JP2008150307A - 体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤の提供。
【解決手段】プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤。
【選択図】なし
【解決手段】プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤に関し、詳細には、プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤に関する。
近年、我が国においても、食生活の変化や運動不足により肥満患者が増大し、大きな社会問題となっている。肥満とは過度の体脂肪が蓄積することであるが、特に、内臓脂肪の蓄積は糖尿病、高脂血症のような生活習慣病を引き起こすため、これを防ぐための医薬品や食品の開発が求められている。
これまでに、共役トリエン構造を有する共役高度不飽和脂肪酸グリセリドを含有してなる食品用加工油脂が、腎臓周囲脂肪組織および卵巣周囲脂肪組織の蓄積抑制効果および低減効果を有することが報告されている(特許文献1)。しかし、共役トリエン構造を有する共役高度不飽和脂肪酸を含む油脂が肝臓重量または皮下脂肪蓄積の抑制効果および低減効果を有することについては示唆も開示もされていない。
また、これまでに、ザクロ種子油添加食が腹部の白色脂肪組織の重量や血清の脂質レベルに対し抑制効果がないこと(非特許文献1)、ザクロ種子油を添加されたマウスの血清脂質が対照群に比べ上昇し、また、脂肪組織の重量の抑制に効果がなかったこと(非特許文献2)が報告されている。一方で、ザクロ種子油の添加により、体重増加が抑制されること(特許文献2)、腎臓周辺脂肪組織の重量が抑制される傾向にあること(特許文献3)が報告されている。しかし、プニカ酸を多く含むザクロ種子油に肝臓重量や皮下脂肪の蓄積を抑制する効果があることは知られていなかった。
特開2002−165559号公報
特開2005−179264号公報
特開2005−239704号公報
Arao, K., et al. (2004). Bio Med Central 3(24):
Yamasaki, M., et al. (2006) Nutrition 22: 54-59
本発明者らは、高炭水化物食に含まれる紅花油をザクロ種子油に換えることにより、体脂肪の蓄積が抑制されることを見出した(実施例2)。本発明者らは、また、高脂肪食に含まれる紅花油の一部をザクロ種子油に換えることにより、体脂肪、具体的には、子宮周囲脂肪組織、後腹壁脂肪組織をはじめとする内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積が有意に抑制されることを見出した(実施例2)。本発明者らは、さらに、高脂肪食に含まれる紅花油の一部をザクロ種子油に換えることにより、肝臓重量の増加が有意に抑制されることを見出した(実施例2)。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤およびプニカ酸またはそのエステルを含んでなる体脂肪の蓄積の低減に用いられる食品添加剤の提供を目的とする。
本発明によれば、プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤が提供される。
本発明によれば、プニカ酸またはそのエステルを含んでなる、体脂肪の蓄積の低減に用いられる食品添加剤が提供される。
本発明によれば、ザクロ種子油を有効成分として用いる場合、摂取する脂肪の量は変えず、油の種類を換えることで体脂肪の蓄積に起因する疾患を治療することができるため、QOL(Quality of Life)を下げない効果的な食事療法を提供できる点で有利である。また、これまでザクロの種子はザクロジュースの製造の際に大量に廃棄されていたため、廃物利用の観点からも有利である。さらに、ザクロ種子油においてプニカ酸はトリグリセライドとして存在するため、脂肪酸であるプニカ酸としてよりも酸価が低く、風味が良好である点でも有利である。
有効成分
