以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構造を有する鋳型造型システムの一実施形態として、中子を造型するシステムが、その斜視形態と側面形態と平面形態とにおいて、それぞれ。概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の鋳型造型システムは、鋳型成形用型10と、この鋳型成形用型10を搬送するための搬送装置12と、かかる搬送装置12に設けられる走行レール14に沿って互いに所定距離を隔てて設置された充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20とを有して、構成されている。なお、図1及び図2には、本実施形態の鋳型造型システムの構造の理解を容易とするために、充填ステーション16に設置される、後述するメインホッパやベルトコンベヤが省略されていることが、理解されるべきである。
より具体的には、鋳型成形用型10は、図1、図4及び図5から明らかなように、第一の分割型22と第二の分割型24とを有している。それら二つの分割型22,24は、何れも、金属材料からなり、全体として矩形のブロック形状を呈している。そして、第一の分割型22と第二の分割型24とが、前者を上側にして、上下方向において互いに重ね合わされることにより、型合せ(型閉じ)される一方、第一の分割型22が、第二の分割型24に対して、上方に離間位置せしめられることで、型開きされるようになっている。
また、第一の分割型22と第二の分割型24のそれぞれの型合せ面(第一の分割型22の下面と第二の分割型24の上面)の中心部には、キャビティ形成凹所26が、各々形成されている。そして、第一の分割型22と第二の分割型24の型合せにより、それらの分割型22,24の互いの型合せ面間に、目的とする中子の外形形状に対応した形状を有する成形キャビティ28が、それぞれのキャビティ形成凹所26同士にて形成されるようになっている。
また、第一の分割型22には、それを厚さ方向に貫通して、キャビティ形成凹所26の底面を与えるキャビティ面(上側内面)と上面とにおいてそれぞれ開口する貫通孔からなる砂供給口27が、例えば4個(図4及び図5には2個のみを示す)形成されている。一方、第二の分割型24にも、それを厚さ方向に貫通して、キャビティ形成凹所26の底面を与えるキャビティ面(下側内面)と下面とにおいてそれぞれ開口する貫通孔からなるベントホール29が、第一の分割型22に設けられた砂供給口27と同数(図4及び図5には2個のみを示す)だけ、それに対応位置するように形成されている。そして、それら4個のベントホール29内には、空気は通過させるものの、レジンコーテッドサンドの通過を可及的に阻止するメッシュキャップ31が、それぞれ1個ずつ取り付けられている。これによって、後述するレジンコーテッドサンドの成形キャビティ28内への充填やその造型に際して、ベントホール29を通じてのレジンコーテッドサンドの排出を十分に防止しつつ、成形キャビティ28内への圧縮空気の吹込みや成形キャビティ28内からの空気の吸引が、何等の障害なく、確実に行われ得るようになっている。
また、かかる鋳型成形用型10を搬送するための搬送装置12は、図1乃至図3に示される如く、前記せる走行レール14に加えて、台車30と、回転駆動軸としての主軸32とを備えている。そして、それらのうち、走行レール14は、比較的に広い間隔をもって、円を描くように連続して無端で延びる一対の外側レール34,34と、それら一対の外側レール34,34の間に、狭い間隔をもって、一対の外側レール34,34の同軸上で、3/4周分の円弧を描くように連続して延びる一対の内側レール36,36とを、更に有している。
つまり、ここでは、走行レール14が、同軸上において円乃至は円弧状に延びる一対の外側レール34,34と一対の内側レール36,36の2種類のレールからなっている。そして、そのような走行レール14における外側レール34の3/4周分の部分に、外側レール34と内側レール36とが並設されている一方、残りの1/4周部分には、外側レール34のみが設けられて、内側レール36が何等設けられていないのである。なお、それら外側及び内側レール34,36は、何れも、一定厚さを有する円環状又は円弧状の支持板部が、同一の高さを有する複数の支柱部によって支持されて、構成されている。
また、台車30は、図1乃至図5に示されるように、走行レール14における一対の内側レール36,36の間隔よりも少しだけ大きな幅と十分に大きな肉厚とを有する矩形のベース盤38を有している。そして、かかるベース盤38にあっては、その上面が、平坦面からなる載置面40とされている一方、その下面には、第二車輪としての内側キャスタ42が、四つの隅部にそれぞれ一つずつ位置するように設けられている。なお、これら四つの内側キャスタ42は、何れも、車軸を支持する支持部が、ベース盤38の下面に対して、車軸と垂直な方向に延びる一軸回りに回転可能に取り付けられている。
