JP2008144975A - 排気処理システム - Google Patents

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Tetsuya Ueda
哲也 上田
Hironari Ogata
弘成 小方
Takaaki Nakasone
孝昭 中曽根
Osamu Inami
理 伊波
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】メンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させた排気処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】屋内2に開口し空中に浮遊する油を捕集するための捕集フード1と、屋外6に開口し清浄空気を排気するための排気口7を有する処理ユニット5と、捕集フード1と処理ユニット5とを接続するダクト4とを備え、処理ユニット5の通風経路8には油分離機構9と排気ファン11が設けられ、油分離機構9には通風経路8から分岐された導油経路13aを介して油を分解する油分解装置15が取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気し浄化する排気処理システムに関する。
近年、家庭の台所や業務用厨房などの換気システムには、室内空気を清浄化する機能のみならず、屋外環境保全の観点から、汚染空気を浄化して排気するという機能が求められている。これを解決するために、排気経路にフィルターなどを設けた排気処理システムが開発されてきた。
従来、この種の排気処理システムは、フードとダクトとファンとフィルタとから構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、そのシステムについて、図6を参照しながら説明する。図6において、101は、厨房102内の調理台103上方に設置されたフードで、ダクト104を介してファン105に接続されている。106は、ファン105の吐出側に設けられたフィルタで、フィルタ106の下流は屋外に開口した排気口107に接続されている。
厨房102内の調理台103で発生し空気中に浮遊する油(油煙、油粒など)は、フード101で捕集され、ファン105によってダクト104から排気口107を通って屋外に排気される。この時、ファン105と排気口107の間にはフィルタ106があり、油を含んだ空気がこのフィルタ106を通過する際に、油分をフィルタに吸着させて浄化された空気を屋外に排気するものである。
特開2001−218823号公報(第9頁、図1)
このような従来の排気処理システムでは、経年変化とともにフィルタ106が油分で目詰まりをおこし、排気が十分行えないようになるため、フィルタ106を定期的に交換する必要があり、メンテナンスのために手間がかかり、また、交換するフィルタ106の費用も必要でコストがかかるという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、メンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させた排気処理システムを提供することを目的としている。
本発明のシステムは、上記目的を達成するために、屋内に開口し空中に浮遊する油を捕集するための捕集フードと、屋外に開口し清浄空気を排気するための排気口を有する処理ユニットと、捕集フードと処理ユニットとを接続するダクトとを備え、処理ユニットの通風経路には油分離機構と排気ファンが設けられ、油分離機構には通風経路から分岐された導油経路を介して油を分解する油分解装置が取り付けられたものである。
この手段により、捕集した油を分解することができ、フィルター交換などのようなメンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させることができる。
また、他の手段は、処理ユニットには制御装置を備え、導油経路には開閉手段を設け、制御装置により、排気ファンが運転している時は開閉手段が開となり捕集した油を油分解装置内部に貯留し、排気ファンが停止している時は開閉手段が閉となり油分解装置を必要時間運転し貯留した油を分解するものである。
これにより、油の分解を確実に行うことができ、また、運転中のピーク消費電力を低減させることができる。
また、他の手段は、油分解装置内部には、触媒を担持した担体を備え、担体に付着貯留された油を触媒によって反応させ分解を行うものである。
これにより、油の分解を短時間で効率よく行うことができる。
また、他の手段は、油分解装置内部には、酵素を含浸した担体と給水経路と排水経路とを備え、担体に付着貯留された油に給水経路から水を供給し、酵素によって反応させ油の分解を行い、そののち排水経路から水とともに油の分解成分を排水するものである。
