<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
図2に示すように、外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部(ランプ部26)が設けられている。ランプ部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、ランプ部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量が大きくなるに従って速くなり、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図3に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は、樹脂ベース70の右端部に沿うようにして上下に延びており、鉤金具63が前扉用鉤受け部材76に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、樹脂ベース70に形成されたスリットを通じて内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している(図4参照)。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70(施錠装置75)の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部73が形成されている。収容凹部73は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部73に嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部73の底部には、略矩形状の窓孔74が形成されており、この窓孔74を通じて遊技盤ユニット80の背面構成が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔74については、樹脂ベース70に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技盤80aと、遊技盤80aの背面側に設けられ、各種遊技部品(可変表示装置、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり、背面ブロック80bの前面部分が遊技盤80aを通じて視認可能となっている。
遊技盤80aの前面には遊技球が流下する上述した遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80aは合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
(遊技盤ユニット80)
以下、図6に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技盤80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動入球ユニット84,85等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動入球ユニット84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の遊技球の払い出し(賞球)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域PEの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動入球ユニット84,85への遊技球の入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技盤80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘や風車等の各種遊技部品(役物)が配設されている。これら遊技釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤80aの中央には中央開口が形成されており、この中央開口を覆うようにして透明な開口カバーが取り付けられている。中央開口の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口及び開口カバーを通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。
作動入球ユニット84,85は、可変表示ユニット252の下方に配設された下作動入球ユニット84と、当該下作動入球ユニット84の右方に配設された右作動入球ユニット85とによって構成されている。
右作動入球ユニット(抽選契機入球部)85には、入球補助装置(入球補助手段)としての電動役物85bが併設されている。電動役物85bは、スライド式の可動片と当該可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなる。可動片は遊技盤80aの前面から遊技領域PEに突出する突出位置と遊技領域PEへの突出が回避される退避位置とに移動可能となっており、電動役物85bは可動片が突出位置に配置されることで右作動口85aへの入球が可能となる受入状態(補助状態)となり、退避位置に配置されることで同入球が不可となる非受入状態(非補助状態)となるように切り替わる構成となっている。
電動役物85bが受入状態となっている場合には、突出位置に配置された可動片によって流路が寸断され、この状況化にて右作動入球ユニット85に到達した遊技球は、可動片によって右作動口85aに案内される。これに対して、電動役物85bが非受入状態となっている場合には、右作動入球ユニット85に到達した遊技球は右作動口85aの前方を素通りしてアウト口89に向かうこととなる。
遊技領域PEにて右作動入球ユニット85よりも上流となる位置(詳しくは右ルートにて可変表示ユニット252の側方となる位置)には上述したスルーゲート86が配置されている。遊技球がスルーゲート86を通過したことをトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物85bが一時的に非受入状態から受入状態に切り替えられることとなる。
本パチンコ機10では、電動役物85bによるサポートの態様が異なる複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、電動役物85bが単位時間当たりに受入状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85aへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85aへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行される。このため、高頻度サポートモードでは、右ルートを狙って遊技球を発射することにより、遊技者は持ち球の消費(投資)を抑えながら遊技を行うことができる。
ここで、図7を参照して下作動入球ユニット84及び右作動入球ユニット85について補足説明する。図7は下作動入球ユニット84の内部構造を示す概略図である。
下作動入球ユニット84には、下作動口84aに流入した遊技球を遊技盤80aの背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路84cが形成されている。案内通路84cはその途中位置にて第1分岐通路84d及び第2分岐通路84eに分岐している。
案内通路84cにおける分岐位置には、当該分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路84dへ案内する第1案内状態と第2分岐通路84eへ案内する第2案内状態とに切替可能な振分手段84gが設けられている。この振分手段84gは、遊技球を案内したことに基づいて一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る構成となっている。このため、下作動口84aに流入した遊技球は、第1分岐通路84d及び第2分岐通路84eに交互に振り分けられることとなる。
右作動入球ユニット85(右作動口85a)は連絡通路84fを介して第2分岐通路84eに繋がっており、当該右作動口85aに流入した遊技球は、第2分岐通路84eへ流入する。つまり、下作動口84aに流入した遊技球については両分岐通路84d,84eに流入する一方、右作動口85aに流入した遊技球は第2分岐通路84eにのみ流入する構成となっている。
第1分岐通路84d(以下、第1入球部84dともいう)には遊技球を検知する検知センサ261が配設され、第2分岐通路84e(以下、第2入球部84eともいう)において連絡通路84fの連通部分よりも下流側となる位置には遊技球を検知する検知センサ262が配設されている。これら検知センサ261,262は主制御装置に接続されており、主制御装置では検知センサ261,262からの検知情報(検知信号)に基づいて分岐通路84d,84eへの入球、すなわち作動口84a,85aへの入賞の有無を把握する。
本実施の形態においては、第1分岐通路84dへの入球に基づく抽選よりも第2分岐通路84eへの入球に基づく抽選の方が遊技者に有利となるように差が設けられている。高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、右ルートへ遊技球を発射して右作動口85a→第2入球部84eへの入球を発生させつつ下作動口84a(詳しくは第1入球部84d)への入球を回避することにより、遊技者にとって有利に遊技が進むこととなる。
本パチンコ機10は、作動入球ユニット84,85(第1入球部84d及び第2入球部84e)への入球に基づいて開閉実行モード(特別遊技状態)への移行抽選(当否抽選)が実行される。この抽選モードには、低確率モード(低確率状態)と当該低確率モードよりも当選確率が高い高確率モード(高確率状態)とが設定されている。いずれの抽選モードにおいても、上記抽選に当選した場合に開閉実行モードへ移行し、可変入賞装置82,83への入球が可能となる。
再び図6の説明に戻り、可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83ついて補足説明する。可変入賞装置82,83には、遊技球が通過可能な大入賞口82a,83aが形成されているとともに、それら大入賞口82a,83aを開閉する開閉部材(開閉手段)としてのシャッタ82b,83bが設けられている。シャッタ82b,83bは、遊技盤80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド等)と連結されている。可変入賞駆動部は主制御装置に接続されており、当該主制御装置からの駆動信号に基づいて動作する。これにより、シャッタ82b,83bが、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(許容状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(阻止状態)とに切り替わる。
通常時においてはシャッタ82b,83bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行に当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(詳しくは30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(詳しくは16ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
開閉実行モード中は、上下2つの可変入賞装置のうち主として上側の第1可変入賞装置82が開放対象となり、所定のラウンド(例えば第7ラウンド)において下側の第2可変入賞装置83が開放対象となる。第2可変入賞装置83には、有利入球部83cと大入賞口83aに入った遊技球の流入先を有利入球部83c及びそれ以外に切り替える流路切替部材83dとが設けられている。流路切替部材83dは主制御装置に接続されており、当該主制御装置からの信号に基づいて動作する。流路切替部材の動作態様については上記抽選の結果、詳しくは当たり種別に応じて設定される。
開閉実行モード中に有利入球部83cへの入球が発生した場合には、開閉実行モード(特別遊技状態)終了後に、サポートモードが高頻度サポートモード且つ抽選モードが高確率モード対応の通常遊技状態に移行する。これにより、多量の遊技球を獲得するチャンスとなる。一方、開閉実行モード中に有利入球部83cへの入球が発生しなかった場合には、開閉実行モード終了後の抽選モードは低確率モードとなる。
ここで、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動入球ユニット84,85(詳しくは入球部84d,84e)への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。
図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技盤80aには、中央開口を囲むようにしてセンターフレーム92が設けられている。センターフレーム92は、遊技盤80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されている。このように固定された状態ではセンターフレーム92が遊技盤80aの前面から起立し、当該センターフレーム92と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム92)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する上記左ルートに分かれている。
上述した右作動入球ユニット85、可変入賞装置82,83及びスルーゲート86については全て右ルートに配設されており、下作動入球ユニット84については左ルートに配設されている。左ルートを流下する遊技球は下作動入球ユニット84へ入賞し得るのに対して、右作動入球ユニット85、可変入賞装置82,83やスルーゲート86への入賞が回避される。これに対して、右ルートを流下する遊技球は右作動入球ユニット85、可変入賞装置82,83やスルーゲート86へ入賞し得るのに対して、下作動入球ユニット84への入賞が回避される。右作動入球ユニット85の電動役物85bが高頻度サポートモードになっている場合(高頻度サポートモード対応の通常遊技状態)又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態となっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
センターフレーム92の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム92の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム92の左枠部に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的下作動口84aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
なお、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバーによって中央開口を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
遊技盤80aにおける右側の端部には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材93が配設されている。遊技領域区画部材93の上端部付近には、誘導レール100に沿って右ルートを移動する遊技球が衝突した際にその勢いを弱める返しゴム94が配設されている。返しゴム94に衝突した遊技球はその勢いが弱められこととなり、過度に勢いよく右ルートを移動しないように規制されている。
遊技盤80aにおける左側の端部には誘導レール100を遊技領域PEの外側から覆うレールカバー95が配設されている。レールカバー95は、遊技盤80aの前面から前方へ突出した状態で当該遊技盤80aに固定されており、僅かな隙間を隔てて誘導レール100に対峙している。このレールカバー95によって誘導レール100を保護することにより、例えば遊技盤ユニット80を内枠13の枠体20に装着する際の当該枠体20と誘導レール100との干渉を抑制することが可能となっている。
レールカバー95にてガラスユニット22と対向している部分には主表示ユニット96が埋設されており、当該ガラスユニット22を通じて遊技機前方から主表示ユニット96が視認可能となっている。主表示ユニット96には、絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット96は後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部Dの表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部Dは、第1入球部84dへの入賞に基づいた抽選結果を表示する第1入球部用表示部と、第2入球部84eへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2入球部用表示部とを有している。
第1入球部用表示部では、第1入球部84dへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1入球部84dへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1入球部84dへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
第2入球部用表示部では、第2入球部84eへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2入球部84eへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2入球部84eへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2入球部用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの入球部84d,84eへの入賞に基づいて、対応する入球部用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまで(詳しくは確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの入球部84d,84eへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット96の主表示部Dには上記両表示部以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動入球ユニット85に設けられた上記電動役物85bが所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球が第1入球部84d、第2入球部84e、スルーゲート86へ入球した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット96の主表示部Dにはそれらの保留数を表示する保留数用表示部が設けられている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、同樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80a側、詳しくは遊技盤80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。遊技球発射ハンドル41が操作されて遊技球が連続して発射される場合には、ソレノイド111が所定周期(詳しくは0.6sec毎)で駆動される。つまり、遊技球が所定周期で連続して発射される。
誘導レール100は、遊技盤80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材93とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技盤80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図8に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように樹脂ベース70の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同樹脂ベース70に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース70における収容凹部(遊技盤収容部)73の底部分には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された窓孔74が形成されており、その窓孔74が収容凹部73に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
遊技盤80aの背面側に設けられた背面ブロック80bは、遊技盤80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技盤80aの背面に固定されることで、遊技盤80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置254は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置253が前側且つ表示制御装置254が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置255が搭載されている。
報知・演出制御装置255は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
報知・演出制御装置255の下方には、ベース体251を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技盤80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,83、作動入球ユニット84,85の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、第1入球部84d及び第2入球部84eに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図9に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図4参照)。
ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211において払出機構部202よりも上側となる位置には、パチンコ機10(詳しくは主制御装置162)と遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)とを繋ぐ中継手段としての外部端子板ユニットが設けられている。外部端子板ユニットには各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じてホールコンピュータに大当たりに当選した旨を示す信号や球詰まり等の異常が発生した旨を示す信号等の各種信号が出力される。ホールコンピュータは、これらの信号に基づいて遊技機がどのような状態にあるかを把握する構成となっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(右ルート)
既に説明したように、遊技盤80aに形成された遊技領域PEは当該遊技盤80aの中央に配置されたセンターフレーム92によって同センターフレーム92を左側から迂回する左ルートと右側から迂回する右ルートとに大別されている。本実施の形態においては、右ルートに係る構成が特徴的なものとなっている。以下、図10に基づいて右ルートに係る構成について補足説明する。図10は右ルートを示す遊技盤ユニット80の拡大図である。
遊技領域PEの中央上部となる位置には左ルート/右ルートの分岐部分が設けられており、この分岐部分と上記返しゴム94までの区間に右ルートの入口部分を構成する一条の流入通路(以下、流入部301という)が形成されている。流入部301の通路幅は、外レール102と当該外レール102に対して遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて対向するセンターフレーム92とにより規定されており、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できない構成となっている。外レール102及びセンターフレーム92にて流入部301の通路壁面を形成している部分については、何れも上方に凸となる滑らかな曲面状をなしており、流入部301を通過する遊技球の挙動の乱れが抑制されている。
流入部301の下流側には二股に分岐する分岐部302が設けられている。分岐部302においてはセンターフレーム92と遊技領域区画部材93によって挟まれた領域が遊技球の流下領域となっており、それらセンターフレーム92と遊技領域区画部材93との間に形成された仕切壁によって左右(内外)二条の分岐通路311,312に区画されている。両分岐通路311,312は、通路幅が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられており、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できない構成となっている。
流入部301を経て分岐部302に到達した遊技球は、それら二条の分岐通路311,312の何れかに流入することとなる。詳細については後述するが、右ルートに発射された遊技球については分岐部302に到達した際の移動速度等に応じて内側の分岐通路311(以下、内側分岐通路311という)と外側の分岐通路312(以下、外側分岐通路312という)とに分かれることとなる。なお、以下の説明においては、特に方向を特定していない場合の「移動速度」は遊技球が移動している方向における移動速度を示し、方向を特定している場合の「移動速度」は当該特定している方向における速度成分を示す。
分岐部302の下流側であって図柄表示装置253の側方となる部分、すなわち分岐部302と第1可変入賞装置82との間となる部分には、多数の遊技釘が配設されており、遊技球の流下経路(流路)の多様化が図られている。この流下領域の横幅は分岐部302と同様にセンターフレーム92の外周面(側面)及び遊技領域区画部材93によって規定されており、上流側から下流側に向けて変化している。詳しくは上段部分にて分岐部302よりも横幅が拡張された後、中段部分にて横幅が減縮され、下段部分にて横幅が再び拡張されている。以下の説明では、上段部分を「上側拡張部303」、中段部分を「中間部304」、下段部分を「下側拡張部305」と称する。
上側拡張部303には上述したスルーゲート86及び多数の遊技釘321が配設されており、上側拡張部303を流下する遊技球の一部がスルーゲート86に入球する構成となっている。詳細については後述するが内側分岐通路311を経由して上側拡張部303に流入した遊技球と外側分岐通路312を経由して上側拡張部303に流入した遊技球とを比較した場合、後者よりも前者の方がスルーゲート86への入球確率が高くなるように流下経路が形成されている。スルーゲート86へ入球した遊技球及び入球しなかった遊技球の何れについても中間部304を経由して下側拡張部305に移る。
下側拡張部305は、仕切壁部350によって左右に二分されている。仕切壁部350によって二分された流下領域のうち、遊技領域PEの中央側の領域が第1可変入賞装置82へ遊技球を案内する案内通路360を構成し、外側(遊技盤80aの周縁側)の領域が第1可変入賞装置82を迂回する迂回通路370を構成している。
迂回通路370に流入した遊技球は、右ルートにて第1可変入賞装置82よりも下流側となる位置、詳しくは上下に並設された第1可変入賞装置82と第2可変入賞装置83との間となる位置へ案内される。このため、迂回通路370に流入した遊技球については、第1可変入賞装置82への入球が回避される。
第1可変入賞装置82は横長状をなしており、案内通路360の横幅は第1可変入賞装置82の横幅と同等となるように拡張されている。案内通路360には、複数の遊技釘361が散在しており、これら遊技釘361によって第1可変入賞装置82に向けた流下経路(流路)の多様化が図られている。また、案内通路の途中位置には、上述した一般入賞口81が配設されており、所定の流下経路を通過した遊技球が一般入賞口81に入賞する構成となっている。
この一般入賞口81については上記スルーゲート86とは異なり、当該一般入賞口81に入球した遊技球がそのまま遊技領域PEから排出される構成となっている。このため、案内通路360に流入した遊技球については、全てが第1可変入賞装置82に案内されるのではなく、一般入賞口81への入球が回避された遊技球のみが第1可変入賞装置82へと案内される。
なお、案内通路360においては、当該案内通路360の入口部分(陥欠部336,337)と第1可変入賞装置82とを結ぶ直線上に遊技釘361が位置しており、案内通路360を流下する遊技球については、当該遊技釘361に対して上方から衝突することで勢いが弱まるとともに、流下方向が変化する。
上述したように、右ルートに発射された遊技球が全て第1可変入賞装置82に到達するのではなく、一部の遊技球が迂回通路370を経由することで第1可変入賞装置82への到達が回避される。詳細については後述するが、本実施の形態においては、迂回通路370や当該迂回通路370を通過する遊技球を目立ちにくくするべく様々な工夫がなされている。案内通路360と迂回通路370との分岐箇所及び第1可変入賞装置82の間に一般入賞口81を配設し、案内通路360に流入した遊技球についても一部が第1可変入賞装置82への到達が回避される構成としたことは、第1可変入賞装置82への入球の様子、すなわち発射数と入球数との不一致から迂回通路370の存在が露呈することを回避する工夫である。
第1可変入賞装置82の大入賞口82aは遊技機前方に開放されており、シャッタ82bが閉位置に配置された状態では当該シャッタ82bによって遊技機前方から覆われている。シャッタ82bは閉位置に配置された状態では遊技盤80aの前面と同一平面上に位置し、その前方を遊技球が通過可能となっている。シャッタ82bが閉位置から開位置に変位すると、当該シャッタ82bによって下側拡張部305からの流出経路が寸断され、下側拡張部305から流出して第2可変入賞装置83へ向かう遊技球が大入賞口82aに導かれることとなる。
大入賞口82aに流入することなく第1可変入賞装置82を素通りした遊技球及び上記迂回通路370を通過した遊技球は、第2可変入賞装置83に向かう。第2可変入賞装置83は、遊技盤80aの前面から突出しており、その上面部分が遊技球を遊技領域PEの中央側へ案内する転動面を構成している。当該上面部分にて第1可変入賞装置82の直下に位置する部分に大入賞口83aが形成されている。大入賞口83aは第1可変入賞装置82側(上方)を向いており、第1可変入賞装置82の大入賞口82aと同様に、左右に延びる横長状をなしている。
大入賞口83aを覆うシャッタ83bについても大入賞口83aと同様に横長となっている。シャッタ83bは遊技盤80aの厚さ方向(前後方向)にスライド移動可能となっており、遊技盤80aの前面から突出して大入賞口83aを覆う閉位置(突出位置)と、遊技盤80aの前面からの突出が回避され大入賞口83aを開放する開位置(退避位置)とに移動する。シャッタ83bは平板状をなしており、閉位置に配置された状態では可変入賞装置83のハウジングとともに上記転動面の一部を構成している。
シャッタ83bが閉位置に配置されている状況下にて第2可変入賞装置83に到達した遊技球については、当該シャッタ83bに衝突して流下方向が縦向きから横向きに変わり、当該シャッタ83bに沿って遊技領域PEの中央側へ転動することとなる。転動面による遊技球の案内先には右作動入球ユニット85が配設されており、第2可変入賞装置83を素通りした遊技球は右作動入球ユニット85に向かう。なお、以下の説明では、右ルートのうち、第1可変入賞装置82及び第2可変入賞装置83を経由して右作動入球ユニット85に向かうルートをメインルートと称する。
上述した高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、右ルートに向けて発射された遊技球がスルーゲート86を通過したことを契機として、右作動入球ユニット85の電動役物85bが頻繁に動作する。通常遊技状態においては可変入賞装置82,83が閉状態に維持されるため、右ルートを流下する遊技球のほとんど(一般入賞口81を回避したもの)は可変入賞装置82,83を素通りして右作動入球ユニット85へ向かう。
右作動入球ユニット85への入球が発生すると遊技者に賞球が付与される。このため、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、右ルートへ遊技球を発射することで左ルートへ遊技球を発射する場合と比べて持ち球の減りを抑えながら遊技を進めることができる。そして、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態から開閉実行モード(特別遊技状態)へ移行すると、可変入賞装置82,83が開状態に切り替わり、主たる入球先が右作動入球ユニット85から可変入賞装置82,83に変わる。つまり、特別遊技状態においては、右ルートに発射された遊技球の多くが可変入賞装置82,83に流入することとなる。
本実施の形態に示すタイプの遊技機においては、例えば開閉実行モードへ移行し第1可変入賞装置82が開放される状況下にて、右ルートに発射された遊技球が全て第1可変入賞装置82に入賞すれば、持ち球の増加速度や遊技の進行速度が飛躍的に高まる。しかしながら、発射された遊技球が全て第1可変入賞装置82に入球する構成とした場合には、通常遊技状態に対する開閉実行モード(特別遊技状態)の優位性が遊技者側に極端に偏ることとなる。このため、遊技全体における有利度のバランスに配慮した場合には、上記偏りのしわ寄せが通常遊技状態に及びやすくなる。この煽りを受けて通常遊技状態における遊技が遊技者側に過度に不利に偏ってしまうことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。
