JP2008160765A - 受信装置、受信方法、学習装置、学習方法、およびプログラム - Google Patents

受信装置、受信方法、学習装置、学習方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号することができるようにする。
【解決手段】AD変換部301が、アナログのベースバンド信号を高速にサンプリングし、その結果得られる現在ビット時間の3個のサンプリング値をデータ保持部302を介して分類部303に供給する。分類部303は、現在ビット時間の3個のサンプリング値と過去の2ビット時間の2個のサンプリング値とから、学習処理により得られた分類コード表を用いて分類コードを決定する。復号部304は、分類部303からの分類コードに対応するビットデータを決定する。本発明は、例えば、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置に適用できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、受信装置、受信方法、学習装置、学習方法、およびプログラムに関し、特に、マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号することができるようにする受信装置、受信方法、学習装置、学習方法、およびプログラムに関する。
例えば、所定の装置の筐体内において、電波(電磁波)による無線通信が行われる場合、受信機は、送信された電波が筐体内の障害物によって反射および回折し、複数の経路から同じ電波を受信してしまう。このように、送信された電波が筐体内の障害物によって反射および回折し、複数の経路からの電波を受信することをマルチパスという。なお、マルチパスは、筐体内に限らず、例えば、ビルなどの建造物や地形などを障害物として、筐体外でも発生する。
マルチパスでは、経路距離が異なる、換言すれば、伝送にかかる時間の異なる複数の経路の電波を受信機は受信するため、その受信した波形には歪みが生じている。このマルチパスによる、受信した波形の歪み(以下、マルチパスフェージングという)のために、符号の復号ができなくなることがある。換言すれば、マルチパスによって発生する直流オフセット等によってビット誤り率が増加するという問題がある。
図1は、ある装置の筐体内と筐体外で放射された電波を受信したときの受信波形を示している。なお、変調方式はASK(Amplitude Shift Keying)変調方式である。
図1において、右側の4つの波形は、筐体内での通信による受信波形を、左側の4つの波形は、筐体外での通信による受信波形を示し、それぞれ、伝送速度が、250kbps,500kbps,1Mbps、および2Mbpsのときの4通りについて示している。
例えば、一番特徴がよく表れている、最下段に示される伝送速度が2Mbpsのときを見ると、筐体外での受信波形は、“0”と“1”の区間がきれいに表示されているのに対し、筐体内での受信波形は、“0”となるべき区間に反射波が覆い被さってきているために波形が崩れ、“1”と判定される可能性が高くなっている。また、この筐体内での受信波形の歪みは、伝送速度が速くなるほど大きい。つまり、送信信号の速度によって、受信時の影響が大きく異なるとともに、反射によって通信品質が大きく劣化することが分かる。
従って、マルチパスフェージングの影響により、通信路容量を増加させることが出来ない、および、簡単な信号処理では任意の信号品質を保つことが困難である、という問題が生じる。
そこで、例えば、マルチパスフェージングを解決する手段として、筐体内全面に電波吸収体を貼ることで、筐体内において筐体の壁面における電磁波の反射を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、電波吸収体はコストが高く、また排熱などの観点から、筐体内の全面に電波吸収体を貼ることは難しい。
また、従来、一般的な無線通信の信号処理によるマルチパス対策としては、
1.変調方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重方式)を用いる
2.スペクトラム拡散 (Spread Spectrum)とレイク受信を用いる
3.マルチアンテナで受信する
4.インタリーブした信号を畳み込み符号化し、ビタビ復号とデインタリーブを行う
などが考えられる。
特開2004−220264号公報
しかしながら、OFDM変調方式を用いる場合には高速にフーリエ変換を行う必要があり、高熱が発生するという懸念がある。スペクトラム拡散を用いた場合には、送信信号よりも高速な信号処理が必要となるので、受信機の性能を向上させていくことが難しい等の問題がある。
マルチアンテナを用いた場合には、マルチアンテナの効果を得る為に、アンテナ間の距離をその波長に応じて十分に離す必要があるので、狭い空間内における通信に適用することが難しい。インタリーブした信号を畳み込み符号化し、ビタビ復号とデインタリーブを行う場合には、復号時に高速で大きな記憶素子を必要とし、大容量かつリアルタイム性が必要な映像信号等の通信には適用し難いという問題がある。
図2は、図1に示した筐体内における受信信号を、所定の長い時間受信したときの、受信信号から生成されたベースバンド信号の振幅値の頻度分布を示している。図2の横軸は、ベースバンド信号の振幅値を表し、縦軸は、各振幅値をとるベースバンド信号の発生確率を表す。
図2に示される分布は、マルチパスの振幅値の頻度分布を統計的に表すM分布のなかの、シンボル間干渉が大きいマルチパスフェージングを表現する分布には近いものの、それとは確実に異なるものであることが分かる。この分布を見ると、通常のマルチパスに対応する復号方式によって、図1に示したような、筐体内で発生するマルチパスによる歪みのある受信信号を復号することは難しい。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号することができるようにするものである。
本発明の第1の側面の受信装置は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置において、前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定する分類手段と、前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を記憶するビットデータ記憶手段と、前記ビットデータ表と、前記分類手段で決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定するビットデータ決定手段とを備える。
前記ビットデータ決定手段が決定する前記ビットデータには、前記過去ビット時間のデータも含むようにさせることができる。
マルチパスの定常性を有する信号の統計値と前記分類コードとが対応付けられた分類コード表を記憶する分類コード記憶手段をさらに設け、前記分類手段には、前記現在ビット時間および前記過去ビット時間の前記サンプリング値と、前記統計値とを比較して、前記分類コードを決定させることができる。
前記分類手段には、前記統計値から、マルチパスの定常性を有する信号の範囲を算出させ、前記現在ビット時間および前記過去ビット時間の前記サンプリング値が、前記範囲に含まれるかどうかを判定することにより、前記分類コードを決定させることができる。
1ビット時間の前記信号から複数のサンプリング値を求めるサンプリング手段をさらに設け、前記分類手段には、少なくとも前記現在ビット時間については複数の前記サンプリング値を用いて、前記分類コードを決定させることができる。
前記サンプリング手段には、そこに供給されるクロック信号に対して、所定時間だけ位相を前後させるクロック信号変換手段を有するようにさせ、前記クロック信号および前記クロック信号変換手段が出力するクロック信号に基づいて前記サンプリング値を求めさせることができる。
本発明の第1の側面の受信方法は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置の受信方法において、前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定し、前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定するステップを含む。
本発明の第1の側面のプログラムは、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定し、前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定するステップを含む。
本発明の第1の側面においては、信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の信号からサンプリングされたサンプリング値と、現在ビット時間より前の過去ビット時間の信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、信号が分類され、分類コードが決定される。そして、分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された分類コードとから、受信した信号に対応するビットデータが決定される。
