JP2008146936A - 燃料電池及び燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルの積層方向の寸法変化を吸収することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池において、拡散層が、セパレータの流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることにより、セルの積層方向の寸法変化を吸収することができる。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池において、拡散層が、セパレータの流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることにより、セルの積層方向の寸法変化を吸収することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池及び燃料電池用膜電極接合体に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化性ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、もう一方の面に空気極(カソード触媒層)とを電解質膜を挟んで対向するように設け、電解質膜を挟持した各触媒層の外側に拡散層をさらに設け、これらを原料供給用の流路を設けたセパレータで挟んで単セルが構成される。単セルは複数積層されて燃料電池スタックとされ、各触媒層に水素、酸素等の原料を供給して発電する。
燃料電池の発電時には、燃料極に供給する原料を水素ガス、空気極に供給する原料を空気とした場合、燃料極において、水素ガスから水素イオンと電子とが発生する。電子は外部端子から外部回路を通じて空気極に到達する。空気極において、供給される空気中の酸素と、電解質膜を通過した水素イオンと、外部回路を通じて空気極に到達した電子により、水が生成する。このように燃料極及び空気極において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より排出される物質が水であること等より、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
このような燃料電池において、環境あるいは内部の温度や湿度の変化によりセルが積層方向に膨張、伸縮し、セルが寸法変化して変形することがある。そこで、例えば、燃料電池スタックの外部にスプリングボックス、皿ばね等の圧力緩和機構を設け、セルの積層方向の寸法変化を吸収している。
また、例えば特許文献1には、そのようなセルの積層方向の寸法変化を吸収するために、弾性変形によって吸収可能な弾性係数を有する多孔質カーボンからなるガス拡散層を備えた燃料電池スタックが記載されている。
また、セルの積層方向の寸法変化を吸収するためのものではないが、生成水の排出性を向上させるために、特許文献2には、ガス拡散層にセパレータ側に向けて開口する排水用溝を設けた燃料電池が記載され、特許文献3には、撥水性の異なる複数のガス拡散層を備えた燃料電池が記載されている。
しかし、燃料電池スタックの外部にスプリングボックス、皿ばね等の圧力緩和機構を設けると、コストアップにつながるという問題がある。
また、特許文献1の方法では、拡散層を、セルの寸法変化を吸収することができる弾性変形層とするために、その他の性質、例えば厚さが制限されてしまう。
また、特許文献2,3の方法では、セルの積層方向の寸法変化を十分に吸収することができない。
本発明は、セルの積層方向の寸法変化を吸収することができる燃料電池及び燃料電池用膜電極接合体である。
本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、前記触媒層の表面上に形成された拡散層とを有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記拡散層との間でガス流路を形成するための流路壁が形成されたセパレータと、を有し、前記拡散層が、前記流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備える燃料電池である。
また、前記燃料電池において、前記易弾性部位は、前記他の部位よりも気孔率が高い部位であることが好ましい。
また、前記燃料電池において、前記拡散層は少なくとも3層からなり、その中間層が前記流路壁の対応部位に空洞部を有することが好ましい。
また、前記燃料電池において、前記少なくとも3層の拡散層における前記セパレータ側の層のうち少なくとも1つは、前記流路壁の対応部位の略直交方向に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることが好ましい。
また、本発明は、電解質膜と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、前記触媒層の表面上に形成された拡散層とを有し、前記拡散層が、前記拡散層との間でガス流路を形成するためのセパレータの流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備える燃料電池用膜電極接合体である。
