JP2007266969A - 無線通信システムと送信装置と受信装置および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システムと送信装置と受信装置および無線通信方法 Download PDF

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正紘 吉岡
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成司 和田
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Ryosuke Araki
亮輔 荒木
Shunsuke Mochizuki
俊助 望月
Hiroshi Ichiki
洋 一木
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Abstract

【課題】筐体内で高品質な無線通信を行う。
【解決手段】筐体内に送信装置60aと受信装置70aを設ける。無線信号を受信して得られた信号RDに基づき、クラス分類部77でクラス分類を行ってクラスコードCCを設定する。記憶部78からクラスコードCCに応じた係数信号KGを波形加工処理部75に供給する。波形加工処理部75は、マルチパス等の影響により波形歪みを生じている信号RGに対して係数信号KGを掛け合わせて、波形歪みが補正された信号RGCを生成する。判定部76は、信号RGCの論理判定を行い、判定結果を示す信号RDを生成する。マルチパス等が生じて信号波形歪みを生じても、波形歪みが補正されて論理判定が行われるので、高品質な無線通信を行うことができる。
【選択図】 図11

Description

この発明は、無線通信システムと送信装置と受信装置および無線通信方法に関する。詳しくは、無線信号として送信する信号および/または無線信号を受信して得られた信号の波形加工を行い、マルチパス等により無線通信で信号波形歪みを生じても、無線信号の受信側で信号波形歪みの補正された信号を得られるようにすることで高品質の無線通信を可能とするものである。
従来の電子機器では、筐体内に設けられた複数の基板間や複数の集積回路間で通信を行う場合、ケーブルや基板に形成した導体パターン等の配線が伝送線路として用いられている。また、近年、半導体プロセスの進化や信号の広帯域化/高速化に伴い、基板間や集積回路間の通信量が増加している。
ここで、より多くの信号を伝送できるように、配線の数を増やすものとすると、配線の引き回しが複雑となる。また、広帯域化/高速化に伴い、配線の周波数特性を考慮しなければならない。さらに、配線間のクロストークも考慮しなければならない。また、パラレル伝送を行うときには、スキューによって正しく信号の送受信ができなくなってしまうことが無いようにしなければならない。また、配線の数を増やすものとすると、基板の層数が多くなってコストアップとなってしまう場合がある。
このため、特許文献1のように、筐体に内蔵した機器構成ユニット間のデータ伝送を無線通信で行うことにより、配線の引き回しや配線の周波数特性、配線間のクロストーク等を考慮しなくとも容易に通信が可能となる。
特開2004−220264号公報
ところで、筐体内で無線通信を行う場合、マルチパスの影響により、伝送路の通信容量を増加させることができないという問題が生じる。マルチパスとは、送信された電波が、建造物等の障害物によって反射・回折されてしまい、受信側では、反射・回折によって生じた複数経路からの遅延波が受信されることを言う。
この遅延波が受信されると、各経路の距離差に応じて遅延波の到達の時間差を生じるため、受信信号の波形に歪みを生じてしまい、正しいディジタル信号を得ることができなくなってしまう。
図27は、筐体内と筐体外で無線通信を行ったときの受信信号RSの信号波形を例示している。なお、図27A〜図27Dは筐体外で無線通信を行った場合、図27E〜図27Hは送信装置と受信装置を1つの筐体内に設けて無線通信を行った場合を示している。また、図27A,図27Eは伝送速度を「250kbps」、図27B,図27Fは伝送速度を「500kbps」、図27C,図27Gは伝送速度を「1Mbps」、図27D,図27Hは伝送速度を「2Mbps」としたときの波形を例示している。さらに、図27では、変調方式としてASK変調を用いた場合である。
筐体外で無線通信を行った場合の信号波形(図27A,図27B,図27C,図27D)と、筐体内で無線通信を行った場合の信号波形(図27E,図27F,図27G,図27H)を比較して明らかなように、筐体内で無線通信を行うと、マルチパスの影響により受信信号RSの波形の歪みが生じてしまう。また、図27E〜図27Hを比較して明らかなように、伝送速度が遅いときには、マルチパスの影響により波形の歪みが生じても、歪みを生じた部分の割合が少ないことから、通信品質の低下は少ない。しかし、伝送速度が速くなると、マルチパスの影響により波形全体に歪みを生じてしまう。このため、受信信号RSの上側エンベロープ波形を用いて論理判定(ビット判定)を行うものとすると、例えば図27Hに示すように波形全体に歪みを生じると、正しい判定結果を得ることができなくなる。すなわち、誤った信号となり通信品質が低下してしまう。
このようなマルチパスの影響を軽減するため、特許文献1では、筐体内全面に電波吸収体を設けることが行われている。しかし、筐体内全面に電波吸収体を設けるものとするとコストアップとなってしまう。また、筐体内部と筐体外部間の熱抵抗が大きくなってしまい、筐体内部の温度が高くなってしまう。
また、一般的な無線通信の信号処理によってマルチパスの影響を軽減することも行われている。例えばマルチパスに強いOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)方式が用いられる。また、マルチパスを積極的に利用することでマルチパスの影響を軽減できるように、スペクトル拡散(SS:Spread Spectrum)と呼ばれる通信方式で通信を行い、受信側では、マルチパス波それぞれの逆拡散信号を合成するレイク受信方式を用いることが行われる。さらに、複数のアンテナで得られた受信信号を処理してマルチパスの影響を軽減することや、受信信号の波形等化処理においてマルチパスの影響を軽減させることも行われている。
