関連する処理を開始する。すなわち、先に行われた特別図柄遊技処理の中で小当り遊技が開始されたか否かを判断し(S390)、現在、小当り遊技中であると判断された場合には(S390:yes)、以下に説明する小当り遊技処理を開始する(S400)。これに対して、特別図柄遊技処理の中で小当り遊技が開始されていないと判断された場合は(S390:no)、小当り遊技処理は不要であるのでスキップする。
図39は、本実施例の遊技機1が小当り遊技を行うために実行する小当り遊技処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図26に示した遊技制御処理の中で主制御基板200によって実行される処理である。
小当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、小当り遊技用の入賞口が、開口中か否かを判断する(S402)。前述したように、本実施例の遊技機1における小当り遊技は、一対の開閉部材27A、27B外側に開いて、入球口29A、29Bを開口することによって行われることから、入球口29A、29Bが小当り遊技用の入賞口となっている。従って、S402では、入球口29A、29Bが開口状態となっているか否かを判断する。小当り遊技を開始した直後は、未だ入球口29A、29Bが開口しているわけではないから、S402では「no」と判断されて、小当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S408)。ここで、小当り遊技の終了条件としては、入球口29A、29Bが所定回数だけ開口する旨が設定されており、この所定の開口回数は、小当り遊技の開始に先立って行われる特別図柄当否判定処理(図34参照)の中で、小当り遊技態様として開口時間とともに予め決定されている。
当然ながら、小当り遊技を開始した直後は、小当り遊技の終了条件は成立していないと判断されるから(S408:no)、続いて、小当り遊技用入賞口(ここでは入球口29A、29B)の閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S410)。小当り遊技を開始した直後では、それまでの間は、小当り遊技用入賞口は閉鎖されていたことから、閉鎖時間が経過しているものと判断されて(S410:yes)、小当り遊技用の入賞口(ここでは入球口29A、29B)を開口させた後(S412)、図39に示す小当り遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
こうして入球口29A、29Bを開口させた後、次回に小当り遊技処理(S400)を開始すると、最初の判断で、小当り遊技用入賞口(入球口29A、29B)が開口中であると判断される(S402:yes)。そこで、今度は、小当り遊技用入賞口の開口時間が経過したか否かを判断する(S404)。この小当り遊技用入賞口の開口時間は、小当り遊技の開始に先立って行われる特別図柄当否判定処理(図34参照)の中で、小当り遊技態様として開口回数とともに予め決定されている。小当り遊技用入賞口(入球口29A、29B)を開口した直後であれば、開口時間が経過していないと判断されるから(S404:no)、そのまま図36の小当り遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。そして再び小当り遊技処理(S400)が開始されると、小当り遊技用入賞口の開口時間が経過したか否かを判断し(S404)、経過していなければ(S404:no)、小当り遊技処理を終了して遊技制御処理に復帰する。こうした処理を繰り返しているうちに、やがて、小当り遊技処理用の入賞口の開口時間が経過する。そこで、経過時間が経過したことが確認されたら(S404:yes)、小当り遊技用の入賞口を閉鎖する(S406)。
次いで、小当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S408)。そして、小当り遊技用入賞口の開口回数が、所定回数に達していない場合は(S408:no)、小当り遊技用入賞口の閉鎖時間が経過したことを確認した後(S410:yes)、小当り遊技用入賞口を開口させて(S412)、図39の小当り遊技処理を終了し、図26の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて小当り遊技用入賞口(入球口29A、29B)の開口回数が所定回数に達した(すなわち、小当り遊技の終了条件が成立した)と判断されるので(S408:yes)、小当り遊技を終了する(S414)。
小当り遊技を終了すると(S414)、小当り遊技中に、特別領域部SRを遊技球が通過したか否かを判断する(S416)。図17に示したように、特別領域部SRの下流側には通過検出スイッチ8t(図21を参照)が設けられており、特別領域部SRを遊技球が通過すれば、通過検出スイッチ8tを用いて検出することができる。小当り遊技の終了後、その小当り遊技中に遊技球が特別領域部SRを通過していたと判断された場合は(S416:yes)、大当り遊技態様を設定する(S418)。ここで設定する大当り態様は、図34を用いて前述した特別図柄当否判定処理の中で、小当り遊技態様とともに決定された大当り遊技態様であり、大当り遊技のラウンド数、大当り遊技終了後の時短遊技回数などが設定される。