これにより、油の分解を熱などのエネルギーを使わず行うことができる。
また、他の手段は、担体が、ハニカム状、繊維状、粒状のいずれか、またはこれらを組み合わせた形状のものである。
これにより、油を貯留するための担体の容積を小さくし、装置をコンパクトにすることができる。
また、他の手段は、油分解装置には加熱手段と補助送風ファンを設け、担体に付着貯留された油を分解する場合、補助送風ファンにより空気中の酸素を油および触媒に供給するとともに、加熱手段により油および触媒を適正温度まで上昇させ、油を触媒酸化反応によって分解するものである。
これにより、油の分解をさらに短時間で効率よく行うことができる。
また、他の手段は、触媒は少なくとも白金またはパラジウムのいずれかを含むものである。
これにより、油を比較的低温で酸化分解し、加熱エネルギーを低減させることができる。
また、他の手段は、加熱手段として電気ヒータを備えたものである。
これにより、加熱手段を安価に製作することができる。
また、他の手段は、電気ヒータを油分解装置外周に密着して取り付けたものである。
これにより、油分解装置を安価に製作することができる。
また、他の手段は、電気ヒータを油分解装置内部に埋設し、電気ヒータ表面に触媒を含む物質をコーティングしたものである。
これにより、加熱効率を高め、加熱エネルギーを低減させるとともに、触媒反応を効率よく行い、油分解を短時間で行うことができる。
また、他の手段は、制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間にもとづいて油分解装置を必要時間のみ運転するものである。
これにより、不要な加熱を防止し、エネルギーを低減させることができる。
また、他の手段は、制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間が所定時間未満の時には油分解運転を行わず、油分解必要時間を次回演算時に持ち越し加算して再演算するものである。
これにより、加熱回数を極力少なくし、加熱立ち上り時のヒータのエネルギーロスを低減させることができる。
また、他の手段は、油分離機構として、通風経路内に設けた風の抵抗となるバッフル板と、バッフル板の下方に設けた油溜り部とを備え、油溜り部は導油経路に接続されたものである。
これにより、油分離機構を安価に製作することができる。
また、他の手段は、排気ファンが、羽根車とケーシングとモータからなり、羽根車に付着した油を遠心力でケーシング内面に付着させ、ケーシング内面の最下端に位置し導油経路に接続された油溜り部に油を集めることにより、排気ファンを油分離機構と兼用したものである。
これにより、粒径の小さな油も捕集し、油捕集効率を高めることができる。
また、他の手段は、処理ユニットの通風経路の上流側に油分離機構としての風の抵抗となるバッフル板を、通風経路の下流側に羽根車に付着した油を遠心力でケーシング内面に付着させることにより油分離機構と兼用した排気ファンをそれぞれ設け、バッフル板の下方に設けた油溜り部とケーシング内面の最下端に設けた油溜り部とを導油経路を介して油分解装置に連通させたものである。
これにより、油捕集効率をさらに高めることができる。
また、他の手段は、ダクトが、捕集フードから処理ユニットに向かって下り勾配に設置されたものである。
これにより、油がダクト内に滞留付着することを防止し、悪臭の発生を未然に防ぐことができる。
また、他の手段は、処理ユニットの通風経路内のダクト接続部近傍に風路遮断器を、通風経路内の風路遮断器より下流に温度検知器をそれぞれ設け、制御装置によって、温度検知器が通風経路内の異常温度上昇を検知した時に、風路遮断器が通風経路からダクトへ至る空気の流通を遮断するものである。
これにより、万一の温度異常の時も、屋内へ高温空気が逆流することを防止し、安全性を確保することができる。
また、他の手段は、処理ユニットの排気口近傍に脱臭手段を設けたものである。
これにより、脱臭手段が油によって目詰まりすることなく、メンテナンス不要で屋外への悪臭の放出を防止することができる。
本発明によれば、メンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させた排気処理システムを提供することができる。
また、油の分解を短時間で効率よく行い、エネルギーを低減させるという効果を奏する。
また、油収集効率を高める、装置をコンパクトにする、装置を安価に製作できる、悪臭を未然に防ぐ、安全性を確保できる、などの効果も奏するものである。