しかし、OFDM方式を採用した場合、変復調で用いるFFT変換や逆FFT変換およびA/D変換等の処理が重く、高速に動作させる場合には熱の問題等が生じてしまう。また、変調方式にスペクトル拡散方式を採用した場合では、変復調時にベースバンドの速度よりも何倍も速いチップレートで動作させる必要があるために、高速な通信の実現が難しい。
マルチアンテナや波形等化器でマルチパスの影響を軽減させる場合、伝送特性が刻々と変化し得る、また、これらの伝送特性の予測が困難であり、伝送情報と無相関な雑音がその伝送情報に重畳し得るという観点から、毎パケットに同期をとるためのユニークワードを挿入したり、予測精度向上のための回路規模の増大などが問題となる。
そこで、この発明では、このような問題点を鑑みてなされたものであり、 筐体内の電波伝搬特性の定常性を利用して、簡単な回路構成で高品質な無線通信を行うことができる無線通信システムと送信装置と受信装置および無線通信方法を提供するものである。
この発明では、送信装置から無線信号として送信する信号および/または受信装置で無線信号を受信して得られた信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードが設定される。このクラスコードに応じた補正情報を用いて、無線信号として送信する信号および/または無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理が行われて、無線通信による信号波形歪みが補正された信号を受信装置で得られるように処理される。補正情報は、予め定められた信号パターンの既知信号を無線信号として送信して、この無線信号を受信して得られた信号の波形が、無線信号として送信された既知信号の波形と等しくなるように生成される。
この発明によれば、無線信号として送信する信号および/または無線信号を受信して得られた信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードが設定される。また、設定されたクラスコードに応じた補正情報を用いて、無線信号として送信する信号および/または無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理が行われて、信号波形歪みを補正した信号が無線信号の受信側で得られるように処理される。
このため、マルチパスによって信号波形歪みを生じるような場合が生じても、この信号波形歪みを補正するように波形加工処理が行われるので、無線信号の受信側では正しい信号波形を得ることが可能となるとから高品質の無線通信を行うことが可能となる。
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。電子機器の筐体内には、1あるいは複数の基板が設けられている。また、基板上には、無線通信の機能を持った無線通信部とアンテナが設けられており、筐体内で無線通信を行うことができるようになされている。
図1は、電子機器の構成を例示したものであり、筐体5の内部には例えば基板21,22,23,24,25が設けられている。基板25は、筐体5の底板と略平行となるように設置されており、基板25上には基板固定治具15が固定されている。この基板固定治具15は、筐体5の底板と略平行となるように基板21,22を保持する。また、基板25上には、基板23,24が、筐体5の側面と略平行となるように直立して設けられている。
基板21上には無線通信部31とアンテナ41が配置されている。また、基板22上には無線通信部32とアンテナ42、基板23上には無線通信部33とアンテナ43、基板24上には無線通信部34とアンテナ44がそれぞれ配置されている。無線通信部31は通信機能を有するものであり、アンテナ41を用いて無線通信を行う。同様に、無線通信部32〜34も通信機能を有するものであり、アンテナ42〜44を用いて無線通信を行う。なお、図示せずも、無線通信部31〜34のそれぞれには、送信データの生成や受信データの処理を行う信号処理部が接続されている。
このように構成された電子機器において、筐体5の内部で無線通信を行う場合、筐体5の内部に設けられているアンテナから放射された電波は、筐体内に存在する白色ノイズ(熱雑音)や有色ノイズ(他の無線通信部から放射されるノイズ)の影響を受ける。また、放射された電波が筐体内の壁面や基板あるいは部品等によって反射されてマルチパスを生ずる。このマルチパスによる遅延波は、白色ノイズや有色ノイズに比べて信号レベルが大きく、受信信号の波形歪みに大きく影響する。また、遅延波による影響は、高速で無線通信を行う場合に顕著となる。
図2は、伝送速度が速いときの送信信号TSと受信信号RSの波形を例示している。伝送速度が速くなると、受信信号RSの波形は、マルチパスによって生じた遅延波の影響により送信信号TSの波形と大きく異なるものとなっている。
筐体内で無線通信を行う場合、筐体内の部品や基板等の構成および配置が一定であるときには、電波の反射等も略一定であることから、遅延波の影響も略一定したものとなる。例えば、送信信号TSと受信信号RSのそれぞれについて、一周期分の信号波形の上側エンベロープを、位相を一致させて複数周期分重ね合わせると、図3に示す波形となる。なお、図3において、図3Aは、送信信号TSについて、一周期分の信号波形の上側エンベロープを、位相を一致させて複数周期分重ね合わせた信号波形TCmpを示しており、図3Bは、受信信号RSについて、一周期分の信号波形の上側エンベロープを、位相を一致させて複数周期分重ね合わせた信号波形RCmpを示している。この図3の波形では、重ね合わせた信号波形における振幅方向の幅および信号の立ち上がりや立ち下がり部分における時間方向の幅が小さいことから、各周期のエンベロープ波形は類似した波形であり、遅延波による影響は略一定したものであることが明らかである。なお、筐体内で無線通信を行うことから、遅延波の遅延時間は短いものとなる。
また、筐体内の1つのアンテナから送信された信号を複数の異なる地点で受信した場合、各地点に到達する遅延波は各地点で相違するため、無線信号の受信位置が異なると信号波形も異なる。しかし、各受信位置において、遅延波の影響は略一定となる。