これに対して、通常遊技状態における遊技が遊技者にとって過度に不利にならないように、第1可変入賞装置82に向かう遊技球に適度な零れ(迂回通路370への流入)を発生させる構成とした場合には、このような零れが発生せず全ての遊技球が第1可変入賞装置82に入球する構成と比較して特別遊技状態(開閉実行モード)における爽快感を向上させる上で妨げになる。つまり、零れの発生が遊技者の満足度の向上、ひいては遊技への注目度の向上を図る上で妨げになる。以上の理由から、有利度の過度の偏りを抑えつつ遊技者の満足度の向上を図る上では、遊技機の構成に未だ改善の余地がある。本実施の形態においては、このような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。具体的には、開閉実行モードにて主たる入球先となる第1可変入賞装置82への入球を回避する迂回通路370を設け、当該迂回通路370への入球確率を引き下げる構成とし、且つ第1可変入賞装置82を迂回する遊技球の視認を困難として、あたかも右ルートを流下する遊技球のほとんどが当該第1可変入賞装置82に流入し得るように見せる工夫(零れを際立たせない工夫)がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図11を参照して迂回通路370及びそれに関連する構成について補足説明する。図11は右ルートにおける迂回通路370及びその周辺構造を示す概略図(図10の部分拡大図)である。
(迂回通路370)
迂回通路370は、遊技盤80aの右端部に沿って縦方向(第1可変入賞装置82及び第2可変入賞装置83の並設方向)に延びている。この迂回通路370に前扉枠14のランプ部26が重なっている(図11のドットハッチング参照)。ランプ部26は発光基板と当該発光基板を遊技機前方から覆うランプカバーとを有してなり、当該ランプカバーを通じて迂回通路370が視認可能となっている。ランプカバーは、発光基板からの光を透過すべく光透過性を有してはいるものの、有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されているため、右ルートにて当該ランプカバーが重なっている部分(重複領域)については重なりが回避されている領域(非重複領域)と比べて遊技球の視認性が低くなっている。これにより、案内通路360と比較して迂回通路370の視認が困難であり、且つ案内通路360を通過する遊技球と比較して迂回通路370を通過する遊技球の視認が困難となるように視認性に差が生じている。
迂回通路370は、仕切壁部350及び当該仕切壁部350に遊技球の通過領域を挟んで対向する対向壁部375によって区画形成されている。これら仕切壁部350及び対向壁部375は、光を吸着する光吸着材を用いて形成されており、迂回通路370に照射される光がそれら仕切壁部350や対向壁部375によって吸収される構成となっている。これにより、迂回通路370や当該迂回通路370を通過する遊技球への光(直接光や反射光)の照射が抑えらており、上記視認性の差が顕著なものとなっている。
通路内壁を構成する仕切壁部350及び対向壁部375の距離(通路幅)については、同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように、すなわち遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように規定されている。つまり、迂回通路370の通路幅は、当該迂回通路370に並列となる案内通路360の通路幅よりも小さくなっている。また、案内通路360には流路を分岐させるべく遊技釘361が複数配設されていたのに対して、迂回通路370には流路を分岐させるための遊技釘については配設されておらず、迂回通路370における流路は1つに限定されている。迂回通路370と案内通路360とは全長は同等であるものの(図10参照)、迂回通路370の通過に要する所要期間は案内通路360の通過に要する所要期間よりも短くなっている。つまり、中間部304の分岐箇所から第2可変入賞装置83に到達するまでの所要期間は迂回通路370の方が短くなっている。このため、迂回通路370に流入した遊技球は案内通路360に流入した遊技球よりも速やかに第2可変入賞装置83へ案内される。
開閉実行モードにおいては、計16回のラウンド遊技の終了後は通常遊技状態に移行するまでの待機期間、詳しくはエンディング表示等を行うエンディング期間が設けられている。このような構成においては、無駄な投資を回避すべくエンディング表示の移行に伴って遊技球の発射操作が控えられる場合がある。このような状況化にて、迂回通路370を通過した遊技球が非重複領域(メインルート)に復帰する際に目についてしまうとそれが遊技者を困惑させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態においては、迂回通路370を通過した遊技球は素早くメインルートに復帰する。このため、迂回通路370を通過した後続の遊技球を、メインルートを流下中の他の遊技球(具体的には先行する遊技球)に紛れさせることができる。例えば、迂回通路370における遊技球の動きを遅らせる等して、所要期間を長くすることも可能であるが、このような構成では、上述した状況下にてメインルートに復帰した遊技球と先行する遊技球群との離れが大きくなり、当該後続の遊技球が目立つと想定される。以上の理由から、迂回通路370の通過に要する所要期間を案内通路360の通過に要する所要期間よりも短くすることには技術的意義がある。
既に説明したように、開閉実行モードにおいては主として第1可変入賞装置82が開放対象となり、特定のラウンドに限って第2可変入賞装置83が開放対象となる。第2可変入賞装置83には有利入球部83cが設けられており、この有利入球部83cへの入球が発生することで高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の通常遊技状態(高確遊技状態)へ移行する。高確遊技状態へ移行することで再び大当たりとなる期待が飛躍的に高まるだけでなく、少なくとも次に大当たりとなるまで当該高確遊技状態が継続されるため、持ち球を増やすチャンスとなる。すなわち、第1可変入賞装置82への入球に基づいて遊技者に付与される特典よりも第2可変入賞装置83への入球に基づいて遊技者に付与される特典の方が大きくなっている。
ここで、第2可変入賞装置83が開状態に維持される期間、より詳しくは有利入球部83cへ入球可能となる期間は限られている。このため、第2可変入賞装置83が開放された際には速やかに当該第2可変入賞装置83へ入球させる必要がある。このような状況下にて、案内通路360を通過する遊技球は遊技釘361によって流下方向を変えながら移動するため、第2可変入賞装置83へ到達するまでの時間が長くなる。第2可変入賞装置83が開放対象となっていない場合には、そのような遊技球の動きを目で追うこと自体が遊技の楽しみの一つになる。しかしながら、時間的な制約がある状況下にて遊技球の動きが緩慢になることは、遊技者の焦りを招く要因になるだけでなく、本来得られるはずの特典を取りこぼす要因にもなり得るため、遊技者の満足度の向上を図る上では好ましくない。
ここで、迂回通路370における遊技球の通過領域については遊技釘の非配置領域となっており、且つ一般入賞口81等の他の入球部の非配置領域となっている。つまり、迂回通路370へ入球した遊技球は全て第2可変入賞装置83に向かう。また、詳細については後述するが、右ルートを流下する遊技球のうちおよそ1/10が迂回通路370に流入することとなる。第2可変入賞装置83が開放されている状況下にて右ルートに遊技球の発射を継続してさえいれば、案内通路360を通過する遊技球が上手く第2可変入賞装置83に到達できなかったとしても迂回通路370を通過した遊技球が第2可変入賞装置83に供給されることで上記特典の取りこぼしがほとんどの場合で回避されることとなる。
この点、上述したように、迂回通路370を通過した遊技球が速やかに第2可変入賞装置83に向かう構成とすることで、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
再び図11を参照して説明すると、下側拡張部305を案内通路360と迂回通路370とに仕切る仕切壁部350は、前扉枠14の窓部21(開口縁)よりも外側に位置しており、ランプ部26が案内通路360側にオーバーラップしている。すなわち、案内通路360の一部が重複領域に含まれている。遊技機においては遊技中の姿勢等によって視差が生じる。そこで、仕切壁部350を開口縁から遠ざけるようにしてオーバーラップ量Gを大きくすることにより、斜め前方から遊技領域PEを見た場合等に迂回通路370の存在が目につくことを抑制できる。
オーバーラップ量Gについては遊技球の直径寸法Dよりも小さくなるように設定されている。このため、例えば案内通路360を仕切壁部350に沿うようにして移動する遊技球についても、その全体が重複領域に入り込むことはなく、少なくとも一部が視認可能なままとなる。これにより、非重複領域に別の流路が存在しているとの印象を遊技者に与えにくくすることができる。言い換えれば、案内通路360の右側限界位置には、それ以上の右方への移動を制限する壁等が存在しているとの印象を遊技者に与えやすくなる。これは、迂回通路370の存在を隠す上で好ましい。
以上詳述したように迂回通路370を流下する遊技球を目立ちにくくすれば、第1可変入賞装置82に向かう遊技球の一部を逃がしたとしても、それを遊技者に気付かれにくくすることができ、あたかも発射した全ての遊技球が第1可変入賞装置82に向かうかのように見せることができる。但し、迂回通路370を如何に隠したとしても、当該迂回通路370の入口部分372や出口部分373での挙動から迂回通路370の存在が示唆されることになれば、上述した隠蔽機能は上手く発揮されなくなると懸念される。本実施の形態においては、このような事情に配慮した対策が講じられていることを特徴の1つとしている。以下、当該対策について説明する。
図10及び図11に示すように、迂回通路370の入口部分372は、左斜め上方を向いており、上下に離間する一対の遊技釘331U,331Lによって構成されている。より詳しくは、遊技釘331U,331Lは後述する傾斜通路の通路方向と直交する方向に並べて配設されており、迂回通路370の入口部分372が当該傾斜通路の通路方向と同じ方向を向くように構成されている。
一般的には、二つの遊技釘が遊技球の直径寸法よりも大きな隙間を隔てて対峙している場合には、その間が遊技釘の通過領域であると認識されやすい。このような事情から、非重複領域にて重複領域との境界寄りとなる位置にこのような一対の遊技釘が存在していると、それら遊技釘は重複領域への流入口(ゲート)であるかのように認識されやすいと想定される。これは、迂回通路370の存在を示唆する要因になると懸念される。この点、本実施の形態においては、一対の遊技釘331U,331Lのうち一方(本実施の形態では上側の遊技釘331U)を重複領域(具体的にはランプ部26の背後)に配置して、視認困難としている。このように一方の遊技釘331Uを隠すことにより、非重複領域に配設された下側の遊技釘331Lを流入口のイメージから遠ざけている。
なお、迂回通路370にて入口部分372を含む上流部分については傾斜通路と同じ方向に延びており、鉛直部分に達するまでの距離(全長)が遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくなるように形成されている。これにより、入口部分372を通過した遊技球が迂回通路370の入口付近でもたつく等して遊技者の目につきやすくなることを抑制している。
上側の遊技釘331Uの上方、詳しくは重複領域には、別の遊技釘が配設されており、開口縁から遊技球の直径寸法よりも小さな距離を隔てた位置に重複領域側への遊技球の移動を妨げる障壁が形成されている。つまり、迂回通路370の入口部分372に向かう遊技球のうち上方に跳ねた遊技球については当該障壁に跳ね返る等して、案内通路360に向かうこととなる。このように、重複領域に向かう遊技球のうち入口部分372から逸れたものについては非重複領域側に跳ねかえす構成とすることにより、重複領域と非重複領域との境界部分には両領域を隔てる壁等が存在していると印象付けることができる。これは、重複領域に遊技球の流路が別途設けられている事実を隠す上で好ましい。
次に、図12及び図13(a)を参照して、上側拡張部303について補足説明し、その後、案内通路360及び迂回通路370への遊技球の振り分けに係る構成について説明する。図12は右ルートの上流部分における流路を示す概略図、図13(a)は遊技球の振り分け確率を示す概略図である。
既に説明したように、右ルートはその上流部分にて内ルート(内側分岐通路311)及び外ルート(外側分岐通路312)の計2つのルートに分岐しており、内ルートを経由して上側拡張部303に流入した遊技球と外ルートを経由して上側拡張部303に流入した遊技球とではスルーゲート86への入球確率が異なっている。
具体的には、上側拡張部303には、遊技釘321を配設することで、スルーゲート86を内側(左側)から迂回するルートA、ルートBと、スルーゲート86を通過するルートCと、スルーゲート86を右側(外側)から迂回するルートD、ルートEの5が形成されている。内ルートを通過した遊技球は、ルートAが50%、ルートBが30%、ルートCが15%、ルートDが5%、ルートEが0%となるように振り分けられるのに対して、外ルートを通過した遊技球はルートAが15%、ルートBが20%、ルートCが10%、ルートDが50%、ルートEが5%となるように振り分けられる(図13(b)参照)。つまり、スルーゲート86への入賞を発生させる上では、外ルートを狙うよりも内ルートを狙う方が有利となる。
因みに、内ルートの入口部分及び外ルートの入口部分は、流入部301の通路方向に前者が上流側、後者が下流側となるように並んでいる。外ルートの入口部分については上記返しゴム94の直下に位置しており、返しゴム94にて減勢された遊技球については、外ルートへ流入する。これに対して、右ルートへ遊技球を流入させるには、遊技球の発射速度を所定速度となるように調整する必要がある。以下、図13(b)の概略図を参照して、遊技球の発射先と遊技球発射ハンドル41(回動操作部材44)の操作量との関係について補足説明する。
回動操作部材44の回動操作量を徐々に大きくすると遊技球の発射速度が徐々に高くなり、回動操作量が下限量(本実施の形態においては20°)を超えることで遊技球が誘導通路103を経由して遊技領域PEに到達する。その後も回動操作量を増やすと、当該回動操作量が閾値(本実施の形態においては69°)を超えることにより遊技球の発射先が左ルートから右ルートへ変更されることとなる。
回動操作量が閾値を超えた後、更に回動操作量が大きくなって所定範囲(80〜100°)に達するまでの範囲(70〜79°)、遊技球の発射先が内ルートとなる。内ルートに流入した遊技球のおよそ15%はスルーゲート86に入球する。これに対して、回動操作量が所定範囲に達している場合には、遊技球の発射先が外ルートとなる。外ルートに流入した遊技球のおよそ10%はスルーゲート86に入球する。
なお、回動操作量が90〜100°となっている場合には、発射された遊技球は外レール102に接触した状態を維持しながら内ルート及び外ルートの分岐箇所に到達する。この際、遊技球は遠心力によって外レール102に押し付けられた状態となるため挙動が安定する。これに対して、回動操作量が70〜89°の範囲では、外レール102に沿って移動していた遊技球が当該外レール102から離間し、センターフレーム92側へ移動することとなる。センターフレーム92に沿って移動する遊技球は、センターフレーム92に対する接触時の影響等によってその挙動が乱れやすくなる。故に、回動操作量を70〜79°の範囲として内レールを狙ったとしても、その一部は外ルートに流入する。
右作動口85aへ入球させるには先ずスルーゲート86へ入球させる必要があり、できるだけ多くの遊技球をスルーゲート86へ入球させるには遊技球を内ルートに流入させる必要がある。以上の理由から、右作動口85aへの入球を効率よく発生させる上では、遊技球の発射先を適切に調整する必要がある。
分岐部302及び上側拡張部303にて各ルートへ振り分けられた遊技球群は、中間部304にて再び集合(合流)する。ここで、図12及び図14を参照して、当該集合に係る構成について説明する。図14(a)は通路構造を示す概略図、図14(b)は水平方向における移動速度の変化を示す概略図である。
図12に示すように、中間部304には、遊技領域PEの中央側から外側へ下り傾斜する傾斜通路333が形成されている。傾斜通路333はその傾斜角度が45°よりも小さくなるように(詳しくは30°程度)形成されており、上側拡張部303にて最も内側に位置するルートAの直下となる位置(合流箇所X1)からルートDの直下となる位置(合流箇所X4)に亘って延びている。傾斜通路333はそのほぼ全域にて上方に開放されており、各ルートを流下した遊技球は傾斜通路333へと落下する。傾斜通路333へ落下した遊技球は、傾斜通路333の底部に衝突することで傾斜通路333の通路方向へ向きを変え、傾斜通路333(中間部304)を経由して下側拡張部305へ移動する。
傾斜通路333の底部(転動面)は、上流部分と下流部分とで具体的な構造が異なっている。詳しくは、上流部分はセンターフレーム92の外周部に形成された平面状の傾斜部334によって構成されており、下流部分は傾斜部334と同じ方向に配列された複数の遊技釘331(遊技釘列331S)によって構成されている。底部にて傾斜部334により構成されている部分が平滑であるのに対して、底部にて遊技釘列331Sにより構成されている部分は小さな凹凸状をなしている。このため、遊技釘列331Sに沿って移動する遊技球は、傾斜部334に沿って移動する遊技球と比べて上方に跳ねやすくなっており、そのような挙動の変化が発生することで通路方向における加速の度合いが小さくなる。つまり、傾斜通路333においては、上流部分が高加速区間且つ下流部分が低加速区間となっている(図14(b)参照)。
図14(a)に示すように、傾斜通路333の傾斜先に上記迂回通路370の入口部分372が形成されている。言い換えれば、傾斜通路333は迂回通路370の入口部分372に向けて下り傾斜となるように形成されている。より詳しくは、傾斜通路333は上記非重複領域と重複領域とに跨るようにして形成されており、それら非重複領域と重複領域との境界に位置する部分が迂回通路370の入口部分372を構成している。傾斜通路333に移った遊技球は、当該傾斜通路333に沿って移動することで加速し、速度を上げながら迂回通路370の入口部分372に向かう。
傾斜通路333の途中位置には、当該傾斜通路333の通路方向に並ぶようにして複数の陥欠部336,337が形成されている。陥欠部336,337は、高加速区間である傾斜部334ではなく低加速区間である遊技釘列331Sに配されている。陥欠部336,337は遊技球が通過可能となっており、下側拡張部305に繋がっている。つまり、これら陥欠部336,337は案内通路360の入口部分を構成しており、傾斜通路333を移動する遊技球については陥欠部336,337を通じて案内通路360へ流入し得る構成となっている。
傾斜通路333に沿って移動する遊技球の多く(本実施の形態においてはおよそ90%)は、陥欠部336,337に流入する。但し、遊技釘列331Sに沿って移動する遊技球については、上記遊技釘列331Sにおける凹凸によって挙動が変化する場合があり、一部の遊技球については陥欠部336,337を飛び越えて迂回通路370の入口部分372へ流入することとなる。
なお、図14(a)に示すように、ルートCを経由した遊技球の落下位置(合流箇所X3)は上流側の陥欠部336の直上に位置し、ルートD及びルートEを経由した遊技球の落下位置(合流箇所X4)は下流側の陥欠部337の直上に位置している。このため、ルートC〜ルートEを経由した遊技球については、陥欠部336,337へ直接流入する場合がある。
ここで、遊技球の移動速度について補足説明する。上述した流入部301においては遊技球の移動速度が遊技球の発射速度に依存しており、その移動速度は極めて高い。但し、分岐部302に流入する際に流下方向が縦向きに変化することで、遊技球の勢いが弱まり、移動速度は低下する。分岐部302については縦に延びているため、当該分岐部302を通過する過程で遊技球が下向きに加速されるものの、それら遊技球は上側拡張部303を経由することで再度減速される。
上側拡張部303においては、遊技球の移動速度が低下することにより先行する遊技球と後続の遊技球との距離が小さくなる。特に、上側拡張部303を通過して傾斜通路333に到達した遊技球は、傾斜通路333によって下方への移動が制限される。傾斜通路333に遊技球が着地することで勢いが弱まるだけでなく、縦方向での移動速度が大きく引き下げられることとなる。つまり、中間部304においては分岐部302や上側拡張部303と比較して、遊技球の勢いが弱くなるだけでなく、縦方向における移動速度が低下する。
右ルートに発射される遊技球については、上側拡張部303を通過して中間部304に到達する際に移動速度が低下する。右ルートに遊技球が連続して発射されている場合の遊技球間の距離は遊技球の移動速度に依存するため、遊技球の移動速度が低くなる箇所が設けられている場合には、その箇所付近にて遊技球間の距離が小さくなり、その付近に存在する遊技球の数が多くなる。
図15(a)の概略図に示すように、遊技球の移動速度が比較的高くなるように設定された流入部301や分岐部302においては遊技球間の距離Daが大きくなり、遊技球群の密集度合い(密度)が低くなる(「疎」となる)。これに対して、中間部304においては遊技球が大きく減速されることで当該中間部304付近にて遊技球間の距離Dbが小さくなり、遊技球群の密集度合い(密度)が高くなる(「密」となる)。特に、縦方向における移動速度が中間部304にて低くなる点に鑑みても、縦方向における遊技球群の密集度合いが中間部304及びその周辺にて高くなる。
遊技球間の距離が大きくなって遊技球がまばらとなっている場合には、遊技球間の距離が小さくなって遊技球が密集している場合と比較して、遊技者の視界に入る遊技球の数が少なくなる。このように視界に入る遊技球の数が少ない状況では、1つ1つの遊技球の動きを注視しやすくなるため、遊技球の迂回通路370への流入、すなわち非重複領域から重複領域への移動(上記逃がしがなされた場合)が目につきやすくなると想定される。例えば、10個の遊技球が視界に入っている状況にてそのうち1個の遊技球を逃がす場合と、2個の遊技球が視界に入っている状況にてそのうち1個の遊技球を逃がす場合とを比較した場合には、前者よりも後者の方が目につきやすくなると想定される。
本実施の形態に示す構成においては、案内通路360及び迂回通路370への分岐部分である中間部304にて遊技球群の密集度合いを高くすることにより、案内通路360への遊技球の流入(零れ)を目につきにくくすることが可能となっている。
遊技球の動きを目で追う場合には、移動速度が速いものよりも遅いものの方が目に留まりやすい。ここで、迂回通路370の入口部分372に向かう遊技球については傾斜通路333に沿った移動が継続されるのに対して、陥欠部336,337を通じて案内通路360に流入する遊技球については遊技球の流下方向が大きく変化する。つまり、迂回通路370へ流入する遊技球の移動速度は、案内通路360へ流入する遊技球の移動速度よりも高くなるように構成されている。このように流入先に応じて遊技球の移動速度を変化させ、且つ迂回通路370への流入速度を高くなるように差を設けることで、案内通路360へ流入する遊技球を目につきやすくしている。
単に遊技球の移動速度を遅くして視界に入る遊技球の数を増やした場合には、遊技球の移動速度が遅いことから、個々の遊技球を注視する余裕が生まれる。このため、逃がしを目立ちにくくする効果が上手く発揮されなくなると想定される。この点、本実施の形態に示すように、逃がしを行う中間部304にて遊技球を加速させる構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
また、迂回通路370の入口部分372付近にて遊技球の動きが緩慢になれば、迂回通路370(重複領域)へ遊技球が移動する様子が目につきやすくなる。この点、上述したように傾斜通路333の傾斜先に迂回通路370の入口部分372を配設することで、迂回通路370への遊技球の流入の円滑化を図っている。これにより、迂回通路370への遊技球の移動の様子を目につくことを抑制している。
本実施の形態においては、中間部304に横長状の傾斜通路333を配設し、遊技球群の密集度合いが高くなる領域を縦長ではなく横長となるように構成している。人の視界が縦よりも横に広い点に鑑みれば、遊技球群の密集度合いが高くなる領域を横長とすることが視界に入る遊技球の数を稼ぐ上で有利である。視界に入る遊技球の数を増やすことにより、特定の遊技球のみが注視される機会を減らし、迂回通路370への流入を目立ちにくくさせるという効果を一層好適に発揮させることができる。
ここで、遊技者の発射操作に基づいて所定周期で連続して発射された遊技球間の距離は、誘導通路103を経由して流入部301に到達するまでの間は規則的であり、流入部301や分岐部302においてもその規則性が概ね維持される。遊技球同士の距離について規則性が強くなれば、一部の遊技球がその規則性から外れた動きをした場合に、それが目につきやすくなると想定される。つまり、規則正しく並んでいる遊技球群の中から何れかの遊技球を逃がした場合と、不規則に並んだ遊技球群の中から何れかの遊技球を逃がした場合とでは、逃がしによって生じるブランク部分(遊技球間の距離が開いた部分)の目立ちやすさが相違し得る。本実施の形態に示す右ルートについてはこのような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図15(b)及び図16(a)を参照して当該工夫について説明する。図15(b)は遊技球の流路を示す概略図、図16(a)は中間部を通過する遊技球間の距離を示した概略図である。
図15(b)に示すように、右ルートの流路については流入部301では一条であるものの、分岐部302及び上側拡張部303にて複数に分岐している。これら分岐した流路は中間部304にて合流し、中間部304から下側拡張部305に移る際に再び分岐する。
上側拡張部303に設けられたルートA〜ルートEについては、遊技球が通過する際の所要期間が相違している。具体的には、内ルートを経由して上側拡張部303に流入した遊技球については、ルートA < ルートB < ルートC <ルートDの順に所要期間が長くなり、外ルートを経由して上側拡張部303に流入した遊技球については、ルートD < ルートE < ルートC < ルートB < ルートAの順に所要期間が長くなる。また、内ルートを経由した場合と外ルートを経由した場合とを比較した場合、前者よりも後者の方が所要期間(平均)は短くなる。なお、各ルートを通過する際の所要期間の最大差については、遊技球の発射周期(0.6sec)と同じになっている。
因みに、外ルート(外側分岐通路312)には、途中位置にて通路内側に突出する突起315が形成されている。この突起315に衝突することで当該外側分岐通路312を流下する遊技球が減速する。外ルートを経由して傾斜通路333に至る遊技球の所要期間は、内ルートを経由して傾斜通路333に至る遊技球の所要期間よりも長くなり、その差は最大で遊技球の発射周期(0.6sec)と同じ長さとなる。
このような流路の工夫により、傾斜通路333に至るまでの間に後続の遊技球が先行する遊技球に追いついたり、先行する遊技球を追い越したりするといった事象が発生する。つまり、右ルートの最上流部分にて維持されていた遊技球間の距離に関する規則性が中間部304においては崩れ、遊技球間の距離が多様となる(図16(a)参照)。遊技球間の距離が多様となっている部分にて一部の遊技球が迂回通路370へ流入する構成とすることにより、逃がしが発生した際のブランクが目立つことを抑制できる。
本実施の形態においては特に、同時期に中間部304に存在する遊技球の数が多くなることにより、迂回通路370への流入確率が高くなるように構成されている。すなわち、遊技球群を構成している遊技球の数が少ない場合と比較して、多い場合の方が迂回通路370への流入確率が高くなるように構成されている。ここで、図16(b),(c)の概略図を参照して傾斜通路333における遊技球の動きについて補足説明する。
傾斜通路333を経由した迂回通路370への入球態様については、遊技球が単独で陥欠部336,337を回避して迂回通路370に向かう態様と、先行する遊技球の補助によって陥欠部336,337を回避して迂回通路370に向かう態様とに大別される。
ルートA〜ルートCを通じて傾斜通路333に到達した遊技球については、傾斜通路333に沿って移動することで加速される。しかしながら、図16(b1)→図16(b2)に示すように、その速度は陥欠部336,337を飛び越えるのに十分な速度に至らないため、その多くは陥欠部336,337を飛び越えることができず、陥欠部336,337に流入することとなる。言い換えれば、遊技釘列331Sにて上方に跳ねた遊技球の一部が自力で陥欠部336,337を飛び越える場合はあるものの、ほとんどの遊技球については陥欠部336,337に流入し、迂回通路370への移動が制限される。
ここで、図16(c1)に示すように、先行する2つの遊技球B1,B2が傾斜通路333を流下している最中に後続の遊技球B3が傾斜通路333に到達すると、以下の事象が発生する。すなわち、陥欠部336,337が先行する遊技球B1,B2に入っている状況下にて後続の遊技球B3が陥欠部336,337に到達すると、当該後続の遊技球B3の陥欠部336,337への流入が先行する遊技球B1,B2によって妨げられ、後続の遊技球B3が陥欠部336,337を回避して迂回通路370に向かうこととなる。
先行する遊技球の数が多いほど、迂回通路370への流入確率が高くなることにより、少ない数の遊技球群の中から逃がす場合と比較して、それを目立ちにくくすることができる。以上の理由から、同時期に通過する遊技球の数を増やし、その数が多くなるほど、逃がしが発生しやすくなる構成とすることには技術的意義がある。
(迂回通路370の出口部分373)
本実施の形態においては、下側拡張部305を素通りした遊技球、すなわち案内通路360を通過した遊技球であって第1可変入賞装置82に入らなかった遊技球及び迂回通路370を通過した遊技球は、第1可変入賞装置82とその直下に位置する第2可変入賞装置83との間となる位置にて合流し、下流側案内通路306を通じて遊技領域PEの下部、具体的には右作動入球ユニット85及び一般入賞口81が配設されている領域へと案内される。第1可変入賞装置82へ入らなかった遊技球はそのまま遊技領域PEから排出されるのではなく、同遊技球に右作動入球ユニット85等への入球の機会を与える構成とすることにより、第1可変入賞装置82に入らなかった遊技球に対する遊技者の注目が早々に低下することを抑制している。
遊技球の動きに対する注目度の向上を図ることは、遊技機本来の楽しみを強化する上では好ましい。但し、右作動入球ユニット85に向かう遊技球には迂回通路370を通過した遊技球が含まれる。故に、遊技球への注目度が高くなることが迂回通路370を通過した遊技球が目につきやすくなる要因になり得る点に配慮することが好ましい。詳しくは、既に説明したように、迂回通路370に流入する遊技球の動きや迂回通路370を通過する遊技球の動きを目立ちにくくすることは右ルートに発射された遊技球が効率よく第1可変入賞装置82に入球すると印象付けて遊技者の満足度の向上を図る上で有利である。しかしながら、迂回通路370の出口部分373から流出する遊技球の動きが目についてしまった場合には、このような効果が上手く発揮されなくなると想定される。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、迂回通路370の出口部分373から流出する遊技球を目立ちにくくさせる工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図17を参照して、当該工夫について説明する。図17は、第1可変入賞装置82及びその周辺を示す遊技盤ユニット80の部分拡大図である。
先ず、案内通路360を通過した遊技球が第1可変入賞装置82を素通りする場合の流れについて補足説明する。案内通路360には複数の遊技釘361が配設され、遊技球の流下経路が複数形成されている。これにより、遊技球の動きの単調化が抑制されている。また、流下経路毎に通過に要する時間を相違させることで、第1可変入賞装置82への入球タイミングにある種の偏りを発生させることが可能となっている。
案内通路360の出口部分には複数の遊技釘361が水平に配列されている。遊技釘361の間隔は遊技球の直径寸法よりも大きくなっており、これら遊技釘361によって案内通路360の出口部分に複数のゲート362a〜362cが横並びとなるように形成されている。一般入賞口81を回避して出口部分に到達した遊技球は、ゲート362a〜362cの何れかを通過して、第1可変入賞装置82へと落下する。ゲート362a〜362cと第1可変入賞装置82との間は遊技釘等の遊技部品(詳しくは遊技盤80aの前方に突出し遊技球の挙動に影響を与え得る遊技部品)の非配置領域となっており、ゲート362a〜362cを通過した遊技球は加速しながら第1可変入賞装置82に向かう。
第1可変入賞装置82のシャッタ82bが閉位置に配置されている場合には、落下中の遊技球は大入賞口82aの前方を素通りして第2可変入賞装置83へと向かう。第1可変入賞装置82と第2可変入賞装置83との間の領域についても上記遊技部品の非配置領域となっており、第1可変入賞装置82を素通りした遊技球は加速を続ける。
第2可変入賞装置83の大入賞口83a及びシャッタ83bは閉位置に配置されている状態では遊技盤80aの前面から突出しており、第1可変入賞装置82を素通りした遊技球はシャッタ83bへ着地する。つまり、シャッタ83bは、下流側案内通路306の底面(転動面)としての機能だけでなく、落下する遊技球を受ける球受け部としての機能を有している。シャッタ83bについては薄板状をなしており、その後端にて片持ちとなっている。落下した遊技球が衝突した際にシャッタ83bが僅かに撓むことで落下の勢いを弱めることが可能となっている。つまり、上流側の案内通路360から下流側案内通路306に遊技球が移る際の跳ね返り等の挙動の乱れを抑制している。このような機能に着目すれば、当該シャッタ83bを「球受け部」、「減勢部」又は「跳ね返り規制部」と称することも可能である。
なお、本実施の形態においては、落下する遊技球がシャッタ83bに着地する構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、遊技球の移動速度を低減し、その移動方向を変化させることができるのであれば足り、球受け部を別途設けてもよい。