本発明の請求項1記載の発明は、屋内に開口し空中に浮遊する油を捕集するための捕集フードと、屋外に開口し清浄空気を排気するための排気口を有する処理ユニットと、捕集フードと処理ユニットとを接続するダクトとを備え、処理ユニットの通風経路には油分離機構と排気ファンが設けられ、油分離機構には通風経路から分岐された導油経路を介して油を分解する油分解装置が取り付けられたため、捕集した油を分解することができ、フィルター交換などのようなメンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項2記載の発明は、処理ユニットには制御装置を備え、導油経路には開閉手段を設け、制御装置により、排気ファンが運転している時は開閉手段が開となり捕集した油を油分解装置内部に貯留し、排気ファンが停止している時は開閉手段が閉となり油分解装置を必要時間運転し貯留した油を分解するため、油の分解を確実に行うことができ、また、運転中のピーク消費電力を低減させるという作用を有する。
本発明の請求項3記載の発明は、油分解装置内部には、触媒を担持した担体を備え、担体に付着貯留された油を触媒によって反応させ分解を行うため、油の分解を短時間で効率よく行うという作用を有する。
本発明の請求項4記載の発明は、油分解装置内部には、酵素を含浸した担体と給水経路と排水経路とを備え、担体に付着貯留された油に給水経路から水を供給し、酵素によって反応させ油の分解を行い、そののち排水経路から水とともに油の分解成分を排水するため、油の分解を熱などのエネルギーを使わず行うという作用を有する。
本発明の請求項5記載の発明は、担体が、ハニカム状、繊維状、粒状のいずれか、またはこれらを組み合わせた形状のものであるため、油を貯留するための担体の容積を小さくし、装置をコンパクトにできるという作用を有する。
本発明の請求項6記載の発明は、油分解装置には加熱手段と補助送風ファンを設け、担体に付着貯留された油を分解する場合、補助送風ファンにより空気中の酸素を油および触媒に供給するとともに、加熱手段により油および触媒を適正温度まで上昇させ、油を触媒酸化反応によって分解するため、油の分解をさらに短時間で効率よく行うという作用を有する。
本発明の請求項7記載の発明は、触媒は少なくとも白金またはパラジウムのいずれかを含むため、油を比較的低温で酸化分解し、加熱エネルギーを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項8記載の発明は、加熱手段として電気ヒータを備えたため、加熱手段を安価に製作できるという作用を有する。
本発明の請求項9記載の発明は、電気ヒータを油分解装置外周に密着して取り付けたため、油分解装置を安価に製作できるという作用を有する。
本発明の請求項10記載の発明は、電気ヒータを油分解装置内部に埋設し、電気ヒータ表面に触媒を含む物質をコーティングしたため、加熱効率を高め、加熱エネルギーを低減させるとともに、触媒反応を効率よく行い、油分解を短時間で行うという作用を有する。
本発明の請求項11記載の発明は、制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間にもとづいて油分解装置を必要時間のみ運転するため、不要な加熱を防止し、エネルギーを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項12記載の発明は、制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間が所定時間未満の時には油分解運転を行わず、油分解必要時間を次回演算時に持ち越し加算して再演算するため、加熱回数を極力少なくし、加熱立ち上り時のヒータのエネルギーロスを低減させるという作用を有する。
本発明の請求項13記載の発明は、油分離機構として、通風経路内に設けた風の抵抗となるバッフル板と、バッフル板の下方に設けた油溜り部とを備え、油溜り部は導油経路に接続されたため、油分離機構を安価に製作できるという作用を有する。
本発明の請求項14記載の発明は、排気ファンが、羽根車とケーシングとモータからなり、羽根車に付着した油を遠心力でケーシング内面に付着させ、ケーシング内面の最下端に位置し導油経路に接続された油溜り部に油を集めることにより、排気ファンを油分離機構と兼用したため、粒径の小さな油も捕集し、油捕集効率を高めるという作用を有する。
本発明の請求項15記載の発明は、処理ユニットの通風経路の上流側に油分離機構としての風の抵抗となるバッフル板を、通風経路の下流側に羽根車に付着した油を遠心力でケーシング内面に付着させることにより油分離機構と兼用した排気ファンをそれぞれ設け、バッフル板の下方に設けた油溜り部とケーシング内面の最下端に設けた油溜り部とを導油経路を介して油分解装置に連通させたため、油捕集効率をさらに高めるという作用を有する。