本発明の第2の側面の学習装置は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置において、所定のビットデータに対応する前記信号を受信する受信手段と、前記信号を所定の分類コードごとに記憶する記憶手段と、前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出する統計値算出手段と、前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する対応表作成手段とを備える。
前記信号の統計値は、前記信号の平均値および分散値とさせることができる。
本発明の第2の側面の学習方法は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置の学習方法において、所定のビットデータに対応する前記信号を受信し、前記信号を所定の分類コードごとに記憶し、前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出し、前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成するステップを含む。
本発明の第2の側面のプログラムは、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、所定のビットデータに対応する前記信号を受信し、前記信号を所定の分類コードごとに記憶させ、前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出し、前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成するステップを含む。
本発明の第2の側面においては、所定のビットデータに対応する信号が所定の分類コードごとに記憶され、分類コードごとに、信号の統計値が算出され、信号に対応する分類コードと、ビットデータ、および統計値とを対応付けた送受信データ対応表が作成される。
本発明の第1の側面によれば、マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号することができる。
本発明の第2の側面によれば、マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号するためのデータを学習することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面の受信装置は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置(例えば、図3のLSI100)において、前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定する分類手段(例えば、図11の分類コード決定部361)と、前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を記憶するビットデータ記憶手段(例えば、図18のビット値RAM382)と、前記ビットデータ表と、前記分類手段で決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定するビットデータ決定手段(例えば、図18の受信データ決定部381)とを備える。
マルチパスの定常性を有する信号の統計値と前記分類コードとが対応付けられた分類コード表を記憶する分類コード記憶手段(例えば、図11の分散値RAM362)をさらに設け、前記分類手段には、前記現在ビット時間および前記過去ビット時間の前記サンプリング値と、前記統計値とを比較して、前記分類コードを決定させることができる。
1ビット時間の前記信号から複数のサンプリング値を求めるサンプリング手段(例えば、図7のAD変換部301)をさらに設け、前記分類手段には、少なくとも前記現在ビット時間については複数の前記サンプリング値を用いて、前記分類コードを決定させることができる。
本発明の第1の側面の受信方法またはプログラムは、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置の受信方法または前記復号する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定し(例えば、図20のステップS24)、前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定する(例えば、図20のステップS25)ステップを含む。
本発明の第2の側面の学習装置は、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置(例えば、図3のLSI100)において、所定のビットデータに対応する前記信号を受信する受信手段(例えば、図7のAD変換部301)と、前記信号を所定の分類コードごとに記憶する記憶手段(例えば、図21の受信値RAM401)と、前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出する統計値算出手段(例えば、図21の平均値算出部402および分散値算出部403)と、前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する対応表作成手段(例えば、図21の対応表作成部404)とを備える。
本発明の第2の側面の学習方法またはプログラムは、マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置の学習方法、または、データを学習する学習処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、所定のビットデータに対応する前記信号を受信し(例えば、図23のステップS49)、前記信号を所定の分類コードごとに記憶させ(例えば、図23のステップS50)、前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出し(例えば、図23のステップS51およびS52)、前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する(例えば、図23のステップS53)ステップを含む。
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図3は、本発明を適用した情報処理装置の一実施の形態の構成例を示している。
情報処理装置1は、その筐体2のなかに、基板11乃至14と、その基板11乃至14が装着されるベース基板15を有している。基板11および12は、基板固定冶具16を介してベース基板15に装着され、基板13および14は、ベース基板15に直に装着されている。
基板11乃至14それぞれは、無線通信の機能を有するLSI(Large Scale Integration)とアンテナを少なくとも1つ以上有している。即ち、基板11は、LSI100とアンテナ101を有し、基板12は、LSI102とアンテナ103を有している。また、基板13は、LSI104とアンテナ105、および、LSI106とアンテナ107を有し、基板14は、LSI108とアンテナ109を有している。このLSI100,102,104,106、または108は、それぞれ、アンテナ101,103,105,107、または109を介して、電波(電磁波)を伝送媒体とする送信装置および受信装置としての機能を有する。
なお、図3に示される基板の配置、設置方法、および枚数などは、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
LSI100は、電波を伝送媒体とする無線通信により、画像や音声などの所定のデータを、情報処理装置1内の他のLSI(LSI102,104,106、または108)にアンテナ101を介して送信したり、他のLSIから送信されたデータを、アンテナ101を介して受信する。LSI100では、リアルタイム性が必要とされるバースト信号、および、間欠パケット信号の両方の通信が可能である。
LSI102,104,106、および108もLSI100と同様に、情報処理装置1内の他のLSIと無線通信を行う。以下では、LSI100が他のLSIにデータを送信したり、受信する場合について説明し、その他のLSIのデータの送信および受信についての説明は省略する。
筐体2の中に存在する白色ノイズ(熱雑音)、有色ノイズ(LSIから放射されるノイズ)、および、筐体2内の壁面や基板で反射および回折した信号によって、受信側で受信した信号には波形歪みが生じる。即ち、情報処理装置1内のLSI100が受信する信号の波形には、マルチパスによる歪みが生じている。
図4は、他のLSI(以下では、例えば、LSI102とする)から送信された送信データに対応する送信波形と、その送信波形をLSI100が受信したときの受信波形を示している。
図4において、横軸は時間を表し、縦軸は、信号波形の振幅値を表す。また、灰色の線は、送信または受信した信号波形そのもの(data)を表し、黒色の線は、送信または受信した信号波形の包絡線の波形(env)を表す。なお、信号の変調方式は、ASK変調方式である。
