JP2008156517A - ポリエステル系ウレタン樹脂。 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、屋外で使用する物品にポリエステル系ウレタン樹脂塗料を塗装した塗膜は、熱、水、光等によりエッチングされたり、塗膜にシミが発生するという問題がある。
これらの問題点に対して、特定のエーテル構造を有するウレタン樹脂(特許文献1参照)、特定の反応性基を有するウレタン樹脂からなる粉体塗料用樹脂組成物(特許文献2参照)等が提案されているが、未だ耐加水分解性が充分でない場合がある。
ポリカルボジイミドの反応に用いられる溶媒、及びポリカルボジイミド溶液に用いられる有機溶媒は、好ましいものとしては、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これら溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)と(F)の混合ジイソシアネート中における(A)の含有モル%は、好ましくは0.1〜100モル%、より好ましくは1〜50モル%である。
鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール、プロピレンジアミンなどのジアミンなどが単独もしくは2種以上混合して用いられる。さらに、必要により、メタノール、エタノールなどの一価の低分子アルコール、メチルアミン、エチルアミンなどの一価の低分子アミンなどを変性剤として添加することもできる。
ポリウレタンの数平均分子量は、好ましくは10,000〜200,000であり、さらに好ましくは15,000〜100,000である。
添加剤(D)としては、上記各用途に応じて任意に含有させることができる。
例えば、顔料、充填剤、硬化剤、硬化触媒、塗面調製剤、界面活性剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤等が挙げられる。
該製造方法としては特に限定されないが、たとえば以下の方法が例示できる。
(1)ブロック状またはペレット状の(C)を冷凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、(C)の粉体を得る方法。
(2)(C)を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなど)中で(C)の非水分散体を形成させ、該非水分散体から(C)を分離乾燥し、(C)の粉体を得る方法(例えば特開平04−255755号公報明細書に記載の方法)。
(3)分散剤を含有した水中で(C)の水分散体を形成させ、該水分散体から(C)を分離乾燥し、(C)の粉体を得る方法(例えば特開平07−133423号および特開平08−120041号各公報明細書に記載の方法)。
これらのうちでは、多量の有機溶剤を使用せずしかも所望の粒度の粉体が容易に得られる点で(3)の方法が好ましい。
ポリエステル系ウレタン樹脂粒子(E)には、粉体の流動性改質剤、ブロッキング防止剤等を添加することもできる。
ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)の合成
3リットルのセパラブルフラスコに冷却管、温度計、攪拌装置をセットし、ヘキサメチレンジイソシアネート300部、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレンオキシド3部を仕込み、1時間かけて120℃に昇温し、その後温度は変えず、1.5時間反応を行うことで、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を合成した。イソシアネート基含量は27%であった。
プレポリマー溶液の製造
温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に、数平均分子量(以下Mnと記す。)が1000のポリブチレンアジペート(497.9部)、Mnが900のポリヘキサメチレンイソフタレート(124.5部)、ペンタエリスリトール テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート][チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; イルガノックス1010](1.12部)、体積平均粒径9.2μmのカオリン(90.7部)を仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら110℃に加熱して溶融させ、60℃まで冷却した。続いて、1−オクタノール(9.7部)、ヘキサメチレンジイソシアネート(92.1部)、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)(57.3部)、テトラヒドロフラン(250部)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖及び側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール[チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製; チヌビン571]( 2.22部)、85℃で6時間反応させプレポリマー溶液を得た。このプレポリマーのNCO含量は、0.83%であった。
ジアミンのMEKケチミン化物の製造
ヘキサメチレンジアミンと過剰のMEK(ジアミンに対して4倍モル量)を80℃で24時間還流させながら生成水を系外に除去した。その後減圧にて未反応のMEKを除去してMEKケチミン化物を得た。
ポリウレタン樹脂粒子の製造
反応容器に、製造例2で得たプレポリマー溶液(100部)と製造例3で得たMEKケチミン化合物(2.3部)を投入し、そこにジイソブチレンとマレイン酸との共重合体のNa塩を含む分散剤(三洋化成工業(株)製サンスパールPS−8)(1.3重量部)を溶解した水溶液340重量部を加え、ヤマト科学(株)製ウルトラディスパーサーを用いて9000rpmの回転数で1分間混合した。この混合物を温度計、撹拌機及び窒素吹込み管を備えた反応容器に移し、窒素置換した後、撹拌しながら50℃で10時間反応させた。反応終了後、濾別及び乾燥を行い、ポリウレタン樹脂粒子(E−1)を製造した。体積平均粒径(レーザー回折散乱法)を日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置HRAで測定すると(E−1)の体積平均粒径は55μmであった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で数平均分子量を測定した。(E−1)のMnは2.5万であった。ポリウレタン樹脂の重量に対するヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)重量は6.5重量%であった。結果を表1に記載した。以下の実施例においても同様である。
実施例1で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートを122部、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を51部に変えた以外は実施例1と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、1.75%であった。さらに実施例1のMEKケチミン化合物の添加量を4.9部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−2)を製造した。(E−2)のMnは2.5万、体積平均粒径は59μmであった。