本発明の請求項16記載の発明は、ダクトが、捕集フードから処理ユニットに向かって下り勾配に設置されたため、油がダクト内に滞留付着することを防止し、悪臭の発生を未然に防ぐという作用を有する。
本発明の請求項17記載の発明は、処理ユニットの通風経路内のダクト接続部近傍に風路遮断器を、通風経路内の風路遮断器より下流に温度検知器をそれぞれ設け、制御装置によって、温度検知器が通風経路内の異常温度上昇を検知した時に、風路遮断器が通風経路からダクトへ至る空気の流通を遮断するため、万一の温度異常の時も、屋内へ高温空気が逆流することを防止し、安全性を確保するという作用を有する。
本発明の請求項18記載の発明は、処理ユニットの排気口近傍に脱臭手段を設けたため、脱臭手段が油によって目詰まりすることなく、メンテナンス不要で屋外への悪臭の放出を防止するという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における排気処理システムの構成断面図、図2は本発明の実施の形態1における排気ファンの拡大縦断面図である。
図1において、1は、屋内2に置かれた調理台2a上方に開口し空中に浮遊する油を捕集するための捕集フードで、壁面3を貫通したダクト4の一端が接続されている。5は、屋外6の壁面3に取り付けられダクト4の他端が接続された処理ユニットで、屋外6に開口し清浄空気を排気するための排気口7を有しており、排気口7近傍には脱臭手段7aとしての活性炭7bが備えられている。処理ユニット5の通風経路8には、ダクト4に近い上流側に油分離機構9としての風の抵抗となるバッフル板10が、排気口7に近い下流側に油分離機構と兼用した排気ファン11が設けられている。油分離機構9としてのバッフル板10下方には油溜り部12aが設けられ、通風経路8から分岐された導油経路13aと開閉手段(一例として電磁弁)14aを介して油分解装置15に連通されている。また、油分離機構と兼用した排気ファン11下方にも油溜り部12bが設けられ、同様に通風経路8から分岐された導油経路13bと開閉手段14b(一例として電磁弁)を介して油分解装置15に連通されている。
油分解装置15の外周には加熱手段17としての電気ヒータ18が密着して取り付けられている。この方式は、加熱手段17および油分解装置15をシンプルな構成とし、コストを安価にするものである。油分解装置15の内部には、少なくとも白金またはパラジウムのいずれか(図示せず)を含んだ触媒19を担持した、ハニカム状、繊維状、粒状のいずれか(図示せず)、またはこれらを組み合わせた形状の担体20が備えられている。担体20の形状は、担体20の単位容積当りの油貯留量を多くする、言い換えれば油の必要量を貯留するための担体20の容積を小さくし装置をコンパクトにするという目的で、ハニカム状、繊維状、粒状のいずれか、またはこれらを組み合わせたものとしているが、他の形状であってもよい。また、触媒19の材質は、油を比較的低温(200〜300℃程度)で酸化分解し加熱エネルギーを低減させるという目的で、少なくとも白金またはパラジウムのいずれかを含むとしているが、他の触媒であってもよい。油分解装置15の上部には補助送風ファン21が取り付けられ、油分解装置15の下部には風の出口の小孔として排出口22が設けられている。23は、処理ユニット5の通風経路8内のダクト接続部近傍4aに設けられた風路遮断器で、通風経路8内の風路遮断器23より下流には温度検知器24が設けられている。25は、排気ファン11、開閉手段14a、14b、電気ヒータ18、補助送風ファン21、風路遮断器23などを制御するための制御装置である。
つぎに、本実施の形態1における動作を説明する。調理台2aで調理を行った際に発生する油は、油煙や油粒などとして調理台2a上方の空気中に浮遊する。スイッチ動作やタイマー(図示せず)などにより排気ファン11が運転を開始し、調理台2a上方の油を含んだ空気は捕集フード1で捕集され、ダクト4〜処理ユニット5の通風経路8〜排気ファン11〜排気口7の順に送られ、屋外6に排出される。ダクト4は、捕集フード1から処理ユニット5に向かって下り勾配に設置されているため、油がダクト4内面に付着したとしても、重力により処理ユニット5側に回収され、ダクト内に油が滞留付着することによる悪臭の発生を未然に防ぐことができる。処理ユニット5内において油を含んだ空気は、まず、通風経路8内の風の抵抗となっている油分離機構9としてのバッフル板10に衝突する。この際、粒状の油の大半はバッフル板10表面に液体状に付着し、下方に設けられた油溜り部12aに凝集され、導油経路13aから油分解装置15に送られる。この時の開閉手段14aは「開」となっている。なお、このバッフル板10による方式は、油分離機構9を比較的安価に製作することができる。
