JP2008147384A - ドライエッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多種のエッチング条件下においても、断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる、ドライエッチング装置を提供する。
【解決手段】このドライエッチング装置は、真空容器内を排気する排気口103と、真空容器内にガスを供給するガス導入口102とが接続された、真空容器101を備える。また、真空容器101内に、誘導結合されたプラズマを発生させるプラズマ源104と、基板108を搭載する第1の電極105を備える。また、第1の電極105とプラズマ源104との間の、真空容器101の内壁側に設置された、第2の電極109を備える。そして、第2の電極109には直流電源110が接続されている。直流電源110の調整により真空容器101内のイオンシースの広がりを制御し、真空容器101内のプラズマ密度を均一化し、エッチングの面内均一性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、ドライエッチング装置に関し、特に、エッチング均一性を改善する構造を備えるドライエッチング装置に関する。
半導体製造工程で特に使用されるドライエッチング装置として、従来、真空容器内に高周波電源に接続された対をなす対向電極を有する、容量結合型のドライエッチング装置が提案されている。この装置では、対向電極の一方に半導体ウエハなどの被加工物である基板が装填され、低圧化で用途に応じた反応ガスを流しながらプラズマを発生させ、エッチングを行なっている。
電極上に置かれた基板表面において、電界の強さは全体に均一ではない。つまり、基板の外周部で電界の強度は強くなり、電気力線は基板表面に直交しなくなり不均一となる。その結果、基板の中心部と外周部とにおいてエッチングレート(基板表面がエッチングされる速度)が異なり、外周部ではエッチングレートが速くなる。そのため面内均一性が悪く、さらにエッチング後の基板の断面形状が傾くといった問題がある。
その対策として、基板を設置する電極の外周に絶縁性リングを介在させて新たな電極を設け、高周波電力を印加する装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
図5は、従来のドライエッチング装置の一例の装置構成を説明する図である。図5に示すように、このドライエッチング装置では、真空容器302内に静電吸着機構313を有する下部電極304と高周波電力を印加するための電源305、上部電極309と高周波電力を印加するための高周波電源312が設置されており、下部電極304上に基板303を置いている。エッチングを行なう場合には、排気口306より真空排気を行ないながらガス導入部307よりエッチングガスを導入し、高周波電源312によりプラズマを発生させ、エッチングを行なっている。
そして、面内均一性向上のため、下部電極304の周囲に絶縁性リング315を設け、その外周囲に周辺電極311が配置され、高周波電力を印加するための電源314が接続されている。周辺電極311には、下部電極304より大きな高周波電力を印加することにより基板外周部のイオンを外周へと引き込み、均一性を向上させている。
しかし、外周の周辺電極311に印加する高周波電力を下部電極304に印加する高周波電力より大きくすると、確かに外周のイオンは引き込まれエッチング深さの均一性は向上するが、基板外周での電界の強さは不均一となるため、電気力線は基板に垂直とならず、その結果外周でのエッチング断面形状は、斜めに傾いた形状となってしまう。
図6は、従来例における基板外周部でのイオンの挙動を説明する図である。図6(a)に示すように、等電位線が示されている領域401の電界強度は基板303の外周部においてより強くなるため、電気力線402は基板303に垂直となっていない。そして電気力線402に沿ってイオン400が基板303に向かって移動し基板303をエッチングした結果、基板303のエッチング断面形状が斜めに傾いた形状となっている。たとえば半導体レーザーのリッジ形状が、図6(a)のように傾き、非対称であると、レーザー発振特性に影響を与えるため好ましくない。
電源314を調整し領域401の電界強度を均一にし電気力線402を基板303に垂直とした場合、エッチング断面形状は垂直に改善される。しかし、真空容器内にプラズマ密度分布があると、図6(b)に示すように、エッチング深さの面内均一性は改善されない。