本発明では、燃料電池において、拡散層が、セパレータの流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることにより、セルの積層方向の寸法変化を吸収することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池>
本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池について説明する。本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体(以下、単に「膜電極接合体」または「MEA」(MEA:Membrane Electrode Assembly)と呼ぶ場合がある。)は、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された燃料極(アノード触媒層)及び空気極(カソード触媒層)と、触媒層の表面上に形成された拡散層とを有する。また、本実施形態に係る燃料電池は、この膜電極接合体と、膜電極接合体の両面を挟持し、拡散層との間でガス流路を形成するための流路壁が形成されたセパレータとを有する。
本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体及び燃料電池について説明する。本実施形態に係る燃料電池用膜電極接合体(以下、単に「膜電極接合体」または「MEA」(MEA:Membrane Electrode Assembly)と呼ぶ場合がある。)は、電解質膜と、電解質膜の両面に形成された燃料極(アノード触媒層)及び空気極(カソード触媒層)と、触媒層の表面上に形成された拡散層とを有する。また、本実施形態に係る燃料電池は、この膜電極接合体と、膜電極接合体の両面を挟持し、拡散層との間でガス流路を形成するための流路壁が形成されたセパレータとを有する。
図1に、本実施形態に係る燃料電池の構成の一例の概略断面図を示す。図1に示すように、燃料電池セル1は、電解質膜10の一方の表面に燃料極12が、もう一方の表面に空気極14が電解質膜10を挟んでそれぞれ対向するように形成され、触媒層(燃料極12及び空気極14)を挟んで両面に拡散層16,18が設けられた膜電極接合体(MEA)28と、拡散層16,18の両外側を挟持するセパレータ20とを備える。セパレータ20には、拡散層16,18との間でガス流路を形成するための凸状の流路壁26が形成され、その流路壁26により、燃料極12及び空気極14にそれぞれ燃料ガス、酸化ガスを供給するための燃料ガス流路22、酸化ガス流路24が形成されている。また、セパレータ20の膜電極接合体(MEA)28との対向面と反対側に冷媒を供給するため冷媒流路(図示せず)が形成されていてもよい。通常、燃料電池セル1において、冷媒流路、燃料ガス流路22及び酸化ガス流路24は、複数個並列に形成される。
燃料電池セル1において、例えば、燃料極12に供給する燃料ガスを水素ガス、空気極14に供給する酸化ガスを空気として運転した場合、燃料極12において、
2H2 → 4H++4e−
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H2)から水素イオン(H+)と電子(e−)とが発生する。電子(e−)は拡散層16から外部回路を通り、拡散層18から空気極14に到達する。空気極14において、供給される空気中の酸素(O2)と、電解質膜10を通過した水素イオン(H+)と、外部回路を通じて空気極14に到達した電子(e−)により、
4H++O2+4e− → 2H2O
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極12及び空気極14において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
2H2 → 4H++4e−
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H2)から水素イオン(H+)と電子(e−)とが発生する。電子(e−)は拡散層16から外部回路を通り、拡散層18から空気極14に到達する。空気極14において、供給される空気中の酸素(O2)と、電解質膜10を通過した水素イオン(H+)と、外部回路を通じて空気極14に到達した電子(e−)により、
4H++O2+4e− → 2H2O
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極12及び空気極14において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
図2に、図1の燃料電池セルを分解した概略斜視図を示す。図1,2に示すように、燃料極12(図2においては図示せず)側の拡散層16は、第1拡散層16a、第2拡散層16b、第3拡散層16cの3層で構成され、中間層である第2拡散層16bにはセパレータ20の流路壁26の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位として、空洞部30を備える。すなわち、空洞部30は、第2拡散層16bにおける空洞部30以外の部位よりも気孔率が高い部位である。
燃料電池セルを構成する部材のうち、容積の最も大きいものは通常セパレータであるが、セパレータ(メタルセパレータ、カーボン系セパレータ等)は剛性が高く、緻密な材料であり、燃料電池スタックの締結応力程度の力ではセルの積層方向の寸法変化を吸収することは困難である。また、電解質膜、触媒層は容積が小さい上、圧縮弾性変化をほとんど起こさない。したがって、セルの積層方向の寸法変化を吸収するために最も弾性変形の可能性を有するものは、多孔質体である拡散層であるが、従来の拡散層では圧縮変形のみで十分な弾性変形を起こすことは困難であった。
