JP2008151051A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過渡時の応答性を確保しつつ燃費、排気ガス浄化をも満足させる。
【解決手段】実際のエンジンの吸気通路2に、上流側から下流側へ順次、エアフローセンサ3、スロットル弁4、排気ターボ式過給機5、インタークーラ5、電動式過給機8、吸気圧力センサ9が配設される。エンジン制御系として、吸気状態について影響を与える実際の機器類の特性と同一の特性を有するように設定された仮想機器類を複数種組み合わせて構成された同定モデルDMが設定される。同定モデルDMは、例えばエンジン回転数とアクセル開度とをパラメータとして、実際のエンジンの吸気状態が目標吸気状態となるように前記仮想機器類に対する制御値を決定して、この制御値を実際の機器類に対して出力する、制御値として、電動式過給機8の駆動電流が含まれる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、排気ターボ式過給機と電動式過給機とによって過給を行うエンジンの制御装置に関するものである。
エンジン、例えば自動車用エンジンでは、排気エネルギを利用して過給を行う排気ターボ式過給機を備えたものが多く存在する。そして、最近増加する傾向にあるコモンレール式ディーゼルエンジンにあっては、排気ターボ式過給機によって過給を行うことが極く一般的となっている。
排気ターボ式過給機にあっては、加速時において良好な過給応答性を得にくいということから、吸気通路のうち排気ターボ式過給機の下流側において、モータにより駆動される電動式過給機を配設して、加速時等の過給応答性が要求されるときに電動式過給機を作動させることが提案されている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、コンピュータを利用して、実際のエンジンを模したエンジンモデルを設定して、エンジンモデルから得られるモデル値と実際のエンジンの作動特性値とに基づいて、実際のエンジンの故障を診断することが提案されている。
特開2004−108152号公報 特表平6−504348号公報
特許文献1に記載のように、排気ターボ式過給機と電動式過給機とを備えたエンジンにおいては、電動式過給機によって過給応答性を高めることは、加速要求時特に急加速要求時において十分なトルクをすみやかに得て、加速要求を十分に満たすという点では好ましいものとなる。
一方、最近のエンジンでは、燃費向上や排気ガス浄化の要求が厳しくなっており、加速時においても、燃費や排気ガス浄化の点を十分に考慮したものにする必要性が高まっている。つまり、特許文献1に記載のように、過渡時となる加速時に、単に電動式過給機による過給を行うだけの制御では、加速要求つまり制御の応答性を満足させることは可能であっても、燃費の悪化や排気ガス中の有害成分増大をきたすことになり、この点においてなんらかの対策が望まれることになる。
本発明は以上のような事情を勘案してなさたもので、その目的は、過渡時の応答性を十分に満足させつつ、燃費や排気ガス浄化の点でも十分に満足できるようにしたエンジンの制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
実際のエンジンの吸気通路に、上流側から下流側へ順次、エアフローセンサ、スロットル弁、排気ターボ式過給機、インタークーラ、電動式過給機、吸気圧力センサが配設されたエンジンの制御装置であって、
実際のエンジンに対する制御を行う制御系として、実際のエンジンに供給される吸気状態と同一の吸気状態が得られるように、実際のエンジンの吸気状態について影響を与える実際の機器類の特性と同一の特性を有するように設定された仮想機器類を複数種組み合わせて構成された同定モデルが設定され、
前記同定モデルは、あらかじめ設定された所定の入力パラメータに基づいて、実際のエンジンの吸気状態が目標吸気状態となるように前記仮想機器類に対する制御値を決定して、該決定された制御値を実際の機器類に対して出力するように設定され、
前記制御値として、少なくとも前記電動式過給機の駆動電流が含まれるように設定されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、過渡時における制御の応答性、例えば急加速時の加速要求を十分に満足させることができる。すなわち、同定モデルによって、所定の入力パラメータに基づいて、実際の機器類に対応した複数の仮想機器類の制御値が決定されて、この決定された制御値が実際の機器類に出力されるので、例えば従来一般に行われているフィードバック制御の場合に比して、応答性の点で極めて優れたものとなる。特に、電動式過給機の駆動電流が同定モデルによる制御値として決定、出力されるので、過給応答性の点でも優れたものとなる。