こうして大当り遊技態様を設定したら、設定された大当り遊技態様に従って大当り遊技を開始した後(S420)、図39の小当り遊技処理を終了する。これに対して、小当り遊技中に遊技球が特別領域部SRを通過していないと判断された場合は(S416:no)、大当り遊技は行われないので、大当り態様の設定や大当り遊技を開始することなく、図39の小当り遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
e大当り遊技関連の処理
図26に示すように、遊技制御処理では小当り遊技処理から復帰すると、大当り遊技に関連する処理を開始する。すなわち、大当り遊技は、先に説明した特別図柄遊技処理の中で開始される場合と、上述した小当り遊技処理の中で開始される場合とが存在する。そこで、特別図柄遊技処理(S320)および小当り遊技処理(S400)が終了した後、大当り遊技が開始されているか否かを判断する(S430)。そして、特別図柄遊技処理または小当り遊技処理の何れかで大当り遊技が開始されたと判断された場合には(S430:yes)、以下に説明する大当り遊技処理を開始する(S400)。これに対して、特別図柄遊技処理または小当り遊技処理の何れにおいても大当り遊技が開始されていないと判断された場合には(S430:no)、大当り遊技処理は不要であるのでスキップする。
図40は、本実施例の遊技機1が大当り遊技を行うために実行する大当り遊技処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、図26に示した遊技制御処理の中で主制御基板200によって実行される処理である。尚、本実施例の大当り遊技処理では、図39を用いて上述した小当り遊技処理とほぼ同様の処理によって、大当り遊技を実現することが可能となっている。そこで、以下では、上述した小当り遊技処理との相違点に焦点をあてながら、大当り遊技処理について簡単に説明する。
大当り遊技処理を開始すると、先ず初めに、大当り遊技用の入賞口が、開口中か否かを判断する(S452)。前述した小当り遊技処理では、小当り遊技用の入賞口は入球口29A、29Bのみであったが、大当り遊技処理では、図34に示した特別図柄当否判定処理において決定された大当り遊技態様に応じて、大入賞口31aが開口する場合と、入球口29A、29Bが開口する場合とが存在している。このことと対応して、S452では、大当り遊技時に開口するものとして定められた方の入賞口が開口中か否かを判断する。当然ながら、大当り遊技を開始した直後は、未だ大当り遊技用入賞口は開口していないから(S452:no)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S458)。この大当り遊技の終了条件も、前述した小当り遊技の場合と同様に、前述した特別図柄当否判定処理(図34参照)の中で、大当り遊技時に行うラウンド数として予め決定されている。大当り遊技を開始した直後は、大当り遊技の終了条件は成立していない(S458:no)。そこで、大当り遊技用入賞口の閉鎖時間が経過したか否かを判断し、閉鎖時間が経過している場合は(S460:yes)、開始するラウンドのラウンド数(ここでは1ラウンド目)を指定するコマンド(ラウンド数指定コマンド)をサブ制御基板220に出力した後(S462)、ラウンドを開始するべく大当り遊技用入賞口を開口させて(S464)、図40に示す大当り遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。
こうして大当り遊技用入賞口を開口させた結果、次に大当り遊技処理(S450)を開始した時には、大当り遊技用入賞口が開口中と判断される(S452:yes)。そこで、今度は、1ラウンドの終了条件が成立したか否か(大当り遊技用入賞口の開口時間が経過したか否か、あるいは規定数の遊技球が入球したか否か)を判断する(S454)。そして、大当り遊技用の大入賞口の開口終了条件が成立していない場合は(S454:no)、図40に示した大当り遊技処理を一旦、抜けて、図24に示す遊技制御処理に復帰した後、再び大当り遊技処理に戻って、大当り遊技用入賞口が開口中か否か(S452)、開口中であれば(S452:yes)、開口終了条件が成立したか否かを判断する(S454)。こうした処理を繰り返すことによって、やがて大当り遊技用入賞口の開口終了条件が成立したこと(1ラウンドの終了条件が成立したこと)が確認されたら(S454:yes)、大当り遊技用入賞口を閉鎖する(S456)。
次いで、大当り遊技の終了条件が成立したか否か(すなわち、規定のラウンド数を消化したか否か)を判断する(S458)。そして、大当り遊技の終了条件が成立していない場合は(S458:no)、大当り遊技用入賞口の閉鎖時間が経過したことを確認して(S460:yes)、何ラウンド目のラウンドを開始するかを指定するコマンド(ラウンド数指定コマンド)をサブ制御基板220に出力した後(S462)、新たなラウンドを開始するべく再び大当り遊技用入賞口を開口させて(S464)、図40の大当り遊技処理を終了し、図26の遊技制御処理に復帰する。こうして処理を繰り返すうちに、やがて大当り遊技の終了条件が成立したと判断されるので(S458:yes)、大当り遊技を終了することを示すコマンド(大当り遊技終了コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力した後(S466)、大当り遊技を終了する(S468)。
