JP2004098770A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの展開方向を定めるブラケットをエアバッグ膨張時の垂直荷重で変形しにくく、乗員の頭部による水平荷重でボディ側に変形できるように構成する。
【課題手段】車両の衝突時又はロールオーバー時に、インフレ−タが点火すると共に、車両のドア開口部の上方に配置されたエアバッグが前記インフレータから供給されたガスにより膨張されて前記ドア開口部の上方側から下方側の車室内に下向きに展開するように構成した乗員保護装置において、前記ドア開口部の上方で前記エアバッグの下方に、前記エアバッグの展開方向を定める垂直荷重支持部(一側部24a)と、この垂直荷重支持部の車室側端部に連接される水平荷重支持部(他側部24b)とを有する横断面ほぼハット形の展開規制部材(ブラケット24)を配置し、前記水平荷重支持部に開口部24dを設ける。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の側面衝突時、車両のロールオーバー時等に車室内にエアバッグを展開させて乗員を保護するようにした乗員保護装置に関するものであり、特に、乗員とウインドウガラスとの間にエアバッグを展開させるようにした乗員保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エアバッグにより乗員の頭部を受け止めるようにした乗員保護装置が知られている。この種、乗員保護装置は、エアバッグとこのエアバッグを膨張させて車室内に展開させるためのインフレータとを主要部として構成されており、車両の側面衝突やロールオーバーの際に衝撃から乗員を保護するため、エアバッグを車両のルーフサイドレールにフロントピラーからルーフサイドレールに跨って配設したものが知られている。
【0003】
図13は、従来のこの種、ルーフサイドレールに対するエアバッグの支持構造を示したピラー側の断面図、図14は、従来のエアバッグの膨張方向を規制するためのブラケットの構造を示す斜視図、図15は、従来の乗員保護装置に係り、エアバッグの展開状態を示すピラー側の断面図、図16は、従来の乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットに係り、水平荷重作用時の変形状態を示す想定図である。
図13を参照すると、ルーフサイドレール100は、車両101のルーフ102の内面102aと、車両101のセンターピラー103の内側に配置されているインナーパネル104の内面104aと、センターピラー103の内側に配置されているセンターピラーガーニッシュ105の外面105aと、ルーフガーニッシュ106の外面106aとで区画された空間である。
ルーフ102、インナーパネル104及び、インナーパネル104に取り付けられているブラケット107の強度は、ルーフガーニッシュ106、センターピラーガーニッシュ105の強度よりも充分高く、センターピラーガーニッシュ105及びルーフガーニッシュ106は、エアバッグ108の膨張力によって可撓する可撓性材料で形成されている。
ルーフガーニッシュ106の下端部106bは、センターピラーガーニッシュ105の先端部の上向きに開口した溝状の係合部105bに嵌め込む構造となっている。
【0004】
図13乃至図15を参照すると、前記ブラケット107は、横断面ほぼハット状に形成されていて、その一側部107aが上方に、他側部107bが下方側に臨ませて取り付けられており、ブラケット107の一側部107aは、エアバッグ108の膨張の際、エアバッグ108の膨張部108aの下側への膨張を拘束してエアバッグ108を車幅方向の内側に向けて膨張させるようになっている。
【0005】
このような構成において、車両の側面衝突時やロールオーバーの際にインフレータ(図示せず)に点火されると、図15に示すように、エアバッグ108は、ルーフサイドレール100内で前記ブラケット107の一側部107aに沿った方向に膨張する。
エアバッグ108が膨張すると、エアバッグ108の膨張部108aは、ルーフガーニッシュ106を車幅方向の内側に向けて押圧してセンターピラーガーニッシュ105の係合部105bからルーフガーニッシュ106の下端縁106bを離脱させ、ルーフガーニッシュ106とセンターピラーガーニッシュ105との間に形成した下向きの開口部109から車室内へと下向きに展開して車室内に乗員の頭部を受け止めて保護するクッション壁を形成する。
従って、乗員の頭部は、開口部109を通じて下向きに展開されたエアバッグ108の膨張部108aに受け止められ、衝撃から保護される。
【0006】
