JP2008149939A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
そこで、本発明はインフレータと導管部分とが接続されガス供給口が解放された、オープンの状態でも、簡便かつ効率的に不活性化処理できるエアバッグ装置の提供を目的とする。
【解決手段】 一端にガス噴出し口を有するインフレータ3と、エアバッグと、ガス噴出し口9とエアバッグとを1の線状に連結し、インフレータ3の発する膨張用気体をエアバッグ15に供給するパイプ12とを備え、ガス噴出し口9とパイプ12とは、エアバッグの熱損壊温度で形崩れるカプラ部材1で連結されてなるエアバッグ装置。
【選択図】図2
Description
エアバッグを膨張させるための膨張用ガスも、窒素、ヘリウム、アルゴンなど種々のものがあり、その発生させる方法も、薬剤を燃焼させて生成させる方法、圧力容器に封入していて所望のタイミングで開封させて圧力容器外であるエアバッグ内に放出させる方法などが用いられる。
この従来例では、導管を介して接続され膨張用ガスを吹き込むようにしたエアバッグモジュールの一例が記載されている。
すなわち、事故などに遭わずにライフを終える大多数の車両は一度もエアバッグが使用されないことになるので、搭載されている全てのエアバッグモジュールは使用されることなく解体工場へと運ばれ不活性化される(意図的にインフレータを起動させて内部の薬剤等を平穏に使い切る)。そして、生産され販売される車両の一部のみが事故等にあって損壊して修復不能となって解体処理される。
そのような車両の解体作業にあっては事故等の衝突に係る方向に対して設置してあったエアバッグはすでに起動されているが、その衝突等の方向が前面からの場合には、側突用に用意されているサイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグなどは起動しないことになる。そのため事故車に未起動のエアバッグモジュールが存在することがあり、これも解体時に不活性化されることになる。
解体工場においては、例えば、エアバッグモジュールを車体から取り外し、構成部品レベルまで分解することもあるし、また、インフレータと導管とバッグとで構成されるモジュールからバッグ以外の部分をカッター等で切り取り、再生工程に入れるとしても、導管の先端部には切残されたバッグ部分が残存する場合がある。簡易な方法としてインフレータを起動させてガスを発散することが考えられるが、エアバッグを膨張させるのに十分な大量のガスを一時に噴出するので、ガス噴射の反作用を考慮してインフレータをしっかりと固定するのがよい。しかし、解体工場では多種多様の車両が搬入され、インフレータの仕様、とりわけ外形形状が様々で、全てに確実にフィットする固定治具を各解体工場に用意させることは現実的ではない。
エアバッグをつけたままでインフレータを起動させれば、いくらかインフレータの保持精度要求は下がるであろうが、みすみす無傷で回収の可能な基布を膨張用ガスに晒すこととなって、リサイクル利用可能な用途を狭め、またはなくし、好ましくない。すなわち、ガスが吹き込まれれば、熱ガスの影響が皆無ではないし、インフレータの仕様によってはいくらかの残渣が粒子としてエアバッグ内に入ることになる。未使用のバッグであれば、織糸はほぼ初期と遜色ない強度であり、残渣粒子を含まないから、破砕して機械的または化学的に再利用することは比較的容易であるが、使用済のバッグについては、リサイクルに不向きな物質が付着することになるので好ましくない。可能な限り予め清浄でキズのないバッグをバッグ単体としてリサイクル処理するのがよい。
かくして、ナイロン基布などで構成されるエアバッグは別途リサイクルするため除去されると、インフレータと導管部分とが接続された状態のものになる(エアバッグモジュールからバッグを除いたもの、以下「サブモジュール」という)。
前記のように、一部ナイロン基布が導管部分に残ることもある。そのような状態で、温度を上昇させてインフレータを起動してしまい、併せて一部残ったナイロン基布を溶融または燃焼させて取り除く場合、いわゆる不活性化処理をする場合に、ナイロン基布が溶ける等の条件で、インフレータの噴出ガスに単一方向への吹出しがなされるのは好ましくない。また、前記のように、サブモジュールを1つ1つ強固に固定して不活性化処理をするのでは、極めて効率が悪いし、各種のインフレータに精度よく対応するための各種固定治具を用意することは全く現実的ではない。