第2可変入賞装置83(シャッタ83b)は第1可変入賞装置82と同様に横長状をなしており、その横幅はゲート362a〜362cの配設領域(上流側案内通路360の出口部分)の横幅と同等となっている。第2可変入賞装置83に到達した遊技球は、シャッタ83bとの衝突によって減速された後、シャッタ83bの長手方向(傾斜方向)、すなわち下流側案内通路306による案内方向へと向きを変える。その後は、下流側案内通路306に沿って移動し、徐々に加速しながら右作動入球ユニット85等へ向かうこととなる。
上流側案内通路360においては、遊技球が各流下経路に分かれることで、遊技球の密集度合いが低下する構成となっているが、下流側案内通路306の上流部分では、遊技球の流下経路が1つに限定され且つ遊技球の流下速度が大幅に低下することにより、当該合流箇所CPにおける遊技球の密集度合いが高くなる。以下の説明では、下流側案内通路306の上流部分(すなわち両可変入賞装置82,83によって挟まれている部分)を、遊技球が合流する合流箇所CPと称する。
迂回通路370の出口部分373は合流箇所CPの近傍に位置している。詳しくは、下流側案内通路306はあ合流箇所CPよりも右側(案内方向と反対側)へ延出しており、その端部に出口部分373が連なっている。出口部分373から流出した遊技球はこの合流箇所CPへと流入する。迂回通路370を通過した遊技球を遊技球の密集度合いが高められた合流箇所CPへと導くことで、当該遊技球を上流側案内通路360を経由した遊技球群に紛れさせることが可能となっている。
迂回通路370は、その途中位置(具体的には上記ゲート362a〜362cとほぼ同じ高さとなる位置)にてクランクしており、このクランク部分よりも下流側となる部分は第2可変入賞装置83の上面部にて大入賞口83aの右側となる部分(以下、右上面部412という)に向けて鉛直に延びている。迂回通路370を通過する遊技球はクランク部分を通過した後に加速するものの、右上面部412に衝突することでその勢いが弱められることとなる。右上面部412については第2可変入賞装置83のハウジングの一部であり、シャッタ83bのように片持ちとなっているわけでもない。このため、その減勢機能はシャッタ83bと比べて低くなっており、着地時に跳ね返りが生じやすい。但し、迂回通路370の出口部分373については遊技球の外形よりも僅かに大きい程度となっているため、少なくとも出口部分373を通過する際には、挙動の乱れは解消された状態となる。
右上面部412は、シャッタ83bと略同一平面上に位置し、その傾きがシャッタ83bの傾きと同一となるように遊技領域PEの中央側へ下り傾斜している。迂回通路370を通過する遊技球は右上面部412に到達した際に減勢され、勢いが弱められた状態で右上面部412→出口部分373→シャッタ83bへと移動する。
迂回通路370を通過して合流箇所CPに到達した遊技球の移動方向は、上流側案内通路360を通過した遊技球の移動方向と同一となり、移動速度についてもそれら遊技球とほぼ同一となる(図18(a)参照)。このため、合流箇所CPに到達した後は、遊技球の挙動から当該遊技球が上流側案内通路360を経由したものであるか、それとも迂回通路370を経由したものであるかを識別することは困難となる。
例えば、図18(b)の概略図に示すように、迂回通路370Xの出口部分373Xから流出した遊技球が下流側案内通路306Xにて上流側案内通路360Xを通過した遊技球と合流する構成であっても、出口部分373Xから流出する遊技球の移動経路と、上流側案内通路360Xから落下する遊技球の移動経路とが交差する構成である場合には、遊技球の移動方向の違いから遊技が上流側案内通路360X及び迂回通路370Xの何れを通過したものであるかを識別することが容易となる。更には、上流側案内通路360Xから落下する遊技球と、迂回通路370Xから流出する遊技球とには速度差が生じ、この速度差からも上記識別が容易となる。これでは、迂回通路370Xを通過した遊技球を上流側案内通路360Xを通過した遊技球に紛れ込ませることで、出所を分かりづらくするという効果が上手く発揮されなくなる。
以上の理由から、本実施の形態に示したように、迂回通路370を通過して合流箇所CPに到達した遊技球の移動方向を上流側案内通路360を通過した遊技球の移動方向と同一とし、移動速度についてもそれら遊技球とほぼ同一とすることには明確な技術的意義がある。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
第1可変入賞装置82(「可変入球部」に相当)に向かう遊技球の視認性と第1可変入賞装置82に向かわない遊技球の視認性とに差を設け、第1可変入賞装置82に向かう遊技球への注目を促す構成とすれば、第1可変入賞装置82を狙って発射された遊技球が当該第1可変入賞装置82に上手く入球せず投資が無駄になっている等の印象を遊技者に与えにくくし、遊技への注目度の向上に寄与できる。言い換えれば、発射した遊技球のうち少なくとも案内通路360に流入したものについては、そのほとんど第1可変入賞装置82に到達することとなり、遊技の爽快感を高めることができる。
このような構成においては、仮に第1可変入賞装置82への入球が回避される迂回通路370へ向けた遊技球の動きが遊技者の目についた場合、上述した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、案内通路360の入口部分(陥欠部336,337)においては遊技球の移動方向を変化させて遊技球の動きを遅くすることでそれら遊技球を敢えて遊技者の目につきやすくし、迂回通路370の入口部分372においては傾斜通路333に沿って移動した遊技球が流れのままに迂回通路370へ速やか且つ円滑に流入しやすくすることで遊技者の目につきにくくすることが可能となっている。このように傾斜通路333を利用して案内通路360/迂回通路370へ振り分けられる遊技球の視認性に差を設けることにより、上述した注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
案内通路360に向かう遊技球については傾斜通路333の通路方向と交差する方向に流下方向が変わるため、流入時の移動速度を低くすることができる。これに対して、迂回通路370の入口部分372の向きは傾斜通路333の通路方向と同じ向きになっているため、迂回通路370の入口部分372へ流入する際に移動速度を落とす必要がなく、例えば迂回通路370に向かう遊技球は高い移動速度のまま当該迂回通路370の入口部分372を通過し得る。このようにして案内通路360へ流入する遊技球と迂回通路370へ流入する遊技球とに明確な速度差を生じさせることにより、上述した視認性の差を好適に強化できる。
第1可変入賞装置82への入球が回避された遊技球を目立ちにくくすることは、遊技者の満足度を向上させて遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。ここで、迂回通路370の視認性を低下させるための構成があからさまになってしまった場合には、その構成から零れ球が発生していること(遊技球の逃がしが行われていること)が露呈してしまう。遊技機においては遊技領域PE中央に図柄表示装置253等の各種構成が配置され、遊技者の注目が遊技領域中央に向きやすくなっていることが多い。そこで、本実施の形態に示すように、案内通路360を内側且つ迂回通路370を外側となるように並設し、傾斜通路333を遊技領域PEの中央側から外側に下り傾斜とすることにより、迂回通路370や当該迂回通路370を流下する遊技球を目につきにくくすることができる。
遊技盤ユニット80を遊技機前方から覆う前扉枠14(「扉体」に相当)のランプ部26と重なっている部分に迂回通路370を配設すれば、迂回通路370がランプ部26によって覆われることとなり、迂回通路370や当該迂回通路370を通過する遊技球の視認を困難又は不可とすることができる。これにより、第1可変入賞装置82を迂回する遊技球が遊技者の目につくことを好適に抑制できる。
また、前扉枠14のランプ部26を利用して迂回通路370を隠す構成にて迂回通路370を遊技盤80aの端部に沿うように配設すれば迂回通路370の存在が遊技領域PEの圧迫の要因になることを回避できる。特に、上述の如く傾斜通路333を外側に下り傾斜させて遊技球を遊技盤80aの端部側へ案内することにより、迂回通路370を遊技盤80aの縁に寄せることが容易となる。故に、迂回通路370を形成する上でランプ部26と遊技領域PEとの重なりが嵩むことを抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
傾斜通路333との関係から、遊技球の円滑な移動を実現する上では、迂回通路370の入口部分372を含む一部を傾斜通路333と同じ方向に延びる構成とすることに技術的意義があるものの、前扉枠14のランプ部26が遊技領域PEと重なっている部分を利用して迂回通路370を隠す構成においては、上記通路構造を実現する上で重複領域が嵩むことは好ましくない。この点、本実施の形態に示したように、遊技領域PEに散在する遊技釘(一対の遊技釘)を用いて入口部分372を構成し、それら遊技釘の一方を重複領域に配置すれば、当該一対の遊技釘が入口部分372を構成しているとの印象を与えにくくすることができる。すなわち、一対の遊技釘の両方を重複領域に配置する場合と比較して重複領域が無駄に嵩むことを抑制でき、且つ一対の遊技釘の両方を非重複領域に配置する場合と比較してそれが入口部分372を構成しているとの印象を与えにくくすることができる。
傾斜通路333に沿って移動する遊技球は自重によって徐々に加速する。傾斜通路333には低加速区間と高加速区間とが設けられており、加速の度合いに差が設けられている。低加速区間に案内通路360の入口部分としての陥欠部336,337を設けることにより、陥欠部336,337に流入する際の遊技球の動きが過度に速くなることを抑制できる。これにより、案内通路360へ向けた遊技球の動きを目にとまりやすくしつつ迂回通路370へ向けた遊技球の動きを目にとまりにくくすることができる。
右ルートについては縦方向に延びているため、当該右ルートを流下する遊技球の主たる流れは上方から下方となる。傾斜通路333については、この流れを横切るように形成されており、右ルートを流下する遊技球は傾斜通路にてその向きが当該傾斜通路333に沿う方向に変わることにより、僅かながら勢い弱められることとなる。遊技球が所定の周期で連続発射されている場合には、遊技球間の距離(間隔)が傾斜通路333付近で小さくなり、遊技球群の密集度合いが高くなる。遊技球の渋滞を促し、その渋滞箇所から一部の遊技球を迂回通路370へ流入させることにより、例えば遊技球群の密集度合いが低い箇所から一部の遊技球を迂回通路へ流入させる構成と比較して、遊技球の逃がし(零れ)を目立ちにくくすることができる。
遊技球群の密集度合いを高くする上では、遊技球の移動速度を急激に低下させればよい。先行する遊技球と後続の遊技球との速度が大きくなれば密集度合いも高くなる。しかしながら、単に遊技球の移動速度が遅くなってしまっては、その動きを目で追いやすくなり、上記逃がしが生じていることが容易に露呈してしまう。この点、本実施の形態に示すように、縦方向における遊技球の移動速度を落として傾斜通路付近での遊技球群の密集度合いを高くしながら、遊技球の主たる移動方向を傾斜通路の通路方向に変えることで、遊技球の移動速度自体が大幅に低下することを抑制できる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、傾斜通路333の水平線に対する傾斜角度は45°よりも小さくなっている。これは、当該傾斜通路333に到達した遊技球の勢いを弱める減勢部及び球受け部としての機能を発揮させる上で好ましい。また、人の視界が縦よりも横に長いことを鑑みた場合、傾斜通路333に集まる遊技球が横に複数並んでいることが、遊技球群を視界に収める上で好ましい。視界に収まる遊技球の数が多くなれば、1つ1つの遊技球への注目が弱くなるため、迂回通路370へ流入する遊技球が目につくことを好適に抑制できる。
既に説明したように迂回通路370に流入した遊技球については第1可変入賞装置82への入球が回避される。このため、迂回通路370への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、本実施の形態においては、上側拡張部303、中間部304、下側拡張部305について遊技球の密集度合いが相違する構成となっており、もっとも密集度合いが高くなる中間部304に迂回通路370の入口部分372が形成されている。
遊技球の密集度合いが高くなっている箇所にて遊技球を迂回通路370に逃がす(逃がす)構成とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技球がまばらとなっている箇所では個々の遊技球を注視し得るため、遊技球の逃がしが目につきやすくなる。これに対して、遊技球が密集している箇所では遊技球を逃がしたとしてもそれが目につきにくくなる。また、まばらとなっている遊技球群から1の遊技球を逃がす場合と比べて、密集している遊技球群から1の遊技球を逃がした場合には、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクが過度に大きくなることを抑制できるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、右ルートへ発射された遊技球が効率よく第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
中間部304には、迂回通路370の入口部分372だけでなく案内通路360の入口部分(陥欠部336,337)も設けられている。このように、各通路360,370の入口部分を近づけておくことにより、中間部304における遊技球の減少が迂回通路370への流入の示唆になることを好適に抑制できる。特に、案内通路360と迂回通路370とを比較した場合には、前者への流入率が極めて高くなっている。このため、迂回通路370への流入をあたかも案内通路360への流入であるかのようにして紛れさせることができる。
案内通路360に形成された流下経路の数は分岐箇所である中間部304よりも多くなっている。これにより、案内通路360における遊技球群の密集度合いについては、中間部304のそれよりも低くなっている。案内通路360における遊技球群の密集度合いを低下させることにより、上記逃がしによって拡がった遊技球間のブランクを目立ちにくくすることができる。
遊技領域PEを遊技球が流下するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっている。そこで、遊技球の動きを多様として単調化の抑制が図られていることが多い。中間部304にて流路を限定すれば遊技球群の密集度合いの向上に貢献できるものの、上述した遊技機本来の興趣が弱くなると懸念される。そこで、本特徴に示すように流路を絞っている中間部304についてはその縦幅を少なくとも当該中間部304以外の領域(拡張部303,305)よりも小さくして間延びを抑えることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
遊技球の発射操作に基づいて所定の周期で遊技球が連続して発射される構成においては、遊技球同士の関係にある種の規則性が生じやすい。遊技球同士の関係が規則正しくなっている箇所にて遊技球を迂回通路に逃がす構成では、上述した規則性が崩れることとなり、規則性が崩れた部分が際立ってしまう。これは、遊技球の逃がしが行われていることが遊技者の目につく要因になると想定される。この点、本実施の形態においては、遊技球の流路が複数に分岐→合流する構成となっており、この合流箇所に迂回通路の入口部分が形成されている。遊技球群は異なる分岐ルートを経て集合する。各分岐ルートについては通過に要する所要期間が各々異なる構成となっているため、合流箇所における上記規則性を好適に低下させることができる。このように規則性が弱くなっている箇所にて遊技球を逃がすことで、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。また、遊技球の距離が様々となることで、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクを目立ちにくくすることができるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、右ルートへ発射された遊技球が効率よく第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
合流箇所にて遊技球の逃がす場合には、遊技球の密集度合いが低くなっているよりも高くなっている場合の方が当該逃がしが目につきにくくなる。ここで、上述の如く規則性を低下させる際に、疎密の偏りが大きくなってしまった場合には、密集度合いが低い状況化にて逃がしが発生することで、それが遊技者の目につきやすくなると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、所要期間の差を遊技球の発射周期よりも短くすることにより、先行する遊技球を後続の遊技球が追い抜く機会を減らすことができ、上述した過度の偏りを好適に抑制できる。
分岐ルートを通過した遊技球は傾斜通路333に流入する。遊技球の流入箇所については傾斜通路333の通路方向にずれているため、結果として合流後の遊技球同士の位置関係を更に多様なものとすることができる。これにより、上述した規則性を一層好適に低下させることができる。
合流箇所にて遊技球の逃がす場合には、当該逃がしによって合流箇所に存在する遊技球の数が減る(変化する)。ここで、合流箇所に案内通路360の入口部分を設けることで、遊技球が減る要因が迂回通路370への流入だけではなくなる。故に、遊技球が減ることが迂回通路370への流入を特定する足掛かりになることを抑制できる。また、遊技球が都度同じ態様で供給されるのではなく、その供給箇所が複数に分かれている構成であるため、遊技球が増加態様についても多様化することができる。そして、流入箇所の周辺に案内通路360の入口部分が位置する構成となっているため、遊技球の数を素早く変化させることができる。これは、合流箇所に存在している遊技球の数を分かりにくくする上で有利であり、結果として迂回通路370への流入によって遊技球の数が変化した際にそれを紛らわせやすくすることができる。
複数の分岐ルートを併用して規則性を低下させる構成とする場合、分岐ルート毎の所要期間のばらつきの幅が過度に大きくなることは好ましくない。一方、所定の範囲内における所要期間の多様性を確保するには、分岐ルートの数をある程度確保する必要がある。そこで、本実施の形態に示したように(図12参照)、分岐ルート間の遊技球の移動を可能とすれば、そのような課題を好適に解決することができる。
迂回通路370を用いて第1可変入賞装置82への入球を回避し、上流側案内通路360及び迂回通路370の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路306にて合流して所定位置(右作動入球ユニット85等の配設領域)へ向かう構成とすれば、第1可変入賞装置82への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路370を経由した場合に第1可変入賞装置82への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが第1可変入賞装置82への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、合流箇所における遊技球の挙動の差が大きくなれば、その違いから上流側案内通路360及び迂回通路370の何れを経由したかを特定することが容易となり、上記不都合が顕著になると想定される。この点、本実施の形態に示したように、迂回通路370の出口部分373を通過する遊技球の移動方向が下流側案内通路306(合流箇所CP)における遊技球の移動方向と一致する構成とすれば、迂回通路370を通過した遊技球を特定することが困難になる。このようにして、第1可変入賞装置82に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、第1可変入賞装置82へ発射された遊技球が効率よく当該第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
上述したように、合流箇所CPにおける遊技球の移動方向を揃える構成とすれば、下流側案内通路306を通過する遊技球の挙動から上流側案内通路360及び迂回通路370の何れを経由したものであるかを特定することは困難になる(識別力が低下する)。しかしながら、仮にその移動速度に顕著な差が生じてしまった場合には、移動方向を揃えたとしても識別力を低下させる機能が上手く発揮されなくなると想定される。この点、本実施の形態に示す構成によれば、第1可変入賞装置82を素通りした遊技球は下流側案内通路306に到達した際に減速し、迂回通路370を通過する遊技球についてもその出口部分373の直前で減速される。合流箇所における遊技球の速度差を小さくすることにより、遊技球が上流側案内通路360及び迂回通路370の何れを通過したかを速度差(挙動)から特定することを困難にすることができる。
第1可変入賞装置82へ遊技球を案内する上流側案内通路360に当該第1可変入賞装置82へ向かう複数の流下経路(流路)を形成すれば、第1可変入賞装置82へ向けた遊技球の動きの単調化抑制等の各種効果が期待できる。しかしながら、流路を複数に分けた場合にはそれだけ遊技球の密集度合いが低下する。遊技球の密集度合いが低くなっている箇所に迂回通路370を通過した遊技球を合流させようとした場合には、迂回通路370から合流する遊技球が目立ちやすくなると想定される。そこで、複数の流路のうち最も遊技球が通過頻度の高い流路の出口部分(ゲート362c)を迂回通路370の出口部分373の近傍に設けることにより、第1可変入賞装置82に向けた遊技球の動きの多様化を図りつつ、合流箇所における密集度合いの低下に起因して迂回通路370を通過した遊技球が目につきやすくなることを抑制できる。
下流側案内通路306にて第1可変入賞装置82に近い位置(例えば最上流部分)に合流箇所CPを設定することは、例えば何れの流路を経過したかによって所定位置(例えば右作動入球ユニット85)への到達確率に違いが生じることを抑制する上で有利である。しかしながら、このような位置関係では、第1可変入賞装置82を注視している状態で合流箇所CPが視界に入りやすくなり、迂回通路370を通過した遊技球についても遊技者の目に入る機会が多くなる。このような構成に対して、上述した技術的思想を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、上流側案内通路360を通過した遊技球と迂回通路370を通過した遊技球との合流に係る構成が上記第1の実施の形態と相違している。以下、図19及び図20(a)を参照し、この相違点を中心に本実施の形態における特徴的な構成について説明する。図19は下流側案内通路306及びその周辺構造を示す遊技盤ユニット80の部分拡大図、図20(a)は下流側案内通路306の内部構造を示す概略図である。
図19に示すように、第2可変入賞装置83のハウジングの上面部412,413及びシャッタ83bによって下流側案内通路306の上流部分における遊技球の転動面が構成されている点では上記第1の実施の形態と構成が一致している。ハウジングの上部には転動面から上方に起立する前後一対の壁部417,418が形成されている。手前側の壁部418(以下、手前側壁部418)及び奥側の壁部417(以下、奥側壁部417)は下流側案内通路306における遊技球の通過領域を挟んで対峙しており、手前側壁部418によって下流側案内通路306における前側の通路壁面が構成され且つ奥側壁部417によって下流側案内通路306における後側の通路壁面が構成されている。
手前側壁部418によって下流側案内通路306における遊技球の合流箇所CPが覆われているものの、手前側壁部418に透明となっており、下流側案内通路306(合流箇所CP)を通過する遊技球が当該手前側壁部418を通じて視認可能となっている。
奥側壁部417は遊技盤80aに形成された開口に埋設されており、当該奥側壁部417によって構成された後側の通路壁面は当該遊技盤80aの前面と同一平面上に位置している。手前側壁部418は奥側壁部417とガラスパネル23との間に位置しており、下流側案内通路306の通路領域が遊技盤80aの厚さ方向にて減縮されている。つまり、第1の実施の形態と比較して、下流側案内通路306を通過する遊技球の前後方向での位置ばらつきが小さくなるように制限されている。
手前側壁部418及び奥側壁部417の起立量は遊技球の直径寸法よりも大きくなっている。手前側壁部418と奥側壁部417との間、くわしくは合流箇所CPを通過中の遊技球については、上方(第1可変入賞装置82側)への露出が回避される。手前側壁部418及び奥側壁部417の上端縁は、第1可変入賞装置82の下端部に達しており、第1可変入賞装置82と合流箇所CPとの間となる部分についても手前側壁部418によって遊技機前方から覆われている。このため、上流側案内通路360を流下する遊技球は、第1可変入賞装置82を素通りした直後に手前側壁部418及び奥側壁部417によって挟まれた領域へ流入する。本実施の形態においては、手前側壁部418の上端縁及び奥側壁部417の上端縁によって、遊技機上方に開放された入口部分(下流側案内通路306への入口部分)が形成されているともいえる。
手前側壁部418は、上流側案内通路360からの遊技球が落下する落下位置(合流箇所CP)と迂回通路370の出口部分373とに跨るようにして延びる横長状をなしている。より詳しくは、手前側壁部418の右側の端部は、前扉枠14のランプ部26との重複領域にまで延出しており、迂回通路370の出口部分373とランプ部26との間に入り込んでいる。
迂回通路370を通過し、当該迂回通路370の出口部分373から流出した遊技球は、手前側壁部418の後方を移動して合流箇所CPへと到達する。合流箇所CPと出口部分373との間には遊技球の直径寸法よりも僅かに大きなギャップが設けられている。このギャップにより、先行する遊技球によって出口部分373からの遊技球の流出が妨げられることを回避し、出口部分373から流出する遊技球の合流箇所CPへと円滑な移動を実現している。例えば上流側案内通路360から流出した遊技球が合流箇所CPに到達した直後に、迂回通路370から合流箇所CPに遊技球が向かう場合であっても、先行する遊技球が障害となって迂回通路370の出口部分373にて遊技球が停留することを抑制できる。
手前側壁部418の前面部分にて下流側案内通路306の入口部分〜合流箇所CP〜迂回通路370の出口部分373の範囲には装飾が施されている(図19のドットハッチング部分を参照)。この装飾についても透明性を有しており(半透明となっており)、下流側案内通路306を通過中の遊技球の視認性が確保されている。但し、上記装飾が形成されている部分の背後の視認性については装飾が形成されていない部分の背後の視認性を下回る構成となっている。つまり、下流側案内通路306については、手前側壁部418が配置された上流部分では、手前側壁部418が配置されていない下流部分と比べて通過領域や当該通過領域を通過中の遊技球の視認性が低下している。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、上流側案内通路360を通じて合流箇所CPに到達した遊技球の挙動と、迂回通路370を通じて合流箇所CPに到達した遊技球の挙動との差を小さくすることにより、遊技球の挙動から何れの通路を通過した遊技球であるかを特定することを困難としている。しかしながら、このような対策を講じたとしても上記特定を回避する上では未だ改善の余地がある。本実施の形態に示すように、合流箇所CPを含む所定の範囲、例えば挙動にばらつきが生じ得る範囲で遊技球の視認性を低下させる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
下流側案内通路306の上流部分(視認性の低い部分:半透明領域)では通路が一条となるように形成されており、下流部分に向かう遊技球が全て同じ流路を経由する構成となっている。これに対して、下流側案内通路306の下流部分(視認性の高い部分:透明領域)では右作動入球ユニット85に向かう流路と、一般入賞口81に向かう流路とに分岐している。合流した遊技球が再び複数の流路に分かれる構成とすることで、視認性の高い下流部分を通過する遊技球と、上流側案内通路360を通過した遊技球との数の差を目立ちにくくしている。言い換えれば、流路に分岐が無く遊技球の数の差が目立ちやすい上流部分では視認性を引き下げておく構成としたことは、上記差が遊技者に違和感を与える要因になることを抑制する工夫である。
合流箇所CPにおいて遊技球の移動方向を変え移動速度を低下させることで遊技球の密集度合いを高くしている点では上記第1の実施の形態と同様である。本実施の形態においては、密集度合いを一層高めるべく、下流側案内通路306の上流部分(詳しくは合流箇所CP)に当該下流側案内通路306の通路方向における遊技球の移動速度を低下させる「減速部」が設けられている。ここで、図20(a)を参照して、「減速部」の具体的な構成について説明する。
第2可変入賞装置83の奥側壁部417及び手前側壁部418には、通路内側に突出する突条部417a,418aが形成されている。突条部417a,418aは鉛直方向に延びており、遊技球が突条部417a,418aに衝突した際の遊技球の浮き上がりが抑制されている。
奥側壁部417と手前側壁部418の突条部418a(手前側突条部418a)との隙間寸法D1は、遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定され、手前側壁部418と奥側壁部417の突条部417aとの隙間寸法D2についても遊技球の直径寸法Dよりも大きくなるように設定されている。奥側突条部417aは下流側案内通路306の通路方向にて遊技球の直径寸法Dよりも大きな隙間を隔てて複数(本実施の形態では2つ)配列されており、それら奥側突条部417aの中間に位置するようにして手前側突条部418aが配置されている。これにより、合流箇所CPにおける遊技球の流下経路が下流側案内通路306の傾斜方向に対して前後に蛇行するように工夫されている。
なお、奥側突条部417aの突出量と手前側突条部418aの突出量と遊技球の直径寸法Dとを足した場合には、下流側案内通路306の前後方向における通路幅よりも大きくなるように構成されている(D3 < D)。これにより、遊技球が突条部640との衝突を回避するようにして合流箇所CPを駆け抜けることが回避されている。
合流箇所CPを通過し下流側の上面部414に移った遊技球は、当該上面部414の傾斜によって加速する。このように、下流側案内通路306には当該下流側案内通路306の通路方向にて遊技球を減速させる減速区間と、加速させる加速区間とが前者が上流側且つ後者が下流側となるように形成されている。
図20(b)に示すように、下流側案内通路306の合流箇所CPにて遊技球が急激に減速され、且つその減速区間を通過するのにある程度の期間を要する。これにより、合流箇所CP周辺では遊技球の密集度合いを一層好適に向上させることができる。
ここで、既に説明したように上流側案内通路360には複数の流下経路が形成されており、流下経路毎に遊技球の通過に要する期間が相違している。このため、上流側案内通路360を通過して合流箇所CPへ流入するタイミングにもばらつきが生じる。仮に、迂回通路370を通過した遊技球が合流箇所CPへ流入するタイミングにて当該合流箇所CPに先行する遊技球(上流側案内通路360を通過した遊技球)が存在していない場合には、当該遊技球を紛れこませることができなくなる。本実施の形態においては、減速区間の通過に要する期間は2sec、詳しくは遊技球の発射インターバル期間(0.6sec)に上記流路毎の通過期間のばらつきを加味した期間よりも長くとなっており、合流箇所CPに遊技球が存在しないといった事象を生じにくくしている。これにより、上記不都合の発生を抑制している。
なお、迂回通路370の出口部分373から合流箇所CPまでの区間については減速部を構成する突条部417a,418aの非配置区間となっている。つまり、出口部分373から流出した遊技球については、少なくとも合流箇所CPに到達するまで突条部417a,418aに接触することはない。これにより、出口部分373から流出した遊技球の合流箇所CPへの速やかな移動を実現し、出口部分373付近での遊技球のもたつきを抑制している。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
上流側案内通路360を通過した遊技球と迂回通路370を通過した遊技球とを下流側案内通路306にて合流させる構成においては、合流箇所CPにおける遊技球の挙動等から迂回通路370を通過した遊技球が目立ってしまうと、迂回通路370をどの程度の遊技球が通過したかを特定することが容易になり得る。迂回通路370を通過した遊技球の特定が容易になることは、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与える要因になり、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになると懸念される。
この点、本実施の形態に示すように、下流側案内通路306に視認性の異なる2つの領域(透明領域/半透明領域)を設け、比較的視認性が低い半透明領域にて遊技球が迂回通路370から流出する構成とすれば、遊技球を合流させる際に、遊技球の出所を特定することが難しくなる。このようにして、第1可変入賞装置82に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、第1可変入賞装置82へ発射された遊技球が効率よく当該第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特に、本実施の形態においては、合流箇所CPと迂回通路370の出口部分373とに跨がる部分が上記半透明領域となっているため、迂回通路370を通過した遊技球を上流側案内通路360を通過した遊技球に合流させる場合に、どの遊技球が迂回通路370を通過したものであるかを一層分かりづらくすることができる。
上流側案内通路360にて複数の流下経路に分かれた遊技球が下流側案内通路306にて合流する構成とした場合、その合流箇所にて遊技球の密集度合いを高くすることができる。迂回通路370を通過した遊技球をその合流箇所CPに紛れ込ませる構成とすれば、視認性が低下している部分で上流側案内通路360を通過した遊技球と迂回通路370を通過した遊技球とが混ざることとなり、半透明領域から脱した遊技球がいずれの通路を通過したものかを特定することを一層困難とすることができる。