また、ベース盤38の互いに対向する二つの側面のそれぞれの中心部には、円柱状乃至は丸棒状を呈する軸状アーム44が、ベース盤38の厚さ方向に対して垂直な方向で且つ該ベース盤38の二つの側面の対向方向外方に向かって所定長さで延びる状態で、一体的に設けられている。そして、このような各軸状アーム44の先端部には、第一車輪としての外側キャスタ46が、それぞれ一つずつ回転可能に支持されている(図9参照)。これら二つの外側キャスタ46,46は、何れも、ベース盤38の厚さよりも所定寸法大きな径を有し、ベース盤38の下面から接地面までの高さが、前記各内側キャスタ42におけるベース盤38の下面から接地面までの高さと同一の寸法とされている。
そして、このような構造とされた台車30に設けられた四つの内側キャスタ42のうち、ベース盤38の幅方向一方側に配設される二つのものが、一対の内側レール36,36のうちの一方の内側レール36に、その延出方向に間隔を開けて、それぞれ載置される一方、残りの二つのものが、他方の内側レール36に対して、その延出方向に間隔を開けて、各々載置されている。また、二つの外側キャスタ46は、一対の外側レール34,34に対して、それぞれ一つずつ載置されている。これによって、台車30が、走行レール14上に配置されていると共に、そのような配置状態下で、台車30に外力が加えられることにより、台車30が、走行レール14上を走行(回走)せしめられるようになっている。
また、図4及び図5に示されるように、台車30のベース盤38の載置面40上には、鋳型成形用型10が載置されている。そして、かかる載置下において、鋳型成形用型10の第二の分割型24が、前記4個のベントホール29を、ベース盤38に対して厚さ方向に延びるように穿設された4個の貫通孔39のそれぞれに連通させた状態で、ベース盤38に固定されている。更に、ベース盤38の側面のうち、軸状アーム44がそれぞれ一体形成される二つの側面と隣り合う別の二つの側面には、油圧シリンダ48が、それぞれ二つずつ(図4及び図5には一つずつのみを示す)、互いにベース盤38の幅方向に間隔を開けて位置固定に取り付けられている。そして、それら各油圧シリンダ48は、鋳型成型用型10の型開閉方向において突出/引込作動せしめられるピストンロッド50をそれぞれ有し、このピストンロッド50が、その先端部において、鋳型成形用型10の第一の分割型24に固定されている。これによって、ここでは、鋳型成形用型10が、台車30のベース盤38上に設置された状態で、ベース盤38に設けられた四つの油圧シリンダ48の突出/引込作動に伴って、型開き/型閉じ(型合せ)されるようになっている。これらのことから明らかなように、ここでは、鋳型成形用型10の型開閉機構が、四つの油圧シリンダ48にて構成されている。
一方、それら台車30や走行レール14と共に搬送装置12を構成する主軸32は、図1及び図3から明らかなように、走行レール14の外側及び内側レール34,36の高さよりも十分に高い略円柱形状を呈し、この円柱形状の下側部分及び上側部分をそれぞれ形成する下側支持部52及び上側支持部54と、かかる下側支持部52と上側支持部54との間に位置して、それら各支持部52,54に対して回転可能に支持された回転軸部56とからなっている。そして、この主軸32が、円形乃至は円弧状に延びる外側及び内側レール34,36の中心に位置せしめられた状態で、移動不能に設置されている。
また、そのような主軸32にあっては、図に明示されてはいないものの、下側支持部52と上側支持部54のうちの何れか一方に、電動式のサーボモータが内蔵されて、このサーボモータの駆動軸に対して、回転軸部56が、相対回転不能に連結されている。更に、かかる回転軸部56の外周面における、走行レール14(外側及び内側レール34,36)と略同一高さに位置する部位には、回転軸部56と軸直角な方向に延びる駆動軸(図示せず)を備えた油圧モータ58が、固定されている。そして、この油圧モータ58の駆動軸が、走行レール14上に配置された前記台車30のベース盤38に設けられる二つの軸状アーム44,44のうちの一方に対して、相対回転不能に連結されている。つまり、回転軸部56が、油圧モータ58の駆動軸を介して、台車30の軸状アーム44に連結されているのである。
かくして、ここでは、主軸32に内蔵されたサーボモータの駆動による回転軸部56の回転に伴って、台車30とそれに載置された鋳型成形用型10とが、回転軸部56の回転量に応じた距離だけ、走行レール14上を自動的に走行せしめられるようになっている。また、回転軸部56に設けられた油圧モータ58の回転によって、台車30と鋳型成形用型10とが、軸状アーム44回りに、それと一体回転せしめられるようになっている。
更に、それらサーボモータと油圧モータ58は、走行レール14の周囲に配置されたコントロール装置60に対して電気的に接続されている。これによって、搬送装置12にあっては、コントロール装置60の制御の下で、またコントロール装置60による所定の操作に基づいて、回転軸部56の回転量や回転方向と軸状アーム44の回転量や回転方向、ひいては台車30の走行レール14上での走行量や走行方向と台車30の軸状アーム44回りの回転量や回転方向とが、任意にコントロールされるようになっている。これらのことから明らかなように、本実施形態では、連結アームが、油圧モータ58の駆動軸とそれに連結される台車30のベース盤38の軸状アーム44とにて構成されると共に、油圧モータ58にて、第二の駆動手段が構成されている。