図4は、図1のアンテナ41から無線信号の送信が行われた場合、図5は、図1のアンテナ42から無線信号の送信が行われた場合、 図6は、図1のアンテナ43から無線信号の送信が行われた場合、図7は、図1のアンテナ44から無線信号の送信が行われた場合をそれぞれ示している。なお、図4において、送信信号TS41は、アンテナ41から無線信号として送信される送信信号を示している。図5において、送信信号TS42は、アンテナ42から無線信号として送信される送信信号を示している。図6において、送信信号TS43は、アンテナ43から無線信号として送信される送信信号を示している。図7において、送信信号TS44は、アンテナ44から無線信号として送信される送信信号を示している。また、受信信号RS41は、アンテナ41で無線信号を受信して得られる受信信号、受信信号RS42は、アンテナ42で無線信号を受信して得られる受信信号、受信信号RS43は、アンテナ43で無線信号を受信して得られる受信信号、受信信号RS44は、アンテナ44で無線信号を受信して得られる受信信号をそれぞれ示している。
図4〜図7から明らかなように、無線信号の受信位置が異なると、同じアンテナから送信された無線信号を受信しても、上述したように受信位置によって受信信号の波形が異なるものとなる。また、各受信位置において、遅延波の影響は略一定であり、受信信号のエンベロープ波形は類似したものとなる。
また、送信位置と受信位置を入れ替えて無線通信を行った場合も、受信信号の波形は略同じ波形となっている。例えば、図4に示す受信信号RS42のエンベロープ波形と、図5に示す受信信号RS41のエンベロープ波形は略等しい波形を示している。また、図4に示す受信信号RS44のエンベロープ波形と、図7に示す受信信号RS41のエンベロープ波形も略等しい波形を示しており、送信位置と受信位置を入れ替えて無線通信を行った場合も、受信信号の波形は略同じ波形となることが明らかである。
このように、筐体内で無線通信を行う場合、遅延波による影響は定常性を持ったものとなる。さらに、図2〜図7では、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式を用いた場合を示しているが、他の変調方式例えばPSK(Phase Shift Keying)変調方式あるいはFSK(Frequency Shift Keying)変調方式等を用いた場合でも、遅延波による影響は定常性を持ったものとなる。
図8〜図10は、他の変調方式として例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調方式を用いた場合を示している。なお、QPSK変調方式は、搬送波の位相を離散的に変化させる変調方式であり、受信信号の波形では遅延波による影響が判りにくい。したがって、図8〜図10では、送信するベースバンドの送信信号TQと復調後のベースバンドの受信信号RQをそれぞれ図示している。また、図10では、異なるアンテナで無線信号を受信したときの受信信号RQ-1,RQ-2を示している。
図8や図9から明らかなように、同じ信号パターンのベースバンド信号を繰り返し送信したとき、ベースバンド信号の波形は略等しいものとなる。また、図10から明らかなように、受信信号の波形は、受信位置で波形が異なるものとなるが、遅延波の影響は各受信位置では略一定である。このように、変調方式が異なる場合でも、遅延波による影響は定常性を持ったものとなる。
したがって、図1に示す無線通信部31〜34では、遅延波による影響の定常性を利用して、信号波形の波形加工処理を行い、例えば歪みの生じた信号波形に対しては、歪みを生じる前の波形戻す波形整形を行う。また、歪みを考慮して予め波形変形を行った送信信号を生成する処理を行い、遅延波による歪みが生じたときに受信信号の信号波形が正しい波形となるようにする。このように、波形加工処理を行うことで、マルチパスを生じるような環境下においても高品質かつロバストな無線通信を実現できる。
図11は、無線通信システムの構成を示している。この無線通信システム10aでは、無線信号を受信する受信側の無線通信部で信号の波形加工処理を行い、マルチパスによる遅延波の影響を補正する。以下、送信側のアンテナと無線通信部をまとめて送信装置、受信側のアンテナと無線通信部をまとめて受信装置と呼ぶものとする。
送信装置60aの変調部61では、信号処理部50から供給されたベースバンドの送信信号TDの変調を行い、送信信号TSを生成する。さらに、生成した送信信号TSを搬送波周波数の信号に周波数変換してアンテナ69に供給する。なお、送信信号TSの生成では、ASK変調方式だけでなく、PSK変調方式あるいはFSK変調方式等の種々の変調方式を用いることができる。なお、発明の理解を容易とするため、以下の説明ではASK変復調を用いて無線通信を行うものとする。
受信装置70aには、アンテナ71が接続されている。このアンテナ71で無線信号を受信することにより得られた信号は、受信装置70aの復調部72に供給される。復調部72では、アンテナ71からの信号を周波数変換して中間周波信号を生成する。さらに中間周波信号を用いて復調処理を行い、受信信号REを生成してA/D変換部73に供給する。A/D変換部73は、受信信号REをディジタル信号に変換して受信信号RGとして仮判定部74と波形加工処理部75に供給する。
仮判定部74では、受信信号RGの論理レベルが「0(ローレベルL)」あるいは「1(ハイレベルH)」のいずれに相当するか論理判定(ビット判定)を行い、この判定の結果を仮判定結果HBとしてクラス分類部77に供給する。具体的には、受信信号RGのデータ値が予め設定した閾値以下であるときには「0」、閾値よりも大きいときには「1」と判定して、「0」であるか「1」であるかを示す仮判定結果HBをクラス分類部77に供給する。
波形加工処理部75には、後述する記憶部78から補正情報である係数信号KGが供給されている。波形加工処理部75は、受信信号RGと記憶部78から供給された係数信号KGを用いて演算処理を行い、受信信号RGから遅延波の影響を取り除き、受信信号RGの信号波形をマルチパスのない環境における信号波形に整形する。さらに、波形加工処理後の受信信号RGCを判定部76に供給する。
例えば、受信信号RGと係数信号KGを同期させて乗算することにより受信信号RGCを生成する。あるいは、受信信号RGと係数信号KGを同期させて式(1)に示す畳み込み演算を行い、受信信号RGCを生成するものとしてもよい。
RGC(n)=RG(n)*KG(n) ・・・(1)
判定部76では、波形整形後の受信信号RGCに基づいて仮判定部74と同様に論理判定を行い、論理判定結果を示す受信出力信号RDをクラス分類部77と信号処理部90に供給する。