図4を参照して分かるように、LSI102から送信された送信データに対応する信号波形を、LSI100が受信したときには、波形に歪みが生じている。
図5は、図4に示した、14波ある送信波形および受信波形の包絡線の位相を揃え、重ねて表示したものである。図5の灰色の線は、14波の波形それぞれ(data)を表し、黒色の線は、その14波の波形を平均した波形(ave)を表す。
図5によれば、筐体2内で発生するマルチパスによる受信波形の劣化は、時間に対してほぼ一定であり、受信波形へマルチパス波が影響を及ぼす時間は短いことが分かる。従って、筐体2内のマルチパス環境下においては、LSI100が受信する受信波形は、短時間で、時間に対して一定とみなすことができる影響を受けるということができる。このように、マルチパス環境下で受信することによって、短時間で、時間に対して一定とみなすことができる影響を受けた受信信号を、定常性のあるマルチパス信号と称する。また、時間に対して一定とみなすことができる影響を定常性と称する。
LSI100は、上記の定常性を利用して、受信信号の波形歪みを整形し、デジタルの信号に変換する。
図6は、LSI100の構成例を示すブロック図である。
LSI100は、入出力I/F(Interface)201、アルゴリズム処理部202、RF (Radio Frequency)信号処理部203、およびBB(Base band)信号処理部204により構成される。
入出力I/F201は、制御信号および基準クロック信号に基づいて、基板11上の他のブロック(不図示)と、アルゴリズム処理部202との間で、データを仲介する。入出力I/F201が基板11上の他のブロックとやり取りする信号は、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signal)などの規格に従う信号である。なお、制御信号および基準クロック信号は、必要に応じてLSI100内の各部に供給される。
アルゴリズム処理部202は、入出力I/F201またはBB信号処理部204から供給される信号に対して所定の信号処理を行う。例えば、BB信号処理部204から供給されるデジタル信号が画像信号である場合、アルゴリズム処理部202には、線形補間処理を施したり、高画質化処理を行うDRC(Digital Reality Creation)などを行わせることができる。また、BB信号処理部204から供給されるデジタル信号が音声信号である場合、アルゴリズム処理部202には、供給された音声信号をサラウンド信号に分離する処理などを行わせることができる。
なお、アルゴリズム処理部202は、入力された信号に対応するデータに対する乗算や除算の処理を、基準クロック信号が表す基準クロックよりも高速に動作を行うことが可能である。従って、アルゴリズム処理部202は、BB信号処理部204から供給される信号の信号レートが基準クロックよりも高速であったとしても、演算を行うことができる。また、BB信号処理部204から供給される信号の信号レートが基準クロックよりも遅い場合にも勿論対応可能である。
アルゴリズム処理部202は、入出力I/F201から供給された信号に所定の信号処理を施した後の、処理後のデジタル信号をRF信号処理部203に供給する。また、アルゴリズム処理部202は、BB信号処理部204から供給された信号に所定の信号処理を施した後の、処理後のデジタル信号を入出力I/F201に供給する。
RF信号処理部203は、アルゴリズム処理部202から供給されるデジタル信号に対して、ASK変調などの変調処理を施し、変調処理後の信号を、キャリア周波数fcのキャリア信号とさらに乗算して、RF信号を生成し、アンテナ101に供給する。
また、RF信号処理部203は、アンテナ101から供給されるRF信号としての、ASK変調された変調波を同期検波し、ベースバンド信号に変換してBB信号処理部204に供給する。
なお、本実施の形態では、RF信号処理部203は、ASK変調されたアナログ信号を送受信することとするが、その他、PSK(Phase Shift Keying)変調されたアナログ信号、スペクトラム拡散方式によるアナログ信号などを送受信するようにしてもよい。
BB信号処理部204は、RF信号処理部203から供給されたアナログのベースバンド信号を、デジタル信号に変換し、アルゴリズム処理部202に供給する。RF信号処理部203から供給されるベースバンド信号は、定常性のあるマルチパス信号であり、マルチパスにより歪んだ波形となっている。なお、BB信号処理部204は、アルゴリズム処理部202からのレート制御情報に基づいて、アルゴリズム処理部202との通信レートを変化させる。
図7は、BB信号処理部204の詳細な構成例を示すブロック図である。
BB信号処理部204は、AD(Analog/Digital)変換部301、データ保持部302、分類部303、復号部304、データ保持部305、学習部306、および既知信号データベース307により構成される。
BB信号処理部204には、アナログのベースバンド信号を受信して、デジタル信号に変換する受信処理を行う受信モードと、受信処理において利用する各種の対応表を学習する学習処理を行う学習モードの2つのモードがある。受信処理は、AD変換部301、データ保持部302、分類部303、復号部304、およびデータ保持部305によって行われ、学習処理は、AD変換部301、データ保持部302、分類部303、復号部304、学習部306、および既知信号データベース307によって行われる。従って、BB信号処理部204が学習モードであるときは、LSI100は学習装置として機能し、BB信号処理部204が受信モードであるときは、LSI100は受信装置として機能する。
RF信号処理部203から出力されたアナログのベースバンド信号は、BB信号処理部204のAD変換部301に供給される。AD変換部301は、ベースバンド信号の受信データの1ビットを表す時間(以下、1ビット時間という)ごとに、ベースバンド信号を複数点サンプリングし、その結果得られるサンプリング値をデータ保持部302に供給する。なお、本実施の形態では、図8および図9を参照して後述するように、AD変換部301は、1ビット時間あたり、3点のサンプリングを行うが、複数点であれば、2点、または4点以上でもよい。
データ保持部302は、フリップフロップ等により構成され、AD変換部301から供給されるサンプリング値を、所定時間だけ保持する。データ保持部302は、サンプリング値を所定時間だけ保持した後、BB信号処理部204が受信モードである場合には、分類部303に供給し、BB信号処理部204が学習モードである場合には、学習部306に供給する。
分類部303は、学習モードにおいて、マルチパスの定常性を有する波形整形前の受信データ(サンプリング値)の統計値と分類コードとが対応付けられた分類コード表(図12)を学習部306から取得する。そして、分類部303は、受信モードにおいて、学習モードで取得した分類コード表に基づいて、受信データを分類する。より具体的には、分類部303は、過去の2ビット時間分のサンプリング値を記憶しており、データ保持部302からの、最近の1ビット時間(以下、現在ビット時間という)中にベースバンド信号からサンプリングされたサンプリング値と、過去の2ビット時間にサンプリングされたサンプリング値とから、波形整形前の受信データの統計値に当てはまる分類コードを決定することにより、受信データを分類し、その分類結果としての分類コードを復号部304に供給する。
復号部304は、学習モードにおいて、学習部306で学習された、分類コードと、デジタルの送信データ(以下、ビットデータという)とが対応付けられたビットデータ表(図19)を取得する。また、復号部304は、HDD(Hard Disk Drive)やメモリカードなどの図示せぬ外部記憶装置から、ビットデータ表を取得することも可能である。そして、復号部304は、受信モードにおいて、ビットデータ表を参照し、分類部303から供給される分類コードに基づいて、ビットデータを決定する。
なお、分類部303が現在ビット時間を含む3ビット分の波形整形前の受信データに基づいて分類コードを決定したのに合わせて、ビットデータ表には、分類コードに対応して、現在ビット時間と過去2ビット時間分の3ビットのビットデータが対応付けられている。従って、復号部304は、3ビットのビットデータを決定し、データ保持部305に供給する。
データ保持部305は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、レート制御情報で指示された通信レートとなるように、復号部304から供給されるビットデータを所定時間だけ保持し、その後、アルゴリズム処理部202に供給する。
学習部306は、学習モードにおいて、受信信号におけるマルチパスの定常性を学習する。
より具体的には、学習部306には、上述したビットデータと等しい、送信側が送信する送信データと、その分類コード、および波形整形前の受信データの統計値とが対応付けられた送受信データ対応表(図22)が既知信号データベース307から供給される。但し、波形整形前の受信データの統計値を求める処理が学習処理であるので、学習処理の最初に供給される送受信データ対応表では、波形整形前の受信データの統計値は、初期値としてのゼロが代入されている。
