JP2008159302A - 避雷構造 - Google Patents

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清隆 楯川
Takao Fujita
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Abstract

【課題】商用交流電源が入力される小型プリント基板上の回路を保護する放電ギャップを形成する。
【解決手段】商用交流電源が供給される交流−直流変換器が小型プリント基板18に設けられている。交流−直流変換器からの電力に基づいて動作する高周波増幅器が別のプリント基板7に設けられ、シールドケース8内に収容されている。商用交流電源用の経路22a、22bの接続端24a、24bが、プリント基板18の一方の縁に設けられ、この縁と所定の間隔Gを隔ててシールドケース8が対向している。
【選択図】図2

Description

本発明は、商用交流電源で動作する機器への商用交流電源の入力ラインに設けられる避雷構造に関する。
従来、上記の避雷構造としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。この特許文献1の技術では、テレビジョン受像機やビデオ一体型のテレビジョン受像機に内蔵されるプリント基板の表面に、電気部品や電子素子が実装されて、裏面には、これら電気部品や電子素子を接続する配線パターンが形成されている。これら配線パターン中に、電源部の配線パターンがある。電源部の配線パターンは、電圧側配線パターンと、アース側配線パターンとがあり、これらには電源コードの芯線が半田付けされている。アース側配線パターンに平行に放電側配線パターンが形成され、この放電側配線パターンの一端部には、アース側配線パターン側に突出した突片が形成され、この突片とアース側配線パターンとの間の間隙によって放電ギャップを構成している。この放電側配線パターンが、例えば基板上の雷が入来する可能性のある部分に接続され、入来した雷によって発生した高電圧は、放電ギャップを介してアース側配線パターンに誘導される。
特開平11−191474号公報
特許文献1の技術によれば、雷による高電圧を商用交流電源のアース側配線パターンに誘導する構成であるので、例えば商用交流電源のラインに入来した雷による高電圧に対しては、有効ではない。そのため、商用交流電源のラインにはアレスタのような耐雷性部品が設けられている。耐雷性部品の分だけ、コストアップとなる。アレスタを用いないで、特許文献1の技術を元に商用交流電源に対する避雷構造とすることを考えた場合、プリント基板上の商用交流電源のラインと予め定めた距離をおいて放電ギャップを形成するように、プリント基板上にグラウンドに接続されたグラウンド配線パターンを形成する必要がある。このグラウンド配線パターンと商用交流電源のラインとは、予め定められた間隔以上の間隔を確保する必要がある。しかし、製品の小型化の観点から、商用交流電源が入力される回路が構成されているプリント基板には、小型のものを使用することがある。この場合、グラウンド配線パターンと商用交流電源のラインとは、予め定められた間隔以上の間隔をとることができない場合がある。
本発明は、商用交流電源が入力される、小型プリント基板に構成された回路であっても、予め定められた間隔の放電ギャップを構成し、避雷性部品を不要とすることができる避雷構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様の避雷構造は、交流入力部を有している。この交流入力部は、基板に設けられており、この交流入力部には商用交流電源が供給される。この避雷構造は、更に電気回路を有している。この電気回路は、前記交流入力部からの出力に基づいて動作する。交流入力部は、例えば供給された商用交流電源を直流化する直流化手段を備えたものとすることができる。この場合、直流化手段によって得られた直流電力が電気回路に供給される。また交流入力部は、商用交流電源を電気回路に供給し、電気回路において商用交流電源を直流化して、電気回路内の他の回路に直流電力を供給することもできる。電気回路は、直流化手段を含む場合も、含まない場合でも、入力された信号を処理する回路、例えば増幅回路やチューナ回路等を含む。交流入力部における商用交流電源用の経路の一部が、基板の一方の縁に設けられている。この縁と所定の間隔を隔てて、電気回路に設けられた放電路が位置している。この放電路としては、電気回路が設けられる導電性のシャーシのうち基板と対向する部分を利用することもできるし、電気回路が導電性のシールドケースに収容されている場合、このシールドケースのうち基板と対向する部分を使用することができる。