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸は、共役リノレン酸の一種である。プニカ酸は、ザクロ種子油等に含まれ、ザクロ種子油には通常30〜90%程度含まれる。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸は、共役リノレン酸の一種である。プニカ酸は、ザクロ種子油等に含まれ、ザクロ種子油には通常30〜90%程度含まれる。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸のエステルは、例えば、本発明において有効成分として用いられるプニカ酸を構成脂肪酸とするグリセライドである。グリセライドとしては、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライドが挙げられるが、好ましくは、トリグリセライドである。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸またはそのエステルは、市販されているものを入手することができる。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸またはそのエステルは、公知の方法に従って製造することができる。例えば、本発明において有効成分として用いられるプニカ酸は、食用油とその生産(1992)、幸書房に記載の方法に従って製造することができる。また、本発明において有効成分として用いられるプニカ酸のエステルは、油脂化学工業(1961)、工業技術新書に記載の方法に従って製造することができる。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸またはそのエステルは、ザクロ種子油から精製されたものを使用することができる。
本発明において有効成分として用いられるプニカ酸またはそのエステルは、好ましくは、ザクロ種子油由来のものであり、ザクロ種子油をそのまま有効成分として使用することもできる。
ザクロ種子油は、市販されているものを入手することもできるし、公知の方法に従って製造することもできる。
本発明において、プニカ酸またはそのエステルを治療剤として用いる場合、治療剤中のプニカ酸またはそのエステルの含有量は、好ましくは、2.5重量%以上であり、より好ましくは、2.5〜90重量%である。
用途
実施例2によれば、高炭水化物食(低脂肪食)へのザクロ種子油添加群において、体脂肪の重量および体脂肪率の減少傾向が認められた。また、子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織の減少傾向が認められた。さらに、皮下脂肪組織の減少傾向が認められた。
実施例2によれば、高炭水化物食(低脂肪食)へのザクロ種子油添加群において、体脂肪の重量および体脂肪率の減少傾向が認められた。また、子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織の減少傾向が認められた。さらに、皮下脂肪組織の減少傾向が認められた。
実施例2によればまた、高脂肪食へのザクロ種子油添加群において、体脂肪の重量、体脂肪率が有意に減少し、また、高脂肪食群でみられる実験食開始12週目からの有意な体重増加が、ザクロ種子油添加群では抑制されることが認められた。また、肝臓、子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織の重量が有意に減少することが認められた。さらに、皮下脂肪組織の重量が有意に減少することが認められた。
以上の結果から、ザクロ種子油の投与により、体脂肪重量、具体的には内臓脂肪重量および皮下脂肪重量を有意に低下させることが可能であることが認められた。これは、プニカ酸もしくはそのエステルまたはこれらを含有するザクロ種子油の、好ましくは高脂肪食への、添加により、体脂肪の蓄積に起因する疾患、具体的には、内臓脂肪の蓄積に起因する疾患または皮下脂肪の蓄積に起因する疾患を改善できることを示す。従って、プニカ酸もしくはそのエステルまたはこれらを含有するザクロ種子油は、内臓脂肪の蓄積に起因する疾患または皮下脂肪の蓄積に起因する疾患の治療に用いることができる。特に、肝臓重量の有意な減少および子宮周囲脂肪組織の有意な減少が認められたことから、プニカ酸もしくはそのエステルまたはこれらを含有するザクロ種子油は、脂肪肝または内臓脂肪型肥満症の治療に用いることができる。また、皮下脂肪組織の有意な減少が認められたことから、プニカ酸もしくはそのエステルまたはこれらを含有するザクロ種子油は、皮下脂肪型肥満症の治療に用いることができる。
本発明によれば、共役リノール酸の添加で生じるLipodystrophy様症状(脂肪肝、脾臓の肥大、褐色脂肪の消失)(Tsuboyama-Kasaoka, N., et al. (2003) J. Nutr. 133: 1793-1799)は認められない点で有利である。また、共役リノール酸の添加で認められる偏った脂肪組織の減少は認められず、すべての脂肪組織が同程度に減少する点で有利である。
