JP2008149554A - 貴金属積層シート - Google Patents

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寿一 平澤
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Abstract

【課題】貴金属箔の表面に合成樹脂膜を積層し、その合成樹脂膜の表面に絵、文字、記号などを印刷した貴金属積層シートに関するものである。

【解決手段】金、銀もしくは白金、またはこれらの合金からなる貴金属箔2と、前記貴金属箔の両面に積層した接着層3と、前記接着層3の上に積層したポリプロピレンからなる中間層41と、前記中間層41の上にUVインクをインクジェット法で積層したインク層6からなる貴金属積層シートであって、前記接着層3は、貴金属箔に接する熱可塑性樹脂からなる内層3aと、この内層に接して形成されたポリエチレンからなる外層3bとで構成されており、前記インク層6は、貴金属箔と同等の色調を有する保護層6aと、この保護層6aの上に形成された色付き層6bからなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、貴金属箔の表面に合成樹脂膜を積層し、その合成樹脂膜の表面に絵、文字、記号などを印刷した貴金属積層シートに関するものであり、この貴金属積層シートは曲げに対して弾力性があり、この貴金属積層シートは名刺、しおり、カレンダー、賞状、額縁に入れて飾る色紙などとして使用されるものである。
一般に、貴金属積層シートは知られておりすでに市販されている。この貴金属積層シートの一つとして、図3の断面図に示されるような、貴金属箔2と、この貴金属箔2の両面に積層された接着層3と、この接着層3の上に積層された中間層4と、この中間層4の上に積層されたハードコート層5と、このハードコート層5の上に形成されたインク層6とからなる断面構造を有する貴金属積層シート1が知られている。
この貴金属積層シート1を構成する前記貴金属箔2は、金、銀、白金およびそれらの合金からなる箔からなり、この貴金属箔の厚さは3〜20μmの範囲内にある。
また、前記貴金属箔2の両面に積層した接着層3はその厚さが20〜100μmの範囲内にあり、この接着層3は内層3aおよび外層3bからなることが好ましく、前記内層3aは厚さ:20〜50μmのエチレンアクリル酸エチル共重合樹脂(EEA樹脂)またはアイオノマー(エチレンと不飽和カルボン酸の共重合体の金属塩であり、エチレン系アイオノマーと呼ばれている)で構成されており、一方、前記外層3bは厚さ:0〜50μmのポリエチレン樹脂(PE樹脂)で構成されている。前記接着層3における内層3aをエチレンアクリル酸エチル共重合樹脂(EEA樹脂)またはアイオノマーで構成した理由は溶融したときに貴金属箔に対して密着性に優れている熱硬化樹脂であるからである。
さらに、前記中間層4は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルクロライド(PVC)、配向したポリプロピレン(OPP)、ポリカーボネート(PC)、アクリル、アセテート、ポリエチレン、ナイロンなどの重合体からなるが、これらの重合体の中でも耐熱性および耐切欠き性に優れているポリエチレンテレフタレート(PET)が特に好ましいとされている。
さらに、ハードコート層5は、耐摩耗性および耐切欠き性に優れたアクリル樹脂またはガラス繊維含有樹脂からなることが好ましく、その厚さは1〜10μmの範囲内にあることが好ましいとされている。
さらに、インク層6は、紫外線を照射して硬化するUVインクが使用され、このインク層6の厚さは特に限定されるものではない(特許文献1参照)。
イタリア特許第1286412号特許明細書
前述のように、従来の貴金属積層シートは、貴金属箔2、接着層3、中間層4、ハードコート層5およびインク層6とで構成されており、貴金属箔2の表面に多くの樹脂層が積層されているためにコスト削減が難しかった。
そこで、本発明者らは、貴金属箔の表面に積層される樹脂層の数を減らしてコスト削減を図るべく研究をおこなった。
その結果、図1の断面図に示されるように、従来の貴金属積層シートと同様に貴金属箔2の表面に内層3aおよび外装3bからなる接着層3を積層し、この接着層3の上に積層する中間層として価格の一層安いポリプロピレンからなる中間層41を積層し、さらにこのポリプロピレンからなる中間層41の上に直接UVインクをインクジェット印刷法により貴金属箔と同等の色調を有するUVインクをインクジェット法で形成した保護層6aを積層し、さらにこの保護層6aの上に色付きインクをインクジェット法で色付き層6bを形成し、かかる保護層6aおよび色付き層6bからなるインク層6を形成した貴金属積層シート11は、従来の図3に示される貴金属積層シート1と比べて耐摩耗性および耐切欠き性に劣ることがなく、さらにこの貴金属積層シート11は従来の貴金属積層シート1比べて中間層として安価なポリプロピレンを使用し、ハードコート層5の積層を省略することができるので一層コストを下げることができる、という知見を得たのである。
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)金、銀もしくは白金、またはこれらの合金からなる貴金属箔と、前記貴金属箔の両面に積層した接着層と、前記接着層の上に積層したポリプロピレンからなる中間層と、前記中間層の上にUVインクをインクジェット法で積層したインク層からなる貴金属積層シート、
(2)前記接着層は、貴金属箔に接する熱可塑性樹脂からなる内層と、この内層に接して形成されたポリエチレンからなる外層とで構成されている前記(1)記載の貴金属積層シート、
(3)前記インク層は、中間層の上に貴金属箔と同等の色調を有するUVインクをインクジェット法で積層した貴金属箔と同等の色調を有する保護層と、この貴金属箔と同等の色調を有する保護層の上に形成された色付きインクをインクジェット法で積層した色付き層からなる前記(1)または(2)記載の貴金属積層シート、に特徴を有するものである。
この発明の貴金属積層シート11は、インク層をインクジェット法で形成するために、貴金属箔と同等の色調を有するUVインクおよび色付きインクを同時に印刷し、図2に示されるように、ポリプロピレンからなる中間層41の表面上に保護層6aおよび色付きインク層6bを積層することができる。したがって、この発明は、
(4)前記インク層は、前記中間層の上に貴金属箔と同等の色調を有するUVインクおよび色付きインクをインクジェット法で同時に積層した貴金属箔と同等の色調を有する保護層および色付き層からなる前記(1)または(2)記載の貴金属積層シート、に特徴を有するものである。
この発明の貴金属積層シート1は、図1に示される貴金属箔2として金または黄金色を呈する金合金の箔が使用されることが多い。かかる金または黄金色を呈する金合金の箔が前記貴金属箔として使用されるときに、保護層6aが黄色を帯びたインク層であると、金箔または黄金色を呈する金合金箔の黄金色が一層映えて見え、華やかな黄金色を発する貴金属積層シートが得られる。したがって、この発明は、
(5)前記貴金属箔は、金または金合金からなる黄金色を呈する貴金属箔であり、前記インク層における貴金属箔と同等の色調を有する保護層は、黄色の保護層からなる前記(3)記載の貴金属積層シート、
(6)前記貴金属箔は、金または金合金からなる黄金色を呈する貴金属箔であり、前記貴金属箔と同等の色調を有する保護層は、黄色の保護層からなる前記(4)記載の貴金属積層シート、に特徴を有するものである。
この発明の貴金属積層シートを製造するには、貴金属箔を、前記内層および外層からなる接着層並びにポリプロピレンからなる中間層からなる二枚の合成樹脂層により前記貴金属箔が接着層の内層に接するように挟み、熱を加えながら圧着して貴金属積層シート素材を作製し、この貴金属積層シート素材の表面にインクジェット法により貴金属箔と同等の色調を有する保護層および色付き層からなるインク層を形成することにより作製することができる。
この発明の貴金属積層シートは、従来の貴金属積層シートと比べて耐摩耗性および耐切欠き性に劣ることがなく、さらに従来の貴金属積層シートに比べて中間層として安価なポリプロピレンを使用し、ハードコート層の積層を省略することができるので一層コストを下げることができることから、一層安価に優れた貴金属積層シートを提供することができる。
厚さ:7μmの金箔を用意し、さらに厚さ:25μmのエチレンアクリル酸エチル共重合樹脂(EEA樹脂)からなる内層および厚さ:25μmのポリエチレン樹脂で構成されている外層からなる接着層と、前記接着層の外層に接して積層したポリプロピレン(PP)からなる厚さ:50μmの中間層からなる複合樹脂シートを用意した。
この複合樹脂シートにおける接着層の内層が前記金箔に接するように前記金箔の両面に前記複合樹脂シートを重ねてロール圧延すると同時に加熱し、貴金属積層シート素材を作製し、この貴金属積層シート素材の表面に黄色のUVインクをインクジェット法により塗布して黄色の保護層を積層し、この保護層の上に黒色の色付きインクをインクジェット法により塗布して文字や絵の色付き層を積層することによりインク層を形成し、本発明貴金属積層シートを作製した。この本発明貴金属積層シートの硬度をJIS K5600−5−4に規定されている塗料一般試験法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)で測定したところ、従来の貴金属積層シートの硬度とほぼ同じであった。
さらに、黄色のUVインクおよび黒色の色付きインクをインクジェット法により貴金属積層シート素材の表面に同時に塗布して黄色の保護層および黒色の色付き層を積層してインク層を形成し、このインク層について同様にして硬度を測定したところ、ほぼ同じ結果が得られた。
この発明の貴金属積層シートの断面説明図である。 この発明の貴金属積層シートの断面説明図である。 従来の貴金属積層シートの断面説明図である。
符号の説明
1:従来の貴金属積層シート、11:この発明の貴金属積層シート、2:貴金属箔、3:接着層、3a:内層、3b:外層、4:中間層、41:中間層、5:ハードコート層、6:インク層、6a:保護層、6b:色付き層