よって、図5に示す従来例により効果が得られるのは、プラズマ密度が均一である場合、または、プラズマ密度が均一である領域を利用しエッチングを行なう場合に限られていた。特に、真空容器の周囲にプラズマ励起コイルを設けプラズマを発生させる誘導結合型のドライエッチング装置では、真空容器外周の方がよりプラズマ密度が高くなり、図6の状態となるため、図5に示す従来例では良好な面内均一性と断面形状を得ることは困難であった。
そのため、誘導結合型のドライエッチング装置のようにプラズマ密度分布のある場合の対策として、プラズマと基板電極との間に開口を有する絞り部材が設けられた装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。図7は、従来のドライエッチング装置の他の例の装置構成を説明する図である。
図7に示すように、真空容器502内に、ガス供給管503と、圧力コントロール弁505を備えた排気配管504とが接続されている。高密度プラズマ508を発生させるためのコイル506を備え、基板509は基板電極510上に置かれ、この基板電極510は高周波電源512に接続されている。外周のプラズマ密度が高い部分の緩和対策として、高密度プラズマ508と基板509との間に、開口515が形成された絞り部材513を設け、イオンと電子とを再結合させることにより、プラズマ密度分布を均一化させている。
特開2005−136165号公報 特開平11−135488号公報
しかしながら、絞り部材513を設置する場合、基板509よりどれぐらい上方に設置する必要があるか、どれぐらいの大きさ(円の場合は直径)とすればよいかは、実際に絞り部材513を作製、設置した後に、実際の試料をエッチング・評価し、再度開口515の大きさや設置する場所を微調整することを繰り返す必要があった。プラズマエッチングは真空容器内で行われるので、真空容器を大気開放し絞り部材513を設置しなおし、再度真空に引きなおすことを行なわなければならない。
このように調整することにより確かに面内均一性は向上するが、基板材料が異なったり、製造工程が異なりエッチング条件(ガスの種類や流量、圧力、高周波電力など)が変わると、再度開口513の大きさや設置場所の変更を行なう必要が発生する。よって、調整された絞り部材513の大きさや設置場所は、同一エッチング条件、同一基板にしか適用できなかった。
また、Cl(塩素)、BCl(三塩化ホウ素)などの塩素系ガスを利用したエッチングを行なっている場合、真空容器502を大気開放する際には、残留塩素が残っており、装置本体周囲の腐食の懸念だけでなく人体への影響も考える必要があり、防毒マスクを着用するなどの安全対策がその都度必要であった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、多種のエッチング条件下においても、断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる、ドライエッチング装置を提供することである。
この発明に係るドライエッチング装置は、真空容器を備える。また、真空容器内を排気する排気部を備える。また、真空容器内にガスを供給するガス導入部を備える。また、真空容器内に、誘導結合されたプラズマを発生させるプラズマ源を備える。また、真空容器内に配置され、試料を搭載する第1の電極を備える。また、第1の電極とプラズマ源との間の、真空容器の内壁側に設置された、第2の電極を備える。そして、第2の電極には直流電源が接続されている。
この場合は、第2の電極に接続された直流電圧を調整することにより、イオンシースの広がりを制御することができる。イオンシース近くに到達したイオンは、第2の電極へと引き込まれる。誘導結合型のドライエッチング装置における真空容器内の外周のように、真空容器内にプラズマ密度が高い領域を有する場合、プラズマ密度が高い真空容器内の外周にイオンシースを形成することによって、当該領域のイオンは第2の電極へと引き込まれる。このため、真空容器内のプラズマ密度の分布が均一化し、エッチングの面内均一性が向上する。この発明によれば、各製造工程のエッチング条件に応じた直流電圧値をあらかじめ調べ、各工程時にその値にセットすることにより、多種のエッチング条件下で断面形状に問題のなく面内均一性を向上させることができる。つまり、真空容器を大気開放し第2の電極を設置しなおすことや、多数の第2の電極を作製することなく、多種のエッチング条件下においても、断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる。
