JP2011066226A - 基板装置およびそれを備えた空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる基板装置およびそれを備えた空気調和機を実現する。
【解決手段】プリント配線基板1と、上記プリント配線基板1に実装され、電磁波を放射するスイッチングトランスTと、上記プリント配線基板1に実装され、スイッチングトランスTから放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板2とを備える。上記遮蔽板2は、絶縁性を有する基材と、基材の表面に形成された導体層と、導体層を覆う絶縁膜とを有する構造をしており、遮蔽板2の基材,導体層および絶縁膜の夫々は、プリント配線基板1の基材,導体層および絶縁膜の厚さおよび材料と同一である。
【選択図】図1
【解決手段】プリント配線基板1と、上記プリント配線基板1に実装され、電磁波を放射するスイッチングトランスTと、上記プリント配線基板1に実装され、スイッチングトランスTから放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板2とを備える。上記遮蔽板2は、絶縁性を有する基材と、基材の表面に形成された導体層と、導体層を覆う絶縁膜とを有する構造をしており、遮蔽板2の基材,導体層および絶縁膜の夫々は、プリント配線基板1の基材,導体層および絶縁膜の厚さおよび材料と同一である。
【選択図】図1
Description
この発明は、基板装置およびそれを備えた空気調和機に関する。
従来、基板装置としては、電磁波を放射する部品が実装されたプリント配線基板を備え、金属板を結合したケースで電磁波を放射する部品を覆って、そのケースをグランドに接続することにより、部品からの電磁波の放射を抑制するものがある(例えば、特開2000−236189号公報(特許文献1)参照)。
ところが、上記構成の基板装置では、部品からの電磁波を抑制するために別に金属板を用意する必要があり、コストが高くつくという問題がある。また、上記基板装置では、電磁波を放射する部品を覆う金属板は、導体が表面に露出しているため、絶縁が必要な場合には絶縁距離を確保するかまたは絶縁物で金属板を覆う必要がある。上記基板装置において、絶縁距離を確保することは高密度実装に反するため、絶縁物で金属板を覆うようにした場合、さらにコストが高くつくという問題がある。
そこで、この発明の課題は、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる基板装置およびそれを備えた空気調和機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の基板装置は、
絶縁性を有する基材と、上記基材の表面に形成された導体層と、上記導体層を覆う絶縁膜とを有するプリント配線基板と、
上記プリント配線基板に実装され、電磁波を放射する電気部品と、
上記プリント配線基板に実装され、上記電気部品から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板と
を備え、
上記遮蔽板は、絶縁性を有する基材と、上記基材の表面に形成された導体層と、上記導体層を覆う絶縁膜とを有する構造をしており、
上記遮蔽板の基材,導体層および絶縁膜の夫々は、上記プリント配線基板の基材,導体層および絶縁膜の厚さおよび材料と同一であることを特徴とする。
絶縁性を有する基材と、上記基材の表面に形成された導体層と、上記導体層を覆う絶縁膜とを有するプリント配線基板と、
上記プリント配線基板に実装され、電磁波を放射する電気部品と、
上記プリント配線基板に実装され、上記電気部品から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板と
を備え、
上記遮蔽板は、絶縁性を有する基材と、上記基材の表面に形成された導体層と、上記導体層を覆う絶縁膜とを有する構造をしており、
上記遮蔽板の基材,導体層および絶縁膜の夫々は、上記プリント配線基板の基材,導体層および絶縁膜の厚さおよび材料と同一であることを特徴とする。
ここで、上記電磁波を放射する電気部品としては、スイッチングトランスや、スイッチング素子などの電子部品がある。
上記構成によれば、プリント配線基板に実装された電気部品から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板の基材,導体層および絶縁膜の夫々が、プリント配線基板の基材,導体層および絶縁膜の厚さおよび材料と同一であるので、例えば大型基材から複数のプリント配線基板を切り出す製造工程において、大型基材のうちの廃材スペースとなるような部分を上記遮蔽板に用いることが可能となる。これにより、遮蔽板として金属板などを別に用意することなく、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板と上記プリント配線基板とは、元プリント配線基板から分割されたものである。