そして、本実施形態の鋳型造型システムにおいては、図1乃至図3から明らかなように、走行レール14における一対の内側レール36,36のうち、3/4周分の円弧を描いて延びる延出方向の一端部から1/4周分だけ他端部側に偏寄した部分、つまり、内側レール36の始端部37aから終端部37b側に90°の位相差をもって位置する部分に、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に、後述するレジンコーテッドサンドを充填する充填装置62が設置されて、この充填装置62の設置個所が、充填ステーション16とされている。また、かかる一対の内側レール36,36のうち、充填装置62の設置箇所から更に終端部37b側に90°の位相差をもって位置する部分には、スチーム吹込装置64が設置されて、このスチーム吹込装置64の設置箇所が、造型ステーション18とされている。更に、走行レール14において、一対の内側レール36,36の終端部37bから始端部37aまでの間で、かかる内側レール34が何等設けられることなく、一対の外側レール34,34のみが設けられた箇所が、離型ステーション20とされている。
換言すれば、ここでは、走行レール14における一対の内側レール36,36が、3/4周分の円弧を描くようにして、充填ステーション16の手前から充填ステーション16と造型ステーション18を経て離型ステーション20の手前に至るまで敷設されている一方、一対の外側レール34,34が、一対の内側レール36,36と同心円を描きつつ、充填ステーション16から造型ステーション18と離型ステーション20とを経て、再び充填ステーション16に至るように延びる無端レールとして、敷設されているのである。
そして、充填ステーション16に設置される充填装置62は、走行レール14における内側レール36の始端部37aから終端部37b側に90°の位相差をもって位置する部分の上方に、固定的に設置される投入ホッパ66と、この投入ホッパ66の下方に配設されたブローヘッド68と、走行レール14から、その径方向外方に離間して位置せしめられたメインホッパと70と、投入ホッパ66とメインホッパ70との間に延びるように配設されたベルトコンベヤ72とを有して、構成されている。
この充填装置62においては、メインホッパ70の内部に、例えば、特開2000−107835号公報や、特開2000−61583号公報、特開2000−79444号公報、特開2000−84641号公報等に記載される、耐火性粒子を熱硬化性樹脂粘結剤にて被覆してなるレジンコーテッドサンドが多量に収容可能とされている。そして、かかるメインホッパ70の取出口から取り出されたレジンコーテッドサンドが、ベルトコンベヤ72にて、投入ホッパ66まで搬送されて、投入ホッパ66内に、鋳型成形用型10の成形キャビティ28の容積よりも所定の量(体積分)だけ多く収容されるようになっている。なお、この投入ホッパ66は、その下端部に設けられた取出ノズル80(図6参照)を一対の内側レール36,36の間に位置せしめた状態で、前記主軸32の上側支持部52の上端部からL字形状をもって一体的に延びる二つの支柱67,67にて固定的に支持されている。
また、かかる投入ホッパ66を支持する二つの支柱67,67のうちの一方のものには、鋳型成形用型10の第一の分割型22の外側面に貼着されたICタグ74の書き込まれた情報を読み取るための、公知の構造を有する読取装置76が、前記コントロール装置60に対して電気的に接続された状態で、固定されている。なお、ここでは、後述する如く、充填ステーション16において、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に、レジンコーテッドサンドを圧縮空気と共に吹込充填する際のレジンコーテッドサンドの充填量(重量)と、圧縮空気の吹込量の指標となる圧縮空気の吹込時間とが、充填情報として、ICタグ74に書き込まれており、また、造型ステーション18において、レジンコーテッドサンドが充填された成形キャビティ28内に水蒸気を吹き込む際の水蒸気の吹込量の指標となる水蒸気の吹込時間も、造型情報として、ICタグ74に書き込まれている。更に、かかるICタグ74には、離型ステーション20において、鋳型成形用型10が型開きされる際に、その型開き方向が、上下方向であるか或いは左右方向であるかが、離型情報として、更に書き込まれている。
そして、鋳型成形用型10が、台車30に載置された状態で、充填ステーション16に位置せしめられたときに、ICタグ74に書き込まれた充填、造型、及び離型情報が、読取装置76にて瞬時に読み取られて、コントロール装置に伝送され、以て、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20とにおいてそれぞれ実施される充填、造型、及び離型操作が、それらの情報に基づいて、自動的に制御されつつ実施されるようになっている。
