JP2008153561A - 外部共振型レーザ光源装置及びそれを用いたモニタ装置並びに画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部共振型レーザ光源装置は、共振用の第1のミラーと、外部共振の対象となる基本波光を共振させて得られるレーザ光の一部を透過すると共に、残りの光を第1のミラーに向けて反射する共振用の第2のミラーと、第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置されたレーザ媒質と、第1のミラーと第2のミラーとの間に配置され、それぞれ異なる光路を通る複数の基本波光を入射して、各基本波光に含まれる所定の波長の光を選択的に透過する波長選択素子と、を備え、前記波長選択素子は、前記基本波光の入射位置によって、選択する光の波長が異なる。
【選択図】図1
Description
A.第1の実施例:
B.第2の実施例:
C.第3の実施例:
D.第4の実施例:
E.第5の実施例:
F.第6の実施例:
G.第7の実施例:
H.第8の実施例:
I.第9の実施例:
J.第10の実施例:
K.第11の実施例:
L.第12の実施例:
M.変形例:
図1は、本発明の一実施例としてのレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100は、外部共振型のレーザ光源装置であって、半導体レーザアレイ20と、バンドパスフィルタ30と、出力ミラー50と、を備えている。半導体レーザアレイ20は、レーザ素子21〜24がX軸方向に一列に並ぶ一次元のアレイ構造を有する。各レーザ素子21〜24は、面発光型のレーザ素子であり、それぞれ、共振用ミラー25と、内部共振用ミラー26と、クラッド層及び活性層等からなるレーザ媒質27と、を備えている。各レーザ素子21〜24は、共振用ミラー25と内部共振用ミラー26との間で共振(以下、「内部共振」と呼ぶ)して得られるレーザ光(以下、「基本レーザ光」と呼ぶ。ただし、完全な共振ではなく非常に弱い共振により得られた自然放出に近い光も含む)をY軸方向に射出する。なお、共振用ミラー25は、全反射ミラーである。また、内部共振用ミラー26は、内部共振した光の一部を透過して基本レーザ光の出力窓の役割を果たす。基本レーザ光は、中心波長が635nmであって所定の帯域幅を有する赤色光である。なお、半導体レーザアレイ20が備えるレーザ素子の数は4つに限らず、任意の数であってもよい。出力ミラー50は、各レーザ素子21〜24の有する共振用ミラー25と対をなして外部共振器を構成する。
図4は、第2の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100aは、バンドパスフィルタ30aの形状が異なる点において、図1に示すレーザ光源装置100と異なり、他の構成については、第1の実施例と同じである。第1の実施例におけるバンドパスフィルタ30(図1)は、平面板がY軸方向に湾曲した形状を有していたのに対して、バンドパスフィルタ30aは、平面板がねじれた形状を有している。
図6は、第3の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100bは、バンドパスフィルタ30bの形状が異なる点において、図1に示すレーザ光源装置100と異なり、他の構成については、第1の実施例と同じである。第1の実施例におけるバンドパスフィルタ30(図1)は、平面板がY軸方向に湾曲した形状を有していたのに対して、バンドパスフィルタ30bは、Y軸方向に折れ曲がった形状を有している。なお、かかるバンドパスフィルタ30bは、例えば、予め折り曲げておいた平面板状のガラス基板に誘電膜を蒸着することで生成することができる。
図8は、第4の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100cは、バンドパスフィルタ30cの形状が異なる点において、図1に示すレーザ光源装置100と異なり、他の構成については、第1の実施例と同じである。第1の実施例におけるバンドパスフィルタ30(図1)は、平面板がY軸方向に湾曲した形状を有していたのに対して、バンドパスフィルタ30cは、階段状の形状を有している。具体的には、バンドパスフィルタ30cは、ガラス基板39bと、ガラス基板39b上に形成された誘電体薄膜層39aと、を備え、誘電体薄膜層39aの厚みの異なる4つの領域S1,T1,U1,V1を有している。各領域S1〜V1における誘電体薄膜層39aの厚みは、領域S1,T1,U1,V1の順番に大きくなっている。このようなバンドパスフィルタ30cは、例えば、予め誘電体薄膜の厚みが異なるように生成しておいた4つのフィルタを、X軸方向に貼り合わせて生成することができる。若しくは、同一のガラス基板上において、各領域S1〜V1毎に、誘電体薄膜の厚みが異なるように蒸着を行って生成することができる。
