JP2008156405A - 局所膨潤高分子ゲル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)(メタ)アクリルアミド系化合物の重合体と、(B)水膨潤性粘土鉱物とが複合化して形成された三次元網目を有する高分子ゲルであって、ゲル膨潤度(R)が、局所的に異なることを特徴とする局所膨潤高分子ゲル。アクリルアミド系化合物の重合体と水膨潤性粘土鉱物からなる三次元網目を有する高分子ゲルに局所膨潤を生じる加工や変性をしたものは、力学的にタフネスであり、機能性に優れた局所膨潤高分子ゲルとして用いられる。
【選択図】図1
Description
粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na+ 0.66の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG)を100℃で2時間真空乾燥して用いた。有機モノマーとして、実施例1ではN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)を、実施例2ではN−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)を用いた。
膨潤度=(W2−W1)/W1
W1;ゲルの乾燥質量
W2;媒体(C)中に一定時間浸漬した後のゲルの膨潤後の質量
実施例2で得られた局所膨潤高分子ゲルの膨潤部位をはめ込んだ分岐を、水の流路内に設置した。膨潤部位が力学的に強いため、締め付けを含め、装置内への取り付け時に破壊することはなかった。次いで、20℃と50℃の水を時間毎に変えて流路内に流した。20℃の水が流れている間は、膨潤部位が設置された分岐点は閉じたままであったが、50℃の水が流れると、ゲルの相転移により膨潤部位が収縮し、分岐路に水が流れた。再び、20℃の水に変えると、膨潤部位がゆっくりと分岐点を閉塞して、分岐路への流れを遮断した。
温度の異なる水を流す代わりに、塩濃度の異なる(NaClの0.1モル/Lと2モル/L)水(20℃一定)を流すこと以外は、実施例4と同様にして分岐流路への水の流れ制御実験を行った。NaCl0.1モル/Lの時は分岐路は閉じ、2モル/Lの時は膨潤部位が収縮して分岐路への流れが生じるのが、繰り返し観測された。
実施例1と同様にして高分子ゲルを合成した後、ゲルの一部に電子線を照射(50kGy)した。その後、実施例1と同様にして、ゲルを乾燥させた後、膨潤(4時間)を行った。その結果、電子線照射を行った所は、膨潤度が低く(0.9)、それ以外の所は、膨潤度が25であり、局所的に膨潤度が異なった局所膨潤高分子ゲルが得られた。これらのサンプルの力学特性を評価した結果、いずれも膨潤部位を180度以上(試験では360度)に屈曲しても破壊しなかった。また、膨潤部位を100%以上(試験では500%)延伸しても破壊せず、ゴム的に伸縮するのが観測された。また、膨潤部位を50%以上(試験では80%)圧縮しても破壊しなかった。動的粘弾性測定による膨潤部位の弾性率/非膨潤部位の弾性率は2×102であった。
内容積が100×100×0.5mmの容器を用いる以外は実施例2と同様にして、力学的にタフネスのある高分子ゲルのフィルムを作成した。得られた高分子ゲルを25℃で乾燥して得た乾燥高分子ゲルフィルムの上下面に、直径10mmの円面積を9カ所残して、実施例2と同様にしてアクリル樹脂のコートを行った。その後、水に浸漬して4時間の膨潤を行わせた。円の箇所のみが大きく膨潤し(膨潤度16)、それ以外の所は、膨潤度が0.1であった。得られた局所膨潤高分子ゲルの上部にCaCl2水溶液(0.5モル/L)、下部に純水を配置して、CaCl2の透過を観測した所、円面積の所から選択的にCaCl2の透過が観測され、また、下部の水の温度を50℃に変化させることによって、CaCl2の透過が止まることが確認された。