また、ブローヘッド68は、図6に示されるように、高さの低い角錐台形状を呈する中空体からなり、投入ホッパ66の外面に取り付けられた二つの油圧シリンダ78を介して、投入ホッパ66に固定され、それら各油圧シリンダ78の突出/引込作動に伴って、所定寸法だけ降下/上昇せしめられるようになっている。更に、このブローヘッド68の上端面には、外部に開口する開口部(図示せず)が設けられており、この開口部を通じて、投入ホッパ66の取出しノズル80が、ブローヘッド68内に突入せしめられている。また、ブローヘッド68の下端面には、4個の排出口82が、前記鋳型成形型10における第一の分割型22の前記4個の砂供給口27に対応して位置するように設けられている。更にまた、かかるブローヘッド68には、圧縮空気導入ノズル84が設けられており、そして、この圧縮空気導入ノズル84に対して、図示しないコンプレッサや高圧タンク等の圧縮空気供給源から延び出す空気パイプ86が接続されている。
なお、図6に明示されてはいないものの、ブローヘッド84の内部には、前記コントロール装置60によって作動制御されて、各排出口82をそれぞれ自動的に開閉するシャッタが設けられ、更に、圧縮空気導入ノズル84に接続された空気パイプ86の途中には、コントロール装置60によって作動制御されて、自動的に開閉作動する電磁弁が、設置されている。また、走行レール14におけるブローヘッド84の配設位置(充填ステーション16)に、鋳型成形用型10が位置せしめられたときに、それを検知する公知のセンサが設置されて、このセンサからの検出信号が、コントロール装置60に入力されるようになっている。
かくして、充填装置62にあっては、後述する如く、台車30に載置された鋳型成形用型10が充填ステーション16に位置せしめられたときに、ブローヘッド68が、各油圧シリンダ78の突出作動により降下せしめられて、4個の排出口82が、鋳型成形型10における第一の分割型22の4個の砂供給口27のそれぞれ接続されるようになっている。そして、そのような状態下で、図示しないシャッタと空気パイプ86の電磁弁が開作動せしめられることによって、投入ホッパ66内からブローヘッド68内に供給されたレジンコーテッドサンドが、圧縮空気導入ノズル84を通じて導入される圧縮空気と共に、4個の排出口82から、4個の砂供給口27を通じて、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に吹き込まれ得るようになっている。これにより、充填ステーション16において、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に、レジンコーテッドサンドが充填されるように構成されているのである。
なお、このようなレジンコーテッドサンドの成形キャビティ28内への充填量は、例えば、前記ICタグ74に書き込まれた充填情報に基づいて、ブローヘッド68内に設けられるシャッタの開作動時間が、コントロール装置60にて、予め設定された時間とされることで、予め設定された量となるように調節される。また、成形キャビティ28内の圧縮空気の吹込量も、ICタグ74に書き込まれた造型情報に基づいて、空気パイプ86上に設けられる電磁弁の開作動時間が、コントロール装置60にて、予め設定された時間とされることで、予め設定された量に調節され、更に、ブローヘッド68を上下動させる各油圧シリンダ78の作動も、レジンコーテッドサンドや圧縮空気の吹込時間に応じて、コントロール装置60にて制御されるようになっている。
一方、造型ステーション18に設置されたスチーム吹込装置64は、図1乃至図3に示されるように、投入ホッパ66が上方に設置される内側レール36部分から、かかる内側レール36の終端部37b側に90°の位相差をもって位置する部分の上方に、固定的に設置されるスチームヘッド88を有している。
このスチームヘッド88は、図1、図7及び図8から明らかなように、全体として、中空の略矩形筐体形態を呈し、上面の幅方向両端部に、上下方向において突出/引込作動せしめられる油圧シリンダ92が、それぞれ一つずつ取り付けられている。そして、それら二つの油圧シリンダ92のピストンロッド94の先端部が、前記主軸32の上側支持部52の上端部からL字形状をもって一体的に延びる二つの支柱96に固定された取付体98に取り付けられている。
また、かかるスチームヘッド88にあっては、上面の中心部に、内部と外部とを連通するコネクタ100が設けられており、更に、その下面には、4個の吹出口102が、前記鋳型成形型10における第一の分割型22の前記4個の砂供給口27に対応して位置するように設けられている。そして、このコネクタ100に対して、走行レール14の周辺に設置された、水蒸気が充填された水蒸気タンク104から延びる水蒸気パイプ106が接続されている。また、図示されてはいないものの、この水蒸気パイプ106の途中には、コントロール装置60によって作動制御されて、自動的に開閉作動する電磁弁が、設置されている。