そして、制御値は、実際のエンジンと同一の特性を有することになる同定モデルによって目標吸気状態となるように決定されるので、実際の吸気状態が目標吸気状態から大きくずれてしまう事態の発生も防止されて、燃費や排気ガス浄化の点をも十分に満足させることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記同定モデルが、前記所定の入力パラメータに加えて、前記エアフローメータで検出される吸入空気量、前記インタークーラの出口温度、前記吸気圧力センサで検出された吸気圧力をパラメータとして、前記スロットル弁の開度と前記電動式過給機の駆動電流とを前記制御値として決定する、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、実際のエンジンにおける吸気の供給状態に影響を与える吸入空気の量と温度と圧力とをもパラメータとして制御値として決定するので、目標吸気状態とするための制御値をより精度よく決定することができる。

実際のエンジンが、排気ガスを吸気通路に還流するEGR通路を備えると共に、EGR率を変更するためのEGR弁を備えており、
前記同定モデルは、前記EGR弁の開度を前記制御値として決定する、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、実際のエンジンの吸気状態に大きな影響を与えるEGR弁の開度を制御値として含ませることにより、実際のエンジンにおける実際の吸気状態を、より一層精度よく目標吸気状態に近づけることができる。
前記目標吸気状態が、目標酸素濃度とされている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、目標吸気状態を、燃費や排気ガス浄化の点で好ましい設定とすることができる。
前記目標吸気状態が、定常時および緩加速時には目標酸素濃度とされ、急加速時には目標充填量とされる、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、定常時および緩加速時においては燃費および排気ガス浄化を優先させた制御としつつ、急加速時には加速要求を優先させた制御とすることができる。
前記排気ターボ式過給機が、過給能力が変更可能な可変式とされ、
前記制御値として、前記排気ターボ式過給機における過給能力変更用の制御値が含まれるように設定されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、可変式の排気ターボ式過給機とされた場合に、実際のエンジンの吸気状態を目標吸気状態にすることができる。
急加速時において、前記目標吸気状態が目標充填量とされ、
実際の充填量が前記目標充填量よりも小さいときに、実際の充填量が目標充填量に近づくように前記電動式過給機の駆動電流が増大補正されるように設定され、
前記増大補正前後の前記駆動電流の偏差が所定値以上のときに、前記排気ターボ式過給機が異常であると判定して警報を行う異常判定手段を備えている、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、排気ターボ式過給機がなんらかの原因で過給圧不足となったときに、この不足分を過給圧を電動式過給機で補うことができる。また、電動式過給機の駆動電流に基づいて、排気ターボ式過給機の異常、例えば軸受の焼き付き等による抵抗増大を容易に判定することができ、しかも異常と判定されたときには警報を行うことにより、運転者は排気ターボ式過給機が異常をあることをすみやかに認識することができる。
前記電動式過給機は、急加速時のみ駆動電流が供給されて過給を行うように設定され、
前記異常判定手段によって異常判定されたときは、急加速時以外のときでも、前記排気ターボ式過給機による過給圧不足分を前記電動式過給機による過給で補うように、該電動式過給機による過給が行われる、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、過給圧が大きく不足して走行性能が大きく悪化してしまう事態を防止あるいは低減する上で好ましいものとなる。
前記制御値を出力したときに前記目標吸気状態が得られなかったときに、前記同定モデルを修正する修正手段を備えている、ようにしてある(請求項9対応)。この場合、実際のエンジンの経年変化等に対応して、同定モデルを常に実際のエンジンに対応したものに設定しておくことができる。
実際のエンジンが、コモンレール式のディーゼルエンジンとされ、
前記所定の入力パラメータが、エンジン回転とアクセル開度とされている、
ようにしてある(請求項10対応)。この場合、実際のエンジンを、燃費や排気ガス浄化の上で好ましいコモンレール式のディーゼルエンジンとしつつ、制御値を決定するために用いられる所定のパラメータとして、エンジンの運転状態を示す代表的なパラメータを用いたものとすることができる。
本発明によれば、過渡時の応答性を十分に満足させつつ、燃費や排気ガス浄化の点でも十分に満足させることができる。