上記遮蔽板と上記プリント配線基板とは、元プリント配線基板から分割されたものである。
上記実施形態によれば、分割前の元プリント配線基板では、遮蔽板とプリント配線基板が一体となっているので、部品管理などの扱いが容易になる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記プリント配線基板は、少なくともコーナーの一部を切り欠いた矩形形状であって、
上記遮蔽板は、上記元プリント配線基板から切り欠いた部分の全部または一部である。
上記プリント配線基板は、少なくともコーナーの一部を切り欠いた矩形形状であって、
上記遮蔽板は、上記元プリント配線基板から切り欠いた部分の全部または一部である。
上記実施形態によれば、分割前の元プリント配線基板の少なくともコーナーの一部を切り欠いた部分の全部または一部を遮蔽板として用いたので、プリント配線基板に用いない不要部分を有効利用できる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板に実装された上記電磁波を放射する電気部品と上記電磁波を受ける電気部品との間を遮るように立設されている。
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板に実装された上記電磁波を放射する電気部品と上記電磁波を受ける電気部品との間を遮るように立設されている。
上記実施形態によれば、プリント配線基板に実装された上記電磁波を放射する電気部品と上記電磁波を受ける電気部品との間に遮蔽板を立設することによって、電磁波を受ける電気部品への電磁波の影響を効果的に抑制することができる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板に実装された高圧部品と低圧部品との間を遮るように立設され、上記遮蔽板の上記基材側が上記高圧部品側に面している。
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板に実装された高圧部品と低圧部品との間を遮るように立設され、上記遮蔽板の上記基材側が上記高圧部品側に面している。
上記実施形態によれば、プリント配線基板に実装された高圧部品と低圧部品との間を遮るように立設された遮蔽板は、基材側が高圧部品側に面していることによって、高圧部品と遮蔽板の導体層との間の絶縁性を高めることができる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板にハンダ付けにより実装されている。
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板にハンダ付けにより実装されている。
上記実施形態によれば、遮蔽板をプリント配線基板にハンダ付けにより実装することにより、他の電気部品と同様の実装ができ、作業性が向上する。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板にピンを介してハンダ付けにより実装されている。
上記遮蔽板は、上記プリント配線基板にピンを介してハンダ付けにより実装されている。
上記実施形態によれば、遮蔽板をプリント配線基板にピンを介してハンダ付けにより実装することにより、他の電気部品と同様の実装ができ、作業性が向上すると共に、ピンにより遮蔽板の取付強度が高まる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板の導体層は、上記プリント配線基板に形成されたグランドパターンに上記ハンダ付けにより電気的に接続されている。
上記遮蔽板の導体層は、上記プリント配線基板に形成されたグランドパターンに上記ハンダ付けにより電気的に接続されている。
上記実施形態によれば、遮蔽板の導体層を、プリント配線基板に形成されたグランドパターンにハンダ付けにより電気的に接続することによって、電気部品から放射される電磁波を遮蔽板の導体層により効果的に遮蔽できる。
また、一実施形態の基板装置では、
上記遮蔽板の導体層は、格子形状に形成されている。
上記遮蔽板の導体層は、格子形状に形成されている。
上記実施形態によれば、遮蔽板の導体層を格子形状に形成して、例えば格子の一辺の長さを遮蔽したい電磁波の波長の1/2にすることにより、電気部品から放射される電磁波を少ない導体(例えば銅)を導体層に用いた遮蔽板により効果的に遮蔽でき、導体層の材料を節約できる。
