しかし、上述した従来のコネクタカバーは、基板ボックスと別体としたことにより各種の遊技機に対応した基板ボックスを用意する必要が無くなったという点において進歩が見られたが、基板ボックスの開口とコネクタとの間の間隙を埋める部材として考えられたもので、十分な強度を持たせるという構造を備えているものではなく、そのため、コネクタカバーを強制的に変形させることにより、間隙を形成してコネクタ部分に対する不正が行われる虞があった。
また、前記コネクタカバーに設ける開口をコネクタの形状に対応した大きさに止めた場合にも、その接続箇所は基板ボックスの外側に露出しているために、ある種の配線と制御基板とを接続するコネクタ、例えば球検出センサと制御基板とを接続するコネクタに別部品を介在させて不正な信号を基板に送出し、不正な動作(入賞していないのに賞球を払い出させるなど)を行わせる等の不正が行われる危険性は残る。したがって、制御基板に各種配線を接続した後にその接続箇所をも含めて基板ボックス内部に収納して、その状態で基板ボックスを封止状態とするのが本来は望ましい。
ところが、各種配線の接続は、通常、遊技機の完成間近に行われることからその時点まで基板ボックスを封止状態としないものとすると、ROMのすり替えなどの不正が行われる危険性が増大し、制御基板本体についての不正防止性が低下する。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、製造段階での基板ケースの封止を行い内部に対する不正防止性を低下させることなく、コネクタ接続を行った後に接続用窓部の封止を行い、基板ユニットのコネクタの接続用窓部からの不正アタックをも合わせて防止することができるようにすることを目的とする。
本発明において、次の語彙を明らかにしておく。
第1ケース及び第2ケースとは、称呼上の区別であって、制御基板を収容する本体部或いはその蓋体部の何れを現すかは適宜に用いられるものであり、実施例では、制御基板を収容する本体部を第1ケースと呼称している。
前記第1ケースの接続用窓部とは、コネクタ接続により外部へ接続するための開口である。この外部とは、基板ユニット内の別部材への接続も含まれるし、基板ユニットの外部に対する接続も含まれる。
また、第3ケースとは、前記接続用窓部を覆うもので、実施例はケース状(物を収容する容器)のものではないが(コの字の内側壁体を有するが)、第1ケース及び第2ケースとは別体の物として、第3ケースの称呼を与えている。
更に、第1ケースの接続用窓部を第3ケースが密着状態で覆うとは、例えば、第3ケースの本体部に設けられたコネクタ用開口部より外側を囲うように在る所定部分(本体部の所定部分)と、それに対応する第1ケースの所定部分とが密着状態となっていることを指す。
そして、第3ケースのコネクタ用開口部とは、制御基板に接続されるコネクタが位置するための開口である。
前記第3ケースの前記コネクタ用開口部を覆う本体部の周辺部の一部とは、本体部が正面視で矩形である場合には、その4辺の少なくとも一辺又は一辺の一部を指す。
また、第1ケースの前記接続用窓部を形成する窓部壁体とは、その形状を問わず、窓部を形成する近辺の壁体をいう。
更に、第3ケースの内側壁体とは、第1ケースの前記接続用窓部を形成する窓部壁体の内側(第1ケースの内部側)に位置するという意味で付された用語である。
更にまた、封止状態とは、その状態が解除されたときには必ずその痕跡が残る状態を意味している。したがって、封止状態を解除することが物理的には容易であっても、管理権限者に知られないように封止状態を解除することは不可能乃至は著しく困難であり、この結果、封止状態を権限なく解除して制御基板等に何らかの細工を行えば、その事実は容易に管理権限者の知るところとなるものである。
本発明にかかる遊技機は、前記目的を達成するために、手段1として、
第1ケース及び第2ケースを有して内部に制御基板が設けられた基板ユニットであって、前記第1ケース側に設けられる第1封止部と、前記第2ケース側に設けられる第2封止部と、その第1封止部と第2封止部とを連結する第1の封止部材とを有し、その封止部材によって前記第1封止部と第2封止部とが連結されている場合に前記制御基板を取り出すときには基板ユニットを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とする基板ユニットを備え、前記第1ケースに、前記制御基板に接続されるコネクタのための接続用窓部が設けられた遊技機において
前記コネクタの配線を外部に導出する状態で前記接続用窓部を覆うことができるように接続部カバーを前記第1ケースに開閉自在に設け、
該接続部カバーに第3封止部を設け、
該第3封止部に対応する第4封止部を備え、
前記接続部カバーの閉状態において、前記第3封止部と第4封止部とを第2の封止部材を用いて連結し、その封止部材によって前記第3封止部と第4封止部とが連結されている場合に前記接続部カバーを開閉するときには該接続部カバーを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするように構成してある、
ことを特徴とする。
このように、制御基板を収納するための基板ユニットを形成する第1ケースと第2ケースとを封止状態にて結合する第1封止部と第2封止部と、制御基板に各種配線を接続するための第1ケースの接続用窓部を覆う接続部カバーを封止状態にて固定する第3封止部と第4封止部とを別個に設けたことによって、製造段階における制御基板に対する不正行為を第1封止部と第2封止部により防止し、制御基板とある種の配線、例えば遊技球の入賞口に配設される球検出センサの配線との接続箇所に不正な部品を介在させて、制御基板を不正に動作させるような不正行為を防止することが可能となる。すなわち、前記接続箇所に対する不正を防止するためには、前記接続用窓部を廃止し、制御基板に各種配線を接続した上で制御基板を基板ユニット内部に収納して外部からのアクセスが不能なように封止してしまうことが本来は望ましい。ところが、各種配線の接続は、通常、遊技機の完成間近に行われることからその時点まで基板ユニットを封止状態としないものとすると、その時点までにROMのすり替え等の不正が行われる危険性が増大する。つまり、遊技機の製造段階での不正防止性が低下する。したがって、前記接続箇所を覆う接続部カバーを、基板ケースとは別異に封止状態とする第3封止部と第4封止部を設けたことにより、制御基板本体については製造段階の早い時期に封止状態にて基板ユニットに収納することが可能となり、これにより製造段階(コネクタ接続前)での制御基板に対する不正行為を防止しつつ、コネクタの接続後においても制御基板と各種配線との接続箇所に対する不正行為を防止することが可能となる。
また、前記接続部カバーは第1ケース及び第2ケースとは別部品ではあるが、第1ケースに接続部カバーを開閉自在に設けるようにしたことによって、制御基板に各種配線を接続する際に接続部カバーを開状態としておくだけで基板ユニットから取り外したり、取り付けたりする必要がなく、接続部カバーを紛失する虞れもなくて、前記配線の接続作業が簡易化される。