このような構造を独自に構築した場合には、それが不自然を招き遊技者に違和感を与える要因になり得る。しかしながら、本実施の形態に示すように第1可変入賞装置82を横長状として、当該第1可変入賞装置82に向かう遊技球の流下経路を複数設けることで、第1可変入賞装置82への入球態様を多様化する構成との組み合わせによれば、上述した不自然さを好適に緩和することができる。
半透明領域から透明領域に移る遊技球が複数の流下経路に分かれる構成とすれば、所定位置に向けた遊技球の動きを見せつつも下流側案内通路306を通過した遊技球の数の特定が難しくなる。これにより、迂回通路370をどの程度の遊技球が通過しているかを算出又は推定されることを抑制することができる。
第1可変入賞装置82に入らなかった遊技球を右作動入球ユニット85に向けて案内する構成とすれば、第1可変入賞装置82への入球が回避された遊技球への注目が急速に低下することを抑制できる。ここで、右作動入球ユニット85に向けて移動する遊技球の挙動が経由した通路によって大きく異なってしまった場合には、第1可変入賞装置82への入球態様からどの程度の遊技球が迂回通路370を経由しているかを特定することが可能となる。これは、上述した各種効果を発揮させる上で妨げになると想定される。この点、本実施の形態に示したように、下流側案内通路306の上流部分を半透明領域、下流部分を透明領域として、合流後に遊技球が同じように移動する距離を稼ぐ構成とすれば、経由した通路による遊技球の挙動の違いを好適に緩和することができる。
上述したタイプの遊技機においては遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つである。このため、本来であれば視認性が低くなる半透明領域についてはできるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、上流側案内通路360を通過した遊技球に迂回通路370を通過した遊技球を目立たないようにして合流させる上では、合流箇所CPにてできるだけ多くの遊技球を確保することが好ましいため、このような機能を重視すれば半透明領域が大きくなると懸念される。この点、下流側案内通路306にて半透明領域に位置している部分に減速部(突条部417a,418a)を形成し、下流側案内通路306に沿った遊技球の移動を妨げる構成とすれば、合流箇所CPにおける遊技球の密集度合いを高くすることができる。これにより、上記各種効果を享受する上で半透明領域の広域化を抑え、遊技機本来の興趣が低下することを好適に抑制できる。
また、下流側案内通路306にて遊技球の視認性を確保すれば、球詰まり等の確認作業を行う際の作業効率の低下を抑制することができる。しかしながら、視認性を確保することで、遊技者が遊技球を目で追うことも可能となるため、迂回通路370を通過した遊技球を目視で特定しやすくなる。このような事情に鑑みれば、本実施の形態に示したように減速部を用いて遊技球の密集度合いを高くし、個々の遊技球が目立つことを抑制することは、視認性を確保しつつ零れ球が目につくことを抑制できるという技術的意義がある。
遊技者の目線等が体格や姿勢等によってある程度ばらつく点に鑑みれば、遊技盤80aから半透明領域を規定する構成(手前側壁部418)までの距離が嵩むほど半透明領域に加味する余裕代を大きくする必要がある。しかしながら、既に説明したように遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つである点に鑑みれば、半透明領域については極力小さくすることが好ましい。このような事情に配慮した場合、半透明領域を規定する構成(手前側壁部418)を遊技盤80aに配設することには、例えば前扉枠14等に手前側壁部418に相当する構成と配設する場合と比較して、半透明領域の無駄な広がりを好適に回避できる。
前後方向に移動するシャッタ83bによって大入賞口83aを開閉するタイプの第2可変入賞装置83においては、シャッタ83bが閉位置に移動する際に当該シャッタ83bによって押された遊技球が遊技機前方へ移動し得る。遊技機にはガラスパネル23が配設され、押された遊技球についてはガラスパネル23に当たって遊技領域PEからの離脱が回避されることが一般的である。ここで、複数の流路を通過した遊技球が合流する箇所では遊技球同士が衝突する等して遊技球の挙動が乱れやすくなる。特に、遊技盤80aの厚さ方向にて遊技球が移動可能な範囲が大きくなっている場合には上記挙動の乱れが大きくなる。これは、球詰まり等を招く一因になる。そこで、本実施の形態に示すように、第2可変入賞装置83を構成する手前側壁部418を第1可変入賞装置82側に延出させて合流箇所CPにおける遊技球の位置ばらつき(前後方向における位置ばらつき)を軽減すれば、当該合流箇所CPにおける球詰まり等の発生を好適に抑制できる。そして、この延出部分について視認性を低下させるような加工(詳しくは装飾)等を施すことにより、遊技領域PEに配設される構成が過度に複雑化することを回避できる。
減速部(突条部417a,418a)を用いて合流箇所CPにおける遊技球の密集度合いを高める構成においては、合流箇所CPにて遊技球の流れが不自然に変化することが違和感の要因になり得る。この点、下流側案内通路306を通過する遊技球が第2可変入賞装置83の大入賞口83a付近にて減速される構成とすれば、当該減速によって第2可変入賞装置83の大入賞口83aが開放された際の流入率が高くなる。このように、減速部に第2可変入賞装置83への入球補助手段としての機能を付与することにより、単に合流箇所CPにて遊技球を減速する構成とは異なり、遊技球の流れが不自然に変化する場合であっても、遊技者の注目が特定位置に向きやすくなることを抑制できる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、右ルートに発射された遊技球の逃がしを遊技者の目につきにくくするための具体的な構成が上記第1の実施の形態と相違している。以下、図21を参照して、当該工夫について説明する。図21は右ルートの下側拡張部305周辺を示す遊技盤80aの部分拡大図である。なお、第1の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。
下側拡張部305において上流側案内通路360を挟んで迂回通路370とは反対側となる部分、すなわち上流側案内通路360よりも遊技領域PEの中央側となる部分には、右ルートを流下する遊技球を第1可変入賞装置82への入球が回避されるように迂回させる迂回通路380が形成されている。以下の説明では便宜上、上流側案内通路360の右側(外側)に位置する迂回通路370を「右迂回通路370」、上流側案内通路360の左側(中央側)に位置する迂回通路380を「左迂回通路380」と称する。
左迂回通路380の入口部分382は、上流側案内通路360の途中位置にて当該上流側案内通路360と通じており、上流側案内通路360を流下する遊技球の一部が当該入口部分382に流入可能となっている。迂回通路380の出口部分383は、第1可変入賞装置82の左方に位置している。出口部分383から流出した遊技球は、下流側案内通路306において上記合流箇所CPよりも下流側となる部分に流入し、上流側案内通路360を通過した遊技球や迂回通路370を通過した遊技球とともに右作動入球ユニット85等へ案内される構成となっている。
左迂回通路380は、流入した遊技球を第1可変入賞装置82を迂回するようにして下流側案内通路306へ案内し、当該第1可変入賞装置82への入球を回避させる点では右迂回通路370と同様の機能を有しているものの、当該機能を発揮するための具体的な構成が右迂回通路370と相違している。ここで、図22の概略図を参照して、右迂回通路370と左迂回通路380との違いについて補足説明する。
右迂回通路370の入口部分372が上流側案内通路360の入口部分付近に配設されていたのに対して、左迂回通路380の入口部分382は上流側案内通路360の出口部分付近、すなわち第1可変入賞装置82の近傍に配設されている。つまり、右迂回通路370の入口部分372から第1可変入賞装置82までの距離L1よりも左迂回通路380の入口部分382から第1可変入賞装置82までの距離L2の方が短くなっている。このため、第1可変入賞装置82に注目している状態では、右迂回通路370の入口部分372と比較して、左迂回通路380の入口部分382の方が視界に入りやすくなっている。特に、下側拡張部305の下部には、第1可変入賞装置82及び一般入賞口81が配置されており、それら第1可変入賞装置82及び一般入賞口81の近傍に左迂回通路380の入口部分382を配設することにより、遊技者の視線がそれら3者に向きやすくなっている。
右迂回通路370の入口部分372の大きさ(W1)が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられているのに対して、左迂回通路380の入口部分382の大きさ(W2)は遊技球の直径寸法の2倍よりも僅かに小さくなるように設定されている。大きさだけで比較した場合には、右迂回通路370の入口部分372よりも左迂回通路380の入口部分382の方が遊技球の通過が容易である。
右ルートは、縦方向に延びており遊技球が自重によって上方から下方へ移動する。右迂回通路370の入口部分372は斜め上方を向いているのに対して、左迂回通路380の入口部分382は斜め下方を向いている。より詳しくは、右迂回通路370の入口部分372の水平線に対する傾斜角度(ANG1)と比較して、左迂回通路380の入口部分382の水平線に対する傾斜角度(ANG2)は小さくなっている。また、右迂回通路370の入口部分372の周辺(上流側)には、右ルートにおける主たる流路(傾斜通路333)が形成されていたのに対して、左迂回通路380の入口部分382は右ルート(上流側案内通路360)の主たる流路から外れた位置に配設されている。詳しくは上流側案内通路360にて遊技球の通過頻度が最も高い流路Hについては当該上流側案内通路360の右側領域(仕切壁部350寄りとなる位置)に形成されており、上流側案内通路360に流入した遊技球のうち左迂回通路380の入口部分382が形成されている流路を通過する遊技球の数についても少なくなっている。
総じて、左迂回通路380の入口部分382への入球確率は、右迂回通路370の入口部分372への入球確率よりも低くなっている。因みに、右迂回通路370の入口部分372については、入球確率がおよそ1/10となっており、開閉実行モード中はラウンド毎におよそ1個の遊技球が入球することとなる。これに対して、左迂回通路380の入口部分382については、入球確率がおよそ1/500となっており、1度の開閉実行モード(特別遊技状態)にておよそ1個の遊技球が入球する程度となっている。このように、右迂回通路370と左迂回通路380とを比較した場合には、明らかな入球確率の差が設けられている。つまり、本実施の形態においては、2つの迂回通路370,380が併用されているものの、主たる逃がしについては右迂回通路370に依存しており、左迂回通路380については逃がしの機能を有しはいるものの、その寄与率が極めて低くなっている。
迂回通路370,380に流入した遊技球については第1可変入賞装置82への入球が回避される。右迂回通路370の入口部分372と、左迂回通路380の入口部分382とを比較した場合には、後者よりも前者の方が入球確率が高くなっている。但し、入球確率の低い左迂回通路380についてはその全体が非重複領域(透明領域)に位置していいるのに対して、入球確率の高い右迂回通路370についてはそのほとんどが重複領域(低認識領域)に位置している。より詳しくは、右迂回通路370についてはそのほぼ全域が前扉枠14のランプ部26と重なる位置(重複領域)に位置している。このため、右迂回通路370についてはランプ部26を通じて視認可能ではあるものの、ランプ部26によって覆われていない非重複領域と比べて視認性が低下しており、右迂回通路370については視認困難となっている。また、右迂回通路370の入口部分372には、当該入口部分372を構築している一対の遊技釘331U,331Lのうち一方がランプ部26に隠れており、隠れていない一方の遊技釘331Lが他の遊技釘331に紛れることも相まって入口部分372の識別が難しくなっている。これに対して、左迂回通路380についてはその全域が非重複領域に位置しており、視認性が高くなっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(左迂回通路380の入口部分382)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(左迂回通路380の入口部分382)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい左迂回通路380へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、右ルート(第1可変入賞装置82)へ発射された遊技球が効率よく当該第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
上述した技術的思想を具現化する上では、例えば入口部分を別に設け迂回通路自体は共用とすることも可能である。しかしながら、このような構成では、遊技者が入球の発生しにくい(見かけ上は入球が発生しやすそうな)入口部分付近に注目している状況下にて、迂回通路を遊技球が通過することで、他の入口部分への入球が多く発生していることへ目が向きやすくなると懸念される。この点、本実施の形態に示すように、右迂回通路370と左迂回通路380とを別々に設けることにより、そのような不都合を生じにくくすることができる。
2つの迂回通路370,380を上流側案内通路360の左右両側に引き離して配置することにより、左迂回通路380の入口部分382に遊技者が注目している状況下にて、右迂回通路370を遊技球が通過した場合に、当該遊技球が遊技者の目につくことを好適に抑制できる。
遊技球の通過頻度が高低相違する右迂回通路370及び左迂回通路380のうち、通過頻度の低い左迂回通路380を非重複領域に配設し且つ通過頻度の高い右迂回通路370を重複領域に配設することにより、遊技者の注意が右迂回通路370に向くことを抑制できる。このようにして、遊技球の逃がしを目立ちにくくさせることで、上記各種効果を好適に発揮させることができる。
第1可変入賞装置82への入球によって賞球の払い出し(特典)が遊技者に付与される構成においては、特典取得に期待する遊技者の注目は入球部及びその周辺に向きやすい。第1可変入賞装置82の近傍(詳しくは上流側)に左迂回通路380の入口部分382を設け、当該入口部分382への流入によって入球部への入球が回避される構成とすれば、遊技者の注目は第1可変入賞装置82及び入口部分382に向きやすくなると想定される。左迂回通路380の入口部分382については右迂回通路370の入口部分372よりも入球確率が低く、多くの遊技球が第1可変入賞装置82へ向かうこととなる。これにより、第1可変入賞装置82へ向かう遊技球のほとんどがそのまま第1可変入賞装置82へ入球しているように見せることができ、上記逃がしを目立ちにくくすることができる。
2つの迂回通路370,380を併用する場合には、各入口部分372,382が同時に視界に入ることで上述した各種効果が上手く発揮されなくなると想定される。例えば、両入口部分372,382を大きく引き離して配置すれば、そのような不都合を抑制することができるものの、入口部分の位置関係(距離関係)に係る制約が強くなることは流下経路等の配置自由度を低下させる要因になるため好ましくない。ここで、縦横で比較した場合、人の視野は横よりも縦に狭い。そこで、本実施の形態に示したように、上下方向にて入口部分372,382を離して配置することで両入口部分372,382の位置関係(距離関係)に係る制約を抑えつつ、上記各種効果を好適に発揮させることが可能となる。
遊技領域PEの中央に図柄表示装置253が配設されているタイプの遊技機においては、遊技者の注目が図柄表示装置253に向きやすい。ここで、本実施の形態に示したように遊技機中央側に視線誘導用の迂回通路(左迂回通路380)を配設し且つ主たる逃がしを行う迂回通路(右迂回通路370)を外側に配設すれば、図柄表示装置253及び第1可変入賞装置82の間で視線を移動させる際に迂回通路380の入口部分382及びその周辺を遊技者の視界に入りやすくし、そのような視線の移動に際して迂回通路370及びその周辺を遊技者の視界に入りにくくすることができる。
右ルートが遊技機側方(右側)に凸となるようにして曲がっており、第1可変入賞装置82に入らなかった遊技球が遊技機中央側の右作動入球ユニット85等へ向けて移動する構成においては、本実施の形態に示すように遊技領域中央側に視線誘導用の迂回通路(左迂回通路380)を配設し且つ主たる逃がしを行う迂回通路(右迂回通路370)を外側に配設すれば、右作動入球ユニット85及び第1可変入賞装置82の間で視線を移動させる際に迂回通路380の入口部分382及びその周辺を遊技者の視界に入りやすくし、そのような視線の移動に際して迂回通路370及びその周辺を遊技者の視界に入りにくくすることができる。
<第4の実施の形態>
上記第3の実施の形態では、上流側案内通路360に形成された複数の流路のうち、遊技球の通過頻度が高い主たる流路Hを右迂回通路370に沿って形成し、それとは反対側となる位置に左迂回通路380の入口部分382を配設した。本実施の形態においては、上流側案内通路360にて遊技球の通過頻度が高い主たる流路と左迂回通路380の入口部分382との関係が第3の実施の形態と相違している。以下、図23の概略図を参照して、第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
上流側案内通路360に、複数の流路が形成されている点では第3の実施の形態と構成が一致しているものの、遊技釘361の配置が変更されており、遊技球の主たる流路が上流側案内通路360の左半分(左側領域)に集約されている。具体的には、上流側案内通路360には、当該上流側案内通路360の入口部分を構成する陥欠部336,337から左迂回通路380の入口部分382側に下り傾斜となるように複数の遊技釘361Sが配列されており、これら遊技釘361Sによって流路Fが形成されている。
流路Fについては、その最下流部分にて第1可変入賞装置82へ向かう流路と、左迂回通路380の入口部分382に向かう流路とに分岐している。上流側案内通路360に流入した遊技球のほとんどは、流路Fを通過し、上記分岐位置にて第1可変入賞装置82に向かうものと左迂回通路380に向かうものとに分かれる。
迂回通路370,380に流入した遊技球については第1可変入賞装置82への入球が回避される。このような遊技球の動き遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、右迂回通路370の入口部分372は左迂回通路380の入口部分382よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆、すなわち右迂回通路370の入口部分は実質的に入口部分と認識されにくくなっており、左迂回通路380の入口部分が実質的な入口部分と認識されやすくなっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(左迂回通路380の入口部分382)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(左迂回通路380の入口部分382)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい迂回通路380へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、右ルート(第1可変入賞装置82)へ発射された遊技球が効率よく当該第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
流路Fを通過する遊技球は、下流側への移動に伴って右迂回通路370から遠ざかることとなる。このような流れとすれば、可変入賞装置82や左迂回通路380を注視している遊技者の注目が右迂回通路370に向くことを好適に抑制できる。
遊技球が主として流下する流路Fに沿う位置に左迂回通路380の入口部分382を形成することで、遊技者に当該流路F及び入口部分382への注目を促すことができる。このようにして、実際に遊技球の逃がしが多く発生し得る箇所(右迂回通路370の入口部分372)について遊技球の動きが目につくことを抑制することにより、第3の実施の形態に示した各種効果を好適に発揮させることができる。
<第5の実施の形態>
上記第1実施の形態においては、右迂回通路370を前扉枠14の窓部21を囲むようにして設けられたランプ部26の背後に配置することで、右迂回通路370を通過する遊技球の視認性を低下させる構成とした。遊技機においては保全や防犯等の理由から目視による確認作業が行われる場合がある。例えば、遊技領域PEにて球詰まり等が発生している場合には、これを早期に発見/解消することで遊技ホールや遊技者が不利益を被ることを好適に抑制できる。このような確認作業を行う際に迂回通路370の視認性が低くなっていては、作業効率の向上の妨げになると懸念される。つまり、第1の実施の形態等に示したように、遊技球の逃がしを目立ちにくくして遊技者の満足度の向上を図ることと、確認作業等の効率化を図ることとを両立する上ではその構成に改善の余地がある。本実施の形態においては、このような事情に鑑みた工夫がされていることを特徴の1つとしている。以下、図24を参照して当該工夫について説明する。図24はランプ部26と遊技盤ユニット80との関係を示す水平断面図である。なお、第1の実施の形態と共通となっている各種構成については説明を援用する。
ランプ部26は、略平板状のベース体450と遊技機前方に凸となるように形成されたランプカバー460とが組み合わされてなり、ベース体450が前扉枠14の枠体20に固定されることで当該枠体20に一体化されている。
ランプカバー460は遊技機後方に開放されており、この開放部分がベース体450によって後方から覆われている。ベース体450及びランプカバー460によって囲まれた領域に、複数の発光体454(LED)が実装されてなる発光基板453が収容されている。発光基板453は遊技機側方(外側)に偏倚するようにオフセットして配置されており、遊技機正面視にて上述した迂回通路370との重なりが回避されている。つまり、遊技機正面視にて、迂回通路370と発光基板453とが前者が遊技機中央側、後者が外側となるように並んでいる。ベース体450及びランプカバー460が光透過性を有しているのに対して発光基板453は光透過性を有していないため、上記横並びの配置とすることで発光基板453が迂回通路370の視認の妨げになることを回避している。
ここで、発光基板453の取付構造について補足説明する。ベース体450は、ランプカバー460用のホルダ部材451と、発光基板453用の台座452とが積層されてなる。台座452の背面部分に発光基板453が固定されており、この固定された状態では発光基板453の素子搭載面が遊技機正面側を向いている。台座452には複数の貫通孔が形成されており、これら貫通孔を介して発光体454が前方に突出している。
より詳しくは、台座452は、遊技機中央側から外側に向けて前方に傾くように傾斜しており、この台座452に固定された発光基板453についてもその素子搭載面が遊技機正面側且つ遊技機中央側を向くように斜めに傾いている。上述したように、ランプ部26の内部においては、迂回通路370との関係によって発光基板453の大きさや配置が制限されている。発光基板453を斜め前方に傾けて配置することで、発光基板453の大きさ等に係る制約を緩和している。
台座452の前面部には、導光手段としてのレンズ455が取り付けられている。発光体454は左右に並べて配置されており、レンズ455はそれら発光体454の一部に対応しており、光の照射方向を遊技機前方となるように規制する機能を有している。
ランプカバー460は、内カバー部材471と外カバー部材481とが重ねあわされてなる2重構造となっている。内カバー部材471は、遊技機中央側を向く内側の側壁部475と、遊技機前方を向く前面部476と、遊技機側方を向く外側の側壁部477とを有してなり、外カバー部材481は、遊技機中央側を向く内側の側壁部485と、遊技機前方を向く前面部486と、遊技機側方を向く外側の側壁部487とを有してなる。内カバー部材471の外周部(側壁部475,477)には段部478が形成されており、ランプカバー460の強度の向上が図られている。
内カバー部材471の側壁部475,477には発光体454からの光を拡散する拡散手段として、微細な凹凸からなる光拡散部479が形成されている。発光体454からの光は光拡散部479に照射されることで拡散されるため、側壁部475,477が発光しているように見える。なお、前面部476については光拡散部の非配設領域となっている。このため、当該前面部476を通過する光の強度は側壁部475,477を通過する光の強度よりも高くなる。
内側の側壁部475,485については、斜め前方を向くように湾曲している(傾斜している)。側壁部475,485の前後寸法(L)と、左右寸法(W)とを比較した場合には、後者よりも前者の方が大きくなっている。つまり、内側の側壁部475,485は、遊技機前方を向く成分よりも遊技機中央側を向く成分の方が大きくなるように形成されている。
遊技機正面視においてこれら内側の側壁部475,485の後方に迂回通路370が位置している。発光体454からの光が内側の側壁部475,485に照射されると、内側の側壁部475にて迂回通路370と前後に重なっている特定領域SEを含む所定の範囲が発光することとなる。
発光体454については、遊技機中央側から外側に発光体454A→発光体454B→発光体454C→発光体454Dの順に配列されており、遊技状況に応じて発光対象が切り替わる構成となっている。中央側の発光体454A,454Bは、内側の側壁部475,485、前面部476,486、外側の側壁部477,487に光を照射する構成となっており、上記特定領域SEがその照射範囲に含まれている。これに対して、外側の発光体454C,454Dは、上記レンズ455によってその照射範囲が主として前面部476,486となるように制限され、上記特定領域SEが光の照射範囲から外れている。
図25(a)の概略図に示すように、発光体454C,454Dが発光している状態では、光が主として前面部476,486から射出されるため、発光強度が高くなる。このような発光態様としている場合には、上記特定領域SEの発光は回避される。図25(b)の概略図に示すように、発光体454A,454Bが発光している状態では、光が特定領域SEに照射される。これにより、迂回通路370の前方に光の壁が出現し、迂回通路370の反射光が特定領域SEからの光に紛れることで、迂回通路370の視認性が低下することとなる。
本実施の形態においては、遊技状況に応じて発光対象となる発光体454が切り替えられる構成となっている。以下、図25(a)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置255のMPUにて実行される発光制御用の設定処理について説明する。発光制御用設定処理は、MPUにおける定期処理の一環として実行される処理である。
発光制御用設定処理においては先ず、ステップS101にて開閉実行モードツウ又は高頻度サポートモードの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、左ルート及び右ルートのうち、前者に向けて遊技球を発射することにより遊技を有利に進めることができる状況に切り替わったタイミングであるか否かを判定する。ステップS101にて肯定判定をした場合には、ステップS102に進む。
ステップS102では発光対象制御を実行する。これにより、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、発光体454A〜454Dのうち発光体454A〜454Bが発光対象から外れることとなる。つまり、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、特定領域SEへの光の照射が回避される。
ステップS101にて否定判定をした場合、すなわち開閉実行モード又は高頻度サポートモードの終了タイミングであると安定した場合には、ステップS103に進む。ステップS103では開閉実行モード又は高頻度サポートモードの開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS103にて否定判定をした場合には、そのまま本発光制御用設定処理を終了する。ステップS103にて肯定判定をした場合には、ステップS104に進む。
ステップS104では制限解除処理を実行する。これにより、開閉実行モード中又は高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、全ての発光体454A〜454Dが発光対象となる。
本実施の形態におけるランプ部26については、遊技進行に伴って発光演出を行う演出機能と、作動入球ユニット84,85や可変入賞装置82,83への入球に基づいて遊技者に特典(賞球)が付与される場合にそれを報知する報知機能とが付与されている。ここで、図26(b)を参照して、ランプ部26の発光態様について例示する。
低頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、発光対象が発光体454C〜454Dとなるように制限されている。この遊技状態では、リーチ表示等の特定の演出が行われる場合や作動入球ユニット84,85への入球が発生した場合に発光体454C〜454Dが点灯/点滅する。
作動入球ユニット84,85への入球に基づく抽選により大当たり結果となり、開閉実行モードへ移行すると、発光対象が発光体454A〜454Dに切り替わる。この状況下においては、可変入賞装置82,83への入球が発生した場合に発光体454C〜454Dが点灯/点滅する。また、開閉実行モード中は発光体454A,454Bが交互に点灯することにより、開閉実行モードに対応した発光演出が実行される。なお、発光体454A〜454Bの詳細な発光態様については高頻度サポートモード対応の通常遊技状態と差別化されている。
発光体454Aの点灯期間と発光体454Bの点灯期間とは一部が重複しており、特定領域SEへの光の供給が継続する。詳細には、発光体454Aによる光の照射範囲と発光体454Bによる光の照射範囲とは異なっているものの、何れの照射範囲についても上記特定領域SEを含んでいる。このため、開閉実行モード中は、特定領域SEへの光の供給が途切れることが回避される。
以上詳述した第5の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1可変入賞装置82が受入状態となる状況下(開閉実行モード)においては、当該第1可変入賞装置82を狙って遊技球を発射することにより遊技を有利に進めることができる。このような状況下にて第1可変入賞装置82に入らない遊技球(零れ)が目につくことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。開閉実行モード中は、当該開閉実行モード用の発光演出が実行され、ランプ部26の特定領域SEが発光することで、ランプカバー460を通じた迂回通路370の視認性が低下する。これにより、迂回通路370を通過する遊技球が見えづらくなり、上記零れを目立ちにくくすることができる。第1可変入賞装置82(右ルート)へ向けて発射された遊技球が効率よく当該第1可変入賞装置82へ入球しているかのように見せることができるため、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
零れ球を目につきにくくする上では、例えば迂回通路370を完全に視認不可とする等の対策も可能である。しかしながら、迂回通路370を視認不可とすることは球詰まり等の確認作業の作業効率を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、低頻度サポートモード対応の通常遊技状態となってランプ部26の発光態様が当該通常遊技状態用の発光態様となることで迂回通路370の視認性が回復する。故に、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した作業性の低下を好適に抑制できる。
ランプカバー460は、遊技機前方に凸となっており、遊技機中央側の側壁部475は斜め前方を向き且つ前記迂回通路の前方に位置している。遊技機正面側から側壁部475を通じて迂回通路370を見ようとすれば、側壁部475を通過して遊技者の目に届く光(反射光)は側壁部475における光路が長くなることで拡散されやすくなる。ここで、発光体454A〜454Bから側壁部475に光が照射されると、発光体454A〜454Bからの光に紛れて上述した反射光がわかりづらくなる。光路における何れかの位置にて発光体454A〜454Bからの光が紛れさえすればよいため、視差等のばらつきが生じる場合であっても、視認性の低減効果を好適に発揮することができる。
特に、側壁部475については斜め前方を向いているため、例えば遊技盤80aの前面に対して側壁部475が垂直になる構成と比較して、側壁部475の薄型化を図りつつ上記低減効果を発揮させることができる。光拡散部479については側壁部475の肉部よりも表面部に形成する方が容易且つ配置自由度が高くなり、薄型化によって表面部への光拡散部479の配設を促進できるため、実用上好ましい構成が実現できる。
内カバー部材471の側壁部475(特定領域SE)には段部478が形成されており、内カバー部材471は段部478が迂回通路370の前方に位置するように配置されている。側壁部475に形成された補強用の段部478においては側壁部475の形状の変化によって光が屈折、拡散しやすい。そこで、上述の如く段部478を迂回通路370の前方に配設すれば、特定領域SEを発光させることで背後に位置する迂回通路370の視認性を引き下げる効果を一層好適に発揮させることができる。
ランプカバー460は、複数のカバー部材471,481を前後に重ねて構成されており、このうち内側のカバー部材471が上記段部478の配設対象となっている。外側のカバー部材481については遊技者等が直接触れる部位であり且つ外観に直結する部位でもあるため、補強用の段部を設ける上で制約が生じやすい。また、上記視認性の引き下げを実現する上でランプカバー460の位置に制約が生じることは好ましくない。そこで、本実施の形態に示したように、内側のカバー部材471に段部478を設ける構成とすれば、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