このように構成された避雷構造では、例えば交流入力部の商用交流電源用の経路に雷の入来により高電圧が発生しても、この高電圧は、電気回路に設けられた放電路に流れるので、交流入力部が損傷することはない。しかも、放電ギャップは、交流入力部内に設けるのではなく、交流入力部の商用交流電源用の経路と電気回路の放電路との間で形成されているので、交流入力部が形成されている基板が小型であっても、必要とされる放電ギャップを確実に形成できる。また、電気回路のシャーシやシールドケースの一部を放電路として使用する場合、シャーシやシールドケースは、電気回路に備えられているものであるので、わざわざ放電路を電気回路に設ける必要はない。
前記経路の一部は、前記放電路側に向かうに従って細く形成することができる。このように構成すると、この細く形成された部分から、放電路に向かって放電が促進される。
更に、放電路には、前記細く形成された前記経路の一部と対向する突部を構成することもできる。このように構成すると、更に放電路に向かっての放電が促進される。
更に、交流入力部と電気回路とを、絶縁性筐体内に収容することができる。
以上のように、本発明によれば、小型のプリント基板に構成された商用交流入力部であっても、予め定められた間隔の放電ギャップを構成することができ、それによって避雷性部品を使用しなくても耐雷性を得ることができ、コストの低減化を図ることができる。
本発明の第1実施形態の避雷構造は、ブースタに実施されている。このブースタは、図3に示すように、電気回路、例えば増幅手段、具体的には高周波増幅器2を有し、入力端子4から供給された高周波信号、例えばテレビジョン放送信号を増幅し、出力端子6から出力する。この高周波増幅器2は、プリント基板7に形成され、そのプリント基板の大部分が、高周波シールドケース8内に収容されている。このシールドケース8は、その全域が接地されている。
この高周波増幅器2を動作させるための直流電力が、交流−直流変換器10から高周波増幅器2に供給される。交流−直流変換器10は、商用交流電源12に一次側が接続された変圧器14を有し、変圧器14の二次側に整流回路及び平滑回路からなる直流化回路16が設けられている。この直流化回路16から直流電力が高周波増幅器2に供給されている。この交流−直流変換器10は、シールドケース8とは別のプリント基板18上に構成されている。
図1及び図2に示すように、シールドケース8及びプリント基板18は、絶縁性、例えば合成樹脂製の筐体21内に、両者の間に間隔をおいて並べて収容されている。シールドケース8は扁平な直方体状に形成され、プリント基板18は、筐体21の大きさとの関係から、幅寸法の短い矩形状に形成されている。
プリント基板18の表面には、図2に示すように、変圧器14及び直流化回路16が配置されている。変圧器14が、プリント基板18の表面において多くの面積を占め、変圧器14の一方の側に直流化回路16が配置されている。さらに、商用交流電源12への接続用のコネクタ20が、変圧器14の他方の側に設けられている。変圧器14の一次側の2つの端子14a、14bは、図1及び図2に示すようにシールドケース8と面するプリント基板18の一方の縁側に配置されている。また、変圧器14の二次側の2つの端子14c、14dは、プリント基板18の他方の縁側に配置されている。
プリント基板18の裏面側には、図2に破線で示すように、コネクタ20から変圧器14の一次側の2つの端子14a、14bまでそれぞれ商用交流入力経路22a、22bが形成されている。これら入力経路22a、22bの一次側端子14a、14bへの接続端24a、24bは、シールドケース8側に向かって細く形成されている。
接続端24a、24bが形成されているプリント基板18の縁と、このプリント基板18の縁と対向しているシールドケース8の側面との間は、予め定められた間隔を隔てており、シールドケース8の側面が放電路として機能し、この間隔が放電ギャップGとして機能する。
この放電ギャップG内に位置するように筐体21の底面から上方に伸びた幾分可撓性を有する合成樹脂製の係合部28が、シールドケース8に形成した突片27に係合し、シールドケース8を筐体21のプリント基板18と反対側の側面側に押圧して固定している。なお、係合部28と突片27とは、接続端24a、24bの形成位置とは異なる位置に設けられている。シールドケース8及びプリント基板18は、2条の支持体30、30によって支持され、これら支持体30、30は、筐体21の底面に間隔をおいて形成され、それぞれ上方に伸びている。