本願明細書において「治療」とは、予防および改善を含む意味で用いられるものとする。
本願明細書において「体脂肪の蓄積に起因する疾患」としては、内臓脂肪の蓄積に起因する疾患、皮下脂肪の蓄積に起因する疾患が挙げられる。
本願明細書において「内臓脂肪の蓄積に起因する疾患」としては脂肪肝、内臓脂肪型肥満症等が挙げられ、好ましくは脂肪肝である。
本願明細書において「皮下脂肪の蓄積に起因する疾患」としては、皮下脂肪型肥満症等が挙げられる。
本発明による治療剤の好ましい態様としては、プニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として含んでなる、脂肪肝の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤の好ましい態様としては、また、プニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として含んでなる、皮下脂肪の蓄積に起因する疾患(好ましくは、皮下脂肪型肥満症)の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤のより好ましい態様としては、ザクロ種子由来のプニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として含んでなる、脂肪肝の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤のより好ましい態様としては、また、ザクロ種子由来のプニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として含んでなる、皮下脂肪の蓄積に起因する疾患(好ましくは、皮下脂肪型肥満症)の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤の特に好ましい態様としては、ザクロ種子由来のプニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として2.5〜90重量%の含有量で含んでなる、脂肪肝の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤の特に好ましい態様としては、また、ザクロ種子由来のプニカ酸またはそのトリグリセライドを有効成分として2.5〜90重量%の含有量で含んでなる、皮下脂肪の蓄積に起因する疾患(好ましくは、皮下脂肪型肥満症)の治療剤が挙げられる。
本発明による治療剤および食品添加剤は、プニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有したザクロ種子油を有効成分として用い、生理学的に許容されうる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などと混合することにより製造できる。医薬品や食品添加剤の製造に使用できる担体、賦形剤、結合剤、希釈剤などは周知であり、剤形に応じて適宜選択できる。
プニカ酸またはそのエステルの投与量は、例えば、投与経路、症状の程度、患者の年齢、性別、体重などの様々な要因に基づいて、適宜決定することができる。例えば、実施例におけるマウスへの投与量を体重を基にヒトに換算すると、ヒトへの投与量は、成人(体重50〜60kg)あたり、経口投与では100〜120g/日とすることができるが、10〜150g/日としても所定の効果を期待することができる。また、実施例におけるマウスへの投与量を摂取カロリーを基にヒトに換算すると、ヒトへの投与量は、成人(2000kcal/日摂取)あたり、経口投与では10〜15g/日とすることができるが、1〜40g/日としても所定の効果を期待することができる。実際の投与量は、症状の程度等により変動することもあり、上記の投与範囲から逸脱することがある。
本発明においてプニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有したザクロ種子油を食品に添加する場合、添加可能な食品の種類は特に限定されないが、例えば、ゼリー、ヨーグルト等の飲料、ビスケット、油菓子等の菓子類、ソーセージ、ウインナー等の魚畜肉食品、バター等の乳製品、サラダ油、フライ油等の食用油脂、マーガリン等の加工油脂食品、ドレッシング、マヨネーズ等の調味料などが挙げられる。
本発明によれば、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤の製造のための、プニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有するザクロ種子油の使用が提供される。