発光基板453が迂回通路370よりも遊技機外側に配置されているため、発光基板453自体が迂回通路370の視認の妨げになることを回避できる。発光基板453からの光は迂回通路370の前方を横切るようにして遊技機中央側に照射される。迂回通路370の前方には光拡散部479が配設されており、この光拡散部479にて光が拡散されることで、上記低減効果が発揮される。このような構成とすることにより、発光基板453の存在が上記確認作業の妨げになることを好適に抑制できる。
発光によって迂回通路370の視認性を低下させる場合、例えば発光体454A〜454Bを常時点灯させる構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成では発光演出機能が低下する。この点、複数の発光体454A〜454Bの発光期間の一部が重複するようにして光の照射が継続される構成とすれば、発光演出の多様化を図りつつ、迂回通路370を目立ちにくくさせる効果を好適に発揮させることができる。
数の発光体を用いて発光対象を切り替える場合には、特定領域SEに照射される光量に偏りが生じ得る。光量が少ない部分では発光レベルが下がることで、背後の迂回通路の視認性を低下させる機能が上手く発揮されなくなると想定される。このような事情は、迂回通路370の通路方向に並んだ複数の発光体について発光対象の切り替えを行った場合に発生しやすい。この点、本実施の形態においては、発光体454A〜454Bは、迂回通路370の通路方向と交差する方向に並んでおり、開閉実行モード又は高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、それら交差する方向に並ぶ複数の発光体454A〜454Bの発光期間を一部重複させるようにして発光制御を行う構成となっている。このような構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、遊技球の流れを遅くすることで遊技球群の密集度合いを高くしている領域(中間部304)にて一部の遊技球を迂回通路370へ流入させる構成とした。このような構成を実現する上で、中間部304を複数の流路が合流する合流箇所とした(流路の数が多→少となる構成とした)が、これに限定されるものではない。遊技球の移動速度を低下させる等して迂回通路370の入口部分372付近に遊技球群の密集度合いが高い領域を形成することができるのであれば足り、流路の数を変化させる構成と併用する必要は必ずしもない。
また、上記実施の形態では、右ルートにおける流路が減少する領域(中間部304)にて一部の遊技球を迂回通路370へ流入させる構成とした。このような構成を実現する上で流路の合流箇所にて遊技球を減速させる通路構造(傾斜通路333)を有する構成としたが、少なくとも流路の数の減少によって遊技球間の距離を多様化できるのであれば足り、合流箇所にて遊技球を減速させるか否かについては任意である。
(2)上記各実施の形態では、上側拡張部303を流下した遊技球が傾斜通路333の通路方向にずれた複数の位置にて当該傾斜通路333へ落下する構成としたが、これに限定されるものではない。傾斜通路333については、遊技球を案内通路360と迂回通路370とに振り分ける機能が付与されているのであれば足り、通路方向における複数の位置にて遊技球を受ける球受け部としての機能については省略することも可能である。例えば、上側拡張部303を流下した遊技球が傾斜通路333へ移る際の流入箇所を所定箇所(例えば傾斜通路の最上流部分)となるように統一する構成としてもよい。
上記分岐部302及び上側拡張部303においては、各流路を遊技球が通過するのに要する通過所要期間に差を設け、遊技球を傾斜通路333にて再集合させる際に遊技球の追いつきや追い越し等を発生させる構成としたが、少なくとも遊技球同士の距離を変化させること(好ましくは縮めること)ができるのであれば足り、上述した追いつきや追い越しを必須とするものではない。
(3)内側分岐通路311(内ルート)及び外側分岐通路312(外ルート)によって分岐部302を構成し、遊技球発射機構110から右ルートに発射された遊技球が何れかの分岐通路311,312に流入する構成とした。内側分岐通路311を狙って発射された遊技球については、必ずしも内側分岐通路311に流入するとは限らず遊技球の動きのばらつきや操作量のばらつき等によって一部の遊技球が外側分岐通路312に流入し得る構成とすることにより、先行する遊技球と後続の遊技球との距離を様々に変化させるようにしたが、このような機能を強化する上では、内側分岐通路311と外側分岐通路312との分岐箇所に振分部材501を配設し、振分部材501の状態が変わることで遊技球の流入先が切り替わる構成とすることも可能である(図27(a)の概略図参照)。なお、図27(a)においては、遊技球の通過にともなって振分先が内側分岐通路311/外側分岐通路312に交互に切り替わる構成について例示しているが、振分部材501用の駆動部(モータ)等を別途設け、所定の周期で振分部材501が動作することで振分先が切り替わる構成とすることも可能である。
因みに、並列となる分岐通路の数については2つに限定されるものではない。通過所要期間に差が設けらているのであれば足り、3つ以上とすることも可能である。この場合、例えば所要期間を「長」「中」「短」で相違させる構成とし、「長」「中」「短」の順に遊技球を振り分ける構成としてもよい。
また、各分岐通路にて通過によする所要期間を相違させるための具体的な構成については任意であり、例えば各分岐通路にて遊技球の流下速度を統一する一方、通路長の相違によって所要期間に差が生じる構成とすることも可能である。
更には、上記実施の形態では、内側分岐通路311と外側分岐通路312とを比較した場合に、内側分岐通路311を通過した遊技球の方が外側分岐通路312を通過した遊技球よりもスルーゲート86への入賞確率が高くなるように構成したが、これを変更し、外側分岐通路312を通過した遊技球の方が内側分岐通路311を通過した遊技球よりもスルーゲート86への入賞確率が高くなるように構成としてもよい。
(4)上記各実施の形態では、傾斜通路333を1の遊技球のみが通過する場合と比較して、複数の遊技球がまとめて通過する場合の方が遊技球が迂回通路370へ流入する(零れが発生する)可能性が高くなるように構成した。具体的には、先行する遊技球が陥欠部336,337を通じて案内通路360へ流入するタイミングにて後続の遊技球が陥欠部336,337に到達した場合、先行する遊技球が障害となって陥欠部336,337への流入が回避され得る構成とした。このような構成においては、後続の遊技球の衝突時に先行している遊技球が下方へ押し込まれることで後続の遊技球の挙動が過度に大きく乱れることを抑制し、傾斜通路333に沿った移動を円滑なものとすることができる。但し、このように先行する遊技球によって後続の遊技球の移動を補助する構成においては、先行する遊技球が陥欠部336,337を通過する動きが刹那になっては、上記作用が発揮される機会が少なくなる。
このような事情に鑑みた場合、図27(b)の概略図に示すように、陥欠部336,337の下側に遊技球が通過可能な隙間を隔てて対峙し、遊技球を陥欠部336,337と交差する方向に案内するガイド部505,506を形成し、陥欠部336,337に流入した遊技球がガイド部505,506に沿って移動している最中は、陥欠部336,337への遊技球の流入が規制される構成とするとよい。これにより、上記実施の形態に示した構成と比べて、先行する遊技球による補助がなされる期間を長くすることができる。
(5)上記各実施の形態では、遊技球を迂回通路370の入口部分372へ案内する傾斜通路333を、センターフレーム92の壁面及び遊技釘331により形成したが、その具体的構成については任意である。例えば、遊技盤80aの前面から突出し且つ案内方向に延びる樹脂製の突条部を用いて傾斜通路を形成してもよい。
なお、上記実施の形態における迂回通路370においては、上流部分を高加速区間として下流部分を低加速区間として加速の度合いに差を設けたが、区間毎に加速度の差を設けるか否かは任意である。
(6)上記各実施の形態では、遊技球を迂回通路370の入口部分372へ案内する傾斜通路333が遊技領域PEの中央側から外側に向けて下り傾斜となるように形成したが、これを逆にすることも可能である。例えば、迂回通路370の入口部分372が遊技領域PEの中央側に位置している場合には、傾斜通路333を遊技領域PEの中央側に向けて下り傾斜させる構成とすることも可能である。
(7)上記各実施の形態では、迂回通路370が中間部304及び下側拡張部305に跨って延びる構成とし、当該迂回通路370の入口部分372を中間部304に配設したが、右ルートにて第1可変入賞装置82よりも上流側となる位置であれば入口部分372の具体的な位置については任意である。例えば、中間部304よりも更に上流側の上側拡張部303に入口部分372を配設したり、下側拡張部305に入口部分372を配設したりすることも可能である。
但し、遊技球の流下経路(流路)が多く設定された拡張部303,305では遊技球がばらばらに移動し、遊技球群の密集度合いが低くなる(疎になる)。このため、一部の遊技球が迂回通路370へ流入した場合、それが目立つと想定される。また、拡張部303,305においては遊技球の主たる流れが上から下に向かうため、側方に位置する迂回通路370の入口部分へ遊技球を素早く流入させることが難しくなると懸念される。これらの事情に鑑みた場合、流路が少なく且つ流下方向が斜め下方となる中間部304に迂回るうと370の入口部分を設けることには技術的意義がある。
(8)上記各実施の形態においては、迂回通路370の入口部分372の一部が前扉枠14(「扉体」に相当)のランプ部26に重なる構成としたが、図28の概略図に示すように、入口部分372全体がランプ部26に重なる構成、すなわち重複領域に位置する構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態では、迂回通路370に流入した遊技球が第1可変入賞装置82(「可変入球部」に相当)の下流側に案内される構成とすることで当該第1可変入賞装置82への入賞が回避される構成としたが、少なくとも第1可変入賞装置82への入賞を回避することができるのであれば足り、例えば迂回通路370に流入した遊技球を第2可変入賞装置83と右作動入球ユニット85との間に案内する構成としてもよいし、そのまま遊技領域PEから排出する構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、下側拡張部305を構成する案内通路360及び迂回通路370については、迂回通路370を流下する遊技球の視認性が案内通路360を流下する遊技球の視認性よりも低くなるように構成したが、少なくとも案内通路360と比べて視認性が低くなっているのであればよく、例えば迂回通路370を流下する遊技球を視認不可とすることも可能である。
また、上記実施の形態では、前扉枠14のランプ部26によって迂回通路370を覆う構成としたが、案内通路360と比べて視認性を低くする上では、その具体的構成については任意である。例えば内枠13の樹脂ベース70に迂回通路370を遊技機前方から覆う装飾部材(カバー部材)を設け、当該装飾部材によって迂回通路370に係る視認性を低下させる構成としてもよい。
(11)上記第1の実施の形態では、案内通路360の左方に迂回通路370を配設したが、これに限定されるものではない。例えば、案内通路360を挟んだ左右両側に案内通路を設けてもよい。
(12)上記各実施の形態では、迂回通路370にて入口部分372を含んだ上流部分が傾斜通路333と同じ方向に延びる構成とし、当該上流部分の長さを遊技球の直径寸法の2倍よりも長く設定したが、これに限定されるものではない。迂回通路370の入口部分372へ遊技球を勢いよく流入させる場合、流入した遊技球が迂回通路370内部(入口付近)でもたつくことを回避する上では上記上流部分が遊技球の直径寸法よりも長くなっているのであれば足りる。例えば、迂回通路370の入口部分372に遊技球が連続して向かう場合には、1の遊技球が向かう場合と比較して、遊技者の目につきやすくなる。そこで、上記上流部分の長さを遊技球の直径寸法よりも僅かに大きく設定し、先行する遊技球が上流部分に存在している場合には、後続の遊技球が先行する遊技球に当たって陥欠部337へ跳ね返される構成とするとよい。このような構成とすれば、先行する遊技球が本来であれば存在しない障壁として機能することで、迂回通路370の入口部分372を好適に隠すことができる。
(13)上記各実施の形態においては、迂回通路370の入口部分を一対の遊技釘331U,331Lによって構成したが、これに限定されるものではない。例えば、図29(a)の概略図に示すように、迂回通路370を構成する壁面部350に開口を形成し、当該開口を入口部分372とすることも可能である。
また、図29(a)に示すように、上流側案内通路360と迂回通路370とを仕切る仕切壁部350を重複領域と非重複領域との境界上に配置することも可能である。上記入口部分372の上下に迂回通路370側への遊技球の移動を妨げる防壁を形成することで、入口部分372の特定を一層難しくすることができる。
(14)上記第3及び第4の実施の形態では、2つの迂回通路370,380を設け、そのうち一方を重複領域に配設したが、これに限定されるものではない。最も入球確率の高い迂回通路を重複領域に配設する構成とすれば足り、迂回通路の数については任意である。例えば、図29(b)の概略図に示すように、3つの迂回通路370,380,390を設け、それら迂回通路の入球確率が迂回通路380<迂回通路390<迂回通路370となるように形成している場合には、迂回通路370を重複領域に配設する構成とし、他の迂回通路380,390を非重複領域に配設する構成としてもよい。
(15)上記第3及び第4の実施の形態では、左迂回通路380の入口部分382が斜め下向きとなるように構成したが、図30の概略図に示すように、当該入口部分382の向きを上向きとすることも可能である。すなわち、迂回通路370の入口部分372と比較した場合に遊技者に入球が容易と認識される構成とする上では、迂回通路370の入口部分372を覆うことで当該入口部分372が入口部分であると気づかれにくくする必要は必ずしもなく、迂回通路370,380の両方が遊技者によって認識された場合であっても、入口部分372,382を比較して迂回通路370の入口部分372よりも迂回通路380の入口部分382の方が、遊技球の入球確率が高いであろうと認識される構成となっていれば足りる。2つの迂回通路370,380のうち、実質的な入球確率の低い方に遊技者の注意が向く構成であれば、逃がしの印象を弱めることができる。なお、図30に示す例では、迂回通路380の入口部分382の向きを迂回通路370の入口部分372よりも上向きとし、且つ、その大きさも入口部分372よりも大きくすることで、遊技球の入球が高いとの印象を遊技者に与えやすくしている。
(16)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記遊技領域にて前記可変入球部よりも上流となる部分には、遊技球を前記可変入球部へ案内する第1領域(案内通路360)と、前記可変入球部への入球が回避され且つ流下する遊技球が前記第1領域よりも視認困難となる第2領域(迂回通路370)とが設けられており、
前記遊技領域には前記第2領域の入口部分(入口部分372)に向けて下り傾斜となる傾斜通路(傾斜通路333)が設けられており、前記傾斜通路には前記第1領域への入口部分を構成する陥欠部(陥欠部336,337)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すように、可変入球部に向かう遊技球の視認性と可変入球部に向かわない遊技球の視認性とに差を設け、可変入球部に向かう遊技球への注目を促す構成とすれば、可変入球部を狙って発射された遊技球が当該可変入球部に上手く入球せず投資が無駄になっている等の印象を遊技者に与えにくくし、遊技への注目度の向上に寄与できる。言い換えれば、発射した遊技球のうち少なくとも第1領域に流入したものについては全て又はほとんどが可変入球部に到達することとなり、遊技の爽快感を高めることができる。
このような構成においては、仮に可変入球部への入球が回避される第2領域へ向けた遊技球の動きが遊技者の目についた場合、上述した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴によれば、第1領域への入口部分(陥欠部)においては遊技球の移動方向を変化させて遊技球の動きを遅くすることでそれら遊技球を敢えて遊技者の目につきやすくし、第2領域の入口部分においては傾斜通路に沿って移動した遊技球が流れのままに第2領域へ速やか且つ円滑に流入しやすくすることで遊技者の目につきにくくすることが可能となっている。このように傾斜通路を利用して第1領域/第2領域へ振り分けられる遊技球の視認性に差を設けることにより、上述した注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記遊技領域にて前記可変入球部よりも上流となる部分には、遊技球を前記可変入球部へ案内する案内通路(案内通路360)と、前記可変入球部への入球が回避されるようにして当該可変入球部よりも下流側となる位置へ遊技球を案内し且つ案内中の遊技球が前記案内通路を通過する遊技球よりも視認困難となる迂回通路(迂回通路370)とが設けられており、
前記遊技領域にて前記案内通路及び前記迂回通路よりも上流側となる部分には、それら案内通路及び迂回通路に跨るようにして傾斜通路(傾斜通路333)が設けられており、
前記傾斜通路は前記迂回通路の入口部分(入口部分372)に向けて下り傾斜となっており、前記傾斜通路には前記案内通路への入口部分を構成する陥欠部(陥欠部336,337)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2に示すように、可変入球部に向かう遊技球の視認性と可変入球部に向かわない遊技球の視認性とに差を設け、可変入球部に向かう遊技球への注目を促す構成とすれば、可変入球部を狙って発射された遊技球が当該可変入球部に上手く入球せず投資が無駄になっている等の印象を遊技者に与えにくくし、遊技への注目度の向上に寄与できる。言い換えれば、発射した遊技球のうち少なくとも案内通路に流入したものについては全て又はほとんどが可変入球部に到達することとなり、遊技の爽快感を高めることができる。
このような構成においては、仮に可変入球部への入球が回避される迂回通路へ向けた遊技球の動きが遊技者の目についた場合、上述した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、本特徴によれば、案内通路の入口部分(陥欠部)においては遊技球の移動方向を変化させて遊技球の動きを遅くすることでそれら遊技球を敢えて遊技者の目につきやすくし、迂回通路の入口部分においては傾斜通路に沿って移動した遊技球が流れのままに迂回通路へ速やか且つ円滑に流入しやすくすることで遊技者の目につきにくくすることが可能となっている。このように傾斜通路を利用して案内通路/迂回通路へ振り分けられる遊技球の視認性に差を設けることにより、上述した注目度の向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴A3.前記陥欠部は、前記傾斜通路の通路方向と交差する方向を向いており、
前記迂回通路の入口部分は、前記傾斜通路の通路方向を向くように形成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
案内通路に向かう遊技球については傾斜通路の通路方向と交差する方向に流下方向が変わるため、流入時の移動速度を低くすることができる。これに対して、迂回通路の入口部分の向きは傾斜通路の通路方向と同じ向きになっているため、迂回通路の入口部分へ流入する際に移動速度を落とす必要がなく、例えば迂回通路に向かう遊技球は高い移動速度のまま当該迂回通路の入口部分を通過し得る。このようにして案内通路へ流入する遊技球と迂回通路へ流入する遊技球とに明確な速度差を生じさせることにより、特徴A2に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A4.前記迂回通路にて当該迂回通路の入口部分を含む一部が前記傾斜通路と同じ方向に延びていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3に示したように、迂回通路の入口部分へ遊技球を勢いよく流入させる場合、流入した遊技球が迂回通路内部(入口付近)でもたついてしまうと、当該遊技球が後続の遊技球の流入の妨げになる。仮にこのようなもたつきが遊技者の目にとまってしまった場合には、結果として迂回通路への流入が回避されるのあればまだしも、もたつきを経て迂回通路へ流入するとその動きが目立ちやすくなる。このような事象が遊技者の目にとまった場合には、迂回通路の存在が露呈し、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成とすれば、迂回通路の入口付近にて上記もたつきが発生することを抑制し、特徴A2等に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記迂回通路にて当該迂回通路の入口部分を含む一部が前記傾斜通路と同じ方向に延びており、当該延びている部分の全長は遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴A5.前記案内通路及び前記迂回通路は、縦向きとなるように形成され且つ前記案内通路が前記迂回通路よりも前記遊技領域における中央側となるようにして左右に並んでおり、
前記傾斜通路は、前記遊技領域の中央側から外側に下り傾斜していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2等に示したように可変入球部への入球が回避された遊技球を目立ちにくくすることは、遊技者の満足度を向上させて遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。ここで、迂回通路の視認性を低下させるための構成があからさまになってしまった場合には、その構成から零れ球が発生していること(遊技球の逃がしが行われていること)が露呈してしまう。遊技機においては遊技領域中央に絵柄表示装置(図柄表示装置253)等の各種構成が配置され、遊技者の注目が遊技領域中央に向きやすくなっていることが多い。そこで、本特徴に示すように、案内通路を内側且つ迂回通路を外側となるように並設し、傾斜通路を内側から外側に下り傾斜とすることにより、迂回通路や当該迂回通路を流下する遊技球を目立ちにくくすることができる。
特徴A6.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体は、中央に開口(窓部21)が形成されている本体部(枠体20及びランプ部26)と当該開口を覆うパネル部(ガラスパネル23)とを有し、前記パネル部を通じて前記遊技領域が視認可能となるように構成されており、
前記遊技盤の端部には遊技機前方から前記本体部が重なる重複領域が設けられており、
前記案内通路は前記本体部との重なりが回避された非重複領域に位置し、前記迂回通路は少なくともその一部が前記重複領域に位置していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように扉体の本体部と重なっている部分に迂回通路を配設すれば、迂回通路が本体部によって覆われることとなり、迂回通路や当該迂回通路を通過する遊技球の視認を困難又は不可とすることができる。これにより、可変入球部を迂回する遊技球が遊技者の目につくことを好適に抑制できる。
また、扉体の本体部を利用して迂回通路を隠す構成にて迂回通路を遊技盤の端部に配設すれば迂回通路の存在が遊技領域の圧迫の要因になることを回避できる。特に、特徴A5との組み合わせにおいては、傾斜通路を外側に下り傾斜させて遊技球を遊技盤の端部側へ案内することにより、迂回通路の形成に際して扉体と遊技領域との重なりが嵩むことを抑制し、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、迂回通路については、例えば遊技盤の外縁に沿うように形成するとよい。
特徴A7.前記案内通路及び前記迂回通路は、縦向きとなるように形成され且つ前記案内通路が前記迂回通路よりも前記遊技領域における中央側となるようにして左右に並んでおり、
前記傾斜通路は、前記遊技領域の中央側から外側に下り傾斜しており、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、
前記扉体は、中央に開口(窓部21)が形成されている本体部(枠体20及びランプ部26)と当該開口を覆うパネル部(ガラスパネル23)とを有し、前記パネル部を通じて前記遊技領域が視認可能となるように構成されており、
前記遊技盤の端部には遊技機前方から前記本体部が重なる重複領域が設けられており、
前記案内通路は前記本体部との重なりが回避された非重複領域に位置し、前記迂回通路は少なくともその一部が前記重複領域に位置しており、
前記迂回通路にて当該迂回通路の入口部分を含む一部が前記傾斜通路と同じ方向に延びており、
前記迂回通路の入口部分は、上下一対の遊技釘(遊技釘331)によって構成されており、
前記上下一対の遊技釘のうち一方が前記重複領域に位置していることを特徴とする特徴A2乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
迂回通路の入口部分へ遊技球を勢いよく流入させる場合、流入した遊技球が迂回通路内部(入口付近)でもたついてしまうと、当該遊技球が後続の遊技球の流入の妨げになる。仮にこのようなもたつきが遊技者の目にとまってしまった場合には、結果として迂回通路への流入が回避されるのあればまだしも、もたつきを経て迂回通路へ流入するとその動きが目立ちやすくなる。このような事象が遊技者の目にとまった場合には、迂回通路の存在が露呈し、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成とすれば、迂回通路の入口付近にて上記もたつきが発生することを抑制し、特徴A2等に示した効果を好適に発揮させることができる。
傾斜通路との関係から、遊技球の円滑な移動を実現する上では、迂回通路の入口部分を含む一部を傾斜通路と同じ方向に延びる構成とすることに技術的意義があるものの、扉体の本体部が遊技領域と重なっている部分を利用して迂回通路を隠す構成においては、上記通路構造を実現する上で重複領域が嵩むことは好ましくない。この点、本特徴に示すように、遊技領域に散在する遊技釘(一対の遊技釘)を用いて入口部分を構成し、それら遊技釘の一方を重複領域に配置すれば、当該一対の遊技釘が入口部分を構成しているとの印象を与えにくくすることができる。すなわち、一対の遊技釘の両方を重複領域に配置する場合と比較して重複領域が無駄に嵩むことを抑制でき、且つ一対の遊技釘の両方を非重複領域に配置する場合と比較してそれが入口部分を構成しているとの印象を与えにくくすることができる。
特徴A8.前記傾斜通路には、当該傾斜通路の通路方向への遊技球の加速度合いが相対的に低くなる低加速区間(遊技釘列331Sが配設されている区間)と、加速度合いが相対的に高くなる高加速区間(傾斜部334が配設されている区間)とが設けられており、
前記陥欠部は、前記低加速区間に配されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
傾斜通路に沿って移動する遊技球は、自重によって徐々に加速する。傾斜通路には低加速区間と高加速区間とが設けられており、加速の度合いに差が設けられている。低加速区間に陥欠部を設けることにより、陥欠部に流入する際の遊技球の動きが過度に速くなることを抑制できる。これにより、案内通路へ向けた遊技球の動きを目にとまりやすくしつつ迂回通路へ向けた遊技球の動きを目にとまりにくくすることができる。
特徴A9.遊技者の発射操作に基づいて所定の周期(例えば0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技球発射手段によって発射された遊技球を前記傾斜通路が設けられている所定の流下経路(右ルート)へ案内する案内手段(例えば外レール102)と
を備え、
前記所定の流下経路は縦方向に延びており、
前記傾斜通路は前記所定の流下経路を横切るように形成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、傾斜通路については、所定の流下経路を横切るように形成されている。所定の流下経路については縦方向に延びているため、当該所定の流路を流下する遊技球の主たる流れは上方から下方となるものの、傾斜通路にてその向きが当該傾斜通路に沿う方向に変わることにより、僅かながら勢い弱められることとなる。遊技球が所定の周期で連続発射されている場合には、遊技球間の距離(間隔)が傾斜通路付近で小さくなり、遊技球群の密集度合いが高くなる。遊技球の渋滞を促し、その渋滞箇所から一部の遊技球を迂回通路へ流入させることにより、例えば遊技球群の密集度合いが低い箇所から一部の遊技球を迂回通路へ流入させる構成と比較して、遊技球の逃がし(零れ)を目立ちにくくすることができる。
遊技球群の密集度合いを高くする上では、遊技球の移動速度を急激に低下させればよい。先行する遊技球と後続の遊技球との速度が大きくなれば密集度合いも高くなる。しかしながら、単に遊技球の移動速度が遅くなってしまっては、その動きを目で追いやすくなり、上記逃がしが生じていることが容易に露呈してしまう。この点、本特徴に示す構成においては、縦方向における遊技球の移動速度を落として傾斜通路付近での遊技球群の密集度合いを高くしながら、遊技球の主たる移動方向を傾斜通路の通路方向に変えることで、遊技球の移動速度自体が大幅に低下することを抑制できる。これにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴A10.前記傾斜通路の水平線に対する傾斜角度は45°よりも小さくなっていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
傾斜通路の傾斜角度を45°よりも小さくすれば、当該傾斜通路に到達した遊技球の勢いを弱める減勢部又は球受け部としての機能を好適に発揮させることができる。
また、人の視界が縦よりも横に長いことを鑑みた場合、傾斜通路に集まる遊技球が横に複数並んでいることが、遊技球群を視界に収める上で好ましい。視界に収まる遊技球の数が多くなれば、1つ1つの遊技球への注目が弱くなるため、迂回通路へ流入する遊技球が目につくことを好適に抑制できる。
なお、特徴A3〜特徴A10に示した技術的思想を上記特徴A1に適用することも可能である。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記可変入球部に向けて遊技球が流下する所定の流下経路(右ルート)には、第1所定領域(例えば分岐部302や上側拡張部303等)と、流下中の遊技球の密集度合いが前記第1所定領域よりも高くなる第2所定領域(中間部304)とが設けられており、
前記第2所定領域に、前記可変入球部への入球が回避される迂回通路(迂回通路370)の入口部分(入口部分372)が形成されていることを特徴とする遊技機。
可変入球部へ向けて発射された遊技球の一部は迂回通路に流入して当該可変入球部への入球が回避されることとなる。このような迂回通路を設けることにより、可変入球部への過度の入球を抑制できる。これは遊技の健全化等を図る上で好ましい。
特徴B1に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については可変入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、本特徴においては、遊技球の密集度合いが高くなる第2所定領域に迂回通路の入口部分が形成されている。遊技球の密集度合いが高くなっている箇所にて遊技球を迂回通路に逃がす構成とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技球がまばらとなっている箇所では個々の遊技球を注視し得るため、遊技球の逃がしが目につきやすくなる。これに対して、遊技球が密集している箇所では遊技球を逃がしたとしてもそれが目につきにくくなる。また、まばらとなっている遊技球群から1の遊技球を逃がす場合と比べて、密集している遊技球群から1の遊技球を逃がした場合には、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクが過度に大きくなることを抑制できるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、所定の流下経路(可変入球部)へ発射された遊技球が効率よく可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す「密集度合いが高い」とは、遊技球が集まりやすいこと、すなわち遊技球群が密になりやすいことを示し、「遊技領域にて単位面積当たりに存在する(し得る)遊技球の数が多い」に置き換えることも可能である。
特徴B2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記可変入球部に向けて遊技球が流下する所定の流下経路(右ルート)には、
第1所定領域(例えば分岐部302や上側拡張部303等)と、
前記第1所定領域の下流側に位置し、当該第1所定領域を通過した遊技球が通過する第2所定領域(中間部304)と
が設けられており、
前記第2所定領域は、前記第1所定領域よりも遊技球の密集度合いが高くなるように構成されており、
前記第2所定領域に、前記可変入球部への入球が回避される迂回通路(迂回通路370)の入口部分(入口部分372)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B2に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については可変入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、本特徴においては、遊技球の密集度合いが高くなる第2所定領域に迂回通路の入口部分が形成されている。遊技球の密集度合いが高くなっている箇所にて遊技球を迂回通路に逃がす構成とすることにより、以下の効果が期待できる。すなわち、遊技球がまばらとなっている箇所では個々の遊技球を注視し得るため、遊技球の逃がしが目につきやすくなる。これに対して、遊技球が密集している箇所では遊技球を逃がしたとしてもそれが目につきにくくなる。また、まばらとなっている遊技球群から1の遊技球を逃がす場合と比べて、密集している遊技球群から1の遊技球を逃がした場合には、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクが過度に大きくなることを抑制できるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、所定の流下経路(可変入球部)へ発射された遊技球が効率よく可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す「密集度合いが高い」とは、遊技球が集まりやすいこと、すなわち遊技球群が密になりやすいことを示し、「遊技領域にて単位面積当たりに存在する(し得る)遊技球の数が多い」に置き換えることも可能である。