また、この発明の空気調和機では、
上記のいずれか1つに記載の基板装置を備えたことを特徴とする。
上記のいずれか1つに記載の基板装置を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる基板装置を備えることによって、放射性雑音(電磁波の放射ノイズ)を低減した空気調和機を実現することができる。
以上より明らかなように、この発明の基板装置およびそれを備えた空気調和機によれば、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる基板装置およびそれを備えた空気調和機を実現することができる。
以下、この発明の基板装置およびそれを備えた空気調和機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の一形態の空気調和機の電源回路として用いられる基板装置の要部の斜視図を示している。
この基板装置は、図1に示すように、プリント配線基板1と、上記プリント配線基板1に実装され、電磁波を放射する電気部品の一例としてのスイッチングトランスTと、上記プリント配線基板1に実装され、スイッチングトランスTから放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板2とを備えている。図1において、D1はダイオード、C2は電解コンデンサ、CNはコネクタ、L1はインダクタである。
上記プリント配線基板1は、図2Aに示すように、絶縁性を有する基材1aと、上記基材1aの一方の表面に形成された導体層1bと、上記導体層1bを覆う絶縁膜1cとを有する構造をしており、導体層1bは配線パターンを形成している。この実施の形態では、プリント配線基板1の基材1aに紙フェノール基板を用いている。
また、上記遮蔽板2は、図2Bに示すように、絶縁性を有する基材2aと、上記基材2aの一方の表面に形成された導体層2bと、上記導体層2bを覆う絶縁膜2cとを有する構造をしており、導体層2bは、基材2aの一方の略全面に形成されている。
上記遮蔽板2の基材2aは、プリント配線基板1の基材1aの厚さおよび材料と同一である。また、遮蔽板2の導体層2bは、プリント配線基板1の導体層1bの厚さおよび材料と同一である。また、遮蔽板2の絶縁膜2cは、プリント配線基板1の絶縁膜1cの厚さおよび材料と同一である。
図1において、遮蔽板2は、高圧部品であるスイッチングトランスTと低圧部品である電解コンデンサC2との間に、基材2a(図2Bに示す)側をスイッチングトランスT側に面するように、プリント配線基板1に立設されている。上記遮蔽板2は、プリント配線基板1にピン10を介してハンダ付けにより実装されている。この実施の形態では、遮蔽板2において、絶縁膜2cに覆われる導体層2bの一部が露出しており、この導体層2bの露出部分で、プリント配線基板1のグランドパターン(図示せず)にピン10を介してハンダ付けしている。
また、遮蔽板2とスイッチングトランスTとの間をシリコン接着剤11で接着し、遮蔽板2とインダクタL1との間をシリコン接着剤12で接着して、遮蔽板2をプリント配線基板1に固定している。
図3は上記基板装置のプリント配線基板1と遮蔽板2を分割する前の元プリント配線基板100の平面図を示している。
この元プリント配線基板100は、図3に示すように、コーナーの一部(図3中右上)を切り欠いた矩形形状プリント配線基板1と、元プリント配線基板100から切り欠いた部分の一部である遮蔽板2とが分割されずに連結部100aで連結されている。この連結部100aは、プリント配線基板1に隣接する遮蔽板2の辺の一部に設けられている。そして、プリント配線基板1に対して遮蔽板2を連結部100aで折り曲げることにより、連結部100aが切断されて、プリント配線基板1と遮蔽板2が分割される。
なお、この基板分割は、折り曲げ以外に、回転刃による切断でもよいし、レーザー光による切断などでもよい。また、プリント配線基板1と遮蔽板2とを連結部100aで連結したが、これに限らず、切断用のV溝などの他の切断部をプリント配線基板と遮蔽板との連結部分に設けてもよい。
図4,図5は上記基板装置の遮蔽板2を含む要部の側面図を示している。この図4は、図3において右側から左側に向かって見た図である。また、図5は、図3において下側から上側に向かって見た図である。
図4,図5に示すように、遮蔽板2の高さは、スイッチングトランスTの高さよりも高くしている。また、図5の側方から見た遮蔽板2は、スイッチングトランスTのほぼ全てが隠れる形状にしている。これにより、スイッチングトランスT側から遮蔽板2に対してスイッチングトランスTと反対の側に向かって放射される電磁波が効果的に遮蔽される。