学習部306は、データ保持部302から供給される波形整形前の受信データを分類コードごとに蓄積する。なお、学習モードでは、他のLSIから、送信データがどういう順番で送信されてくるかが予め決定されているので、学習部306は、その送信データに対応する分類コードごとに、データ保持部302から供給される波形整形前の受信データを蓄積する。そして、学習部306は、分類コードごとに、蓄積された波形整形前の受信データから、波形整形前の受信データの統計値を算出し、送受信データ対応表を更新する。受信データの統計値とは、例えば、サンプリング値の平均値μおよび分散σ2である。これにより、学習部306には、分類コードと、送信データ(ビットデータ)および波形整形前の受信データの統計値とを対応付けた送受信データ対応表が作成される。
学習部306は、送受信データ対応表から、分類コードと受信データの統計値との対応を抽出し、上述した分類コード表として、分類部303に供給する。また、学習部306は、送受信データ対応表から、分類コードと送信データとの対応を抽出し、上述したビットデータ表として、復号部304に供給する。
既知信号データベース307は、送信データと、その分類コード、および波形整形前の受信データの統計値が対応付けられた送受信データ対応表の初期値を、図示せぬ外部記憶装置から取得し、記憶するとともに、必要に応じて学習部306に供給する。また、送受信データ対応表の送信データと分類コードの構成(数)が変わらない場合には、既知信号データベース307は、外部記憶装置からではなく、復号部304が内部に有するビットデータ表を、復号部304から取得して、波形整形前の受信データの統計値をゼロにして、学習部306に供給することも可能である。
図8および図9を参照して、受信モードにおける、ベースバンド信号のサンプリングについて説明する。
AD変換部301は、図8に示すように、アナログ信号のベースバンド信号の1ビット時間ごとに、3点をサンプリングし、データ保持部302に供給する。なお、1ビット時間中のどの時刻でサンプリングするかは、予め決定されている。
従って、1ビット時間ごとに3つのサンプリング値が、順次、データ保持部302に供給され、データ保持部302において所定時間だけ保持された後、分類部303に供給される。
分類部303は、上述したように、過去の2ビット時間分のサンプリング値を記憶しているが、1ビット時間あたりにサンプリングされた3つのサンプリング値のうちの、例えば、時間的に真ん中の時刻のサンプリング値のみを記憶する。
従って、図9に示すように、分類部303は、データ保持部302から供給される、現在ビット時間の3つのサンプリング値a1,a2、およびa3と、内部に記憶しておいた現在ビット時間よりも1ビット時間前の1つのサンプリング値a4、および、現在ビット時間よりも2ビット時間前の1つのサンプリング値a5とから、受信データを分類し、その分類結果としての分類コードを復号部304に供給する。図9において、サンプリング値a1乃至a5が得られたときの時刻をそれぞれt1乃至t5とする。
なお、本実施の形態では、図9に示すように、受信データの分類に使用する、過去の1ビット時間当たりのサンプリング値の個数は1個とするが、その個数は特に限定されない。従って、例えば、データ保持部302から供給される3つのサンプリング値をすべて記憶するようにして、過去の1ビット時間当たりのサンプリング値の個数を、現在ビット時間のサンプリング値の個数と同一の個数としてもよい。
図10は、AD変換部301とデータ保持部302の詳細な構成例を示すブロック図である。
AD変換部301は、ADC(Analog/Digital Converter)331−1乃至331−3とクロック信号変換部332−1および332−2とにより構成される。データ保持部302は、データ保持部341−1乃至341−3により構成される。
ADC331−1は、クロック信号変換部332−1から供給されるクロック信号のタイミングで、RF信号処理部203(図6)から供給されるアナログのベースバンド信号をデジタル信号に変換し、データ保持部341−1に供給する。
ADC331−2は、そこに供給される内部クロック信号のタイミングで、RF信号処理部203から供給されるアナログのベースバンド信号をデジタル信号に変換し、データ保持部341−2に供給する。
ADC331−3は、クロック信号変換部332−2から供給されるクロック信号のタイミングで、RF信号処理部203から供給されるアナログのベースバンド信号をデジタル信号に変換し、データ保持部341−3に供給する。
クロック信号変換部332−1は、内部クロック信号よりもTds時間だけ位相が早いクロック信号を生成し、ADC331−1に供給する。クロック信号変換部332−2は、内部クロック信号よりもTds時間だけ位相が遅いクロック信号を生成し、ADC331−3に供給する。ここで、Tds時間は、内部クロック信号よりも非常に短い時間であり、配線長さや同期クロックの両エッジを用いる等で作り出すことが可能である。
AD変換部301に供給される内部クロック信号は、受信データからクロック同期回路を動作させて生成されるクロック信号か、または、BB信号処理部204内で生成したクロック信号を、受信データに周波数同期させた位相雑音の小さいクロック信号である。
ADC331−1は、図9の例で言えば、時刻t1のサンプリング値a1をデータ保持部341−1に供給する。また、ADC331−2は、時刻t2のサンプリング値a2をデータ保持部341−2に供給し、ADC331−3は、時刻t3のサンプリング値a3をデータ保持部341−3に供給する。従って、AD変換部301は、同期クロックよりも高速なサンプリングを行う。
換言すれば、AD変換部301は、内部クロック信号のクロック周波数fpの2倍以上のサンプリング周波数fsにしなければ正確に復元することができないというサンプリング定理を満たしていないが、受信データの復号に有利となる高速なサンプリングが可能である。また、AD変換部301は、通常であれば受信データの復調時に必要となるオーバーサンプリングが必要ないので、高速に動作するADCを用いてサンプリングする必要がなく、構成の簡素化および低消費電力を実現できる。
AD変換部301は、受信モードおよび学習モードのいずれにおいても上述した動作を行う。
データ保持部341−1乃至341−3は、例えば、内部クロック信号のクロックで動作するラッチ回路などにより構成され、ADC331−1乃至331−3それぞれから供給されるサンプリング値を所定時間だけ遅延させた後、分類部303または学習部306に供給する。データ保持部341−1乃至341−3は、遅延させた後のサンプリング値を、受信モードのときには分類部303に供給し、学習モードのときには学習部306に供給する。
図11は、分類部303の詳細な構成例を示すブロック図である。
分類部303は、分類コード決定部361、分散値RAM(Random Access Memory)362、および過去ビットRAM363により構成される。
受信モードにおいて、分類コード決定部361は、分散値RAM362から、他のLSIから送信されたデータを受信した場合の受信データの平均値μと分散σ2を取得する。この受信データの平均値μと分散σ2は、後述する学習処理により決定されるものである。他のLSIとは、LSI100の通信相手であるLSI102,104,106、または108のいずれかを表し、LSI100は、どのLSIからデータが送信されてくるかをアルゴリズム処理部202からのレート制御情報に基づいて認識しているものとする。
分類コード決定部361は、受信データの分類コードごとの平均値μと分散σ2から、各分類コードにおける受信データの取り得る最大値と最小値(範囲)を算出する。例えば、99%の確率で受信データの取り得る範囲を設定する場合には、μ±3σの範囲に、受信データの範囲を設定すればよい。
分類コード決定部361は、データ保持部302から供給される、現在ビット時間の3つのサンプリング値a1乃至a3と、過去ビットRAM363に記憶されている過去2ビット時間分のサンプリング値a4およびa5のそれぞれが、所定の分類コードの受信データの取り得る範囲に入っているか否かを順次絞り込むことにより、分類コードを決定し、復号部304に供給する。また、分類コード決定部361は、分類コード決定後、次の受信データの分類コード決定のために、現在ビット時間のサンプリング値a1乃至a3のうちの、真ん中の時刻のサンプリング値a2を、過去ビットRAM363に供給し、記憶させる。
分散値RAM362は、図12に示すような、受信データの平均値μと分散σ2(統計値)を分類コードごとに記憶させた分類コード表を、通信相手としてのLSI102,104,106、および108ごとに記憶する。分散値RAM362は、必要に応じて、他のLSIの受信データの平均値μと分散σ2を分類コード決定部361に供給する。
なお、図12では、受信データをn個のサンプリング値として示しているが、本実施の形態では、n=5となる。また、図12において、受信データの平均値μと分散σ2は、16進で表されている。
過去ビットRAM363は、現在ビット時間よりも1ビット時間前の1つのサンプリング値a4、および、現在ビット時間よりも2ビット時間前の1つのサンプリング値a5を記憶し、必要に応じて、分類コード決定部361に供給する。また、過去ビットRAM363は、分類コード決定部361から新しいサンプリング値が供給された場合には、それを、時刻の古い方のサンプリング値に上書きして記憶する。