特徴B3.前記第2所定領域には、遊技球を前記可変入球部へ案内する案内通路(案内通路360)の入口部分(陥欠部336,337)が形成されており、
前記迂回通路は、当該迂回通路を通過中の遊技球が前記案内通路を通過中の遊技球よりも視認困難となるように構成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3に示すように、可変入球部に向かう遊技球の視認性と可変入球部に向かわない遊技球の視認性とに差を設け、可変入球部に向かう遊技球への注目を促す構成とすれば、可変入球部を狙って発射された遊技球が当該可変入球部に上手く入球せず投資が無駄になっている等の印象を遊技者に与えにくくし、遊技への注目度の向上に寄与できる。言い換えれば、発射した遊技球のうち少なくとも案内通路に流入したものについては全て又はほとんどが可変入球部に到達することとなり、遊技の爽快感を高めることができる。
迂回通路を通過中の遊技球を目立ちにくくした場合であっても、迂回通路へ向けた遊技球の動きが遊技者の目についてしまうと、上述した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、第2所定領域に案内通路の入口部分を併設し、第2所定領域における遊技球の数が案内通路への流入によって減少する構成とすれば、第2所定領域における遊技球の減少が迂回通路への流入の示唆になることを好適に抑制できる。
なお、上記効果を発揮させるには、案内通路と迂回通路とを比較して前者への流入率が後者への流入率よりも高くすることが好ましい。
特徴B4.前記案内通路においては、形成された遊技球の流下経路の数が前記第2所定領域よりも多くなっており、前記第2所定領域と比べて遊技球群の密集度合いが低くなるように構成されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
案内通路においては、遊技球の流下経路が様々に分岐することにより、遊技球群の密集度合いが低下する。これにより、上記逃がしによって拡がった遊技球間のブランクを目立ちにくくすることができる。
特徴B5.前記遊技領域には、前記第2所定領域に到達した遊技球を減勢させる減勢部(傾斜部334や遊技釘列331S等)が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球間の距離については、先行する遊技球と後続となる遊技球との速度差に依存する。そこで、第2所定領域に減勢部を設けて遊技球の勢いを弱めることにより、上記速度差を大きくすることができる。これにより、第2所定領域における遊技球群の密集度合いを好適に高めることができる。
特徴B6.前記第1所定領域及び前記第2所定領域は縦並びなっており、
前記遊技領域には、前記第2所定領域に到達した遊技球の移動方向を縦方向から横方向に変えることにより縦方向における移動速度を低下させる流路形成部(傾斜部334や遊技釘列331S)が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球間の距離については、先行する遊技球と後続となる遊技球との速度差に依存する。そこで、第2所定領域にて遊技球の移動方向を縦方向から横方向に変えることにより、縦方向(第1所定領域及び第2所定領域の並び方向)における速度差を大きくすることができる。これにより、第2所定領域における遊技球群の密集度合いを好適に高めることができる。
遊技球群の密集度合いを高くする上では、遊技球の移動速度を急激に低下させればよい。先行する遊技球と後続の遊技球との速度が大きくなれば密集度合いも高くなる。しかしながら、単に遊技球の移動速度が遅くなってしまっては、その動きを目で追いやすくなり、上記逃がしが生じていることが容易に露呈してしまう。この点、本特徴に示す構成においては、縦方向における遊技球の移動速度を落として傾斜通路付近での遊技球群の密集度合いを高くしながら、遊技球の主たる移動方向を傾斜通路の通路方向に変えることで、遊技球の移動速度自体が大幅に低下することを抑制できる。迂回通路へ流入する遊技球の移動速度が低下してその動きが遊技者の目につく機会を減らすことできるため、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B7.前記所定の流下経路は縦方向に延びており、
前記流路形成部は、前記所定の流下経路を横切る傾斜通路を構成していることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
流路形成部については、所定の流下経路を横切るように形成されている。所定の流下経路については縦方向に延びているため、当該所定の流路を流下する遊技球の主たる流れは上方から下方となるものの、傾斜通路にてその向きが当該傾斜通路に沿う方向に変わることにより、僅かながら勢い弱められることとなる。遊技球が所定の周期で連続発射されている場合には、遊技球間の距離(間隔)が傾斜通路付近で小さくなり、遊技球群の密集度合いが高くなる。遊技球の渋滞を促し、その渋滞箇所から一部の遊技球を迂回通路へ流入させることにより、例えば遊技球群の密集度合いが低い箇所から一部の遊技球を迂回通路へ流入させる構成と比較して、遊技球の逃がし(零れ)を目立ちにくくすることができる。このように、本特徴に示す構成によれば、特徴B6に示した技術的思想を簡易な構成によって好適に具現化できる。
特徴B8.前記第2所定領域を遊技球が通過する区間には、遊技球を減速させる減速区間(傾斜通路333へ落下した遊技球が衝突して向きを変える区間)と、前記減速区間にて減速された遊技球を加速させる加速区間(傾斜通路333に沿って遊技球が移動する区間)とが設けられており、前記迂回通路の入口部分は前記加速区間に設けられていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球が規則正しく並んでいる箇所、例えば遊技球間の距離が一定になっている箇所にて、上述した逃がしがなされると、それが目につきやすくなる。そこで、一旦減速されて密集度合いが高められた後に、再度加速させ、再加速されることで遊技球間の距離が多様になっている箇所にて遊技球を逃がす構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B9.前記所定の流下経路は縦方向に延びており、
前記第1所定領域は、前記第2所定領域よりも上流側に位置し、
前記第1所定領域の横幅よりも前記第2所定領域の横幅の方が小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B8のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2所定領域にて流路の幅を絞る構成とすれば、遊技球の通過箇所が限定されるため、横方向における遊技球の密集度合いを好適に高めることができる。
特徴B10.前記第2所定領域の縦幅は、前記第1所定領域の縦幅よりも短くなるように構成されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
遊技領域を遊技球が流下するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっている。そこで、遊技球の動きを多様として単調化の抑制が図られていることが多い。特徴B9に示した技術的思想を適用すれば、遊技球群の密集度合いの向上に貢献できるものの、上述した遊技機本来の興趣が弱くなると懸念される。そこで、本特徴に示すように流路を絞っている第2所定領域についてはその縦幅を少なくとも第1所定領域よりも小さくして間延びを抑えることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、特徴B1〜特徴B10に特徴A1〜特徴A10に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記可変入球部に向けて遊技球が流下する所定の流下経路(右ルート)には、
前記遊技球発射手段によって発射された遊技球が流入する一条の上流側通路(流入部301)と、
複数の分岐ルート(例えば内側分岐通路311や外側分岐通路312等)を有し、前記上流側通路を通過した遊技球をそれら複数の分岐ルートに振り分ける振分部(分岐部302)と、
前記分岐部よりも下流側に位置し、前記分岐ルートを経由した各遊技球が通過する一条の下流側通路(中間部304の傾斜通路333)と
が設けられており、
前記下流側通路には、前記可変入球部への入球が回避される迂回通路(迂回通路370)の入口部分(入口部分372)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については可変入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、遊技球の発射操作に基づいて所定の周期で遊技球が連続して発射される構成においては、遊技球同士の関係にある種の規則性が生じやすい。遊技球同士の関係が規則正しくなっている箇所にて遊技球を迂回通路に逃がす構成では、上述した規則性が崩れることとなり、規則性が崩れた部分が際立ってしまう。これは、遊技球の逃がしが行われていることが遊技者の目につく要因になると想定される。この点、本特徴においては、遊技球の流路が複数に分岐→合流する構成となっており、この合流箇所に迂回通路の入口部分が形成されている。遊技球群は異なる分岐ルートを経て集合するため、上記規則性を弱めることができる。このように規則性が弱くなっている箇所にて遊技球を逃がすことで、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。また、遊技球の距離が様々となることで、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクを目立ちにくくすることができるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、所定の流下経路(可変入球部)へ発射された遊技球が効率よく可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記可変入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と
を備え、
前記可変入球部に向けて遊技球が流下する所定の流下経路(右ルート)には、
複数の分岐ルート(例えばルートA〜ルートE)が形成された分岐部(例えば分岐部302や上側拡張部303)と、
前記分岐部よりも下流側に位置し、前記分岐ルートを通過した遊技球が合流する合流部(中間部304)と
が設けられており、
前記合流部に、前記可変入球部への入球が回避される迂回通路(迂回通路370)の入口部分(入口部分372)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C2に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については可変入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、遊技球の発射操作に基づいて所定の周期で遊技球が連続して発射される構成においては、遊技球同士の関係にある種の規則性が生じやすい。遊技球同士の関係が規則正しくなっている箇所にて遊技球を迂回通路に逃がす構成では、上述した規則性が崩れることとなり、規則性が崩れた部分が際立ってしまう。これは、遊技球の逃がしが行われていることが遊技者の目につく要因になると想定される。この点、本特徴においては、遊技球の流路が複数に分岐→合流する構成となっており、この合流箇所に迂回通路の入口部分が形成されている。遊技球群は異なる分岐ルートを経て集合するため、上記規則性を弱めることができる。このように規則性が弱くなっている箇所にて遊技球を逃がすことで、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。また、遊技球の距離が様々となることで、遊技球が抜けた後の遊技球間のブランクを目立ちにくくすることができるため、逃がし後の遊技球群を見た場合に生じる違和感を好適に緩和できる。このようにして、遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、所定の流下経路(可変入球部)へ発射された遊技球が効率よく可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴C3.前記合流部には、遊技球を前記可変入球部に案内する案内通路(案内通路360)の入口部分(陥欠部336,337)が形成されており、
前記迂回通路は、当該迂回通路を通過中の遊技球が前記案内通路を通過中の遊技球よりも視認困難となるように構成されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3に示すように、可変入球部に向かう遊技球の視認性と可変入球部に向かわない遊技球の視認性とに差を設け、可変入球部に向かう遊技球への注目を促す構成とすれば、可変入球部を狙って発射された遊技球が当該可変入球部に上手く入球せず投資が無駄になっている等の印象を遊技者に与えにくくし、遊技への注目度の向上に寄与できる。言い換えれば、発射した遊技球のうち少なくとも案内通路に流入したものについては全て又はほとんどが可変入球部に到達することとなり、遊技の爽快感を高めることができる。
迂回通路を通過中の遊技球が目立ちにくくなっている場合であっても、迂回通路へ向けた遊技球の動きが遊技者の目についてしまうと、上述した効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、第2所定領域に案内通路の入口部分を併設し、第2所定領域における遊技球の数が案内通路への流入によって減少する構成とすれば、第2所定領域における遊技球の減少が迂回通路への流入の示唆になることを好適に抑制できる。
なお、上記効果を発揮させるには、案内通路と迂回通路とを比較して前者への流入率が後者への流入率よりも高くすることが好ましい。
特徴C4.前記複数の分岐ルートは、遊技球が通過するのに要する所要期間が各々異なる構成となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、合流箇所における規則性を好適に低下させることが可能となり、特徴C1に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記複数の分岐ルートは、分岐箇所から合流箇所で至るまでの所要期間が各々異なる構成となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C5.前記分岐ルートとして第1分岐ルート及び第2分岐ルートを有し、
前記第1分岐ルートを通過するのに要する所要期間と、前記第2分岐ルートを通過するのに要する所要期間との差は前記所定の周期よりも短くなっていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
上述したように合流箇所にて遊技球の逃がす場合には、遊技球の密集度合いが低くなっているよりも高くなっている場合の方が当該逃がしが目につきにくくなる。ここで、特徴C1等に示したように、規則性を低下させる際に、疎密の偏りが大きくなってしまった場合には、密集度合いが低い状況化にて逃がしが発生することで、それが遊技者の目につきやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、所要期間の差を遊技球の発射周期よりも短くすることにより、先行する遊技球を後続の遊技球が追い抜く機会を減らすことができ、上述した過度の偏りを好適に抑制できる。
特徴C6.前記合流部には、前記迂回通路の入口部分へ遊技球を案内可能な球通路(傾斜通路333)が形成されており、
前記複数の分岐ルートを通過した遊技球が前記球通路に流入する流入箇所は、当該球通路にて前記迂回通路の入口部分よりも上流側に位置し且つ当該球通路の通路方向にずれていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれか1つに記載の遊技機。
分岐ルートを通過した遊技球は合流部の球通路に流入する。遊技球の流入箇所については球通路の通路方向にずれているため、結果として合流後の遊技球同士の位置関係を更に多様なものとすることができる。これにより、特徴C1等に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴C7.前記合流部には、遊技球を前記可変入球部に案内する案内通路(案内通路360)の入口部分(陥欠部336,337)が形成されており、
前記流入箇所の少なくとも1つは前記入口部分の周辺に位置していることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
合流部にて遊技球の逃がす場合には、当該逃がしによって合流部に存在する遊技球の数が減る(変化する)。ここで、合流部に案内通路の入口部分を設けることで、遊技球が減る要因が迂回通路への流入だけではなくなる。故に、遊技球が減ることが迂回通路への流入を特定する足掛かりになることを抑制できる。また、遊技球が都度同じ態様で供給されるのではなく、その供給箇所が複数に分かれている構成とすれば、遊技球が増加態様についても多様化することができる。そして、流入箇所の周辺に案内通路の入口部分が位置する構成とすれば、遊技球の数を素早く変化させることができる。これは、合流部に存在している遊技球の数を分かりにくくする上で有利であり、結果として迂回通路への流入によって遊技球の数が変化したとしてもそれを紛らわせることが可能となる。
特徴C8.前記分岐部には、並列となる複数の分岐通路が形成されており、それら分岐通路間での遊技球の移動が可能となっていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の分岐ルートを併用して規則性を低下させる構成とする場合、分岐ルート毎の所要期間のばらつきの幅が過度に大きくなることは好ましくない。一方、所定の範囲内における所要期間の多様性を確保するには、分岐ルートの数をある程度確保する必要がある。そこで、本特徴に示すように、分岐部を構成する複数の分岐通路にて通路間の遊技球の移動を可能とすれば、そのような課題を好適に解決することができる。例えば通路が2つであっても、遊技球の往来が可能となれば、4つ以上の分岐ルートを確保できる。
特徴C9.前記分岐部には、当該分岐部に到達した遊技球を前記複数の分岐ルートに振り分ける振分手段(振分部材501)が配設されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C8のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球が連続して発射されている状況下に発射速度が一定となれば、複数の分岐ルートを設けても遊技球が実際に通過するルートに偏りが生じる。これでは、上述した所要期間の多様化を図るという効果が弱くなると想定される。この点、分岐部に振分手段を設けて、当該振分手段によって流路の振り分けを行う構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、特徴C1〜特徴C9に、特徴A1〜特徴A10及び特徴B1〜特徴B10に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域における所定の流下経路(右ルート)上に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な第1可変入球部(例えば第1可変入賞装置82)及び第2可変入球部(第2可変入賞装置83)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部のうち一方を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部への入球が発生した場合に、入球先に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段(例えば払出装置224)と
を備え、
前記第2可変入球部は前記第1可変入球部と比べて前記受入状態になりにくく且つ前記第2可変入球部への入球が発生した場合に付与される特典(例えば賞球)が前記第1可変入球部への入球が発生した場合に付与される特典(例えば高確率モードへの移行)と比べて遊技者に有利となるように構成されており、
前記第1可変入球部は、前記第2可変入球部よりも上流側に位置し、
前記所定の流下経路は、前記第1可変入球部よりも上流となる位置にて前記第1可変入球部へ遊技球を案内する案内通路(案内通路360)と、前記第1可変入球部への入球が回避される迂回通路(迂回通路370)とに分岐しており、
前記迂回通路を通過した遊技球は、前記所定の流下経路にて前記第1可変入球部及び前記第2可変入球部の間となる位置に排出される構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、所定の流下経路に向けて発射された遊技球は案内通路を経由して第1可変入球部及び第2可変入球部に向かうものと、迂回通路を経由して第2可変入球部に向かうものとに分かれる。第2可変入球部は第1可変入球部と比べて受入状態となりにくいものの、入球に基づいて遊技者に付与される特典は大きいため、遊技を有利に進める上では然るべきタイミングで第2可変入球部を狙う必要がある。ここで、迂回通路を経由した遊技球については第2可変入球部へ直接向かうこととなり、第1可変入球部が第2可変入球部への入球の妨げになることを好適に抑制できる。そして、第1可変入球部への入球が不可となる迂回通路を第2可変入球部への入球を補助する補助用通路として機能させれば、無駄に投資が嵩んでいるとの印象を遊技者に与えにくくすることができる。これは、遊技者の遊技への注目度の向上を図る上で好ましい。
特徴D2.前記迂回通路の通過に要する所要期間は、前記案内通路の通過に要する所要期間よりも短くなっていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
迂回通路を通過する遊技球については、案内通路を経由した場合と比較して、素早く第2可変入球部に到達する。第1可変入球部と比較して重要度が高く且つ入球機会の少ない第2可変入球部については、入球が発生すべき状況下にて上手く入球が発生しなかった場合に遊技者の遊技意欲が低下すると懸念される。例えば第2可変入球部が受入状態となる期間が限られている場合には、本来であれば遊技球の動きを目で追うという遊技機本来の楽しみが遊技者の焦りを招く要因になる。この点、本特徴に示すように、迂回通路を経由した遊技球が速やかに第2可変入球部に向かう構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴D3.前記迂回通路を通過する遊技球は、前記案内通路を通過する遊技球よりも視認が困難となるように構成されていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D1等に示したように第2可変入球部が受入状態となる場合には迂回通路が遊技者にとって有利な通路となるものの、それ以外の状況下においては迂回通路が単なる逃がし用の通路であるとの印象が強くなると懸念される。そこで、迂回通路については案内通路と比べて視認性を低くし、迂回通路を目立たせないように工夫することで、そのような不都合の発生を抑制できる。また、第2可変入球部が受入状態となる場合には、迂回通路を通過する遊技球が視認困難であることで、迂回通路を通過した遊技球が突如として第2可変入球部へ飛び込むように見せることができ、遊技の意外性を強化できる。以上の理由から、上述したように通路間で視認性の差を設けることには技術的意義がある。
なお、特徴D1〜特徴D3に、特徴A1〜特徴A10、特徴B1〜特徴B11及び特徴C1〜特徴C9に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該可変入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(例えば右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路(下流側案内通路306)と
を備え、
前記下流側案内通路には、当該下流側案内通路を通過する遊技球の流下方向が所定方向となるように規定する規定部(シャッタ83b及び上面部412,414)が設けられており、
前記迂回通路の出口部分(出口部分373)は、当該出口部分を通過した遊技球が前記下流側案内通路に流入し且つ当該出口部分を通過する遊技球の移動方向が前記所定方向と同じ方向となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に示すように、迂回通路を用いて可変入球部への入球を回避し、案内通路及び迂回通路の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路にて合流して所定位置へ向かう構成とすれば、可変入球部への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路を経由した場合に可変入球部への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが可変入球部への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、合流箇所における遊技球の挙動の差が大きくなれば、その違いから上流側案内通路及び迂回通路の何れを経由したかを特定することが容易となり、上記不都合が顕著になると想定される。この点、本特徴に示すように、迂回通路の出口部分を通過する遊技球の移動方向が下流側案内通路(合流部分)における遊技球の移動方向と一致する構成とすれば、迂回通路を通過した遊技球を特定することが困難になる。このようにして、可変入球部に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、可変入球部へ発射された遊技球が効率よく当該可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、前記入球部よりも上流側に設けられ、当該入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)と、前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路(下流側案内通路306)と、前記案内通路及び前記下流側案内通路に跨るようにして設けられ、前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)とを備え、前記下流側案内通路には、当該下流側案内通路を通過する遊技球の流下方向が所定方向となるように規定する規定部(シャッタ83b及び上面部412,414)が設けられており、前記迂回通路の出口部分(出口部分373)は、当該出口部分を通過した遊技球が前記下流側案内通路に流入し且つ当該出口部分を通過する遊技球の移動方向が前記所定方向と同じ方向となるように形成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴E2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(例えば右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路(下流側案内通路306)と
を備え、
前記下流側案内通路には、当該下流側案内通路を通過する遊技球の流下方向が所定方向となるように規定する規定部(シャッタ83b及び上面部412,414)が設けられており、
前記迂回通路の出口部分(出口部分373)は、当該出口部分を通過した遊技球が前記下流側案内通路に流入し且つ当該出口部分を通過する遊技球の移動方向が前記所定方向と同じ方向となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E2に示すように、迂回通路を用いて可変入球部への入球を回避し、案内通路及び迂回通路の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路にて合流して所定位置へ向かう構成とすれば、可変入球部への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路を経由した場合に可変入球部への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが可変入球部への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、合流箇所における遊技球の挙動の差が大きくなれば、その違いから上流側案内通路及び迂回通路の何れを経由したかを特定することが容易となり、上記不都合が顕著になると想定される。この点、本特徴に示すように、迂回通路の出口部分を通過する遊技球の移動方向が下流側案内通路(合流部分)における遊技球の移動方向と一致する構成とすれば、迂回通路を通過した遊技球を特定することが困難になる。このようにして、可変入球部に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、可変入球部へ発射された遊技球が効率よく当該可変入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、前記入球部よりも上流側に設けられ、当該入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)と、前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路(下流側案内通路306)と、前記案内通路及び前記下流側案内通路に跨るようにして設けられ、前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)とを備え、前記下流側案内通路には、当該下流側案内通路を通過する遊技球の流下方向が所定方向となるように規定する規定部(シャッタ83b及び上面部412,414)が設けられており、前記迂回通路の出口部分(出口部分373)は、当該出口部分を通過した遊技球が前記下流側案内通路に流入し且つ当該出口部分を通過する遊技球の移動方向が前記所定方向と同じ方向となるように形成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
因みに、本特徴に示す「入球部」が可変式である点に鑑みれば当該「入球部」を「可変入球部」と称することも可能である。
特徴E3.前記迂回通路は、当該迂回通路を通過する遊技球が、前記上流側案内通路を通過する遊技球と比べて視認困難又は視認不可となるように構成されていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3に示すように、迂回通路を通過する遊技球を視認困難又は視認不可とすることにより、特徴E1等に示したような逃がしを行った場合であっても、それを目立ちにくくすることができる。しかしながら、迂回通路を通過する遊技球を目立ちにくくしたとしても、下流側案内通路に移った際に上流側案内通路を通過した遊技球との挙動の違いが目立つことになれば、上記工夫による効果が上手く発揮されなくなると想定される。この点、特徴E1等に示した技術的思想との組み合わせによれば、迂回通路を通過した遊技球が下流側案内通路へ流入した場合に、上流側案内通路を通過した遊技球と識別することが困難となる。このようにして迂回通路を通過した遊技球を目立ちにくくすることは、遊技者の遊技意欲の低下を抑える上で好ましい。
特徴E4.前記案内通路を経て前記入球部に入球することなく当該入球部を通過する遊技球の移動方向と前記所定方向とが交差しており、
前記迂回通路にて当該迂回通路の出口部分を含む最下流部分では、遊技球の流下方向が当該最下流部分よりも上流側となる部分での流下方向と交差するように形成されていることを特徴とする特徴E2又は特徴E3に記載の遊技機。
特徴E1等に示したように、合流箇所における遊技球の移動方向を揃える構成とすれば、下流側案内通路を通過する遊技球の挙動から上流側案内通路及び迂回通路の何れを経由したものであるかを特定することは困難になる(識別力が低下する)。しかしながら、仮にその移動速度に顕著な差が生じてしまった場合には、移動方向を揃えたとしても識別力を低下させる機能が上手く発揮されなくなると想定される。この点、本特徴に示す構成によれば、入球部を素通りした遊技球は下流側案内通路に到達した際に減速し、迂回通路を通過する遊技球についてもその出口部分で減速される。合流箇所における遊技球の速度差を小さくすることにより、遊技球が上流側案内通路及び迂回通路の何れを通過したかを速度差(挙動)から特定することを困難にすることができる。
特徴E5.前記上流側案内通路及び前記迂回通路は縦方向に延びており、前記下流側案内通路において前記上流側案内通路を通過した遊技球と前記迂回通路を通過した遊技球とが合流する合流部分は横方向に延びていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E1等に示したように、合流箇所における遊技球の移動方向を揃える構成とすれば、下流側案内通路を通過する遊技球の挙動から上流側案内通路及び迂回通路の何れを経由したものであるかを特定することは困難になる(識別力が低下する)。しかしながら、仮にその移動速度に顕著な差が生じてしまった場合には、移動方向を揃えたとしても識別力を低下させる機能が上手く発揮されなくなると想定される。この点、本特徴に示す構成によれば、入球部を素通りした遊技球は下流側案内通路に到達した際に減速し、迂回通路を通過する遊技球についてもその出口部分で減速される。合流箇所における遊技球の速度差を小さくすることにより、遊技球が上流側案内通路及び迂回通路の何れを通過したかを速度差(挙動)から特定することを困難にすることができる。
特徴E6.前記入球部の流入口は横長となるように形成されており、
前記上流側案内通路には、前記入球部への到達位置が異なる複数の流下経路が形成されており、
前記上流側案内通路は、前記複数の流下経路の出口部分のうち前記迂回通路の出口部分に最も近いものが他の流下経路の出口部分よりも遊技球が通過する可能性が高くなるように形成されていることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
