<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
前扉枠14は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として前方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられており、裏パックユニット15は、パチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として後方へ回動可能となるようにして内枠13に取り付けられている。
前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部が形成されている。ガラスユニット設置部は、枠体20の背面側に設けられているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が形成されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容され、それらガラスパネル31,32によって遊技領域PEがパチンコ機10の正面側から2重に覆われる構成となっている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部26が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28内側には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29内側には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
下側膨出部29並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路とが形成されてなる。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においても、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側には、それら支持金具71,72に対応させて突起軸が設けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び突起軸は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材63が複数設けられている(図2参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材63に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図2に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
図3に示すように、樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース70前面の略中央部分には、遊技盤ユニット80を収容する遊技盤収容部73が形成されている。遊技盤収容部73は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤ユニット80を収容する収容空間を区画しており、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤ユニット80がその収容空間に嵌まった状態となっている。本実施の形態においては特に、遊技盤ユニット80が樹脂ベース70に対して着脱可能に取り付けられており、メンテナンス作業等の容易化が図られている。
遊技盤ユニット80は、合成樹脂製の遊技盤80aとその背後に設けられた背面ブロック80b(図5参照)とを有してなり、その前面が遊技盤収容部73の開放部分を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80aの前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル32によって覆われている。ガラスパネル32は、遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80aは合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80を構成する遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、作動入球部84,85、スルーゲート86、可変入賞ユニット300等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、作動入球部84,85、可変入賞ユニット300に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80a(遊技領域PE)の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別すべく、一般入賞口81、作動入球部84,85、スルーゲート86、可変入賞ユニット300への遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変入賞ユニット300は遊技盤80aの中央に配されており、当該可変入賞ユニット300によって遊技領域PEにおける遊技球の流下ルートが可変入賞ユニット300を左側から迂回する左ルートと、可変入賞ユニット300を右側から迂回する右ルートとに大別されている。
可変入賞ユニット300の周辺に上記作動入球部84,85(抽選契機入球部)が配設されている。作動入球部84,85は、可変入賞ユニット300の側方(左ルート及び右ルート)に配設された左右の作動入球部84(以下、第1作動入球部84と称する)と、同可変表示ユニット88の下方、詳しくは左右のルートの合流箇所に配設された下側の作動入球部85(以下、第2作動入球部85と称する)とによって構成されている。
第2作動入球部85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)として作動入球部用の電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、第2作動入球部85への入球が容易となる補助状態(開状態)と、当該開状態よりも入球が困難となる非補助状態(閉状態)とに切替可能となっている。左ルート及び右ルートにて各第1作動入球部84の上方となる位置に上記スルーゲート86が配置されている。遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、第2作動入球部85に付属の電動役物91が所定期間だけ補助状態となり、第2作動入球部85への入球が補助されることとなる。
遊技領域PEの下部には、上記一般入賞口81の配設対象となる装飾体92が配設されている。装飾体92は遊技盤80aの前面からパチンコ機10の前方に突出しており、ガラスユニット30(ガラスパネル32)との隙間が遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾体92の前方を遊技球が落下することが回避されている。装飾体92にてガラスユニット30と対峙する部分には主表示ユニットDが埋設されており、ガラスユニット30を通じた主表示ユニットDの視認性が確保されている。ここで、主表示ユニットDについて補足説明する。
主表示ユニットDは、第1作動入球部84への入賞に基づいた抽選結果を表示する第1作動入球部用表示部93と、第2作動入球部85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2作動入球部用表示部94とを有している。
第1作動入球部用表示部93では、第1作動入球部84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が実行され、その変動表示の停止結果として、第1作動入球部84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。同様に、第2作動入球部用表示部94では、第2作動入球部85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が実行され、その変動表示の停止結果として、第2作動入球部85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。
詳細については後述するが、可変入賞ユニット300の流入口には当該可変入賞ユニット300への遊技球の流入をサポートするサポート手段又は補助手段として開閉式の入球補助装置である電動役物315が配設されている。この電動役物315についても、上記電動役物91と同様に、流入口への入球を補助する補助状態(開状態)と当該補助を行わない非補助状態(閉状態)とに切替可能となっている。第1作動入球部84及び第2作動入球部85への入賞に基づく内部抽選では、可変入賞ユニット300に付属の電動役物を補助状態に維持するサポート期間等を決定する。
本実施の形態においては、電動役物を補助状態とするサポート期間として相対的に短い期間である第1期間(例えば1sec)と、相対的に長い期間である第2期間(例えば2sec)とが設定されている。第1作動入球部84への入賞に基づく内部抽選では第1期間となりやすくなっており、第2作動入球部85への入賞に基づく内部抽選では第2期間となりやすくなっている。つまり、第1作動入球部84と第2作動入球部85とを比較した場合、入賞サポートの態様は前者よりも後者の方が遊技者に有利となるように差別化されている。
なお、本実施の形態においては遊技者の発射操作に基づいて遊技球が連続して発射される場合の発射周期が0.6secとなっている。故に、サポート期間として第1期間が設定されている場合の想定入賞数は1〜2程度となり、サポート期間として第2期間が設定されている場合の想定入賞数は3〜4程度となっている。
本実施の形態においては遊技球が第1作動入球部84又は第2作動入球部85を通過した回数は両方合せて最大4回まで保留される構成が採用されており、主表示ユニットDにはその保留数(保留個数)を表示する保留数用表示部95が設けられている。
また、主表示ユニットDには、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部96が併設されている。スルーゲート用表示部96では、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部96にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動入球部85に付属の電動役物91が所定の態様で開放される。
本実施の形態においては、電動役物91によるサポートモードとしては電動役物91が単位時間当たりに補助状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動入球部85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動入球部85よりも第1作動入球部84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動入球部84よりも第2作動入球部85への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを差別化する構成としてもよい。
因みに、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニットDにはその保留数(保留個数)を表示する保留数用表示部97が設けられている。
再び図3を用いて説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤収容部73(遊技盤ユニット80)の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで内枠13に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域区画部材108と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤ユニット80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤ユニット80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図2参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には、樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔に通路形成部材131が配設されている。通路形成部材131は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路132と本体側下皿通路133とを有している。それら本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材131の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路132の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路133の下方には前扉側上皿通路51が配置されている(図2参照)。