手段2;前記手段1の遊技機において、
前記第4封止部を第2ケースに設けてあることを特徴とする。
このように、第4封止部を第2ケースに設けたことで、第2ケースの成型時に第4封止部も同時に形成できて簡単であると共に接続部カバーの封止が行われた状態は、この接続部カバーの自体の封止は勿論ながら、この接続部カバーが第1ケースと第2ケースとを一体に封止することにもなるので、第1ケースと第2ケースとを封止状態にて結合する第1封止部と第2封止部と合わせて、第1ケースと第2ケースがダブルに封止されることにり、二重の封止が得られる。
手段3;前記手段1の遊技機において、
前記第4封止部を基板ユニットの取付台に設けてあることを特徴とする。
このように、第4封止部を基板ユニットの取付台に設けたことで、取付台の成型時に第4封止部も同時に形成できて簡単であると共に接続部カバーの封止が行われた状態は、この接続部カバーの自体の封止は勿論ながら、この接続部カバーが、取付台を介して、第1ケースと第2ケースとを一体に封止することにもなるので、第1ケースと第2ケースとを封止状態にて結合する第1封止部と第2封止部と合わせて、第1ケースと第2ケースがダブルに封止されることになり、二重の封止が得られる。
また、接続部カバーの封止は、取付台を一体化するものであるので、第1ケースと第2ケースが取付台に載置された状態であれば、所用の組み立て工程中、何時でも行い得るのである。
手段4;前記手段1乃至手段3の遊技機において、
前記第4封止部を第1ケースに設けてあることを特徴とする。
このように、第4封止部を第1ケースにのみ設けてある場合には、接続部カバーの封止は、第1ケースと第2ケースの封止とは無関係となり、従って、上述したダブルの封止機能は存在しないが、第1ケースと第2ケースの封止、開封に際して、この接続部カバーの封止を解除する必要がなく、余分な手間をかけることもないという利点がある。
この第4封止部を第1ケースと他の部位に設ける併用の場合には、接続部カバーの封止を異なる対象物にすることとなり、組み立ての異なるステップにおいて、例えば、早い段階では第1ケースの第4封止部を用い、一旦遊技盤に設置された後に一度第1ケースの第4封止部が開封された後では、例えば、取付台の第4封止部を用いる等、個別に選択して用いることも可能である。
手段5;前記手段1乃至手段4の遊技機において、
前記接続部カバーの一側部に、該接続部カバーの長手方向に沿う軸心を持つ支軸が設けられ、前記第1ケースに対して回動可能に枢着され、前記接続用窓部を開閉できるように構成されている。
このように、接続部カバーを支軸周りに回動させる構成としたことで、接続用窓部の開閉をスムースに行い得る。
手段6;前記手段5の遊技機において、
前記第1ケースに枢支連結のための軸受鈎部が設けられ、前記支軸が、前記接続部カバーの一側部に形成した開口により、該開口に隣接する前記接続部カバーの側部によって一体構成され、且つ、該開口が前記軸受鈎部の一部を挿通する大きさに形成されていることを特徴とする。
このように、支軸を、接続部カバーの一側部に形成した開口により構成したことで、格別に軸部材を準備する必要がなく、部品の兼用が可能であり、また、その開口が枢支連結に必要な軸受鈎部の一部の挿通を許容することで、ヒンジ連結を可能にしている。
手段7;前記手段6の遊技機において、
前記接続部カバーの開口が所定の間隔を隔てて複数個形成されて対応する支軸を形成し、これに対応させて前記軸受鈎部が複数個設けられていることを特徴とする。
このように、支軸を複数個位置することによって、前記接続部カバーの第1ケースに対する支持を確実なものすることができ、安定した開閉を行い得ると共に1個であれば此れを破壊して容易に接続部カバーを取り外すことができるが、複数個備えられていることで、全てを破壊しなければ接続部カバーを取り外すことができなくなり、不正の封止解除に手間を要するようになる。
手段8;前記手段5乃至手段7の遊技機において、
前記接続部カバーが、第1ケースの側壁に達して接当する前板部を有し、該前板部に、コネクタの配線を導出する少なくとも一つの配線挿通用スリットが、前記前板部の下端部から上端側に切り込む状態で設けられていることを特徴とする。
このように、前板部が延設されていることで、接続部カバーの封止時には第1ケースの側壁に接当する状態で接続用窓部を閉じることができ、また、該前板部の配線挿通用スリットをその下端部から上端側に切り込む状態で設けられていることで、その接続部カバーの封止時の回動につれて、コネクタの配線を配線挿通用スリットに容易に取り込むことができる。
手段9;前記手段1乃至手段8の遊技機において、
前記接続用窓部を密着状態で覆い、少なくとも一つのコネクタ用開口部を有する第3ケースを、前記第1ケースの内側から着脱自在に取り付け得るように構成し、
前記第3ケースのうち、前記接続用窓部を覆う本体部の周辺部の一部に、前記窓部壁体の内側面に沿って設けられる内側壁体を立設させ、該内側壁体に複数の軸支持用板部を突設し、該軸支持用板部に対応させて前記窓部壁体に、該軸支持用板部を挿通するスリットが夫々設け、前記軸支持用板部が前記軸受鈎部の鈎形を閉じて軸受けを形成するように構成してあることを特徴とする。
このように、第3ケースによる接続用窓部の封鎖による基板ユニット内への不正侵入防止を図ると共にその第3ケースの内側壁体に設けた軸支持用板部を前記窓部壁のスリットを通過させて外方に突出し、この軸支持用板部によって前記接続部カバーの軸受鈎部の鈎形を閉じて軸受けを形成するものであるので、第3ケースの組み付け時には接続部カバーの組み付けも行われ、接続部カバーの回動自在の枢着を、ピン等の別部材と軸支構造を準備することなく、これら部材の順次の組み立てによってヒンジ構造が出来上がるものであり、簡単な構造でありながら接続部カバーの開閉が行い得る。
そして、このように、少なくとも一つのコネクタ用開口部を有し、第1ケースの接続用窓部を密着状態で覆う第3ケースを設けたことにより、前記接続用窓部を介して制御基板に何らかの不正な細工を施すことが著しく困難となってより完全に不正行為を防止することが可能となる。加えて、第3ケースの本体部の周辺部の一部に内側壁体を立設させたことによって、この第3ケースを構造的に強度あるものとすることができて、基板ユニットの内部へのワイヤー、冶具等による不正侵入に際して、第3ケースを変形させようとしたときに容易に変形させることが難しくなり、不正侵入をより一層確実に防止できる。
また、この内側壁体を前記第1ケースの前記接続用窓部を形成する窓部壁体の内側面に密着するようにしていることで、内側壁体と窓部壁体とが重なる部分が生じ、且つ、内側壁体が本体部から立設されていることで、両者の間にワイヤー等を侵入させようとしても、内側壁体が邪魔になって直線的に侵入できないと共に両者間に侵入を開始できたとしても、前記両者の重なる部分を通過しなければならず、その侵入方向が制限されることとなって、ケース内部に対する不正を容易に行い得ないのである。