入球部に向かう流下経路(流路)を複数に分岐させる構成においては、遊技球の動きの単調化抑制等の各種効果が期待できる。しかしながら、流路を複数に分けた場合にはそれだけ遊技球の密集度合いが低下する。遊技球の密集度合いが低くなっている箇所に迂回通路を通過した遊技球を合流させようとした場合には、迂回通路からの遊技球が目立ちやすくなると想定される。そこで、複数の流路のうち最も遊技球が通過する割合い(頻度)の高い流路の出口部分を迂回通路の出口部分に近い位置に設けることにより、入球部に向けた遊技球の動きの多様化を図りつつ、合流箇所における密集度合いの低下に起因して迂回通路を通過した遊技球が目につきやすくなることを抑制できる。
特徴E7.前記下流側案内通路にて前記上流側案内通路を通過した遊技球と前記迂回通路を通過した遊技球とが合流する合流箇所(合流箇所CP)には、前記所定方向への移動速度を低下させる減速部(突条部417a,418aが形成された減速区間)が形成されていることを特徴とする特徴E2乃至特徴E6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように合流箇所に減速部を設け、所定方向への移動を妨げる構成とすれば、合流箇所における遊技球の密集度合いを高くすることができる。異なる流路を経由した遊技球を合流させる場合には、その合流箇所に存在している遊技球の数が多いほど(合流箇所における遊技球の密集度合いが高いほど)、迂回通路を経由して新たに合流する遊技球を目立ちにくくすることができる。
特徴E8.前記下流側案内通路は、前記迂回通路の出口部分から前記減速部までの距離寸法が遊技球の直径寸法よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
特徴E7に示したように、減速部を用いて遊技球の密集度合いを変化させる構成においては、迂回通路の出口部分に係る位置にて遊技球を減速させてしまった場合に、迂回通路を通過した遊技球であることがわかりやすくなってしまう。そこで、減速部を設ける場合には、本特徴に示すように減速機能が迂回通路の出口部分を通過中の遊技球に作用しない構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記減速部は、前記所定方向における前記迂回通路の出口部分から当該減速部までの距離寸法が遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。」とすることも可能である。入球部を素通りした遊技球が存在している状況下にて迂回通路を通過した遊技球が合流する場合に、先行する遊技球が後続の遊技球の移動を妨げてしまうと、迂回通路からの遊技球であることがわかりやすくなる。上記構成に示すように、迂回通路の出口部分から減速部までの距離を遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくしておくことで、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴E9.前記入球部は、第1可変入球部であり、
前記第1可変入球部の下方に配置された第2可変入球部(第2可変入賞装置83)を備え、
前記第2可変入球部は、前記第2可変入球部の流入口(大入賞口83a)を開閉する開閉体(シャッタ83b)を有し、
前記開閉体が閉位置に配置されている場合に、当該開閉体によって前記規定部の一部が形成される構成となっており、
前記減速部は、前記開閉体に沿って前記下流側案内通路を通過する遊技球を減速させる構成となっていることを特徴とする特徴E7又は特徴E8に記載の遊技機。
特徴E7等に示したように、減速部を用いて合流位置における遊技球の密集度合いを高める構成においては、合流位置にて遊技球の流れが不自然に変化することが違和感の要因になり得る。この点、下流側案内通路を通過する遊技球が第2可変入球部の流入口付近にて減速される構成とすれば、当該減速によって第2可変入球部の流入口が開放された際の流入率が高くなる。このように、減速部に第2可変入球部への入球補助手段としての機能を付与することにより、単に特定位置にて遊技球を減速する構成とは異なり、遊技球の流れが不自然に変化する場合であっても、遊技者の注目が特定位置に向きやすくなることを抑制できる。
なお、本特徴に示す「第1可変入球部」及び「第2可変入球部」については、一方が受入状態となっている場合には他方が非受入状態に維持される構成とすることが好ましい。
特徴E10.前記下流側案内通路において前記上流側案内通路を通過した遊技球と前記迂回通路を通過した遊技球とが合流する合流箇所(合流箇所CP)は、前記入球部の直下に位置していることを特徴とする特徴E1乃至特徴E8のいずれか1つに記載の遊技機。
下流側案内通路にて入球部に近い位置(例えば最上流部分)に合流箇所を設定することは、例えば何れの流路を経過したかによって所定位置(例えば右作動入球ユニット85)への到達確率に違いが生じることを抑制する上で有利である。しかしながら、このような位置関係では、入球部を注視している状態で合流箇所が視界に入りやすくなり、迂回通路を通過した遊技球についても遊技者の目に入る機会が多くなる。このような構成に対して、特徴E1等に示した技術的思想を適用することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴E9に適用することも可能である。この場合、本特徴における「入球部」を「第1可変入球部」とすればよい。
特徴E11.前記下流側案内通路には、当該下流側案内通路を通過する遊技球の視認性が相対的に高い第1領域(手前側壁部418(詳しくは装飾部)との非重複領域)と相対的に低い第2領域(手前側壁部418(詳しくは装飾部)との重複領域)とが通路方向に並設されており、
前記下流側案内通路において前記上流側案内通路を通過した遊技球と前記迂回通路を通過した遊技球とが合流する合流箇所(合流箇所CP)は、前記第2領域に設けられていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E11に示すように、下流側案内通路に視認性が異なる第1領域及び第2領域が通路方向に並設されている場合には、相対的に視認性の低い第2領域と比べて相対的に視認性の高い第1領域に遊技者の注目が向きやすい。そこで、本特徴に示すように視認性が低い第2領域に合流箇所を設定すれば、迂回通路を通過した遊技球の識別を難しくすることができる。これにより、特徴E2等に示した効果を一層効果的に発揮させることができる。
なお、遊技者に第2領域ではなく第1領域に注目するように促す上では、第2領域を上流側且つ第1領域を下流側とし、且つ第2領域においては流路の分岐が回避され構成すなわち第2領域を通過した遊技球が全て第1領域に案内される構成とすることが好ましい。
因みに、特徴E1〜特徴E11に、特徴A群〜特徴D群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴F1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370,380)と
を備え、
前記迂回通路への流入口として、相互に離間して設けられた第1流入口(入口部分382)及び第2流入口(入口部分372)を有し、
前記第2流入口は、前記第1流入口よりも遊技球が流入しやすくなっており、
前記第1流入口の外観は、前記第2流入口よりも入球が容易であると遊技者に認識されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F1に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、流入口として第1流入口及び第2流入口が設けられており、第2流入口は第1流入口よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆(すなわち第1流入口の方が第2流入口よりも入球が発生しやすいと認識される構成)となっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい流入口へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、所定の流下経路(入球部)へ発射された遊技球が効率よく入球部へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、「前記第1流入口の外観は前記第2流入口よりも入球が容易であると遊技者に認識されるように形成されている」とは、両者が流入口と認識される構成である場合には第1流入口の方が第2流入口よりも流入しやすそうな構成を含み、更にはそもそも第2流入口が流入口であると認識されにくい構成となっている場合を含む。
特徴F2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370,380)と
を備え、
前記迂回通路への流入口として、相互に離間して設けられた第1流入口(入口部分382)及び第2流入口(入口部分372)を有し、
前記第2流入口は、前記第1流入口よりも遊技球が流入しやすくなっており、
前記第1流入口の外観は、前記第2流入口よりも入球が容易であると遊技者に認識されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F2に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、流入口として第1流入口及び第2流入口が設けられており、第2流入口は第1流入口よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆(すなわち第1流入口の方が第2流入口よりも入球が発生しやすいと認識される構成)となっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい流入口へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、所定の流下経路(入球部)へ発射された遊技球が効率よく入球部へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、「前記第1流入口の外観は前記第2流入口よりも入球が容易であると遊技者に認識されるように形成されている」とは、両者が流入口と認識される構成である場合には第1流入口の方が第2流入口よりも流入しやすそうな構成を含み、更にはそもそも第2流入口が流入口であると認識されにくい構成となっている場合を含む。
因みに、本特徴に示す「入球部」が可変式である点に鑑みれば当該「入球部」を「可変入球部」と称することも可能である。
特徴F3.前記第1流入口は、当該第1流入口の全体が遊技機前方から視認可能なっており、
前記第2流入口は、当該第2流入口の少なくとも一部が覆い部(ランプ部26)によって遊技機前方から覆われていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第2流入口の一部を覆い部によって隠す構成とすることにより、第2流入口が迂回通路への入口として機能していることを分かりづらくすることができる。これにより、第1流入口よりも上記逃がしが多く発生する第2流入口へ遊技者の注目が向くことを抑制し、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴F4.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370,380)と
を備え、
前記迂回通路への流入口として、相互に離間して設けられた第1流入口(入口部分382)及び第2流入口(入口部分372)を有し、
前記第2流入口は、前記第1流入口よりも遊技球が流入しやすくなっており、
前記第1流入口は、当該第1流入口の全体が遊技機前方から視認可能なっており、
前記第2流入口は、当該第2流入口の少なくとも一部が覆い部(ランプ部26)によって遊技機前方から覆われていることを特徴とする遊技機。
特徴F4に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、流入口として第1流入口及び第2流入口が設けられており、第2流入口は第1流入口よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆(すなわち第2流入口の一部を覆い部によって隠すことにより、第1流入口と比較して第2流入口が迂回通路への入口として機能していることが分かりづらい構成)となっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい流入口へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、所定の流下経路(入球部)へ発射された遊技球が効率よく入球部へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴F5.前記第2流入口は、離間して設けられた一対の遊技釘(遊技釘331U,331L)によって構成されており、
前記覆い部は、前記一対の遊技釘の一方を覆っていることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
本特徴に示すように一対の遊技釘によって第2流入口を構成している場合には、それら一対の遊技釘の一方を覆うことで、第2流入口の識別を困難とすることができる。つまり、遊技領域に配設された他の遊技釘に紛らわせることができる。このような構成によれば、覆い部を過度に大きくすることなく第2流入口へ注目が向くことを抑制可能となり、特徴F3等に示した効果を享受する上で、遊技領域にて視認性が高くなっている領域が圧迫されることを好適に抑制できる。
特徴F6.前記案内通路は縦方向に延びており、
前記第1流入口は、前記第2流入口よりも上側を向く成分が大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F5のいずれか1つに記載の遊技機。
流入口をその向きで比較した場合、上側(流路の上流側)を向く成分が大きいほど遊技球が入りやすいとの印象を遊技者に与えやすくなる。そこで、本特徴に示すように、遊技球が入りにくい流入口の方が上側を向く成分が大きくなるように、流入口の傾きを相違させることにより、第1流入口よりも上記逃がしが多く発生する第2流入口へ遊技者の注目が向くことを抑制し、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴F7.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370,380)と
を備え、
前記迂回通路への流入口として、相互に離間して設けられた第1流入口(入口部分382)及び第2流入口(入口部分372)を有し、
前記第2流入口は、前記第1流入口よりも遊技球が流入しやすくなっており、
前記案内通路は縦方向に延びており、
前記第1流入口は、前記第2流入口よりも上側を向く成分が大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F7に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、流入口として第1流入口及び第2流入口が設けられており、第2流入口は第1流入口よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆(すなわち遊技球が入りにくい第1流入口の方が第2流入口よりも上側を向く成分を大きくすることにより、第2流入口と比較して第1流入口の方が遊技球が入りやすいとの印象を遊技者に与えやすくなっている構成)となっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい流入口へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、所定の流下経路(入球部)へ発射された遊技球が効率よく入球部へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴F8.前記案内通路は縦方向に延びており、
前記第1流入口は、前記第2流入口よりも水平面に対する傾きが大きくなるように構成されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F7のいずれか1つに記載の遊技機。
流入口をその向きで比較した場合、水平面に対する傾きが大きいほど、すなわち上側(流路の上流側)を向く成分が大きいほど遊技球が入りやすいとの印象を遊技者に与えやすくなる。そこで、本特徴に示すように、遊技球が入りにくい流入口の方が水平面に対する傾きが大きくなるように、流入口の向きを相違させることにより、第1流入口よりも上記逃がしが多く発生する第2流入口へ遊技者の注目が向くことを抑制し、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴F9.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370,380)と
を備え、
前記迂回通路への流入口として、相互に離間して設けられた第1流入口(入口部分382)及び第2流入口(入口部分372)を有し、
前記第2流入口は、前記第1流入口よりも遊技球が流入しやすくなっており、
前記案内通路は縦方向に延びており、
前記第1流入口は、前記第2流入口よりも水平面に対する傾きが大きくなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F9に示す構成によれば、迂回通路に流入した遊技球については入球部への入球が回避される。迂回通路への入球が遊技者の目についてしまうと、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与えやすくなると想定される。これは、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。ここで、流入口として第1流入口及び第2流入口が設けられており、第2流入口は第1流入口よりも遊技球が流入しやすい構成であるのに対して、外観上はその関係が逆(すなわち遊技球が入りにくい第1流入口の方が第2流入口よりも水平面に対する傾きを大きくすることにより、第2流入口と比較して第1流入口の方が遊技球が入りやすいとの印象を遊技者に与えやすくなっている構成)となっている。流路上に一見して零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)があるのであれば、零れが気になる遊技者の注目がそちらに向くと想定される。しかしながら、一見すると零れが発生しやすそうな箇所(第1流入口)においては実際には零れが抑えられているため、投資が無駄に嵩んでいる等の印象を遊技者に与えにくくすることができる。すなわち、遊技者の視線を実際には零れが発生しにくい流入口へ誘導することにより、遊技球の逃がしを目につきにくくすることができる。これにより、所定の流下経路(入球部)へ発射された遊技球が効率よく入球部へ入球しているかのように見せることが可能となり、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴F10.前記迂回通路として、前記第1流入口を入口とする第1迂回通路(左迂回通路380)と、前記第2流入口を入口とする第2迂回通路(右迂回通路370)とを備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F1等に示した技術的思想を具現化する上では、例えば迂回通路自体は共用とすることも可能である。しかしながら、このような構成では、遊技者が入球の発生しにくい(見かけ上は入球が発生しやすそうな)第1流入口付近に注目している状況下にて、迂回通路を遊技球が通過することで、第2流入口への入球が多く発生していることへ目が向きやすくなると懸念される。この点、本特徴に示すように、第1迂回通路と第2迂回通路とを別々に設けることにより、そのような不都合を生じにくくすることができる。
特徴F11.前記入球部は横長状をなしており、前記第1迂回通路は前記入球部の一端側、前記第2迂回通路は前記入球部の他端側に配設されていることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
本特徴に示すように入球部の両側に迂回通路を引き離して配置することにより、第1流入口及び第1迂回通路に遊技者が注目している状況下にて、第2迂回通路を遊技球が通過した場合に、当該遊技球が遊技者の目につくことを好適に抑制できる。
特徴F12.前記遊技領域には、第1領域と当該第1領域よりも遊技球の視認が困難となる第2領域とが設けられており、
前記第1迂回通路は前記第1領域に配設され、前記第2迂回通路は前記第2領域に配設されていることを特徴とする特徴F10又は特徴F11に記載の遊技機。
遊技球の通過頻度が高低相違する第1迂回通路及び第2迂回通路のうち、通過頻度の低い第1迂回通路を第1領域に配設し且つ通過頻度の高い第2迂回通路を第2領域に配設することにより、遊技者の注意が第2迂回通路に向くことを抑制できる。このようにして、遊技球の逃がしを目立ちにくくさせることで、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記遊技領域には、第1領域と当該第1領域よりも遊技球の視認が困難となる第2領域とが設けられており、前記第2迂回通路は前記第2領域に配設されていることを特徴とする特徴F10又は特徴F11に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴F13.前記案内通路は、上流側案内通路であり、
前記上流側案内通路を通過した遊技球であって前記入球部に入らなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(例えば右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路を備え、
前記第2迂回通路の出口部分から流出した遊技球は前記下流側案内通路にて前記案内通路を通過した遊技球が流入する流入位置よりも上流側にて当該下流側案内通路へ流入し、前記第1迂回通路の出口部分から流出した遊技球は前記下流側案内通路にて前記流入位置よりも下流側にて当該下流側案内通路へ流入する構成となっていることを特徴とする特徴F10乃至特徴F12のいずれか1つに記載の遊技機。
第2迂回通路を通過した遊技球は案内通路を経由して入球部を素通りした遊技球に合流した後、第1迂回通路の出口付近を通過することとなる。これにより、第1迂回通路に遊技者の注目が向いている状態にて、第2迂回通路を通過した遊技球が単独で第1迂回通路の出口付近を通過することを抑制し、他の箇所で零れた遊技球を目立ちにくくすることができる。
特徴F14.前記案内通路には、遊技球の流下経路が複数形成されており、
前記流下経路として、第1流下経路と当該第1流下経路よりも遊技球の通過頻度が高い第2流下経路とを有し、
前記第1流入口は前記第2流下経路に通じており、前記第2流入口は前記第1流下経路に通じていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F13のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技球が主として流下する第2流下経路に沿う位置に第1流入口を形成することで、遊技者に第2流下経路及び第1流入口への注目を促すことができる。このようにして、遊技球の逃がしが多く発生し得る第1流下経路及び第2流入口について遊技球の動きが目につくことを抑制することにより、特徴F1に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F15.前記入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224等)を備え、
前記入球部から前記第1流入口までの距離は、前記入球部から前記第2流入口までの距離よりも短くなっていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F14のいずれか1つに記載の遊技機。
入球部への入球によって賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される構成においては、特典取得に期待する遊技者の注目は入球部及びその周辺に向きやすい。入球部の近傍(詳しくは上流側)に第1流入口を設け、当該第1流入口への流入によって入球部への入球が回避される構成とすれば、遊技者の注目は入球部及び第1流入口に向きやすくなると想定される。第1流入口については第2流入口よりも流入確率が低く、多くの遊技球が入球部へ向かうこととなる。これにより、入球部へ向かう遊技球のほとんどがそのまま入球部へ入球しているように見せることができ、上記逃がしを目立ちにくくすることができる。
なお、第1流入口と入球部とへの注目を促す上では、入球部直上となる位置にオーバーラップさせるようにして第1流入口を配設するとよい。
特徴F16.前記案内通路は縦方向に延びており、
前記第1流入口と前記第2流入口とは、上下方向にて離れていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F15のいずれか1つに記載の遊技機。
第1流入口及び第2流入口を併用する場合には、両者が同時に視界に入ることで特徴F1等に示した効果が上手く発揮されなくなると想定される。例えば、第1流入口及び第2流入口を大きく引き離して配置すれば、そのような不都合を抑制することができるものの、流入口の位置関係(距離関係)に係る制約が強くなることは流下経路等の配置自由度を低下させる要因になるため好ましくない。
ここで、縦横で比較した場合、人の視野は横よりも縦に狭い。そこで、本特徴に示すように、上下方向にて第1流入口及び第2流入口を離して配置することで両流入口の位置関係(距離関係)に係る制約を抑えつつ、特徴F1に示した効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴に示す構成を「前記案内通路は縦方向に延びており、前記第1流入口と前記第2流入口とは、上下方向における離間距離が左右方向における離間距離よりも大きくなるように配置されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F15のいずれか1つに記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴F17.前記迂回通路として、前記第1流入口を入口とする第1迂回通路(左迂回通路380)と、前記第2流入口を入口とする第2迂回通路(右迂回通路370)とを備え、
前記第1迂回通路、前記第2迂回通路及び前記案内通路は横並びとなるように配設されており、
前記遊技領域には、第1領域と当該第1領域よりも遊技球の視認が困難となる第2領域とが設けられており、
前記第1迂回通路は前記第1領域に配設され、前記第2迂回通路は前記第2領域に配設されており、
前記第1流入口及び前記第2流入口は、縦方向に離して配置されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F16のいずれか1つに記載の遊技機。
人の視野は上下よりも左右に広いため、第1迂回通路、第2迂回通路及び案内通路を横並び(並列)となるように配設している場合には、第1迂回通路が視界に入っている状態にて第2迂回通路が視界に入りやすい。そこで、第2迂回通路を視認が困難となる第2領域に配設しつつ、各迂回通路の流入口を縦方向に引き離して配置することにより、第2流入口→第2迂回通路を用いた逃がしを目につきにくくすることが遊技領域を圧迫する要因になることを好適に抑制できる。
特徴F18.前記遊技盤の中央には絵柄を可変表示する可変表示部(図柄表示装置253)が配設されており、
前記入球部へ向かう流下領域にて前記遊技領域の中央側となる部分に前記第1流入口が配設され、当該流下領域にて外側となる部分に前記第2流入口が配設されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F17のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技領域の中央に可変表示部が配設されているタイプの遊技機においては、遊技者の注目が可変表示部に向きやすい。ここで、本特徴に示すように遊技領域中央側に第1流入口を配設し且つ遊技領域外側に第2流入口を配設すれば、可変表示部及び入球部の間で視線を移動させる際に第1流入口及びその周辺が遊技者の視界に入りやすくし、そのような視線の移動に際して第2流入口及びその周辺が遊技者の視界に入りにくくすることができる。これにより、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F19.前記入球部は第1入球部、前記案内通路は上流側案内通路であり、
前記上流側案内通路を通過し前記入球部に入らなかった遊技球及び前記迂回通路を通過した遊技球を前記遊技領域の中央側に設けられた第2入球部(例えば右作動入球ユニット85)へ案内する下流側案内通路(下流側案内通路306)を備え、
前記下流側案内通路は前記中央側へ下り傾斜しており、前記上流側案内通路及び前記下流側案内通路を含む案内路(右ルート)は遊技領域外側へ凸となるように曲がっており、
前記第1流入口は前記案内路における内側部分、前記第2流入口は前記案内路における外側部分に配設されていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F17のいずれか1つに記載の遊技機。
案内路が遊技領域外側に凸となるようにして曲がっている構成においては、第1入球部へ入らなかった遊技球が遊技領域中央側の第2入球部へ向けて移動する。第1入球部へ入らなかった遊技球について第2入球部への入球の機会を設けることで、遊技球の動きへの注目度が第1入球部に入らなかった時点で急速に低下することを抑制できる。
ここで、本特徴に示すように遊技領域中央側に第1流入口を配設し且つ遊技領域外側に第2流入口を配設すれば、第1入球部及び第2入球部の間で視線を移動させる際に第1流入口及びその周辺が遊技者の視界に入りやすくし、そのような視線の移動に際して第2流入口及びその周辺が遊技者の視界に入りにくくすることができる。これにより、特徴F1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴F20.前記案内通路には、前記第1流入口に向けて下り傾斜する傾斜通路(傾斜部361S)が形成されており、前記傾斜通路の最下流部分は、前記入球部へ向かう経路と、前記第1流入口に向かう経路とに分岐していることを特徴とする特徴F1乃至特徴F19のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴F20によれば、第1流入口に向けて下り傾斜となる傾斜通路を形成し、その傾斜通路を通過した遊技球は例えば入球部の直前で第1流入口に向かう経路と、入球部に向かう経路とに分岐する。このような構成とすれば、遊技者に対して傾斜通路〜分岐〜第1流入口及び入球部への注目を促すことができる。これにより、第2流入口への遊技球の流入が目につく機会を減らすことができる。
特徴F21.前記傾斜通路は、当該傾斜通路に沿って遊技球を移動させることで、それら遊技球を前記第2流入口から遠ざける構成となっていることを特徴とする特徴F20に記載の遊技機。
特徴F21に示すように、下流側案内通路(傾斜通路)を通過することにより遊技球が第2流入口から遠ざかる構成とすれば、特徴F20に示した効果を一層好適に発揮させることができる。
因みに、特徴F1〜特徴F21に、特徴A群〜特徴E群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴G群>
以下の特徴G群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴G1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置(例えば右作動入球ユニット85)へ案内可能な下流側案内通路(下流側案内通路306)と
を備え、
前記迂回通路を通過した遊技球は前記下流側案内通路を通じて前記所定位置へ案内される構成となっており、
前記下流側案内通路には、通過する遊技球の視認性が相対的に高くなるように構成された第1領域(手前側壁部418との非重複領域)と、当該第1領域よりも通過する遊技球の視認性が相対的に低くなるように構成された第2領域(手前側壁部418との重複領域)とが設けられており、
前記迂回通路の出口部分(出口部分373)が前記第2領域に配設されていることを特徴とする遊技機。
特徴G1に示すように、迂回通路を用いて入球部への入球を回避し、案内通路及び迂回通路の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路にて合流して所定位置へ向かう構成とすれば、入球部への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路を経由した場合に入球部への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが入球部への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、案内通路を通過した遊技球と迂回通路を通過した遊技球とを下流側案内通路にて合流させる構成においては、合流箇所における遊技球の挙動等から迂回通路を通過した遊技球が目立ってしまうと、迂回通路をどの程度の遊技球が通過したかを特定することが容易になり得る。迂回通路を通過した遊技球の特定が容易になることは、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与える要因になり、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示すように、下流側案内通路に視認性の異なる第1領域/第2領域を設け、比較的視認性が低い第2領域にて遊技球が迂回通路から流出する構成とすれば、遊技球を合流させる際に、遊技球の出所を特定することが難しくなる。このようにして、入球部に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、入球部へ発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
特徴G2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置へ案内可能な下流側案内通路(下流側案内通路306)と
を備え、
前記迂回通路を通過した遊技球は前記下流側案内通路を通じて前記所定位置へ案内される構成となっており、
