JP2008150682A - 直流プラズマ成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電界電子放出源として膜厚均一かつ高品質な膜質を持つ性能に優れた炭素膜を成膜することができる直流プラズマ成膜装置を提供すること。
【解決手段】真空成膜室10の内部に陰極12と陽極14とをその両電極面を対向させて配置し、陰極12を絶縁膜18で周囲が被覆された冷却板16上に搭載し、陰極12をモリブデン材で構成すると共に冷却板16と陰極12との間に両面が一対のモリブデン材36,38で挟まれた触媒金属材40を配置した直流プラズマ成膜装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、陰極に直流負電圧を印加して陽極の電極面近傍に直流プラズマを発生させて炭素膜成膜用のガスを分解して当該陽極の電極面上に基板裏面を向けて配置した基板の表面に電界電子放出源として電子放出性能を有する、サイズがnmオーダーの炭素膜を成膜する直流プラズマ成膜(CVD)装置に関するものである。
図10を参照して従来の直流プラズマ成膜装置を説明すると、従来の直流プラズマ成膜装置では、成膜動作時に真空に減圧される真空成膜室10を有する。この真空成膜室10に陰極12と陽極14とがそれぞれの互いの電極面12a,14aを所定間隔隔てて平行に対向した状態で配置されている。
陰極12の裏面12bにSUS等の金属製である冷却板16が熱伝導結合状態に密着した状態で固定される。冷却板16は陰極12を熱伝導で冷却するためのものであり、陰極12よりも平面寸法が大きくまた板厚も厚く構成されて冷却容量が大きく構成されている。
冷却板16は、陰極12が搭載される陰極側表面においてその略中央領域が陰極搭載領域16aとされ、その陰極搭載領域16aの外側に外周領域16bがある。冷却板16は陰極12と陽極14との間にのみプラズマが発生させるため例えばセラミックによる絶縁膜18が陰極搭載領域16aを除く外周面に形成されている。
陰極12の材料にはSUS、Fe、Cu、Al等の金属が用いられている。
真空成膜室10は接地される。
陽極14は接地され、陰極12には直流電源20の負極が接続される。直流電源20の正極は電源スイッチ22を介して接地される。電源スイッチ22が閉じられると、陰極12には直流負電圧が印加されるようになっている。
真空成膜室10にはガス導入系24と、真空排気系26とが接続されている。
以上の構成を有する直流プラズマ成膜装置においては、真空成膜室10の内圧は真空排気系26により所要の真空圧に制御され、また真空成膜室10内部にはガス導入系24により原料ガスとしての炭化水素とキャリアガスとしての水素との混合ガスが導入される。
この状態で陰極12に直流電源20から直流負電圧が印加されると、陽極14の電極面14a上近傍にプラズマ28が発生する。ガスはこのプラズマ28により分解され、これによって分解されたガス中の炭素成分が、陽極14の電極面14a上にその基板裏面を向けて配置された基板30の表面に、堆積され、その結果、当該基板30表面に電界電子放出源となる炭素膜が成膜されるようになっている。
しかしながら、上記直流プラズマ成膜装置では真空成膜室10内の圧力が上記所要の真空度未満の低圧時には図11で示すように陰極12と陽極13との間に大きく広がるプラズマ28のみではなく冷却板16の外周領域16b上にもプラズマ29が発生している。
そのためプラズマ28,29により分解されたガス中の炭素成分の一部32,33が陰極12の電極面12aやその側面12c、絶縁膜18にも縞状等に堆積される。
この場合、従来では陰極12の材料にSUS、Fe、Cu、Al等の金属が用いられているので、電極面12aや側面12cに堆積された炭素成分32は非導電性になっている。また、絶縁膜18上にも縞状に堆積した炭素成分33も非導電性になっている。
このとき、炭素成分32,33が非導電性であるために当該炭素成分32,33には電子がチャージアップされる。そして真空成膜室10内圧力が低圧の時に低密度で大きく生成されていたプラズマ28,29は該圧力が成膜に必要とする圧力値に上昇すると小さくなる。
このとき、上記炭素成分32,33への電子のチャージアップ量が閾値を超えるとチャージアップ電子が陽極14の電極面14aに向けて放電(アーク放電)34,35することがある。
このような異常放電34,35は基板30表面に炭素膜が成膜されなくなったり不均一に成膜されたりして炭素膜品質が低下する結果、炭素膜の電界電子放出源としての性能に影響してしまう、という課題があった。