手段10;前記手段9の遊技機において、
前記第1ケースの内側面に、前記第3ケースの内側壁体の上端部と嵌合する溝が設けられたことを特徴とする。
前記構成によれば、溝と内側壁体の上端部との嵌合により、接続用窓部において窓部壁体と内側壁体との隙間から異物を侵入させたとしても前記溝と内側壁体との嵌合部にてそれ以上の侵入が阻止されることになり、不正な細工が行われるのをより完全に防止することが可能となる。
手段11;手段1〜手段4の遊技機において、
前記接続部カバーが、所定回数の曲げ伸ばしが可能なように形成された薄肉部分を介して前記第1ケースと一体的に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、より簡易な構造で接続部カバーを、姿勢切替可能に第1ケースに設けることが可能となる。接続部カバーはごく限られた回数(通常4回程度)の開閉だけが予定されたものであり、何十回、何百回の開閉を予定しないものであるから、接続部カバーを所定回数の曲げ伸ばしが可能なように形成された薄肉部分を介して第1ケースと一体的に形成することによって、少なくともその回数だけは前記薄肉部分を破壊することなく接続部カバーを開閉することができる。したがって、このような簡易な支持機構でも封止状態にて閉姿勢の接続部カバーを固定することが可能となる。また、薄肉部分は容易に破壊し得るものであるが、薄肉部分を破壊して何らかの不正を行ってもその痕跡は必ず残り、その事実は管理権限者の知るところとなるものであるから封止機能が損なわれることもない。
手段12;手段9乃至手段11の遊技機において、
前記第1ケースに、前記接続用窓部及び前記制御基板の表面から所定距離離れて略水平方向に設けられる天板部と、前記接続用窓部及び前記天板部を繋ぐ窓部壁体とが設けられ、
前記第3ケースを、そのコネクタ用開口部より外側を覆うように在る所定部分と、それに対応する第1ケースの所定部分とが、それぞれ略平面形状に形成されて互いに接当する状態で、前記第1ケースの内側から着脱自在に取り付け得るように構成し、
前記第3ケースのうち、前記接続用窓部を覆う本体部の周辺部の一部に、前記窓部壁体の内側面に沿って設けられる内側壁体を立設させてあることを特徴とする。
このように、第1ケースの接続用窓部を覆う第3ケースの本体部の周辺部の一部に内側壁体を立設させたことによって、この第3ケースを構造的に強度あるものとすることができて、基板ユニットの内部へのワイヤー、冶具等による不正侵入に際して、第3ケースを変形させようとしたときに容易に変形させることが難しくなり、不正侵入をより一層確実に防止できる。
また、第3ケースの内側壁体を、前記第1ケースの前記接続用窓部を形成する窓部壁体の内側面に沿わせるようにしていることで、内側壁体と窓部壁体とが重なる部分が生じ、且つ、内側壁体が本体部から立設されていることで、両者の間にワイヤー等を侵入させようとしても、内側壁体が邪魔になって直線的に侵入できないと共に両者間に侵入を開始できたとしても、前記両者の重なる部分を通過しなければならず、その侵入方向が制限されることとなって、ケース内部に対する不正を容易に行い得ないのである。
手段13:手段10乃至手段12の遊技機において、
前記内側壁体が、コの字の開口を前記第1ケースの外周側に向けた正面視でコの字を形成するように構成されていることを特徴とする。
このように、第3ケースの前記内側壁体がコの字状に構成されることで、単板が立設されるのに比べ、大幅な剛性のアップを図ることができて、第3ケースを変形させる不正侵入の防止をより一層確実なものとすることができる。
手段14:手段9乃至手段13の遊技機において、
前記第3ケースが、前記第1ケースに固定される前記制御基板により前記第1ケース側に押圧されて、前記第1ケースと密接するようにされていることを特徴とする。
このように、第1ケース側に制御基板を固定するものとし、この制御基板により第3ケースを第1ケースと密接させるものとすることにより、第3ケースと第1ケースとの密着状態に更に圧力を加えることができて、異物侵入を試みようとしても両者の合わせ目に容易に間隙が生じなくなるようにすることができる。
手段15:手段9乃至手段14の遊技機において、
前記第1ケースが透明又は半透明の合成樹脂で成型され、前記第3ケースの内側壁体の長手方向の内側壁体部分が、前記第1ケースの中心側に向けて、該第1ケースの壁体内面に近づく状態で略並行に延びて識別情報表示部に構成されていることを特徴とする。
このように、前記第3ケースに識別情報表示部が延設されていることで、この識別情報表示部が第3ケースの補強リブとして機能し、第3ケースの強度を向上させることができると共にこの部分に記号、名称等を付して識別情報表示することができ、この情報が、透明又は半透明の第1ケースから視認できるのである。
そして、この識別情報表示部が、第1ケースの壁体内面に近づく状態で略並行に延びる構成とされることで、第3ケースの内側壁体と第1ケースの壁体との間に異物を侵入させようとしたとき、その第3ケースの内側壁体が更に識別情報表示部として延設されていることで、両者の重複部を通り抜けたとしても直ぐに内部に至るものではなく、両者の間を簡単に通り抜けることができないのである。
手段16:手段1〜15の遊技機において、
前記第1ケースの壁体内面の所定位置に、箱状のCPUチップ収納部が設けられ、前記識別情報表示部が、前記CPUチップ収納部の長さを超える長さを有し、且つ、該CPUチップ収納部に対応する位置に配置され、該CPUチップ収納部に向けて延びるように構成されていることを特徴とする。
このように、第1ケースには、重要なCPUチップを配置するに、これを不正侵入から保護するための箱状のCPUチップ収納部が設けられているが、前記識別情報表示部を、このCPUチップ収納部に対応する位置に設け、これに向かって延設されることで、第1ケースの接続用窓部側からの不正侵入(第3ケースの内側壁体と第1ケースの壁体との間に異物を侵入させる)に対して、ワイヤー等をCPUチップ収納部に到達させようとしても、この間で前記識別情報表示部が邪魔になり、CPUチップ収納部の所要の位置に到達することができず、CPUチップ収納部の付け根部(第1ケースの壁面との接合部)にしか到達できないのであり、CPUチップに対する保護をより確実なものとすることができる。
本発明によれば、製造段階での基板ケースの封止を行い内部に対する不正防止性を低下させることなく、コネクタ接続を行った後に接続用窓部の封止を行い、基板ユニットのコネクタの接続用窓部からの不正アタックをも合わせて防止することができる効果を奏する。
本発明のその他の利点は、以下の説明から明らかとなろう。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