一方、学習モードにおいては、分類コード決定部361は、学習部306から供給される、図12の受信データの平均値μと分散σ2(統計値)と分類コードとが対応付けられた分類コード表を分散値RAM362に供給し、記憶させる。
図13乃至図16を参照して、分類部303による分類コードの決定について説明する。
分類コード決定部361は、上述したように、現在ビット時間の3つのサンプリング値a1乃至a3と、過去ビットRAM363に記憶されている過去2ビット時間分のサンプリング値a4およびa5のそれぞれが、所定の分類コードの受信データの取り得る範囲に入っているか否かを絞り込むことにより、分類コードを決定する。分類コード決定部361は、サンプリング値a1乃至a5を、時刻の古い順であるサンプリング値a5,a4,a3,a2,a1の順で分類コードを絞り込んでもよいし、新しい順であるサンプリング値a1,a2,a3,a4,a5の順で分類コードを絞り込んでもよいが、以下では、古い順であるサンプリング値a5,a4,a3,a2,a1の順で分類コードを絞り込む例について説明する。図13乃至図16では、サンプリング値a5,a4,a3,a2,a1の順で行う処理のうちの、現在ビット時間のサンプリング値a3,a2、およびa1について説明するが、その前のサンプリング値a5およびa4についても同様の処理が行われる。
いま、データ保持部302から供給された現在ビット時間の受信データのサンプリング値a3,a2,a1が、それぞれ、170,162,150であるとする。即ち、a3=170,a2=162、およびa1=150である。
図13は、分散値RAM362から取得された平均値μと分散σ2にしたがい、サンプリング値a3の取り得る範囲を分類コードごとに示したものである。図13の横軸は、分類コード(0乃至31)を表し、縦軸は、振幅値を表す。また、図13では、分類コード0乃至15に対応するサンプリング値a3の取り得る最大値および最小値を*印で表し、分類コード16乃至31に対応するサンプリング値a3の取り得る最大値および最小値を●印で表し、サンプリング値a3の取り得る範囲は、*印または●印どうしの間となる。なお、一部の分類コードの取りうる範囲の図示は省略されている。
分類コード表によって、各分類コード0乃至31におけるサンプリング値a3の取り得る範囲が、図13に示すように決定されている場合、分類コード決定部361は、データ保持部302から供給されたサンプリング値a3である170を、取り得る範囲として含む分類コードを探索する。
図13に示すように、サンプリング値170を取る可能性がある分類コードは、7,15,20、および31である。従って、分類コード決定部361は、分類コード7,15,20、および31を、受信データに対応する分類コードの候補として決定する。
次に、分類コード決定部361は、サンプリング値a3に対する分類コードの探索で候補として残った分類コード7,15,20、および31のみを対象に、サンプリング値a2について、同様の処理を行う。
図14は、分散値RAM362から取得された平均値μと分散σ2にしたがい、サンプリング値a2の取り得る範囲を分類コードごとに示したものである。また、図14では、分類コード0乃至15に対応するサンプリング値a2の取り得る最大値および最小値を▲印で表し、分類コード16乃至31に対応するサンプリング値a2の取り得る最大値および最小値を×印で表し、サンプリング値a2の取り得る範囲は、▲印または×印どうしの間となる。
サンプリング値a3に対する分類コードの探索で候補として残った分類コード7,15,20、および31のなかで、データ保持部302から供給されたサンプリング値a2である162を取る可能性がある分類コードは、15および31である。従って、分類コード決定部361は、分類コード15および31を、受信データに対応する新たな分類コードの候補として決定する。
次に、分類コード決定部361は、サンプリング値a2に対する分類コードの探索で候補として残った分類コード15および31のみを対象に、サンプリング値a1について、同様の処理を行う。
図15は、分散値RAM362から取得された平均値μと分散σ2にしたがい、サンプリング値a1の取り得る範囲を分類コードごとに示したものである。また、図15では、分類コード0乃至15に対応するサンプリング値a1の取り得る最大値および最小値を◆印で表し、分類コード16乃至31に対応するサンプリング値a1の取り得る最大値および最小値を■印で表し、サンプリング値a1の取り得る範囲は、◆印または■印どうしの間となる。
サンプリング値a2に対する分類コードの探索で候補として残った分類コード15および31のなかで、データ保持部302から供給されたサンプリング値a1である150を取る可能性がある分類コードは、15である。従って、分類コード決定部361は、分類コード15を、受信データに対応する最終的な分類コードとして決定する。
図13乃至図15の処理をまとめると、図16に示すようになる。
時刻t3におけるサンプリング値a3=170から、○印で示される探索対象の分類コード0乃至31のうちの、●印で示される分類コード7,15,20、および31が、受信データの分類コードの候補に挙がる。次に、時刻t2におけるサンプリング値a2=162から、○印で示される探索対象の分類コード7,15,20、および31のうちの、●印で示される分類コード15および31が、受信データの分類コードの候補に挙がる。最後に、時刻t1におけるサンプリング値a1=150から、○印で示される探索対象の分類コード15および31のうちの、●印で示される分類コード15が、受信データの分類コードに決定される。
図17は、受信モード時の分類部303による分類コード決定処理のフローチャートである。
なお、LSI100は、どのLSIからデータが送信されてくるかをアルゴリズム処理部202からのレート制御情報に基づいて認識しており、分類コード決定処理の前には、各分類コードに対応する、通信相手のLSI用の受信データの統計値を分散値RAM362から取得しているものとする。
初めに、ステップS1において、分類コード決定部361は、データ保持部302から供給される、現在ビット時間の3つのサンプリング値a1乃至a3と、過去ビットRAM363に記憶されている過去2ビット時間分のサンプリング値a4およびa5を取得する。
ステップS2において、分類コード決定部361は、最初のサンプリング値、例えば、時間的に最も過去のサンプリング値a5を取り得る範囲に含む分類コードを、分類コードの候補として決定する。
ステップS3において、分類コード決定部361は、分類コードの候補のなかで、次のサンプリング値、例えば、サンプリング値a4を取り得る範囲に含む分類コードを、新たな分類コードの候補に決定する。
ステップS4において、ステップS1で取得された全てのサンプリング値について調べたか否かが判定される。全てのサンプリング値について調べていないと判定された場合、処理はステップS3に戻り、ステップS3およびS4の処理が繰り返される。これにより、例えば、サンプリング値a3,a2,a1について同様の処理が行われる。
ステップS4で、全てのサンプリング値について調べたと判定された場合、ステップS5において、分類コード決定部361は、最終的な分類コードの候補を、受信データに対応する分類コードに決定し、復号部304に供給する。
ステップS6において、分類コード決定部361は、次の受信データの分類コード決定のために、現在ビット時間のサンプリング値を過去ビットRAM363に記憶させ、処理を終了する。
以上のようにして、サンプリング値a1乃至a5のそれぞれが、所定の分類コードの受信データの取り得る範囲に入っているか否かを順次絞り込むことにより、分類コード決定部361は、受信データの分類コードを一意に決定する。
上述した例では、LSI100が、どのLSIからデータが送信されてくるかをアルゴリズム処理部202からのレート制御情報に基づいて認識しており、そのLSI用の受信データの統計値を分散値RAM362から取得しているものとしたが、どのLSIからデータが送信されてくるかがわからない場合には、分散値RAM362に記憶されているLSI102,104,106、および108それぞれの受信データの統計値と分類コードについて図17の処理を実行し、受信したサンプリング値が範囲に該当するLSIを探索する。
図18は、復号部304の詳細な構成例を示すブロック図である。
復号部304は、受信データ決定部381とビット値RAM382により構成されている。
受信データ決定部381は、学習モードにおいて、通信相手となるLSIそれぞれの、分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を、学習部306から取得し、ビット値RAM382に記憶させる。
受信データ決定部381は、受信モードにおいて、ビット値RAM382に記憶されている、通信相手のLSI用のビットデータ表を参照し、分類部303から供給された分類コードに基づいてビットデータを決定し、データ保持部305に供給する。
ビット値RAM382は、図19に示すように、分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を、通信相手であるLSIごとに記憶する。なお、復号部304は、分類部303が現在ビット時間を含む3ビット時間分の波形整形前の受信データに基づいて分類コードを決定したのに合わせて、現在ビット時間と過去2ビット時間の3ビットのビットデータを決定するので、図19のmは3である。