樹脂ベース70において通路形成部材131の下方には、本体側上皿通路132及び本体側下皿通路133からの遊技球の流出を規制するシャッタ134が設けられている。シャッタ134は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース70によって支持されている。また、樹脂ベース70にはシャッタ134を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ134が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路132又は本体側下皿通路133に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ134が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路132及び前扉側上皿通路51と、本体側下皿通路133及び前扉側下皿通路52とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図5に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図5は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図5の右側)には、軸受け金具136が取り付けられている。軸受け金具136には、上下に離間させて軸受け部137が形成されており、これら軸受け部137により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70における遊技盤収容部73の底部分には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が遊技盤収容部73に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80の背面ブロック80bには制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。
遊技盤ユニット80の背面ブロック80bは、各種構成を遊技盤80aに搭載する台座としてのベース体141が固定されている。ベース体141は、遊技盤ユニット80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80aの背面のほぼ全域を覆っている。ベース体141の一部は樹脂ベース70の中央開口74を通じて同樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置143と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に報知・演出制御装置143が装着されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示の制御(ランプ部24〜26やスピーカ部27の制御)を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置ユニット142の下方には、ベース体141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体141において遊技盤80aの背面と対向している部分には、一般入賞口81、作動入球部84,85、可変入賞ユニット300用の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤ユニット80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動入球部84,85に入賞した遊技球を検知する作動入球部用検知センサとが設けられている。これら各検知センサは、可変入賞ユニット300の左右両側に配設されたスルーゲート用検知センサとともに入賞検知機構を構成している。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサからの検知情報(検知信号)が主制御装置162に入力される構成となっている。
次に、図6及び図7に基づき裏パックユニット15について説明する。図6はパチンコ機10の背面図、図7は裏パックユニット15の正面図である。
図6に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図7に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する(図6参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部137に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバーが挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバーが挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に固定された遊技球分配部225に供給される。遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29aの何れかに振り分けるための機能を有している。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
基板ボックス244,246については、内蔵された各基板を当該基板ボックス244,246の外部から視認可能となるように透明性を有する合成樹脂によって形成されている。そして、払出制御基板及び電源・発射制御基板は、一方の板面が各種素子等の搭載面となっており、他方の板面が半田面となっている。そして、搭載面が遊技機後方を向くように(半田面が内枠13側(遊技機前方)を向くように)して配置されることで、メンテナンス等の際に、各制御基板に異常が発生していないか等を目視で容易に確認できる構成となっている。
また、電源・発射制御装置243には電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有している。例えば遊技ホールの営業終了時等に、通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。また、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
ここで、上記主制御装置162にはリセットスイッチ166が設けられており、このリセットスイッチ166を押しながら電源が投入された場合には、RAMデータが初期化される。
(可変入賞ユニット300)
ここで、図8に基づき遊技盤ユニット80の中央に配設された可変入賞ユニット300について詳しく説明する。図8は可変入賞ユニット300の内部構造を示す正面図であり、説明の便宜上可変入賞ユニット300の外郭の一部(後述するハウジングの一部)については図示を省略している。
可変入賞ユニット300は、内部に遊技球の流下領域及び役物等の配置領域が区画形成されたハウジング301を有してなる。既に説明したように、作動入球部84,85への入賞等を契機としてハウジング301への遊技球の流入が容易化される。ハウジング301は、可変入賞ユニット300の外郭を構成しており、透明な合成樹脂材料により形成されている。これにより、ハウジング301を通じて可変入賞ユニット300の内部領域、詳しくは当該内部領域を移動する遊技球等を遊技機前方から視認可能となっている。
ハウジング301の頂部には可変入賞ユニット300の「入口部分」としての上側流入口311が形成されている。上側流入口311はハウジング301の内外(上下)に開放された開口であり、その外形が遊技球よりも僅かに大きくなるように形成されている。上側流入口311に到達した遊技球については当該上側流入口311を通じて1つずつ可変入賞ユニット300に流入する。
既に説明したように、上側流入口311には上側流入口311への遊技球の流入を左右する上側電動役物315が併設されている。上側電動役物315は、上側流入口311を挟んで対峙する左右一対の可動片316と、それら可動片316を待機位置(非補助位置)へ付勢する付勢部材(図示略)と、可動片316を変位させる「駆動部」としてのソレノイド317とを有している。ソレノイド317は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。主制御装置162からの駆動信号によってソレノイド317が駆動状態(励磁状態)となることで、上記付勢部材の付勢力に抗する駆動力が発生し、当該付勢力に抗して可動片316が非補助位置から補助位置へと移動する。そして、駆動信号の出力が停止してソレノイド317が非駆動状態(非励磁状態)となることで、上記付勢部材の付勢力によって可動片316が補助位置から待機位置へ復帰することとなる。
上側電動役物315は、上側流入口311への遊技球の流入を補助する補助状態(開状態)と、流入を補助しない非補助状態(閉状態)とに切替可能となっている。非補助状態では、直立する左右の可動片316が遊技球の直径よりも僅かに大きな隙間を隔てて対峙しており(実線参照)、この隙間を通じた上側流入口311への流入が許容されている。但し、この状態では、上側流入口311の直上から当該上側流入口311に向かう第1ルートに沿って移動する遊技球については流入の余地があるものの、この第1ルートからはずれたルート(例えば斜め上方から上側流入口311に向かう第2ルート)に沿って移動する遊技球については流入の余地がない。つまり、間口が狭くなっており、入賞の発生頻度が低くなっている。これに対して、上側電動役物315が補助状態に切り替わると、左右の可動片316が当該可動片316の下端部を基端として互いに離れる側に回動し、上側流入口311に向けて下り傾斜となることで間口が拡張される(2点鎖線参照)。この結果、第1ルートから外れたルート(例えば第2ルート)を移動する遊技球についても可動片316によって上側流入口311へ誘導されることとなり、入賞の発生頻度が高くなる。
なお、図示は省略しているが、ハウジング301にて上側流入口311が形成されている部分には可変入賞ユニット300に流入する遊技球を検知する検知センサが設けられている。この検知センサは、主制御装置162に接続されており、主制御装置162においては検知センサからの検知信号(検知情報)に基づいて可変入賞ユニット300への入賞発生の有無を把握し、入賞が発生した場合には所定数の遊技球の払い出しを行う。
ハウジング301の内部領域については、上流領域/中流領域/下流領域の3つの領域に大別される。これら3つの領域のうちの中流領域には大当たりの発生抽選を行う抽選手段を構成する役物装置303が配設されており、上流領域には可変入賞ユニット300に流入した遊技球を上記役物装置303に供給する供給手段としての案内通路302が配設されている。案内通路302については、上側流入口311の直下となる位置にて複数(詳しくは第1案内通路341及び第2案内通路342)に分岐している。この分岐部分345には、上側流入口311から流入した遊技球を第1案内通路341及び第2案内通路342の何れかに案内する「案内手段」としての案内部材330が配設されている。なお、案内通路302を分岐部分345にて切り替える点に着目すれば、案内部材330によって「通路切替手段」が構成されているともいえる。
ここで、図9及び図10を参照して、役物装置303について補足説明する。図9(a)はハウジングの中流領域を示す平面図、(b)は役物装置303の斜視図、図10は可変入賞ユニットの部分断面図である。
(役物装置303)
図9(a)に示すように、ハウジング301には、当該ハウジング301の内部領域を上下に仕切る仕切り部380が形成されている。仕切り部380の上面には役物装置303を構成する入賞役物350が配設されている。入賞役物350は、モータ360の出力軸に固定されており(図10参照)、鉛直方向に延びる軸線を中心とした回転が許容された状態で同仕切り部380に載置されている。モータ360は主制御装置162に対して電気的に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。この駆動信号は、遊技機の電源がONになってからOFFになるまで出力が継続される。このため、遊技機の電源がONとなっている間は、入賞役物350が常時一定速度で同一方向(詳しくは平面視にて反時計回り方向)に回動を続ける。なお、入賞役物350の回転速度及び回動方向は一定である必要はなく、遊技状況等に応じて変化させてもよい。
入賞役物350は、自身の中心軸線方向に複数の段差が形成された厚肉の円盤状をなしている。より具体的には、入賞役物350は、上段部351,中段部352,下段部353の3つの段部を有してなり、上段部351の外径 < 中段部352の外径 < 下段部353の外径となるように形成されることで全体として上方に凸となっている(図9(b)参照)。
図10に示すように、仕切り部380には、下段部353に対応する円形状の凹部381が形成されており、この凹部381に対して下段部353が嵌まった状態となっている。凹部381の深さ寸法は下段部353の厚み寸法よりも小さく設定されており、下段部353が凹部381から上方に突出した状態となっている。凹部381の開口縁には、下段部353の縦壁に沿って起立する略円環状の内壁部382が形成されており、内壁部382よりも外側には同内壁部382に対向する外壁部383が形成されている。内壁部382と外壁部383との隙間は遊技球の直径よりも僅かに大きくなっており、これら両壁部382,383及び仕切り部380によって形成された通路が上記第2案内通路342の下流部分(横通路部)を構成している。なお、横通路部については入賞役物350よりも手前側に位置しており、当該横通路部を移動する遊技球の視認性が確保されている。
仕切り部380の上面において両壁部382,383によって挟まれている部分(遊技球の転動面)は、左右方向における中央側へ緩やかに下り傾斜している。第2案内通路342の縦通路部(上流部分)を経て仕切り部380に至った遊技球は両壁部382,383に沿って横通路部(下流部分)を前方に移動する。