前記下流側案内通路には、通過する遊技球の視認性が相対的に高くなるように構成された第1領域(手前側壁部418との非重複領域)と、当該第1領域よりも通過する遊技球の視認性が相対的に低くなるように構成された第2領域(手前側壁部418との重複領域)とが設けられており、
前記迂回通路の出口部分(出口部分373)が前記第2領域に配設されていることを特徴とする遊技機。
特徴G2に示すように、迂回通路を用いて入球部への入球を回避し、案内通路及び迂回通路の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路にて合流して所定位置へ向かう構成とすれば、入球部への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路を経由した場合に入球部への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが入球部への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、案内通路を通過した遊技球と迂回通路を通過した遊技球とを下流側案内通路にて合流させる構成においては、合流箇所における遊技球の挙動等から迂回通路を通過した遊技球が目立ってしまうと、迂回通路をどの程度の遊技球が通過したかを特定することが容易になり得る。迂回通路を通過した遊技球の特定が容易になることは、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与える要因になり、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示すように、下流側案内通路に視認性の異なる第1領域/第2領域を設け、比較的視認性が低い第2領域にて遊技球が迂回通路から流出する構成とすれば、遊技球を合流させる際に、遊技球の出所を特定することが難しくなる。このようにして、入球部に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、入球部へ発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す「入球部」が可変式である点に鑑みれば当該「入球部」を「可変入球部」と称することも可能である。
因みに、特徴G1及び特徴G2に示す「第2領域」については遊技球の視認性が第1領域よりも低い領域としたが、遊技球の視認が不可となる領域とすることも可能である。
特徴G3.前記迂回通路は、前記上流側案内通路を通過する遊技球と比べて当該迂回通路を通過する遊技球の方が視認が困難となるように構成されていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3に示すように、迂回通路を通過する遊技球を視認困難とすれば、逃がしの対象となった遊技球が目につく機会を減らすことができる。これは、入球部へ向けて発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せる上で効果的である。但し、このような工夫を講じたとしても、迂回通路から流出する遊技球が遊技者の目についてしまっては、上記工夫による効果が上手く発揮されなくなると懸念される。この点、特徴G1等との組み合わせにより、迂回通路〜合流箇所にて遊技球の視認を困難とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
例えば、遊技者の注目が向きやすい入球部から遠い位置に上記合流箇所を設定することにより、上記不都合の発生を抑制することもできるが、これでは下流側案内通路による案内先と合流箇所との位置関係等に係る制約が大きくなる。この点、上記特徴G1又は特徴G2と特徴G3との組み合わせによれば、入球部と合流箇所とを近づけること、すなわち下流側案内通路における最上流部分への合流箇所の配設を促進できるという効果が期待できる。
特徴G4.前記下流側案内通路において前記上流側案内通路を通じて当該下流側案内通路に流入した遊技球及び前記迂回通路を通じて当該下流側案内通路に流入した遊技球が合流する合流箇所(合流箇所CP)と、前記迂回通路の出口部分とに跨がる部分は、前記第2領域に位置していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G4によれば、迂回通路を通過した遊技球を上流側案内通路を通過した遊技球に合流させる場合に、どの遊技球が迂回通路を通過したものであるかを分かりづらくすることができる。
特徴G5.前記下流側案内通路において前記入球部と合流箇所とに跨る部分は、前記第2領域に位置していることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上流側案内通路を通過した遊技球のうち入球部に入らなったものは下流側案内通路へ流入することとなる。入球部に入らなかった遊技球が第2領域へ移動する際に遊技者の目についてしまった場合、第2領域へ入った遊技球と第2領域から出た遊技球との差から迂回通路を経由した遊技球がどの程度混在しているかがわかりやすくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように合流箇所だけではなく、入球部と合流箇所とを繋ぐ部分についても第2領域に含む構成として、第2領域へ移る遊技球を目につきにくくすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴G6.前記入球部は横長状をなしており、
前記上流側案内通路には、前記入球部への遊技球の到達位置が異なる複数の流下経路が形成されており、
前記下流側案内通路において前記複数の流下経路を通過した遊技球が合流する部分と前記迂回通路の出口部分とに跨る部分が前記第2領域に位置していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれか1つに記載の遊技機。
上流側案内通路にて複数の流下経路に分かれた遊技球が下流側案内通路にて合流する構成とした場合、その合流箇所にて遊技球の密集度合いを高くすることができる。迂回通路を通過した遊技球をその合流箇所に紛れ込ませる構成とすれば、視認性が低下している部分で上流側案内通路を通過した遊技球と迂回通路を通過した遊技球とが混ざることとなり、第2領域から脱した遊技球がいずれの通路を通過したものかを特定することを一層困難とすることができる。
このような構造を独自に構築した場合には、それが不自然を招き遊技者に違和感を与える要因になり得る。しかしながら、本特徴に示すように入球部を横長状として、当該入球部に向かう遊技球の流下経路を複数設けることで、入球部への入球態様を多様化する構成との組み合わせによれば、上述した不自然さを好適に緩和することができる。
特徴G7.前記下流側案内通路は、前記合流する部分においては一条となっており、前記合流する部分の下流側であって前記第1領域に位置する部分については、複数の流下経路に分岐していることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
特徴G7に示すように、視認性が高い第1領域に移る遊技球が複数の流下経路に分かれる構成とすれば、所定位置に向けた遊技球の動きを見せつつも下流側案内通路を通過した遊技球の数の特定が難しくなる。これにより、迂回通路をどの程度の遊技球が通過しているかを算出又は推定されることを抑制することができる。
特徴G8.前記入球部は第1入球部であり、
前記所定位置には遊技球が入球可能な第2入球部(例えば右作動入球ユニット85)が設けられており、
前記下流側案内通路にて前記所定位置側となる部分が前記第1領域に位置し、前記第1入球部側となる部分が前記第2領域に位置していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G7のいずれか1つに記載の遊技機。
第1入球部に入らなかった遊技球を第2入球部に向けて案内する構成とすれば、第1入球部への入球が回避された遊技球への注目が急速に低下することを抑制できる。ここで、第2入球部に向けて移動する遊技球の挙動が経由した通路によって大きく異なってしまった場合には、第1入球部への入球態様からどの程度の遊技球が迂回通路を経由しているかを特定することが可能となる。これは、特徴G1等に示した効果を発揮させる上で妨げになると想定される。この点、本特徴に示すように、下流側案内通路の上流部分を第2領域、下流部分を第1領域として、合流後に遊技球が移動する距離を稼ぐ構成とすれば、経由した通路による遊技球の挙動の違いを好適に緩和することができる。
特徴G9.前記下流側案内通路には、遊技球の移動方向が所定方向となるように規定する規定部(シャッタ83b及び上面部412,414)が形成されており、
前記下流側案内通路にて前記第2領域に位置している部分には、前記所定方向における遊技球の移動速度を低下させる減速部(片持ち構造のシャッタ83b)が形成されていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G8のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G1に示したタイプの遊技機においては遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つである。このため、本来であれば視認性が低くなる第2領域についてはできるだけ小さくすることが好ましい。しかしながら、上流側案内通路を通過した遊技球に迂回通路を通過した遊技球を目立たないようにして合流させる上では、合流箇所にてできるだけ多くの遊技球を確保することが好ましいため、このような機能を重視すれば第2領域が大きくなると懸念される。この点、下流側案内通路にて第2領域に位置している部分に減速部を形成し、下流側案内通路に沿った遊技球の移動を妨げる構成とすれば、合流箇所における遊技球の密集度合いを高くすることができる。これにより、特徴G1に示した効果を享受する上で第2領域の広域化を抑え、遊技機本来の興趣が低下することを好適に抑制できる。
また、下流側案内通路にて遊技球の視認性を確保すれば、球詰まり等の確認作業を行う際の作業効率の低下を抑制することができる。しかしながら、視認性を確保することで、遊技者が遊技球を目で追うことも可能となるため、迂回通路を通過した遊技球を目視で特定しやすくなる。このような事情に鑑みれば、本特徴に示すように減速部を用いて遊技球の密集度合いを高くし、個々の遊技球が目立つことを抑制することは、視認性を確保しつつ零れ球が目につくことを抑制できるという技術的意義がある。つまり、視認性の引き下げに合わせて本特徴に示した技術的思想を併用することにより、特徴G1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴G10.前記遊技盤には、前記下流側案内通路における前側の通路壁面を形成し、光透過性を有する壁面部(手前側壁部418)が設けられており、当該壁面部によって覆われている領域が前記第2領域となるように構成されており、
前記壁面部が、前記下流側案内通路にて前記上流側案内通路を通過した遊技球が流入する流入箇所と前記迂回通路の出口部分とに跨るように、当該出口部分側へ延出していることを特徴とする特徴G1乃至特徴G9のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技者の目線等が体格や姿勢等によってある程度ばらつく点に鑑みれば、遊技盤から第2領域を規定する構成までの距離が嵩むほど第2領域に加味する余裕代を大きくする必要がある。しかしながら、既に説明したように遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つである点に鑑みれば、第2領域については極力小さくすることが好ましい。このような事情に配慮した場合、第2領域を規定する壁面部を遊技盤に配設することには、例えば扉体のガラスパネル等に壁面部に相当する構成と配設する場合と比較して、第2領域の無駄な広がりを好適に回避できるという技術的意義がある。
また、壁面部が上流側案内通路を通過した遊技球が流入する流入箇所と迂回通路の出口部分とに跨るように延出しているため、視認性が低下している部分(第2領域)が流入箇所と出口部分とで繋がる。故に、出口部分から下流側案内通路における合流箇所へ向かう遊技球(零れ球)を目立ちにくくすることができる。
特徴G11.前記入球部は第1可変入球部であり、
前記第1可変入球の下方には第2可変入球部(第2可変入賞装置83)が設けられており、
前記第2可変入球部は、
上方に開放されている入球口(大入賞口83a)と、
前記遊技盤の厚さ方向に移動可能に設けられ、前記入球口を開閉する開閉板(シャッタ83b)と、
前記開閉板の先端部分に遊技機前方から対向する壁面部(手前側壁部418)と
を有し、
前記開閉板が閉位置に配置されている状態では、当該開閉板によって前記下流側案内通路における底面の一部が構成され、
前記壁面部は前記第1可変入球部側に延出し、前記下流側案内通路における前側の通路壁面を構成しており、
前記壁面部によって覆われている領域が前記第2領域となっていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴G11によれば、前後方向に移動する開閉板によって入球口を開閉するタイプの可変入球部(第2可変入球部)においては、開閉板が閉位置に移動する際に当該開閉板によって押された遊技球が遊技機前方へ移動し得る。遊技機にはガラスパネル等のパネル部材が配設され、押された遊技球についてはパネル部材に当たって遊技領域からの離脱が回避されることが一般的である。
ここで、複数の流路を通過した遊技球が合流する箇所では遊技球同士が衝突する等して遊技球の挙動が乱れやすくなる。特に、遊技盤の厚さ方向にて遊技球が移動可能な範囲が大きくなっている場合には上記挙動の乱れが大きくなる。これは、球詰まり等を招く一因になる。そこで、本特徴に示すように、第2可変入球部を構成する壁面部を第1可変入球部側に延出させて合流箇所における遊技球の位置ばらつき(前後方向における位置ばらつき)を軽減すれば、当該合流箇所における球詰まり等の発生を好適に抑制できる。そして、この壁面部(延出部分)について視認性を低下させるような加工等を施すことにより、遊技領域に配設される構成が過度に複雑化することを回避しつつ、特徴G1等に示した技術的思想を具現化できる。
特徴G12.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記入球部の下流側に設けられ、前記上流側案内通路により前記入球部に案内された遊技球のうち当該入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域における所定位置へ案内可能な下流側案内通路(下流側案内通路306)と
を備え、
前記迂回通路を通過した遊技球は前記下流側案内通路を通じて前記所定位置へ案内される構成となっており、
前記下流側案内通路には、通過する遊技球の視認性が相対的に高くなるように構成された第1領域(手前側壁部418との非重複領域)と、当該第1領域よりも通過する遊技球の視認性が相対的に低くなるように構成された第2領域(手前側壁部418との重複領域)とが設けられており、
前記下流側案内通路にて前記上流側案内通路を通過した遊技球と前記迂回通路を通過した遊技球との合流箇所(合流箇所CP)が前記第2領域に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴G12に示すように、迂回通路を用いて入球部への入球を回避し、案内通路及び迂回通路の両通路を通過した遊技球が下流側案内通路にて合流して所定位置へ向かう構成とすれば、入球部への入球が過度に多くなることを回避しつつ所定位置へ遊技球を案内する機能を好適に担保することができる。但し、迂回通路を経由した場合に入球部への入球が回避される構成では、迂回する遊技球が目立つことが入球部への入球を期待する遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。
特に、案内通路を通過した遊技球と迂回通路を通過した遊技球とを下流側案内通路にて合流させる構成においては、合流箇所における遊技球の挙動等から迂回通路を通過した遊技球が目立ってしまうと、迂回通路をどの程度の遊技球が通過したかを特定することが容易になり得る。迂回通路を通過した遊技球の特定が容易になることは、無駄な投資が嵩む等の印象を遊技者に与える要因になり、遊技への注目度の向上を図る上で妨げになると懸念される。
この点、本特徴に示すように、下流側案内通路に視認性の異なる第1領域/第2領域を設け、比較的視認性が低い第2領域にて遊技球が合流する構成とすれば、遊技球を合流させる際に、遊技球の出所を特定することが難しくなる。このようにして、入球部に向かう遊技球の逃がしを目につきにくくすることにより、入球部へ発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せることができる。これにより、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
なお、本特徴に示す「入球部」が可変式である点に鑑みれば当該「入球部」を「可変入球部」と称することも可能である。また、特徴G1及び特徴G2に示す「第2領域」については遊技球の視認性が第1領域よりも低い領域としたが、遊技球の視認が不可となる領域とすることも可能である。
因みに、特徴G1〜特徴G11に、特徴A群〜特徴F群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴H群>
以下の特徴H群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴H1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられた入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と
を備え、
前記扉体は、中央に開口(窓部21)が形成されている本体部(枠体20及びランプ部26)と当該開口を覆うパネル部(ガラスパネル23)とを有し、前記パネル部を通じて前記遊技領域が視認可能となるように構成されており、
前記本体部には、発光部(発光基板453)と当該発光部及び前記迂回通路に遊技機前方から重なるように形成されたカバー部(ランプカバー460)とが設けられ、当該カバー部を通じて前記迂回通路が視認可能となっており、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置255)を備え、
前記発光制御手段は、所定の遊技状態となっている場合に、前記発光部の発光態様を所定態様とすることにより、前記カバー部を通じた前記迂回通路の視認性を低下させる手段を有していることを特徴とする遊技機。
入球部を狙って遊技球が発射されている状況下にて遊技球が迂回通路へ流入し入球部への入球が回避される機会が多くなれば、遊技球の零れが目につきやすくなる。これは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。所定の遊技状態(例えば後述する特別遊技状態)中は、発光部の発光態様が所定態様となることにより、カバー部を通じた迂回通路の視認性が低下し、迂回通路を通過する遊技球が見えづらくなる。これにより、上記零れを目立ちにくくすることができる。入球部へ発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せることができるため、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
零れ球を目につきにくくする上では、例えば迂回通路を完全に視認不可とする等の対策も可能である。しかしながら、迂回通路を視認不可とすることは球詰まり等の確認作業の作業効率を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、所定の遊技状態となって発光部の発光態様を所定態様となるようにすることで、一時的に視認性を引き下げることが可能となっている。以上の理由から、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した作業性の低下を好適に抑制できる。
なお、「所定の遊技状態」は、上記入球部を狙って遊技球を発射することにより遊技を有利に進めることができる遊技状態を含む。
特徴H2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPUにて遊技状態の移行を行う機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態(開状態)及び入球が不可となる非受入状態(閉状態)に切替可能な入球部(例えば第1可変入賞装置82)と、
前記特別遊技状態となっている場合に、前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPUにおける開閉機能)と、
前記入球部よりも上流側にて分岐するようにして設けられ、前記入球部に遊技球を案内する上流側案内通路(案内通路360)及び前記入球部への入球が回避されるようにして当該入球部を迂回させる迂回通路(迂回通路370)と、
前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)と
を備え、
前記扉体は、中央に開口(窓部21)が形成されている本体部(枠体20及びランプ部26)と当該開口を覆うパネル部(ガラスパネル23)とを有し、前記パネル部を通じて前記遊技領域が視認可能となるように構成されており、
前記本体部には、発光部(発光基板453)と当該発光部及び前記迂回通路に遊技機前方から重なるように形成されたカバー部(ランプカバー460)とが設けられ、当該カバー部を通じて前記迂回通路が視認可能となっており、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置255)を備え、
前記発光制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記発光部の発光態様を所定態様とすることにより、前記カバー部を通じた前記迂回通路の視認性を低下させる手段を有していることを特徴とする遊技機。
可変式の入球部が受入状態となる状況下(特別遊技状態)においては、当該入球部を狙って遊技球を発射することにより遊技を有利に進めることができる。このような状況下にて遊技球の零れが目につくことは、遊技者の遊技意欲を低下させる要因になり得る。特別遊技状態中は、発光部の発光態様が所定態様となることにより、カバー部を通じた迂回通路の視認性が低下し、迂回通路を通過する遊技球が見えづらくなる。これにより、上記零れを目立ちにくくすることができる。入球部へ発射された遊技球が効率よく当該入球部へ入球しているかのように見せることができるため、遊技者の満足度を高め、遊技への注目度の向上に寄与することができる。
零れ球を目につきにくくする上では、例えば迂回通路を完全に視認不可とする等の対策も可能である。しかしながら、迂回通路を視認不可とすることは球詰まり等の確認作業の作業効率を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、所定の遊技状態となって発光部の発光態様を所定態様となるようにすることで、一時的に視認性を引き下げることが可能となっている。以上の理由から、遊技への注目度の向上を図りつつそれに起因した作業性の低下を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「入球部」が可変式である点に鑑みれば当該「入球部」を「可変入球部」と称することも可能である。
特徴H3.前記カバー部は光透過性を有し、当該カバー部にて前記迂回通路の前方となる所定部分には光を拡散させる光拡散部(光拡散部479)が設けられており、
前記発光部の発光態様が前記所定態様となることにより、当該発光部からの光が前記光拡散部に照射される構成となっていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
発光部の発光態様が所定態様となることで当該発光部からの光が光拡散部に照射されると、光拡散部にて光が拡散され、当該光拡散部が発光しているように見せることができる。光拡散部がカバー部にて迂回通路の前方となる所定部分に設けられているため、光拡散部の後方に位置する迂回通路については、当該光拡散部からの光に隠れて見えづらくなる。これにより、迂回通路だけでなく当該迂回通路を通過する遊技球についても視認性を低下させることができる。
特徴H4.前記カバー部は、遊技機前方に凸となっており、
前記カバー部における前記遊技領域の中央側の側壁部(側壁部475,485)が前記迂回通路の前方に位置しており、当該側壁部に前記光拡散部が形成されていることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
特徴H4に示す構成によれば、側壁部を通過する光の移動距離を好適に稼ぐことができる。つまり、遊技機正面側から側壁部を通じて迂回通路を見ようとすれば、側壁部を通過して遊技者の目に届く光(反射光)は側壁部における光路が長くなることで拡散されやすくなる。ここで、発光部から側壁部に光が照射されると、発光部からの光に紛れて上述した反射光がわかりづらくなる。光路における何れかの位置にて発光部からの光が紛れさえすればよいため、視差等のばらつきが生じる場合であっても、視認性の低減効果を好適に発揮することができる。
特徴H5.前記カバー部は、遊技機前方に凸となっており、
前記カバー部における前記遊技領域の中央側の側壁部(側壁部475,485)は斜め前方を向き且つ前記迂回通路の前方に位置しており、当該側壁部に前記光拡散部が形成されていることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
特徴H5に示す構成によれば、側壁部を通過する光の移動距離を好適に稼ぐことができる。つまり、遊技機正面側から側壁部を通じて迂回通路を見ようとすれば、側壁部を通過して遊技者の目に届く光(反射光)は側壁部における光路が長くなることで拡散されやすくなる。ここで、発光部から側壁部に光が照射されると、発光部からの光に紛れて上述した反射光がわかりづらくなる。光路における何れかの位置にて発光部からの光が紛れさえすればよいため、視差等のばらつきが生じる場合であっても、視認性の低減効果を好適に発揮することができる。
特に、側壁部については斜め前方を向いているため、例えば遊技盤の前面に対して側壁部が垂直になる構成と比較して、側壁部の薄型化を図りつつ上記低減効果を発揮させることができる。光拡散部については側壁部の肉部よりも表面部に形成する方が容易且つ配置自由度が高くなり、薄型化によって表面部への光拡散部の配設を促進できるため、実用上好ましい構成が実現できる。
特徴H6.前記カバー部の前記側壁部には段部(段部478)が形成されており、前記カバー部は前記段部が前記迂回通路の前方に位置するように配置されていることを特徴とする特徴H4又は特徴H5に記載の遊技機。
特徴H6によれば、側壁部に段部(折曲部)を形成することで、カバー部材の強度を好適に向上させることができる。更に、このような段部では光が屈折、拡散しやすい。そこで、段部を迂回通路の前方に配設すれば、上記特徴H1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴H7.前記カバー部は、複数のカバー部材(カバー部材471,481)を前後に重ねて構成されており、
前記複数のカバー部材を構成する内側のカバー部材の側壁部には段部(段部478)が形成されており、
前記内側のカバー部材は、前記段部が前記迂回通路の前方に位置するように配置されていることを特徴とする特徴H4又は特徴H5に記載の遊技機。
特徴H7によれば、側壁部に段部(折曲部)を形成することで、カバー部材の強度を好適に向上させることができる。更に、このような段部では光が屈折、拡散しやすい。そこで、段部を迂回通路の前方に配設すれば、上記特徴H1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
外側のカバー部材については遊技者等が直接触れる部位であり且つ外観に直結する部位でもあるため、補強用の段部を設ける上で制約が生じやすい。また、特徴H1等に示した効果を発揮させるためにカバー部材の位置に制約が生じることは好ましくない。そこで、本特徴に示すように、内側のカバー部材の側壁部に段部を設ける構成とすれば、それら各種不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴H8.前記発光部は前記迂回通路よりも遊技機外側に位置しており、
前記発光部からの光が前記迂回通路の前方を横切るようにして遊技機中央側に照射される構成となっていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H7のいずれか1つに記載の遊技機。
発光部が迂回通路よりも遊技機外側に配置されているため、発光部自体が迂回通路の視認の妨げになることを回避できる。発光部からの光は迂回通路の前方を横切るようにして遊技機中央側に照射される。迂回通路の前方には光拡散部が配設されており、この光拡散部にて光が拡散されることで、上記低減効果が発揮される。このような構成とすることにより、発光部の存在が上記確認作業の妨げになることを好適に抑制できる。
特徴H9.前記発光部は、複数の発光体(発光体454A〜454D)が実装された発光基板(発光基板453)と前記発光基板を保持する台座(台座452)とを有してなり、
前記発光基板が前記台座に配設された状態では、前記発光基板の板面が斜め前方を向くようにして遊技盤に対して傾斜していることを特徴とする特徴H1乃至特徴H8のいずれか1つに記載の遊技機。
迂回通路との重なりを回避するようにして発光基板を配置する場合には、発光基板の配置に係る制約が強くなる。この点、本特徴に示すように、発光基板を斜めに傾けて配置する構成とすれば、遊技機正面視にて迂回通路と発光基板との重なりを回避しつつ、発光基板の配置領域を確保することができる。これにより、発光範囲や光量に係る制約を好適に緩和できる。
特徴H10.前記迂回通路及び前記発光部は、遊技機正面視にて、前記迂回通路が前記遊技領域の中央側、前記発光部が外側となるように並んでおり、前記発光基板は前記発光体の実装面が中央側を向くように傾いた状態で配置されていることを特徴とする特徴H9に記載の遊技機。
上記遊技領域を有するタイプの遊技機については、遊技者の顔が遊技領域の中央前方に位置することを想定して各種遊技部品が配置されている。そこで、発光基板を内向きに傾斜させる構成とすれば、光の射出方向を遊技者側に向けやすくなり、光による視認性低下の効果を好適に発揮させることができる。
特徴H11.前記発光部は、複数の発光体(発光体454A〜454D)が実装された発光基板(発光基板453)を有し、
前記複数の発光体は、前記カバー部における前記光拡散部に光を照射する第1発光体(発光体454A〜454B)と、前記カバー部において前記光拡散部以外の部分(例えば前面部476,486)へ光を照射する第2発光体(発光体454C〜454D)とを有してなり、
前記発光制御手段は、前記特別遊技状態となっていない場合に前記第2発光体を発光させる手段と、前記特別遊技状態になっている場合に前記第1発光体を発光させる手段とを有していることを特徴とする特徴H1乃至特徴H10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴H11によれば、発光基板には光の照射先の異なる第1発光体及び第2発光体が設けられている。特別遊技状態となっている場合には第1発光体が発光し、第1発光体からの光が光拡散部に照射される。このようにして、光拡散部を発光させることにより、その背後に位置する迂回通路の視認性を低下させることができる。
特徴H12.前記カバー部は、遊技機中央側を向く内側の側壁部と、遊技機外側を向く外側の側壁部と、遊技機前方を向く前面部とを有し、当該前面部が遊技機正面視にて前記迂回通路との重なりが回避されるように構成されており、
前記光拡散部は、前記内側の側壁部に形成されており、
前記第2発光体からの光を前記前面部及び前記外側の側壁部の少なくとも何れかに導く導光部(レンズ455)を備えていることを特徴とする特徴H11に記載の遊技機。
特別遊技状態となっていない場合には、第2発光体からの光によって発光演出等が行われる場合がある。迂回通路の確認作業を行う際に、第2発光体からの光が上記光拡散部に照射されると、その光が確認作業の妨げになる。特別遊技状態となっていない場合に第2発光体による発光演出等を控える構成とすれば、そのような不都合の発生を抑制できるものの、遊技機の見栄え等の向上を図る上で好ましくない。そこで、本特徴に示すように、第2発光体からの光がカバー部の前面部及び外側の側壁部の少なくとも何れかに照射される構成とすれば、前面部及び外側の側壁部については迂回通路との重なりが回避される位置に配されているため、第2発光体からの光を用いて発光演出等を行ったとしても、それが作業性を妨げる要因になることを好適に回避できる。
特徴H13.前記第1発光体を複数有し、
前記発光制御手段は、前記発光部の発光態様を所定態様としている場合には、それら第1発光体の発光期間を一部重複させるようにして発光制御を行うことにより、前記光拡散部への光の供給を継続させる構成となっていることを特徴とする特徴H11又は特徴H12に記載の遊技機。
発光によって迂回通路の視認性を低下させる場合、例えば発光体(第1発光体)を常時点灯させる構成とすることも可能である。しかしながら、このような構成では発光演出機能が低下する。この点、第1発光体を複数設け、それら第1発光体の発光期間の一部が重複するようにして光の照射が継続される構成とすれば、発光演出の多様化を図りつつ、迂回通路を目立ちにくくさせる効果を好適に発揮させることができる。
特徴H14.複数の前記第1発光体は、前記迂回通路と交差する方向に並んでおり、
前記発光制御手段は、それら交差する方向に並ぶ複数の第1発光体の発光期間を一部重複させるようにして発光制御を行う構成となっていることを特徴とする特徴H13に記載の遊技機。
複数の第1発光体を用いて発光対象を切り替える場合には、光拡散部に照射される光量に偏りが生じ得る。光量が少ない部分では発光レベルが下がることで、背後の迂回通路の視認性を低下させる機能が上手く発揮されなくなると想定される。このような事情は、迂回通路の通路方向に並んだ複数の第1発光体について発光対象の切り替えを行った場合に発生しやすい。この点、特徴に示すように通路と交差する方向に並ぶ複数の第1発光体について発光対象を切り替える構成とすれば、そのような不都合を生じにくくすることができる。
因みに、特徴H1〜特徴H14に、特徴A群〜特徴G群に示した技術的思想を適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(遊技釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。