この発明に係る他のドライエッチング装置は、真空容器を備える。また、真空容器内を排気する排気部を備える。また、真空容器内にガスを供給するガス導入部を備える。また、真空容器内に、誘導結合されたプラズマを発生させるプラズマ源を備える。また、真空容器内に配置され、試料を搭載する第1の電極を備える。また、第1の電極とプラズマ源との間の、真空容器の内壁側に設置された、第2の電極を備える。そして、第2の電極は絶縁体で覆われており、また第2の電極は容量を介して高周波電源と電気的に接続されている。
塩素系ガスによるプラズマエッチング時には、第2の電極もエッチングされ耐久性が短くなる。この発明によれば、第2の電極をセラミック(たとえばアルミナ)などの絶縁体でコーティングにより被覆することにより、第2の電極の耐久性が向上する。アルミの陽極酸化によって第2の電極を被覆してもよい。真空容器外の電源と第2の電極の導電性部とが電気的に接続されていれば、多種のエッチング条件下においても、断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる。ただし、第2の電極をセラミックなどの絶縁体でコーティングした場合には、電源に直流電源を用いると絶縁体が帯電してしまい、直流電圧の調整による均一性改善の効果は小さくなる。よって、この場合には高周波電源を用いることにより、絶縁体の帯電が防げ、電圧の調整による均一性改善の効果が得られる。
以上のように、この発明に係るドライエッチング装置では、真空容器を大気開放し第2の電極を設置しなおすことや、多数の第2の電極を作製することなく、多種のエッチング条件下において、容易に断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを行なうことができる。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1のドライエッチング装置の構造模式図である。図1に示すように、このドライエッチング装置では、真空容器101に、真空容器101内にガスを供給するガス導入部としてのガス導入口102と、真空容器101内を排気する排気部としての排気口103が設けられている。通常、排気口103には圧力制御バルブが設けられており、エッチングガス導入時には真空容器101内を所定の圧力に調整する。試料としての基板108は、真空容器101内に配置された第1の電極としての基板電極105の上に搭載され、基板電極105はプラズマ励起用の高周波電源とは別の高周波電源106に接続されている。
真空容器101の上部に、プラズマ源としてのプラズマ励起コイル104と、プラズマ励起コイル104に接続された図示しない高周波電源とを設ける。プラズマ励起コイル104に高周波の大電流を流すことによって、エッチングに使用するガスが高周波励起によって誘導結合されて、プラズマ112が発生する。
プラズマ密度均一化のために、第2の電極としてのプラズマ均一化用電極109が、真空容器101の内壁側の、プラズマ励起コイル104と、基板電極105の上に搭載された基板108との間に、設けられている。図1に示すように、プラズマ均一化用電極109には開口部が形成されている。プラズマ均一化用電極109は、たとえば半導体ウェハの円板形状など基板108に対応した形状(たとえば、円環形状)に設けることができ、開口部はたとえば、基板108の直径よりも大きな円形状に形成することができるが、このような形状に限られないことは勿論である。プラズマ均一化用電極109は、絶縁材料107によって、真空容器101と電気的に絶縁されている。プラズマ均一化用電極109は、支持冶具111により直流電源110と接続されている。直流電源110は電圧を可変な電源として設けられている。
この直流電源110の電圧を変更することにより、プラズマ均一化用電極109に形成されるイオンシースの広がりが変化する。イオンシースの広がりを制御することにより、真空容器外周のプラズマ密度の高い領域のプラズマをプラズマ均一化用電極109に引き込むことによって、基板108には均一なプラズマを照射することができる。つまり、エッチング条件が異なることによるプラズマ密度分布の違いを、直流電源110の電圧を変更しイオンシースの広がりを制御することによって、調整することができる。
図2は、この発明の原理を説明する図である。図2を用いてイオンシースの広がりについて説明する。図2(a)は、プラズマ112にプラズマ均一化用電極109が接しているところを模式的に示した図である。