実施形態1
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面枠セット14は、大別すると、その最下部に設けられた球受皿部分と、この球受皿部分よりも上側の範囲に形成される窓枠部分とを備えている。前記球受皿部分は、前面枠セット14の下側部分に対してネジ等の締結具により固定されている。この球受皿部分の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22とが設けられている。また、球受皿としての下皿15は、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射ソレノイドなどで構成されている。
音出力口24は、前面枠セット14の左右上端部位置に設けられたスピーカ(図示略)からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、前面枠セット14はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠セット14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部(本実施例においては全周)が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。
一方、前記前面枠セット14の球受皿部分のうち下皿15の上方位置には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。
そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に位置され、中央下方には、始動口33が配置され、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板80(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、前記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
尚、前記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板80に取り込まれ、該主制御基板80よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、前記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図7のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領城の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球杆が設けられ、軸部に沿った打球杆のスライド移動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠セット14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ13が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ13からホール内(パテンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、前面枠セット14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠セット14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した電飾部102が左右対称に設けられ、該電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6は、遊技盤30の背面図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下に並べられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御基板80と音声ランプ制御基板とが夫々取付台に搭載してユニット化されている。払出制御基板、発射制御基板および電源基板は、遊技盤30以外のセット板を構成する排出通路盤にユニット化している。ここでは便宜上、主制御基板80が設けられたユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、ランプ制御基板が設けられたユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201、202やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
第1制御基板ユニット201は、取付台40(図11参照)を有し、この取付台に主制御装置が搭載されている。ここで、主制御装置は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板80を具備しており、この主制御基板80が透明樹脂材料等よりなる基板ユニットに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、音声ランプ制御装置が含まれる。払出制御装置、発射制御装置および電源制御装置は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
(特徴構成)
この実施例において、基板ユニットとして「第1制御基板ユニット201」と「第2制御基板ユニット202」について言及したが、本発明の特徴説明に際しては、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなる主制御基板80が搭載されている第1制御基板ユニット201について説明する。
前記第1制御基板ユニット201は、第1ケース70、主制御基板80、第2ケース85、第3ケース90及び接続部カバー26を主要構成要素として備えている。本実施形態では、第1ケース70が主制御基板80を収容する容積のある方であり、第2ケース85がその蓋体に相当する方であり、この第1ケース70と第2ケース85とが主制御基板80を収納する基板ユニットの主要部を構成している。
図7乃至図10に示すように、この基板ユニット201は、前記第1ケース70側に設けられる第1封止部71と、前記第2ケース85側に設けられる第2封止部86と、その第1封止部71と第2封止部86とを連結する第1の封止部材87とを有し、その封止部材87によって前記第1封止部71と第2封止部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには基板ユニット201を破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものであり、且つ、前記第1ケース70に、前記制御基板80に接続されるコネクタ99のための接続用窓部72が設けられたものである。