そこで本実施形態のような構成により、燃料電池が置かれる外部環境あるいは燃料電池のスタック内部やセル内部の温度変化、湿度変化によりセルが積層方向に膨張、伸縮し、セルが寸法変化して応力が発生しても、図3に模式図を示すように、主に拡散層16の最外層である第3拡散層16cが空洞部30において曲げ変形を起こし、セルの破壊に至ることなく寸法変化による応力を吸収することができる。したがって、過剰にセルの容積を増やすことなく、十分な(例えば、寸法変化30μm〜50μm程度)弾性変形能力を有する。
これにより、燃料電池スタックの外部にスプリングボックス、皿ばね等の圧力緩和機構を設ける必要もない。また、拡散層16は、3層構造となっているため、弾性変形層とした上で、ガス拡散性、導電性等の拡散層としてのその他の性質を制限することもない。
第1拡散層16a、第2拡散層16b、第3拡散層16cのそれぞれの厚みは例えば30μm〜300μmの範囲であり、それぞれの厚みが同じであっても異なっていても良い。特に中間層である第2拡散層16bの厚みは、吸収する寸法変形量に応じて決めれば良い。また、拡散層16は、少なくとも3層であれば良く、3層では寸法変化量を十分に吸収することができない場合は、例えば5層であっても、7層であっても良い。例えば5層の場合には、その中間層が空洞部等の易弾性部位を有し、中間層に接するセパレータ側の層が易弾性部位において曲げ変形を起こすようにすればよい。コスト等を考慮すると、3層であることが好ましい。
中間層である第2拡散層16bは、例えば、膜形成後、流路壁26の対応部位を切り抜くこと等により形成することができる。
図4に、本実施形態に係る燃料電池の構成の他の例の概略断面図を示す。図4に示すように、燃料極12側の拡散層32は、第1拡散層32a、第2拡散層32b、第3拡散層32cの3層で構成され、中間層である第2拡散層32bには流路壁26の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位として、弾性部34を備える。主に拡散層32の最外層である第3拡散層32cが弾性部34において曲げ変形を起こし、セルの破壊に至ることなく寸法変化による応力を吸収することができる。
ここで、弾性部34は、第2拡散層32bにおける流路壁26の対応部位以外の部位よりも弾性変形が容易な層であればよく特に制限はないが、例えば、他の部位よりも気孔率が高い部位である。例えば、弾性部34は、他の部位よりも気孔率の高いカーボンペーパ等のカーボン系材料等の導電性を有し弾性変形が容易な材料により構成することができる。これにより、空洞部を設ける場合に比べて膜厚方向の導電性の低下を抑制することができる。なお、気孔率は、一般的な水銀ポロシメータ等により測定することができる。
第2拡散層32bは、例えば、膜形成後、流路壁26の対応部位を切り抜いた後、切り抜いた部分に弾性部34を設けることにより形成することができる。
また、中間層である第2拡散層の他に最外層(第2拡散層に接するセパレータ側の層)である第3拡散層にも空洞部あるいは弾性部等の易弾性部位を設けても良い。図5に本実施形態に係る燃料電池の構成の他の例の単セルを分解した概略斜視図を示す。
図5において、燃料極12側の拡散層16は、第1拡散層16a、第2拡散層16b、第3拡散層16cの3層で構成され、中間層である第2拡散層16bには流路壁26の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位として、空洞部30を備える。さらに、セパレータ18側の最外層である第3拡散層16cに、流路壁26の対応部位の略直交方向に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位として空洞部36を有する。また、空洞部36の代わりに、流路壁26の対応部位以外の部位よりも弾性変形が容易な弾性部であってもよい。本構成により、図2,3の構成に比べて第3拡散層16cの端部が曲がりやすくなるため変形しやすくなり、寸法変化による応力を吸収することができる。また、弱い応力で拡散層の弾性変形が可能となる。さらに、第3拡散層16cに空洞部36を有することにより、生成水等の水をセパレータ20側に排出しやすくなり、第2拡散層16bの空洞部30に水が滞留することを防止することができる。易弾性部位の幅、長さ、数等は、吸収する寸法変形量に応じて決めれば良い。
図6に、本実施形態に係る燃料電池の構成の他の例の概略断面図を示す。図6に示すように、燃料極12側の拡散層38は1層であり、拡散層38内部の流路壁26の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位として、空洞部40を備える。主に拡散層38のセパレータ20側の部位が空洞部40において曲げ変形を起こし、セルの破壊に至ることなく寸法変化による応力を吸収することができる。
空洞部40は、例えば対応部位に加熱等により分解する材料を含有させ、拡散層38を形成した後、加熱処理等により対応部位にある当該材料を除去して形成することができる。
なお、図1〜図6の例では、易弾性部位を燃料極12側の拡散層16に設けているが、空気極14側の拡散層18に設けても良いし、燃料極12側の拡散層16及び空気極14の拡散層18の両方に設けても良い。燃料極12は燃料電池の反応に対する寄与が空気極14に比べて低いため、燃料電池の反応に対する影響を小さくするために、易弾性部位を燃料極12側の拡散層16に設けることが好ましい。