つぎに、バッフル板10を通り抜けた空気は、通風経路8から排気ファン11に送られる。ここで、排気ファン11のA矢視拡大縦断面図を図2に示す。排気ファン11は、羽根車11a、ケーシング11b、モータ11cからなり、ケーシング11b内面の最下端に油溜り部12bを有し、油溜り部12bは導油経路13bに接続されている。排気ファン11に送られた空気には、わずかながらバッフル板10で除去できなかった微小の油粒を含んでおり、この油粒を含んだ空気がモータ11cによって回転している羽根車11aを通る際に、羽根車11aに付着した油粒を遠心力でケーシング11b内面に付着させ、付着した油は重力によってケーシング11b内面の最下端に位置した油溜り部12bに凝集され、導油経路13bから油分解装置15に送られる。この時も開閉手段14bは「開」となっている。油を分離する機構を2段設けたのは、油捕集効率をさらに高めるようにしたもので、本実施の形態1においては、油捕集効率90%以上を確保できるものである。また、上流側にバッフル板10を、下流側に油分離機構と兼用した排気ファン11を配置したのは、上流側で粒径の大きい油粒を大量に捕集し、下流側で粒径の小さい油粒を捕集するようにしたもので、排気ファン11の遠心力による油の分離機構は、特に粒径の小さい油粒の分離に効果を発揮するものである。
排気ファン11から排出された空気は、排気口7から屋外6に排出される。この排出空気には油分がほとんど含まれておらず、しかも排気口7近傍に備えられた脱臭手段7aとしての活性炭7bによって排出空気の悪臭も除去することができるため、屋外6の周囲環境を汚染することなく、良好な排気処理を行うことができるものである。なお、一般的に活性炭7bなどで脱臭を行う場合は、ハニカム形状のような微細経路に風を通すことになるが、本実施の形態1のように、油分を除去することによって、活性炭7bのハニカムが油によって目詰まりすることなく、メンテナンス不要で屋外への悪臭の放出を防止することができるものである。
一方、油分解装置15に流れ込んだ油は、排気ファン11の運転中は担体20に付着貯留されるが、排気ファン11の運転が停止したのちは、制御装置25によって以下の油分解運転を自動的に行う。まず、開閉手段14a、14bを「閉」とし、油分解装置15の外周に密着して取り付けられた電気ヒータ18に通電し担体20を加熱するとともに、補助送風ファン21を運転し担体20に空気を供給する。担体20を加熱することにより、担体20に担持された触媒19と担体20に付着貯留された油の温度が上昇し、適正温度としての触媒19の活性温度に達した時に供給された空気中の酸素と油とが触媒酸化反応を起こし、油成分は分解され二酸化炭素と水蒸気となり排出口22から屋外6へ排出される。この触媒19を用いた分解方式は、油の分解を短時間で効率よく行うことができ、本実施の形態1では、一般家庭の台所などで使用された場合、1日の油発生量を30分程度で分解することが可能となる。なお、油の分解時に開閉手段14a、14bを「閉」とするのは、加熱エネルギーが通風経路8へ放出されることを防止し加熱エネルギーを低減させるためと、油分解装置15の万一の異常過熱時にも通風経路8に温度的影響を及ぼさず安全性を高めるもので、これらの作用により油の分解をより確実に行うことができる。また、排気ファン11停止後に油の分解動作を行うことにより、排気ファン11と電気ヒータ18および補助送風ファン21とが同時に通電しないため、運転中のピーク消費電力を低減させることができる。さらに、処理ユニット5の通風経路8内が何らかの理由で異常温度(例えば500℃以上)になった時は、温度検知器24によって異常温度上昇を検知し、風路遮断器23が作動し通風経路8からダクト4へ至る空気の流通を遮断するもので、通風経路8内の万一の温度異常時にも、屋内へ高温空気が逆流することを防止し、安全性を確保することができるものである。
このように、本実施の形態1によれば、捕集した油を自動的に分解することによって、フィルタ交換などのようなメンテナンスを不要とし、メンテナンスにかかる手間とコストを低減させることができるものである。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における油分解装置の拡大縦断面図である。図3において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図3において、18は、油分解装置15内部に埋設された電気ヒータで、複数の伝熱フィン18aを有し、伝熱フィン18aを含めたヒータ表面には、触媒を含む物質がコーティングされている。油分解装置15内部には、実施の形態1同様、触媒19を担持した担体20が、電気ヒータ18の上下に配設されている。この方式は、担体20の近傍に電気ヒータ18があり、しかも電気ヒータ18自体の表面にも触媒がコーティングされているため、加熱効率が高く、同じ油量の分解反応であっても必要な加熱エネルギーを低減させることができ、また、触媒反応が効率よく行われるため、油を短時間に分解することができるものである。