横通路部において最も低位となっている仕切り部380の特定部分(中央部分)には、入賞役物350に向けて(すなわち後方に向けて)下り傾斜する溝部384が形成されている。内壁部382において溝部384の先側に位置する部分には、内外に貫通する陥欠部385が形成されており、この陥欠部385を介して、遊技球が入賞役物350に移動可能となっている。すなわち、この陥欠部385によって第2案内通路342の出口が構成されている。
図9(b)に示すように、入賞役物350の下段部353には、この陥欠部385に対応する複数(本実施の形態においては8つ)の入球部356が設けられている。各入球部356は、入賞役物350の周方向において等間隔となるように配列されており、内壁部382と対向する側及び上方に開放されている入球部356(以下、第1入球部356Aと称する)と、内壁部382と対向する側及び上下に開放されている入球部356(以下、第2入球部356Bと称する)とに大別される。すなわち、複数の入球部356のうちの1つ(第2入球部356B)は無底となっており、他(第1入球部356A)は有底となっている。
下段部353の入球部356が陥欠部385と連なる位置に至った場合には、第2案内通路342を通って移動してきた遊技球の入球部356への移動が許容されることとなる。これにより、第2案内通路342を経由した遊技球が1/8の確率で無底の第2入球部356Bに入り、7/8の確率で有底の第1入球部356Aに入ることとなる。そして、一旦入球部356に入った遊技球は、入賞役物350の回動に伴って入球部356と共に移動する。これにより、入球部356から第2案内通路342への遊技球の逆戻りが凹部381の壁面及び内壁部382によって阻止されることとなる。
凹部381の底部において入球部356が通過する経路と重なる位置には、V入賞口386が設けられている。V入賞口386は、遊技球の通過を許容する孔状をなしており、無底の第2入球部356Bに入った遊技球は、当該第2入球部356BとV入賞口386とが連なった際に、同V入賞口386に移る。V入賞口386を通過した遊技球は所定の通路を通って上記下流領域に案内され、当該下流領域を通じて可変入賞ユニット300から排出される(島設備に返却される)こととなる。
仕切り部380には、V入賞口386に入った遊技球を検出するV入賞口検知センサ387が設けられている。V入賞口検知センサ387は主制御装置162に接続されており、主制御装置162ではV入賞口検知センサ387からの検知信号(検知情報)に基づいてV入賞口386への入賞の有無を把握する。大当たり(開閉実行モード)となっていない状況下にてV入賞口386への入賞が発生した場合には大当たり(開閉実行モード)へと移行し、大当たり(開閉実行モード)となっている状況下にてV入賞口386への入賞が発生した場合には当該入賞に基づいて開閉実行モードが継続される。
また、内壁部382にて入賞役物350の回転中心軸線を挟んで陥欠部385と反対側となる位置には、排出口388が形成されている。排出口388は可変入賞ユニット300(ハウジング301)の内外に貫通している。有底の第1入球部356Aに入った遊技球は、排出口388と第1入球部356Aの開放部分とが連なった際に、同排出口388を通じて可変入賞ユニット300外に排出され、その後、遊技盤80aの背面側に設けられた排出通路を経由して遊技ホールの島設備に返却される。
入賞役物350の上段部351には、上方に開放された一条の溝部358が形成されている。溝部358は、その一端が有底の第1入球部356A、他端が無底の第2入球部356Bに向けてそれぞれ開放されており、中段部352に形成された連通部357を介して第1入球部356A及び第2入球部356Bに連通している。ここで、上記第1案内通路341の出口部分341aは、溝部368の中央部分の直上に位置しており、当該出口部分341aから落下した遊技球は、溝部358に入る。そして、溝部358に入った遊技球は、入賞役物350の回動によって発生する遠心力により溝部358に沿って移動する。この結果、当該遊技球は、第1入球部356A及び第2入球部356Bの何れかへ移動することとなる。このため、第1案内通路341を経由した遊技球は1/2の確率で第1入球部356Aに入り、同じく1/2の確率で第2入球部356Bに入ることとなる。言い換えれば、可変入賞ユニット300に入った遊技球が第1案内通路341を経由して入賞役物350に至った場合には、1/2の確率でV入賞口386への入賞(例えば大当たり)が発生することとなる。
V入賞口386に入った遊技球については、排出口388に入った遊技球とは異なり、可変入賞ユニット300の下流領域へと移動する。この下流領域には、大当たり(開閉実行モード)となった場合のラウンド数を決定するラウンド振分装置304が配設されている。本実施の形態においては開閉実行モードへ移行することで、上側電動役物315が開放され可変入賞ユニット300への遊技球の流入が容易化される。開閉実行モード中はV入賞口386への入賞を契機としてラウンド遊技が継続され、実行されたラウンド数が開閉実行モードへの移行時に設定されたラウンド数に達した場合、又は予め設定された期間内にV入賞口386への入賞が発生しなかった場合に、開閉実行モードが終了する構成となっている。
開閉実行モード中は上側電動役物315を補助状態とする期間として上記第1期間及び第2期間よりも長い第3期間(30sec)が設定される。上側電動役物315が補助状態となった場合には、第3期間が経過したこと又は第3期間の経過前に所定数(10個)の遊技球が上側流入口311に流入したことの何れかを条件として非補助状態への切り替えがなされる。このように上側電動役物315が非補助状態 → 補助状態→ 非補助状態に切り替わることが1ラウンドに相当する。以下、図8及び図11を参照してラウンド数の決定に係る構成(ラウンド振分装置304)について説明する。
(ラウンド振分装置304)
図8に示すように、ラウンド振分装置304は、V入賞口386に連なる振分通路390を有しており、V入賞口386に入った遊技球はこの振分通路390へ流入する。振分通路390の途中位置には振分部材391A,391Bが配設されている。これら振分部材391A,391Bによる遊技球の振り分け先に応じてラウンド数が決定されることとなる。なお、各振分部材391A,391Bにおける遊技球の振分態様については同様である。以下、上流側に配設された振分部材391Aについて説明し、下流側の振分部材391Bについての説明を援用する。
振分部材391Aは円盤状をなしており、ハウジング301によって回動可能に軸支されている。ハウジング301には振分部材391Aを回転させる駆動部としてモータが搭載されている。このモータは主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。これにより、振分部材391Aが常時一定速度で同一方向に回転を続ける。なお、振分部材391Aの回転速度及び回転方向は一定である必要はなく、遊技状況等に応じて変化させてもよい。
振分部材391Aには凹状をなす第1受入口392A及び第2受入口393Aが形成されている。各受入口392A,393Aの底部は遊技機後方へ傾斜しており、受入口392A,393Aに入った遊技球はこの傾斜に沿って遊技機後方へ向かう。ここで、第1受入口392Aについては、傾斜先に開放されており、この開放部分を通じた遊技球の移動(回転中心軸線方向における移動)が許容されている。振分通路390の奥壁には第1入賞口395が形成されており、第1受入口392Aが第1入賞口395と連通することで当該第1受入口392Aに待機中の遊技球が第1入賞口395に入賞する(図11(a)→図11(b)参照)。
第1入賞口395には、当該第1入賞口395に入賞した遊技球を検知する第1入賞検知センサが併設されている。第1入賞検知センサは主制御装置162に接続されており、主制御装置162では第1入賞検知センサからの検知信号(検知情報)に基づいて第1入賞口395への入賞の有無を把握する。第1入賞口395への入賞が発生した場合には、上記ラウンド数として「4」が設定される。これにより、4ラウンドを上限として開閉実行モードが開始されることとなる。
これに対して、第2受入口393Aについては奥壁が形成されており、傾斜先に開放されていない。このため、振分通路390を流下した遊技球が第2受入口393Aに入った場合には第2受入口393Aを通じた第1入賞口395への入賞が回避され、当該遊技球は下流側の振分部材391Bへと案内される(図11(c)→図11(d)参照)。
下流側の振分部材391Bへ到達した遊技球についても同様の態様にて振り分けがなされ、第2入賞口396及び第3入賞口397の何れかに入賞することとなる。第2入賞口396には当該第2入賞口396に入賞した遊技球を検知する第2入賞検知センサが併設され、第3入賞口397には当該第3入賞口397に入賞した遊技球を検知する第3入賞検知センサが併設されている。第2入賞検知センサ及び第3入賞検知センサは主制御装置162に接続されており、主制御装置162では第2入賞検知センサ及び第3入賞検知センサからの検知信号(検知情報)に基づいて第2入賞口396への入賞の有無及び第3入賞口397への入賞の有無を把握する。第2入賞口396への入賞が発生した場合には上記ラウンド数として「8」が設定され、第3入賞口397への入賞が発生した場合には上記ラウンド数として「16」が設定される。これにより、8ラウンド又は16ラウンドを上限として開閉実行モードが開始されることとなる。
なお、本実施の形態においては、V入賞口386への入賞によって大当たり結果となった場合に一時的に第1入賞検知センサ〜第3入賞検知センサを有効とする構成とした上で、V入賞口386に入賞した遊技球が全て振分通路390に流入する構成とした。これを変更し、振分通路390の入口部分にシャッタを設け、大当たり発生時にのみ(大当たりの契機となった遊技球のみ)振分通路390へ流入可能となるように制限してもよい。この場合、可変入賞ユニット300にV入賞口386用の排出通路を設け、シャッタによって振分通路390への流入を制限された遊技球については当該排出通路を通じて可変入賞ユニット300から排出すればよい。
本実施の形態にて大当たり結果となった場合には、1/2の確率で開閉実行モードにおけるラウンド数として「4」が設定され、1/4の確率でラウンド数として「8」が設定され、1/4の確率でラウンド数として「16」が設定される。開閉実行モードが終了した後は、可変入賞ユニット300内の遊技球が全て可変入賞ユニット300から排出されたことを契機として、サポートモードが規定回数(5回:作動入球部84,85に係る保留の上限数よりも多い数)を上限として高頻度サポートモードへと移行する。高頻度サポートモード中は第2作動入球部85に付属の電動役物91が補助状態となりやすく、当該第2作動入球部85への入球が促される。既に説明したように、第2作動入球部85への入球に基づく内部抽選では、補助期間として第2期間が設定されるロング開放となりやすくなっている。ロング開放が実行される場合の開放対象については上側流入口311とは別の流入口が設定される。ここで、再び図8及び図9を参照して、ロング開放に係る構成について説明する。
(右側流入口321及び右側電動役物325)
図8に示すように、可変入賞ユニット300(ハウジング301)の右側部には、側方(右方)に開放された右側流入口321が形成されている。この右側流入口321には上側流入口311と同様に入球補助手段としての右側電動役物325が併設されている。右側電動役物325は、右側流入口321と対向するように構成された可動片326と、これら可動片316を駆動させる駆動部としてのソレノイド327とを有している。ソレノイド327は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。
右側電動役物325は、右側流入口321への遊技球の流入を補助する補助状態(開状態)と、流入を補助しない非補助状態(閉状態)とに切替可能となっている。非補助状態では可動片316によって右側流入口321が覆われており(実線参照)、右側流入口321への遊技球の流入が不可となっている。これに対して、補助状態では、可動片316が当該可動片316の下端部を基端として側方に傾くことにより、右側流入口321が開放され、可動片316によって右側流入口321へ遊技球を案内する案内傾斜面が形成される。これにより、可変入賞ユニット300の右側(右ルート)を流下する遊技球が可変入賞ユニット300に流入しやすくなる。
なお、図示は省略しているが、右側流入口321には可変入賞ユニット300に流入する遊技球を検知する検知センサが設けられている。この検知センサは、主制御装置162に接続されており、主制御装置162においては検知センサからの検知信号(検知情報)に基づいて入賞発生の有無を把握し、入賞が発生した場合には所定数の遊技球の払い出しを行う。
右側流入口321に流入した遊技球は、第3案内通路343を通じて役物装置303へと案内される。第3案内通路343についてはその下流部分が第2案内通路342の下流部分に合流しており、第2案内通路342を流下した遊技球と同様に、陥欠部385を通じて入賞役物350の下段部353に案内されることとなる(図9参照)。
第3案内通路343の途中位置には、遊技球の流下を一時的に制限可能なシャッタ346が設けられている。シャッタ346は、第3案内通路343を寸断することによりそれよりも下流側への遊技球の流下を阻止する阻止位置と、遊技球の流下を許容する許容位置とに移動可能となっている。シャッタ346は、通常は阻止位置にて配置されており、右側電動役物325が補助状態となった場合に補助状態への切替タイミングから所定の待機期間を経過した開放タイミングにて阻止位置から許容位置へと移動する。具体的には、右側電動役物325が補助状態となってから「1.5sec」が経過したタイミングにて阻止位置から許容位置へと移動し、右側電動役物325が非補助状態に復帰してから「1sec」が経過したタイミングにて許容位置から阻止位置に移動する構成となっている。