クラス分類部77は、送信された信号の信号パターンやいずれの無線元から無線信号の送信が行われたか、および仮判定部74の仮判定結果に応じたクラス分類を行い、クラス分類結果を示すクラスコードCCを生成して記憶部78に供給する。
図12は、クラス分類部の構成を示している。クラス分類部77は、信号パターン分類部771と送信装置分類部773で構成されている。
信号パターン分類部771は、シフトレジスタを多段接続した構成とされている。この信号パターン分類部771は、各シフトレジスタ772-1〜772-pから出力された信号SF-1〜SF-pを、信号パターンのクラス分類結果HPとして用いる。
図13は、信号波形の歪みをモデル化して説明するためのものである。例えば図13Aは、アンテナ71で受信される直接波に基づく信号波形を示している。図13B〜図13Fはアンテナ71で受信される個々の遅延波に基づく信号波形を示している。なお、図13B〜図13Fに示す遅延波の遅延量をDL1〜DL5とする。図13Gは、受信信号の信号波形を示している。なお、図13では遅延波の最大遅延量が、1ビット期間よりも大きく2ビット期間よりも小さい場合を示している。
図13Gに示す受信信号において、mビット目の信号期間twmをみると、mビット目の信号に遅延波の信号、すなわち(m−1)ビット目の信号や(m−2)ビット目の信号が加算された波形となる。ここで、遅延波の影響が定常性を持つ場合、既に受信されている信号パターンを判別すれば、受信信号から遅延波の影響を取り除くことが可能となる。すなわち、予め定めた信号パターンの既知信号を無線信号として送信して、受信信号の信号波形がどのように歪みを生ずるか予め学習しておき、信号波形を元の状態に戻す補正情報を係数信号KGとして記憶部78に記憶させる。また、既知信号の信号パターンを変化させて上述の学習を行い、種々の信号パターンに応じた係数信号KGを記憶部78に記憶させる。その後、信号パターンに応じた係数信号KGを記憶部78から読み出して用いるものとすれば、受信信号から遅延波の影響を取り除くことが可能となる。なお、係数信号KGの詳細については後述する。
また、図13において、mビット目の信号期間twmに加算される(m−1)ビット目の信号と(m−2)ビット目の信号は、(m+3)ビット目の信号期間tw(m+3)に加算される(m+2)ビット目の信号と(m+1)ビット目の信号と等しい。しかし、mビット目の信号と(m+3)ビット目の信号が異なるため、受信信号の波形歪みは、信号期間twmと信号期間tw(m+3)とで異なるものとなる。したがって、仮判定部74で得られた仮判定結果HB、すなわち波形歪みを補正する信号が「0」であるか「1」であるかを示す仮判定結果HBをクラス分類結果HBとして用いる。
送信装置分類部77cは、いずれの送信装置との間で無線通信を行うかに応じたクラス分類を行う。ここで、例えば図1に示す筐体内の信号処理部や送信装置および受信装置を制御する制御部(図示せず)が設けられており、制御部が無線信号の送信側と受信側を指定する場合、制御部は、無線信号の送信側を示す送信元情報JAを例えばケーブルや導体パターンを介して受信側の送信装置分類部77cに通知する。また、送信側が無線通信の管理を行う場合、送信側の信号処理部50は、自己が送信元であることを示す送信元情報JAを例えばケーブルや導体パターンを介して受信側の送信装置分類部77cに通知する。さらに、受信側が無線通信の管理を行う場合、送信側の信号処理部50あるいは送信装置60aに対して、例えばケーブルや導体パターンを介して無線信号の送信を指示するとき、この送信側を示す送信元情報JAを送信装置分類部77cに供給する。
送信装置分類部77cは、送信元情報JAを用いることで、いずれの送信装置との間で無線通信を行うかに応じたクラス分類を行うことが可能となり、送信元情報JAに基づいてクラス分類結果HAを生成する。このクラス分類結果HAを用いることで、無線信号の送信側の切替えが行われて、無線信号を送信するアンテナの位置が変更されて遅延波の影響が異なる場合が生じても、無線通信を行う新たな送信装置のアンテナ位置に応じた最適な係数信号KGを選択することが可能となる。クラス分類部77は、上述のクラス分類結果HA,HB,HPをクラスコードCCとして記憶部78に供給する。
図11の記憶部78には、予め学習によって得られた係数信号KGがクラスコードCC毎に記憶されている。図14は記憶部78に記憶された係数信号KGを示している。クラスコードCCとしてクラス分類結果HA,HB,HPが用いられている場合、係数信号KGは、クラス分類結果HA,HB,HPに基づくクラスコードCC毎に記憶されている。記憶部78は、クラス分類部77から供給されたクラスコードCCに応じた係数信号KGを波形加工処理部75に供給する。
次に、動作について説明する。電子機器の筐体内で無線通信を行う場合、筐体内の信号処理部や無線通信部を制御する制御部が設けられているときには、この制御部が送信側の信号処理部や無線通信部および受信側の信号処理部や無線通信部を指定して、無線通信部間で無線通信を行わせる。また、送信側の信号処理部が無線通信の管理を行う場合、この送信側の信号処理部が上述の制御部の動作を行い無線通信部間で無線通信を行わせる。また、受信側の信号処理部が無線通信の管理を行う場合、受信側の信号処理部が上述の制御部の動作を行い無線通信部間で無線通信を行わせる。
図15は、送信する信号のフォーマットを例示している。送信する信号は、パケット化あるいはフレーム化されて、パケットやフレームのデータの先頭には、クロック同期をとるためのプリアンブルが設けられている。
図16は受信動作を示すフローチャートである。ステップST1で制御部は、無線信号を受信することにより得られた信号の復調処理を開始して、受信信号REの生成を行わせたのちステップST2に進む。なお、復調処理では周波数変換等も行う。
ステップST2で制御部は、A/D変換を開始して、受信信号REをディジタルの受信信号RGに変換させてステップST3に進む。
ステップST3で制御部は、クラス分類を行わせる。クラス分類では、無線信号の送信元を示す送信元情報や、演算処理を行う信号の論理レベル、受信出力信号RDの信号パターンに基づいたクラス分類を行う。
ステップST4で制御部は、ステップST3のクラス分類で得られたクラス分類結果に応じた係数信号KGを選択してステップST5に進む。