なお、図13において、前記センターピラーガーニッシュ105の係合部105bは、エアバッグ108が開口部109から車室内に展開された際、係合部105bの上端に引っ掛かってしまうことがないようにするために、前記ブラケット107から所定距離離れた下方に配置されており、前記ブラケット107の他側部107bには係止部107cが設けられている。この係止部107cは、前記センターピラーガーニッシュ105の撓みを防止してエアバッグ108の膨張の際に、前記ルーフガーニッシュ106が車幅方向の内側に向けて引き出されるようにするため、前記センターピラーガーニッシュ105の係合部105bの外側部に係合している。
【0007】
このように、前記した従来のブラケット107は、エアバッグ108の初期の膨張方向を決める重要な部品となるので、その一側部107aがエアバッグ108の膨張時に垂直荷重によって変形しない強度、形状に形成されている。しかし、小規模な側面衝突の際にも揺れ戻しによって乗員の頭部がルーフガーニッシュ106に衝突し、ルーフガーニッシュ106を介してブラケット107の頂部107cに衝突することが想定される。
従って、ブラケット107は、図16(a),(b)に示すように、乗員の頭部から受ける水平荷重によってセンターピラー103側に変形させる構造とし、小規模な側面衝突の際の頭部への衝撃力を吸収できる構造とすることが望ましい。
【0008】
なお、この種、前記ブラケットの先行技術としては、ブラケットを板状として、ルーフサイドレール内でセンターピラーガーニッシュとルーフガーニッシュとの係合部付近に配置し、エアバッグの膨張時に、エアバッグの膨張部がセンターピラーガーニッシュの係合部に引っ掛からないようにすると共に、側面衝突の際に頭部から受ける水平力によりブラケットが変形(塑性変形)するようにしたものが知られている(特許文献1)。
【0009】
【特許文献1】
特許第3125729号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、前記ブラケットがエアバッグ膨張時の垂直荷重で変形しにくく、乗員の頭部による水平荷重でボディ側に変形できるように構成することを本発明の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、前記課題を解決するために提案されたもので、車両の衝突時又はロールオーバー時に、インフレ−タが点火されると共に、車両のドア開口部の上方に配置されたエアバッグが前記インフレータから供給されたガスにより膨張されて前記ドア開口部の上方側から下方側の車室内に下向きに展開されるように構成した乗員保護装置において、前記ドア開口部の上方で前記エアバッグの下方に、前記エアバッグの展開方向を定める垂直荷重支持部と、この垂直荷重支持部の車室側端部に連接される水平荷重支持部とを有する横断面ほぼハット形の展開規制部材を配置し、前記水平荷重支持部に開口部を設けた乗員保護装置を提供するものである。
このようにすると、インフレータが作動する大規模の側面衝突時、ロールオーバー時において、エアバッグの膨張による垂直荷重支持部の変形が防止される。
また、インフレータが作動しない小規模な側面衝突時においては、乗員の頭部による水平力が水平荷重支持部の変形によって吸収される。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記エアバッグが、車両のルーフと、このルーフに連接するピラーのインナーパネルと、このインナーパネルの内面から車両の内側に所定距離隔てて配置されたピラーガーニッシュと、このピラーガーニッシュに係合されると共に支持されて前記ルーフを内側から覆うルーフガーニッシュとで区画されたルーフサイドレール内の上部で且つ、前記ドア開口部の上部に配置され、前記展開規制部材がインナーパネルの内面に支持された乗員保護装置を提供するものである。
このように構成すると、エアバッグがピラーガーニッシュとルーフガーニッシュとの係合を解除させて車室内に展開し、乗員の頭部を保護する。
【0013】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記開口部の開口縁部に前記水平荷重支持部の変形荷重を所定値まで低下させるための変形荷重設定部を設けた乗員保護装置を提供するものである。
インフレータが作動しない小規模な側面衝突時において、展開規制部材の水平荷重支持部が乗員の頭部による水平力によって変形し、衝撃力を吸収するので、乗員の頭部が衝撃力より保護される。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記変形荷重調節部がスリット又は折れビードの少なくともいずれか一方によって形成された乗員保護装置を提供するものである。
