JP2008153573A - 電子部品の封止方法および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品と樹脂の間の界面、および、樹脂間の界面における密着性を向上させることにより、電子部品の腐食や劣化を防ぐことができる封止方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る封止方法は、電子部品10を硬化性樹脂4で被覆し、硬化性樹脂4の表面を、所定の熱可塑性樹脂を主成分とする粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する。その後に、硬化性樹脂4を硬化する。その後、第1の熱可塑性樹脂組成物5の表面を、所定の熱可塑性樹脂を有する第2の熱可塑性樹脂組成物6で封止する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る封止方法は、電子部品10を硬化性樹脂4で被覆し、硬化性樹脂4の表面を、所定の熱可塑性樹脂を主成分とする粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する。その後に、硬化性樹脂4を硬化する。その後、第1の熱可塑性樹脂組成物5の表面を、所定の熱可塑性樹脂を有する第2の熱可塑性樹脂組成物6で封止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂組成物による電子部品の封止方法と電子部品に関するものである。
一般に、集積回路(IC)などのチップ化された半導体チップの封止では、まず、半導体チップをリードフレームに搭載する。次いでリードフレームと半導体チップとをアルミニウム線あるいは金線などでワイヤーボンディングして電子部品を作成し、それからその電子部品を封止用樹脂で封止する。
上記のような電子部品の封止用樹脂としては、エポキシ樹脂が多用されてきた。ところが、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であるため、硬化時間が長く必要であり、生産性に劣るという問題点があった。このため、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、半芳香族ポリアミドなどの熱可塑性樹脂を射出成形することによって上記のような電子部品を封止する研究が進められている。
ところが、熱可塑性樹脂で電子部品を封止した場合、熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に比べて電子部品に対する密着性が極めて低いため、電子部品と封止用樹脂との界面に隙間が生じる。その結果、それにより絶縁不良が発生したり、前記界面から侵入した水分によって腐食が起こり、電子部品の性能が低下するという問題点があった。また、熱可塑性樹脂の射出成形によって電子部品を封止した場合、熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂に比べ、粘度が高い。そのため、射出成形時の樹脂の圧力によって、アルミニウム線などのワイヤーに切断あるいは変形が生じやすく、また、リードフレームや半導体チップが破損するという問題点もあった。これらの問題を解決するため、射出成形によって熱可塑性樹脂で電子部品を封止する場合には、樹脂と電子部品との密着性を向上させるとともに、電子部品の変形、破損を防ぐための保護を行う必要がある。
特許文献1には、まず、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる変性剤でグラフトした変性ポリ4−メチル−1−ペンテンを含有する表面処理剤を、電子部品の被封止部分に予め被着させる。その後、封止用樹脂としてポリ4−メチル−1−ペンテン、または、変性ポリ4−メチル−1−ペンテンを用いて封止する方法が提案されている。
特許文献2には、半導体チップの保護を行うため、フッ素樹脂粉末、または、フッ素樹脂により表面被覆された有機若しくは無機微粉末を配合した硬化性シリコーン樹脂で半導体チップ上を被覆する方法が提案されている。
特許文献1の発明のように、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる変性剤によりグラフトした変性ポリ4−メチル−1−ペンテンを含有する表面処理剤を、電子部品の被封止部分に被覆させると、グラフトの無い場合に比べ、電子部品への密着性は向上する。しかしながら、熱硬化性樹脂に比べると電子部品への密着性が充分でないという問題点があった。また、その封止用樹脂として用いるポリ4−メチル−1−ペンテンまたは、変性ポリ4−メチル−1−ペンテンの長期耐熱性が不充分であるという問題点があった。