ステップST5で制御部は、受信信号RGとステップST4で選択した係数信号KGに基づいた演算処理により、遅延波によって生じた波形歪みが補正されている受信信号RGCの生成を行わせてステップST6に進む。
図17は波形加工処理を示している。ここで、図17Aは受信信号RGに基づく信号波形、図17Bは係数信号KGに基づく波形、図17Cは受信信号RGCに基づく信号波形を示している。波形加工処理部75では、受信信号RGに係数信号KGを乗算して受信信号RGCを生成する。この受信信号RGCの波形は、図17Dに示す送信信号TSのエンベロープ波形と略等しいものであり、受信信号RGから遅延波の影響による波形歪みを取り除いたものとなっている。
ステップST6で制御部は、2値化出力処理を行わせる。この2値化出力処理では、受信信号RGCと閾値を比較することで倫理判定を行い、論理判定の結果を示す受信出力信号RDを出力させてステップST3に戻り、受信出力信号の新たな信号パターンに基づいたクラス分類を行う。
このようにすれば、受信出力信号の信号パターンや波形加工処理を行う信号の論理レベル等に応じた係数信号KGが順次選択されて用いられるので、受信信号RGと係数信号との演算処理によって、遅延波によって生じた波形歪みを順次取り除いて、正しい受信出力信号RDを順次出力できる。
ところで、仮判定部74で仮判定を行う場合、遅延波が少ないときや信号の周期に対して遅延波の遅延量が少ないときは、受信信号RGの波形から仮判定を正しく行うことができる。しかし、遅延波が多いときや遅延量が大きくなると、遅延波による波形歪みが大きくなり、仮判定を正しく行うことができない場合も考えられる。
そこで、仮判定を行うことなく正しい受信出力信号RDを得ることができる受信装置について図18を用いて説明する。なお、図18において、図11と対応する部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
クラス分類部77では、送信元情報JAと受信出力信号RDに基づいてクラスコードCCを生成して記憶部78に供給する。記憶部78は、クラスコードCCに応じた係数信号を波形加工処理部75aに供給する。ここで、仮判定結果HBを用いることなくクラスコードCCを生成すると、仮判定結果HBが「0」であるときと「1」であるときの2つの係数信号KGa,KGbが波形加工処理部75aに供給される。
波形加工処理部75aでは、波形整形前の受信信号RGに対してクラス分類結果HBが「0」レベルである係数信号KGaを掛け合わせて波形整形を行った受信信号RGCkaと、受信信号RGに対してクラス分類結果HBが「1」レベルである係数信号KGbを掛け合わせて波形整形を行った受信信号RGCkbを生成して判定部76aに供給する。
判定部76aは、波形加工処理部75aから供給された2つの受信信号RGCka,RGCkbにおいて、信号波形が矩形波に近いものを選択する。さらに、選択した受信信号を予め設定した閾値と比較して論理判定を行い、判定結果を示す受信出力信号RDを出力する。例えば、上述の図13に示すmビット目の受信信号に対して、信号パターンが等しい(m+3)ビット目に対応した係数信号を用いると、波形整形後の信号波形は、正しい係数信号を用いた場合のような矩形波とならない。したがって、波形整形後の信号波形が矩形波となっている受信信号を選択して用いるものとすれば、仮判定部74で正しく論理判定を行うことができないような遅延波が生じる場合であっても、正しい受信出力信号RDを得ることができる。
次に、記憶部78に記憶させる係数信号KGの学習について説明する。図19は学習機能を有した無線通信システムの構成を示している。なお、図19において、図11と対応する部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
無線通信システム10bでは、無線信号の送受信処理を行い、受信信号RGの信号波形を正しい波形とするための係数信号KGをクラスコード毎に学習して記憶部78に記憶させる。
例えば、送信装置60bでは、既知信号出力部62から予め定められた信号パターンの既知信号を教師信号TDaとして変調部61に供給する。変調部61は教師信号TDaの変調処理や周波数変換等を行い、無線信号として送信させる。
受信装置70cの復調部72では、アンテナ71から供給された信号の周波数変換や復調を行い、得られた受信信号REをA/D変換部73でディジタルの信号に変換して生徒信号RGaとして学習部81の同期部811に供給する。受信装置70cの既知信号出力部79は、送信装置60bの既知信号出力部62と同様に構成されており、送信装置60bの既知信号出力部62から変調部61に供給した教師信号TDaと等しい信号を教師信号MDaとしてクラス分類部77とA/D変換部80に供給する。A/D変換部80は、教師信号MDaをディジタルの教師信号MGaに変換して同期部811に供給する。
同期部811は、教師信号MGaと生徒信号RGaを同期させて係数信号生成部812に供給する。係数信号生成部812は、生徒信号RGaに基づく信号波形が教師信号MGaの信号波形と等しくなるように補正するための補正情報である係数信号KGを生成する。例えば、係数信号KGは、教師信号MGaと生徒信号RGaの比「MGa/RGa=KG」として算出する。また、式(1)に示す畳み込み演算を行う場合は、式(2)のように係数信号KGを生成するものとしてもよい。
Figure 2007266969
さらに、同じ教師信号を複数回用いて係数信号KGの平均値を算出して、この平均値を係数信号KGとして記憶部78に記憶させれば、送信信号電力の変動やノイズの影響の変動に対してロバストな係数信号を生成できる。
図20は、係数信号の波形を例示したものであり、図20Aは教師信号を1回用いて生成された係数信号KGの波形、図20Bは、同じ教師信号を複数回用いて係数信号の生成を行い、生成された係数信号の平均値を係数信号KGとした場合を示している。
クラス分類部77は、既知信号出力部79から供給された教師信号MDaに基づきクラス分類を行い、クラスコードCCを記憶部78に供給する。記憶部78は、クラス分類部77から供給されたクラスコードCCと係数信号生成部812で生成された係数信号KGを関連付けて記憶する。なお、クラスコードCCには、上述のクラス分類結果HA,HBを含めるものとする。