このようにすると、請求項3記載の発明と同様にインフレータが作動しない小規模な側面衝突時において、水平荷重支持部が乗員の頭部による水平力によって変形するので、乗員の頭部が衝撃力より保護される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記水平荷重支持部にこれを乗員の頭部からの水平力によるボディ側への変形量を規制するためのストッパを設けた乗員保護装置を提供するものである。
このようにすると、水平荷重支持部の変形に起因した垂直荷重支持部の変形が規制されるので、インフレータが作動する大規模な側面衝突時、ロールオーバー時においてもエアバッグを展開させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図12を参照して本発明の一実施の形態を説明する。
図1は乗員保護装置の取り付け状態を示すレイアウト図、図2はピラーにおける車両の断面図、図3は乗員保護装置の構成図である。なお、図2では簡便化のため車両のボディのフロントピラー、センターピラー、リアピラー及びピラーガーニッシュの断面を一図で表している。
【0017】
図1、図2を参照すると、車両1のドア開口部2の上方にはルーフサイドレール3が区画形成され、ルーフサイドレール3内に乗員保護装置4が配置されている。前記ルーフサイドレール3は、車両1のルーフ5の内面5aと、車両1のフロントピラー6、センターピラー7、リアピラー8の各インナーパネル9,10,11の内面9a、10a、11aと、各ピラー6,7,8の内側に配置されているピラーガーニッシュ12,13,14の外面12a,13a,14aと、ルーフガーニッシュ15の外面15aとで区画された空間部であり、図1に示すように、車両1の長手方向に沿ってフロントピラー6からリアピラー8に跨って延びている。車両1のルーフ5と車両下部の車両フレーム16とは、センターピラー7及びインナーパネル10を介して互いに連結されていて、ルーフ5がフロントピラー6、センターピラー7、リアピラー8に支持されている。
【0018】
図1、図3に示すように、前記乗員保護装置4は、エアバッグ17と、エアバッグ17に膨張のためのガスを供給するインフレータ18を主要部として構成されており、インフレータ18にガス貯蔵型、火薬型等の公知のガス発生手段が備えられる。前記インフレータ18は、パイプ19及びアダプタ20を介して前記エアバッグ17に連結される。
図1を参照すると、前記エアバッグ17は、折り畳んだ状態で不織布製のカバー21によって被覆された状態で、複数のブラケット22,23,24,25,26を介して前記インナーパネル9,10,11に支持されている。
各ブラケット22,23,24,25,26は、それぞれインナーパネル9,10,11の被取付け部の形状に対応させて形成されており、エアバッグ17は、各ブラケット22,23,24,25,26に取り付けられている保護布27にそれぞれエアバッグ17の支持部を載置した状態で、保護布27をエアバッグ17の支持部に巻き付けた後、この状態を保持してテープ(図示せず)を保護布27と各ブラケット22,23,24,25,26に外側から巻き付けることによって各ブラケット22,23,24,25,26に取り付けられている。
なお、前記カバー21表面の中央部には、エアバッグ17を、捩じれなく、また、車幅方向において内側と外側との誤認がないように取り付けることができるようにするための目印としてラインLが長手方向に沿って形成されている。
【0019】
各ブラケット22,23,24,25,26を各インナーパネル9,10,11に取り付けた後は、図2に示すように、ルーフガーニッシュ15の先端部に設けられている下端部15bを、フロントピラーガーニッシュ12、センターピラーガーニッシュ13、リアピラーガーニッシュ14の上端部に設けられている係合部12b,13b,14bに臨ませて上方側から嵌め込むと、ルーフガーニッシュ15がフロントピラーガーニッシュ12、センターピラーガーニッシュ13、リアピラーガーニッシュ14に支持される。エアバッグ17及びインフレータ18等の乗員保護装置4は、これらフロントピラーガーニッシュ12、センターピラーガーニッシュ13、リアピラーガーニッシュ14及びルーフガーニッシュ15によって被蔽されている。
【0020】