ここで、第1封止部71と第2封止部86とは対を成すものであり、この実施例では、第1制御基板ユニット201は、個別に使用される5対の封止部71,86を具備しており、夫々封止部材87を用いて封止されるように構成されたものであり、こうした封止構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
第1ケース70と第2ケース85の封止状態においては、前記主制御基板80を取り出すために、基板ユニット201を破壊するか或いは第1封止部71又は第2封止部86の所定部位を切断することが必要となり、これにより、封止状態を解除すると必ずその痕跡が残ることになる。したがって、管理権限のない者が封止状態を解除してROM交換等不正な細工を主制御基板80に行うと、その事実は管理権限者の容易に知るところとなり、不正な細工がなされた主制御基板80を使用して遊技が行われてこれにより被害が発生するのを防止することができる。
また、主制御基板80には、球検出センサの配線を含む各種制御用配線が接続されるコネクタ25,25、・・・(この実施例では5個)の集合部分(コネクタ集合部)32が設けられており、前記第1ケース70には、コネクタ集合部32の各コネクタ25,25、・・・に前記球検出センサの配線を含む各種制御用配線を接続させるための接続用窓部72が設けられている。
また、前記接続用窓部72の開口は、内部の主制御基板80に対する前記各種コネクタの接続を行う為のものであるので、第2ケース85との接合部側に位置された部分に形成されているものであり、第1ケース70の一側部において壁面から段部70aが形成された所に、外側の部分を残して開口を形成しているものである。前記段部70aは,この実施例では、第1ケース70の壁面から20mmの高さを持つように設定されている。
尚、この実施例においては、前記接続用窓部72の開口は、約15mm×177mmのものが一つである。しかし、この開口は、他の形態として、一つでなく、複数に区画されている場合もこの接続用窓部72に含まれる。
このように、前記第1ケース70には、前記主制御基板80に接続される各種コネクタのための接続用窓部72と、前記接続用窓部72及び前記主制御基板80の表面から所定距離離れて略水平方向に設けられる天板部77と、前記接続用窓部72及び前記天板部77を繋ぐ窓部壁体73と、が設けられている。
また、第1ケース70の奥側(後述の内側壁体長辺部分93aと当接する側)の窓部壁体73には、第3ケース90の軸支持用板部27と協働して接続部カバー26の支軸29を回転自在に支持するための軸受を構成する、下向きに開口を有する鈎形の軸受鈎部28が、所定の間隔を隔てて6個突設されている。また、前記奥側の窓部壁体73の軸受鈎部28の配設位置には、第1ケース70の厚み方向に延びる8個のスリット23が設けられている。各スリット23は、後述する第3ケース90の内側壁体長辺部分93aに立設された8個の軸支持用板部27を第1ケース70の外側に突出させるためのものである。
この軸支持用板部27が、後述の支軸29が軸受鈎部28に入った状態で、前記軸受鈎部28の下向きに開口する鈎形を、下側から封鎖し、以って、前記軸受鈎部28とは協働して接続部カバー26を回動可能に支持するものである。この際、両側端に位置する軸受鈎部28は、他の4個の軸受鈎部28よりも夫々広幅に構成され、これに対応するスリット23と軸支持用板部27とは、夫々2つが狭い間隔で対応して形成され、後述の両側端に位置し、他の4個の支軸29よりも長い目の支軸29を、各2つの軸支持用板部27で支持するように構成されている。他の4個のスリット23は、それぞれ1個の軸支持用板部27に対応し、短目の4個の支軸29を各1個の軸支持用板部27で支持している。
図10、図13に示すように、前記接続用窓部72を密着状態で覆い、ここでは5個のコネクタ用開口部91を有する第3ケース90を、前記第1ケース70の内側から着脱自在に取り付け得るように構成し、前記第3ケース90の前記接続用窓部72を覆う本体部92の周辺部、ここでは長方形をなす本体部92の3辺に、前記第1ケースの前記接続用窓部72を形成する窓部壁体73の内側面に密着する内側壁体93を立設させてある。これらの具体構造については以下順次説明する。
尚、前記の第1ケース70の接続用窓部を第3ケース90が密着状態で覆う構成であるが、部分接当で、完全密着でなくてもよい。
この実施例では、図7にも示すように、前記内側壁体93が、コの字の開口を前記第1ケースの外周側に向けた正面視でコの字を形成するように構成されている。この内側壁体93は、コの字を形成する本体部92の長辺に沿った内側壁体長辺部分93aと、その両隣の短辺の内側壁体短辺部分93b,93bから成る。このコの字を形成するように見える正面視とは、第3ケース90を第1ケース70に装着した状態で、第1ケース70の外側から正面視で見た状態を言う。実際には、第3ケース90がその長辺が短辺に比べて非常に長い長方形であるため、内側壁体長辺部分93aと、その両隣の短辺の内側壁体短辺部分93b,93bから成るコの字は、縦長のコの字となっている。
このように、前記第3ケース90のうち、前記接続用窓部72を覆う本体部92の周辺部の一部に、前記窓部壁体73の内側面に沿って設けられる内側壁体93を立設させてある。
そして、図7及び図9に示すように、前記第3ケース90の本体部92の外側面92aと第1ケース70の接続用窓部72の窓部壁体73の端面73aが面一に形成され、前記第3ケース90の長手方向のコの字の対向壁、ここでは前記内側壁体93の短辺部分93b,93bの外側に、前記第1ケース70にネジ止めする連結部94が夫々設けられ、前記第3ケース90の本体部92の外側面92aに対して直交する方向のネジ止めによって前記第3ケース90の本体部92が第1ケース70の接続用窓部72の窓部壁体73を圧接密着するように構成されている。この実施例では、前記内側壁体長辺部分93aと、その両隣の短辺の内側壁体短辺部分93b,93bは、共に前記本体部92の外側面92aからの立ち上がりが、20mmに設定されており、隣接する連結部94の下端は、前記本体部92の底面(内側に位置)と前記内側壁体短辺部分93b,93bの下端に一致するように構成されている。
また、前記第1ケース70が、透明又は半透明の合成樹脂で成型され、前記第3ケース90の内側壁体93の長手方向の内側壁体部分、ここでは、前記内側壁体長辺部分93aが、前記第1ケース70の中心側に向けて、該第1ケース70の壁体内面に近づく状態で略並行に延びて識別情報表示部95に構成されている。このように構成することで、万一、不正具が侵入してきた場合に、不正具が第1ケース70の壁体内面と識別情報表示部95とが近接していることで進行を阻止されるか、または進行されても、その進行方向を両者によって規制することができ、不正具が容易に内部のCPUチップ収納部74へ到達するのを防止し、以って、不正を阻止できるのである。