図6は上記基板装置の要部の回路図を示している。図6に示す回路は、空気調和機に用いられる電源回路の一部であり、過電圧保護回路などを省略している。
図6に示すように、単相交流電源を電源入力端子ACL,ACNに接続し、電源入力端子ACLに過電流保護用のパワーサーミスタPTHの一端を接続し、そのパワーサーミスタPTHの他端にダイオードブリッジDBの一方の交流入力端子を接続している。一方、電源入力端子ACNにダイオードブリッジDBの他方の交流入力端子を接続している。そして、ダイオードブリッジDBの正極側直流出力端子と負極側直流出力端子との間に平滑用電解コンデンサC1を接続している。上記ダイオードブリッジDBの負極側直流出力端子をフレームグランドFGに接続している。
また、上記ダイオードブリッジDBの正極側直流出力端子と負極側直流出力端子をスイッチング部20の入力端子に接続し、スイッチング部20の複数の出力側端子をスイッチングトランスTの複数の1次側巻線端子に接続している。
そして、上記スイッチングトランスTの2次側巻線端子のうちの第1巻線端子にダイオードD1のアノードを接続し、ダイオードD1のカソードにインダクタL1の一端を接続し、そのインダクタL1の他端を+12V出力端子に接続している。また、スイッチングトランスTの2次側巻線端子のうちの第3巻線端子にグランド端子(+12V用GND)を接続している。上記ダイオードD1のカソードとスイッチングトランスTの第3巻線端子との間に電解コンデンサC2を接続し、インダクタL1の他端とスイッチングトランスTの第3巻線端子との間に電解コンデンサC6を接続している。上記電解コンデンサC6に抵抗R1を並列に接続している。
また、上記スイッチングトランスTの2次側巻線端子のうちの第2巻線端子にダイオードD2のアノードを接続し、ダイオードD2のカソードにヒューズFの一端を接続している。上記ヒューズFの他端をシリーズレギュレータICの入力端子に接続している。また、ダイオードD2のカソードにダイオードD3のカソードを接続し、ダイオードDのアノードをスイッチングトランスTの第3巻線端子に接続している。このスイッチングトランスTの第3巻線端子にグランド端子(GND)を接続している。また、上記シリーズレギュレータICの入力端子とスイッチングトランスTの第3巻線端子との間にコンデンサC4を接続し、シリーズレギュレータICの出力端子とスイッチングトランスTの第3巻線端子との間に電解コンデンサC5を接続している。さらに、シリーズレギュレータICの出力端子にダイオードD4のアノードを接続し、ダイオードD4のカソードをシリーズレギュレータICの入力端子に接続している。
そして、スイッチングトランスTの第3巻線端子は、2次側回路の接地電位(GND)に接続されており、この接地電位に遮蔽板2(図1に示す)の導体層2bをピン10を介してハンダ付けにより電気的に接続している。
図7は上記基板装置を備えた空気調和機200の斜視図を示している。この空気調和機200は、加湿機能と除湿機能と脱臭機能および集塵機能を備えている。
図8は遮蔽板なしの基板装置を備えた空気調和機200の放射性雑音の測定結果と、遮蔽板2ありの基板装置を用いた空気調和機200の放射性雑音の測定結果を示す図を示している。図8において、横軸は周波数[Hz]を表し、縦軸は放射性雑音強度[dBμV/m]を表している。
図8に示すように、遮蔽板なしの基板装置を備えた空気調和機200に対して、遮蔽板2が実装された基板装置を備えた空気調和機200は、測定周波数0.525MHz〜1.606MHzの全ての周波数範囲で放射性雑音強度が低くなっている。
なお、図8の測定条件は、空気調和機の電源電圧が100V/60Hz、運転モードが除湿、測定周波数0.525MHz〜1.606MHz、測定距離は空気調和機から1m、測定アンテナの向きは対面、測定アンテナの高さは、空気調和機が接地された床面より測定アンテナの中央が1.25m、測定アンテナに対する空気調和機の向きは正面であり、検波したQP値(準尖頭値)で判定する。
上記構成の基板装置によれば、プリント配線基板1に実装された電気部品(スイッチングトランスT)から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板2の基材2a,導体層2bおよび絶縁膜2cの夫々が、プリント配線基板1の基材1a,導体層1bおよび絶縁膜1cの厚さおよび材料と同一であるので、例えば大型基材から複数のプリント配線基板1を切り出す製造工程において、大型基材のうちの廃材スペースとなるような部分を遮蔽板2に用いることが可能となる。これにより、遮蔽板として金属板などを別に用意することなく、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制することができる。