図9は、第5の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100dは、バンドパスフィルタ30dの形状が異なる点において、図8に示すレーザ光源装置100cと異なり、他の構成については、第4の実施例と同じである。第4の実施例におけるバンドパスフィルタ30c(図8)は、誘電体薄膜層39aの厚みが異なる4つの領域によって階段状の形状を有していた。これに対してバンドパスフィルタ30dは、誘電体薄膜層39aの厚みが異なる4つの領域(S2,T2,U2,V2)を有している点は同じであるが、各領域S2〜V2において誘電体薄膜層39aの厚みがX方向に連続的に変化している点において、バンドパスフィルタ30cと異なる。具体的には、領域S2,T2,U2,V2の順番に誘電体薄膜層39aの厚みが大きくなると共に、各領域S2〜V2内においても、+X方向に徐々に誘電体薄膜層39aの厚みが大きくなっている。このようなバンドパスフィルタ30dは、例えば、ガラス基板39bに対して斜め方向から誘電体薄膜を蒸着させるようにして生成することができる。
図10は、第6の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100eは、波長変換素子40と、ペルチェ素子61と、温度センサ62a〜62dと、温度制御部63と、を備えている点において、図1に示すレーザ光源装置100と異なる。波長変換素子40は、第2高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)の現象、すなわち、2個の光子が2倍の振動数をもつ1つの光子に変換される(1/2の波長の光に変換される)2次の非線形光学現象を引き起こす素子であり、強誘電体材料に分極反転構造が形成されたものである。例えば、波長変換素子40として、PPLN(Periodically Poled LiNb3)を用いることができる。なお、この分極反転構造における自発分極と反転分極との分極反転周期(ドメインピッチ)は、初期状態では波長変換素子40内において均一であるものとする。波長変換素子40は、バンドパスフィルタ30eと、出力ミラー50aと、の間に配置されている。そして、波長変換素子40は、バンドパスフィルタ30eにおいて選択的に透過された光W21〜W24を入射して、それぞれ1/2の波長に変換して、光W31〜W34を射出する。
図13は、第7の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100fは、ペルチェ素子61と温度センサ62a〜62dと温度制御部63とを備えていない点、及び、波長変換素子40aの内部構造が異なる点において、図10に示すレーザ光源装置100eと異なり、他の構成については、第6の実施例と同じである。
図14は、第8の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100gは、図10に示すペルチェ素子61と温度センサ62a〜62dと温度制御部63とに代えて、電圧制御部71と電極72とを備えている点において、レーザ光源装置100gと異なり、他の構成については第6の実施例におけるレーザ光源装置100eと同じである。上述した第6の実施例では、ぺルチェ素子61を用いて波長変換素子40を冷却することで、波長変換素子40の屈折率を変化させると共にドメインピッチを光W21〜W24の入射位置に応じて変化させていた。これに対して、本実施例では、波長変換素子40に電圧を印加することで、波長変換素子40の屈折率及びドメインピッチを変化させる。
図15は、第9の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す説明図である。このレーザ光源装置100hは、電極72a〜72dの形状が異なる点及び電極72a〜72dへの電圧の印加方法が異なる点において、第8の実施例におけるレーザ光源装置100g(図14)と異なり、他の構成については、第8の実施例と同じである。
図16は、第10の実施例におけるレーザ光源装置の概略構成を示す断面図である。このレーザ光源装置100iは、波長変換素子40が半導体レーザアレイ20aとバンドパスフィルタ30fとの間に配置されている点において、上述した第6の実施例におけるレーザ光源装置100e(図10)と異なり、他の構成については、第6の実施例と同じである。ここで、バンドパスフィルタ30fの透過特性は、第6の実施例におけるバンドパスフィルタ30e(図10)の透過特性と異なる。また、反射光R11〜R14は、図示の便宜上省略している。