本発明によれば、また、体脂肪の蓄積の低減に用いられる食品添加剤の製造のための、プニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有するザクロ種子油の使用が提供される。
本発明によれば、有効量のプニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有するザクロ種子油を、哺乳類または魚類に投与する工程を含んでなる、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療方法が提供される。
本発明によれば、また、有効量のプニカ酸もしくはそのエステルまたはそれらを含有するザクロ種子油を、哺乳類または魚類に投与する工程を含んでなる、体脂肪の蓄積を低減させる方法が提供される。
ここで、「哺乳類」としては、イヌ、ネコ等の伴侶動物、ウシ、ブタ等の家畜、ヒトが挙げられる。また、「魚類」としては、増殖魚が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:ザクロ種子油の短期投与が内臓脂肪の蓄積に及ぼす影響
1.実験動物および実験条件
8週齢のC57BL6j雌マウス(SLCより入手)を、(1)高炭水化物食群(以下、HC食群という)、(2)高脂肪食群(以下、「HF食群」という)、(3)HF食+5%ザクロ種子油添加群(以下、「5%ザクロ種子油添加群」という)、(4)HF食+10%ザクロ種子油添加群(以下、「10%ザクロ種子油添加群」という)の4群に群分けし(各群5匹)、6日間飼育した後、解剖した。飼育期間中、餌は自由摂取させた。解剖前日は、十分量の餌を給餌し、解剖当日は非絶食条件下において、解剖を実施した。
1.実験動物および実験条件
8週齢のC57BL6j雌マウス(SLCより入手)を、(1)高炭水化物食群(以下、HC食群という)、(2)高脂肪食群(以下、「HF食群」という)、(3)HF食+5%ザクロ種子油添加群(以下、「5%ザクロ種子油添加群」という)、(4)HF食+10%ザクロ種子油添加群(以下、「10%ザクロ種子油添加群」という)の4群に群分けし(各群5匹)、6日間飼育した後、解剖した。飼育期間中、餌は自由摂取させた。解剖前日は、十分量の餌を給餌し、解剖当日は非絶食条件下において、解剖を実施した。
2.測定項目
体重および摂食量は、飼育期間中毎日測定した。
体重および摂食量は、飼育期間中毎日測定した。
子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織、肝臓は、解剖時に採取し、重量を測定した。
3.実験結果
各群の摂食量の推移を図1に、各群の摂食量の平均(4日間)を図2に示す。5%ザクロ種子油添加群では、摂食量の減少は認められなかったが、10%ザクロ種子油添加群では、摂食量の軽度の減少が認められた。
各群の体重量の推移を図3に、各群の最終体重を図4に示す。5%ザクロ種子油添加群では、体重の減少は認められなかったが、10%ザクロ種子油添加群では、体重の減少が認められた。
各群の摂食量の推移を図1に、各群の摂食量の平均(4日間)を図2に示す。5%ザクロ種子油添加群では、摂食量の減少は認められなかったが、10%ザクロ種子油添加群では、摂食量の軽度の減少が認められた。
各群の体重量の推移を図3に、各群の最終体重を図4に示す。5%ザクロ種子油添加群では、体重の減少は認められなかったが、10%ザクロ種子油添加群では、体重の減少が認められた。
各群の子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織、肝臓の重量を図5〜7に示した。子宮周囲脂肪組織については、ザクロ種子油の濃度依存的な減少が認められ、後壁腹脂肪組織については、ザクロ種子油の濃度依存的な有意な減少が認められた。肝臓については、ザクロ種子油摂取による影響は認められなかった。
以上の結果から、ザクロ種子油が6日間の体脂肪の蓄積を抑制する可能性が示唆された。しかし、10%ザクロ種子油食群では摂食量が減少しているため、体脂肪蓄積の抑制が摂食量の減少によるものである可能性が考えられる。従って、以後摂食量が減少しない5%以下のザクロ種子油を添加した試料を用いて長期飼育を行い、生活習慣病に対する影響を検討した。
実施例2:ザクロ種子油の長期投与が内臓脂肪の蓄積に及ぼす影響
1.実験動物および実験条件
8週齢のC57BL6j雌マウス(SLCより入手)を、(1)HC食群、(2)HC食+4%ザクロ種子油添加群、(3)HF食群、(4)HF食+4%ザクロ種子油添加群の4群に群分けし(各群6匹)、15週間飼育した。飼育期間中、餌は自由摂取させた。解剖前日は、十分量の餌を給餌し、解剖当日は非絶食条件下においた。