図1において、1はエンジン(エンジン本体)で、実施形態では、自動車用とされたコモンレール式の直噴ディーゼルエンジンとされている。エンジン1の吸気通路2には、その上流側から下流側へ順次、エアフローセンサ3,電磁式のスロットル弁4,排気ターボ式過給機5のコンプレッサホイール5a、インタークーラ6,温度センサ7、電動式過給機8のコンプレッサホイール8a、圧力センサ9が配設されている。上記コンプレッサホイール8aは、モータ8bによって駆動されて、過給を行うようになっている。
吸気通路2は、コンプレッサホイール8aをバイパスするバイパス通路10を有して、このバイパス通路10には、逆止弁11が配設されている。逆止弁11は、電動式過給機8による過給を実行するときにのみ全閉とされ、その他の運転領域では全開とされる。
エンジン1の排気通路15には、排気ターボ式過給機5のタービンホイール5bが配設されている。このタービンホイール5bは、回転軸5cを介して前記コンプレッサホイール5aに連結され、排気エネルギを受けてタービンホイール5bが回転駆動されることによってコンプレッサホイール5aが回転駆動されて、過給を行うようになっている。排気ターボ式過給機5は、実施形態では、アクチュエータ5dによって可変駆動される可変ベーン式とされて、過給能力が変更可能となっている。
排気通路15には、タービンホイール5bの下流側において、パティキュレート等のディーゼルエンジン特有の排気物を捕集するトラップ(DPFフィルタ)16が配設されている。トラップ16は、補足した異物が大量となったときに、異物を燃焼させる機能を有するものとなっている。排気通路15には、トラップ16の上流側と下流側とにそれぞれ圧力センサ17、18が配設されて、排圧およびトラップ16前後での差圧が検出できるようになっている。
排気ガスは、第1EGR通路21によって、吸気通路2へ排気ガスが還流可能とされている。すなわち、排気通路15のうちトラップ16下流側と、吸気通路2のうちスロットル弁4とコンプレッサホイール5aとの間が、第1EGR通路21によって接続されている。この第1EGR通路21には、EGRクーラ22と電磁式の第1EGR弁23とが接続されて、第1EGR弁23の開度を調整することによって、第1EGR通路21からの排気ガス還流量が変更される。なお、この第1EGR通路21からの排気ガス還流は、エンジン冷却水温度が所定温度以上となった高温時のみ実行されるようになっている。
排気ガスは、第2EGR通路31によって、吸気通路2へ排気ガスが還流可能とされている。すなわち、排気通路15のうちタービンホイール5b上流側と、吸気通路2のうちコンプレッサホイール8a下流側とが、第2EGR通路31によって接続されている。この第2EGR通路31には、電磁式の第2EGR弁32が接続されて、第2EGR弁32の開度を調整することによって、第2EGR通路31からの排気ガス還流量が変更される。なお、この第2EGR通路31からの排気ガス還流は、エンジン冷却水温度が前記所定温度未満となる低温時のみ実行されるようになっている。
図2は、排気ターボ式過給機3の異常判定を行うための制御系統を示すもので、図中Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUには、前述した各種センサ3,7、9、17,18からの信号が入力されると共に、電動式過給機8(のモータ8b)の駆動電流が入力され、さらに、アクセル開度センサ41で検出されたアクセル開度、エンジン回転数センサ42で検出されたエンジン回転数が入力される。
コントローラUは、前述した各種機器類4,5d、11、8b、23,32へ出力する他、排気ターボ式過給機5に異常が生じたときに警報を行うブザー、ランプ等からなる警報器43へ出力されるようになっている(運転者への異常報知)。
図3,図4は、コントローラUによって、エンジン1(実際のエンジン)に供給される吸気状態の目標値の設定例を示すものである。図3は、急加速時以外のときの目標吸気状態となるもので、実施形態では、エンジン回転数とアクセル開度とをパラメータとして目標酸素濃度として設定されて、燃費および排気ガス浄化を優先した設定とされている。また、図4は、急加速時における吸気状態の目標値を示すもので、実施形態では、エンジン回転数とアクセル開度とをパラメータとして目標充填量として設定されて、加速要求を優先した設定とされている。なお、電動式過給機8は、基本的に急加速時にのみ一時的に駆動電流が供給されて一時的に過給を行うものである(排気ターボ式過給機5による過給応答性が追従するまでの一時的な駆動)。ただし、排気ターボ式過給機5による過給圧が不足する場合や、排気ターボ式過給機5に異常が生じて十分な過給圧が得られないときは、補助的に電動式過給機8が駆動されて過給圧不足を補うようにしてある。