第3案内通路343については右側流入口321からシャッタ346までの通路長が遊技球の直径寸法の6倍程度となっており、右側流入口321に流入した遊技球がシャッタ346の配設箇所へ到達するのに要する期間が「0.5sec」となっている。上述したタイミングのずれによって、一時的に複数の遊技球がシャッタ346を先頭とした列を形成することとなる。つまり、右側電動役物325が補助状態となった場合、右側流入口321に流入した遊技球は即座に役物装置303に案内されるわけではなく、ある程度の数が溜まった後にまとめて案内されることとなる。
シャッタ346によって貯留される遊技球の上限数については役物装置303(入賞役物350)に設けられた入球部356の数には満たない構成(詳しくは6個)となっているが、複数の遊技球が入賞役物350にまとめて案内されることで、第2入球部356Bへの入賞確率が高まる。つまり、第1入球部356Aに入った外れ球は排出されるまで当該第1入球部356Aに留まるため、当該遊技球は後続の遊技球が同一の第1入球部356Aへの入球を妨げる防壁として機能する。以上の理由から、第3案内通路343を経由して役物装置303に遊技球が供給される場合には、V入賞口386への入賞の期待度が高くなる。
以上詳述した右側流入口321の開放は、主として開閉実行モード終了後に移行する高頻度サポートモードにて発生する。高頻度サポートモードには回数制限(5回)が設けられているが、この期間中は低頻度サポートモード中と比べてV入賞口386への入球が発生しやすくなる。このように、大当たりが連続しやすい構成として、遊技にメリハリを生じさせることにより、遊技の単調化を抑制することが可能となっている。
但し、遊技の単調化を抑制すべく遊技の流れにメリハリを与える場合には、遊技者にとって不利な状況が際立ってしまうこと(有利度に過度な偏りが生じること)が遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。本実施の形態に示す可変入賞ユニット300においては、上記例示した事情等に鑑みて、遊技の単調化を抑制すべく遊技の流れにメリハリを与えつつそれに起因して有利度に過度な偏りが生じることを抑制する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。ここで、図8及び図12を参照して、この工夫に係る構成について説明する。図12は可変入賞ユニット300の部分拡大図である。
図8に示したように、可変入賞ユニット300の頂部(上側流入口311)には上側電動役物315が配設されている。上側電動役物315(詳しくは可動片316)と案内部材330とは、ハウジング301に取り付けられたリンク機構335を介して連結されている。リンク機構335は可動片316に加わった動力を案内部材330に伝達する動力伝達手段として機能しており、可動片316の動きに追従するようにして案内部材330を動作させる構成となっている。つまり、本実施の形態に示す案内部材330の姿勢については上側電動役物315の可動片316の動きに応じて変化する構成となっている。
案内部材330は、左右に延びる長板状の本体部331と、本体部331の長手方向における中央に設けられた軸部332とを有しており、この軸部332がハウジング301によって軸支されることで当該ハウジング301に一体化されている。本体部331は、上側流入口311に対して下方から対峙し、当該上側流入口311から落下した遊技球を受ける球受け部として機能している。軸部332が上側流入口311の直下に位置するようにして案内部材330が配置されている。このため、上側流入口311から落下した遊技球が案内部材330に衝突した際に当該案内部材330に生じる応力が軸部332に向いやすくなっており、当該応力が案内部材330を回動させるように作用することを抑制している。
案内部材330は、軸部332を中心に時計回り方向及び反時計回り方向に回動可能となっており、その回動範囲がハウジング301によって規定されている。具体的には、本体部331の右端部が案内通路302の底面に当接した状態では当該本体部331が右側に下り傾斜し、上側流入口311を経由して分岐部分345に到達した遊技球を第1案内通路341へ案内する第1案内状態となる。これに対して、本体部331の左端部が案内通路302の底面に当接した状態では当該本体部331が左側に下り傾斜し、上側流入口311を経由して分岐部分345に到達した遊技球を第2案内通路342へ案内する第2案内状態となる。
また、本体部331には、下方へ突出する装飾部333が設けられている。装飾部333は、軸部332の左右両側に各々配設されており、軸部332を挟んで対称となるように形成されており、案内部材330の重心位置が軸部332上に位置するように構成されている(重量の偏りが回避されている)。案内通路302の底面にはこの装飾部333用のスリットが形成されており、このスリットを通じて装飾部333が下方に突出した状態と/突出が回避された退避状態とに交互に切り替え可能となっている。装飾部333には、遊技球の案内先が第1案内通路341となっていることを示す模様(詳しくは右向きの矢印)と、遊技球の案内先が第2案内通路342となっていることを示す模様(詳しくは左向きの矢印)とが設けられている。装飾部333がスリットから突出した状態では、遊技機前方から何れかの模様(矢印)が視認可能となる。
図12(a)に示すように、上側電動役物315が非補助状態となっている場合には、案内部材330は分岐部分345に到達した遊技球を第1案内通路341へ案内する第1案内状態となる。非補助状態では、上側流入口311への流入経路が第1ルートに限定される。このため、上側流入口311への入賞の発生頻度は低くなる。但し、このような要件を突破して上側流入口311に入った遊技球は、第1案内通路341に案内される。このため、1/2の確率でV入賞口386への入賞が発生することとなる。
案内部材330が第1案内状態となっている場合には、装飾部333に設けられた2つの矢印のうち第1案内通路341への案内を示唆する矢印が案内通路302との重なりが回避される位置へ突出し、遊技機前方から視認可能となる。これにより、遊技球の案内先が第1案内通路341となっていること(第1案内状態となっていること)が示唆される。なお、この状態では、もう一つの矢印は案内通路302の背後に隠れるため、当該矢印の視認が不可となっている。
図12(b)に示すように、上側電動役物315が補助状態となっている場合には、案内部材330は分岐部分345に到達した遊技球を第2案内通路342へ案内する第2案内状態となる。補助状態では、第1ルートに加え第2ルートを通じた上側流入口311への流入が可能となる。このため、非補助状態と比べて上側流入口311への入賞の発生頻度が高くなる。このような状況下にて上側流入口311に入った遊技球は、第2案内通路342へ案内される。これにより、1/8の確率でV入賞口386への入賞が発生することとなる。
案内部材330が第2案内状態となっている場合には、装飾部333に設けられた2つの矢印のうち第2案内通路342への案内を示唆する矢印が案内通路302との重なりが回避される位置へ突出し、遊技機前方から視認可能となる。これにより、遊技球の案内先が第2案内通路342となっていること(第2案内状態となっていること)が示唆される。なお、この状態では、もう一つの矢印は案内通路302の背後に隠れるため、当該矢印の視認が不可となっている。
このように、上側流入口311への入球が困難な非補助状態では当該上側流入口311へ流入した遊技球は遊技者にとって相対的に有利な第1案内通路341に案内され、上側流入口311への入球が容易な補助状態では当該上側流入口311へ流入した遊技球は遊技者にとって相対的に不利な第2案内通路342に案内される。このように遊技球の案内先が変更されることにより、例えば上側流入口311への入球が困難な非補助状態では当該上側流入口311へ流入した遊技球は遊技者にとって相対的に不利な第2案内通路342に案内され、上側流入口311への入球が容易な補助状態では当該上側流入口311へ流入した遊技球は遊技者にとって相対的に有利な第1案内通路341に案内される構成と比較して、有利度の過度の偏りを抑えることができる。つまり、上側電動役物315が非補助状態となっている場合には、遊技球が上側流入口311に入ることで大当たり結果となることへの期待が高まるため、非補助状態での遊技意欲の低下を抑制できる。また、上側電動役物315が補助状態となっている場合には、遊技球が上側流入口311に入りやすい代わりに大当たりの期待の低い第2案内通路342へ案内される。これにより、上側電動役物315の補助状態への切り替え機会を増やしたとしても、それに起因して大当たりが多発することを抑制することができる。
なお、第1案内通路341を経由して入賞役物350に到達した遊技球については1/2の確率でV入賞口386に入り、第2案内通路342を経由して入賞役物350に到達した遊技球については1/8の確率でV入賞口386に入る。第2案内通路342については、一度に流入した遊技球の数が増えることでV入賞口386への入賞確率が上昇し、入球部356と同じ数である8個の遊技球が流入すればV入賞がほぼ確実となる。但し、上側電動役物315が補助状態となっている際の事実上の入球数が1〜2個程度となるため、基本的には第1案内通路341へ振り分けられた方が遊技者にとって有利である。
また、大当たり終了後は、回数限定(5回限定)の高頻度サポートモードへ移行する。この場合、スルーゲート用表示部96の変動表示時間が短縮されサポート抽選のほとんどが当たりになる。つまり、第1案内通路341及び第3案内通路343を通じてまとまった数の遊技球が入賞役物350に供給されることとなる。これにより、高頻度サポートモード中に再び大当たり結果となる可能性が高くなる。
ここで、上側電動役物315(上側流入口311)と案内部材330とが離間するようにして配置されている場合には、以下の不都合が生じる。すなわち、上側電動役物315が非補助状態となっている状況下にて上側流入口311に流入した遊技球が分岐部分345に到達する直前に電動役物315が補助状態に切り替わることで、本来であれば有利側の第1案内通路341へ案内されるはずであった遊技球が第2案内通路342へ案内され得る。これでは、第1案内通路341への振り分けの機会を逸する要因となり、遊技者の遊技意欲を損なう可能性がある。
本実施の形態においては、このような不都合の発生を抑えるべく上側電動役物315と案内部材330との連動のタイミングに工夫が施されている。ここで、図13を参照して、動作タイミングについて補足説明する。図13は上側電動役物315及び案内部材330の動きを示すタイミングチャートである。
第1作動入球部84又は第2作動入球部85への入球に基づいて上側電動役物315を補助状態に切り替える切替条件が成立したt1のタイミングでは、上側電動役物315のソレノイド317へ駆動信号が出力され、可動片316が待機位置から最大回動位置へ向けた回動を開始する。このタイミングでは、上側流入口311への遊技球の流入ルートは上述した第1ルートに限定され、第2ルートからの遊技球の流入については不可となっている。また、案内部材330は第1案内状態となっており、案内部材330に到達した遊技球は第1案内通路341に案内されることとなる。
t1のタイミングの後のt2のタイミングでは、上側電動役物315の回動量については最大となっているわけではないものの、少なくとも第2ルートからの遊技球の流入を受入可能な程度となる。このタイミングにてリンク機構335による案内部材330の連動が開始される。つまり、本実施の形態においては、上側電動役物315の動作開始タイミングに対して案内部材330の動作開始タイミングが僅かながら遅れる(遅延される)構成となっている。
t2のタイミングの後のt3のタイミング、詳しくはt1のタイミングから所定の遅延期間が経過したt3のタイミングでは、案内部材330が右側に下り傾斜となる第1案内状態から左側に下り傾斜となる第2案内状態に切り替わる。これにより、t3のタイミング以降は遊技球の案内先が第2案内通路342となる。
ここで、上記遅延期間については、遊技球が可動片316の隙間から案内部材330に到達するのに要する期間よりも長くなっている。このため、例えばt1のタイミングよりも前に上記隙間に到達した遊技球については案内先が第2案内通路342に切り替わる前に案内部材330に到達することとなる。つまり、入球が困難な非補助状態中に入賞した遊技球については、有利側の第1案内通路341に案内される。
t3の切替タイミングの後のt4のタイミングでは、案内部材330が最大回動位置に到達し、回動を停止する。その後の、t5のタイミングでは、案内部材330から遅れて、上側電動役物315が最大回動位置へ到達する。案内部材330を回動させることで、遊技球の案内先を第1案内通路341/第2案内通路342で切り替える構成においては、案内部材330が水平となった状態では、遊技球の案内先がばらついてしまう。そこで、本実施の形態においては、上側電動役物315の可動片316の動作終了タイミングよりも案内部材330の動作終了タイミングを先行させて案内部材330の動作期間を短くすることにより、上記水平な状態となる期間を短くすることが可能となっている。これにより、遊技球の案内先のばらつきを緩和している。
案内部材330及び上側電動役物315が静止した後は、t6のタイミングにて上側電動役物315(ソレノイド317)への駆動信号の出力が停止される。これにより、上側電動役物315の可動片316は待機位置へ向けた復帰動作(回動)を開始する。t6のタイミングの後のt7のタイミングでは、可動片316に遅れて案内部材330が回動を開始する。
続くt8のタイミングでは、案内部材330が右側に下り傾斜となり第1案内状態に復帰する。その後、t9のタイミングでは案内部材330の回動が停止し、上側電動役物315が非補助状態となる。これにより、第2ルートを通じた入賞が不可となる。その後のt10のタイミングにて上側電動役物315の復帰動作が完了する。