易弾性部位の幅及び長さは、セパレータ20の流路壁26の幅及び長さと同じかそれよりも広ければよく特に制限はないが、吸収する寸法変形量に応じて決めれば良い。易弾性部位の幅及び長さが流路壁26の幅及び長さに対して広すぎると、拡散層の部分が狭くなり、拡散層の強度が低下する場合がある。また、易弾性部位の数は、セパレータ20の流路壁26の数と必ずしも同じである必要はないが、均一な変形量を得るためには同じ数であることが好ましい。
拡散層16,18,32,38を構成する材料としては、導電性が高く、燃料及び空気等の原料の拡散性が高い材料であれば特に制限はないが、多孔質導電体材料であることが好ましい。導電性の高い材料としては、例えば、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボン材料等が挙げられ、カーボンクロス、カーボンペーパ、ガラス状カーボン等のカーボン材料が好ましく、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料であることがより好ましい。それぞれの拡散層16,18,32,38の合計の膜厚(3層構造の場合には3層合計の膜厚)は例えば、50μm〜1000μm、好ましくは150μm〜600μmの範囲である。
また、拡散層16,18,32,38は、その撥水性の向上のために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂と、電子伝導性を有する、例えばカーボンブラック等との混合溶液である撥水ペーストにより撥水処理がされてもよい。
電解質膜10としては、プロトン(H+)等のイオン伝導性の高い材料であれば特に制限はなく、パーフルオロスルホン酸系や炭化水素系等の固体高分子電解質膜が用いられる。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質膜を使用することができる。電解質膜10の膜厚は例えば、10μm〜200μm、好ましくは20μm〜50μmの範囲である。
また、電解質膜10には、必要に応じて補強膜として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン、ポリイミド等の、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の延伸多孔質膜を設けてもよい。この場合、溶液キャスト法等の方法により補強膜の表裏面に電解質膜10を形成する。補強膜の表裏面に電解質膜10が形成された3層構造であってもよいが、5層構造、あるいはそれ以上の層構造であってもよい。補強膜の膜厚は通常、5μm〜100μmである。
燃料極12及び空気極14は、例えば、白金(Pt)等を担持した、あるいは白金(Pt)等をルテニウム(Ru)等の他の金属と共に担持したカーボン等の触媒を、ナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質固体高分子電解質等の樹脂に分散させて成膜されたものである。燃料極12及び空気極14の膜厚は例えば、1μm〜100μm、好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
セパレータ20は、耐食処理が施された金属板または焼成カーボン等のカーボン系材料等で構成される。
このようにして製造された燃料電池1において、燃料極12側の拡散層16,32,38と空気極14側の拡散層18とを外部回路に電気的に接続し、燃料極12及び空気極14にそれぞれ原料を供給して運転すれば、電池として機能させることができる。
燃料極12側に供給する原料としては、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等が挙げられる。空気極14側に供給する原料としては、酸素や空気等の酸化性ガス等が挙げられる。
本実施形態に係る燃料電池は、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
電解質膜としてナフィオン〔Nafion、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製〕を使用し、電解質膜の両面に白金担持カーボンを含む固体高分子電解質(ナフィオン(Nafion、登録商標)の膜を触媒層として形成した。拡散層としてPTFEを含浸させ、撥水処理を行った厚さ100μmのカーボンペーパを用い、カソード側ではこのカーボンペーパを1枚だけ用い、アノード側では3枚重ねて用いて拡散層を形成した。アノード拡散層の3層のうち、中間層には、セパレータの流路壁(リブ)が当たる部分に打ち抜き加工を施し、易弾性部位として空洞部を形成した。これをカーボン系材料で構成したセパレータで挟持し、単セルを作製した。さらにこの単セルを20層積層して、実施例1の燃料電池スタックのサンプルとした。
電解質膜としてナフィオン〔Nafion、登録商標、デュポン社(Du Pont社)製〕を使用し、電解質膜の両面に白金担持カーボンを含む固体高分子電解質(ナフィオン(Nafion、登録商標)の膜を触媒層として形成した。拡散層としてPTFEを含浸させ、撥水処理を行った厚さ100μmのカーボンペーパを用い、カソード側ではこのカーボンペーパを1枚だけ用い、アノード側では3枚重ねて用いて拡散層を形成した。アノード拡散層の3層のうち、中間層には、セパレータの流路壁(リブ)が当たる部分に打ち抜き加工を施し、易弾性部位として空洞部を形成した。これをカーボン系材料で構成したセパレータで挟持し、単セルを作製した。さらにこの単セルを20層積層して、実施例1の燃料電池スタックのサンプルとした。
