JP2008156757A - 錫めっき鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】DI缶、食缶、飲料缶などに使用される缶用表面処理鋼板、特に、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性に優れた錫めっき鋼板を提供することにある。
【解決手段】鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

この発明は、DI缶、食缶、飲料缶などに使用される缶用表面処理鋼板に関し、特に、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性に優れた錫めっき鋼板に関するものである。
缶用表面処理鋼板として、従来からぶりきと称される錫めっき鋼板が広く用いられており、かかる錫めっき鋼板は、通常、ぶりき原板に錫めっきを施した後に、重クロム酸溶液中に浸漬もしくはこの溶液中で電解することによって化成処理するのが一般的であり、この化成処理によって錫めっき層の上層に形成されたクロム酸化膜は、Sn酸化物の成長を防止するとともに、錫めっき鋼板表面がSnの酸化皮膜によって黄色に変化する、いわゆる黄変を抑制したり(耐黄変性)、塗料との密着性及び耐錆性を向上させる作用を有する。
しかし、昨今の環境問題から、クロムを規制する動きが各分野で進行しており、缶用表面処理鋼板に対してもクロムフリー化の要請が日増しに強まっている。
缶用表面処理鋼板のクロムフリー化に関する技術としては、例えば、特公昭55−24516号公報に、リン酸系溶液中で錫めっき鋼板を陰極として直流電解することにより、錫めっき鋼板上にCrを含有しない化成皮膜を形成した錫めっき鋼板の表面処理法が開示されており、また、特公平1-32308号公報には、化成皮膜中にPもしくはPとAlを含有させて、Crを含有しない化成皮膜を錫めっき層表面に施したシームレス缶用電気めっきぶりきが開示されている。
しかしながら、塗料密着性、耐黄変性、耐錆性などの性能を総合的に見た場合、上掲公報に記載された化成皮膜はいずれも、従来の重クロム酸溶液によって形成した化成皮膜に比べると上記性能が十分に得られているとはいえない。
また、缶用表面処理鋼板に対する要求としては、上述したクロムフリー化の他に、缶用素材としてのコスト低減が挙げられる。特に錫めっき鋼板においては、錫が高価な金属であることから、錫めっき付着量の低減化が進められている。
しかしながら、錫は非常に潤滑性の高い金属であり、錫めっき付着量を低減させることは加工性を劣化させることにつながるため、錫めっき付着量の低減には自ずと限界がある。
さらに、錫めっき層の上層にクロム酸化膜を形成した従来の錫めっき鋼板の場合には、クロム酸化膜は、耐食性の点では有利であるが硬質であることから、上述のように錫めっきの量を低減させた場合には、製缶工程で「かじり」を生じやすくなり、加工性が劣化することになるため、必ずしも最適な皮膜ではなかった。
この発明の目的は、錫めっき層の上層に形成される化成皮膜中に、その皮膜特性を向上させる作用を有するものの環境上の問題から望ましくないとされるCrを含有させることなく、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性に優れた錫めっき鋼板を低コストで提供することにある。
以下にこの発明をさらに詳細に説明する。
錫めっき層の上層に、上記従来技術を用いてCrを含有しない化成皮膜を形成した場合には、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性の性能の全てを満足させることは困難であった。
このため、発明者らは、錫めっき鋼板における上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、Snめっき層の上層に、PとSnの2種の元素を含有する化成皮膜を形成させた後、さらに上層にシランカップリング剤によるシラン処理を施した場合には、上記性能の全てを満足させることができることを見出した。
より具体的には、錫めっき層の上層に、適正量のPとSnを含有する化成皮膜を形成することによって、潤滑性が向上し、これに伴って加工性が向上すること、また、化成皮膜の上層にさらにシランカップリング層を形成することによって、このシランカップリング層に存在する反応基が配向して缶内面塗料との密着性に大きく寄与すること、すなわち、前記のPとSnの化成皮膜が塗料密着性のためのアンカー効果としての役割を果たすとともに、シランカップリング層が塗料との相溶性及び反応性を向上させるため、これらの相乗効果により優れた塗料密着性を示すことがわかった。加えて、化成皮膜とシランカップリング層の双方によるバリヤ効果により、耐黄変性と耐錆性が向上することも見出した。