図21は係数信号生成動作を示すフローチャートである。ステップST11で制御部は、初期設定を行い、無線信号を送信する送信装置の設定および送信する教師信号の信号パターン設定を行いステップST12に進む。
ステップST12で制御部は、教師信号TDaに基づいて生成した無線信号の送信を開始してステップST13に進む。
ステップST13で制御部は、受信側において、無線信号を受信して得られた信号の復調処理を開始してステップST14に進む。
ステップST14で制御部は、受信側で教師信号MDaの読み出し処理を開始してステップST15に進む。この教師信号MDaの読み出し処理では、ステップST12において無線信号として送信される教師信号TDaと等しい信号パターンの教師信号MDaの読み出しを行う。
ステップST15で制御部は、A/D変換処理を開始させて、ステップST13の復調処理によって得られた受信信号REとステップST14で読み出した教師信号MDaを、それぞれ等しいサンプリングレートでディジタル信号に変換して、教師信号MGaと生徒信号RGaの生成を行いステップST15に進む。
ステップST16で制御部は、学習対の生成を開始させる。学習対の生成では、ディジタルの教師信号MGaと生徒信号RGaを同期させて、位相の等しい各データを学習対としてステップST17に進む。
ステップST17で制御部は、学習対の数が(N+1)個以上となったか受信側で判別させる。ここで、学習対の数が(N+1)個未満であるときはステップST17に戻り、学習対の数が(N+1)個以上となったときにはステップST18に進む。
ステップST18で制御部は、学習対に基づいて係数信号を生成させる。この係数信号の生成では、(N+1)個分の学習対すなわち(N+1)個分の教師信号MGaと生徒信号RGaのデータ対を順次用いて、上述の式(2)に示すように係数信号KG(n)を生成して、クラスコードに関係付けて記憶部に記憶させてステップST19に進む。なお、クラスコードは、無線信号の送信を行う送信装置や教師信号の信号パターンに応じて設定する。
ステップST19で制御部は、教師信号の信号パターンについて、係数信号の生成が完了したか否かを判別する。ここで、係数信号の生成が完了していないときはステップST19に戻り、係数信号の生成が完了したときはステップST20に進む。
ステップST20で制御部は、教師信号の全ての信号パターンについて係数信号の生成が完了したか否かを判別する。ここで、全ての信号パターンに対する係数信号の生成が完了していないときにはステップST21に進み、全ての信号パターンに対する係数信号の生成が完了していないときにはステップST22に進む。
ステップST21で制御部は、教師信号の信号パターンを、係数信号の生成が完了していない信号パターンに変更してステップST12に戻る。
その後、全ての信号パターンに対する係数信号の生成が完了してステップST20からステップST22に進むと、ステップST22では、係数信号の生成が送信装置毎に完了しているか否かを判別する。ここで、無線信号の送信に用いられる筐体内の全ての送信装置に対して係数信号の生成が完了していないときにはステップST23に進み、全ての送信装置に対して係数信号の生成が完了しときには、係数信号の生成を終了する。このように学習によってクラスコード毎の係数信号KGを生成して、記憶部78に記憶させることができる。
記憶部78に記憶されている係数信号KGの初期化は、筐体内において無線信号の伝搬経路が異なるような構成の変化が生じたときや無線通信の開始時あるいは所定時間が経過する毎に行うものとする。無線信号の伝搬経路が異なるような構成の変化とは、例えば、送信装置や受信装置が新たに設けられた場合、筐体内でのマルチパスが変化するような部品の増減等が行われた場合をあげることができる。
このように、受信出力信号RDのMビット前までの信号を用いてクラス分類を行い、クラス分類の結果に応じた補正情報を用いて受信信号RGの波形加工処理を行うことで、信号パターンに応じて受信信号RGを正しい信号波形に整形できるので、より高品質な通信が可能となる。
ところで、上述の形態では、受信出力信号RDの信号パターンに応じてクラス分類を行うことで、係数信号KGの選択を行うものとしたが、受信信号RGを用いてクラス分類を行い、このクラス分類の結果に応じて係数信号KGを選択することもできる。
図22は、無線通信システムの他の構成として、受信信号RGのクラス分類の結果に基づいて係数信号KGを選択する場合を示している。なお、図22において、図11と対応する部分については同一符号を付し詳細な説明は省略する。
無線通信システム10cにおいて、受信装置70dの復調部72で得られた受信信号REは、A/D変換部73でディジタルの受信信号RGに変換されて波形加工処理部75とクラス分類部77aに供給される。クラス分類部77aは、受信信号RGのサンプリングを行い、1ビット期間にサンプリングした受信信号RGの信号レベルに応じてクラス分類を行い、クラス分類結果に応じた係数信号KGを記憶部78から読み出して波形加工処理部75に供給する。
波形加工処理部75では、記憶部78から読み出された係数信号KGと受信信号RGの演算を行い、遅延波の影響による波形歪みを取り除いた受信信号RGCを生成する。
図23は、学習機能を有した無線通信システムの他の構成として、受信信号RGのクラス分類結果に基づいた係数信号KGを生成する場合を示している。
上述のように、無線通信システム10dの送信装置60bでは、既知信号出力部62から供給された教師信号TDaを変調部61に供給して、無線信号として送信させる。
受信装置70eの復調部72では、アンテナ71から供給された信号の復調を行い、得られた受信信号REをA/D変換部73でディジタルの生徒信号RGaに変換して学習部81の同期部811に供給する。
受信装置70eの既知信号出力部79は、送信装置60bの既知信号出力部62と同様に構成されており、教師信号MDaをA/D変換部80に供給する。A/D変換部80は、教師信号MDaをディジタルの教師信号MGaに変換して学習部81の同期部811に供給する。
同期部811は、教師信号MGaと生徒信号RGaを同期させて係数信号生成部812に供給する。係数信号生成部812は、生徒信号RGaに基づく信号波形が教師信号MGaに基づく信号波形と等しくなるように補正するための係数信号KGを生成して記憶部78に供給する。