また、特許文献2に記載の発明では、フッ素樹脂粉末、または、フッ素樹脂により表面被覆された有機若しくは無機粉末を配合した硬化性シリコーン樹脂は、半導体チップの表面への密着性には優れる。しかしながら、封止用樹脂として熱硬化性樹脂を想定しており、硬化時間が必要である。また、封止用樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合には、一般的な被覆方法では、硬化した硬化性シリコーン樹脂と熱可塑性樹脂との密着性が充分でなく、樹脂間の界面において剥離が発生するという問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、電子部品と樹脂の間の界面、および、樹脂間の界面における密着性を向上させて、電子部品の腐食や性能劣化を防ぐことを目的とする。
本発明の請求項1に係る電子部品の封止方法は、(a)電子部品を硬化性樹脂で被覆する工程と、(b)前記硬化性樹脂の表面を、所定の熱可塑性樹脂を主成分とする粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物で被覆する工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記硬化性樹脂を硬化する工程と、(d)前記工程(c)の後に、前記第1の熱可塑性樹脂組成物の表面を、前記所定の熱可塑性樹脂を有する第2の熱可塑性樹脂組成物で封止する工程とを備える。
本発明の封止方法によれば、電子部品と樹脂の間の界面、および、樹脂間の界面における密着性を向上させることにより、電子部品の腐食や性能劣化を防ぐことができる。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る電子部品を示した図である。本実施の形態に係る電子部品は、半導体チップ1と、リードフレーム2と、ワイヤー3と、硬化性樹脂4と、第1の熱可塑性樹脂組成物5と、第2の熱可塑性樹脂組成物6とを備える。
図1は、本実施の形態に係る電子部品を示した図である。本実施の形態に係る電子部品は、半導体チップ1と、リードフレーム2と、ワイヤー3と、硬化性樹脂4と、第1の熱可塑性樹脂組成物5と、第2の熱可塑性樹脂組成物6とを備える。
電子部品の製造方法について図2〜図4を用いて説明する。図2に示すように、半導体チップ1はリードフレーム2上に搭載される。ワイヤー3は、一端において半導体チップ1と接続され、他端においてリードフレーム2の端部と接続される。ワイヤー3は、例えば、アルミニウム線、あるいは、金線を用いる。以上のように、本実施の形態では、電子部品10は、半導体チップ1と、リードフレーム2と、ワイヤー3から構成される。
図3のように、電子部品10を硬化性樹脂4で被覆する。次いで、図4に示すように、未硬化の硬化性樹脂4の表面を、所定の熱可塑性樹脂を主成分とする粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する。次いで、未硬化の硬化性樹脂4を硬化させて、硬化性樹脂4により、電子部品10と第1の熱可塑性樹脂組成物5とを接着する。最後に、図1に示すように、第1の熱可塑性樹脂組成物5の表面を、上記所定の熱可塑性樹脂を有する第2の熱可塑性樹脂組成物6で封止する。この封止は、例えば、射出成形することによって行う。
以上の工程によって、図1のように、電子部品10、つまり、半導体チップ1、リードフレーム2の端部、および、ワイヤー3を第2の熱可塑性樹脂組成物6で封止する。このような本実施の形態に係る電子部品の封止方法によれば、第2の熱可塑性樹脂組成物6の射出成形の前に、電子部品10と密着性の高い硬化性樹脂4によって電子部品10を被覆している。そのため、第2の熱可塑性樹脂組成物6の射出成形時の圧力によってアルミニウム線などのワイヤー3が切断されたり、変形したりすることを防ぎ、リードフレーム2および半導体チップ1が破損することを防ぐことができる。また、硬化性樹脂4の硬化反応により、第1の熱可塑性樹脂組成物5を保持させているため、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5の界面に剥離が生じることがない。また、第1の熱可塑性樹脂組成物5は、第2の熱可塑性樹脂組成物6に含まれる熱可塑性樹脂を主成分としているため、第2の熱可塑性樹脂組成物6と融着可能であり、射出成形時の第2の熱可塑性樹脂組成物6の熱で融着可能である。そのため、第1の熱可塑性樹脂組成物5と第2の熱可塑性樹脂組成物6との界面に剥離が生じることがない。
次に、硬化性樹脂4、および、第1の熱可塑性樹脂組成物5、および、第2の熱可塑性樹脂組成物6について説明する。硬化性樹脂4としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂が挙げられる。本実施の形態では、硬化性樹脂4であるエポキシ樹脂の硬化温度は、50℃〜200℃の範囲内であるものを用いる。エポキシ樹脂の硬化温度が50℃より低いと、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する前に硬化反応が進行して、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5との間の密着性が不充分となるので好ましくない。エポキシ樹脂の硬化温度が200℃より高いと、硬化性樹脂4の硬化時間が10分以上と長くなるため、その間に電子部品10が熱によりダメージを受け、性能が低下するので好ましくない。