この発明の錫めっき鋼板は、鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とする。
この発明は、錫めっき層の上層に形成される化成皮膜及びシランカップリング層中に、その皮膜特性を向上させる作用を有するものの環境上の問題から望ましくないとされるCrを含有させることなく、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性に優れた錫めっき鋼板を提供することができるという顕著な効果を奏する。
また、この発明の錫めっき鋼板は、従来の錫めっき鋼板に比べて、錫めっき層の付着量を低減しても、錫めっき層の上層に、優れた加工性を維持できる化成皮膜を有するので、低コスト化が図れるという効果も奏する。
以下にこの発明の構成を詳細に説明する。
この発明の錫めっき鋼板は、通常のぶりき原板上にSnめっき層を施し、Snを加熱溶融するための一般的な処理(リフロー処理)を施したものであり、Snめっき層は、より厳密にはFe-Sn合金層と金属Sn層からなっている。尚、この発明では、Snめっき層のめっき付着量は片面当たり0.4〜3.5g/m2 とすることが好ましい。前記付着量が0.4g/m2未満だと耐錆性に劣り、また、3.5g/m2超えだと、コスト低減効果が十分に得られなくなるからである。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすることにある。
(1)化成皮膜中のP含有量をその付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とすること
化成皮膜中のP含有量は、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とすることが必要である。0.5mg/m2未満では、加工性、塗料密着性及び耐黄変性が十分に得られず、また、100mg/m2超えでは化成皮膜に欠陥が生じやすくなり、塗料密着性や加工性が劣化するからである。
尚、P付着量の測定は、蛍光X線による表面分析により行った。
また、Pを含有させた化成皮膜の形成方法としては、例えば、リン酸系化成処理によって行うことが好ましく、この場合、化成処理液中のPの供給源としては、リン酸の他、リン酸ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム等の金属塩、或いは、1水素リン酸塩などを使用することがより好適である。
(2)化成皮膜中のSn含有量はその付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とすること
化成皮膜中のSn含有量は、最も安定なリン酸錫皮膜を形成するため、Sn付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とすることが必要である。特にこの適正範囲内では、化成皮膜自体に潤滑性を付与することが可能で、加工性を向上させることができる。尚、前記比が0.01未満では未反応のリン酸が化成皮膜中に残存して、塗料密着性や耐黄変性が劣化するからであり、また、前記比が60を超えると化成皮膜に欠陥が発生しやすくなり、耐錆性や塗料密着性が劣化するからである。尚、Sn付着量は、電量法又は蛍光X線による表面分析により測定できる。
また、Snを含有させた化成皮膜の形成方法としては、例えば、上記リン酸系化成処理液中にSnイオンを有する塩化第一錫、塩化第ニ錫、硫酸第一錫などを添加することが好ましく、これによって、錫めっき層の上層に不溶性で最も安定なリン酸錫を形成させることができる。
(3)前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすること
この発明では、上記化成皮膜の上層に、さらに適正付着量のシランカップリング層を形成することを重要な構成とする。
シランカップリング層は、例えば、シランカップリング剤を使用したシラン処理によって形成することができる。
シランカップリング剤の一般化学式は、X−Si−OR2or3(OR:アルコキシ基)である。
シランカップリング剤は、アルコキシシリル基(Si−OR)が水により加水分解されてシラノール基を生成し、鋼板表面の−OHとの脱水縮合反応により密着する。また、鋼板の上層には、一般化学式のXにあたる反応基が配向し塗料などの樹脂と相溶もしくは結合する。