クラス分類部77aは、生徒信号RGaに基づきクラス分類を行い、クラスコードCCを記憶部78に供給する。
記憶部78は、クラス分類部77aから供給されたクラスコードCCと係数信号生成部812で生成された係数信号KGを関連付けて記憶する。
クラス分類では、受信信号RGの信号レベルに応じた区分を所定のサンプリング周期で行い、得られた区分結果に基づいてクラス分類を行う。図24はクラス分類動作を説明するための図である。図24では、例えば受信信号RGの信号レベルを4段階に区分して、この区分結果を5つ用いて(丸印で示す)、クラス分類を行う場合を示している。このようにクラス分類を行う場合、クラス数は「4」の5乗のクラス数となる。
ここで、クラス分類では、区分結果を1ビット期間分毎に用いてクラス分類を行うものとしてもよく、また所定数の区分結果に基づいて行うものとしてもよい。1ビット期間分の区分結果を用いてクラス分類を行うものとした場合、クラス分類結果に基づき、クラス分類を行った1ビット期間分の受信信号RGを補正する係数信号KGを記憶部78から波形加工処理部75に供給して、波形整形を行う。所定数の区分結果を用いてクラス分類を行う場合、クラス分類結果に基づき、所定数のサンプリングを行った期間の受信信号RGを補正する係数信号KGを記憶部78から波形加工処理部75に供給して、波形整形を行う。また、クラス分類結果に基づき、波形整形として受信信号RGの1あるいは複数のデータ値の補正のみを行うものとしてもよい。
さらに、区分結果を順次シフトしながら所定数用いてクラス分類を行う場合、このクラス分類結果に基づき、波形整形として受信信号RGの1あるいは複数のデータ値の補正を順次行うものとしてもよい。なお、サンプリング数は任意の数でよく、極端な例では判定部で行う論理判定のタイミングだけ係数信号をかけるということも可能である。
上述の形態では、受信装置において、遅延波の影響を取り除く波形整形を行うものとしたが、1対1の無線通信を行う場合には、送信装置で遅延波の影響を考慮して、受信装置で無線信号を受信したときに正しい波形となるように予め送信信号の波形加工処理を行って送信するものとしてもよい。
図25は、無線通信システムの他の構成として、送信装置60cで波形加工処理を行う場合を示している。無線通信システム10eにおいて、信号処理部50から供給された送信信号TDは、送信装置60cのクラス分類部63と波形加工処理部65に供給される。クラス分類部63は、送信信号TDの信号パターンと無線信号の送信先に応じたクラスコードCCを生成して記憶部64に供給する。記憶部64は、クラス分類部63からのクラスコードCCに応じた係数信号KGを波形加工処理部65に供給する。
波形加工処理部65は、送信信号TDと係数信号KGの演算を行い、無線信号の送信先として指定した受信装置で無線信号を受信したとき、この受信装置で得られた受信信号の波形が送信信号の波形と同等となるようにアナログ的に波形変形を行う。また、波形加工処理部65は、アナログ的に波形変形がなされている送信信号TDCを変調部61に供給して、無線信号として送信させる。無線信号の送信先として指定された受信装置70fでは、アンテナ71で得られた信号を復調部72で復調して受信信号を生成する。
ここで、送信装置60cからは、遅延波の影響によって波形歪みが生じたときに、受信信号の波形が送信信号の信号波形と類似するものとなるように、予め波形変形が行われていることから、復調部72で生成された受信信号REの信号波形は送信信号TDの信号波形と同等となる。したがって、復調部72で生成された受信信号REを受信出力信号RDとして信号処理部90に供給することができる。
また、送信装置60cで指定されていない受信装置で無線信号を受信した場合、この受信装置での遅延波による影響等が、送信装置の指定した受信装置と異なると、送信装置で指定されていない受信装置の復調部72で生成される受信信号の信号波形は送信信号の信号波形と異なるものとなり、正しい受信出力信号RDを信号処理部に供給することができない。すなわち、送信装置側で無線通信の経路を特定することが可能となるので、例えばパケットのヘッダにアドレス情報等を設定しなくとも、所望の受信装置に対して信号を伝送することができるので、いわゆるオーバーヘッド部分を格段に小さくすることが可能となり、効率のよい無線通信を行うことができる。したがって、高速のデータ通信を行うことができる。また、受信装置が複数設けられている場合、送信装置によって指定されていない受信装置で無線信号を受信しても、受信信号REは波形歪みが正しく補正されていない状態となるため、秘匿性に優れた無線通信を実現することも可能となる。
記憶部64に記憶する係数信号KGは、例えば受信装置に送信機能を設けて予め定めた信号パターンの既知信号を無線信号として送信する。また、送信装置に受信機能を設けて、この無線信号を受信する。ここで、送信装置では、予め定めた信号パターンがどのように波形歪みを生ずるか判別して、判別結果に基づき係数信号KGを仮設定する。この係数信号KGを用いて信号の波形変形を行い、波形変形後の信号を無線信号として送信装置から受信装置に送信する。さらに、この無線信号を受信したときに受信装置で生成された受信信号の波形と予め定めた信号パターンの比較結果を、受信装置から送信装置に供給して、係数信号の補正を行う。この処理を繰り返すことで、予め定めたパターンの信号に応じた係数信号を生成して、記憶部に記憶させることができる。また、係数信号の生成を種々の信号パターンや受信装置毎に行い、信号パターンや受信装置と関係付けて係数信号を記憶部に記憶させる。
また、図26に示す無線通信システム10fのように、送信装置60cに対しては受信装置に応じた波形変形の機能を設け、受信装置70aには、受信信号の波形整形の機能を設けるものとすれば、送信装置60cでも受信装置70aでも同時に波形の処理を行うこと可能になるので、波形整形による通信品質の向上と送信先の選択の両立が可能になる。