実施例1で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートを149部、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を57部に変えた以外は実施例1と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、2.84%であった。さらに実施例1のMEKケチミン化合物の添加量を7.9部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−3)を製造した。(E−3)のMnは2.5万、体積平均粒径は64μmであった。
製造例2でヘキサメチレンジイソシアネート(92.1部)の代わりに、イソフォロンジイソシアネート(135部)を使用した以外は、製造例2と同様にプレポリマー溶液を得た。このプレポリマーのNCO含量は、0.72%であった。さらに実施例1のMEKケチミン化合物の添加量を2.0部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−4)を製造した。(E−4)のMnは2.5万、体積平均粒径は48μmであった。
実施例1で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を添加せずに、ヘキサメチレンジイソシアネートを153.4部とした以外は実施例1と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、1.75%であった。さらに実施例1のMEKケチミン化合物の添加量を4.9部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−5’)を製造した。(E−5’)のMnは2.5万、体積平均粒径は55μmであった。
実施例4で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を添加せずに、イソフォロンジイソシアネートを225部とした以外は実施例4と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、0.64%であった。さらに実施例1のMEKケチミン化合物の添加量を1.8部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−6’)を製造した。(E−6’)のMnは2.6万、体積平均粒径は60μmであった
実施例1で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を添加せずに、日清紡績(株)社製のポリカルボジイミド;Carbodilite V−03(化学名:4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのポリカルボジイミド)を57部添加した以外は実施例1と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、0.80%であった。さらに製造例4のMEKケチミン化合物の添加量を2.3部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−7’)を製造した。(E−7’)のMnは2.7万、体積平均粒径は54μmであった。
実施例1で製造例2の、ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を添加せずに、バイエル社製ポリカルボジイミド;スタバクゾールPを57部添加した以外は実施例1と同様にして、プレポリマーを合成した。このプレポリマーのNCO含量は、0.80%であった。さらに製造例4のMEKケチミン化合物の添加量を2.3部に変えた以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂粉末(E−8’)を製造した。(E−8’)のMnは2.7万、体積平均粒径は55μmであった。
これを離型剤としてスミモールドFF(住鉱潤滑剤製)を塗布したリン酸亜鉛処理鋼板標準板(日本テストパネル社製)に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、180℃で20分間焼き付け、それぞれの塗膜を得た。これらの塗膜を標準板から剥離し得られた塗膜について、下記項目の試験を行い、その評価結果を表1に示した。
ポリウレタン樹脂溶液の製造
反応容器に、製造例2で得たプレポリマー溶液(100部)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(1.1部)を投入し混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
実施例2のプレポリマー溶液(100部)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(2.3部)を投入し混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
実施例3のプレポリマー溶液(100部)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(3.8部)を投入し混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
実施例4のプレポリマー溶液(100部)を、N,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(1.0部)を投入し混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
比較例1で得たプレポリマー溶液(100部)をN,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(2.3部)を投入し、混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
比較例2で得たプレポリマー溶液(100部)をN,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(0.8部)を投入し、混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
比較例3で得たプレポリマー溶液(100部)をN,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(1.1部)を投入し、混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
比較例4で得たプレポリマー溶液(100部)をN,N−ジメチルホルムアミド(100部)に溶解し、ヘキサメチレンジアミン(1.1部)を投入し、混合することで、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
成形表皮を、恒温恒湿機中に、温度80℃湿度95%RHで400時間処理した。試験後、表皮の引裂強度を測定して、初期強度と比較した。
湿熱老化試験後の引裂強度保持率を以下の式(1)で算出した。
表皮サンプルからJIS K 6301(1995年)の引裂試験片ダンベルB号形を3枚打ち抜く。板厚は曲がっている場所の近傍5カ所の最小値をとる。これをオートグラフに取り付け、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最大強度を算出する。
Claims (6)
- ヘキサメチレンジイソシアネートカルボジイミド化2量体(A)を、ポリエステル系ウレタン樹脂(B)の重量に対して0.5〜20重量%含有してなる請求項2に記載のポリエステル系ウレタン樹脂(B)。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル系ウレタン樹脂(B)を含有するポリエステル系ウレタン樹脂組成物(C)。
- 請求項4に記載のポリエステル系ウレタン樹脂組成物(C)からなるポリエステル系ウレタン樹脂粒子(E)。
- 請求項5に記載のポリエステル系ウレタン樹脂粒子(E)を含有する粉体塗料用樹脂組成物。
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