さらに、このようなスチーム吹込装置64が設置された造型ステーション18には、吸引装置65が設置されている。この吸引装置65は、スチームヘッド88の鉛直下方に位置せしめられた4個の吸引ノズル90を有している。これら各吸引ノズル90は、図1及び図2に示されるように、一対の内側レール36,36の間において、複数(ここでは4個)の油圧シリンダ108にて上下動可能とされた矩形の支持板110の上面に、前記鋳型成形型10における第二の分割型24の前記4個のベントホール29に対応位置するように、それぞれ立設されている。そして、それら各吸引ノズル90には、走行レール14の周辺に設置された真空タンク112から延びる吸引パイプ(図示せず)が接続されている。また、図示されてはいないものの、この吸引パイプの途中にも、コントロール装置60によって作動制御されて、自動的に開閉作動する電磁弁が、設置されている。更に、走行レール14におけるスチームヘッド88の配設位置(造型ステーション18)に、鋳型成形用型10が位置せしめられたときに、それを検知する公知のセンサが設置されて、このセンサからの検出信号が、コントロール装置60に入力されるようになっている。
かくして、ここでは、後述する如く、充填ステーション16で成形キャビティ28内にレジンコーテッドサンドが充填された鋳型成形用型10が、台車30に載置された状態で造型ステーション18に位置せしめられたときに、スチームヘッド88が、各油圧シリンダ92の突出作動により降下せしめられて、4個の吹出口102が、鋳型成形型10における第一の分割型22の4個の砂供給口27のそれぞれ接続される。また、それと共に、スチームヘッド88の下方に配設された複数の油圧シリンダ108の突出作動により、支持板110が上昇せしめられて、各吸引ノズル90が、第二の分割型24の前記4個のベントホール29内に突入せしめられる。そして、そのような状態下で、水蒸気パイプ106と吸引パイプの図示しない電磁弁がそれぞれ開作動せしめられることによって、水蒸気パイプ106とコネクタ100とを通じて、水蒸気タンク104内の水蒸気が、スチームヘッド88内に導入されて、4個の吹出口102から鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に向かってそれぞれ吹き込まれ(吹き出され)る一方、成形キャビティ28内の空気が、吸引ノズル90と吸引パイプを通じて外部に吸引されるようになっている。そうして、レジンコーテッドサンドの熱硬化性樹脂粘結剤が硬化せしめられて、レジンコーテッドサンドが、成形キャビティ28内で固化され、以て、中子が形成されるようになっているのである。
なお、スチームヘッド88から成形キャビティ28内に吹き込まれる水蒸気としては、例えば、特開2000−107835号公報や、特開2000−61583号公報、特開2000−79444号公報、特開2000−84641号公報等に記載されるように、飽和水蒸気を加熱して、その飽和温度以上に温度を上げた加熱水蒸気を用いることが出来、また、かかる水蒸気は、温度が110〜180℃程度で、蒸気圧が1.5〜10kgf/cm2 程度の比較的に低温のものが、好適に使用される。更に、そのような水蒸気の成形キャビティ28内への吹込量は、例えば、前記ICタグ74に書き込まれた造型情報に基づいて、水蒸気パイプ106上に設けられる電磁弁の開作動時間が、コントロール装置60にて、予め設定された時間とされることで、予め設定された量に調節される。また、成形キャビティ28内の空気の吸引量も、例えば、ICタグ74に書き込まれた造型情報に基づいて、吸引パイプ上に設けられる電磁弁の開作動時間が、コントロール装置60にて、予め設定された時間とされることで、予め設定された量に調節され、更に、スチームヘッド88や吸引ノズル90を上下動させる各油圧シリンダ92,108の作動も、水蒸気の吹込時間や空気の吸引時間等に応じて、コントロール装置60にて制御されるようになっている。
また、図1乃至図3に示されるように、離型ステーション20には、ベルトコンベヤ114が設置されている。このベルトコンベヤ114は、離型ステーション20における一対の外側レール34,34の間の部分から走行レール14の側方に延びるように配置されている。更に、かかる離型ステーション20には、鋳型成形用型10が位置せしめられたときに、それを検知する公知のセンサが設置されて、このセンサからの検出信号が、コントロール装置60に入力されるようになっている。そして、そのような検出信号がコントロール装置60に入力されると、台車30のベース盤38と鋳型成形用型10の第二の分割型24との間に設けられた各油圧シリンダ48が突出作動せしめられて、鋳型成形用型10の型開きが行われるようになっている。
また、ここでは、そのような離型ステーション20での型開き作動が、前記ICタグ74に書き込まれた離型情報に基づいて、コントロール装置60の制御下で行われる。つまり、かかる離型情報に含まれる鋳型成形用型10の型開き方向が上下方向であれば、台車30の姿勢はそのままで、油圧シリンダ48が突出作動せしめられて、型開き(水平割り)が行われる一方、離型情報に含まれる型開き方向が左右方向であると、前記主軸32の油圧モータ58が反時計回りに90°だけ回転駆動せしめられて、台車30が、軸状アーム44の軸心回りに横転するように回転させられ、その姿勢で、型開き(垂直割り)が行われるようになっている。なお、このとき、離型ステーション20には、内側レール36が設けられておらず、軸状アーム44に軸支された外側キャスタ46のみが外側レール34上に配置されるようになっているため、台車30が、各外側キャスタ46にて各外側レール34上に支持された状態で、軸状アーム44回りにスムーズに回転せしめられ得るだけでなく、そのような台車30とそれに固定される鋳型成形用型10との回転に際して、内側レール36が障害となるようなことが、有利に回避され得る。