Claims (6)

  1. 金、銀もしくは白金、またはこれらの合金からなる貴金属箔と、前記貴金属箔の両面に積層した接着層と、前記接着層の上に積層したポリプロピレンからなる中間層と、前記中間層の上にUVインクをインクジェット法で積層したインク層からなることを特徴とする貴金属積層シート。
  2. 前記接着層は、貴金属箔に接する熱可塑性樹脂からなる内層と、この内層に接して形成されたポリエチレンからなる外層とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の貴金属積層シート。
  3. 前記インク層は、中間層の上に貴金属箔と同等の色調を有するUVインクをインクジェット法で積層した貴金属箔と同等の色調を有する保護層と、この貴金属箔と同等の色調を有する保護層の上に形成された色付きインクをインクジェット法で積層した色付き層からなることを特徴とする請求項1または2記載の貴金属積層シート。
  4. 前記インク層は、前記中間層の上に貴金属箔と同等の色調を有するUVインクおよび色付きインクをインクジェット法で同時に積層した貴金属箔と同等の色調を有する保護層および色付き層からなることを特徴とする請求項1または2記載の貴金属積層シート。
  5. 前記貴金属箔は、金または金合金からなる黄金色を呈する貴金属箔であり、前記インク層における貴金属箔と同等の色調を有する保護層は、黄色の保護層からなることを特徴とする請求項3記載の貴金属積層シート。
  6. 前記貴金属箔は、金または金合金からなる黄金色を呈する貴金属箔であり、前記貴金属箔と同等の色調を有する保護層は、黄色の保護層からなることを特徴とする請求項4記載の貴金属積層シート。
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KR101225927B1 (ko) * 2009-12-23 2013-01-24 (주)엘지하우시스 자동차 내장재용 적층 시트 및 그 제조 방법

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