JP2008150486A - 熱硬化性樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導率に優れた硬焼マグネシアを含有するBMCにおいて、貯蔵安定性、機械的特性及び成形性に優れた熱硬化性樹脂組成物およびその成形体を提供する。
【解決手段】酸価が7以下であるビニルエステル樹脂5〜15質量%、不飽和ポリエステル樹脂1〜7質量%、及び、硬焼マグネシアを65〜80質量%含有し、更に、低収縮剤及び硬化触媒を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、BMC(バルクモールディングコンパウンド)として用いられる熱放散性に優れた熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物からなる樹脂成形体に関する。詳しくは、モータコイルを封入する材料として好ましく用いられうる熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物からなる樹脂成形体に関する。
BMCは、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂に硬化触媒、低収縮剤、充填材、離型剤、禁止剤、着色剤等を混合して、バルク状に形成したコンパウンドであり、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成形方法を用いて成形される。BMCは寸法精度、機械的強度、成形性に優れているために、厳しい寸法精度が要求されるモータ等の電気部品、自動車部品等の機械部品、住宅設備等の分野で広く用いられている。
コイルを封入する手法はその用途や使用環境に応じて多種多様であるが、従来より、モータ等に用いられるコイルを保護するために、BMCによってコイルを封入する手法が知られている。
通常、モータは作動中に熱を持ち始め、次第に高温になっていく。特に電流が流れるコイル部分は、ジュール熱が発生して昇温し、蓄熱しやすい。そして、蓄熱により、モータの温度が上昇すると出力が低下するために、本来のモータ性能が得られなくなる。よって、モータを高効率で駆動させるためには、コイルの熱放散性を高めて、温度上昇を防ぐための熱対策が必要である。特に、モータの高出力化や小型化を図る場合には、熱対策が特に重要になる。上記熱対策としては、例えば、BMCに充填材を多量に配合することにより、コイルの熱放散性を向上させるという手法がある。
BMCの充填材としては、従来より、水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムが広く用いられているが、これらは熱伝導率が低いために充分な熱放散性を得ることができない。また、BMCの熱伝導率を高めるために充填材を高充填した場合には、流動性が著しく損なわれ、安定した成形性を備えるというBMCの本来の特徴が失われるという問題があった。
前記問題を解決するために、BMCの充填材として熱伝導率が高いマグネシア(酸化マグネシウム)、特に、1600℃以上の温度で焼結された硬焼マグネシアを用いる方法が知られている(例えば、特許文献1)。硬焼マグネシアを用いることにより、BMCに高熱伝導率を付与することができ、熱放散性を向上させることができる。
特開2003−192885号公報
しかしながら、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と硬焼マグネシアとを混合して得られる熱硬化性樹脂組成物においては、少量の硬焼マグネシアを含有する場合であっても、樹脂流動性が低下して成形性が低下し、また、樹脂粘度が経時的に上昇することにより経時的に成形性が低下するという問題、すなわち、貯蔵安定性が悪いという問題があった。
本発明は、熱伝導率に優れた硬焼マグネシアを含有するBMCに用いられる熱硬化性樹脂組成物おいて、成形性及び貯蔵安定性に優れ、且つ、その硬化物の熱放散性及び機械的特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物およびその成形体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と硬焼マグネシアとを混合して得られる熱硬化性樹脂組成物においては、ビニルエステル樹脂に含有されるカルボキシル基が硬焼マグネシアにキレート配位し、見掛け上、樹脂が長鎖状に配列することにより経時的に増粘し、樹脂の流動性が低下するのではないかと考えた。上記検討に基づき、ビニルエステル樹脂の酸価に着目して実験を重ねたところ、酸価が一定値よりも低い場合には、樹脂粘度の上昇が抑制されることが分かった。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、酸価が7以下であるビニルエステル樹脂5〜15質量%、不飽和ポリエステル樹脂1〜7質量%、及び、硬焼マグネシアを65〜80質量%を含有し、更に、低収縮剤及び硬化触媒を含有するものである。このような構成によれば、硬焼マグネシアを含有する熱硬化性樹脂組成物において、成形性及び貯蔵安定性に優れ、且つ、その硬化物の熱放散性及び機械的特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
前記酸価が3以下である場合には、さらに、貯蔵安定性、及び成形性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる点から好ましい。
また、前記ビニルエステル樹脂が、酸価0のノボラック型ビニルエステル樹脂である場合には、さらに貯蔵安定性、及び成形性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる点から好ましい。