図18は、本発明のレーザ光源装置を適用したモニタ装置の概略構成図である。このモニタ装置400は、装置本体410と、光伝送部420と、を備えている。装置本体410は、上述した第1の実施例におけるレーザ光源装置100(図1)を備えている。また、装置本体410は、集光レンズ150と、カメラ411と、を備えている。
図19は、本発明のレーザ光源装置を適用したプロジェクタの概略構成図である。このプロジェクタ500は、赤色光を射出する前述のレーザ光源装置100(図1)と、緑色光を射出する前述のレーザ光源装置100f(図13)と、青色光を射出するレーザ光源装置100jと、を備えている。レーザ光源装置100jは、レーザ光源装置100fと構成がほぼ同じである。具体的には、レーザ光源装置100jは、半導体レーザアレイ20bと、バンドパスフィルタ30gと、波長変換素子40aと、出力ミラー50bと、を備えている。半導体レーザアレイ20bは、中心波長が900nm程度の近赤外線を射出するレーザ素子(図示省略)を備えている。バンドパスフィルタ30gは、中心波長が900nm程度の近赤外線を透過する。波長変換素子40aは、近赤外線を高効率で波長変換を行って中心波長が450nm程度の青色光を射出する。出力ミラー50bは、波長変換後の青色光を透過し、波長変換前の光(中心波長が900nm程度の赤外線)をほぼ反射させる反射特性を有する。そして、レーザ光源装置100jから射出されるレーザ光は、レーザ光源装置100fと同様に、互いに波長が異なり、低コヒーレンスとなっている。
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上述した各実施例では、レーザ光源装置100〜100jが備えるレーザ素子21〜24,21a〜24aは、一次元のアレイ構造を有するものとしたが、二次元のアレイ構造を有するものであってもよい。また、これらレーザ素子21〜24,21a〜24aは、面発光型のレーザ素子であるものとしたが、面発光型のレーザ素子に代えて、光の共振する方向が基板面に対して平行となる端面発光型のレーザ素子であってもよい。また、光源は、内部共振を行う半導体レーザ素子から成るものでなくとも、内部共振を行わない固体レーザやガスレーザ等を射出するレーザ装置から成るものであってもよい。例えば、光源がYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザ装置で構成される場合、励起用光源(例えば半導体レーザ)からの光をYAG結晶のレーザロッドに照射して得られた光(請求項における基本波光に相当)を、外部共振器で共振して増幅させて射出することとなる。かかる構成においても、複数のYAGレーザ装置から射出されるレーザ光の波長を互いに異なるものとして複数のレーザ光のコヒーレンスを低減することができ、スペックルノイズの発生を抑制することが可能となる。
上述した各実施例では、複数のレーザ素子から成るレーザアレイによって、複数の光路を通る光を射出する構成であったが、レーザアレイを用いない構成としてもよい。例えば、1つのレーザ素子から射出したレーザ光をスプリッタ等により、複数の光路に分けて射出する構成としてもよい。かかる構成では、複数のレーザ光同士は、波長も位相もほぼ同じとなってコヒーレンスが高くなる。しかしながら、上述したように、各レーザ光源装置100〜100jでは、これらの複数のレーザ光を、それぞれ異なる中心波長のレーザ光として射出するので、コヒーレンスを低減してスペックルノイズの発生を抑制することができる。
上述した各実施例では、レーザ光源装置100〜100jは、いずれも外部共振型のレーザ光源装置であるものとしたが、外部共振を行わないレーザ光源装置であってもよい。例えば、第1の実施例におけるレーザ光源装置100(図1)において、各レーザ素子21〜24の出力が、外部共振せずとも十分に大きい場合には、出力ミラー50を備えない構成として、外部共振せずにレーザ光を外部に射出するようにしてもよい。この場合、バンドパスフィルタ30を透過した光W21〜W24がレーザ光源装置100から射出されることとなる。上述したように、光W21〜W24の中心波長は互いに異なることとなるので、以上のような構成においてもレーザ光源装置から射出するレーザ光のコヒーレンスを低減して、スペックルノイズの発生を抑制することができる。