なお、本実施の形態2において、電気ヒータ18の表面のみで油を全て分解できる場合には、上下に配設した担体20がなくても良い。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における排気処理システムの動作フロー図である。図1および図4にもとづいて、本実施の形態3における動作を説明する。
実施の形態3では、排気ファン11が運転を停止している時に行う油分解装置15の運転時間を、制御装置25によって以下のように制御している。すなわち、排気ファン11が運転していた積算時間から、油分解装置15内に貯留された油量を推定し、その推定油量の油を分解するのに必要な時間を予め記憶していたデータテーブルから選択し、その必要時間のみ油分解装置15を運転させたのち、自動的に停止させるもので、不要な加熱を防止し、エネルギーを低減させることができる。
さらに、本実施の形態3では、制御装置25によって以下の制御も行う。すなわち、排気ファン11が運転していた積算時間から演算された油分解必要時間が所定時間未満の時には油分解運転を行わず、油分解必要時間を次回演算時に持ち越し加算して再演算するものである。この動作を図4の動作フロー図で説明する。スイッチ動作やタイマーなどにより排気ファン11の運転を開始したのち(S1)、再びスイッチ動作やタイマーなどにより排気ファン11を停止させる(S2)。この間の排気ファン11の運転積算時間から油分解必要時間Tnを演算する(S3)。つぎに、前回記憶され持ち越された時間tがあれば(S4)、Tnにtを加算し再度油分解必要時間Tnを演算する(S5)。時間tがなければS5の演算は行わない。つぎに、油分解必要時間Tnが所定時間、一例として20分未満の場合は(S6)、Tn=tとして記憶し次回演算に持ち越す(S7)。一例として20分以上の場合は、油分解運転を開始するものである(S8)。この制御は、油分解運転時の電気ヒータ18による加熱回数を減らし、油がある程度溜った段階で油分解運転を開始させるもので、加熱立ち上り時の電気ヒータ18のエネルギーロスを低減させ、省エネルギー化を図ることができるものである。なお、これらの演算は制御装置25内のマイクロコンピュータ(図示せず)を使って行うものである。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4における排気処理システムの構成断面図である。図5において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5において、油分解装置15内部には、酵素16を含浸した担体20が備えられ、油分解装置15の上部には給水経路31と給水弁31aが、油分解装置15の下部には排水経路32と排水弁32aが、それぞれ設けられている。
つぎに、本実施の形態4における動作を説明する。排気ファン11運転時は、実施の形態1と同様に担体20に油が付着貯留される。排気ファン11停止後は、油分解運転として、制御装置25により、まず、給水弁31aを「開」にし給水経路31から水を油分解装置15内に供給し、所定の水が溜ったのちに給水弁31aを「閉」とする。この時、担体20は水に漬され、担体20に含浸された酵素16の反応によって油の分解を行い、そののち、排水弁32aを「開」にし排水経路32から水とともに油の分解成分を排水する。この方式は、油の分解に時間はかかるものの、熱などのエネルギーを使わずに油分解を行うことができるため、省エネルギー化を図ることができるものである。
本発明の排気処理システムは、家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気し浄化する用途として有用である。また、工場などで浮遊するオイルミストを浄化する用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1の排気処理システムを示す構成断面図 本発明の実施の形態1の排気ファンを示す拡大縦断面図 本発明の実施の形態2の油分解装置を示す拡大縦断面図 本発明の実施の形態3の排気処理システムの動作フロー図 本発明の実施の形態4の排気処理システムを示す構成断面図 従来の排気処理システムを示す構成断面図
符号の説明
1 捕集フード
2 屋内
4 ダクト
4a ダクト接続部近傍
5 処理ユニット
6 屋外
7 排気口
7a 脱臭手段
8 通風経路
9 油分離機構
10 バッフル板
11 排気ファン
11a 羽根車
11b ケーシング
11c モータ
12a、12b 油溜り部
13a、13b 導油経路
14a、14b 開閉手段
15 油分解装置
16 酵素
17 加熱手段
18 電気ヒータ
19 触媒
20 担体
21 補助送風ファン
23 風路遮断器
24 温度検知器
25 制御装置
31 給水経路
32 排水経路

Claims (18)

  1. 屋内に開口し空中に浮遊する油を捕集するための捕集フードと、屋外に開口し清浄空気を排気するための排気口を有する処理ユニットと、前記捕集フードと前記処理ユニットとを接続するダクトとを備え、前記処理ユニットには通風経路が設けられ、前記通風経路には油分離機構と排気ファンが設けられ、前記油分離機構には前記通風経路から分岐された油を導く導油経路を介して油を分解する油分解装置が取り付けられた排気処理システム。
  2. 処理ユニットには制御装置を備え、導油経路には開閉手段を設け、前記制御装置により、排気ファンが運転している時は前記開閉手段が開となり捕集した油を油分解装置内部に貯留し、前記排気ファンが停止している時は前記開閉手段が閉となり前記油分解装置を必要時間運転し貯留した油を分解する請求項1記載の排気処理システム。
  3. 油分解装置内部には、触媒を担持した担体を備え、前記担体に付着貯留された油を前記触媒によって反応させ分解を行う請求項2記載の排気処理システム。
  4. 油分解装置内部には、酵素を含浸した担体と給水経路と排水経路とを備え、前記担体に付着貯留された油に前記給水経路から水を供給し、前記酵素によって反応させ油の分解を行い、そののち前記排水経路から水とともに油の分解成分を排水する請求項2記載の排気処理システム。
  5. 担体は、ハニカム状、繊維状、粒状のいずれか、またはこれらを組み合わせた形状である請求項3または4記載の排気処理システム。
  6. 油分解装置には加熱手段と補助送風ファンを設け、担体に付着貯留された油を分解する場合、前記補助送風ファンにより空気中の酸素を油および触媒に供給するとともに、前記加熱手段により油および前記触媒を適正温度まで上昇させ、油を触媒酸化反応によって分解する請求項3記載の排気処理システム。
  7. 触媒は少なくとも白金またはパラジウムのいずれかを含む請求項6記載の排気処理システム。
  8. 加熱手段は電気ヒータである請求項6または7記載の排気処理システム。
  9. 電気ヒータを油分解装置外周に密着して取り付けた請求項8記載の排気処理システム。
  10. 電気ヒータを油分解装置内部に埋設し、前記電気ヒータ表面に触媒を含む物質をコーティングした請求項8記載の排気処理システム。
  11. 制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間にもとづいて油分解装置を必要時間のみ運転する請求項6〜10のいずれかに記載の排気処理システム。
  12. 制御装置により、排気ファンが運転している積算時間から演算された油分解必要時間が所定時間未満の時には油分解運転を行わず、油分解必要時間を次回演算時に持ち越し加算して再演算する請求項11記載の排気処理システム。
  13. 油分離機構として、通風経路内に設けた風の抵抗となるバッフル板と、前記バッフル板の下方に設けた油溜り部とを備え、前記油溜り部は導油経路に接続された請求項1〜12のいずれかに記載の排気処理システム。
  14. 排気ファンは、羽根車とケーシングとモータからなり、前記羽根車に付着した油を遠心力で前記ケーシング内面に付着させ、前記ケーシング内面の最下端に位置し導油経路に接続された油溜り部に油を集めることにより、前記排気ファンを油分離機構と兼用した請求項1〜12のいずれかに記載の排気処理システム。
  15. 処理ユニットの通風経路の上流側に油分離機構としての風の抵抗となるバッフル板を、前記通風経路の下流側に羽根車に付着した油を遠心力でケーシング内面に付着させることにより油分離機構と兼用した排気ファンをそれぞれ設け、前記バッフル板の下方に設けた油溜り部と前記ケーシング内面の最下端に設けた油溜り部とを導油経路を介して油分解装置に連通させた請求項1〜12のいずれかに記載の排気処理システム。
  16. ダクトは、捕集フードから処理ユニットに向かって下り勾配に設置された請求項1〜15のいずれかに記載の排気処理システム。
  17. 処理ユニットの通風経路内のダクト接続部近傍に風路遮断器を、前記通風経路内の前記風路遮断器より下流に温度検知器をそれぞれ設け、制御装置によって、前記温度検知器が前記通風経路内の異常温度上昇を検知した時に、前記風路遮断器が前記通風経路から前記ダクトへ至る空気の流通を遮断する請求項1〜16のいずれかに記載の排気処理システム。
  18. 処理ユニットの排気口近傍に脱臭手段を設けた請求項1〜17のいずれかに記載の排気処理システム。
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