実施例1において、クレイ量の異なる二種の反応溶液(a、b)を調製した。(a)は、実施例1と同じで、他の一つ(b)は、クレイの添加量が6.86gの溶液である。厚み2mmのフィルム充填容器(内容積=100×100×2mm)に10mm幅毎に(a)と(b)の溶液を交互に充填した後、重合を行って、ゲルフィルムを作成した。乾燥後、再膨潤(4時間)させた所、(a)の部位の膨潤度が23、(b)の部位の膨潤度が3であり、局所的に膨潤度が異なった局所膨潤高分子ゲルが得られた。これらのサンプルの力学特性を評価した結果、膨潤度の大きい部位、小さい部位のいずれも、180度以上(試験では360度)の屈曲、100%以上(試験では500%)の延伸、50%以上(試験では80%)での圧縮によって破壊しなかった。
実施例1と同様にして作成した局所膨潤高分子ゲル(水媒体)を、グリセリンと水の1:1混合液中に、次いでグリセリン中に、各12時間浸漬し、その後、70℃で乾燥することで、グリセリンを媒体とした局所膨潤高分子ゲルが得られた。実施例1と同様にして表面コーティングによる形状固定を行った所は、膨潤度が0(実施例1)、それ以外の所は、膨潤度が9.3である局所的に膨潤度が異なった局所膨潤高分子ゲルが得られた。力学特性を評価した結果、いずれも膨潤部位を180度以上(試験では360度)での屈曲、100%以上(試験では300%)の延伸、50%以上(試験では80%)での圧縮において破壊しなかった
粘土鉱物の代わりに、有機架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)をDMAA及びNIPAの1モル%(比較例1及び2)添加して用いることを除くと実施例1及び2と同様にして重合を行い、化学架橋による高分子ゲル(水媒体)を得た。得られた高分子ゲルはいずれもタフネスのない脆いものであった。次いで、実施例1、2と同様にして、実施例1と同様にして乾燥ゲルの一部をコーティングした後、水浸漬(200時間)により膨潤を行わせた。以下の膨潤度を得るのに極めて長い時間を必要とした。得られた高分子ゲルは、表面コーティングによる形状固定を行った所は、膨潤度が0.3(比較例1)および0.03(比較例2)、それ以外の所は、膨潤度が10(比較例1)および6.9(比較例2)である、局所的に膨潤度が異なった局所膨潤高分子ゲルであった。これらのサンプルの力学特性を評価した結果、比較例1及び2のいずれの場合も、膨潤部位を180度曲げるまえに破壊し、また、100%延伸しようとしたがその前に破壊した。さらに、膨潤部位を50%以上圧縮しようとしたが50%に至る前に破壊した。従って、力学的な機能部材として用いることは出来なかった。
Claims (7)
- (A)(メタ)アクリルアミド系化合物の重合体と、(B)水膨潤性粘土鉱物とが複合化して形成された三次元網目を有する高分子ゲルであって、
ゲル膨潤度(R)が、局所的に異なることを特徴とする局所膨潤高分子ゲル。 - 前記ゲル膨潤度(R)が局所的に最大となる部分のゲル膨潤度(Rmax)が0.5〜1000であり、局所的に最小となる部分のゲル膨潤度(Rmin)が0〜100であり、(Rmin)/(Rmax)が0〜0.9である請求項1記載の局所膨潤高分子ゲル。
- 前記ゲル膨潤度(R)が局所的に最大となる部分が、
180度に屈曲しても破壊されない耐屈曲性、100%に延伸しても破壊されない耐延伸性、50%に圧縮しても破壊されない耐圧縮性を有する請求項2記載の局所膨潤高分子ゲル。 - 前記ゲル膨潤度(R)が最大となる部分の弾性率(Emax)と、前記ゲル膨潤度(R)が局所的に最小となる部分の弾性率(Emin)の比((Emax)/(Emin))が101〜107である請求項2又は3に記載の局所膨潤高分子ゲル。
- 前記ゲル膨潤度(R)が局所的に最大となる部分における、前記(A)(メタ)アクリルアミド系化合物の重合体と、前記(B)水膨潤性粘土鉱物の質量比((B)/(A))が、前記ゲル膨潤度(R)が局所的に最小となる部分における質量比((B)/(A))よりも大きい請求項2〜4のいずれかに記載の局所膨潤高分子ゲル。
- 前記三次元網目の少なくとも一部が、前記(A)(メタ)アクリルアミド系化合物の重合体を化学架橋することにより形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の局所膨潤高分子ゲル。
- 前記ゲル膨潤度(R)が局所的に小なる部分のゲル表面が、形状固定処理されている請求項1〜6のいずれかに記載の局所膨潤高分子ゲル。
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