かくして、鋳型成形用型10が、離型ステーション20で型開きされると、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内で形成された中子が、人力により、或いは自重により、成形キャビティ28内から取り出されて、ベルトコンベヤ114上に載置されるようになっている。
ところで、このような構造とされた鋳型造型システムを用いて、目的とする中子を形成する際には、以下のような手順に従って、その操作が進められることとなる。
すなわち、先ず、図9に示されるように、走行レール14における一対の内側レール36,36の始端部37a(図3参照)に、台車30が位置せしめられ、ここで、台車30のベース盤38に対して、目的とする中子に対応した形状の成形キャビティ28が内部に形成される鋳型成形用型10が載置され、固定される。このとき、鋳型成形用型10は型合せ状態とされる。
次に、主軸32内のサーボモータが回転駆動せしめられて、回転軸部56とそれに連結された軸状アーム44とが、時計回りの方向に回転駆動せしめられ、それに伴って、台車30が、外側及び内側レール34,36上を走行せしめられる。このとき、台車30が充填ステーション16に達すると、それが、図示しないセンサによって検出されて、コントロール装置60の作動制御により、主軸32内のサーボモータの回転駆動が停止し、台車30の走行も停止せしめられる。それによって、図1に示されるように、鋳型成形用型10が、充填ステーション16に位置せしめられる。また、このときに、鋳型成形用型10に貼着されるICタグ74に書き込まれた前記充填、造型、及び離型の各情報が、読取装置76にて読み取られて、コントロール装置60に伝送される。
そして、その後、ICタグ74に書き込まれた情報のうちの充填情報に基づいて、前述せるように、充填装置62のブローヘッド68が降下して、このブローヘッド68の各排出口82が鋳型成形型10の各砂供給口27にそれぞれ接続され、その状態で、ブローヘッド68内に設けられたシャッタが開作動せしめられて、投入ホッパ66内のレジンコーテッドサンドが、圧縮空気導入ノズル84を通じてブローヘッド68内に導入される圧縮空気と共に、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内に吹込充填される。このとき、成形キャビティ28内に吹き込まれた圧縮空気は、鋳型成形用型10における第二の分割型24に設けられたベントホール29から外部に排出される。これによって、成形キャビティ28内に、レジンコーテッドサンドが充填される。
次に、かかるレジンコーテッドサンドの吹込充填操作が終了したら(吹込充填操作の開始から所定時間が経過したら)、主軸32内のサーボモータが再び回転駆動せしめられて、回転軸部56と軸状アーム44とが、時計回りの方向に更に回転駆動せしめられると共に、台車30が、外側及び内側レール34,36上を再び走行せしめられる。このとき、台車30が造型ステーション18に達すると、それが、図示しないセンサによって検出されて、主軸32内のサーボモータの回転駆動が停止し、台車30の走行も停止せしめられる。それによって、図10に示されるように、鋳型成形用型10が、造型ステーション18に位置せしめられる。なお、図10においては、本実施形態システムの構造の理解を容易とするために、走行レール14の周辺に設置される真空タンク112とコントロール装置60とが省略されていることが理解されるべきである。
そして、鋳型成形用型10が造型ステーション18に位置したら、図11に示されるように、コントロール装置60による造型情報に基づく制御下で、スチーム吹込装置64のスチームヘッド88が降下して、このスチームヘッド88の各吹出口102が鋳型成形用型10の各砂供給口27にそれぞれ接続される一方、スチームヘッド88の下方に配置された支持板110が上昇して、この支持板110に立設された各吸引ノズル90が鋳型成形用型10の各ベントホール29にそれぞれ接続される。そして、その状態で、水蒸気パイプ106上や吸引パイプ上に設けられた電磁弁が開作動せしめられて、水蒸気が、水蒸気タンク104からスチームヘッド88の各吹出口102を通じて、レジンコーテッドサンドが充填された成形キャビティ28内に吹き込まれる一方、かかる成形キャビティ28内の空気が、吸引ノズル90を通じて、外部に吸引される。これによって、成形キャビティ28内のレジンコーテッドサンドの熱硬化性樹脂粘結剤が硬化せしめられて、レジンコーテッドサンドが固化される。その結果、目的とする中子が、成形キャビティ28内で形成される。
引き続き、中子の造型操作が終了したら(造型操作の開始から所定時間が経過したら)、主軸32内のサーボモータが再び回転駆動せしめられて、回転軸部56と軸状アーム44とが、時計回りの方向に更に回転駆動せしめられると共に、台車30が、外側及び内側レール34,36上を再び走行せしめられる。このとき、台車30が離型ステーション20に達すると、それが、図示しないセンサによって検出されて、主軸32内のサーボモータの回転駆動が停止し、台車30の走行も停止せしめられる。それによって、図12に示されるように、鋳型成形用型10が、造型ステーション20に位置せしめられる。