図2(b)〜(d)に示すグラフの横軸は真空容器内の水平方向の位置(x)、縦軸は真空容器内の電位を示す。図2(b)は、プラズマ112の電位Vpと、プラズマ均一化用電極109の電位Vbとを示した図であり、プラズマ均一化用電極109にはバイアスが印加されていない(つまり、プラズマ均一化用電極109には、直流電源110によって電圧が印加されていない)状態である。プラズマ均一化用電極109から離れた位置ではプラズマ112中のイオンと電子との数は同じであり、電気的に中性である。一方、プラズマ均一化用電極109近傍では、プラズマ112の電位Vpとプラズマ均一化用電極109の電位Vbとが異なるために、プラズマ均一化用電極109付近の電荷量に変化が生じ、プラズマ112の電位Vpは変化している。このプラズマ電位Vpが変化している領域が、イオンシースと呼ばれる領域である。
プラズマ電位Vpの変化は、以下の式(1)と式(2)とを解くことにより求めることができる。
Figure 2008147384
ここで、ne(x)は、位置xでの電子濃度を示す。n0は、プラズマ均一化用電極109より離れた、電位Vpが安定している場所での電子濃度を示す。またkはボルツマン定数、Tは温度をそれぞれ示す。
Figure 2008147384
ここで、qは電荷を、εは誘電率をそれぞれ示す。またN(x)は、位置xでの、プラス電荷(イオン)濃度からne(x)を減じた差を示す。
まず、プラズマ均一化用電極109に負バイアスを印加する場合を考える。式(1)より、プラズマ均一化用電極109に負バイアスを印加する(すなわち電位Vbの値を小さくする)と、プラズマ均一化用電極109近傍における電子濃度ne(x)は減少することがわかる。図2(c)は、プラズマ均一化用電極109に負バイアスを印加したときの電位Vpと電位Vbとを示した図である。
このとき、式(2)に従って、プラズマ均一化用電極109近傍のプラズマ電位Vpは大きく変化し、プラズマ均一化用電極109位置からより遠くの位置においてまでプラズマ電位Vpが変化する。つまり、図2(c)に示すように、イオンシースが広がっている。その結果、イオンシース近くに存在するイオン113は、電位の低い方へ(すなわちプラズマ均一化用電極109側へ)流れ、電子114はプラズマ均一化用電極109とは反対側へ移動する。つまり、イオンシースが広がっているために、プラズマ均一化用電極109からより離れた場所において、エッチングに寄与するイオン113が基板108(図1参照)へ向かうことを防いでいる。
また、プラズマ均一化用電極109に正バイアスを印加する(すなわち電位Vbの値を大きくする)場合には、上記と同様に式(1)より、プラズマ均一化用電極109近傍における電子濃度ne(x)は増加する。そして、図2(d)に示すように、プラズマ電位Vpはイオンシースが狭まる方向へと変化するため、電子114がプラズマ均一化用電極側109へ移動し、イオン113が基板108へと向かう。
プラズマ均一化用電極109のバイアスの大きさにより、イオンシースの広がりが変化する。つまり、直流電源110によって印加されるプラズマ均一化用電極109の直流電圧を調整することによって、イオンシースの広がりを制御することができる。イオンシース近くに到達したイオンはプラズマ均一化用電極109へと引き込まれるので、イオンシースの広がりの制御によって、たとえば真空容器101外周などの、プラズマ密度の高い領域のイオンの吸収を制御できる。したがって、真空容器101内のプラズマ密度を均一にし、エッチングの面内均一性を向上することができる。
次に、プラズマ均一化用電極109のバイアスが無くエッチング条件が異なる場合を考える。気体の状態方程式は、以下の式(3)によって表わされる。
Figure 2008147384
ここで、pは圧力、nは分子密度、kはボルツマン定数、Tは温度を、それぞれ示す。
一例として圧力が高い場合には、式(3)より、真空容器101内のガス分子密度nが高くなる。プラズマ励起コイル104によりガス分子がほぼ完全にプラズマ励起されると仮定すると、式(1)におけるプラズマ電位Vpおよび電子濃度n0が変化する。プラズマ電位Vp及び電子濃度n0が変化することにより、プラズマ均一化用電極109近傍の電子濃度ne(x)が変わり、ひいては式(2)よりイオンシースの広がりが変化してしまう。