また、前記硬化触媒が、パーオキシケタール系硬化触媒である場合には、特に貯蔵安定性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる点から好ましい。
また、熱硬化性樹脂組成物がジアリルフタレート樹脂を含有する場合には、さらに機械強度や耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる点から好ましい。
本発明の樹脂成形体は、上記熱硬化性樹脂組成物を成形し、硬化することにより得られることを特徴とする。このような樹脂成形体は、熱伝導性と機械的強度に優れたものであり、BMCの用途等に好ましく用いられうる。
本発明によれば、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と硬焼マグネシアとを含有する熱硬化性樹脂組成物において、貯蔵安定性、及び成形性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。また、本発明の熱硬化性樹脂を硬化して得られる樹脂成形体は高い熱伝導性と機械的強度を有する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、酸価が7以下であるビニルエステル樹脂5〜15質量%、不飽和ポリエステル樹脂1〜7質量%、及び、硬焼マグネシア65〜80質量%を含有し、更に、低収縮剤及び硬化触媒を含有するものである。
本発明に用いられるビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸の付加反応物であり、末端にのみ不飽和基を有する化合物である。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸及びその誘導体等が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加重合物からなるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレートや、ノボラック型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との付加重合物からなるノボラック骨格を有するノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましく用いられる。
ビニルエステル樹脂の酸価は7以下であり、好ましくは5以下、更に好ましくは0である。酸価が7を超える場合には、ビニルエステル樹脂に含有されるカルボキシル基が硬焼マグネシアにキレート配位しやすくなり、増粘性が大きくなるために流動性が低下し、また、貯蔵安定性も悪くなる。
なお、酸価が0であるビニルエステル樹脂を用いた場合には、カルボキシル基が硬焼マグネシアにキレート配位しないために、特に優れた貯蔵安定性及び流動性が得られるが、一方で、硬化物の機械的強度や耐熱性が低下するおそれがある。この場合には、酸価が0のノボラック型ビニルエステル樹脂を用いることにより、硬化物の機械的強度や耐熱性を損なうことなく、優れた流動性と貯蔵安定性とを有する樹脂組成物が得られる。
酸価が7以下のビニルエステル樹脂の具体例としては、例えば、日本ユピカ(株)製のネオポール8250H(酸価6)、大日本インキ化学工業(株)製のTP835(酸価3)、大日本インキ化学工業(株)製のVP700(酸価0)等が挙げられる。
本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹脂は、分子内に不飽和結合とエステル結合を有する公知の熱硬化性のポリエステル樹脂が特に限定なく用いられる。このような不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイン酸のような不飽和多塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させることにより得られる。
不飽和ポリエステル樹脂の具体例としては、例えば、日本ユピカ(株)製の「ユピカ7123」や、武田薬品工業(株)製の「ポリマール9516」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中のビニルエステル樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の配合割合は、ビニルエステル樹脂の配合割合が5〜15%であり、好ましくは5〜12%であり、不飽和ポリエステル樹脂の配合割合が1〜7質量%である。不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂の配合割合をこのような範囲に設定することにより、成形流動性、充填性、貯蔵安定性に優れ、また、得られる硬化物の熱伝導性も優れる。一方、上記配合割合が上記範囲外の場合には、成形流動性や充填性が低下したり、硬化物の熱伝導性、機械的強度、耐熱性が低下する。
本発明に用いられる硬焼マグネシアは、無機充填材として用いられるものであり、1600℃以上の温度で水酸化マグネシウムを焼成することにより得られる酸化マグネシウムを粉砕及び整粒することにより得られる。硬焼マグネシアは高い熱伝導率を有するために、無機充填材として用いた場合には、得られる硬化物に高い熱伝導性を付与することができる。また、硬焼マグネシアを無機充填材として用いた場合には、熱硬化性樹脂組成物の成形性が低下しにくく、成形性の経時変化も小さく、貯蔵安定性に優れた樹脂組成物が得られる。なお、マグネシアとしては、硬焼マグネシアのほかに、800℃前後で焼成して得られる軟焼マグネシアがあるが、軟焼マグネシアは表面活性が高く、反応性に富む。従って、軟焼マグネシアを無機フィラーとして用いた場合には、得られる樹脂組成物の経時変化を促進し、また、成形性が大幅に低下する。