1.実験動物および実験条件
8週齢のC57BL6j雌マウス(SLCより入手)を、(1)HC食群、(2)HC食+4%ザクロ種子油添加群、(3)HF食群、(4)HF食+4%ザクロ種子油添加群の4群に群分けし(各群6匹)、15週間飼育した。飼育期間中、餌は自由摂取させた。解剖前日は、十分量の餌を給餌し、解剖当日は非絶食条件下においた。
2.測定項目
体重は、飼育期間中毎日測定した。
体重は、飼育期間中毎日測定した。
肝臓、子宮周囲脂肪組織、褐色脂肪組織、後壁腹脂肪組織、皮下脂肪組織、および総体脂肪は、解剖時に採取し、重量を測定した。
体脂肪率は、2強度X線吸収測定法(DEXA)にて、最終体重と総体脂肪とから算出した。
3.実験結果
(1)HC食群およびHC食+4%ザクロ種子油添加群について
各群の体重量の推移を図8に、最終体重を図9に示す。体重量の推移および最終体重については、群間で有意な差は認められなかった。
(1)HC食群およびHC食+4%ザクロ種子油添加群について
各群の体重量の推移を図8に、最終体重を図9に示す。体重量の推移および最終体重については、群間で有意な差は認められなかった。
各群の体脂肪量を図10に、体脂肪率を図11に示す。体脂肪量、体脂肪率については、ザクロ種子油添加群において減少傾向が認められた。
各群の各内臓脂肪の重量を図12〜15に示す。ザクロ種子油添加群において、子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織の重量については減少傾向が認められた。特に、後壁腹脂肪組織は52%減少した。
各群の皮下脂肪の重量を図16に示す。皮下脂肪組織については、ザクロ種子油添加群において減少傾向が認められた。
なお、共役リノール酸の添加で生じる脂肪肝、脾臓の肥大、褐色脂肪の消失等のLipodystrophy様症状は認められなかった。
以上の結果から、ザクロ種子油には、低脂肪食において内臓脂肪重量および皮下脂肪重量を低下させる作用があることが認められた。これは、ザクロ種子油の摂取により内臓脂肪および皮下脂肪の蓄積が改善されることを示唆するものである。
(2)HF食群およびHF食+4%ザクロ種子油添加群について
各群の体重量の推移を図8に、最終体重を図9に示す。体重量については、HF食群でみられる実験食開始12週目からの有意な体重増加が、ザクロ種子油添加群では抑制されることが認められた。
各群の体重量の推移を図8に、最終体重を図9に示す。体重量については、HF食群でみられる実験食開始12週目からの有意な体重増加が、ザクロ種子油添加群では抑制されることが認められた。
各群の体脂肪量を図10に、体脂肪率を図11に示す。体脂肪量、体脂肪率は、ザクロ種子油添加群において有意に減少した。
各群の各内臓脂肪の重量を図12〜15に示す。ザクロ種子油群において、肝臓、子宮周囲脂肪組織、後壁腹脂肪組織の重量は有意に減少した。
各群の皮下脂肪の重量を図16に示す。皮下脂肪組織の重量については、ザクロ種子油添加群において有意に減少した。
なお、共役リノール酸の添加で生じるLipodystrophy様症状(脂肪肝、脾臓の肥大、褐色脂肪の消失)は認められなかった。また、共役リノール酸の添加では認められない肝臓重量の有意な減少、子宮周囲脂肪組織の有意な減少が認められた。さらに、共役リノール酸の添加で認められる偏った脂肪組織の減少は認められず、すべての脂肪組織が同程度に減少した。
以上の結果から、ザクロ種子油には、高脂肪食において内臓脂肪重量および皮下脂肪重量を低下させる作用があることが認められた。これは、ザクロ種子油の摂取により内臓脂肪および皮下脂肪の蓄積が改善されることを示唆するものである。
Claims (7)
- プニカ酸またはそのエステルを有効成分として含んでなる、体脂肪の蓄積に起因する疾患の治療剤。
- 体脂肪の蓄積に起因する疾患が、内臓脂肪の蓄積に起因する疾患または皮下脂肪の蓄積に起因する疾患である、請求項1に記載の治療剤。
- 内臓脂肪の蓄積に起因する疾患が、脂肪肝または内臓脂肪型肥満症である、請求項2に記載の治療剤。
- 皮下脂肪の蓄積に起因する疾患が、皮下脂肪型肥満症である、請求項2に記載の治療剤。
- プニカ酸が、ザクロ種子油由来である、請求項1に記載の治療剤。
- プニカ酸の含有量が、2.5〜90重量%である、請求項1に記載の治療剤。
- プニカ酸またはそのエステルを含んでなる、体脂肪の蓄積の低減に用いられる食品添加剤。
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