つまり従来技術では、エッチング条件が異なる場合に面内均一性を向上させるためには、プラズマ均一化用電極109の大きさや設置位置を調整し、電子とイオンの再結合を制御する必要が生じる。本実施の形態で説明したように、プラズマ均一化用電極109に直流電源を接続し電圧Vbを調整することにより、イオンシースの変化を調整することができるので、異なるエッチング条件においても容易に対応することができる。つまり、各製造工程のエッチング条件に応じた直流電圧値をあらかじめ調べ、各工程時にその値にセットすることにより、多種のエッチング条件下で断面形状に問題のなく面内均一性を向上させることができる。したがって、真空容器101を大気開放しプラズマ均一化用電極109を設置しなおすことや、多数のプラズマ均一化用電極109を作製することなく、多種のエッチング条件下においても、断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、第2の電極としてのプラズマ均一化用電極109には、導電性材料(金属)を用いていた。しかし、化合物半導体などをエッチングする場合には塩素系ガスを利用することが必要となり、導電性材料をプラズマ均一化用電極に用いることは、耐久性が短くなるため好ましくない。よって、プラズマ均一化用電極を絶縁物で覆うことで対応することができる。
図3は、絶縁物で被覆されたプラズマ均一化用電極の模式図である。図3に示すように、プラズマ均一化用電極209は、たとえば厚み5mmの導電性材料(金属)で形成されており、たとえば厚み2mmのアルミナなどの絶縁物215によってその表面が覆われている。また、たとえばプラズマ均一化用電極209がアルミニウムで形成されている場合には、陽極酸化することによって表面に厚い酸化皮膜が生成することにより、絶縁物215を形成することができる。
この時にプラズマ均一化用電極209の一部が絶縁物215で覆われていないようにし、真空容器外の高周波電源210とプラズマ均一化用電極209の導電性部とが電気的に接続できるようにすることが必要である。本実施例では、支持冶具211もプラズマ均一化用電極209と同様にアルミナでコーティングされ、お互いが電気的に接続されている。高周波電源210による印加周波数の範囲は、たとえば数百kHz〜数GHzとすることができる。
本実施例に示すように、プラズマ均一化用電極209を絶縁物215で覆った場合に、電源に直流電源を用いると、プラズマ均一化用電極209に絶縁物215がコーティングされているため帯電する。つまり、絶縁物215で被覆しているということは、電気回路的には容量があるということであるから、直流電源を接続しても容量に電流は流れず、電荷が容量に蓄積する。そのため、電極電位Vbが制御できなくなり、イオンシースの変化を調整する効果が得られず、電源の調整によるエッチングの均一性改善の効果は小さくなる。よって、電源には高周波電源210を用いる必要がある。プラズマ均一化用電極209に高周波電源210を接続すれば、絶縁物215に電荷が溜まることなく、交流電流を流すことができるので、均一性改善の効果が得られる。
さらに、高周波電源210とプラズマ均一化用電極209との間には、容量217が入っている必要がある。また、容量217だけでなくコイルを挿入し整合回路を構成していてもよい。容量217が入っていることにより、高周波電源210には直流電流が流れないように、電極に直流電圧が発生する。図4は、図3に示すプラズマ均一化用電極に高周波電圧を印加した場合の電流・電圧特性を示すグラフである。図4を参照して、容量217を介してプラズマ均一化用電極209と高周波電源210とを電気的に接続する効果について説明する。
プラズマ内に小さな電極(導電性固体)を挿入し、その電極に電圧を印加したときの電流・電圧特性を、図4(a)の縦軸を電流、横軸を電圧としたグラフに示す。またこの電極に印加される高周波電圧の、時間と電圧との関係を、図4(a)の時間軸に対するグラフに示す。このとき、図4(b)に示すように、時刻t1〜t2の間は正方向に電流が流れ、時刻t2〜t3の間は上記正方向と逆向きの負方向に電流が流れるものとする。図4(a)に示す電流・電圧特性に従えば、負方向に流れる電流は飽和値を有するため、左上がり斜線で示される時刻t1〜t2の間に正方向に流れる電流と、右上がり斜線で示される時刻t2〜t3の間に負方向に流れる電流とを比較すると、時刻t1〜t2の間に正方向に流れる電流の方が大きくなる。つまり、電極には正方向に直流成分の電流が流れていることになる。
高周波電源に直列に容量を接続した場合、容量に電荷が蓄積するので、電極に直流成分の電流は流れない。つまり、正方向に流れる電流と負方向に流れる電流とは等しくなる。したがって、図4(c)に示すように、左上がり斜線で示される正方向に流れる電流と、右上がり斜線で示される負方向に流れる電流とが、相等しくなるように、電極に印加される電圧が変化する。