さらに、このような異常放電を防止するべく本出願人は鋭意研究を行った所、その研究の過程で、基板上に成膜した炭素膜からなる電界電子放出源(電子エミッタ)の電圧、電流特性(IV特性)を極めて良好に改善することができる技術を見出すことができ、この技術を発展させて本発明を完成することができるに至った。
なお、直流プラズマ成膜装置として特許文献1等が提供されている。
特開2006−283970号公報
すなわち、本発明は、上記した異常放電の発生量を小さく抑制して炭素膜の成膜に際して異常放電による影響を軽減可能とし、加えて膜厚均一かつ高品質な膜質を持ち電界電子放出源として優れたIV特性を発揮することができる炭素膜を成膜可能とした直流プラズマ成膜装置を提供するものである。
本発明第1に係る直流プラズマ成膜装置は、真空成膜室の内部に陰極と陽極とをその両電極面を平行に対向して配置し、陰極を少なくともその陰極側表面が絶縁膜で被覆された冷却板上に搭載した直流プラズマ成膜装置において、上記陰極の少なくともその電極面をモリブデン材で構成するかまたは該陰極の少なくともその電極面にモリブデン材を被着すると共に上記陰極の近傍に触媒金属材を配置し、その触媒金属材の少なくともその一部が真空成膜室内に露出していることを特徴とするものである。
上記陰極はその電極面のみをモリブデン材で構成する場合、その電極面および側面をモリブデン材で構成する場合、陰極全体をモリブデン材で構成する場合のいずれも含む。上記陰極の電極面にのみ、あるいは電極面および側面にモリブデン材を被着してもよい。
上記触媒金属材を構成する金属材の種類としては、鉄、コバルト、ニッケル等、およびこれらの合金を例示することができる。
上記触媒金属材の形態ないし形状は特に限定しないが、板状、盤状、層状等を例示することができる。
本発明第1によれば、陰極の少なくともその電極面がモリブデン材で構成されているので、低圧プラズマ生成時に陰極電極面に生成された炭素成分は導電性を有するようになり、その結果、その炭素成分に電子がチャージアップすることがなくなり、上記炭素成分にチャージアップしている電子による異常放電の発生が抑制されるようになる。
加えて、本発明第1は、上記陰極の近傍、例えば、陰極と冷却板との間に炭素に対してその成膜を促進する作用をする触媒金属材を配置したので、低圧プラズマ生成時に上記触媒金属材から基板上に触媒金属微粒子を供給配置することができるようになる結果、炭素膜成膜のための高圧プラズマ生成時にはその触媒金属微粒子により基板上に電界電子放出源となる炭素膜を膜厚均一かつ高品質な膜質で成膜することができるようになる。
本発明第1の好適な一態様は、上記触媒金属材を板状にして上記冷却板と上記陰極との間に配置し、その触媒金属材の少なくともその外周部を真空成膜室内に露出していることである。
本発明第1の好適な一態様は、上記触媒金属材の少なくとも冷却板側片面に陰極の外径より大きい外径を有して絶縁膜上に延びるモリブデン材を設け、触媒金属材の少なくとも外周部を真空成膜室内に露出させることである。
この態様では、モリブデン材が絶縁膜上に配置され、そのモリブデン材に堆積する炭素成分は導電性となるので、この炭素成分には電子はチャージアップしなくなり、したがって、従来、絶縁膜上に堆積した炭素成分にチャージアップした電子による異常放電が発生しなくなり、その分、基板上に成膜される炭素膜の膜厚をより均一により高品質にすることができるようになる。
本発明第1の好適な一態様は、上記触媒金属材の陰極側他面に陰極の外径より大きい外径を有するモリブデン材が設けられていると共に当該触媒金属材の少なくとも外周部がその両面側のモリブデン材の隙間から真空成膜室内に露出させられていることである。
上記触媒金属材の両面側のモリブデン材は、異常放電の発生を防止する放電防止材となるが、陰極側モリブデン材は上記陰極を構成するモリブデン材と一体化してもよいし別体としてもよく、本発明はいずれも含む。
陰極の平面視形状(平面方向から視た場合の形状)は円形、矩形のいずれも含み、冷却板の平面視形状は円形、矩形のいずれも含む。
上記触媒金属材や放電防止材の平面形状は種々であり、例えば円盤状、矩形盤状、環状板状、等である。
上記モリブデン材はモリブデンのみからなる材料に限定されず、モリブデンが高純度に含んでいれば他の金属との合金でもよい。
上記絶縁膜は好ましくはセラミックからなる。