一端にガス噴出し口を有するインフレータと、エアバッグと、ガス噴出し口とエアバッグとを1の線状に連結し、インフレータの発する膨張用気体をエアバッグに供給するパイプとを備え、ガス噴出し口とパイプとは、エアバッグの熱損壊温度で形崩れるカプラ部材で連結されてなる構成である。
(1)エアバッグ装置の不活性化作業の際、アダプタ部であるカプラ部材に熱損壊温度を加えることによって焼失するため、簡易にエアバッグとインフレータとを分離することができる。
(2)万が一、車体に火災が発生した時に、アダプタ部であるカプラ部材が熱損壊温度で焼失するので、インフレータのオートイグニッション作動時のインフレータへの推力発生を防止することができる。
図1は、本発明の特徴であるアダプタの実施例を示す概観斜視図、図2は、本発明の特徴であるアダプタとインフレータとの固定方法を示した(a)固定図、(b)固定図内のA−A線断面図、図3は、本発明の特徴であるアダプタを使用したエアバッグとインフレータとを接続したモジュール組み付け例を示す概略斜視図、図4は、本発明の特徴であるアダプタの樹脂焼失時の状態を示す斜視図、図5は、本発明の特徴であるアダプタの他の実施例を示す概略断面図、図6は、図5で示した他の実施例のアダプタの樹脂焼失時の状態を示す概略断面図である。
本発明のエアバッグ装置の特徴であるアダプタ1は、リング状に樹脂(ナイロン6、MCナイロン等を使用、射出成形又は注型法を採用)で形成され、外周の一部にエアバッグと接続するためのパイプと固定可能なネジ部2を備えている(図1参照)。
インフレータ3先端には、ボルト4が備えられており、アダプタ1は溝壁5をインフレータ壁6及びワッシャ7を介してナット8で締結することで固定されている(図2(b)参照)。
この時、インフレータ3のディフューザー部9はアダプタ1に設けられたガス整流用の溝10の幅B内に収まるように位置し、車両衝突時に放出されたガスはインフレータ壁6とワッシャ7、ボルト8によって漏れることなく、パイプ接続部11に流れ、パイプ12を介してエアバッグ15にガスが流れるものである。
本発明のエアバッグ装置を使用することにより、エアバッグ装置の不活性化作業の際、アダプタ1部であるカプラ部材にエアバッグ15の熱損壊温度(焼けて炭化、劣化、融けて穴があく等の袋の機能を失う・損われる状態となる温度)を加えることによって焼失するため、簡易にエアバッグ15とインフレータ3とを分離することができる。
また、万が一車両から火災が発生した時に、エアバッグの熱損壊温度でアダプタ1が焼失することで、エアバッグ15とインフレータ3とが図4のように分離した状態になり、オートイグニッション作動時のインフレータ3への推力発生を未然に防ぐことが可能である。
インフレータ3のディフューザー部16は上下2方向にのみ存在し、なおかつディフューザー孔17にネジ加工が施してあるものである。
本構造では、片方のディフューザー部16を樹脂製のキャップ18で塞いでおり、通常使用時にはここからのガス放出は無いものである。他方のディフューザー部16は樹脂製のアダプタ19によってパイプ20へと接続されている(図5参照)。
エアバッグ装置の不活性化作業の際は、前記実施例のように、アダプタ19の樹脂キャップ18にエアバッグ15の熱損壊温度を加えることによって焼失するため、簡易にエアバッグとインフレータとを簡易に分離することができる。
また、万が一車両から火災が発生した時には、いずれのディフューザー部16の樹脂18、19も焼失し、インフレータからのガスはスラストニュートラル21に放出されるものである(図6参照)。
3・・・・インフレータ 4・・・・ボルト
5・・・・溝壁 6・・・・インフレータ壁
7・・・・ワッシャ 8・・・・ボルト
9・・・・ディフューザー 10・・・・溝部
11・・・・パイプ接続部 12・・・・パイプ
13・・・・リテーナ 14・・・・ブラケット
15・・・・エアバッグ 16・・・・ディフューザー部
17・・・・ディフューザー孔 18・・・・樹脂キャップ
19・・・・アダプタ 20・・・・パイプ
21・・・・スラストニュートラル
Claims (1)
- 一端にガス噴出し口を有するインフレータと、エアバッグと、ガス噴出し口とエアバッグとを1の線状に連結し、インフレータの発する膨張用気体をエアバッグに供給するパイプとを備え、ガス噴出し口とパイプとは、エアバッグの熱損壊温度で形崩れるカプラ部材で連結されてなることを特徴とするエアバッグ装置。
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