ここで、第2ルートからの入賞が制限されたt9のタイミングでは、案内部材330が第1案内状態に復帰している。このため、例えばt9のタイミングにて入賞した遊技球の案内先は第1案内通路341となる。また、上側電動役物315による補助が終了する直前に入賞した遊技球については、第2ルートを経由した可能性は高いものの、第1ルートを経由している可能性を否定できない。故に、このような遊技球が案内部材330に到達する時点では案内部材330を第1案内状態に復帰させておくことにより、遊技者に本来得られるべき恩恵を取りこぼしたかのような印象を与えることを抑制している。
次に、再び図8を参照して、第1案内通路341〜第3案内通路343の関係について補足説明する。第1案内通路341は、らせん状をなしており、入賞役物350に近づくにつれて径が小さくなるように減縮されている。これにより、上下方向における遊技球の移動速度を遅くして、当該第1案内通路341の通過に要する所要期間を長くしている。既に説明したように第1案内通路341へ遊技球が案内される頻度は低く且つ第1案内通路341に案内された遊技球は高い確率(1/2)でV入賞口386へ入賞する構成となっており、当該第1案内通路341は第2案内通路342と比べて遊技者に有利となるように構成されている。そこで、敢えて遊技球をゆっくり降下させる構成とすることにより、当該遊技球への注目を促している。
これに対して、第2案内通路342は、上流部分及び下流部分は横方向に延びる横通路部となっているものの、中流部分については縦方向に延びる縦通路部となっており、当該第2案内通路342の通過に要する所要期間は第1案内通路341よりも短くなっている。本実施の形態においては、第2案内通路342に案内された遊技球の数が多くなれば、V入賞口386への入賞確率が上がる構成となっている。故に、第2案内通路342においては所要期間を短くすることで、先行する遊技球が排出される前に後続の遊技球が入賞役物350に到達する機会を増やしている。また、下流部分を横通路部として遊技球を減速させる構成とすることにより、先行する遊技球に後続の遊技球が追い付きやすくなっている。これにより、第2案内通路342に案内された遊技球の数に応じてV入賞口386への入賞確率が上がる機能を好適に発揮させることができる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上側電動役物315が非補助状態となって上側流入口311への入球が困難となっている状況下にて当該上側流入口311を通じた可変入賞ユニット300への入球が発生した場合には、上側電動役物315が補助状態となって上側流入口311への入球が容易となっている状況下にて当該上側流入口311を通じた可変入賞ユニット300への入球が発生した場合と比較して、大当たりの契機となるV入賞口386への入賞の可能性が高くなるように構成されている。つまり、入球が発生しやすい場合には遊技球の案内先となる通路は不利側の第2案内通路342となり、入球が発生しにくい場合には遊技球の案内先となる通路は有利側の第1案内通路341となる。このような構成とすれば、遊技の多様化を図りつつそれに起因して極端に不利な状態となることを回避できるため、不利な状態となったり不利な状態が続いたりすることが遊技者の遊技欲を低下させる要因になることを抑制できる。故に、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させる効果を好適に発揮させることができる。
リンク機構335によって上側電動役物315(可動片316)と案内部材330とを連結し、可動片316の動きに合せて案内部材330を動作させる構成となっている。このように構造的側面から上側電動役物315と案内部材330とを連動させる構成とすることにより、動作タイミングのばらつきを解消できる。これにより、電動役物315及び案内部材330の動作の確からしさを好適に担保できる。なお、例えば案内部材330用の駆動部を別途設け、電動役物315及び案内部材330の駆動制御を個別に行う構成とすることで両者を連動させることも可能である。但し、このような構成では制御装置等にて制御負荷が増大する。故に、動作の確からしさを担保する上では上述の如くリンク機構335を用いて上側電動役物315及び案内部材330を連動させることには技術的意義がある。
リンク機構335を介して案内部材330に動力を伝達する構成においては、構造が大がかりとなることで、伝達ロスが大きくなったり応答性が低下したりする等の不都合が生じる。そこで、本実施の形態に示すように役物装置303及び上側流入口311(上側電動役物315)のうち後者寄りとなる位置に案内部材330を配置すれば、連結機構の小型化を促進し、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
上側電動役物315が補助状態となっている場合には非補助状態となっている場合と比べて可変入賞ユニット300への入球確率が高くなるものの、補助状態中に入球した遊技球は案内部材330によって不利側(第2案内通路342)に案内されやすくなる。ここで、遊技球が不利側へ案内される場合には、その数に応じて有利度が変化する構成とすることにより、入球の発生頻度に応じて期待度が変化することとなり、遊技の単調化を好適に抑制できる。
リンク機構335によって案内部材330を第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成においては、遊技球が衝突した際の勢い等によって案内部材330が動いた場合に、それに追従して上側電動役物315(可動片316)が動作することで、可変入賞ユニット300への入球確率が変化し得る。例えば、案内部材330に第2案内状態→第1案内状態に切り替わるような力が加わった場合に、上側電動役物315が補助状態→非補助状態に切り替わってしまっては、上側電動役物315と案内部材330との連動機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、案内部材330の動きに追従した上側電動役物315(可動片316)の動きを規制することにより、案内部材330と上側電動役物315との有利不利の関連性が崩れることを好適に抑制できる。
また、仮に案内部材が上側電動役物とは無関係に独立して動作する構成とした場合には、案内部材の動きを見計らって遊技球を発射することで遊技を有利に進めることが可能とる。このような構成では、所謂変則打ち等が行われることで遊技機の稼働率が低下すると懸念される。この点、上側電動役物315に連動して案内部材330が動作する構成とすれば、そのような要因による稼働率の低下を抑制できる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
上側電動役物315(上側流入口311)を通じて可変入賞ユニット300に入った遊技球は、当該上側流入口311の直下に配置された案内部材330によって第1案内通路341及び第2案内通路342の何れかに振り分けられることとなる。これら2つの構成を併用して遊技の単調化を抑制することにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。遊技の流れを左右する上側電動役物315及び案内部材330は共に遊技者の注目が向きやすい箇所である。本実施の形態に示したように上側流入口311の直下に案内部材330を配設して両構成を近づけることにより、注目箇所をまとめることができる。これにより、注目度向上に起因した遊技者の疲労を緩和することができる。
案内部材330は上側流入口311から落下した遊技球を受ける球受け部として機能しており、当該案内部材330に衝突した遊技球は、当該案内部材330の傾斜方向へと移動する。遊技球を第1案内通路341へ案内する状態(右側へ傾斜した状態)と遊技球を第2案内通路342へ案内する状態(左側へ傾斜した状態)とについては、僅かな傾きの変化によって切り替えることができる。故に、傾きの変化に応じて遊技球の案内先を変化させる構成は、案内先を切り替える際の応答性を向上させる上で好ましい構成である。
案内部材330の本体部331と案内通路302の通路壁面との間には、案内部材330が第1案内状態及び第2案内状態の何れの状態となっている場合であっても、第1案内通路341及び第2案内通路342のうち案内先となっていない通路への遊技球が移動を許容する隙間が確保されている。遊技球の案内先が案内部材330の状態に応じて確定する場合には、遊技者の注目が案内部材330に向き、遊技球の動きへの注目が低下し得る。この点、上述したように、遊技球の案内先とは反対側への遊技球の移動を許容する構成とすれば、実際に遊技球が振り分けられるまで、案内先とは反対側へ遊技球が移動する余地を残すことができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の低下を好適に抑制できる。
案内部材330を回動式とした場合には、回動中心部付近で遊技球を受けた場合と、回動先端部付近で遊技球を受けた場合とで、案内手段に加わる回転モーメントに差が生じる。回転モーメントが大きくなると、その影響で案内部材330の状態が変化しやすくなる。この点、可変入賞ユニット300の上側流入口311の直下に回動中心部(軸部332)が位置する構成とすれば、遊技球が衝突した勢いで案内部材330の向きが変わることを抑制できる。
上側電動役物315が非補助状態となっている場合には、付勢部材の付勢力によって可動片316が待機位置(非補助位置)に待機している。この場合、付勢力がリンク機構335を介して案内部材330に伝わることで、案内部材330に遊技球が衝突した場合であっても、その衝突によって案内部材330が変位→可動片316が変位することを規制できる。また、ソレノイド317からの駆動力によって可動片316が補助位置に待機している場合には、この駆動力がリンク機構335を介して案内部材330に伝わることで、案内部材330に遊技球が衝突した場合であっても、その衝突によって案内部材330が変位→可動片316が変位することを規制できる。
特に、補助状態となっている場合には、非補助状態となっている場合と比べて入球する遊技球の数が多くなりやすいため、遊技球の衝突によって発生する応力も大きくなりやすい。そこで、補助状態においては付勢部材の付勢力ではなく、ソレノイド317の駆動力(付勢力を上回るように設定された駆動力)を利用して切り替わりを妨げる構成とすることにより、状態を維持する機能(切り替わりを規制する機能)を好適に発揮させることができる。
可動片316は、上側電動役物315が補助状態となっている場合に遊技球を上側流入口311へ向けて案内可能な傾斜面として機能するように構成されている。上側電動役物315(可動片316)によって上側流入口311に遊技球が案内される場合には、その遊技球によって可動片316が押圧されることとなる。本実施の形態に示す構成によれば、その力を案内部材330の姿勢が当該案内部材330に到達した遊技球に押されて変化することを妨げる抗力として利用できる。故に、例えばロック機構等を用いて案内部材330等の状態の切り替わりを規制する構成と比べて、構造の複雑化を抑制できる。
リンク機構335を用いて上側電動役物315と案内部材330とを連動させる構成においては、案内部材330を動作させるために必要となる駆動力が大きくなる。これは、上側電動役物315(駆動部分)やリンク機構335に生じる負担が増し、状態を切り替える際の応答性を低下させる要因になるため好ましくない。この点、実施の形態に示したように案内部材330を当該案内部材330の回動中心部(軸部332)を挟んで対称となるように形成し、重量バランスの偏りを抑える構成とすれば、案内部材330を第1案内状態/第2案内状態に切り替える際に必要な駆動力を小さくすることができる。これにより、上記連動を実現する上で負担の増加を緩和し、応答性の向上に寄与できる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、上側電動役物315と案内部材330とを連動させる構成とした。本実施の形態においては、これに加えて案内部材330と右側電動役物325とが連動する構成となっている点で上記第1の実施の形態と構成が相違している。そこで以下、図14の概略図を参照して、両電動役物315,325と案内部材330との関係について説明する。
図14(a),(b)に示すように、右側流入口321に付属の右側電動役物325が非補助状態となっている場合には、案内部材330が上側流入口311に付属の上側電動役物315に連動する。具体的には、図14(a)に示すように、上側電動役物315が非補助状態となっている場合には、案内部材330は第1案内状態(第1案内通路341側へ下り傾斜)となっている。これに対して、上側電動役物315が補助状態に切り替わると、可動片316の動きに追従して案内部材330が第2案内状態(第2案内通路342側へ下り傾斜)に切り替わる。上側電動役物315が補助状態から非補助状態に復帰する場合には、可動片316の動きに連動して案内部材330が第1案内状態(第1案内通路341側へ下り傾斜)に切り替わる。
既に説明したように、補助期間として相対的に長い第2期間が設定される場合には、補助状態への切り替え対象(開放対象)が上側電動役物315ではなく右側電動役物325となる。ここで、右側電動役物325の可動片326と案内部材330とはリンク機構336Xを介して連結されており、可動片326が動作した場合にはその動力がリンク機構336Xを経由して案内部材330に伝わる。これにより、可動片326の動きに合せて案内部材330が動作する構成となっている。