本発明第1による直流プラズマ成膜装置においては、陽極を接地すると共に陰極に直流負電圧を印加し陰極と陽極との間の空間にプラズマを生成した際に、所定の真空圧に減圧されている真空成膜室に導入したガスがそのプラズマにより分解され、この分解で生成した炭素成分は陽極上に配置した基板の表面に電界電子放出源として成膜するようになっている。
そして、この場合、真空成膜室内圧が上記所定の真空圧以下の低圧のときでも陰極と陽極との間だけでなく放電防止材上にも低密度のプラズマが発生しており、このプラズマによりガスが分解されて炭素成分が生成しその炭素成分の一部が陰極の外周面や放電防止材に縞状に堆積してくる。そして真空成膜室内圧が上記所定の真空圧に到達するようになると、上記プラズマが縮小し、陽極の電極面近傍に高密度のプラズマが生成されてくる。このとき、上記縞状に堆積した炭素成分は、陰極や放電防止材がモリブデン材で構成されていて導電性を持つようになっているので、電子はこの縞状の炭素成分にチャージアップされずに済み、このチャージアップされた電子により陽極の電極面上に配置した基板の成膜に影響することがなくなる。
本発明第2による直流プラズマ成膜装置は、真空成膜室の内部に陰極と陽極とをその両電極面を平行に対向させて配置し、陰極を少なくともその陰極側表面が絶縁膜で被覆された冷却板上に搭載した直流プラズマ成膜装置において、上記陰極の少なくともその電極面をモリブデン材で構成するかまたは該陰極の電極面にモリブデン材を被着し、かつ、冷却板を触媒金属で構成すると共に絶縁膜の一部を開口して冷却板の一部を成膜室内部に露出したことを特徴とするものである。
本発明第2では、陰極の少なくともその電極面がモリブデン材で構成されているので、低圧プラズマ生成時に陰極電極面に生成された炭素成分は導電性を有するようになり、その結果、その炭素成分に電子がチャージアップすることがなくなり、上記炭素成分にチャージアップしている電子による異常放電の発生が抑制されるようになる。加えて、本発明は、冷却板が炭素に対してその成膜を促進する作用をする触媒金属で構成されていると共に絶縁膜の一部が開口され冷却板の一部が成膜室内部に露出させられているので、低圧プラズマ生成時に上記冷却板から基板上に触媒金属微粒子を供給配置することができるようになる結果、炭素膜成膜のための高圧プラズマ生成時にはその触媒金属微粒子により基板上に電界電子放出源となる炭素膜を膜厚均一かつ高品質な膜質で成膜することができるようになる。
以上から、本発明第1、第2では、基板表面に陽極の電極面近傍のプラズマにより分解された炭素成分を膜厚均一かつ高品質な膜質で堆積して電界電子放出源として性能に優れた炭素膜を成膜することができるようになる。
本発明によれば、電界電子放出源としての炭素膜を基体表面に均等な膜厚でかつ高品質に成膜することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置を説明する。図1は実施の形態の直流プラズマ成膜装置の構成を示す断面図である。同図において10は真空成膜室、12は陰極、14は陽極、16は冷却板、18は絶縁膜、20は直流電源、22は電源スイッチ、24はガス導入系、26は真空排気系、30は基板である。上記基板30はその形状に限定されず、例えば断面円形に限らず、楕円や矩形等の非円形を含む。上記基板30は平板状の基板、線状の基板等を含む。線状とはその直径の大きさを限定しないものでありワイヤ状の概念を含むことができる。
以上の構成において上記直流プラズマ成膜装置では、陰極12の全体をモリブデン材で構成すると共に、陰極12の近傍である、陰極12と冷却板16との中間に、両面がモリブデン材36,38で挟まれた触媒金属材40が介装されていることに特徴を備える。上記では陰極12の全体がモリブデン材で構成されているが、陰極12の電極面12aのみ、あるいは電極面12aおよび側面12cを所定厚さを有するモリブデン材で構成するか、陰極12の電極面12a上、あるいは電極面12aおよび側面12cにモリブデン材を被着してもよい。
触媒金属材40両面のモリブデン材36,38は、平板状ないしは円盤状をなし、陰極12の外径より大きい外径を有して絶縁膜18上に延びている。この冷却板側モリブデン材36は絶縁膜18の途中部位まで、あるいは絶縁膜18の外周縁にまで延長して配置してもよい。