次に、図20のフローチャートを参照して、BB信号処理部204による受信モード時の受信処理について説明する。
初めに、ステップS21において、分類部303の分類コード決定部361は、分散値RAM362にアクセスするか否かを判定する。例えば、通信相手が変更された場合、あるいは、通信相手が不明で、次々と複数のLSIについて図17を参照して説明した分類コード決定処理を行う場合などのときには、分類コード決定部361は、分散値RAM362に記憶されている所定のLSI用の分類コード表を取得するために、分散値RAM362にアクセスすると判定する。
ステップS21で、分散値RAM362にアクセスすると判定された場合、ステップS22において、分類コード決定部361は、所定のLSIの分類コード表を分散値RAM362から取得する。
一方、ステップS21で、分散値RAM362にアクセスしないと判定された場合、および、ステップS22の処理後、ステップS23において、AD変換部301は、RF信号処理部203からのベースバンド信号をA/D変換する。即ち、AD変換部301は、RF信号処理部203から供給される1ビット時間分のベースバンド信号から、3点をサンプリングし、その結果得られるサンプリング値をデータ保持部302に供給する。データ保持部302に供給されたサンプリング値は、所定時間だけ遅延された後、分類部303に供給される。
ステップS24において、分類部303の分類コード決定部361は、図17を参照して説明した分類コード決定処理を行うことにより、受信データの分類コードを決定する。
ステップS25において、復号部304の受信データ決定部381は、通信相手のLSI用の、分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を参照し、分類部303から供給された分類コードに基づいてビットデータを決定し、データ保持部305に供給する。
ステップS26において、データ保持部305は、レート制御情報で指示された通信レートとなるように、復号部304から供給されたビットデータを所定時間だけ保持する。
そして、所定時間経過後、ステップS27において、データ保持部305は、保持しておいたビットデータをアルゴリズム処理部202に出力する。
ステップS28において、BB信号処理部204は、受信が終了したか否かを判定する。
ステップS28における受信が終了したか否かの判定は、アルゴリズム処理部202からのレート制御情報か、または、LSI100に入力される制御信号に基づいて行われる。
ステップS28で、受信が終了していないと判定された場合、即ち、RF信号処理部203からBB信号処理部204のAD変換部301にベースバンド信号が継続して供給されている場合、BB信号処理部204は、処理をステップS23に戻し、それ以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS28で、受信が終了したと判定された場合、受信処理は終了する。
図21は、学習部306の詳細な構成例を示すブロック図である。
学習部306は、受信値RAM401、平均値算出部402、分散値算出部403、および対応表作成部404により構成され、学習モード時のみ動作する。
受信値RAM401には、データ保持部302からサンプリング値が供給されるとともに、対応表作成部404から分類コードが供給される。受信値RAM401は、データ保持部302から供給されるサンプリング値を分類コードごとに記憶する。
平均値算出部402は、受信値RAM401に記憶されたサンプリング値を用いて、分類コードが割り当てられた回数である分類コードの頻度と、その分類コードを有するサンプリング値の総和から、サンプリング値の平均値を分類コードごとに算出する。
分散値算出部403は、受信値RAM401に記憶されたサンプリング値と平均値算出部402で算出された平均値を用いて、サンプリング値の分散値を分類コードごとに算出する。そして、分散値算出部403は、平均値算出部402からの平均値と、算出された分散値とを対応表作成部404に供給する。
平均値算出部402による平均値の算出、および、分散値算出部403による分散値の算出は、LSI100の通信相手のLSIごとに実行される。
対応表作成部404は、初期段階において、既知信号データベース307から、送信データ(ビットデータ)と、その分類コード、および、波形整形前の受信データの統計値とが対応付けられた送受信データ対応表を取得する。ここで取得される送受信データ対応表の受信データの統計値の項目には、初期値としてのゼロが代入されている。
学習モードにおいては、データ保持部302から受信値RAM401に供給されるサンプリング値が、どの送信データに対応するものかが分かっているので、対応表作成部404は、データ保持部302から受信値RAM401に供給されるサンプリング値に対応する分類コードを受信値RAM401に供給する。そして、対応表作成部404は、分散値算出部403から供給される平均値と分散値を、受信値RAM401に供給した分類コードのものとして、送受信データ対応表を更新する。
対応表作成部404は、通信相手のLSIごとに、上述した送受信データ対応表の作成を行う。そして、通信相手のLSIから送信された受信データとしての、データ保持部302から受信値RAM401に供給されたサンプリング値によって、波形整形前の受信データの統計値が更新され、送受信データ対応表の作成が終了すると、対応表作成部404は、送受信データ対応表から、分類コードと受信データの統計値との対応を抽出し、分類コード表として分類部303に供給する。また、対応表作成部404は、送受信データ対応表から、分類コードと送信データとの対応を抽出し、ビットデータ表として復号部304に供給する。
図22は、対応表作成部404の内部メモリに記憶されている、波形整形前の受信データの統計値が更新された後の送受信データ対応表を示している。
図22に示すように、ビットデータを表すmビットの送信データと、分類コード、および、波形整形前の受信データの統計値とが対応付けられた送受信データ対応表が、通信相手のLSIごとに記憶されている。
次に、図23のフローチャートを参照して、BB信号処理部204による学習モード時の学習処理について説明する。
この学習処理は、最初の電源投入時など情報処理装置1が初期状態であるとき、経年変化などに対応するための所定の設定時間が経過したとき、ユーザの指示による任意のタイミング、または、情報処理装置1の筐体2内の構成が変化したとき、などに実行される。情報処理装置1の筐体2内の構成が変化したときとは、情報処理装置1に新たなモジュール(基板やLSIなど)が追加装着されたときや情報処理装置1内の基板の配置が変化したときなどである。
初めに、ステップS41において、既知信号データベース307は、新しい基板が装着されたかを判定する。ステップS41で、新しい基板が装着されたと判定された場合、ステップS42において、既知信号データベース307は、送受信データ対応表を、図示せぬ外部記憶装置から取得し、内部メモリに記憶する。なお、情報処理装置1が最初の電源投入時などの初期状態であるときも、新しい基板が装着された場合に含む。
一方、ステップS41で、新しい基板が挿入されていないと判定された場合、ステップS43において、既知信号データベース307は、新たな初期値を取得するかを判定する。ステップS43で、新たな初期値を取得すると判定された場合、ステップS44において、既知信号データベース307は、送受信データ対応表を、図示せぬ外部記憶装置から取得し、内部メモリに記憶する。新しい基板が挿入されていないと判定される場合には、例えば、経年変化などに対応するための所定の設定時間が経過したとき、送受信データ対応表を取得するユーザの指示があったとき、アルゴリズム処理部202における信号処理が変更されたとき、などがある。
ステップS42およびS44で外部記憶装置から取得した送受信データ対応表に格納されている受信データの統計値は、上述したようにゼロでもよいし、それ以外の値、例えば、他の情報処理装置で使用されている値が入力されていてもよい。
ステップS43で、新たな初期値を取得しないと判定された場合、即ち、BB信号処理部204内部に現在記憶されている値をベースに受信データの統計値を更新(学習)する場合、ステップS45において、既知信号データベース307は、復号部304に記憶されているビットデータ表を取得し、内部メモリに記憶されている送受信データ対応表の受信データの項目に代入する。
ステップS46において、既知信号データベース307は、ステップS42,S44、またはS45の処理で内部メモリに記憶した送受信データ対応表を学習部306に供給する。これにより、学習部306は、送受信データ対応表を作成する。
ステップS47において、学習部306の対応表作成部404は、繰り返し回数をカウントする変数pにゼロをセットする。
ステップS48において、対応表作成部404は、この後通信相手のLSIから送信されてくる送信データの分類コードを受信値RAM401に供給する。
ステップS49において、受信値RAM401は、通信相手のLSIから送信されたデータを受信する。より具体的には、受信値RAM401は、AD変換部301でサンプリングされたサンプリング値をデータ保持部302を介して受信する。