尚、シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヒキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなどが使用できるが、特にシランカップリング剤の一般化学式におけるX−Si−OR2or3のXにエポキシ基が存在するβ−(3,4−エポキシシクロヒキシル)エチルトリメトキシシランやγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノ基の存在する、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが好適である。これは、缶の内面に使用されるエポキシ系塗料との相溶性と反応性に優れるためである。
上記密着性向上の点でさらに説明を追加すると、Snめっき層上に直接シランカップリング層を形成するよりも、P及びSnを含有する化成皮膜を形成してからシランカップリング層をSnめっき層上に形成する方が、塗料密着性の向上効果が大きくなる。つまり、P及びSnを含有する化成皮膜によるアンカー効果と、シランカップリング層による塗膜との優れた相溶性及び反応性との相乗効果によって塗料密着性が向上するものと考えられる。
この発明では、シランカップリング層の付着量は、密着性向上効果が顕著に現われる範囲として、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とする。0.1mg/m2未満だと、シランカップリング層の被覆率が小さく密着性向上効果が十分に得られないからであり、また、250mg/m2超えでは、未反応のシランカップリング剤が自己縮合するため、密着性向上効果が低減するからである。
シランカップリング剤処理は、シランカップリング剤を水に希釈した溶液を塗布することによって行うことが可能であるが、はじきが発生する場合には、アルコールで希釈した溶液を使用することができる。例えば、エタノールを50mass%以上、シランカップリング剤を0.5〜20mass%、残りを水とした溶液にて、鋼板に均一に塗布することができる。
シランカップリング剤処理の温度は、50〜130℃の範囲が好ましく、50℃未満では鋼板表面の−OHとシランカップリング剤のアルコキシ基との脱水縮合反応が起きないため、健全なシランカップリング層が形成されないおそれがあるからであり、また、130℃よりも高温にすると、密着性に関して問題は発生しないが、Snめっきの変色が発生しやすくなるからである。
以上のことから、この発明では、鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを上記適正範囲で含有する化成皮膜と、適正付着量のシランカップリング層とを順次形成することによって、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性の全ての性能を満足させることに成功したのである。
次にこの発明に従う具体的な製造方法の一例を説明する。
通常のぶりき原板にSnめっきを施した後、錫の融点(231.9℃)以上の温度で加熱溶融(リフロー)処理を行う。引き続き、15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中にて1C/dm2の陰極処理を行った後、浸漬、電解、スプレー、又はロールコートなどの公知方法によって化成処理を行う。
化成処理液としては、リン酸イオン換算で1〜80g/lのリン酸、リン酸ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム等の金属塩、及び/又は、1水素リン酸塩などと、錫イオン換算で0.001〜10g/lの塩化第一錫、塩化第二錫、及び/又は、硫酸第一錫などとを、水に溶解した液を使用する。このとき、促進剤として塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を適宜添加しても良い。
化成処理の条件は、温度を40〜60℃、処理(浸漬)時間を1〜5秒とすることが好ましい。化成処理後の錫めっき鋼板は、35〜120℃の温風で乾燥する。
シランカップリング層を形成するためのシランカップリング剤処理は、例えば、エタノールを50mass%以上、シランカップリング剤を0.5〜20mass%、残りを水とした溶液にて、鋼板に均一に塗布することができる。乾燥は、鋼板表面温度が50〜130℃に到達するように行う。
尚、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
次に、この発明の実施例について以下で詳細に説明する。
・実施例1〜21
板厚0.3mmのT4原板に、片面当り0.4〜2.8g/m2の付着量の錫めっき層を施した後、リフロー処理を行い、引き続き15g/lの炭酸ナトリウム水溶液中にて1C/dm2の条件で陰極処理を行った後、表1に示す化成処理条件で化成皮膜を形成しさせた後、さらに表1に示す形成条件でシランカップリング層を形成した。このとき形成した化成皮膜及びシランカップリング層の組成については表2に示す。