このときの、時間と電極に印加される電圧との関係を、図4(d)の時間軸に対するグラフに示す。図4(c)に示した電流の時間特性を得るためには、高周波電圧の印加によって電極に流れる電流がより小さくなっている必要がある。図4(a)と比較して、図4(d)に示す電極に印加される電圧は、電圧を表わす横軸の負方向に平行移動している。すなわち、図4(d)は、電流がより小さくなる方向に電圧がシフトしていることを示している。電圧がシフトしていることは、電極には直流電圧が発生しているということを示している。つまり、高周波電源210に容量217を接続することによって、電圧をシフトさせ、電極に直流電圧を発生させることができる。
高周波電力を変化させることにより、電極に発生する直流電圧も変化する。つまり、図3に示すように高周波電源210には高周波電力を可変とするための制御部216を接続し、高周波電源210から出力される高周波電力を変化させることによって、プラズマ均一化用電極209に印加される電圧を調整することができ、イオンシースの広がりを制御することができる。したがって、実施の形態2の構成によれば、塩素系ガスを使用する場合において、プラズマ均一化用電極209の耐久性を向上させるとともに、多種のエッチング条件下においても断面形状が垂直で面内均一性の良いエッチングを容易に行なうことができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1のドライエッチング装置の構造模式図である。 この発明の原理を説明する図である。 絶縁物で被覆されたプラズマ均一化用電極の模式図である。 図3に示すプラズマ均一化用電極に高周波電圧を印加した場合の電流・電圧特性を示すグラフである。 従来のドライエッチング装置の一例の装置構成を説明する図である。 従来例における基板外周部でのイオンの挙動を説明する図である。 従来のドライエッチング装置の他の例の装置構成を説明する図である。
符号の説明
101 真空容器、102 ガス導入口、103 排気口、104 プラズマ励起コイル、105 基板電極、106 高周波電源、107 絶縁材料、108 基板、109 プラズマ均一化用電極、110 直流電源、111 支持冶具、112 プラズマ、113 イオン、114 電子、209 プラズマ均一化用電極、210 高周波電源、211 支持冶具、215 絶縁物、216 制御部、217 容量、302 真空容器、303 基板、304 下部電極、305 電源、306 排気口、307 ガス導入部、309 上部電極、311 周辺電極、312 高周波電源、313 静電吸着機構、314 電源、315 絶縁性リング、400 イオン、401 領域、402 電気力線、502 真空容器、503 ガス供給管、504 排気配管、505 圧力コントロール弁、506 コイル、508 高密度プラズマ、509 基板、510 基板電極、512 高周波電源、513 絞り部材、515 開口。

Claims (2)

  1. 真空容器と、
    前記真空容器内を排気する排気部と、
    前記真空容器内にガスを供給するガス導入部と、
    前記真空容器内に、誘導結合されたプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記真空容器内に配置され、試料を搭載する第1の電極と、
    前記第1の電極と前記プラズマ源との間の、前記真空容器の内壁側に設置された第2の電極とを備える、ドライエッチング装置において、
    前記第2の電極には直流電源が接続されていることを特徴とする、ドライエッチング装置。
  2. 真空容器と、
    前記真空容器内を排気する排気部と、
    前記真空容器内にガスを供給するガス導入部と、
    前記真空容器内に、誘導結合されたプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記真空容器内に配置され、試料を搭載する第1の電極と、
    前記第1の電極と前記プラズマ源との間の、前記真空容器の内壁側に設置された第2の電極とを備える、ドライエッチング装置において、
    前記第2の電極は絶縁体で覆われており、
    前記第2の電極は、容量を介して高周波電源と電気的に接続されていることを特徴とする、ドライエッチング装置。
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