インフレータ18に点火が施され、前記エアバッグ17にアダプタ20及びパイプ19を経由してガスが供給されると前記エアバッグ17が膨張する。前記エアバッグ17は、膨張するとカバー21の脆弱部(不図示)を破断させて、図2に示すように、ルーフサイドレール3内で広がり、この後、ルーフガーニッシュ15の側面部を押圧してフロントピラーガーニッシュ12、センターピラーガーニッシュ13、リアピラーガーニッシュ14の各係合部12b,13b,14bからルーフガーニッシュ15の下端部15bを離脱させる。
そして、エアバッグ17は、ルーフガーニッシュ15の下端部15bと、フロントピラーガーニッシュ12、センターピラーガーニッシュ13、リアピラーガーニッシュ14の各係合部12b,13b,14bとの間に、下向きの開口部(図示せず)を形成し、この開口部から車室28内へと下向きに展開する。
図4は、車室内に展開されたカーテン状のエアバッグ17を示す。エアバッグ17が前記車室28の前部から後部に及んで、ドアと乗員との間に配置され、エアバッグの膨張部17a,17bによるクッション壁が形成されるので、乗員の頭部が保護される。なお、本実施の形態では、乗員が着座するシートや車体フレーム16に備えられた加速度センサS1、S2で側面衝突の大きさを検出し、検出された加速度が側面衝突時、ロールオーバーに対応した大きさのときに、ECU等のコントローラにより前記インフレータに点火を施してエアバッグ17を展開させるように構成している。
【0021】
以下、図2及び図5を参照して前記エアバッグ17の展開方向を定めるブラケット(展開規制部材)24について説明する。
図2、図5を参照すると、前記ブラケット24は、横断面ほぼハット形に形成されており、センターピラー7のインナーパネル10とルーフガーニッシュ15との間に位置させてボルト29、ナット30によりインナーパネル10に取り付けられている。ブラケット24は、その取り付け状態において、垂直荷重支持部となる一側部24aがルーフ5側に臨ませられ、頂部24cとともに水平荷重支持部を構成している他側部24bが下方側に臨ませられている。
ブラケット24の一側部24aと、センターピラーガーニッシュ13の係合部13bとは、前記インフレータ18の点火によってエアバッグ17が膨張する際の前記係合部13bに対するエアバッグ17の引っ掛かりを防止するため、上下方向において相互に所定距離隔てられている。
【0022】
図5に詳細に示すように、前記ブラケット24の他側部24bには、これを乗員の頭部からの水平力でボディ側、すなわち、インナーパネル10側に変形させるための開口部24dが設けられている。
前記ブラケット24の垂直荷重(エアバッグ17の膨張による垂直荷重)方向の断面係数は、エアバッグ17の垂直荷重に対応させて定められている。また、開口部24dの両側に形成された一対の脚部24e,24eの水平荷重(頭部による水平荷重)に対する一対の脚部24e,24eの断面係数もインフレータ18に点火が施される側面衝突の規模よりも小規模な側面衝突が発生したときの乗員の頭部による水平力によって変形するように定められている。
従って、小規模な側面衝突の際、乗員の頭部による水平荷重がブラケット24の頂面部24cに加えられると、図5の仮想線Xに示すように、一対の脚部24e,24eが変形し、乗員の頭部への衝撃力が吸収されることになる。
【0023】
この場合、図6に示すように、頂面部24c側において、開口部24dの開口縁部ほぼ中央部に切欠(変形荷重調節部)24fを形成してもよい。切欠24fの幅、深さの調節により、頂面部24cの変形荷重を低下させると、小規模な側面衝突の際、乗員の頭部による水平荷重によって一対の脚部24e,24eが変形するので、乗員の頭部をこの際の衝撃力から保護することができる。
【0024】
なお、前記開口部24dの角部に切欠を設け、また、図5に示したように、一対の脚部24e,24eにあらかじめ折り曲げ部を設けて、一側部24aの変形方向を制御できるようにしてもよい。また、一対の脚部24e,24eの変形によって生じるひずみによる一側部24aの変形を防止するため、前記ブラケット24のボルト取り付け孔32の孔径をひずみに対応した直径としてもよいし、長孔としてもよい。
【0025】
図7は、従来のブラケット107及び本発明に係るブラケット24の変形に対する垂直方向の荷重(変形荷重)の大きさを示す比較図、図8は、従来のブラケット107及び本発明に係るブラケット24の変形に対する水平荷重(変形荷重)の大きさを示す比較図である。
【0026】
図7に示すように、本発明に係るブラケット24の垂直方向の荷重(変形荷重)は、従来のブラケット107とほぼ同等であり、図8に示すように、水平荷重(変形荷重)は大幅に低下している。
【0027】