・比較例1〜9
尚、比較のため、化成皮膜条件及びシランカップリング層の形成条件の少なくとも一方がこの発明の適正範囲外である錫めっき鋼板についても製造した。
Figure 2008156757
Figure 2008156757
(性能評価)
実施例1〜21及び比較例1〜9の各錫めっき鋼板は、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性について性能評価した。
(1)加工性
加工性は、絞りしごき加工後に外観観察を行い、しわやかじり等の欠陥の発生の有無によって評価した。表2にその評価結果を示す。尚、表2では、しわやかじり等の欠陥が認められない場合を「○」、前記欠陥が認められた場合を「×」として示してある。絞りしごき加工は下記に示す条件で行った。
ブランク径:170mmφ
絞り条件:1段絞り比1.8、2段絞り比1.3
絞りしごき径:3段アイアニング60mmφ
(2)塗料密着性
塗料密着性は、以下の試験方法により評価した。
前記各錫めっき鋼板の表面に、付着量50mg/dm2のエポキシフェノール系塗料を塗布した後、210℃で10分間の焼付を行った。次いで、上記塗布・焼付を行った2枚の錫めっき鋼板を、塗装面がナイロン接着フィルムを挟んで向かい合わせになるように積層した後、圧力2.94×105Pa,温度190℃,圧着時間30秒の圧着条件下で貼り合わせ、その後、これをvmm幅の試験片に分割し、この試験片を引張試験機を用いて強度測定を行い、この測定結果から1次塗料密着性を評価した。また、別の試験片は、55℃の1.5質量%NaCl+1.5質量%クエン酸溶液に7日浸漬し、その後、同様に引張試験機を用いて行った強度測定結果から、2次塗料密着性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、試験片幅5mmあたりの測定強度が、68.6〔N〕以上の場合を「◎」、49.0〔N〕以上68.6〔N〕未満の場合を「○」、29.4〔N〕以上49.0〔N〕未満の場合を「△」及び29.4〔N〕未満の場合を「×」として示してある。
(3)耐黄変性
上記各錫めっき鋼板を、温度40℃、相対湿度85%の恒湿恒温槽内に60日間放置し、その後、表面の変色を観察し、耐黄変性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、変色が認められない場合を「○」、変色が認められた場合を「×」として示してある。
(4)耐錆性
上記各錫めっき鋼板に対し、温度50℃、相対湿度98%の高湿状態と、温度25℃、相対湿度60%の乾燥状態とを30分ごとに交互に繰り返す環境下に曝し、表面に錆が発生するまでの日数を調べ、これによって耐錆性を評価した。その評価結果を表2に示す。尚、表2では、錆の発生が30日間以上認められない場合を「○」、錆の発生が15日間以上30日間未満の間で認められた場合を「△」、錆の発生が15日間未満で認められた場合を「×」として示してある。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜21はいずれも、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性の性能の全てについて優れていた。一方、化成皮膜条件及びシランカップリング層の形成条件の少なくとも一方がこの発明の適正範囲外である比較例1〜9は、加工性、塗料密着性、耐黄変性及耐錆性のいずれかの性能が悪く、実用レベルにないことがわかる。
この発明は、錫めっき層の上層に形成される化成皮膜及びシランカップリング層中に、その皮膜特性を向上させる作用を有するものの環境上の問題から望ましくないとされるCrを含有させることなく、加工性、塗料密着性、耐黄変性及び耐錆性に優れた錫めっき鋼板を提供することができるという顕著な効果を奏する。
また、この発明の錫めっき鋼板は、従来の錫めっき鋼板に比べて、錫めっき層の付着量を低減しても、錫めっき層の上層に、優れた加工性を維持できる化成皮膜を有するので、低コスト化が図れるという効果も奏する。

Claims (1)

  1. 鋼板表面に形成した錫めっき層の上層に、P及びSnを含有する化成皮膜を有し、該化成皮膜中の、P含有量を、その付着量にして0.5〜100mg/m2の範囲とし、Sn含有量を、その付着量のP付着量に対する比にして0.01〜60の範囲とし、さらに、前記化成皮膜の上層に、シランカップリング層を有し、該シランカップリング層の付着量を、Si付着量にして0.1〜250mg/m2の範囲とすることを特徴とする錫めっき鋼板。
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