図5は、コントローラUに構成された制御系を示すもので、実際のエンジン1に対応して実際のエンジン1と同一の特性となるように設定された同定モデルDMとして設定されている。すなわち、同定モデルDMは、エンジン1の吸気状態(燃焼室へ供給される直前の吸気状態)を目標吸気状態とするために必要な各種機器類の実際の制御値を決定するためのもので、このために、吸気状態に影響を与える実際の各種機器類と同一の特性とされた複数の仮想機器類が設定されている。実施形態では、この仮想機器類として、実際の機器類の符合に「X」の符合を追加して示してある。具体的には、仮想機器類として、エアフローセンサ3に対応した仮想エアフローセンサ3X、スロットル弁4に対応した仮想スロットル弁4X、排気ターボ式過給機5のアクチュエータ5dに対応した仮想アクチュエータ5dX、温度センサ7に対応した仮想温度センサ7X(仮想インタークーラ6にも相当)、電動式過給機8のモータ5bに対応した仮想モータ8bX、吸気圧力センサ9に対応した仮想圧力センサ9X、エンジン1に対応した仮想エンジン(の燃焼モデル)1X、圧力センサ17,18に対応した仮想圧力センサ17X、18X(トラップつまりDPFフィルタに相当)、第1EGR弁23に対応した仮想第1EGR弁23X、第2EGR弁32に対応した仮想第2EGR弁32Xである。
図5の同定モデルDMにおいて決定される制御値は、仮想機器類4Xでのスロットル開度、仮想機器類5dXでの可変ベーンの開度、仮想機器類8bXでの駆動電流、仮想機器類23Xでの第1EGR弁開度、仮想機器類32Xでの第2EGR弁開度である。この決定された制御値は、対応する実際の機器類の出力されることになる。上記制御量決定のための所定パラメータとして、アクセル開度センサ41で検出されたアクセル開度と、エンジン回転数センサ42で検出されたエンジン回転数とが基本的に用いられる他、仮想機器類3Xで得られる吸入空気量、仮想機器類7Xで得られるインタークーラ出口温度、仮想機器類9Xで得られる吸気圧力、仮想機器類1Xで得られる燃焼状態、仮想機器類17X、18Xで得られる排気圧力が、上記所定パラメータに加えて用いられる。図5から既に明かなように、同定モデルDMは、吸気が、吸気通路2の入口から流入され、燃焼されて排気ガスとなるまでの一連の流れが、実際のエンジン1の場合と同様に構成されて、実際のエンジン1の特性と全く同じ特性を有するものとなっている。このような同定モデルDMは、図1に示す系統でもってエンジン1を実際に運転して、このときに得られた実際のデータに基づいて、例えば「マトラボ」という形式でもって作成されている。
同定モデルDMにおいて、目標吸気状態として、目標酸素濃度(あるいは目標充填量)が与えられたとき、この目標酸素濃度(あるいは目標充填量)とするのに必要な各種制御値を決定して、この決定された各制御値が、対応する実際の機器類に出力されることになる。すなわち、スロットル弁4の開度、可変ベーンの開度、電動式過給機5の駆動電流、各EGR弁23,32の開度が、同定モデルDMによるシュミレーションにより一気に決定されて、対応する実際の機器類に対してこの制御値が一気に出力されることになる。同定モデルDMは、実際にエンジン1を運転して得られたデータに基づいて制御値を決定するように作成されているので、決定された制御値を実際の機器類に出力することにより、目標酸素濃度(目標充填量)に精度よく一気に収束されることになる。
次に、同定モデルDMが構成されたコントローラUによる制御例について、図6,図7のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、以下の説明でSはステップを示す。まず、図6のS1において、各種センサ等からの信号が入力された後、S2において、急加速時であるか否かが判別される。このS2の判別でYESのときは、S3において、図4に示すマップに基づいて目標充填量が決定される。次いで、S4において、図4に示す同定モデルDMによって、目標充填量とするために必要なスロットル弁4の開度、可変ベーンの開度、電動式過給機5の駆動電流、各EGR弁23,32の開度が決定される。このS5においては、電動式過給機8を駆動するための駆動電流が決定され(0よりも大きい電流値)、これに伴って逆止弁11が全閉とされる制御値が決定される。そして、決定された各制御値が、対応する実際の機器類に出力される(逆止弁11は全閉とされる)。これにより、実際のエンジン1の目標吸気状態である目標充填量が、すみやかに実現されて、急加速での加速要求を十分に満足させることができる。
S5の後、S6において、目標充填量が満足されたか否かが判別される。このS6の判別は、実際の充填量が目標充填量よりも所定値以上ずれているか否かの判別となる。このS6の判別でYESのとき、つまり目標充填量が実現されているときは、S8に移行される。S8では、電動式過給機8の停止(駆動電流が0)と逆止弁11を全開にする処理が行われた後、S9において、図3に示すマップに基づいて目標酸素濃度が決定される。次いで、S10において、同定モデルDMにによって、目標酸素濃度を実現するための各種制御値が決定され(S4対応)、この後、S11において、決定された制御値が実際の機器類に出力される(S5対応)。なお、実際の充填量は、例えばセンサ3,7,9の出力に基づいて演算によって直接的に得ることができ、また車両の加速度やエンジン回転数の変化度合に基づいて間接的に決定する等、適宜の手法によって知ることができる。