このように構成された避雷構造では、商用交流入力経路22a、22bとシールドケース8との間には放電ギャップGが形成されており、通常、商用交流入力経路22a、22bに商用交流電源12から商用交流電圧が供給されても、商用交流入力経路22a、22bとシールドケース8との間で絶縁が破壊されることはない。
一方、商用交流入力経路22a、22bに雷が入来すると、商用交流入力経路22a、22bに高電圧が発生するが、この高電圧は、放電ギャップGを介してシールドケース8に放電される。従って、変圧器14及び直流化回路16が雷によって破損することはなく、アレスタ等を使用しなくても耐雷性を確保できる。なお、シールドケース8及びプリント基板18は、絶縁性の筐体21内に収容されているので、シールドケース8に放電させても、外部には影響がない。しかも、幅が狭く商用交流入力経路22a、22bの他に、放電用のパターンを設けるスペースが無いプリント基板18を使用している場合でも、耐雷性を確保することができる。シールドケース8の側面を放電路としているので、高周波増幅器2が構成されているプリント基板7に、専用の放電路を設ける必要がない。
また、交流入力経路22a、22bの接続端24a、24bをシールドケース8側に向かって細く形成しているので、シールドケース8側に向かって確実に放電させることができる。
図4に本発明の第2の実施形態の避雷構造を実施したブースタの平面図を示す。この実施形態では、プリント基板18の接続端24a、24bに対向するように、シールドケース8の側面には、接続端24a、24b側に向かって突出した突部26a、26bが形成されている。このように突部26a、26bを形成しているので、放電ギャップGを介して突部26a、26bに確実に放電させることができる。
上記の両実施形態では、シールドケースの一部を放電路として使用したが、これに限ったものではなく、例えば導電性のシャーシに高周波増幅器2のような電気回路が構成される場合には、プリント基板18と対向する上記シャーシの部分を放電路として使用することができる。また、上記の両実施形態では、本発明による避雷構造をブースタに実施したが、これに限ったものではなく、他の電気機器や電子機器にも実施することができる。但し、電気機器や電子機器に存在し、プリント基板18と隣接する電気回路は、雷による高電圧の放電路を有する必要があるが、シャーシやシールドケースを流用することができる。また、上記の両実施形態では、直流化回路16をプリント基板18に設けたが、直流化回路16を高周波増幅器2と共にプリント基板7側に設けることもできる。
本発明の第1実施形態の避雷構造を実施したブースタの縦断正面図である。 図1のブースタの平面図である。 図1のブースタのブロック図である。 本発明の第2実施形態の避雷構造を実施したブースタの平面図である。
符号の説明
2 高周波増幅器(電気回路)
8 シールドケース(放電路)
12 商用交流電源
14 変圧器
16 直流化回路
18 プリント基板
22a 22b 交流入力経路
G 放電ギャップ

Claims (4)

  1. 基板に設けられ、商用交流電源が供給される交流入力部と、
    前記交流入力部からの出力に基づいて動作する電気回路とを、
    有し、前記交流入力部における前記商用交流電源用の経路が、前記基板の一方の縁に設けられ、この縁と所定の間隔を隔てて前記電気回路に設けられた放電路が位置している避雷構造。
  2. 請求項1記載の避雷構造において、前記放電路が、前記電気回路が構成されているシャーシまたはシールドケースの一部である避雷構造。
  3. 請求項1記載の避雷構造において、前記経路の一部は、前記放電路側に向かうに従って細く形成されている避雷構造。
  4. 請求項3記載の避雷構造において、前記放電路には、前記細く形成された前記経路の一部と対向する突部が形成されている避雷構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010226925A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Dx Antenna Co Ltd 保護回路

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