ステップS50において、受信値RAM401は、受信したサンプリング値を、対応表作成部404から供給された分類コードに対応させて記憶する。
ステップS51において、平均値算出部402は、受信値RAM401に記憶されたサンプリング値を用いて、サンプリング値の平均値を算出する。
ステップS52において、分散値算出部403は、受信値RAM401に記憶されたサンプリング値と平均値算出部402で算出された平均値を用いて、サンプリング値の分散値を算出する。また、分散値算出部403は、平均値と分散値を対応表作成部404に供給する。
ステップS53において、対応表作成部404は、分散値算出部403から供給された平均値と分散値を、受信値RAM401に供給した分類コードのものとして、送受信データ対応表を更新する。
ステップS54において、対応表作成部404は、全ての送信データについて学習したかを判定する。ここで、対応表作成部404は、上述したステップS48乃至S53の処理を、LSI100が通信する相手全てのLSIの、全ての分類コードに対して行った場合に、全ての送信データについて学習したと判定する。
ステップS54で、全ての送信データについて学習していないと判定された場合、処理はステップS48に戻り、BB信号処理部204は、次の分類コードに対して、上述したステップS48乃至S54の処理を繰り返す。所定のLSIの全ての分類コードに対してステップS48乃至S54の処理が既に行われた場合には、ステップS48乃至S54の処理をまだ実行していない他のLSIの所定の分類コードに対して、上述したステップS48乃至S54の処理が実行される。
一方、ステップS54で、全ての送信データについて学習したと判定された場合、ステップS55において、対応表作成部404は、変数pが予め設定された繰り返し回数qに等しいか否かを判定する。
ステップS55で、変数pが予め設定された繰り返し回数qに等しくない、即ち、予め設定された繰り返し回数qだけ学習を行っていないと判定された場合、ステップS56において、対応表作成部404は、変数pを1だけインクリメントし、処理はステップS48に戻る。ここで、繰り返し回数qは、統計的に十分な信頼度のデータが得られる回数である。
ステップS55で、変数pが予め設定された繰り返し回数qに等しいと判定された場合、ステップS57において、対応表作成部404は、送受信データ対応表から分類コードと受信データの統計値との対応を抽出して得られる分類コード表を分類部303に供給するとともに、送受信データ対応表から分類コードと送信データとの対応を抽出して得られるビットデータ表を復号部304に供給し、処理を終了する。
図23の学習処理では、全てのLSIおよびその全分類コードについてデータを受信することをq回繰り返すようにしたが、LSIごとにq回繰り返すことを全てのLSIについて順に行うようにしても勿論よい。即ち、通信相手となる全てのLSIについて、統計的に十分な信頼度の受信データの平均値μと分散値σ2が得られればよい。
以上のように、学習モードでは、送信データに対応する、マルチパスによる歪みのある受信データの統計値が学習処理により学習される。そして、受信データの統計値と分類コードとの対応が分類コード表として分類部303に記憶され、分類コードとビットデータとの対応がビットデータ表として復号部304に記憶される。
従って、既知の送信データに対応付けて、マルチパスによる歪みのある受信データの統計値を記憶させるので、受信処理において受信するマルチパスによる歪みのある受信データを精度良く復号させるデータ(統計値)を学習することができる。
一方、受信モードにおいては、AD変換部301が、受信データを同期クロックよりも高速なタイミングでサンプリングし、分類部303は、現在ビット時間の3個のサンプリング値と過去の2ビット時間の2個のサンプリング値とから、学習処理により得られた分類コード表を用いて分類コードを決定する。復号部304は、分類部303からの分類コードに対応するビットデータを決定する。
従って、BB信号処理部204によれば、マルチパスによる歪みのある受信信号を精度良く復号することができる。なお、BB信号処理部204は、バースト信号とパケット信号の両方に対応可能である。
また、BB信号処理部204では、マルチパスの定常性を予め学習するので、従来の受信装置のように、常にプリアンブルを送信して、そのプリアンブルの変更に追従するようにBB信号処理部204を初期化または更新する必要がない。
さらに、BB信号処理部204では、情報処理装置1に装着されている基板に変更があった場合、追加装着された基板用の送受信データ対応表を外部記憶装置から取得したり、不要となった基板の送受信データ対応表を外部記憶装置に退避させたりすることが可能である。また、ユーザが、所定の特徴をもつ送受信データ対応表などを作成または購入して、既知信号データベース307に転送することも可能である。換言すれば、ユーザは、送受信データ対応表を書き換えることが可能であり、基板(または装置)のアップグレードなどを容易に行うことができる。設計者および開発者側から見れば、送受信データ対応表以外の構成はそのままで、アップグレードなどした送受信データ対応表を最終的に転送すればよいので、製造コストを低減し、製品の低価格化を実現することができる。
上述した実施の形態では、分類部303が現在ビット時間を含む3ビット分の波形整形前の受信データに基づいて分類コードを決定したのに合わせて、復号部304は、分類コードに対応する、3ビットのビットデータを決定するようになされていた。
データ保持部305は、単に所定時間だけビットデータの出力を遅延させるだけで、3ビットの受信データをそのまま出力するが、現在ビット時間の出力のみとしたい場合には、データ保持部305において、過去の2ビット分のデータを除去してから出力するようにしてもよい。なお、実験によれば、図20の受信処理による復号と、受信信号の中間値などを閾値とする一般的な硬判定処理による復号とで、現在ビット時間の出力値を比較したところ、約67%のビット誤り率の改善効果が得られた。
また、データ保持部305において、復号部304の3回分の出力、即ち、9ビット時間分のデータを保持させるようにすれば、あるビット時間に対して、現在ビット時間のビットとして決定された1個のデータと、現在ビット時間より1または2ビット時間だけ過去のビットとして決定された2個のデータの計3個の値が得られる。そして、これら計3個の復号した値が、例えば、0,1,0などのように、すべて一致しないことも起こり得る。データ保持部305には、例えば、これらの計3個の復号した値の多数決を取り、個数の多い方の復号した値を出力させるようにすることも可能である。
なお、上述した例では、波形整形前の受信データの平均値μと分散σ2を求めて分散値RAM362に記憶させ、分類コード決定部361が、その平均値μと分散σ2から、受信データの取り得る最大値と最小値を算出したが、分散値RAM362には、受信データの最大値と最小値をそのまま記憶させてもよい。
以上では、無線通信の伝送媒体として“電波”を用いる例について説明したが、無線通信の伝送媒体としては、その他、光や、個体、液体、気体等の中における粗密波または表面弾性波など、波の性質を有するものであればなんでもよい。従って、例えば、ビル間や山と山を結ぶ固定のマイクロ波通信、および、電波塔間における電波無線通信などに対しても本発明は適用可能である。
また、マルチパスの定常性は、ケーブルによる反射や、回路内に分岐等を持ちインピーダンス不整合を伴う固定の有線通信、例えば、電力線通信やバス接続された配線などにも起こり得る。
従って、例えば、図24に示すように、入出力I/F201とアルゴリズム処理部202との間に、BB信号処理部204と同様のBB信号処理部441を設け、入出力I/F201から出力されるデジタル信号に対して、上述した受信処理を行わせることによって、インピーダンス不整合等によるマルチパスの定常性を除去したデジタル信号を生成し、アルゴリズム処理部202に供給することができる。この場合、BB信号処理部441は、基準クロック信号に同期して動作するので、レート制御情報は必要ない。
上述した受信処理などの一連の処理を、筐体2内のLSIどうしではなく、所定の閉鎖された空間内に配置されたコンピュータ間で行うことも可能である。
図25は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)501は、ROM(Read Only Memory)502、または記憶部508に記憶されているプログラムに従って上述した機能の処理の他、各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)503には、CPU501が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU501、ROM502、およびRAM503は、バス504により相互に接続されている。
CPU501にはまた、バス504を介して入出力インタフェース505が接続されている。入出力インタフェース505には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507が接続されている。CPU501は、入力部506から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU501は、処理の結果を出力部507に出力する。