大当り遊技中に大入賞口31aから入球した遊技球は、大入賞口31aの内部に設けられた大入賞口スイッチ31sによって検出される。そして、図26に示した遊技制御処理の賞球関連処理(S50)が開始されるたびに、入球した遊技球の個数に応じた個数の遊技球が賞球として払い出される。そして、図26に示した遊技制御処理の賞球関連処理(S50)が開始されるたびに、入球した遊技球の個数に応じた遊技球が、賞球として払い出されることになる。
大当り遊技処理では、こうして大当り遊技を終了すると、時短遊技を開始するか否かを判断する(S470)。ここで時短遊技とは普通図柄の変動時間短縮機能を作動させた状態で行われる遊技である。図34を用いて前述した特別図柄当否判定処理では、大当り遊技態様を決定する際に、時短遊技回数も決定している。そして、図36あるいは図37に示したように、大当り遊技態様によっては、大当り遊技の終了後に時短遊技を行わない場合(すなわち、時短遊技回数が0回の場合)も存在している。そこで、図40の大当り遊技処理では、大当り遊技を終了すると(S468)、時短遊技を開始するか否かを判断するのである(S470)。そして、時短遊技を行うと判断された場合は(S470:yes)、普通図柄の変動時間短縮機能を作動させるとともに(S472)、普通電動役物17dの開口時間延長機能の作動を開始した後(S474)、図40に示す大当り遊技処理を終了して、図26の遊技制御処理に復帰する。その結果、特別図柄が変動停止表示される回数が時短遊技回数に達するまでは、普通図柄の変動時間が短縮され、且つ、普通電動役物17dの開口時間が延長された状態で、遊技が行われることになる。これに対して、時短遊技を行わないと判断された場合(すなわち、大当り遊技態様で決定された時短回数が0回であった場合)は(S470:no)、普通図柄の変動時間短縮機能や、普通電動役物17dの開口時間延長機能を作動させることなく、そのまま大当り遊技処理を終了して図26の遊技制御処理に復帰する。
(5)実施例の効果
本実施例の遊技機1によると、遊技球を停止させた状態で滞留させるのではなく、受入転動部Eで転動させつつ滞留させることができるため、入球装置20内での遊技球の挙動に面白みを持たせることができる。つまり、遊技球が受入転動部Eを転動する様子を楽しんだり、遊技球が障害用隆起部Vを乗り越えられるか否かを「かたずを飲んで見守ること」ができるため、遊技者にとって、面白みのあるものとなる。しかも、移送ローラ装置25b等を用いた返還機能により、入球装置20内での遊技球の挙動に、更に面白みを持たせることができる。
また、本実施例の遊技機1によると、遊技球が受入転動部E上で転動すると共に、移送ローラ装置25b等を用いた返還機能を備えるため、受入転動部E上に遊技球が導入された時点で、遊技球が誘導される領域部(通常領域部TR若しくは特別領域部SR)が直ちに判明することが回避される。しかも、この返還機能により、入球装置20内での遊技球の停留時間(遊技球の転動を用いた演出時間)を長くすること等ができる。
加えて、1個の遊技球が、吸着片(通常吸着片25u、特別吸着片25u)に何回も吸着する可能性があるので、遊技者が期待感を抱く時間を長くできる。従って、本実施例の遊技機1によると、遊技者は、入球装置20に入球した遊技球を十分な期待感を頂きつつ、長時間、視認することができる。
また、本実施例によると、移送ローラ25mにおいて、複数の吸着片(通常吸着片25u、特別吸着片25u)を不規則に並べ、移送ローラ25mに遊技球が吸着する機会を増加させているため、遊技者の興趣を高めることができる。更に、遊技球が、受入転動部E上で所定量転動したところで移送ローラ25mに遊技球が吸着するによって、遊技球が第2の誘導装置26に誘導されるタイミングを変更できる。このため、遊技球が、第1の誘導装置25を経由することなく、直接、第2の誘導装置26に誘導される場合に比べて、遊技者が「遊技球の進入する領域部(通常領域部TR及び特別領域部SR)」を予測することがより一層、困難となる。従って、本実施例の遊技機1によると、遊技者に対して十分な期待感を与えることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