上述した第12の実施例では、プロジェクタ500における光変調手段としては、液晶ライトバルブを用いるものであったが、液晶ライトバルブに限らず、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Texas Instruments社の商標)など、他の任意の変調手段を用いる構成であってもよい。また、上述した第1〜第10の実施例におけるレーザ光源装置100〜100fは、モニタ装置(第11の実施例)及びプロジェクタ(第12の実施例)以外にも、照明装置など、光源を必要とする任意の装置に用いることができる。
上述した第1実施例では、バンドパスフィルタ30〜30fに入射する光W11〜W14は、全て入射角度が異なるものとしたが、これらの光W11〜W14のうち、少なくとも2つの光について入射角が異なるようにしてもよい。このようにしても、光W11〜W14の入射角が全て同一である場合に比べて、コヒーレンスを低減することが可能となる。なお、第1の実施例に限らず、第2〜第3の実施例、及び、第6〜第12の実施例においても、少なくとも2つの光について入射角を異なるようにしてもよい。また、第4〜第5の実施例では、誘電体薄膜層39aの厚みを領域S1〜V1のうちの、少なくとも2つの領域において異なるようにしてもよい。
21〜24,21a〜24a...レーザ素子
25...共振用ミラー
26...内部共振用ミラー
30,30a〜30g...バンドパスフィルタ
39a...誘電体薄膜層
39b...ガラス基板
40,40a...波長変換素子
50,50a,50b...出力ミラー
61...ペルチェ素子
62a〜62d...温度センサ
63...温度制御部
71...電圧制御部
72,72a〜72d...電極
100,100a〜100j...レーザ光源装置
150...集光レンズ
400...モニタ装置
410...装置本体
411...カメラ
420...光伝送部
421,422...ライトガイド
423...拡散板
424...結像レンズ
500...プロジェクタ
502R...均一化光学系
504R...液晶ライトバルブ
506...クロスダイクロイックプリズム
507...投写レンズ
510...スクリーン
Claims (6)
- 外部共振型レーザ光源装置であって、
共振用の第1のミラーと、
外部共振の対象となる基本波光を共振させて得られるレーザ光の一部を透過すると共に、残りの光を前記第1のミラーに向けて反射する共振用の第2のミラーと、
前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置されたレーザ媒質と、
前記第1のミラーと前記第2のミラーとの間に配置され、それぞれ異なる光路を通る複数の前記基本波光を入射して、各基本波光に含まれる所定の波長の光を選択的に透過する波長選択素子と、
を備え、
前記波長選択素子は、前記基本波光の入射位置によって、選択する光の波長が異なることを特徴とする外部共振型レーザ光源装置。 - 請求項1に記載の外部共振型レーザ光源装置において、
前記波長選択素子は、前記基本波光の入射角が同一であれば、同一の波長の光を選択的に透過する構成を有しており、前記複数の基本波光の入射位置のうち、少なくとも2つの入射位置において、前記基本波光の入射角が互いに異なる、
外部共振型レーザ光源装置。 - 請求項2に記載の外部共振型レーザ光源装置において、
前記波長選択素子は、前記基本波光の入射面が曲がっている、
外部共振型レーザ光源装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の外部共振型レーザ光源装置であって、さらに、
前記基本波光を入射して、波長を変換する波長変換素子を備え、
前記波長変換素子は、前記基本波光の入射位置ごとに、その入射位置に対応する前記波長選択素子の入射位置において選択的に透過される光の波長に応じて、波長変換を行う、
外部共振型レーザ光源装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の外部共振型レーザ光源装置と、
前記外部共振型レーザ光源装置により照射された被写体を撮像する撮像部と、
を備えるモニタ装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の外部共振型レーザ光源装置と、
前記外部共振型レーザ光源装置から射出されたレーザ光を画像信号に応じて変調する光変調部と、
前記光変調部により形成された画像を投写する投写光学系と、
を備える画像表示装置。
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