(比較例1)
アノード側拡散層として、実施例1の拡散層3層分と同じ厚みのカーボンペーパ1枚だけを用いた以外は実施例1と同様にして、燃料電池スタックのサンプルを作製した。
アノード側拡散層として、実施例1の拡散層3層分と同じ厚みのカーボンペーパ1枚だけを用いた以外は実施例1と同様にして、燃料電池スタックのサンプルを作製した。
<スタック変形挙動評価>
上記のようにして作製した燃料電池スタックのサンプルの変形挙動を評価した。評価した結果を図7に示す。グラフの横軸はスタックの締結応力の変化量を、縦軸はそのときの寸法変化量を示す。比較例1の場合、目標の変形量を確保しようとすると、拡散層の耐久性の上限である圧力P2を超え、P4の圧力が必要であったが、実際には圧力P3の段階で拡散層が座屈し、破壊されてしまった。一方、実施例1の場合、圧力P2を十分下回る圧力P1において目標の変形量を確保することができた。以上の結果から、実施例1の構成による燃料電池スタックは、定寸で締結しても外部、もしくは内部の部材の温度、湿度による変形応力を弾性変形領域内で柔軟に吸収し、高い信頼性で安定的に動作することができることがわかった。
上記のようにして作製した燃料電池スタックのサンプルの変形挙動を評価した。評価した結果を図7に示す。グラフの横軸はスタックの締結応力の変化量を、縦軸はそのときの寸法変化量を示す。比較例1の場合、目標の変形量を確保しようとすると、拡散層の耐久性の上限である圧力P2を超え、P4の圧力が必要であったが、実際には圧力P3の段階で拡散層が座屈し、破壊されてしまった。一方、実施例1の場合、圧力P2を十分下回る圧力P1において目標の変形量を確保することができた。以上の結果から、実施例1の構成による燃料電池スタックは、定寸で締結しても外部、もしくは内部の部材の温度、湿度による変形応力を弾性変形領域内で柔軟に吸収し、高い信頼性で安定的に動作することができることがわかった。
1 燃料電池セル、10 電解質膜、12 燃料極(アノード触媒層)、14 空気極(カソード触媒層)、16,18,32,38 拡散層、16a,32a 第1拡散層、16b,32b 第2拡散層、16c,32c 第3拡散層、20 セパレータ、22 燃料ガス供給路、24 酸化ガス供給路、26 流路壁、28 膜電極接合体(MEA)、30,36,40 空洞部、34 弾性部。
Claims (5)
- 電解質膜と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、前記触媒層の表面上に形成された拡散層とを有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記拡散層との間でガス流路を形成するための流路壁が形成されたセパレータと、
を有し、
前記拡散層が、前記流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池であって、
前記易弾性部位は、前記他の部位よりも気孔率が高い部位であることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1または2に記載の燃料電池であって、
前記拡散層は少なくとも3層からなり、その中間層が前記流路壁の対応部位に空洞部を有することを特徴とする燃料電池。 - 請求項3に記載の燃料電池であって、
前記少なくとも3層の拡散層における前記セパレータ側の層のうち少なくとも1つは、前記流路壁の対応部位の略直交方向に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることを特徴とする燃料電池。 - 電解質膜と、前記電解質膜の両面に形成された触媒層と、前記触媒層の表面上に形成された拡散層とを有し、
前記拡散層が、前記拡散層との間でガス流路を形成するためのセパレータの流路壁の対応部位に他の部位よりも弾性変形が容易な易弾性部位を備えることを特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
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JP2006330963A Withdrawn JP2008146936A (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | 燃料電池及び燃料電池用膜電極接合体 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008146936A (ja) |
-
2006
- 2006-12-07 JP JP2006330963A patent/JP2008146936A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090319 |
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A761 | Written withdrawal of application |
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