そして、その後、コントロール装置60に入力された離型情報における鋳型成形用型10の型開き方向が上下方向である場合には、図13に示されるように、台車30の姿勢はそのままで、型開きされて、成形キャビティ28内の中子(図示せず)が、例えば人力等により取り出されて、ベルトコンベヤ114にて、所定位置まで搬送される。
また、コントロール装置60に入力された離型情報における鋳型成形用型10の型開き方向が左右方向である場合には、図14及び図15に示されるように、先ず、主軸32の回転軸部56に設けられた油圧モータ58が回転して、台車30が回転せしめられた後、型開きされて、成形キャビティ28内の中子(図示せず)が、例えば自重により取り出されて、ベルトコンベヤ114にて、所定位置まで搬送される。
このように、本実施形態の鋳型造型システムによれば、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内にレジンコーテッドサンドを充填する充填工程から、成形キャビティ28内のレジンコーテッドサンドを固化させることにより中子を形成する造型工程を経て、形成された中子を成形キャビティ28内から取り出す離型工程に至るまでの各工程の移行と、それら各工程での作業とが、何等人手を加えることなく、搬送装置12により自動的に行われ得る。それによって、目的とする中子の形成に際しての人的作業による工数が、有利に削減され得る。
また、かかる鋳型造型システムにおいては、走行レール14の外側及び内側レール34,36が、円又は円弧を描きつつ、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20との間に延びるように敷設されているところから、例えば、走行レール14が、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20との間を一直線状に真っ直ぐに延びるように敷設される場合に比して、搬送装置12、ひいてはシステム全体における走行レール14の直線距離が有利に小さくされ、それによって、システム全体のコンパクト化が、効果的に実現され得る。
さらに、本実施形態システムでは、鋳型成形用型10を搬送する台車30が、主軸32の回転軸部56に対して、軸状アーム44にて連結されて、かかる回転軸部56の回転に伴って、かかる走行レール14上を走行せしめられるようになっている。そのため、例えば、台車30が、電動モータ等の駆動手段を搭載してなる自走式の構造を有するものに比して有利に軽量化されて、取扱性の向上が効果的に図られ得る。また、駆動ローラや駆動ギヤの回転駆動により無端のベルトやチェーン等を回転させることで、台車30を走行させるようにした構造のものよりも、搬送装置12の部品点数が有利に少なくされて、搬送装置12、ひいてはシステム全体の構造の簡略化が図られ得る。
しかも、かかる鋳型造型システムにおいては、台車30の軸状アーム44が連結する主軸32の回転軸部56に設けられた油圧モータ58を単に回転駆動させるだけで、台車30とそれに載置される鋳型成形用型10とが、軸状アーム44回りに回転せしめられ、以て、鋳型成形用型10の左右方向への型開きが、容易に行われ得る。
従って、かくの如き本実施形態に係る鋳型造型システムによれば、鋳型成形用型10の成形キャビティ28内へのレジンコーテッドサンドの充填から、成形キャビティ28内への水蒸気の吹込みによる中子の造型(形成)、更には造型された中子の鋳型成形用型10からの離型までが、可及的に人手を掛けることなく、自動的且つ連続的に実施されて、目的とする中子が、より安全に且つ効率的に造型され得る。その上、システム全体のコンパクト化と構造の簡略化とが有利に実現され得ると共に、かかるコンパクト化によるシステムの設置スペースの省スペース化も、効果的に図られ得るのである。
また、かかる鋳型造型システムにおいては、造型ステーション18に吸引装置65が設置されて、スチーム吹込装置64による成形キャビティ28内への水蒸気の吹込み時に、吸引装置65の複数の吸引ノズル90にて、成形キャビティ28内の空気が吸引されるようになっているところから、成形キャビティ28内に、水蒸気が、より十分な量において一層スムーズに吹き込まれ得、それによって、成形キャビティ28内に充填されたレジンコーテッドサンドの固化が、確実に且つより迅速に行われ得る。そして、その結果として、目的とする中子の生産性の向上が、より有効に図られ得ることとなる。
さらに、本実施形態では、鋳型成形用型10の第二の分割型24が、台車30のベース盤38上に固定されて、それら第二の分割型24とベース盤38との間に設置された四つの油圧シリンダ48によって、鋳型成形用型10の型開き/型閉じが行われるようになっていると共に、軸状アーム44が、主軸32に設けられた油圧モータ58にて、中心軸回りに回転可能とされているため、離型ステーション20において、特に、台車30と鋳型成形用型10とを横転させるように回転させた状態で、鋳型成形用型10を左右方向に型開閉することが、比較的に簡略な構造にて、より容易に且つ安定的に行われ得る。