硬化性樹脂4の塗布方法としては、ディッピング、スプレー塗布などが挙げられる。硬化性樹脂4の塗布量(厚み)としては、最終形状以上に塗布しなければ、特に制限はない。本実施の形態では、硬化性樹脂4の厚さは、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径の1/3から2/3の範囲内となるように塗布される。硬化性樹脂4の厚みが第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径の1/3より薄いと、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5との密着面積を確保できず、充分な密着性を得ることができないので好ましくない。また、硬化性樹脂4の厚みが第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径の2/3より厚いと、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5が硬化性樹脂4に埋もれ、第1の熱可塑性樹脂組成物5と第2の熱可塑性樹脂組成物6との間の融着面積を確保できなくなる。また、硬化性樹脂4の量が多いため、その硬化時間が長時間化し、生産性が低下する。これを防ぐために、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5を複数層被覆する方法があるが、複数層被覆するために長時間化するため、その方法であっても生産性が低下する。以上のことから、硬化性樹脂4の厚みが第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径の2/3より厚いのは好ましくない。
第2の熱可塑性樹脂組成物6が有する所定の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)樹脂、芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。本実施の形態では、所定の熱可塑性樹脂は、UL規格で規定されている相対温度指数(RTI)が100℃以上である樹脂を用いる。なお、相対温度指数とは、材料が長時間高温にさらされた場合に、自らの特性を保持できる能力を示す指数であり、材料の耐熱性を表す指数である。
第2の熱可塑性樹脂組成物6に配合される充填材としては、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、炭化珪素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、酸化亜鉛繊維、シリカ、ガラスビーズ、炭化珪素、窒化ホウ素、ワラストナイト、セリサイト、カオリン、クレー、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。
第1の熱可塑性樹脂組成物5の主成分は、第2の熱可塑性樹脂組成物6が有する上記所定の熱可塑性樹脂を主成分とする必要がある。しかし、第1の熱可塑性樹脂組成物5に配合される充填材については、第2の熱可塑性樹脂組成物6に配合される充填材と同じであってもよいし、異なっていても構わない。
粉末上の第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径は、最終形状から露出するほど大きくなければ特に制限はない。本実施の形態では、第1の熱可塑性樹脂組成物5は、100μm程度である。
未硬化の硬化性樹脂4を、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する方法としては、容器に入れられた粉末に未硬化の硬化性樹脂4で被覆された電子部品10を接触させて被覆する方法が挙げられる。また、粉末コーディングの方法として公知の炊きつけ法、または、流動浸漬方法を活用することができる。ただし、粉末コーディングの方法で実施される非被覆物の予加熱の必要はない。
次に、本実施の形態の実施例、および、比較例により更に詳細に説明する。これらは本実施の形態を具体的に説明するものであり、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、電子部品10に一液性エポキシ系接着剤(ナガセケムテックス(株)製XNR3503)をディッピングで約50μm塗布した。この一液性エポキシ系接着剤は、硬化性樹脂4に相当する。非強化のPPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−200−E5)を乳鉢で粉砕し、次いで、金属製網ふるいで粒径が90μmから106μmの粉末のみをふるい分けた。このふるい分けられた粉末は、第1の熱可塑性樹脂組成物5に相当する。この粉末を、電子部品10に塗布したエポキシ系接着剤に接触させて、エポキシ系接着剤の表面を粉末で被覆した。次いで、125℃、30分加熱して、エポキシ系接着剤を硬化させた。こうして、硬化したエポキシ系接着剤によって、粉末が電子部品10の表面に保持される。そして、粉末が被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により、320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230)を射出成形して、電子部品10を封止した。このガラス繊維強化PPS樹脂は、第2の熱可塑性樹脂組成物6に相当する。こうして、封止された電子部品10を得た。
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、電子部品10に一液性エポキシ系接着剤(ナガセケムテックス(株)製XNR3503)をディッピングで約50μm塗布した。この一液性エポキシ系接着剤は、硬化性樹脂4に相当する。非強化のPPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−200−E5)を乳鉢で粉砕し、次いで、金属製網ふるいで粒径が90μmから106μmの粉末のみをふるい分けた。このふるい分けられた粉末は、第1の熱可塑性樹脂組成物5に相当する。この粉末を、電子部品10に塗布したエポキシ系接着剤に接触させて、エポキシ系接着剤の表面を粉末で被覆した。次いで、125℃、30分加熱して、エポキシ系接着剤を硬化させた。こうして、硬化したエポキシ系接着剤によって、粉末が電子部品10の表面に保持される。そして、粉末が被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により、320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230)を射出成形して、電子部品10を封止した。このガラス繊維強化PPS樹脂は、第2の熱可塑性樹脂組成物6に相当する。こうして、封止された電子部品10を得た。
<比較例1>
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、電子部品10に一液性エポキシ系接着剤(ナガセケムテックス(株)製XNR3503)をディッピングで約50μm塗布した。次いで、125℃、30分間加熱して、エポキシ系接着剤を硬化させた。次いで、硬化したエポキシ系接着剤のみで被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230−E5)を射出成形して電子部品を封止した。こうして、封止された電子部品10を得た。この封止方法は、実施例に対して、第1の熱可塑性樹脂組成物5に相当する粉末を用いない封止方法となっている。
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、電子部品10に一液性エポキシ系接着剤(ナガセケムテックス(株)製XNR3503)をディッピングで約50μm塗布した。次いで、125℃、30分間加熱して、エポキシ系接着剤を硬化させた。次いで、硬化したエポキシ系接着剤のみで被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230−E5)を射出成形して電子部品を封止した。こうして、封止された電子部品10を得た。この封止方法は、実施例に対して、第1の熱可塑性樹脂組成物5に相当する粉末を用いない封止方法となっている。
<比較例2>
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、320℃で溶融させた非強化のPPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−200−E5)に、電子部品10をディッピングし、約50μm塗布した。次いで、非強化のPPS樹脂のみで被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230)を射出成形して電子部品10を封止した。こうして、封止された電子部品10を得た。この封止方法は、実施例に対して、硬化性樹脂4に相当する一液性エポキシ系接着剤を用いない封止方法となっている。
リードフレーム2に半導体チップ1を搭載し、リードフレーム2と半導体チップ1とをアルミニウム線でワイヤーボンディングでワイヤー3で接続して、電子部品10を生成した。そして、320℃で溶融させた非強化のPPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−200−E5)に、電子部品10をディッピングし、約50μm塗布した。次いで、非強化のPPS樹脂のみで被覆された電子部品10を150℃の金型に設置し、射出成形機により320℃で溶融された30wt%ガラス繊維強化PPS樹脂(大日本インキ化学工業(株)製DIC−PPS、Z−230)を射出成形して電子部品10を封止した。こうして、封止された電子部品10を得た。この封止方法は、実施例に対して、硬化性樹脂4に相当する一液性エポキシ系接着剤を用いない封止方法となっている。
以上の実施例、比較例1、および、比較例2で作成した熱可塑性樹脂で封止した電子部品を−40℃と150℃の槽内に各30分放置する過程を1サイクルとし、1000サイクル実施した。温度サイクル試験後に超音波探傷装置による内部の隙間の有無、および、形状保持性を評価した結果を図5に記す。
本実施の形態に係る電子部品の封止方法によれば、硬化性樹脂4の硬化反応により第1の熱可塑性樹脂組成物5を保持させているため、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5との界面に剥離が生じなくなる。また、第1の熱可塑性樹脂組成物5が、第2の熱可塑性樹脂組成物6の熱可塑性樹脂を主成分としているため、第2の熱可塑性樹脂組成物6と融着可能である。そして、射出成形時の第2の熱可塑性樹脂組成物6の熱で融着させることができるため、第1の熱可塑性樹脂組成物5と第2の熱可塑性樹脂組成物6との界面に剥離が生じなくなる。その結果、図5の「内部の隙間の有無」で示されているように、樹脂間の界面における剥離を防止することができる。また、電子部品10と密着させるものとして、密着性のよい硬化性樹脂4を用いるので、図5の「形状保持性」で示されているように、電子部品10と樹脂の間の界面における剥離を防ぐことができる。こうして、電子部品10と樹脂の間の界面、および、樹脂間の界面における密着性を向上させることにより、電子部品の腐食や性能劣化を防ぐことができる。また、硬化した硬化性樹脂4が、第2の熱可塑性樹脂組成物6の射出成形時の圧力から電子部品10を保護するため、アルミニウム線などのワイヤー3が切断されたり、変形したりすることを防ぎ、リードフレーム2および半導体チップ1が破損することを防ぐことができる。
また、エポキシ樹脂の硬化温度が50℃より高いため、硬化性樹脂4の表面を粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5で被覆する前に、硬化性樹脂4の硬化反応が進行して、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5との間の密着性が不充分となるのを防ぐことができる。一方、エポキシ樹脂の硬化温度が200℃より低くしているため、硬化時間が短縮できるとともに、熱ダメージによる電子部品10の性能低下を防ぐことができる。
また、硬化性樹脂4の厚みが第1の熱可塑性樹脂組成物5の平均粒径の1/3より厚いため、硬化性樹脂4と第1の熱可塑性樹脂組成物5の密着面積を確保でき、充分な密着性を得ることができる。一方、硬化性樹脂4の厚みが平均粒径の2/3より薄いため、粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物5が硬化性樹脂4に埋もれることなく、第1の熱可塑性樹脂組成物5と第2の熱可塑性樹脂組成物6との間の融着面積を確保できる。そのため、第1の熱可塑性樹脂組成物5と第2の熱可塑性樹脂組成物6との間の密着性を充分なものにすることができる。さらに、硬化性樹脂4の硬化時間の長時間化を防ぐため、生産性の低下を防ぐことができる。
また、所定の熱可塑性樹脂に、相対温度指数が100℃以上であるものを用いているため、第2の熱可塑性樹脂組成物6の長期耐熱性を向上させることができる。
また、第1の熱可塑性樹脂組成物5の粒径を100μmより小さくすると、細かな粉末を得る必要があるため、作業性が悪くなる。一方、100μmより大きくすると、硬化性樹脂4を厚くする必要があるため、硬化性樹脂4の硬化時間が長くなり、生産性が悪くなる。そのため、第1の熱可塑性樹脂組成物5の粒径を100μm程度にすることにより、作業性と生産性の均衡の観点から、両者を適当なものにすることができる。
1 半導体チップ、2 リードフレーム、3 ワイヤー、4 硬化性樹脂、5 第1の熱可塑性樹脂組成物、6 第2の熱可塑性樹脂組成物、10 電子部品。
Claims (6)
- (a)電子部品を硬化性樹脂で被覆する工程と、
(b)前記硬化性樹脂の表面を、所定の熱可塑性樹脂を主成分とする粉末状の第1の熱可塑性樹脂組成物で被覆する工程と、
(c)前記工程(b)の後に、前記硬化性樹脂を硬化する工程と、
(d)前記工程(c)の後に、前記第1の熱可塑性樹脂組成物の表面を、前記所定の熱可塑性樹脂を有する第2の熱可塑性樹脂組成物で封止する工程とを備える、
電子部品の封止方法。 - 前記硬化性樹脂が硬化する温度は、50℃から200℃の範囲内である、
請求項1に記載の電子部品の封止方法。 - 前記硬化性樹脂の厚さは、前記第1の熱可塑性樹脂組成物の平均粒径の1/3から2/3の範囲内である、
請求項1または請求項2に記載の電子部品の封止方法。 - 前記所定の熱可塑性樹脂の相対温度指数は、100℃以上である、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子部品の封止方法。 - 前記第1の熱可塑性樹脂組成物の平均粒径は100μm程度である、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子部品の封止方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子部品の封止方法により封止される、
電子部品。
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