入出力インタフェース505に接続されている記憶部508は、例えばハードディスクからなり、CPU501が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部509は、電波を媒体として外部の装置と無線で通信する。また、通信部509は、必要に応じてルータ、モデムなどを備え、有線による通信も行う。
入出力インタフェース505に接続されているドライブ510は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア511が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部508に転送され、記憶される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図25に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア511、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM502や、記憶部508を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、通信部509を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
マルチパスフェージングを説明する図である。 図1に示した筐体内における受信信号から生成されたベースバンド信号の振幅値の頻度分布を示す図である。 本発明を適用した情報処理装置の一実施の形態の構成例を示す斜視図である。 他のLSIから送信された送信波形と、その送信波形を受信したときの受信波形を示す図である。 図4の送信波形および受信波形を平均した波形を示す図である。 図3のLSIの構成例を示すブロック図である。 BB信号処理部の詳細な構成例を示すブロック図である。 ベースバンド信号のサンプリングについて説明する図である。 ベースバンド信号のサンプリングについて説明する図である。 AD変換部とデータ保持部の詳細な構成例を示すブロック図である。 分類部の詳細な構成例を示すブロック図である。 分散値RAMに記憶されている分類コード表の例を示す図である。 分類部による分類コードの決定について説明する図である。 分類部による分類コードの決定について説明する図である。 分類部による分類コードの決定について説明する図である。 分類部による分類コードの決定について説明する図である。 分類部による分類コード決定処理を説明するフローチャートである。 復号部の詳細な構成例を示すブロック図である。 ビット値RAMに記憶されているビットデータ表の例を示す図である。 BB信号処理部による受信モード時の受信処理を説明するフローチャートである。 学習部の詳細な構成例を示すブロック図である。 送受信データ対応表の例を示す図である。 BB信号処理部による学習モード時の学習処理を説明するフローチャートである。 LSIのその他の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 情報処理装置, 2 筐体, 11乃至14 基板, 100,102,104,106,108 LSI, 204 BB信号処理部, 301 AD変換部, 303 分類部, 304 復号部, 306 学習部, 307 既知信号データベース, 361 分類コード決定部, 362 分散値RAM, 381 受信データ決定部, 382 ビット値RAM, 401 受信値RAM, 402 平均値算出部, 403 分散値算出部, 404 対応表作成部

Claims (12)

  1. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置において、
    前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定する分類手段と、
    前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表を記憶するビットデータ記憶手段と、
    前記ビットデータ表と、前記分類手段で決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定するビットデータ決定手段と
    を備える受信装置。
  2. 前記ビットデータ決定手段が決定する前記ビットデータは、前記過去ビット時間のデータも含む
    請求項1に記載の受信装置。
  3. マルチパスの定常性を有する信号の統計値と前記分類コードとが対応付けられた分類コード表を記憶する分類コード記憶手段をさらに備え、
    前記分類手段は、前記現在ビット時間および前記過去ビット時間の前記サンプリング値と、前記統計値とを比較して、前記分類コードを決定する
    請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記分類手段は、前記統計値から、マルチパスの定常性を有する信号の範囲を算出し、前記現在ビット時間および前記過去ビット時間の前記サンプリング値が、前記範囲に含まれるかどうかを判定することにより、前記分類コードを決定する
    請求項3に記載の受信装置。
  5. 1ビット時間の前記信号から複数のサンプリング値を求めるサンプリング手段をさらに備え、
    前記分類手段は、少なくとも前記現在ビット時間については複数の前記サンプリング値を用いて、前記分類コードを決定する
    請求項1に記載の受信装置。
  6. 前記サンプリング手段は、そこに供給されるクロック信号に対して、所定時間だけ位相を前後させるクロック信号変換手段を有し、前記クロック信号および前記クロック信号変換手段が出力するクロック信号に基づいて前記サンプリング値を求める
    請求項5に記載の受信装置。
  7. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置の受信方法において、
    前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定し、
    前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定する
    ステップを含む受信方法。
  8. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記信号を1ビットに相当するビット時間単位に区切ったときの、最近に受信した現在ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値と、前記現在ビット時間より前の過去ビット時間の前記信号からサンプリングされたサンプリング値とに基づいて、前記信号を分類し、その分類結果としての分類コードを決定し、
    前記分類コードとビットデータとが対応付けられたビットデータ表と、決定された前記分類コードとから、受信した前記信号に対応する前記ビットデータを決定する
    ステップを含むプログラム。
  9. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置において、
    所定のビットデータに対応する前記信号を受信する受信手段と、
    前記信号を所定の分類コードごとに記憶する記憶手段と、
    前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出する統計値算出手段と、
    前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する対応表作成手段と
    を備える学習装置。
  10. 前記信号の統計値は、前記信号の平均値および分散値である
    請求項9に記載の学習装置。
  11. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習装置の学習方法において、
    所定のビットデータに対応する前記信号を受信し、
    前記信号を所定の分類コードごとに記憶し、
    前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出し、
    前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する
    ステップを含む学習方法。
  12. マルチパスの定常性を有する信号を受信して、復号する受信装置で利用されるデータを学習する学習処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    所定のビットデータに対応する前記信号を受信し、
    前記信号を所定の分類コードごとに記憶させ、
    前記分類コードごとに、前記信号の統計値を算出し、
    前記信号に対応する前記分類コードと、前記ビットデータ、および前記統計値とを対応付けた送受信データ対応表を作成する
    ステップを含むプログラム。
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