電子機器の構成を示す図である。 送信信号と受信信号の信号波形を示す図である。 複数周期分の重ね合わせを行ったときの信号波形を示す図である。 アンテナ41から無線信号の送信が行われた場合の信号波形を示す図である。 アンテナ42から無線信号の送信が行われた場合の信号波形を示す図である。 アンテナ43から無線信号の送信が行われた場合の信号波形を示す図である。 アンテナ44から無線信号の送信が行われた場合の信号波形を示す図である。 送信信号と受信信号の波形を示す図である。 送信信号と受信信号の波形を示す図である。 送信信号と受信信号の波形を示す図である。 無線通信システムの構成を示す図である。 クラス分類部の構成を示す図である。 信号波形の歪みを説明するための図である。 記憶部に記憶されている係数信号を示す図である。 信号フォーマットを示す図である。 受信動作を示すフローチャートである。 波形加工処理を説明するための図である。 受信装置の他の構成を示す図である。 学習機能を有した無線通信システムの構成を示す図である。 係数信号の波形を示す図である。 係数信号生成動作を示すフローチャートである。 無線通信システムの他の構成を示す図である。 学習機能を有した無線通信システムの他の構成を示す図である。 クラス分類動作を説明するための図である。 無線通信システムの他の構成を示す図である。 無線通信システムの他の構成を示す図である。 筐体内と筐体外で無線通信を行ったときの受信信号波形を示す図である。
符号の説明
5・・・筐体、10a〜10f・・・無線通信システム、21,22,23,24,25・・・基板、31〜34・・・無線通信部、41〜44,69,71・・・アンテナ、50・・・信号処理部、60a,60b,60c・・・送信装置、61・・・変調部、62,79・・・既知信号出力部、63,77,77a・・・クラス分類部、64,78・・・記憶部、65,75,75a・・・波形加工処理部、70a〜70f・・・受信装置、72・・・復調部、73,80・・・A/D変換部、74・・・仮判定部、76,76a・・・判定部、77,77a・・・クラス分類部、81・・・学習部、90・・・信号処理部、771・・・信号パターン分類部、772-1〜772-m・・・シフトレジスタ、773・・・送信装置分類部、811・・・同期部、812・・・係数信号生成部

Claims (8)

  1. 筐体内に設けた送信装置と受信装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
    前記送信装置から無線信号として送信する信号および/または前記受信装置で前記無線信号を受信して得られた信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードを設定するクラス分類部と、
    前記クラスコード毎に、前記無線通信で生じる信号波形歪みを補正するための補正情報を記憶した記憶部と、
    前記受信装置で前記信号波形歪みが補正された信号を得られるように、前記クラス分類部で設定されたクラスコードに応じた前記補正情報を用いて、前記無線信号として送信する信号および/または前記無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理を行う波形加工処理部とを有する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 筐体内に前記送信装置および/または前記受信装置を複数設けたとき、前記クラス分類部では、いずれの送信装置あるいはいずれの受信装置との間で前記無線通信を行うかに応じてクラスコードを設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記波形加工処理部で処理された信号について論理判定を行う判定部を有し、
    前記波形加工処理部では、前記無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理を行い、
    前記クラス分類部では、前記判定部の判定結果を用いてクラスコードを設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  4. 前記無線信号を受信して得られた信号の論理判定を仮に行う仮判定部を有し、
    前記クラス分類部では、前記仮判定部の判定結果を用いてクラスコードを設定する
    ことを特徴とする請求項3記載の無線通信システム。
  5. 予め定められた信号パターンの既知信号を出力する既知信号出力部と、
    前記無線信号を受信して得られた信号の波形を、前記無線信号として送信された前記既知信号の波形に補正するための前記補正情報を生成する学習部を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  6. 無線信号として送信する信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードを設定するクラス分類部と、
    前記クラスコード毎に、無線通信で生じる信号波形歪みを補正するための補正情報を記憶した記憶部と、
    前記無線信号を受信した受信装置で前記信号波形歪みが補正された信号を得られるように、前記クラス分類部で設定されたクラスコードに応じた前記補正情報を用いて、前記無線信号として送信する信号の波形加工処理を行う波形加工処理部とを有する
    ことを特徴とする送信装置。
  7. 無線信号を受信して得られた信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードを設定するクラス分類部と、
    前記クラスコード毎に、無線通信で生じる信号波形歪みを補正するための補正情報を記憶した記憶部と、
    前記信号波形歪みが補正された信号を得られるように、前記クラス分類部で設定されたクラスコードに応じた前記補正情報を用いて、前記無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理を行う波形加工処理部とを有する
    ことを特徴とする受信装置。
  8. 無線信号として送信する信号および/または前記無線信号を受信して得られた信号に基づき、クラス分類を行ってクラスコードを設定する工程と、
    前記クラスコード毎に、無線通信で生じる信号波形歪みを補正するための補正情報を記憶する工程と、
    前記無線信号の受信側で前記信号波形歪みが補正された信号を得られるように、前記設定されたクラスコードに応じた前記補正情報を用いて、前記無線信号として送信する信号および/または前記無線信号を受信して得られた信号の波形加工処理を行う工程とを有する
    ことを特徴とする無線通信方法。




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