従って、前記インフレータ18の点火時のエアバッグ17による垂直荷重でブラケット24の一側部24aが変形せず、インフレータ18に点火がなされない小規模な側面衝突の際に、乗員の頭部の揺れ戻しによる水平荷重によって、他側部24bを構成する一対の脚部24e,24が変形して水平荷重を吸収することになり、この水平荷重の吸収によって乗員の頭部が保護されることになる。
しかし、ブラケット24の頂面部24cへの乗員の頭部の当り具合や当り角度によっては、図10(a)に示すように、一対の脚部24e,24eの変形量が過大となり、一対の脚部24e,24eの変形に伴ってブラケット24の一側部24aが二次的に変形してしまうことを想定すると、図9に示すように、ブラケット24の頂面部24cの裏面には少なくとも一つ以上、ストッパ31を設けることが望ましい。
このように、ブラケット24の頂面部24cの裏面にストッパ31を設け、車両1のボディ、すなわち、インナーパネル10とストッパ31との間隔をあらかじめ決定すると、図10(b)に示すように、ストッパ31によってブラケット24の変形量が規制され、他側部24bの変形量が小さく抑制されることになるので、インフレータ18が作動する側面衝突、ロールオーバー時において、ブラケット24の一側部24aで前記エアバッグ17を正常に展開させることができる。
なお、前記ストッパ31は、エンボス加工により一体に形成してもよいし、積層体などの塑性変形(座屈)が可能なものやゴムで形成して取り付けるようにしてもよい。
【0028】
図11は、前記ブラケット24に代えて用いられるブラケット35のルーフサイドレール3に対する取り付け構造を示すセンターピラー7における断面図であり、図12は、前記ブラケット35の構造を示す斜視図である。
図11、図12を参照すると、前記エアバッグ17のルーフ5側への膨張を規制するための折り曲げられた規制部36aを有する板状の規制板36にブラケット35が溶接によって固着されており、規制板36を介して前記インナーパネル10の内面に取り付けられている。
ブラケット35の左右一対の脚部35e,35eの先端部は、裏側の規制板36を開口部35dの開口縁部の一部として兼用するため、前記規制板36の内面に溶接によって固着されている。
そして、開口部35dの開口縁部のほぼ中央部には、一対の脚部35e,35eの変形荷重を調節すべく、切欠(変形荷重調節部)24fが設けられている。
従って、このブラケット35によっても、前記ブラケット24と同様の作用効果が発揮される。
【0029】
なお、前記した実施形態の説明では、前記ブラケット24及びブラケット35に切欠24fを設けて一対の脚部24e,24e,35e,35eの変形を容易にする説明をしたが、開口部24d、開口部35dを区画する開口縁部にそれぞれ切欠24fに代えて折れビードを設けてもよいし、また、切欠24fと折れビードの両方を設けてもよい。また、前記インフレータ18は、フロントピラー6又はセンターピラー7側に配置した構成としてもよいし、複数個のインフレータ18によりエアバッグ17の膨張部17a、17bを膨張させる構成としてもよい。
【0030】
このように本発明はその技術的思想の範囲内で種々の改変が可能であり、この改変された発明に本発明が及ぶことは当然である。
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなように本発明によれば次の如き優れた効果が発揮される。
(1)請求項1及び請求項2記載の発明によれば、インフレータが作動する大規模の側面衝突時、ロールオーバー時において、エアバッグの膨張による垂直荷重支持部の変形が防止される共に、インフレータが作動しない小規模な側面衝突時において、水平荷重支持部が、乗員の頭部による水平力によって変形するようにしたので、大規模の側面衝突時、ロールオーバー時と小規模な側面衝突時の両方において、衝撃力から乗員を保護することができる。
(2)請求項3記載の発明によれば、ルーフサイドレール内にエアバッグを配置し、エアバッグがピラーガーニッシュとルーフガーニッシュとの係合を解除させて車室内に展開するように構成したので、エアバッグをコンパクト且つ見栄えよく配置することができる。また、エアバッグの車室内への展開を確実なものとすることができる。
(3)請求項3及び請求項4記載の発明によれば、開口部の開口縁部に水平荷重支持部の変形荷重を所定値まで低下させるための変形荷重設定部を設けて、水平荷重支持部が乗員の頭部による水平力によって変形するようにしたので、乗員の保護に貢献できる。
(4)請求項5記載の発明は、水平荷重支持部にこれを乗員の頭部からの水平力によるボディ側への変形量を規制するためのストッパを設けて、水平荷重支持部の変形に起因した垂直荷重支持部の変形が規制されるようにしたので、垂直荷重支持部の変形に起因したエアバッグの展開不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗員保護装置の取り付け状態を示すレイアウト図である。