具体的には、右側電動役物325の可動片326が閉位置から開位置へと回動した場合には、その動力がリンク機構336Xを介して案内部材330に伝わり、案内部材330が第1案内状態から第2案内状態に切り替わる。ここで、案内部材330と上側電動役物315(可動片316)とを繋ぐリンク機構335Xについては所謂ワンウェイリンク構造となっており、案内部材330が動作したとしても、それに起因して可動片316が動作することはない。つまり、リンク機構336Xによって案内部材330が動作する場合には、案内部材330に追従して上側電動役物315が非補助状態→補助状態に切り替わることが回避されている。
既に説明したように、第3案内通路343はその下流部分が第2案内通路342に合流している。右側電動役物325が補助状態となっている場合であっても上側流入口311への入球が許容されており、このような状況下にて上側流入口311へ入った遊技球は第2案内通路342を通過する。そして、第3案内通路343経由で入賞役物350に供給される遊技球群に入賞役物350の手前にて合流することとなる。このように、第2案内通路342及び第3案内通路343を通過した遊技球がまとめて入賞役物350に供給される構成とすることで、入賞役物350に供給される遊技球の数を稼ぐことができる。上述の如く、第2案内通路342及び第3案内通路343については供給される遊技球の数が多くなることでV入賞口386への入賞の発生確率が上昇する構成となっている。以上の理由から、右側電動役物325が補助状態且つ上側電動役物315が非補助状態となっている状況下にて上側流入口311に流入した遊技球を第2案内通路342に案内することで、上側流入口311へ入った遊技球によってV入賞口386への入賞の発生確率を高めることができる。
図14(c)→図14(a)に示すように、右側電動役物325が補助状態→非補助状態に切り替わる場合には、可動片326に追従して案内部材330が回動し、案内部材330が第2案内状態から第1案内状態に復帰する。これにより、遊技球の案内先が第1案内通路341となる。
また、リンク機構336Xは、上側電動役物315の動作に基づいて案内部材330の状態が変化した場合であっても、その動力が右側電動役物325の可動片326に伝わることを回避するワンウェイ構造となっている。このため、図14(a),(b)に示すように上側電動役物315が動作した場合であっても、案内部材330に追従して右側電動役物325の状態が変化することはない。
ここで、第3案内通路343と第2案内通路342とを比較した場合には、シャッタ346によって流下の遅延が発生するため、通路長では第3案内通路343の方が短いものの、遊技球の通過に要する所要期間については第2案内通路342の方が短くなっている。これは、ロング開放中に上側流入口311への入球が発生した場合には、この遊技球が右側流入口321から流入した遊技球群に合流する機会を増やす工夫である。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、「第1通路部」としての第1案内通路341と「第2通路部」としての第2案内通路342とを遊技機の正面視にて左右に並べて配置したが、少なくとも有利/不利の差が設定された「第1通路部」及び「第2通路部」に相当する構成を有していればよく、その配置については任意である。例えば、第1案内通路及び第2案内通路を前後方向に並べて配置することも可能である。
但し、「案内手段」を構成する案内部材330と遊技球との位置関係の目視による確認を容易とする上では上記2つの案内通路を遊技機(詳しくは前面)の面拡がり方向に並べて配置することが好ましい。
(2)上記各実施の形態では、上側電動役物315(「可変入球手段」に相当)が非補助状態となっている場合には案内部材330(「案内手段」に相当)が第1案内状態となり、上側電動役物315が補助状態となっている場合には案内部材330が第2案内状態となるように構成したが、これを以下のように変更してもよい。すなわち、上側電動役物315(「可変入球手段」に相当)が補助状態となっている場合には案内部材330が第1案内状態となり、上側電動役物315が非補助状態となっている場合には案内部材330が第2案内状態となるように構成してもよい。
(3)上記各実施の形態では、案内部材330が第1案内状態となっている状況下においては案内部材330に到達した遊技球が第1案内通路341及び第2案内通路342のうち前者に案内されやすくなり、案内部材330が第2案内状態となっている状況下においては案内部材330に到達した遊技球が第1案内通路341及び第2案内通路342のうち後者に案内されやすくなる構成とした。つまり、第1案内状態となっている状況下での第2案内通路342への流入や、第2案内状態となっている状況下での第1案内通路341への流入を許容する構成とした。これを変更し、第1案内状態となっている状況下での第2案内通路342への流入や、第2案内状態となっている状況下での第1案内通路341への流入が不可となるように構成してもよい。
(4)上記各実施の形態では、遊技球が第1案内通路341を通過するのに要する期間と、第2案内通路342を通過するのに要する期間とを比較した場合に、前者よりも後者の方が長くなるように構成したが、この関係を逆にすることも可能である。
(5)上記各実施の形態では、相対的に不利な第2案内通路342へ遊技球が案内されている場合には、当該第2案内通路342へ案内された遊技球の数が多くなる程、有利度が高くなるように構成したが、これに限定されるものではない。有利度が案内された遊技球の数に依存しない構成とすることも可能である。
(6)上記各実施の形態では、上側電動役物315と案内部材330とをリンク機構335を介して接続することにより、上側電動役物315を構成する可動片316と案内部材330とを連動させる構成とした。これを変更し、案内部材330を駆動させる駆動部(アクチュエータ)を別途設け、この駆動部を駆動制御することにより、可動片316と案内部材330とを連動させる構成とすることも可能である。このような構成においては、上側電動役物315と案内部材330とを連動させる連動状態と、連動させない非連動状態とに切り替え可能とすることにより更なる遊技の多様化に貢献できる。
(7)上記各実施の形態では、上側電動役物315の可動片316に追従して案内部材330が動作する構成としたが、この案内部材330については必ずしも可動片316に連動させる必要はなく、案内部材330を可動片316とは独立して(例えば単独で)動作する構成とすることも可能である。例えば、案内部材330が遊技球の重みを受けて動作する構成、具体的には遊技球が第1案内通路341側へ移動する場合にはその遊技球の重みによって第1案内状態となり、遊技球が第2案内通路342側へ移動する場合にはその遊技球の重みによって第2案内状態となるように切り替わる構成とするとよい。このような構成とすれば、後続の遊技球も先の遊技球と同じ側に案内されやすくなり、案内先にある種の偏りを発生させることができる。
なお、このような変形例を採用する場合、有利側への偏りの度合いと不利側への偏りの度合いとを同等とする必要はない。すなわち、第1案内状態から第2案内状態への切り替えと第2案内状態から第1案内状態への切り替えとのうち一方が他方よりも容易(困難)となるように偏重させた構成とすることも可能である。例えば、「案内手段」を構成する案内部材を平板状として、当該案内部材の左右のウェイトバランスが回動中心を基準に1:1となるように構成するのではなく、回動中心部に対して重心位置を左右にずらす等することでウェイトバランスに偏りを設けてもよい。
(8)上記各実施の形態では、可動片316の動きに追従して案内部材330が動作する場合に案内部材330の動作の開始タイミングを遅延させる構成としたが、この遅延機能については省略することも可能である。また、可動片316の動きに追従して案内部材330が動作する場合に、案内部材330の動作の終了タイミングを可動片316の動作の終了タイミングに対して遅延させる構成とすることも可能である。更には、これら2つの遅延機能を併用する構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、上側電動役物315が補助状態から非補助状態に切り替わる間際に上側流入口311へ入った遊技球については、第1案内通路341へ案内される構成としたが、これに限定されるものではない。上側電動役物315が補助状態から非補助状態に切り替わる間際に上側流入口311へ入った遊技球を第2案内通路342へ案内する構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、上側流入口311及び役物装置303のうち上側流入口311寄りとなる位置に案内部材330(分岐)を配設したが、これに限定されるものではない。上側流入口311及び役物装置303のうち役物装置303寄りとなる位置に案内部材330(分岐)を配設してもよい。
(11)上記各実施の形態では、上側流入口311と役物装置303との間となる位置に案内部材330を配置したがこれに限定されるものではない。上側流入口311に連動して遊技球の流れを変化させることができる構成については、上側流入口311よりも上流側に配置してもよいし、役物装置303よりも下流側に配置してもよい。
例えば、役物装置303よりも下流側(たとえばラウンド振分装置304)に案内部材を配置する場合には、案内部材による遊技球の案内先よってラウンド数が決定される構成とするとよい。この場合、上側電動役物315が補助状態となっている場合にはラウンド数が少ない側へ案内されやすく、上側電動役物315が非補助状態となっている場合にはラウンド数が多い側へ案内されやすくなるように案内態様に差が生じる構成とすればよい。
(12)上記各実施の形態では、可変入賞ユニット300への「入口部分」を構成する上側流入口311の直下となる位置に案内部材330を配置したが、案内部材330の配置については任意であり必ずしも上側流入口311の直下となる位置に配置する必要はない。また、案内部材330の「回動中心部」としての軸部332の直上に上側流入口311を配することで、案内部材330に遊技球が衝突した場合にその勢いによって案内部材330の状態が変化することを抑制したが、上側流入口311に対して軸部332を左右にずらす構成とすることも可能である。
(13)上記各実施の形態では、上側電動役物315(「可変入球手段」に相当)が左右一対の可動片316を有する構成としたが、少なくとも上側流入口311における入球発生頻度を変化させることができるのであれば足り、その具体的に構成については任意である。例えば、右側電動役物325と同様に可動片の数を単数とすることも可能である。また、可動片の動作態様についても任意であり、左右ではなく前後に回動する構成としてもよいし、前後又は左右にスライド移動する構成としてもよい。
(14)上記各実施の形態では、役物装置303を構成する入賞役物350を可動式としたが、これに限定されるものではなく、入賞役物350を固定式とすることも可能である。
例えば、図15(a)の概略図に示すように、入賞役物を遊技球が転動可能なステージ350Yによって構成してもよい。具体的には、ステージ350Yを上方に凸となる曲面状(半球状)とし、その裾野部分に第1入球部356AY(外れ)を設け、その頂部に第2入球部356BY(V入賞口)を設け、各案内通路341〜343を通過した遊技球が第2入球部356BYに向けて転動する構成としてもよい。この構成においては、ステージを上方に凸となる曲面状とし、遊技球の前後左右の動きを許容することで、入球態様の多様化を実現できる。
なお、図15(b)の概略図に示すように、凸部を囲む碗状の囲み部を形成し、ステージ350Zに供給された遊技球が第2入球部356BZ(V入賞口)の脇をかすめて外れた場合に、再びステージ350Zを駆け上ることで再度の抽選の機会が与えられる構成とすることも可能である。
(15)上記各実施の形態では、案内部材330の軸部332の上方に上側流入口311が位置する構成とし、上側流入口311から落下した遊技球が案内部材330の回動中心部分に当たる構成とすることで回転モーメントの影響を抑えるこうせいとした。遊技球の衝突に起因して案内部材330の向きが変化することを回避する上では、案内部材330の回動を許容する状態と阻止する状態とに切替可能なロック装置(例えば可変式のストッパ)を設けてもよい。
(16)上記各実施の形態に示した保留機能や保留数に応じた時間短縮機能については必須の構成ではない。これら各機能の一方又は両方を省略することも可能である。
(17)上記各実施の形態に示した第1案内通路341については、通路が螺旋状をなしており、途中位置(出口部分を除く中流部分)での折れ曲がりが回避された円滑な通路となっている。これにより、第1案内通路341を流下する遊技球の流下速度及び通過に要する期間のばらつきが抑えられている。ここで、第1案内通路341の出口部分を上段部351の中央ではなく、中央から外れた(例えば下段部353の上方)に配置し、出口部分からの流出タイミングによって入球先が決まる構成とする。そして、第1案内通路341の下流部分(詳しくは外径が入賞役物350と同等となっている部分)に第2入球部356Bへの入球の発生を示唆する示唆部を設ける。詳しくは、この示唆部を遊技球が通過するタイミングにて、第2入球部456Bが所定の位置(例えば遊技機正面となる位置)を通過する場合には当該第2入球部456Bへの入球が発生しやすくなり、第1入球部456Aが上記所定の位置を通過する場合には当該第1入球部456Aへの入球が発生しやすくなるように構成する。これにより、第1入球部456A及び第2入球部456Bへの入球の可能性を事前に示唆することが可能となる。
(18)上記各実施の形態に示した螺旋状の第1案内通路341について、高さ方向における遊技球の移動速度が一定となるように構成してもよい。すなわち、通路の外径及び傾斜を高さ方向における遊技球の移動速度が一定となるように設定することも可能である。通常の螺旋構造とした場合には、下流側に向けて遊技球が加速することにより高さ方向での遊技球の移動速度が徐々に速くなる。つまり、入賞役物350に近づくにつれて移動速度が速くなる。これでは、遊技球の動きを目で追うことが困難になる。これは、遊技球の動きへの注目度を高める上で妨げになるため好ましくない。この点、上記構成においては、高さ方向における遊技球の移動速度が一定となることにより、遊技球の動きを目で追いやすくなり、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
