JP2008156757A - 錫めっき鋼板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
錫めっき層の上層に、上記従来技術を用いてCrを含有しない化成皮膜を形成した場合には、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性の性能の全てを満足させることは困難であった。
また、この発明の錫めっき鋼板は、従来の錫めっき鋼板に比べて、錫めっき層の付着量を低減しても、錫めっき層の上層に、優れた加工性を維持できる化成皮膜を有するので、低コスト化が図れるという効果も奏する。
この発明の錫めっき鋼板は、通常のぶりき原板上にSnめっき層を施し、Snを加熱溶融するための一般的な処理(リフロー処理)を施したものであり、Snめっき層は、より厳密にはFe-Sn合金層と金属Sn層からなっている。尚、この発明では、Snめっき層のめっき付着量は片面当たり0.4〜3.5g/m2 とすることが好ましい。前記付着量が0.4g/m2未満だと耐錆性に劣り、また、3.5g/m2超えだと、コスト低減効果が十分に得られなくなるからである。
化成皮膜中のP含有量は、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とすることが必要である。0.5mg/m2未満では、加工性、塗料密着性及び耐黄変性が十分に得られず、また、100mg/m2超えでは化成皮膜に欠陥が生じやすくなり、塗料密着性や加工性が劣化するからである。
尚、P付着量の測定は、蛍光X線による表面分析により行った。
化成皮膜中のSn含有量は、最も安定なリン酸錫皮膜を形成するため、Sn付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とすることが必要である。特にこの適正範囲内では、化成皮膜自体に潤滑性を付与することが可能で、加工性を向上させることができる。尚、前記比が0.01未満では未反応のリン酸が化成皮膜中に残存して、塗料密着性や耐黄変性が劣化するからであり、また、前記比が60を超えると化成皮膜に欠陥が発生しやすくなり、耐錆性や塗料密着性が劣化するからである。尚、Sn付着量は、電量法又は蛍光X線による表面分析により測定できる。
この発明では、上記化成皮膜の上層に、さらに適正付着量のシランカップリング層を形成することを重要な構成とする。
シランカップリング層は、例えば、シランカップリング剤を使用したシラン処理によって形成することができる。
シランカップリング剤の一般化学式は、X−Si−OR2or3(OR:アルコキシ基)である。
通常のぶりき原板にSnめっきを施した後、錫の融点(231.9℃)以上の温度で加熱溶融(リフロー)処理を行う。引き続き、15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中にて1C/dm2の陰極処理を行った後、浸漬、電解、スプレー、又はロールコートなどの公知方法によって化成処理を行う。
・実施例1〜21
板厚0.3mmのT4原板に、片面当り0.4〜2.8g/m2の付着量の錫めっき層を施した後、リフロー処理を行い、引き続き15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中にて1C/dm2の条件で陰極処理を行った後、表1に示す化成処理条件で化成皮膜を形成しさせた後、さらに表1に示す形成条件でシランカップリング層を形成した。このとき形成した化成皮膜及びシランカップリング層の組成については表2に示す。
尚、比較のため、化成皮膜条件及びシランカップリング層の形成条件の少なくとも一方がこの発明の適正範囲外である錫めっき鋼板についても製造した。
実施例1〜21及び比較例1〜9の各錫めっき鋼板は、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性について性能評価した。
加工性は、絞りしごき加工後に外観観察を行い、しわやかじり等の欠陥の発生の有無によって評価した。表2にその評価結果を示す。尚、表2では、しわやかじり等の欠陥が認められない場合を「○」、前記欠陥が認められた場合を「×」として示してある。絞りしごき加工は下記に示す条件で行った。
絞り条件:1段絞り比1.8、2段絞り比1.3
絞りしごき径:3段アイアニング60mmφ
塗料密着性は、以下の試験方法により評価した。
前記各錫めっき鋼板の表面に、付着量50mg/dm2のエポキシフェノール系塗料を塗布した後、210℃で10分間の焼付を行った。次いで、上記塗布・焼付を行った2枚の錫めっき鋼板を、塗装面がナイロン接着フィルムを挟んで向かい合わせになるように積層した後、圧力2.94×105Pa,温度190℃,圧着時間30秒の圧着条件下で貼り合わせ、その後、これをvmm幅の試験片に分割し、この試験片を引張試験機を用いて強度測定を行い、この測定結果から1次塗料密着性を評価した。また、別の試験片は、55℃の1.5質量%NaCl+1.5質量%クエン酸溶液に7日浸漬し、その後、同様に引張試験機を用いて行った強度測定結果から、2次塗料密着性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、試験片幅5mmあたりの測定強度が、68.6〔N〕以上の場合を「◎」、49.0〔N〕以上68.6〔N〕未満の場合を「○」、29.4〔N〕以上49.0〔N〕未満の場合を「△」及び29.4〔N〕未満の場合を「×」として示してある。
上記各錫めっき鋼板を、温度40℃、相対湿度85%の恒湿恒温槽内に60日間放置し、その後、表面の変色を観察し、耐黄変性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、変色が認められない場合を「○」、変色が認められた場合を「×」として示してある。
上記各錫めっき鋼板に対し、温度50℃、相対湿度98%の高湿状態と、温度25℃、相対湿度60%の乾燥状態とを30分ごとに交互に繰り返す環境下に曝し、表面に錆が発生するまでの日数を調べ、これによって耐錆性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、錆の発生が30日間以上認められない場合を「○」、錆の発生が15日間以上30日間未満の間で認められた場合を「△」、錆の発生が15日間未満で認められた場合を「×」として示してある。
また、この発明の錫めっき鋼板は、従来の錫めっき鋼板に比べて、錫めっき層の付着量を低減しても、錫めっき層の上層に、優れた加工性を維持できる化成皮膜を有するので、低コスト化が図れるという効果も奏する。
Claims (1)
- 鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすることを特徴とする錫めっき鋼板。
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WO1998049360A1 (fr) * | 1997-04-25 | 1998-11-05 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Feuille d'alliage d'aluminium revetue de resine, pour des boites etirees et a parois reduites |
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