【図2】本発明に係る乗員保護装置のピラーにおける車両の断面図である。
【図3】本発明に係る乗員保護装置の構成図である。
【図4】本発明に係る乗員保護装置のエアバッグの展開状態を示す展開図である。
【図5】本発明に係る乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットに切欠を設けた状態を示す斜視図である。
【図7】従来のブラケットと本発明に係るブラケットの垂直方向の荷重(変形荷重)の大きさを示す比較図である。
【図8】従来のブラケットと本発明に係る展開規制部材としてのブラケットの水平荷重(変形荷重)の大きさを示す比較図である。
【図9】本発明に係る乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットにストッパを設けた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットの変形状態を示す想定図である。
【図11】本発明に係る乗員保護装置の展開規制部材としての他のブラケットを組み込んだ一実施の形態を示すピラー側の断面図である。
【図12】本発明に係る乗員保護装置に係り、展開規制部材としての他のブラケットの構造を示す斜視図である。
【図13】従来のエアバッグのルーフサイドレールに対する支持構造を示したピラー側の断面図である。
【図14】従来のエアバッグの膨張方向を規制するためのブラケットの構造を示す斜視図である。
【図15】従来の乗員保護装置に係り、エアバッグの展開状態を示すピラー側の断面図である。
【図16】従来の乗員保護装置の展開規制部材としてのブラケットに係り、水平荷重作用時の変形状態を示す想定図である。
【符号の説明】
1 車両
2 ドア開口部
3 ルーフサイドレール
4 乗員保護装置
5 ルーフ
5a ルーフの内面
6 フロントピラー
7 センターピラー
8 リアピラー
9,10,11 インナーパネル
12 フロントピラーガーニッシュ
13 センターピラーガーニッシュ
13b センターピラーガーニッシュの係合部
14 リアピラーガーニッシュ
15 ルーフガーニッシュ
17 エアバッグ
18 インフレータ
19 パイプ
20 アダプタ
24 ブラケット(展開規制部材)
24a ブラケットの一側部(垂直荷重支持部)
24b ブラケットの他側部
24d 開口部
24e,24e 一対の脚部
24c ブラケットの頂面部
24f 切欠(変形荷重調節部)
28 車室
31 ストッパ
35 ブラケット(展開規制部材)

Claims (5)

  1. 車両の衝突時又はロールオーバー時に、インフレ−タが点火されると共に、車両のドア開口部の上方に配置されたエアバッグが前記インフレータから供給されたガスにより膨張されて前記ドア開口部の上方側から下方側の車室内に下向きに展開されるように構成した乗員保護装置において、
    前記ドア開口部の上方で前記エアバッグの下方に、前記エアバッグの展開方向を定める垂直荷重支持部と、この垂直荷重支持部の車室側端部に連接される水平荷重支持部とを有する横断面ほぼハット形の展開規制部材を配置し、前記水平荷重支持部に開口部を設けたことを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記エアバッグが、車両のルーフと、このルーフに連接するピラーのインナーパネルと、このインナーパネルの内面から車両の内側に所定距離隔てて配置されたピラーガーニッシュと、このピラーガーニッシュに係合されると共に支持されて前記ルーフを内側から覆うルーフガーニッシュとで区画されたルーフサイドレール内の上部で且つ、前記ドア開口部の上部に配置され、前記展開規制部材が前記インナーパネルの内面に支持された請求項1記載の乗員保護装置。
  3. 前記展開規制部材の開口部の開口縁部に前記水平荷重支持部の変形荷重を所定値まで低下させるための変形荷重設定部を設けた請求項1又は請求項2記載の乗員保護装置。
  4. 前記変形荷重調節部がスリット又は折れビードの少なくともいずれか一方によって形成された請求項3記載の乗員保護装置。
  5. 前記水平荷重支持部にこれを乗員の頭部からの水平力によるボディ側への変形量を規制するためのストッパを設けた請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の乗員保護装置。
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