また、分割前の元プリント配線基板100では、遮蔽板2とプリント配線基板1が一体となっているので、部品管理などの扱いが容易になる。
また、元プリント配線基板100から切り欠いた部分の全部または一部を遮蔽板2に用いたので、プリント配線基板1に用いない不要部分(廃材スペース)を有効利用できる。
また、プリント配線基板1に実装されたスイッチングトランスTとそのスイッチングトランスTからの電磁波を受ける電気部品(電解コンデンサC2)との間を遮るように遮蔽板2を立設することによって、電磁波を受ける電気部品への電磁波の影響を効果的に抑制することができる。
また、プリント配線基板1に実装された高圧部品(スイッチングトランスT)と低圧部品(電解コンデンサC2)との間を遮るように立設された遮蔽板2は、基材2a側が高圧部品側に面していることによって、高圧部品と遮蔽板2の導体層2bとの間の絶縁性を高めることができる。
また、上記遮蔽板2をプリント配線基板1にハンダ付けにより実装することにより、他の電気部品と同様の実装ができ、作業性が向上する。
また、上記遮蔽板2をプリント配線基板1にピン10を介してハンダ付けにより実装することにより、他の電気部品と同様の実装ができ、作業性が向上すると共に、ピン10により遮蔽板2の取付強度が高まる。
また、上記遮蔽板2の導体層2bを、プリント配線基板1に形成されたグランドパターン(GND)にハンダ付けにより電気的に接続することによって、電気部品(スイッチングトランスT)から放射される電磁波を遮蔽板2の導体層2bにより効果的に遮蔽できる。
また、この発明の空気調和機は、簡単な構成でかつ低コストで、電磁波の放射を効果的に抑制できる基板装置を備えることによって、放射性雑音(電磁波の放射ノイズ)を低減した空気調和機を実現することができる。
上記実施の形態では、遮蔽板2の導体層2bを基材2aの一方の略全面に形成したが、遮蔽板の導体層はこれに限らず、例えば、図9に示す格子形状の導体層を有する遮蔽板を用いてもよい。
遮蔽したい電磁波の周波数「f」に対して最適な遮蔽板の導体層の格子の一辺「x」は、ノイズ波長「λ」の1/2の値となる。
ノイズ周波数「f」から電磁波の波長「λ」を求める計算式は、Cを光速とすると、
C=fλ
で表される(ここで、C(光速)=3.0×108[m/s])。したがって、電磁波の波長「λ」は、
λ=C/f
で表され、電磁波の周波数を11.84256×109[Hz] (NHK衛星第一の中心周波数)とすると、
λ[m]=0.025[m]
となる。次に、電磁波の波長「λ」より最適な遮蔽板の導体層の格子の一辺「x」を求める次式に代入すると、
x=λ/2
=0.025/2
=0.0125[m]
=1.25[cm]
となる。
C=fλ
で表される(ここで、C(光速)=3.0×108[m/s])。したがって、電磁波の波長「λ」は、
λ=C/f
で表され、電磁波の周波数を11.84256×109[Hz] (NHK衛星第一の中心周波数)とすると、
λ[m]=0.025[m]
となる。次に、電磁波の波長「λ」より最適な遮蔽板の導体層の格子の一辺「x」を求める次式に代入すると、
x=λ/2
=0.025/2
=0.0125[m]
=1.25[cm]
となる。
このように、遮蔽板の導体層を格子形状に形成して、例えば格子の一辺の長さを遮蔽したい電磁波の波長の1/2にすることにより、電気部品から放射される電磁波を少ない導体(例えば銅)を導体層に用いた遮蔽板により効果的に遮蔽でき、導体層の材料を節約できる。
上記実施の形態では、基材として紙フェノール基板(別名、ベークライト基板(登録商標))を用い、導体層を紙フェノール基板の片面に形成してその導体層を絶縁膜で覆ったプリント配線基板を用いた基板装置について説明したが、プリント配線基板はこれに限らず、セラミックス基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ基板などのプリント配線基板を用いた基板装置にこの発明を適用してもよい。また、この発明の基板装置は、フレキシブル基板に実装された電気部品から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板を、そのフレキシブル基板に実装したものでもよく、遮蔽板の基材,導体層および絶縁膜の夫々が、上記フレキシブル基板の基材,導体層および絶縁膜と厚さおよび材料が同一であればよい。
また、上記実施の形態では、基板装置を備えた空気調和機について説明したが、基板装置を備えた装置は、これに限らず、他の装置にこの発明の基板装置を適用してもよい。