硬焼マグネシアの平均粒径としては、5〜40μm、さらには、5〜30μmの範囲であることが好ましい。平均粒径がこの範囲の場合には、とくに良好な成形性が得られる。なお、異なる平均粒径を有する硬焼マグネシアを併用してもよい。
硬焼マグネシアの具体例としては、例えば、タテホ化学工業(株)製の「電熱用電融マグネシア・KMAOHシリーズ」、「電熱用電融マグネシア・KMBOシリーズ」、「高純度電融マグネシア・SSPシリーズ」や、神野島化学工業(株)製の「中国電融マグネシアMgo99」等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物中の硬焼マグネシアの配合割合は、65〜80質量%である。硬焼マグネシアの配合割合が65質量%未満の場合には、得られる成形体の熱伝導率が不充分になり、80質量%を超えると熱硬化性樹脂組成物中の樹脂量が低下して粘性が不足して、成形性が悪くなる。
本発明に用いられる低収縮剤は、熱硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られる成形体の収縮を低減し、反りや捻れを抑制するための成分である。低収縮剤としては、従来から硬化性樹脂の低収縮剤として用いられているものが、特に限定なく用いられる。低収縮剤の具体例としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル−ポリスチレンブロックコポリマー、アクリル−スチレン等の多層構造ポリマー等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物中の低収縮剤の配合割合としては、3〜8質量%であることが好ましい。低収縮剤の配合割合が少なすぎる場合には、熱硬化性樹脂組成物の硬化に伴う収縮を防止する低収縮効果を充分に得ることができない傾向があり、多すぎる場合には機械的強度が低下する傾向がある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、更に、硬化触媒が含有される。硬化触媒としては、各種過酸化物が特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、t‐ブチルパーオキシ2‐エチルヘキサノエート、t‐アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中ではパーオキシケタール系硬化触媒、である1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンが貯蔵安定性に優れる点から好ましい。
熱硬化性樹脂組成物中の硬化触媒の配合割合としては、0.1〜1質量%であることが好ましい。硬化触媒の配合割合が少なすぎる場合には、熱硬化性樹脂組成物の硬化反応が充分に活性化されず、多すぎる場合には貯蔵安定性が悪くなる傾向がある。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ジアリルフタレート樹脂を更に含有する場合には、機械的強度や耐熱性が向上する点から好ましい。ジアリルフタレート樹脂の種類は特に限定されず、その具体例としては、例えばジアリルイソフタレート樹脂、ジアリルオルソフタレート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂およびそれらの変性樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ジアリルフタレート樹脂を配合する場合の熱硬化性樹脂組成物中の配合割合としては、0.1〜5質量%、さらには0.5〜2質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎる場合には、機械的強度や耐熱性の向上効果が不充分になり、多すぎる場合には成形性が低下するおそれがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、繊維強化材、離型剤、その他の充填材、増粘剤、顔料等を更に配合してもよい。
繊維強化剤としては、ガラス繊維等の無機繊維や各種有機繊維が用いられる。その繊維長としては1.5〜5mm程度であることが好ましい。繊維長が短すぎる場合には、充分な補強効果が得られず、長すぎる場合には成形性が低下する傾向がある。
また、離型剤としては、従来から一般的に用いられている成形材料用の離型剤が特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、ステアリン酸、ミスチリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪族酸金属塩、リン酸エステル等の界面活性剤等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分を所定の割合で配合し、ミキサーやブレンダーで均一に混合した後に、ニーダーやロール等で混練することによりBMCである熱硬化性樹脂組成物が得られる。上記混練は30〜40℃程度で行うことが好ましい。
そして、得られた熱硬化性樹脂組成物はトランスファー成形、射出成形、圧縮成形(直圧成形)等により成形される。コイル封入成形体を得る方法としては、例えば、トランスファー成形の金型にコイルをセットし、トランスファー成形により、金型内に樹脂を充填させ、所定の温度に設定した金型内で所定の時間保持することにより樹脂成分を硬化させることにより得られる。
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記コイル部品のみならず、住宅設備、機械部品、自動車部品等の用途にも好ましく用いられる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は、実施例により限定されるものではない。
はじめに、実施例で用いた原材料を以下にまとめて示す。
(ビニルエステル樹脂)