この識別情報表示部95は、前記第1ケース70と同様に、第3ケース90を形成する透明又は半透明の合成樹脂でもって、平板状に一体成型されているが、有色であってもよい。そして、この識別情報表示部95は、前記内側壁体長辺部分93aの長手方向の全長に亘って、僅かに斜めに延びて(斜め部分が8mm程度)、しかる後に、その内側壁体長辺部分93aに対して直角の方向に延びている(約23mm程度)。
ここで、識別情報表示部95の第1ケース70と対抗する面には、両端部が前記内側壁体短辺部分93b,93bと接続された、識別情報表示部95の長手方向に延びる突条93cが設けられている。この突条93cの上端面と内側壁体短辺部分93b,93bの上端面とは面一に形成されている。その結果、平面視では、前記突条93cと内側壁体短辺部分93b,93bの上端面とによってコの字を形成している。また、第1ケース70の内側面には、窓部壁体の基部に沿って、前記突条93c及び内側壁体短辺部分93b,93bの上端部と嵌合する溝41(凹部)が、第1ケース70の外側面に凸に突出する状態で、形成されて設けられている。上述した前記軸受鈎部28の上面は、この第1ケース70の外側面に凸の上面の外に出ないように構成されている。
図8に示すように、前記第3ケース90の本体部92の外側面92aにおいて、前記球検出センサの配線を接続するためのコネクタ用開口部91(図の右寄り2つの開口部)には、これを囲む保護壁96が立設されている。このように、球検出センサを接続するためのコネクタ用開口部91を囲むように保護壁96を立設することによって、球検出センサのコネクタに異物が挿入されるのをより完全に防止することができる。
この実施例においては、前記コネクタ用開口部91は、既述のように5個が互いに所定の間隔を空けて設けられており、その二つ(球検出センサのコネクタ)に前記保護壁96が設けられている。この保護壁96の前記本体部92の外側面92aからの立ち上がりの高さは、6mmに設定している。勿論、何れのコネクタ用開口部91に保護壁96を設けるのかは設計上の問題であり(対応位置の制御基板80の特定構造のコネクタの接続を必要とする各素子の配置による)、場合によっては、全てのコネクタ用開口部91に保護壁96を設ける場合もあると共に逆に何れのコネクタ用開口部91にも設けないこともあり得る。この実施例では、前記二つの保護壁96は、更に、他の三つの大型のコネクタと異なり、連結時の結合力が比較的小さな小型のコネクタ(球検出センサのコネクタ)にその配線を引っ張る力が横方向に作用したときに、その横向きの引っ張り力では容易に抜けないように、即ち、真上の方向でのみ抜けるように規制する機能も備えている。
図10に示すように、前記第1ケース70の壁体内面の所定位置、ここでは略中央位置に、箱状のCPUチップ収納部74が設けられ、前記識別情報表示部95が、前記CPUチップ収納部74の長さ(ここでは、65mm)を超える長さ(185mm)を有し(第3ケース90の本体部92の全長)、且つ、該CPUチップ収納部74をと接続用窓部72とを横切るように配置され、該CPUチップ収納部74に向けて延びる(約25mm)ように構成されている。
図7及び図10に示すように、前記第3ケース90の本体部92のコの字開口側の一側縁の外側面92aを受け止める受け部75が前記第1ケース70の窓部壁体73に設けられている。
この受け部75は、第1ケース70の窓部壁体73を構成する第1ケース70の一側辺の内側に位置し、この一側辺の内側に形成された細幅の基板受面76から、この第3ケース90の厚み分だけ一段落ち込んだ状態で形成され、図10に示すように、前記外側面92aの外側縁92bと当接するように形成されている。ここで、主制御基板80は、複数のねじ孔46に挿通されるねじ(図示略)により第1ケース70に固定するものとされており、図10に示すように、第3ケース90の前記外側縁92bは、前記ねじにより第1ケース70に固定される主制御基板80の辺縁部により第1ケース70側に押圧されて、前記受け部75と密接するようにされている。
以下、接続部カバー26を説明する。接続部カバー26は、接続用窓部72を介して配線を主制御基板80の各コネクタ25に接続し得るように接続用窓部72の配設箇所を露出させる開姿勢と、接続用窓部を介して配線を接続した後には配設箇所を外部からのアクセスが困難なように覆う閉姿勢との間で姿勢の切替が可能に、第1ケース70に開閉自在に設けられたものである。詳述すると、接続部カバー26は、閉姿勢にてコネクタ接続部を囲う覆いを形成するように4枚の板部、即ち、閉姿勢で第1ケースの天板部77と平行となる上板部26aと、これに垂直な前板部26bと、上板部26a及び前板部26bに垂直な2枚の側板部26c、26cとからなるものであり、ここでは、透明な合成樹脂製で一体成型されている。そして、上板部26aの端縁部には、6個の開口26dが形成されて、その開口26dの隣接する端縁部によって、6個の支軸29が形成されている。 このように、前記接続部カバー26の一側部に、該接続部カバー26の長手方向に沿う軸心を持つ支軸29が設けられ、前記第1ケース70に対して回動可能に枢着され、前記接続用窓部72を開閉できるように構成されている。このように、前記第1ケース70に枢支連結のための軸受鈎部28が設けられ、前記支軸29が、前記接続部カバー26の一側部に形成した開口26dにより、該開口26dに隣接する前記接続部カバー26の側部によって一体構成され、且つ、該開口26dが前記軸受鈎部28の一部を挿通する大きさに形成されている。また、前記接続部カバー26の開口26dが所定の間隔を隔てて6個形成されて対応する6本の支軸29を形成し、これに対応させて前記軸受鈎部28が6個設けられているのである。
また、前板部26bは、2枚の側板部26c、26cよりも下方に長く延び、第1ケース70の側壁を外から覆う状態に構成され、封止時には、その第1ケース70の側壁に密着する。
更に、上述の軸受鈎部28が、接続用窓部72を形成するための平面視凹部の奥部から横外側に向けて所定の距離離れた位置に設けられていることで、前記接続部カバー26を回動させて開く時に、第1ケース70の外側面に衝突することなく、70乃至80度の開度が得られ、ここでは前板部26bが延長されて実質的にL形となっている接続部カバー26であるため、大きな開度が得られないと、コネクタの差し込み、抜き出しが容易に行い得ないところ、この実施例構造では、楽に行い得る。
他方、第1ケース70の窓部壁体73の上端縁部において、前記6個の支軸29に対応する位置に、上述した、下向きに開口を有する鈎形の軸受鈎部28が、所定の間隔を隔てて6個突設されているので、これらの支軸29により、接続部カバー26は第1ケース70の窓部壁体73の上端縁部にて前記軸支持用板部27と軸受鈎部28とにより軸支される。また、前板部26bの下端部側で、その長手方向の略中間部分には第3封止部37が4個、長手方向に沿う横並び状態で、所定間隔を隔てて、外方に突出するように設けられており、これに対応して、第2ケース85には、第4封止部39が4個、同様に第2ケース85の長手方向に沿う横並び状態で、所定間隔を隔てて、外方に突出するように設けられている。
そして、第4封止部39は、封止、開封を繰り返す際に、容易に第2ケース85のから切り離しできるように、夫々細いリブ39aでもって、第2ケース85に連結されている。接続部カバー26を閉姿勢として第3封止部37と第4封止部39とを破断ネジ88(図10、図11参照)によって結合することにより、閉姿勢の接続部カバー26を封止状態にて固定することが可能となる。すなわち、第3封止部37と第4封止部39とが封止手段の構成要素となっている。
また、第3封止部37は、その上部と下部に凹部を備えており、上部の凹部には、破断ネジ88の頭部が埋入され、下部の凹部には第4封止部39が嵌入する状態で破断ネジ88による封止が行われるように構成されている。この下部の凹部の構造によって、第3封止部37と第4封止部39の接当境界部が外部に露出するのを防ぎ、破断ネジ88がその境界部で切断されるのを防いでいる。
更に、図8にも示すように、前板部26bには主制御基板80に接続した配線を通すための配線挿通用スリット44A、44Bが、前記第3封止部37の両側に位置されて形成されている。一方の前記配線挿通用スリット44Aは、3個のコネクタの配線を導出するのに必要な広幅のスリットとされ、他方の配線挿通用スリット44Bは、2個の球検出センサのコネクタの配線を導出するための狭い幅のスリットとされている。これらのスリット44A、44Bは、何れも前板部26bの下端部から上端部側に向けての切り込み状態で形成されている。この構造によって、コネクタの連結後、接続部カバー26を閉じる際に、その配線を、接続部カバー26の回動に合せて、配線挿通用スリット44A、44Bスリットに挿通することができ、接続部カバー26からの配線の導出が極めて容易に行い得る。
尚、配線挿通用スリット44A、44Bが、前記第3封止部37の両側に位置されて形成されているが、両者の配置は、交互に交錯していても良いし、第3封止部37が、接続部カバー26の長手方向の略中間位置でなく、両側端の所定数分離して配置され、その間に配線挿通用スリット44A、44Bが、配置されていても良く、更に、そのスリットも、実施例のような2箇所でなく、一箇所でも、3箇所以上でも適宜数形成して良い。
上述のように、コネクタの配線を外部に導出する状態で前記接続用窓部72を覆うことができるように接続部カバー26を前記第1ケース70に開閉自在に設け、該接続部カバー26に第3封止部37を設け、該第3封止部37に対応する第4封止部39を第2ケース85に備え、前記接続部カバー26の閉状態において、前記第3封止部37と第4封止部39とを第2の封止部材である破断ネジ88を用いて封止し、その封止部材によって前記第3封止部37と第4封止部39とが連結されている場合に前記接続部カバー26を開閉するときには該接続部カバー26を破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするように構成してある。
(作用)
第1ケース70及び第2ケース85を有して内部に制御基板80が設けられた基板ユニットであって、前記第1ケース70側に設けられる第1封止部71と、前記第2ケース85側に設けられる第2封止部86と、その第1封止部71と第2封止部86とを連結する封止部材87とを有し、その封止部材87によって前記第1封止部71と第2封止部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには基板ユニットを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とする。このような基板ユニットを備え、前記第1ケース70に、前記制御基板80に接続されるコネクタのための接続用窓部72が設けられている。
そして、コネクタの配線を外部に導出する状態で前記接続用窓部72を覆うことができるように接続部カバー26を前記第1ケース70に開閉自在に設け、該接続部カバー26に第3封止部37を設け、該第3封止部37に対応する第4封止部39を第2ケース85に備え、前記接続部カバー26の閉状態において、前記第3封止部37と第4封止部39とを封止部材である破断ネジ88を用いて封止し、その封止部材によって前記第3封止部37と第4封止部39とが連結されている場合に前記接続部カバー26を開閉するときには該接続部カバー26を破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするように構成してある。
また、前記の構成、即ち、第1ケース70の接続用窓部72を覆う第3ケース90の本体部92の周辺部の一部に内側壁体93を立設させたことによって、この第3ケース90を構造的に強度あるものとすることができて、基板ユニットの内部へのワイヤー、冶具等による不正侵入に際して、第3ケース90を変形させようとしたときに容易に変形させることが難しくなり、不正侵入をより一層確実に防止できるものである。
また、前記内側壁体93を前記第1ケース70の前記接続用窓部72を形成する窓部壁体73の内側面に密着するようにしていることで、内側壁体93と窓部壁体73とが重なる部分が生じ、且つ、内側壁体93が本体部92から立設されていることで、両者の間にワイヤー等を侵入させようとしても、内側壁体93が邪魔になって直線的に侵入できないと共に両者間に侵入を開始できたとしても、前記両者の重なる部分を通過しなければならず、その侵入方向が制限されることとなって、ケース内部に対する不正を容易に行い得ないのである。
更に、第3ケース90の前記内側壁体93がコの字状に構成されることで、単板が立設されるのに比べ、大幅な剛性のアップを図ることができて、第3ケース90を変形させる不正侵入の防止をより一層確実なものとすることができる。
また、第3ケース90の本体部92の外側面92aと第1ケース70の窓部壁体73の端面73aを面一にすることで、両者の接当を密着させることができると共に第3ケース90の本体部92の連結部94を設けるに、第3ケース90の本体部92の外側面92aに対して直交する方向のネジ止めとすることで、このネジの締め付けによって前記両者の密着状態に更に圧力を加えることができて、異物侵入を試みようとしても両者の合わせ目に容易に間隙が生じなくなるようにできるのである。
そして、前記第3ケース90に識別情報表示部95が延設されていることで、この識別情報表示部95が第3ケース90の補強リブとして機能し、第3ケース90の強度を向上させることができる。この識別情報表示部95は、この部分にコネクタの配置(個数、形状)に対する機種の記号、名称等を付して識別情報表示することができ、この情報が、透明又は半透明の第1ケース70から視認できるのである。