触媒金属材40は、炭素に対してその成膜を促進する作用をする触媒金属から構成されている。この触媒金属材40としては、Fe(SUSを含む),Ni,Co等、およびこれらの合金を例示することができる。触媒金属材40は、陰極12の外径より大きい外径を有した丸い皿を下向きにした形状であり、その外周部は下向きに少し延びてフランジ部40aを構成している。触媒金属材40のフランジ部40aは、真空成膜室10内に露出する外周部の面積を大きく確保している。触媒金属材40に対して陰極側に配置された陰極側モリブデン材38は触媒金属材40のフランジ部40aの内側面に係止している。
以上の構成を備えた直流プラズマ成膜装置において、第1工程で、真空成膜室10の内圧を真空排気系26により例えば第1真空圧に減圧し、真空成膜室10内にガス導入系24により水素ガスを導入するとともに陰極12に直流電源20から直流負電圧を印加すると、陰極12と陽極14との間に水素プラズマが発生して基板表面が水素プラズマ処理される。
次いで、第2工程で、真空成膜室10の内圧を第2真空圧(>第1真空圧)に減圧し、ガス導入系24により水素ガスと炭化水素ガスとの混合ガスを導入すると、図2で示すように、陰極12と陽極14との間および絶縁膜18上に大きいが低密度のプラズマ28,29が発生する。そして、ガスはプラズマ28,29により分解され、ガス中の炭素成分32が、陰極12の外周面とモリブデン材36,38、触媒金属材40上に堆積してくる。この炭素成分32は、導電性を有するものである。したがって、この炭素成分32には電子はチャージアップされないから、この炭素成分32による異常放電の発生は無くなる。このとき、上記低圧プラズマ29の生成段階で触媒金属材40から触媒金属微粒子42が生成されてくる。この生成した触媒金属微粒子は加熱されていることにより原料ガスを予め活性化する。すなわち、触媒金属微粒子は低圧プラズマ29中で原料ガスを分解、活性化する。
そして、第3工程で、真空成膜室10の内圧を第3真空圧(>第2真空圧)に減圧されると、図3で示すように上記プラズマ28,29は縮小し、プラズマ29は実質無視し得る程度に縮小しプラズマ28だけになる。このプラズマ28は陽極14の電極面14a近傍に生成し基板30の表面に電界電子放出源となる炭素膜を堆積させる高密度なプラズマとなる。
この場合、第2工程で、基板30上の触媒金属微粒子により原料ガスが予め分解、活性化された状態で、第3工程では上記高密度なプラズマ28によるエネルギ供給により基板30上に成膜されるので、この第3工程では、基板30の表面に、電界電子放出源として膜厚均一でかつ高品質な膜質を持つ、電界電子放出性能に優れた炭素膜44がより高速・高効率で成膜されるようになる。この炭素膜はカーボンナノチューブやカーボンナノウォールとは異なった微細な針状の炭素膜(先端に向かうほど直径が小さくなって針状となる炭素膜)であり、図4で示すように電子放出性能に優れた電界電子放出源となる。また、実施の形態では触媒金属としてFeを用いた場合は、CoやNiを用いた場合に比較して、より炭素膜の成長速度が増大する。
すなわち、実施の形態では原料ガスを単にプラズマにより分解して基板30上に炭素膜を成膜する場合よりも、より電界電子放出性能に優れた、すなわち、IV特性に優れた炭素膜を基板30上に成膜することができるようになる。
図4に示す特性線Aは、触媒金属材40を設けなかった場合に基板30上に生成した炭素膜の電界電子放出源(電子エミッタ)としてのIV特性であり、特性線Bは、触媒金属材40を設けた場合に基板30上に生成した炭素膜の電界電子放出源としてのIV特性である。図4で明らかであるように、実施の形態による直流プラズマ成膜装置では、IV特性に優れた炭素膜44を基板40上に成膜することができる。
なお実施の形態のモリブデン材は99%以上の高純度であることが好ましい。またモリブデンが高純度に含まれるのであれば高温特性等の機能が向上するために他の金属と合金したモリブデン合金であっても良い。モリブデンとしては単結晶高純度のモリブデンがより好ましい。また、モリブデンは電界増倍係数βが大きく、直流高電界下での陰極12表面からの電界電子放出特性に優れる。なお、陰極12とモリブデン材38は中実一体化されたモリブデン材で構成されたものでよい。
なお、図5で示すように、冷却板16と陰極12との間に触媒金属材40を設けただけでもよいし、図6で示すように、冷却板側モリブデン材36の外周部を冷却板16の外周部にまで延長して絶縁膜18を覆うようにしてもよいし、図7で示すように、冷却板側モリブデン材36の外周部を冷却板16の外周部にまで延長して絶縁膜18を覆うと共に、陰極側モリブデン材38を省略してもよい。