S11の後、S12において、目標酸素濃度が実現されているか否かが判別される。このS12での判別は、実際の酸素濃度が目標酸素濃度よりも所定値以上ずれているか否かの判別となる。このS13の判別でYESのときは、S13において、フラグが0であるか否かが判別される。このフラグは、目標充填量が実現されなかったときに1に設定されるもので、0のときは、目標充填量が実現されているときなので、このときはそのままリターンされる。なお、実際の酸素濃度は、例えば、排気通路15に設けた酸素センサの出力に基づいて決定する等、適宜の手法により知ることができる。
前記S6の判別でNOのとき、つまり目標充填量が実現されなかったときは、S7においてフラグを1にセットした後、図9のS21へ移行される。S21では、実際の充填量が目標充填量に対して不足している状態であるか否かが判別される。このS21の判別でNOのときは、図6のS8へ移行される。
上記S21の判別でYESのときは、S22において、不足分の充填量を補うべく、電動式過給機8の駆動電流が増大補正される(過給補助)。この後、S24において、増大補正前後での駆動電流の偏差が所定値以上であるか否かが判別される。このS24の判別でNOのときは、排気ターボ式過給機5に大きな異常がないということで、図6のS8へ移行される。
上記S24の判別でYESのときは、排気ターボ式過給機5に過給圧が大きく不足するようななんらかの異常、例えば軸受の焼き付き等が発生したとき等であり、このときは、S25で警報器43が作動される。この後、排気ターボ式過給機5による過給のみでは十分なトルクが確保できなくて、走行性能が大きく悪化することを補うべく、電動式過給機8が駆動される(排気ターボ式過給機5による不足分の過給圧を電動式過給機8による過給で補いつつ、修理工場へ向けての走行の確保)。S26の処理が行われた後は、正常な制御がもはや実行不可能なので、電動式過給機8による過給補助が実行され続ける状態が維持される。
前記S12の判別でNOのとき、あるいは前記S13の判別でNOのときは、同定モデルDMで決定された制御値では、目標吸気状態を精度よく確保することが難しいときである。このときは、S14において、同定モデルDMの修正が実行された後、S15においてフラグが0にリセットされる。なお、S14での同定モデルDMの修正は、例えば同定モデルDMを作成したときのロジックを利用して行えばよく、修正対象となる各仮想機器類は、全ての仮想機器類であってもよく、あるいは経年変化が大きいと想定される一部の仮想機器類のみであってもよい。修正の具体例としては、例えば、排気ターボ式過給機5の過給圧が不足するときは、可変ベーンに対する制御値(制御値を決定する制御特性)を、過給能力が向上される方向に修正すればよい。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。エンジン1としては、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンのような火花点火式エンジンであってもよい。電動式過給機5を作動させる運転領域としては、加速要求時という一時的な領域に限らず、例えば、低速・高負荷時というように、排気ターボ式過給機3によって十分な過給圧が得にくい運転領域や、排気ターボ式過給機5による過給を補う形態で常時作動させるようにする等、適宜設定することができる。目標吸気状態としては、例えば、常時目標酸素濃度としてもよく、あるいは常時目標充填量としてもよい。フローチャートに示す各ステップあるいはステップ群は、その機能を示す名称に手段の文字を付して表現することができる。同定モデルとしては、実際のエンジンの吸気状態に影響を与える因子(機器類)を含ませるものであれば、同定モデルDMにおいて、シュミレーションされた結果となる制御値を検証するために、吸気状態を示すパラメータとなる例えばセンサ3,7,9で検出された実際の検出値を使用してシュミレーションし直すようにしてもよい(検証された結果は、実際に制御値を出力する前でも後でもよく、特に後に行う場合は、同定モデルDMの修正のために用いることができる)。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明の一実施形態を示す系統図。 本発明の制御系統例をブロック図的に示す図。 目標酸素濃度を決定するためのマップ。 目標充填量を決定するマップ。 同定モデルの一例を示す系統図。 本発明の制御例を示すフローチャート。 本発明の制御例を示すフローチャート。
符号の説明