(19)上記第1案内通路341〜第3案内通路343間での遊技球の移動を許容する構成としてもよい。例えば、第3案内通路343にてシャッタ346と対峙している壁部に開口を形成し、シャッタ346が開位置から閉位置に移動するタイミングにて当該シャッタ346に到達した遊技球を第1案内通路341へ向けて弾く構成とするとよい。弾かれた遊技球が第1案内通路341に移ることにより、第2入球部356Bへの入球が発生する可能性が高くなる。このような構成とすれば、遊技球の動きを斬新なものとして、遊技球の動きへの注目度の更なる向上に寄与できる。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群> 入球容易な場合に不利通路、入球困難な場合に有利通路へ振り分け
以下の特徴A群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)と
を備えている遊技機であって、
第1状態(例えば非補助状態)及び当該第1状態よりも遊技者に有利な第2状態(例えば補助状態)に切替可能な第1切替手段(例えば上側電動役物315)と、
第3状態(例えば第2案内状態)及び当該第3状態よりも遊技者に有利な第4状態(例えば第1案内状態)に切替可能な第2切替手段(例えば右側電動役物325)と、
前記第1切替手段が前記第1状態となっている場合には前記第2切替手段を前記第4状態とし、前記第1切替手段が前記第2状態となっている場合には前記第2切替手段を前記第3状態とする手段(例えばリンク機構335)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1切替手段が相対的に遊技者に不利な第1状態となっている場合には第2切替手段が相対的に遊技者に有利な第4状態となり、第1切替手段が相対的に遊技者に有利な第2状態となっている場合には第2切替手段が相対的に遊技者に不利な第3状態となる。これにより、遊技の多様化を図りつつそれに起因して状態毎の有利不利の差が過度に大きくなることを抑制できる。これにより、遊技の多様化を図りつつそれに起因して極端に不利な状態となることを回避できるため、不利な状態となったり不利な状態が続いたりすることが遊技者の遊技欲を低下させる要因になることを抑制できる。故に、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させる効果を好適に発揮させることができる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)と
を備えている遊技機であって、
前記入球装置の入口部分(上側流入口311)に設けられ、非補助状態及び当該非補助状態よりも当該入球装置への入球が容易な補助状態に切替可能な可変入球手段(上側電動役物315)と、
前記入球装置に入った遊技球が入球する第1入球部(第1入球部356A)及び当該第1入球部よりも遊技者に有利な第2入球部(第2入球部356B)と、
前記入球装置の入口部分を通過した遊技球を前記第1入球部又は前記第2入球部に案内する第1案内状態、及び当該第1案内状態よりも前記第1入球部に遊技球を案内しやすい第2案内状態に切替可能な案内手段(案内部材330)と
を有し、
前記可変入球手段が前記非補助状態となっている場合には前記案内手段を前記第1案内状態とし、前記可変入球手段が前記補助状態となっている場合には前記案内手段を前記第2案内状態とする切替手段(例えば主制御装置162やリンク機構335)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、可変入球手段が非補助状態となって入球が困難な状況にて入球装置へ遊技球が入った場合には、補助状態となって入球が容易な状況にて入球装置へ遊技球が入った場合と比較して有利側の第2入球部への入球が発生しやすくなる。このような構成とすれば、遊技の多様化を図りつつそれに起因して状態(補助状態/非補助状態)毎の有利不利の差が過度に大きくなることを抑制できる。これにより、遊技の多様化を図りつつそれに起因して極端に不利な状態となることを回避できるため、不利な状態となったり不利な状態が続いたりすることが遊技者の遊技欲を低下させる要因になることを抑制できる。故に、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を好適に向上させる効果を好適に発揮させることができる。
特徴A3.前記可変入球手段は、補助位置及び非補助位置に変位可能な可動片(可動片316)と、当該可動片を変位させる駆動部(ソレノイド317)とを有し、
前記切替手段は前記可動片と前記案内手段とを連結する連結機構(リンク機構335)を有していることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3に示すように連結機構によって可動片及び案内手段を連結すれば、可動片の動きに合せて案内手段を動作させること、すなわち可動片と案内手段とを連動させることができる。可動片と案内手段とを連動させる場合には動作タイミングがばらつくことにより、両社の連携が上手く行われなくなる。つまり、両社の連携を実現する上では、動作タイミングのばらつきを抑えて動作の確からしさを担保する工夫が必要になり得る。この点、本特徴に示すように構造的側面から可変入球手段と案内手段とを連動させる構成とすれば、このような課題を好適に解決できる。例えば各構成の駆動制御を個別に行う場合と比較して制御負荷の増大を回避する上でも有利となる。
特徴A4.前記第1入球部及び前記第2入球部が形成された振分手段(入賞役物350)を備え、
前記案内手段は、前記可変入球手段及び前記振分手段のうち前記可変入球手段寄りとなる位置に配置されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3に示したように連結機構を介して動力を伝達する構成においては、構造が大がかりとなることで、伝達ロスが大きくなったり応答性が低下したりする等の不都合が生じる。そこで、本特徴に示すように振分手段及び可変入球手段のうち後者寄りとなる位置に案内手段を配置すれば、連結機構の小型化を促進し、上記各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
特徴A5.前記第1入球部及び前記第2入球部が形成された振分手段(入賞役物350)を備え、
前記振分手段は、前記第1案内状態においては案内される遊技球の数が多くなることにより、前記第2入球部への入球確率が上がるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球手段が補助状態となっている場合には非補助状態となっている場合と比べて入球装置への入球確率が高くなるものの、補助状態中に入球した遊技球は案内手段によって不利側に案内されやすくなる。ここで、遊技球が不利側へ案内される場合には、その数に応じて有利度が変化する構成とすることにより、入球の発生頻度に応じて期待度が変化することとなり、遊技の単調化を好適に抑制できる。
特徴A6.前記案内手段を通過した遊技球を前記振分手段に供給する供給通路(案内通路302)を備え、
前記供給通路は、前記案内手段が前記第1案内状態となっている場合に遊技球が案内される第1通路(第1案内通路341)と、前記案内手段が前記第2案内状態となっている場合に遊技球が案内される第2通路(第2案内通路342)とを有し、前記第2通路の通過に要する期間が、前記第1通路の通過に要する期間よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A5に示したように案内される遊技球の数が多くなることで有利度が高くなる構成においては、通過に要する期間を短くすることにより、先行する遊技球に後続の遊技球が追い付く機会を増やすことができる。これにより、入球の発生しやすい補助状態中に不利側の第2通路に遊技球が案内された場合であっても、後続の遊技球が第2通路へ案内されることで第2入球部への入球が発生する可能性が高くなる。これにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A7.前記案内手段は、遊技球を受けて当該遊技球の流下方向を変化させる球受け部であり、
前記切替手段は、前記可動片が変位する場合には、その変位に追従するようにして前記案内手段の状態を切り替える一方、前記案内手段の切り替わりに基づいて前記可動片が変位することを規制するように構成されていることを特徴とする特徴A3乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2等に示したように切替手段によって案内手段を第1案内状態/第2案内状態に切り替える構成においては、遊技球が衝突した際の勢い等によって案内手段が動いた場合に、それに追従して可変入球手段(可動片)が動作することで、入球装置への入球確率が変化し得る。例えば、案内手段に第2案内状態→第1案内状態に切り替わるような力が加わった場合に、可変入球手段が補助状態→非補助状態に切り替わってしまっては、可変入球手段と案内手段との連動機能が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、案内手段の動きに追従した可変入球手段(可動片)の動きを規制することにより、案内手段と可変入球手段との有利不利の関係性が崩れることを好適に抑制できる。
特徴A8.前記可変入球手段は、前記非補助状態となっている場合であっても前記入球装置への入球を許容していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8に示すように、非補助状態であっても入球装置への入球を許容することにより、遊技球の案内先を遊技状況に応じて変化させることで遊技の多様化を実現する機能を好適に発揮させることができる。
特徴A9.前記可変入球手段が前記非補助状態から前記補助状態に切り替わる場合には、当該可変入球手段の切り替わりに対して前記案内手段の前記第2案内状態への切り替わりが遅れる構成となっていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、非補助状態から補助状態に切り替わる間際に入った遊技球が不利側に案内されてしまうと可変入球手段の補助状態の切り替わりによって、本来得られるはずの恩恵を受けられなかったとの印象を遊技者に与える可能性がある。これは、遊技意欲を低下させる要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、切り替わりを遅らせる構成とすれば、上記間際に入った遊技球が不利側に案内される機会を減らすことができ、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴A10.前記可変入球手段が前記非補助状態から前記補助状態に切り替わる場合には、前記案内手段の前記第2案内状態への切り替わりが遅れる遅延期間は、前記入口部分に入った遊技球が前記案内手段に到達するまでに要する期間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、本来であれば有利側に案内されるはずであった遊技球が不利側に案内されることを好適に抑制できる。
なお、遅延期間については可変入球手段(入口部分)と案内手段との離れ具合に依存する。そこで、特徴A4との組み合わせによれば、遅延期間の間延びを抑え、可変入球手段と案内手段との連動を実現するための構成が複雑になることを回避できる。
特徴A11.前記第1入球部及び前記第2入球部が形成された振分手段(入賞役物350)を備え、
前記振分手段は、前記第2案内状態においては案内される遊技球の数が多くなることにより、前記第2入球部への入球確率が上がるように構成されており、
前記入口部分は第1入口部分、前記可変入球手段は第1可変入球手段であり、
前記第1入口部分とは別に設けられた第2入口部分(右側流入口321)に設けられ、当該第2入口部分への入球を補助する補助状態及び前記補助を行わない非補助状態に切替可能な第2可変入球手段(右側電動役物325)と、
前記案内手段を通過した遊技球を前記振分手段に供給する供給通路(案内通路302)と
を備え、
前記供給通路は、前記案内手段が前記第1案内状態となっている場合に遊技球が案内される第1通路(第1案内通路341)と、前記案内手段が前記第2案内状態となっている場合に遊技球が案内される第2通路(第2案内通路342)とを有し、
前記第2入口部分に入った遊技球を前記第2案内通路を通過した遊技球に合流する位置へ案内する第3通路(第3案内通路343)と、
前記第2可変入球手段が前記補助状態となっている場合に、前記案内手段を前記第2案内状態となるようにする手段(リンク機構336)と
を備えていることを特徴とする特徴A8乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、第2可変入球手段が補助状態となっている場合には、案内手段が強制的に第2案内状態に切り替えられることとなる。これにより、残念側への振り分けが優先される。この結果、第1入口部分に入った遊技球と第2入口部分に入った遊技球とを合流させることができ、第2通路及び第3通路を通じて振分手段に到達する遊技球の総数が増すことで有利度が高くなる。これにより、遊技の多様化を実現することができる。
なお、特徴A2〜特徴A11に示した技術的思想を特徴A1に適用してもよい。
<特徴B群> 連動タイプのシーソー役物