また、この発明の基板装置のプリント配線基板は、導体層が片面に形成された片面基板、導体層が両面に形成された両面基板、導体層が多層に形成された多層基板のいずれであってもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…プリント配線基板
1a…基材
1b…導体層
1c…絶縁膜
2…遮蔽板
2a…基材
2b…導体層
2c…絶縁膜
10…ピン
11,12…シリコン接着剤
20…スイッチング部
200…空気調和機
T…スイッチングトランス
1a…基材
1b…導体層
1c…絶縁膜
2…遮蔽板
2a…基材
2b…導体層
2c…絶縁膜
10…ピン
11,12…シリコン接着剤
20…スイッチング部
200…空気調和機
T…スイッチングトランス
Claims (10)
- 絶縁性を有する基材(1a)と、上記基材(1a)の表面に形成された導体層(1b)と、上記導体層(1b)を覆う絶縁膜(1c)とを有するプリント配線基板(1)と、
上記プリント配線基板(1)に実装され、電磁波を放射する電気部品(T)と、
上記プリント配線基板(1)に実装され、上記電気部品(T)から放射される電磁波を遮蔽する遮蔽板(2)と
を備え、
上記遮蔽板(2)は、絶縁性を有する基材(2a)と、上記基材(2a)の表面に形成された導体層(2b)と、上記導体層(2b)を覆う絶縁膜(2c)とを有する構造をしており、
上記遮蔽板(2)の基材(2a),導体層(2b)および絶縁膜(2c)の夫々は、上記プリント配線基板(1)の基材(1a),導体層(1b)および絶縁膜(1c)の厚さおよび材料と同一であることを特徴とする基板装置。 - 請求項1に記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)と上記プリント配線基板(1)とは、元プリント配線基板(100)から分割されたものであることを特徴とする基板装置。 - 請求項2に記載の基板装置において、
上記プリント配線基板(1)は、少なくともコーナーの一部を切り欠いた矩形形状であって、
上記遮蔽板(2)は、上記元プリント配線基板(100)から切り欠いた部分の全部または一部であることを特徴とする基板装置。 - 請求項1から3までのいずれか1つに記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)は、上記プリント配線基板(1)に実装された上記電磁波を放射する電気部品(T)と上記電磁波を受ける電気部品との間を遮るように立設されていることを特徴とする基板装置。 - 請求項1から4までのいずれか1つに記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)は、上記プリント配線基板(1)に実装された高圧部品と低圧部品との間を遮るように立設され、上記遮蔽板(2)の基材(2a)側が上記高圧部品側に面していることを特徴とする基板装置。 - 請求項1から5までのいずれか1つに記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)は、上記プリント配線基板(1)にハンダ付けにより実装されていることを特徴とする基板装置。 - 請求項6に記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)は、上記プリント配線基板(1)にピン(10)を介してハンダ付けにより実装されていることを特徴とする基板装置。 - 請求項6また7に記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)の導体層(2b)は、上記プリント配線基板(1)に形成されたグランドパターンに上記ハンダ付けにより電気的に接続されていることを特徴とする基板装置。 - 請求項1から8までのいずれか1つに記載の基板装置において、
上記遮蔽板(2)の導体層(2b)は、格子形状に形成されていることを特徴とする基板装置。 - 請求項1から9までのいずれか1つに記載の基板装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009215886A JP2011066226A (ja) | 2009-09-17 | 2009-09-17 | 基板装置およびそれを備えた空気調和機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2009
- 2009-09-17 JP JP2009215886A patent/JP2011066226A/ja active Pending
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