なお、図8で示すように、冷却板16を触媒金属で構成すると共に絶縁膜18の一部を開口46し冷却板16の一部を開口46を介して成膜室10内部に露出させるようにしてもよい。この図8で示す構成でも、低圧プラズマ生成時に冷却板16を触媒金属材として基板30上に触媒金属微粒子を供給配置することができるようになる結果、炭素膜成膜のための高圧プラズマ生成時にはその触媒金属微粒子により基板30上に電界電子放出源となる炭素膜を膜厚均一かつ高品質な膜質で成膜することができるようになる。この図8で示す構成においても図4で示すと同等にIV特性に優れた炭素膜44を基板40上に成膜することができる。
なお、図9で示すように、陰極12の電極面12aおよび側面12cならびに絶縁膜18を覆うようにモリブデン材46を設けると共に、このモリブデン材46に対して陰極12の側面12cに対応して開口48する一方、陰極12を触媒金属で構成してもよい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の構成を示す断面図である。 図2は、図1の直流プラズマ成膜装置の低圧プラズマ生成中の断面図である。 図3は、図1の直流プラズマ成膜装置の高圧プラズマ生成中の断面図である。 図4は、実施の形態の直流プラズマ成膜装置により生成した炭素膜のIV特性と比較例のIV特性とを示す図である。 図5は、他の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の要部構成の断面図である。 図6は、さらに他の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の要部構成の断面図である。 図7は、さらに他の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の要部構成の断面図である。 図8は、さらに他の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の要部構成の断面図である。 図9は、さらに他の実施の形態に係る直流プラズマ成膜装置の要部構成の断面図である。 図10は、従来の直流プラズマ成膜装置の断面図である。 図11は、従来の直流プラズマ成膜装置による課題を説明するための断面図である。
符号の説明
10 真空成膜室
12 陰極
14 陽極
16 冷却板
18 絶縁膜
20 直流電源
28 プラズマ
29 プラズマ
30 基板
36,38 モリブデン材
40 触媒金属材

Claims (6)

  1. 真空成膜室の内部に陰極と陽極とをその両電極面を平行に対向して配置し、陰極を少なくともその陰極側表面が絶縁膜で被覆された冷却板上に搭載した直流プラズマ成膜装置において、上記陰極の少なくともその電極面をモリブデン材で構成するかまたは該陰極の少なくともその電極面にモリブデン材を被着すると共に上記陰極の近傍に触媒金属材を配置し、その触媒金属材の少なくともその一部が真空成膜室内に露出している、ことを特徴とする直流プラズマ成膜装置。
  2. 上記触媒金属材を板状にして上記冷却板と上記陰極との間に配置し、その触媒金属材の少なくともその外周部を真空成膜室内に露出していることを特徴とする請求項1に記載の直流プラズマ成膜装置。
  3. 上記陰極の全体をモリブデン材で構成した、ことを特徴とする請求項1または2に記載の直流プラズマ成膜装置。
  4. 上記触媒金属材の少なくとも冷却板側片面に陰極の外径より大きい外径を有して絶縁膜上に延びるモリブデン材を設け、触媒金属材の少なくとも外周部を真空成膜室内に露出した、ことを特徴とする請求項2または3に記載の直流プラズマ成膜装置。
  5. 上記触媒金属材の陰極側他面に陰極の外径より大きい外径を有するモリブデン材を設け、当該触媒金属材の少なくとも外周部をその両面側のモリブデン材の隙間から真空成膜室内に露出した、ことを特徴とする請求項4に記載の直流プラズマ成膜装置。
  6. 真空成膜室の内部に陰極と陽極とをその両電極面を平行に対向させて配置し、陰極を少なくともその陰極側表面が絶縁膜で被覆された冷却板上に搭載した直流プラズマ成膜装置において、上記陰極の少なくともその電極面をモリブデン材で構成するかまたは該陰極の電極面にモリブデン材を被着し、かつ、冷却板を触媒金属で構成すると共に絶縁膜の一部を開口して冷却板の一部を成膜室内部に露出した、ことを特徴とする直流プラズマ成膜装置。
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