・酸価0のノボラック型ビニルエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製VP700)
・酸価3のビスフェノールA型ビニルエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製TP835)
・酸価6のビスフェノールA型ビニルエステル樹脂(日本ユピカ(株)製ネオポール8250H)
・酸価13のビスフェノールA型ビニルエステル樹脂(日本ユピカ(株)製ネオポール8355)
・酸価14のノボラック型ビニルエステル樹脂(日本ユピカ(株)製ネオポール8400H)
(不飽和ポリエステル樹脂)
・日本ユピカ(株)製 ユピカ7123
(ジアリルフタレート樹脂)
・ダイソー(株)製 DAPK
(低収縮剤)
・松下電工(株)製のポリスチレン CJ3947
(硬焼マグネシア)
・タテホ化学工業(株)製 SSP
(硬化触媒)
・アルキルパーエステル系硬化触媒:t‐ブチルパーオキシベンゾエート
・パーオキシケタール系硬化触媒:1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(離型剤)
・ステアリン酸亜鉛
(ガラス繊維)
・繊維長3mmのNSGヴェトロテックス(株)製 RES03BM5
[実施例1〜7、及び比較例1〜7]
下記[表1]に示す配合割合に従い、各成分を配合及び混合した後、ニーダーに投入して30〜40℃で20〜40分間混合することにより、BMCである熱硬化性樹脂組成物を調製した。
そして、得られた熱硬化性樹脂組成物の特性を以下の方法により評価した。
(熱伝導率)
φ100mm×20mmの円板金型を用いて、金型温度145℃、型締圧力10MPa、硬化時間20分間の条件で、圧縮成形することにより、φ100mm×20mmで厚み20mmの円板形状の試験片を得た。そして、QTM法に基づいて熱伝導率を測定した。
(流動性)
断面積4.156mmのスパイラルフロー測定用金型を用いて、金型温度150℃、型締時間60秒、注入圧力30秒、硬化時間90秒の条件でトランスファー成形することにより、スパイラルフローの流動長を測定した。
(貯蔵安定性)
各熱硬化性樹脂組成物を20℃の恒温室に保管し、一定期間経過後のスパイラルフローの流動長を測定した。そして、初期のスパイラルフローの流動長に対して、80%の流動長を維持する貯蔵期間を特定した。
(充填性)
コイル封入用の金型のキャビティ内に、コイルをセットして型締した後、金型温度145℃、注入圧力50MPa、硬化時間3分間の条件でトランスファー成形することによりコイル封入成形体を製造した。そして、得られたコイル封入成形体の外観を観察して、以下の基準により評価した。
「○」 : ピンホール、カスレ、ウェルド等なし
「×」 : ピンホール、カスレ、ウェルド等有り
(耐熱性)
30mm×40mm×3mmの角板金型を用いて、金型温度155℃、型締圧力10MPa、硬化時間90秒の条件で、圧縮成形することにより、30mm×40mm×3mmの角板形状の試験片を得た。そして、得られた試験片を200℃に設定したオーブン中に48時間投入した後、加熱減量を測定した。
(曲げ強度)
JIS K6911に準じて、曲げ強度測定用の試験片金型を用いて、金型温度145℃、型締圧力10MPa、硬化時間3分間の条件で、圧縮成形することにより、曲げ強度測定用試験片を得、曲げ強度を評価した。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2008150486
Figure 2008150486
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜7の熱硬化性樹脂組成物は、いずれも、流動性、貯蔵安定性、充填性、硬化物の耐熱性、及び硬化物の熱伝導性の全てにおいて優れていた。一方、表2の結果から、酸価が14、または13のビニルエステル樹脂を用いた比較例1及び5の熱硬化性樹脂組成物においては、流動性及び貯蔵安定性が悪かった。また、ビニルエステル樹脂の配合割合が少ない比較例2の熱硬化性樹脂組成物も、流動性及び貯蔵安定性が悪かった。さらに、ビニルエステル樹脂の配合割合が多い比較例3の熱硬化性樹脂組成物は、流動性、貯蔵安定性及び充填性は優れていたが、硬化物の熱伝導性が悪かった。また、硬焼マグネシアの配合割合が多い比較例4の熱硬化性樹脂組成物も、流動性及び貯蔵安定性が著しく悪かった。また、硬焼マグネシアの代わりに軟焼マグネシアを用いた比較例6の熱硬化性樹脂組成物も、流動性及び貯蔵安定性が著しく悪かった。また、不飽和ポリエステル樹脂を含有しない比較例7の熱硬化性樹脂組成物は曲げ強度が著しく低かった。

Claims (6)

  1. 酸価が7以下であるビニルエステル樹脂5〜15質量%、不飽和ポリエステル樹脂1〜7質量%、及び、硬焼マグネシア65〜80質量%を含有し、更に、低収縮剤及び硬化触媒を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記酸価が3以下である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ビニルエステル樹脂が、酸価0のノボラック型ビニルエステル樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記硬化触媒がパーオキシケタール系硬化触媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. ジアリルフタレート樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5に記載の熱硬化性樹脂組成物を成形し、硬化することにより得られることを特徴とする樹脂成形体。
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