また、この識別情報表示部95が、第1ケース70の壁体内面に近づく状態で略並行に延びる構成とされることで、第3ケース90の内側壁体93と第1ケース70の壁体との間に異物を侵入させようとしたとき、その第3ケース90の内側壁体93が更に識別情報表示部95として延設されていることで、両者の重複部を通り抜けたとしても直ぐに内部に至るものではなく、両者の間を簡単に通り抜けることができないのである。
また、第1ケース70には、重要なCPUチップを配置するに、これを不正侵入から保護するための箱状のCPUチップ収納部74が設けられているが、前記識別情報表示部95を、このCPUチップ収納部74と接続用場度部72に対応する位置に設け、CPUチップ収納部74に向かって延設されることで、第1ケース70の接続用窓部72側からの不正侵入(第3ケース90の内側壁体93と第1ケース70の壁体との間に異物を侵入させる)に対して、ワイヤー等をCPUチップ収納部74に到達させようとしても、この間で前記識別情報表示部95が邪魔になり、CPUチップ収納部74の所要の位置に到達することができず、CPUチップ収納部74の付け根部(第1ケース70の壁面との接合部)にしか到達できないのであり、CPUチップに対する保護をより確実なものとすることができる。
更に、第3ケース90の本体部92のコの字開口側では、そのままでは、上述の第3ケース90の本体部92の内側壁体93と第1ケース70の窓部壁体73の端面73aとの接当が得られないところを、第1ケース70に受け面75を設け、ここで第3ケース90の本体部92のコの字開口側の一側縁の外側面92aを受け止めるようにしたことで、結果として第1ケース70の窓部壁体73の全周に亘って、第3ケース90の本体部92を確実に接当密着させることができるのである。
また、第1ケース70の内側面には、主制御基板80をピッタリと嵌めこみ敷設するための基板受面76が形成されているが、前記第1ケース70の窓部壁体73の開口によって、この部分だけ主制御基板80の嵌めこみが浮いてしまうのを防止し、全体としての主制御基板80の収まりを良くすることができる。
そして、前記突条97は、同時にその第3ケース90の本体部92のリブとして機能することにもなり、第3ケース90の強度をアップさせる。
また、主制御基板80を第1ケース70に固定するものとし、第3ケース90の外側縁92bを主制御基板80の辺縁部により第1ケース70側に押圧して受け部75と密接するものとされているので、第3ケースと第1ケースとの密着状態に更に圧力を加えることができて、異物侵入を試みようとしても両者の合わせ目に容易に間隙が生じなくなるようにすることができる。
更に、第3ケース90の本体部92には、コネクタ用開口部91が存在するが、この開口を単なる開口とすると、挿入されたコネクタ99は略全体が外部に露出することになり、コネクタ99に他物が接当するとコネクタが変形したり、接合不良を来たし易くなるが、前記のように保護壁96を立設することでコネクタ99を保護することができると共にこのように本体部92から保護壁96を立設することで、この本体部92の強度アップを図ることができる利点もある。
また、第1ケース70の溝41と、突条93c及び内側壁体短辺部分93bの上端部との嵌合(凹凸嵌合)により、接続用窓部72において窓部壁体73と内側壁体93との隙間から異物を侵入させようとしても前記嵌合部分にてそれ以上の侵入が阻止されることになり、不正な細工が行われるのをより完全に防止することが可能となる。
実施形態2
以下、図11乃至図14を参照して、本発明の実施形態2を説明する。図11は、実施形態2の第1制御基板ユニットの分解図であり、図12は、平面図であり、図13は、接続部カバーが開姿勢であるときの図12のA−A線断面図、図14は、接続部カバーが閉姿勢であるときの図12のA−A線断面図である。
図11に示すように、実施形態2においては、接続部カバー26の第3封止部37と対になって閉姿勢の接続部カバー26を封止状態にて固定する第4封止部39Aが、第1制御基板ユニット201を遊技盤30の裏面に取り付けるための取付台40に設けられている一方、第2ケース85Aからは第4封止部が取り除かれている。実施形態2において、その余の構成は実施形態1と同じであるからその詳細説明は省略する。前記第4封止部39Aは、封止、開封を繰り返す際に、容易に取付台40から切り離しできるように、夫々細いリブ39bでもって、取付台40に連結されている。
このように、第2ケース85Aではなく、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に取り付けるための取付台40に第4封止部39Aを設けることにより、基板ボックスを構成する第2ケース85Aの構造が簡素化されて、その小型化が可能となる。これにより、製造段階では独立した構成要素乃至は部品として取り扱われることの多い第1制御基板ユニット201の取り扱いが簡便となり、遊技機の製造工程が簡便化される。
尚、取付台40が遊技盤30の裏面に取り付けられるものであるので、遊技盤30の裏面に、基板ユニットを取り付けない別の支持部材を固定し、この支持部材に第4封止部39Aを備えるようすると、別部材が必要ではあるが、実質同じ効果が得られる。
実施形態3
以下、図15を参照して、本発明の実施形態3を説明する。図15は、実施形態3の要部詳細図であり、この実施形態3では、接続部カバー26の第3封止部37と対になって閉姿勢の接続部カバー26を封止状態にて固定する第4封止部39Bが第1ケース70Aに設けられる一方、第2ケース85Bからは第4封止部が取り除かれている。前記する第4封止部39Bは、封止、開封を繰り返す際に、容易に第1ケース70Aから切り離しできるように、夫々細いリブ39bでもって、第1ケース70Aに連結されている。実施形態3において、その余の構成は実施形態1と同じであるからその詳細説明は省略する。
このように、第2ケース85Bではなく、第1ケース70Aに第4封止部39Bを設けるものとすることにより、設計の自由度を大きくすることができる。
実施形態4
以下、図16を参照して、本発明の実施形態4を説明する。図16は、実施形態4の要部詳細図であり、実施形態4では、接続部カバー26Aと第1ケース70Aとを一体的に形成するとともに、その境界線に所定回数の曲げ伸ばしが可能な薄肉部分44を形成して、この薄肉部分44を曲げ伸ばしして接続部カバー26Aの所定回数の開閉が可能なようにしたものである。
これにより、より簡易な構造で接続部カバー26Aを、姿勢切替可能に第1ケース70Aに設けることが可能となる。接続部カバーはごく限られた回数(通常4回まで)の開閉だけが予定されたものであり、何十回、何百回の開閉を予定しないものであるから、このような簡易な支持機構でも封止状態にて閉姿勢の接続部カバーを固定することが可能となる。