更にまた、本実施形態システムにおいては、走行レール14における一対の外側レール34,34が、主軸32の配設位置を中心とした円を描きつつ、充填ステーション16から造型ステーション18と離型ステーション20とを経て、再び充填ステーション16に至るように延びる無端レールとして敷設されて、このような一対の外側レール34,34上を台車30が走行(回走)せしめられるようになっている。そのため、走行レール14上を走行する台車30の走行方向を何等変更することなく、一方向において連続的に走行させつつ、前記せる充填工程と造型工程と離型工程とを繰り返し連続的に実施することが出来る。それによって、台車30の走行制御が容易となり、以て、目的とする中子の生産効率も有利に高められ得る。
また、本実施形態の鋳型造型システムにあっては、鋳型成形用型10にICタグ74が貼着されて、かかるICタグ74に書き込まれた充填情報と造型情報と離型情報とが、充填ステーション16に設置された読取装置にて読み取られ、それらの情報に基づいたコントロール装置60の制御の下で、充填工程と造型工程と離型工程とが自動的に実施されるようになっている。これによって、目的とする中子の造型に掛かる人的作業が、更に有利に削減され得、以て、目的とする中子が、更に一層安全に且つ効率的に造型され得ることとなる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、走行レール14が、3/4周分の円弧を描いて延びる一対の内側レール36,36と、円を描いて延びる無端の一対の外側レール34,34とを有して構成されていたが、内側レール36のみ、或いは内側レール36と外側レール34の両方の周方向長さを変えることも出来る。
すなわち、例えば、図16に示されるように、一対の外側レール34,34を、円弧を描いて延びる形態とすると共に、一対の内側レール36,36を、それら外側レール34にて描かれる円弧よりも周方向長さの小さな円弧を描いて延びる形態とすることも、可能である。勿論、その際には、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20とが、その順番で、外側レール34の周方向に所定距離を隔てて並んで位置するように設置される。このような構造によれば、搬送装置のより一層の小型化が達成され、以て、鋳型造型システム全体の更なるコンパクト化が有利に図られ得ることとなる。
また、一対の内側レール36,36を省略して、円乃至は弧を描いて延びる一対の外側レール34,34のみにて、走行レール14を構成することも出来る。
さらに、主軸32の回転軸部56を回転駆動させるサーボモータを電動式から油圧式に変えたり、或いは台車30に一体形成される軸状アーム44を回転駆動させる油圧モータ58を電動モータに変えることも、勿論可能である。
また、前記実施形態では、鋳型成形用型10が載置された唯1個の台車30が、軸状アーム44を介して、主軸32の回転軸部56に連結されて、かかる回転軸部56の回転に伴って、走行レール14における無端の一対の外側レール34,34上を走行(回送)するようになっていたが、例えば、無端の一対の外側レール34,34上に、3個の台車30を互いに周方向に等距離を隔てて配置して、それら各台車30を、回転駆動軸としての主軸32の回転軸部56の周方向に等距離を隔てた三つの部位のそれぞれに、軸状アーム44を介して連結する一方、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20とを、一対の外側レール34,34の周囲に、かかる外側レール34の周方向に互いに等距離を隔てた位置に設置するようにしても良い。
このような構造によれば、主軸32の回転軸部56を一定の角度(120°)で回転させる毎に、3個の台車30に載置された鋳型成形用型10を、充填ステーション16と造型ステーション18と離型ステーション20とに対して、その順番で、自動的に移動させることが出来る。そして、それによって、3個の鋳型成形用型10に対して、充填工程と造型工程と離型工程とを、それぞれ別個に且つ同時に実施することが可能となり、以て、目的とする中子(鋳型)が、より一層効率的に造型され得ることとなる。
また、鋳型成形用型10に貼着されるICタグ74とその読取装置76は、本発明において必須ではないものの、それらを含んだ構成とする場合には、ICタグ74に書き込まれる情報の種類や、それらICタグ74と読取装置76の設置位置等が、前記実施形態において例示されたものに、何等限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、中子を造型する鋳型造型システムに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、中子以外の鋳型を造型する鋳型造型システムの何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものである。また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべきである。