JP2008144977A - オイルクーラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロウ付け前にベースプレート15とコア部11とを正規位置に安定して位置決めする。ベースプレート15の小型化・軽量化を図る。
【解決手段】 積層される複数のコアプレート12間にオイル流路13と冷却水流路14とを交互に形成したコア部11の底面を形成するエンドプレート12Aに、コアプレート12よりも厚肉なベースプレート15を固定する。これらのコアプレート12及びベースプレート15は一体にロウ付けされる。ベースプレート15にコア部11側へ張り出した複数の突起部30を形成する。各突起部30は、エンドプレート12Aに貫通形成された嵌合孔31を通して、下から2番目のコアプレート12Cにロウ付けされる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油等のオイルの冷却に用いられるプレート積層型のオイルクーラに関する。
特許文献1〜4に記載されているように、例えば内燃機関の潤滑油や自動変速機の作動油のようなオイルの冷却用のオイルクーラとして、プレート積層型のオイルクーラが知られている。このオイルクーラは、複数のコアプレートが積層方向に積層され、隣り合うコアプレート間にオイル流路と冷却水流路とが交互に形成されたコア部と、このコア部の端面(底面)を形成するエンドプレートに固定され、上記コアプレートよりも厚肉なベースプレートと、を有し、このベースプレートを介して内燃機関のシリンダブロック等にボルトを用いて固定される。
特開2005−9828号公報 特開2002−168591号公報 特開2005−140315号公報 実開平2−127964号公報
このようなオイルクーラは、コアプレート及びベースプレートを含めた各部品が仮組みした状態で加熱炉内でロウ付けにより一体に接合される。このようなロウ(鑞)付け前にコア部とベースプレートとを互いに正規位置に位置決めするために、例えばベースプレートにはコア部の外周縁部に係合する複数の突起部が形成される。これに類似する技術が例えば特開平11−237193号公報に記載されている。
しかしながら、このような位置決め手法では、突起部をコア部よりも径方向外方に配置する必要があるため、突起部が形成されるベースプレートをコア部よりも一回り大きな外形寸法とする必要があり、オイルクーラの大型化や重量増加を招くおそれがある。また、例えばコアプレートが略矩形の形状である場合、少なくとも四方の4箇所に突起部を設ける必要があり、また、このように四方の4箇所に突起部を設けたとしても、ベースプレートに対してコア部が正規位置とは異なる姿勢、例えば90度,180度又は270度回転した姿勢で誤って組み付けられるおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ロウ付け前にベースプレートとコア部のエンドプレートとを正規位置に安定して位置決めすることができ、かつ、ベースプレートの小型化・軽量化を図ることができる新規なオイルクーラを提供することを目的としている。
複数のコアプレートが積層方向に積層され、隣り合うコアプレート間にオイル流路と冷却水流路とが交互に形成されたコア部と、このコア部の端面を形成するコアプレートであるエンドプレートに固定され、上記コアプレートよりも厚肉なベースプレートと、を有し、これらのコアプレート及びベースプレートが一体にロウ付けされるオイルクーラであって、上記ベースプレートにコア部側へ張り出した複数の突起部が形成されるとともに、これら突起部がそれぞれ嵌合する複数の嵌合部がエンドプレートに形成されることを特徴としている。
本発明によれば、ベースプレートの複数の突起部がエンドプレートの複数の嵌合部にそれぞれ嵌合することによって、ベースプレートとコア部とを正規位置に安定して位置決めすることができるとともに、ベースプレートにコア部の外周縁部に係合する位置決め用の突起等を設ける必要がないので、ベースプレートの小型化・軽量化を図ることができる。
先ず図1〜図5を参照して本発明の第1実施例について説明する。このオイルクーラ10は、複数のコアプレート12が積層方向に積層され、隣り合うコアプレート12間に、エンジンオイルが通流するオイル流路13と、エンジンの冷却水が通流する冷却水流路14と、が積層方向で交互に、つまり互い違いに形成されたコア部11を主体としている。このコア部11の底面(端面)を形成する下側エンドプレート(以下、単に「エンドプレート」とも呼ぶ)12Aには、コアプレート12よりも厚肉な下側ベースプレート(以下、単に「ベースプレート」とも呼ぶ)15が固定されている。図5にも示すように、このベースプレート15にはコア部11よりも側方へ張り出したフランジ部19が設けられ、このフランジ部19には複数のボルト孔19Aが貫通形成されている。これらのボルト孔19Aを挿通する固定ボルト(図示省略)によって、このオイルクーラ10のベースプレート15がエンジンの例えばシリンダブロック側の固定部(図示省略)へ共締め固定される。また、この実施例では、コア部11の上面(端面)を形成する上側エンドプレート12Bに、上側のベースプレートとしての補強用のレインフォースプレート33(図3参照)が固定されている。
各コアプレート12の外周部には外側つまり径方向外方へ傾斜しつつ積層方向でベースプレート15から離間する上方向(図1の上方向)へ立ち上がる立上フランジ部16が屈曲形成され、これらの立上フランジ部16が隙間無く重合することによりコア部11の外周壁部17が形成されている。このように、このオイルクーラ10は、各流路13,14を区画形成するコアプレート12がコア部11の外郭体つまりハウジングとしても機能する、いわゆるハウジングレス式でプレート積層型の構造となっている。コアプレート12は表面にロウ(鑞)材の層が形成されたクラッド材から成形され、ベースプレート15及びレインフォースプレート33を含めた各部品を仮組みした状態で高温の加熱炉内でロウ付けを行うことによって、各部品が一体にロウ付け・接合される。なお、ベースプレート15及びレインフォースプレート33をろう材層が形成されたクラッド材としても良い。
図2〜図4に示すように、コア部11には、コア部11の内部を積層方向に貫通して各オイル流路13に連通する2本のオイル縦通路20と、コア部11の上部に形成されて両オイル縦通路20を繋ぐオイル連通路21と、が設けられている。エンジンオイルは、これらのオイル縦通路20とオイル連通路21を通してオイル流路13内へ送給され、オイル流路13内を通流するように構成されている。また、コア部11には、コア部11の内部を積層方向に貫通して各冷却水流路14に連通する2本の冷却水縦通路22と、コア部11の上面に固定されて各冷却水縦通路22に接続する2本の冷却水配管部23と、が設けられている。冷却水は、エンジン側より一方の冷却水配管部23と冷却水縦通路22を通して各冷却水流路14へ供給され、各冷却水流路14を通流した後、他方の冷却水縦通路22と冷却水配管部23を通してエンジン側へ戻される。
冷却対象であるオイルの流量を十分に確保するために、エンドプレート12Aとこれに隣接する下から2番目のコアプレート12Cとの間に形成される最下層の流路18がオイル流路13とされている。このために、最外層のエンドプレート12A(及び12B)を除く中間のコアプレート12は、その上下面の一方が冷却水流路14に面する(接触する)こととなる一方、エンドプレート12Aは冷却水流路14と面していない。従って、オイル流路13に高温のオイルが流れている状態で、冷却水流路14に低温の冷却水が急激に流れた場合、冷却水流路14に面している多くの中間のコアプレート12が熱収縮により収縮方向(図1の右方向)へ引張られて変形することから、その外周側の最下層部17Aでは、その上側のみが径方向内方へ引き込まれるように歪み・変形を生じるとともに応力集中を招き易い。しかも、この最下層部17Aでは、他の一般部17B(図3参照)のように複数のコアプレート12の立上フランジ部16が重合しておらず、エンドプレート12Aの立上フランジ部16のみにより形成されているため、他の一般部17Bに比して局所的に薄く脆弱な構造となる傾向にある。
そこで本実施例では、最下層のエンドプレート12Aを他のコアプレート12よりも立上フランジ部16を含めて厚肉に形成している。つまり、エンドプレート12Aの厚さ方向寸法D1を、他の中間コアプレート12の厚さ方向寸法D0よりも大きく設定している。更に言えば、単一のエンドプレート12Aにより構成される最下層部17Aの厚さ方向寸法(D1)を、複数のコアプレート12が重なり合うことにより構成される他の一般部17Bの厚さ方向寸法(例えば2×D0)以上に確保している。この結果、コア部11の外周壁部17の中でも最下層部17Aの強度・剛性を他の一般部17Bと同等またはそれ以上に確保することができ、その歪み・変形や応力集中を有効に低減・解消することができる。
ところで、各コアプレート12には、面直交方向へ膨出すなわち張り出したエンボス部27が形成されている。これらのエンボス部27は周知のエンボス加工(プレス加工)により容易に形成することができる。そして、これらのエンボス部27がロウ付けにより隣り合うコアプレート12に接合されることで、交換熱量の増加及び剛性・強度の向上、更にはフィンを挿入するものに比して圧力損失を低減する等の作用効果を得ることができる。しかしながら、上述したように最下層のエンドプレート12Aを厚肉化すると、図2の符号F1〜F4で囲んだ縦通路20,22の外側に位置するコーナー部のように、プレス成形によるエンボス部の加工が困難となる領域が発生・拡大する。このため、仮にこれらの領域F1〜F4のエンボス部を単に省略すると、その強度・剛性が局所的に低くなって、図1の破線28に示すように、油圧(水圧)によってエンドプレート12Aに接合される下から2番目のコアプレート12Cの変形を招くおそれがある。
そこで本実施例では、ベースプレート15における所定位置、より具体的には各コーナー部F1〜F4にそれぞれ2箇所、合計8箇所の嵌合位置に、コア部11側へ略円柱状・半円錐状に張り出した突起部30が形成されている。これらの突起部30は周知のプレス加工(エンボス加工)により容易に形成することができ、このようなプレス成形によってベースプレート15の裏面側には突起部30に対応する位置に凹部32が形成される。また、エンドプレート12Aには、突起部30に対応する8箇所に、それぞれ突起部30が嵌合する嵌合部としての嵌合孔31が貫通形成されている。この実施例では寸法公差等を考慮して突起部30と嵌合孔31との間にわずかな隙間が設定されている。そして、各突起部30が嵌合孔31を通して下から2番目のコアプレート12Cの下面にロウ付けにより接合される。これによりベースプレート15と下から2番目のコアプレート12Cとをエンドプレート12Aを挟んで突起部30により繋いだ柱構造となり、この部分の強度・剛性が向上し、上述したようなコアプレート12Cの歪み・変形を低減・解消することができる。
また、このように突起部30をエンドプレート12Aの嵌合孔(嵌合部)31に嵌合させることで、ベースプレート15とコア部11とを互いに精度良く位置決めすることができ、上述したようにベースプレート15にコア部11の外周に係合する位置決め用の突起を別途設ける場合に比して、構造が簡素化されるとともに、位置決め突起を設けるためにベースプレートをコア部よりも一回り大きくする必要がなく、図5に示すようにベースプレート15をコア部11と同等の幅方向(図5の左右方向)寸法に抑制することが可能となり、小型化・軽量化を図ることができる。
更に、図2に示すように、冷却水縦通路22の外周のコーナー部F1,F3における嵌合位置と、オイル縦通路20の外周のコーナー部F2,F4に形成される嵌合位置と、を互いに異ならせることによって、正規位置とは異なる姿勢、つまり正規位置から90度又は270度回転した姿勢では、破線で示すように突起部30’の位置と嵌合孔31の位置とがずれて嵌合できない、つまり組み付けることができないように設定されており、このような誤組み付けを防止することができる。
また、図3に示すように、上述した下側ベースプレート15と同様、上側ベースプレートであるレインフォースプレート33にも、複数の所定位置にコア部11側へプレス加工による凹部35が形成されることによりその裏面側に略円柱状・半円錐状に張り出した突起部34が形成される。このレインフォースプレート33が固定される上側エンドプレート12Bには、上記の突起部34がそれぞれ嵌合する嵌合部としての嵌合孔36が貫通形成されている。そして、各突起部34は、対応する嵌合孔36を挿通して、上側エンドプレート12Bに隣接する上から2番目のコアプレート12Dにロウ付けにより接合されている。この場合でも、上述した下側ベースプレート15側と同様の作用効果を得ることができる。
次に図6〜図9を参照して、本発明の第2実施例を説明する。なお、上記第1実施例と実質的に同様の構成には同じ参照符号を付して重複する説明を適宜省略し、上記第1実施例と異なる部分について主に説明する。
この第2実施例では、ベースプレート15の2箇所の嵌合位置に突起部30がそれぞれ形成されている。そして、エンドプレート12Aにはコア部11内方(図7の上方)へ張り出した多数のエンボス部27が形成されており、これらエンボス部27のうちの2つが、上記の突起部30にそれぞれ嵌合する嵌合部27Aとして機能している。図7に示すように、突起部30は嵌合部27Aの内側に嵌合した状態でロウ材37により嵌合部27Aに一体にロウ付け・接合されている。
図8を参照して、ベースプレート15にコア部11の四方の外周縁部に係合する少なくとも4つの位置決め用の突起を設ける比較例では、ベースプレート15’をコア部11よりも四方にわたって一回り大きく設定する必要がある。これに対して第2実施例によれば、上記第1実施例と同様、突起部30をエンドプレート12Aの嵌合部27Aに嵌合させることで、ベースプレート15とコア部11とを互いに正確に位置決めすることができるため、構成が簡素化されるとともに、ベースプレート15の幅方向(図8の左右方向)の寸法をコア部11と同等に抑制することが可能となり、上記比較例のベースプレート15’に比して小型化・軽量化される。
また、突起部30が形成される2箇所の嵌合位置を適宜に設定することで、ベースプレート15に対してコア部11が正規位置とは異なる位置、具体的には図9に示すように90度,180度又は270度回転した位置では、図示するように突起部30が嵌合部27Aを含むエンボス部27に嵌合できないように設定されており、わずか2箇所の突起部30で誤組み付けを確実に防止することができる。
しかもこの第2実施例では、エンボス部27の幾つかを嵌合部27Aとして利用しているために、上記第1実施例のように嵌合孔(嵌合部)を別途形成する必要がなく、構造が簡素化されるとともに製造工数や製造コストを低減でき、また、嵌合部27Aに突起部30をロウ付けにより接合することで、この嵌合部(エンボス部)27Aの近傍の強度・剛性を向上することができる。従って、例えば図示するように高い強度・剛性が求められる縦通路20,22の近傍に嵌合部27Aを設定することで、縦通路20,22の近傍の強度・剛性を有効に高めることが可能となる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記第2実施例において突起部30を3個以上設けるようにしても良い。
本発明の第1実施例のオイルクーラにおける下側エンドプレートの近傍を示す断面図。 上記第1実施例の下側エンドプレートを示す平面図。 上記第1実施例の上側エンドプレートであるレインフォースプレートの近傍を示す断面図。 上記オイルクーラを示す正面図。 上記オイルクーラを示す上面図。 本発明の第2実施例のオイルクーラを示す上面図。 図6のA−A線に沿う断面図。 上記第2実施例と比較例のベースプレートを比較して示す説明図。 上記第2実施例におけるベースプレートに対してコア部を正規位置より90度(A),180度(B),及び270度(C)回転した状態を示す説明図。
符号の説明
10…オイルクーラ
11…コア部
12…コアプレート
12A,12B…エンドプレート
15,33…ベースプレート
27…エンボス部
27A…嵌合部
30,34…突起部
31…嵌合孔(嵌合部)

Claims (3)

  1. 複数のコアプレートが積層方向に積層され、隣り合うコアプレート間にオイル流路と冷却水流路とが交互に形成されたコア部と、このコア部の端面を形成するコアプレートであるエンドプレートに固定され、上記コアプレートよりも厚肉なベースプレートと、を有し、これらのコアプレート及びベースプレートが一体にロウ付けされるオイルクーラであって、
    上記ベースプレートにコア部側へ張り出した複数の突起部が形成されるとともに、これら突起部がそれぞれ嵌合する複数の嵌合部がエンドプレートに形成されることを特徴とするオイルクーラ。
  2. 上記エンドプレートが他のコアプレートよりも厚肉に形成され、上記嵌合部がエンドプレートに貫通形成され、上記突起部が、上記嵌合部を通して、上記エンドプレートに隣接するコアプレートにロウ付けにより接合されることを特徴とする請求項1に記載のオイルクーラ。
  3. 上記コアプレートには、隣接するコアプレートにロウ付けされる多数のエンボス部が突出形成されており、
    上記エンドプレートのコア部内方へ突出するエンボス部の幾つかが上記嵌合部として機能することを特徴とする請求項1に記載のオイルクーラ。
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