以下の特徴B群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて遊技球が遊技領域に向けて発射され、発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部に入ると、それに基づいて遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。このように遊技球の動きに応じて特典の付与が左右される遊技機においては、遊技領域に釘や風車等の遊技部品を配設することにより、遊技球の流下経路を分散させ、遊技球の動きを多様化させることで同遊技球の動きへの注目度、ひいては遊技への注目度を高めているものがある(例えば、特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、遊技球の動きによって遊技への注目度を向上させる上では、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)と
を備えている遊技機であって、
前記入球装置の入口部分(上側流入口311)に設けられ、非補助状態及び当該非補助状態よりも前記入口部分への入球が容易な補助状態に切替可能な可変入球手段(上側電動役物315)と、
前記入口部分を通じて前記入球装置に入った遊技球を第1通路(第1案内通路341)に案内しやすい第1案内状態、及び当該第1通路よりも遊技者に不利となるように構成された第2通路(第2案内通路342)に案内しやすい第2案内状態に切替可能な案内手段(案内部材330)と
を備え、
前記案内手段は、前記可変入球手段に連動して案内状態が切り替わるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可変入球手段に連動して案内手段による案内状態が変化する構成とすることにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。ここで、仮に案内手段の動きを見計らって遊技球を発射することで遊技を有利に進めることが可能となれば、所謂変則打ち等が行われることで遊技機の稼働率が低下すると懸念される。この点、可変入球手段に連動して案内手段が動作する構成とすれば、そのような要因による稼働率の低下を抑制できる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)とを備えている遊技機であって、前記入球装置の入口部分(上側流入口311)に設けられ、非補助状態及び当該非補助状態よりも当該入球装置への入球が容易な補助状態に切替可能な可変入球手段(上側電動役物315)と、前記入口部分を通じて前記入球装置に入った遊技球を第1通路(第1案内通路341)に案内しやすい第1案内状態、及び当該第1通路よりも遊技者に不利となるように構成された第2通路(第2案内通路342)に案内しやすい第2案内状態に切替可能な案内手段(案内部材330)と、前記可変入球手段に連動させて前記案内手段を前記第1案内状態及び前記第2案内状態に切り替える連動手段(リンク機構335)とを備えていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)と
を備えている遊技機であって、
前記入球装置は、
前記入球装置の入口部分(上側流入口311)に設けられ、非補助状態及び当該非補助状態よりも当該入球装置への入球が容易な補助状態に切替可能な可変入球手段(上側電動役物315)と、
前記入口部分を通じて前記入球装置に入った遊技球を第1通路(第1案内通路341)に案内しやすい第1案内状態、及び当該第1通路よりも遊技者に不利となるように構成された第2通路(第2案内通路342)に案内しやすい第2案内状態に切替可能な案内手段(案内部材330)と
を有し、
前記案内手段は、前記入球装置の入口部分(上側流入口311)の直下となる位置に配されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、可変入球手段(入口部分)を通じて入球装置に入った遊技球は、当該入口部分の直下に配置された案内手段によって第1通路及び第2通路の何れかに振り分けられることとなる。これら2つの構成を併用して遊技の単調化を抑制することにより、遊技への注目度を好適に向上させることができる。遊技の流れを左右する可変入球手段及び案内手段は共に遊技者の注目が向きやすい箇所である。本特徴に示すように入口部分の直下に案内手段を配設して両構成を近づけることにより、注目箇所をまとめることができる。これにより、注目度向上に起因した遊技者の疲労を緩和することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80a)と、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球装置(可変入賞ユニット300)とを備えている遊技機であって、前記入球装置は、前記入球装置の入口部分(上側流入口311)に設けられ、非補助状態及び当該非補助状態よりも当該入球装置への入球が容易な補助状態に切替可能な可変入球手段(上側電動役物315)と、前記入口部分を通じて前記入球装置に入った遊技球を第1通路(第1案内通路341)に案内しやすい第1案内状態、及び当該第1通路よりも遊技者に不利となるように構成された第2通路(第2案内通路342)に案内しやすい第2案内状態に切替可能な案内手段(案内部材330)とを有し、前記案内手段は前記可変入球手段の状態の変化に応じて前記第1案内状態及び前記第2案内状態に切り替わる構成となっており、前記案内手段は、前記入球装置の入口部分(上側流入口311)の直下となる位置に配されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B3.前記案内手段は、前記入口部分から落下した遊技球を受ける面状の球受け部(本体部331)を有し、前記第1案内状態においては前記球受け部が前記第1通路側へ傾くことにより当該第1通路へ下る案内経路を形成し、前記第2案内状態においては前記球受け部が前記第2通路側へ傾くことにより当該第2通路へ下る案内経路を形成するように構成されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、入口部分から落下した遊技球は球受け部に当たった後、当該球受け部の傾斜方向へと移動する。このように、球受け部の傾きの変化に応じて遊技球の案内先が変化する構成によれば、案内先を切り替える際の応答性を好適に向上させることができる。
特徴B4.前記球受け部と通路壁面との間には、前記案内手段が前記第1案内状態及び前記第2案内状態の何れの状態となっている場合であっても、前記第1通路及び前記第2通路のうち案内先となっていない通路への遊技球が移動を許容する隙間が確保されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
遊技球の案内先が案内手段の状態に応じて確定する場合には、遊技者の注目が案内手段に向き、遊技球の動きへの注目が低下し得る。この点、本特徴に示すように、遊技球の案内先とは反対側への遊技球の移動を許容する構成とすれば、実際に遊技球が振り分けられるまで、案内先とは反対側へ遊技球が移動する余地を残すことができる。これにより、遊技球の動きへの注目度の低下を好適に抑制できる。
特徴B5.前記案内手段は回動可能に保持され、当該案内手段が回動することで前記球受け部の傾斜方向が変化する構成となっており、
前記案内手段の回動中心部(軸部332)の直上に前記入口部分が位置していることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
案内手段を回動式とした場合には、回動中心部に付近で遊技球を受けた場合と、回動先端部付近で遊技球を受けた場合とで、案内手段に加わる回転モーメントに差が生じる。回転モーメントが大きくなると、その影響で案内手段の状態が変化しやすくなる。この点、入球装置の入口部分の直下に回動中心部が位置する構成とすれば、遊技球が衝突した勢いで案内手段(球受け部)の向きが変わることを抑制できる。
特徴B6.前記案内手段は、前記可変入球手段に連動して前記第1案内状態及び前記第2案内状態に切り替わるように構成されていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
可変入球手段に連動して案内手段による案内状態が切り替わる構成とすることにより、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度の向上に貢献することができる。ここで、仮に案内手段の動きを見計らって遊技球を発射することで遊技を有利に進めることが可能となれば、所謂変則打ち等が行われることで遊技機の稼働率が低下すると懸念される。この点、可変入球手段に連動して案内手段が動作する構成とすれば、そのような要因による稼働率の低下を抑制できる。これにより、遊技への注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴B7.前記案内手段が前記入口部分から落下した遊技球によって押された場合に当該遊技球の作用によって前記可変入球手段が前記補助状態及び前記非補助状態の一方から他方に切り替わることを規制する規制手段を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B6に示したように、可変入球手段と案内手段とを連動させる構成においては、案内手段の状態の変化に応じて可変入球手段の状態が変化する可能性が生じる。例えば、遊技球の入球が補助されるべきでない状況下にて案内手段が遊技球に押されることで可変入球部が補助状態に切り替わってしまっては、本来では入球するはずではない遊技球が入球すると懸念される。また、遊技球の入球が補助されるべき状況下にて案内手段が遊技球に押されることで可変入球部が非補助状態に切り替わってしまっては、本来入球するはずであった遊技球が入球できなくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、案内手段(球受け部)が遊技球を受けたとしても、それによって可変入球手段が補助状態/非補助状態に切り替わることを規制することにより、上記各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B8.前記可変入球手段は、補助位置と非補助位置とに変位可能な可動片(可動片316)と、前記可動片を非補助位置に付勢する付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記可動片を前記非補助位置から補助位置へ変位させる駆動部(ソレノイド317)とを有していることを特徴とする特徴B6又は特徴B7に記載の遊技機。
非補助状態となっている場合には、付勢手段の付勢力によって可動片が補助位置に待機している。この場合、付勢力がリンク機構を介して案内手段に伝わることで、案内手段に遊技球が衝突した場合であっても、その衝突によって案内手段が変位→可動片が変位することを規制できる。また、駆動部からの駆動力によって可動片が補助位置に待機している場合には、この駆動力がリンク機構を介して案内手段に伝わることで、案内手段に遊技球が衝突した場合であっても、その衝突によって案内手段が変位→可動片が変位することを規制できる。
特に、補助状態となっている場合には、非補助状態となっている場合と比べて入球する遊技球の数が多くなりやすいため、遊技球の衝突によって発生する応力も大きくなりやすい。そこで、補助状態においては付勢手段の付勢力ではなく、駆動部の駆動力(付勢力を上回るように設定された駆動力)を利用して切り替わりを妨げる構成とすることにより、状態を維持する機能(切り替わりを規制する機能)を好適に発揮させることができる。
特徴B9.前記可変入球手段は、補助位置と非補助位置とに変位可能な可動片(可動片316)を有し、
前記可動片は、前記可変入球手段が前記補助状態となっている場合に遊技球を前記入口部分へ向けて案内可能な傾斜面として機能するように構成されていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
可変入球手段(可動片)によって入球装置の入口部分に遊技球が案内される場合には、その遊技球によって可動片が押圧されることとなる。本特徴に示す構成によれば、その力を案内手段の姿勢が当該案内手段に到達した遊技球に押されて変化することを妨げる抗力として利用できる。故に、例えばロック機構等を用いて案内手段等の状態の切り替わりを規制する構成と比べて、構造の複雑化を抑制できる。
特徴B10.前記案内手段は、当該案内手段の回動中心部(軸部332)を挟んで対称となるように形成されていることを特徴とする特徴B6乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6等に示したように、リンク機構を用いて可変入球部と案内手段とを連動させる構成においては、案内手段を動作させるために必要となる駆動力が大きくなる。これは、可変入球部(駆動部)やリンク機構に生じる負担が増し、状態を切り替える際の応答性を低下させる要因になるため好ましくない。この点、本特徴に示すように、回動中心部を挟んで対称となるように案内手段を形成し、重量バランスの偏りを抑える構成とすれば、案内手段を第1案内状態/第2案内状態に切り替える際に必要な駆動力を小さくすることができる。これにより、上記連動を実現する上で負担の増加を緩和し、応答性の向上に寄与できる。
なお、例えば案内部材を所定の方向に延びる長板状とし、その回動中心部が長手方向の中央に位置するように構成するとよい。
上述した各特徴に示す技術的思想のいずれか1つを他の特徴に適用してもよいし、複数の特徴に示した技術的思想を組み合わせて他の特徴に適用してもよい。また、各特徴に示す構成の一部を抽出して他の特徴に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。