即ち、前述の「確率向上手段」の具体的な態様は、本実施例で例示する態様に限定されない。また、「確率向上手段」の具体的な態様として、例えば、図41(a)及び(b)の態様(以下、「変形例1」という。)を例示することもできる。この変形例1では、第1の誘導装置25において、返還誘導部N1の終端側部分N12と、通常転動部NTの始端側部分NT1とを併設された状態する。そして、返還誘導部N1の終端部N13と、通常転動部NTの中間部NTCとを合流させる。更に、「返還誘導部N1の終端側部分N12」と、「通常転動部NTの始端側部分NT1」は、通常転動部NTの中間部NTCに向かって下り傾斜となる「下り傾斜部N15、NT3」とする。このとき、「返還誘導部N1の終端側部分N12によって構成される下り傾斜部N15」の傾斜度を、「通常転動部NTの始端側部分NT1によって構成される下り傾斜部NT3」の傾斜度よりも大ききすることで、「確率向上手段」を構成することができる。換言すると、「返還履歴が無い遊技球が、障害用隆起部Vに到達する直前に通過する路面の傾斜度」よりも、「返還誘導部N1を通じて返還された遊技球が、障害用隆起部Vに到達する直前に通過する路面の傾斜度」を大きくすることで、「確率向上手段」を構成することができる。
また、請求項5の発明の「付勢手段」の具体例として、図42及び図43に示す変形例2や、図44に示す変形例3を例示することができる。
変形例2は、返還誘導部N1の終端部に、「返還誘導部N1を介して返還される遊技球に外力を負荷するための負荷手段800」を配置し、この負荷手段800によって「付勢手段」の具体例を構成する態様を示している。尚、この変形例2においては、この負荷手段800を、返還誘導部N1の中間部や通常転動部NTの中間部等に配置することもできる。
この変形例2に例示する負荷手段800は、図42(a)に示すように、本体部25cに対して一端部が軸支され、回動可能とされたアーム801を用いて構成される。このアーム801は、通常時において、通常転動部NT上からは退避した位置(例えば、返還誘導部N1と通常転動部NTとの間を遮断する位置)に配置される。また、返還誘導部N1において、アーム801よりも上流側に位置する部位(返還誘導部N1が構成する返還経路に沿った上流側に位置する部位)に、遊技球の通過を検出するための返還検出手段802を配設する。そして、図42(b)に示すように、返還検出手段802が、遊技球の通過を検出したところで、アーム801を回転させ、返還誘導部N1を通じて到達する遊技球を殴打可能な状態(例えば、返還誘導部N1と通常転動部NTとの間の遮断状態を解除し、アーム801の他端部を、通常転動部NTに進入させた状態)とする。
そして、返還誘導部N1を通じて返還される遊技球Yが、アーム801の回動範囲内に到達したところで、アーム801を反転させる。このとき、図43に示すように、反転するアーム801と、殴打される遊技球のタイミングが合致すると、返還誘導部N1を通じて返還される遊技球は、特別転動部STの方向に付勢される。
また、変形例3は、通常転動部NTの始端側の部分や中間部等に、その傾斜度を変更する変更手段850を配置し、この変更手段850によって、「付勢手段」の具体例を構成する具体例を示している。
この変更手段850は、通常転動部NTの始端側の部分や中間部を構成する床面部851によって構成される。この床面部851は、本体部25cに対して右端部(通常転動部NTの終端部側に位置する端部)が軸支され、この右端部を支点に、左端部(通常転動部NTの始端部側に位置する端部)を持ち上げるように、回転可能とされる。また、返還誘導部N1において、床面部851よりも上流側に位置する部位(返還誘導部N1が構成する返還経路に沿った上流側に位置する部位)に対して、遊技球の通過を検出するための返還検出手段852を配設する。そして、返還検出手段802が、遊技球の通過を検出したところで、床面部851を、その右端部を支点に回転させ、床面部851の傾斜度(特別転動部STの方向に下り傾斜となる傾斜度)を拡大する。これにより、返還誘導部N1を通じて通常転動部NTに返還される遊技球の勢いが、特別転動部STの方向に付勢される。
また、請求項1〜請求項3の各発明を具体化した変形例を例示することもできる。つまり、請求項3の発明の具体例として、図45に示す変形例4を例示することもできる。つまり、変形例4に示すように、本実施例の入球装置20から、通過路選択装置23と、第2の通過路形成部材(特別通路)24Bとを排除する態様を例示することもできる。
また、請求項3の発明の具体例として、図46に示す変形例5を例示することもできる。つまり、変形例5に示すように、本実施例の入球装置20から、第2の誘導装置26を排除し、第2の通過路形成部材(特別通路)24Bを通過した遊技球を、特別転動部STに導入する態様を例示できる。この変形例5においては、図47に示すように、「第2の通過路形成部材(特別通路)24Bを通過し、特別転動部STに導入された遊技球Yが、通常転動部NTに進入することを防止するための防止手段860」を受入転動部Eに設けてもよい。
この防止手段860は、「障害用隆起部Vに設けられる防止用凹部860A」によって構成される。かかる防止用凹部860Aは、「障害用隆起部Vのうちで、その頂部VTよりも特別転動部ST側に位置する部位」において、通常転動部NT側に凹む状態(略円弧状の経路を描く状態)に設けられる。この場合、特別転動部STに導入された遊技球が、防止用凹部860Aを抜け、更に、障害用隆起部Vの頂部VTを超えることが困難、若しくは、不可能となる。
更に、請求項1の発明の具体例として、図48に示す変形例6を例示することもできる。つまり、変形例6に示すように、本実施例の入球装置20から、通過路選択装置23と、第2の通過路形成部材(特別通路)24Bと、第2の誘導装置26を排除する態様を例示することもできる。