1:エンジン
2:吸気通路
3:エアフローセンサ
3:スロットル弁
5:排気ターボ式過給機
5a:コンプレッサホイール
5b:タービンホイール
5d:アクチュエータ(可変ベーン)
6:インタークーラ
7:温度センサ
8:電動式過給機
8a:コンプレッサホイール
8b:モータ
10:バイパス通路
11:逆止弁
15:排気通路
16:トラップ(DPFフィルタ)
17、18:圧力センサ(排圧)
21:第1EGR通路
23:第1EGR弁
31:第2EGR通路
32:第2EGR弁
41:アクセル開度センサ
42:エンジン回転数センサ
43:警報器
U:コントローラ
DM:同定モデル

Claims (10)

  1. 実際のエンジンの吸気通路に、上流側から下流側へ順次、エアフローセンサ、スロットル弁、排気ターボ式過給機、インタークーラ、電動式過給機、吸気圧力センサが配設されたエンジンの制御装置であって、
    実際のエンジンに対する制御を行う制御系として、実際のエンジンに供給される吸気状態と同一の吸気状態が得られるように、実際のエンジンの吸気状態について影響を与える実際の機器類の特性と同一の特性を有するように設定された仮想機器類を複数種組み合わせて構成された同定モデルが設定され、
    前記同定モデルは、あらかじめ設定された所定の入力パラメータに基づいて、実際のエンジンの吸気状態が目標吸気状態となるように前記仮想機器類に対する制御値を決定して、該決定された制御値を実際の機器類に対して出力するように設定され、
    前記制御値として、少なくとも前記電動式過給機の駆動電流が含まれるように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記同定モデルが、前記所定の入力パラメータに加えて、前記エアフローメータで検出される吸入空気量、前記インタークーラの出口温度、前記吸気圧力センサで検出された吸気圧力をパラメータとして、前記スロットル弁の開度と前記電動式過給機の駆動電流とを前記制御値として決定する、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項2において、
    実際のエンジンが、排気ガスを吸気通路に還流するEGR通路を備えると共に、EGR率を変更するためのEGR弁を備えており、
    前記同定モデルは、前記EGR弁の開度を前記制御値として決定する、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項3において、
    前記目標吸気状態が、目標酸素濃度とされている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項3において、
    前記目標吸気状態が、定常時および緩加速時には目標酸素濃度とされ、急加速時には目標充填量とされる、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記排気ターボ式過給機が、過給能力が変更可能な可変式とされ、
    前記制御値として、前記排気ターボ式過給機における過給能力変更用の制御値が含まれるように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    急加速時において、前記目標吸気状態が目標充填量とされ、
    実際の充填量が前記目標充填量よりも小さいときに、実際の充填量が目標充填量に近づくように前記電動式過給機の駆動電流が増大補正されるように設定され、
    前記増大補正前後の前記駆動電流の偏差が所定値以上のときに、前記排気ターボ式過給機が異常であると判定して警報を行う異常判定手段を備えている、
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  8. 請求項7項において、
    前記電動式過給機は、急加速時のみ駆動電流が供給されて過給を行うように設定され、
    前記異常判定手段によって異常判定されたときは、急加速時以外のときでも、前記排気ターボ式過給機による過給圧不足分を前記電動式過給機による過給で補うように、該電動式過給機による過給が行われる、
    ことを特徴とするエンジンの過給装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    前記制御値を出力したときに前記目標吸気状態が得られなかったときに、前記同定モデルを修正する修正手段を備えている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、
    実際のエンジンが、コモンレール式のディーゼルエンジンとされ、
    前記所定の入力パラメータが、エンジン回転とアクセル開度とされている、
    ことを特徴とする
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