JP2008144961A - 湯水混合弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水側弁部26及び湯側弁部28を備えた弁体24と、水側弁座40及び湯側弁座42を有し、弁体24の軸方向の移動により水流入口20及び湯流入口22の開度を変化させることによって水,湯の流入比率を変化させ且つ流入した水,湯を弁体24の位置調節を自動的に行う感温ばねを備えた混合室36に流入させて混合を行う湯水混合弁10において、弁ケース12の内面側から弁ケース12の中心部に向かって突出し、混合室36に向かう水の流れを当てて旋回流とする複数の旋回流発生羽根64及び水の流れを噴出流とするノズル部68を備えた撹拌流発生部60を弁ケース12に固定状態に設けておく。
【選択図】 図1
Description
この自動温度調節機能付きの湯水混合弁として次のようなもの、即ち(イ)弁ケースに軸方向に離隔して設けられた水流入口及び湯流入口と、(ロ)水流入口,湯流入口に対応して軸方向に離隔して設けられた水側弁部及び湯側弁部を備え、弁ケースの内部に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、(ハ)弁ケースに設けられ、水側弁部,湯側弁部をそれぞれ当接させる水側弁座,湯側弁座と、(ニ)水流入口及び湯流入口からの水及び湯を流入させて混合する混合室と、(ホ)混合室内の混合水温度に感応して軸方向に伸縮し、弁体の位置調節を自動的に行う感温体と、(へ)感温体を収縮させる方向に弁体を付勢するバイアスばねと、を有し、弁体の軸方向の一方の移動により水流入口の開度を小さく、湯流入口の開度を大きく変化させ、また弁体の逆方向の移動により湯流入口の開度を小さく、水流入口の開度を大きく変化させることによって水,湯の流入比率を変化させ、且つ流入した水,湯を弁ケースの内部で軸方向に流して混合室に流入させ、混合水を吐水部に向けて流出させる湯水混合弁が公知である。
例えば下記特許文献1にこの種形式の自動温度調節機能付きの湯水混合弁が開示されている。
図11はその具体例を示している。
弁ケース204には、これら水側弁部208,湯側弁部210の間の位置において、水側弁部208,湯側弁部210に各対応して水側弁座214,湯側弁座216が設けられており、それらに対し水側弁部208,湯側弁部210がそれぞれ当接するようになっている。
ここで混合室222は、湯流入口202に対し水流入口200とは軸方向の反対側に形成されている。
水流入口200を通じて流入した水は、この内部通路228を通じて図中左向きに流れ、混合室222へと到る。
具体的には、湯側弁部210が全閉、水側弁部208が全開状態の下で回転操作軸230を回転(正方向回転)操作すると、第1バイアスばね218,第2バイアスばね220の付勢力が強まって弁体206が図中左方向にシフトさせられる。
そしてそのシフトした状態において第1バイアスばね218,第2バイアスばね220による左向きの付勢力と、感温ばね224による右向きの付勢力とが釣合った状態となり、その状態で水流入口200及び湯流入口202から流入する水と湯の混合水の温度が変動すると、これに伴って感温ばね224が付勢力を増減させ、感温ばね224が軸方向の伸縮を伴って弁体206を左右方向に微動させる。これにより混合水の温度が設定温度に維持される。
その理由は、混合室222における水と湯との混合撹拌が必ずしも十分良好に行われず、感温体224が水と湯との混合比率の変化に対して必ずしも適正に追従ないし感応していないことにある。
この湯水混合弁では、水流入口200,湯流入口202から流入した水,湯がフィン248を通過して混合室へと流れ、その際に水,湯の流れにフィン248の作用で旋回流が生ぜしめられる。
また本発明の他の目的は、湯水混合弁を構成する部品の点数を少なくして組付工数も削減でき、湯水混合弁のコストを低廉化することを目的とする。
従って本発明によれば、給水圧の変動にも拘らず撹拌流発生部を介しての弁体に対する流動圧の影響を排除して、実際の吐水温度を撹拌流の撹拌効果により目的とする温度に精度高く調節することができる。
ここで上記感温体は形状記憶合金製の感温ばねとなしておくことができる。
このようにすれば、旋回流の発生によって水と湯とを効率高く混合することができる。
この請求項3によれば、混合室に向う流れがノズル部の絞り作用により加速されて混合室の側に噴出され、これにより混合室における水と湯との混合が効率高く行なわれる。
ノズル部の先端部にこのような噴出用切欠きを設けておいた場合、ノズル部からの噴出流の一部が噴出用切欠きを通じて径方向外方に向って噴出され、そのことによって水と湯との撹拌混合がより一層促進される。
例えば請求項7に従って水流入口から流入した水を水用の内部通路を流通させてノズル部より混合室に向けて噴出させるようになした場合、後述のようにノズル部による水流の絞り作用にて湯流入口からの湯をベンチュリー効果により引き込む力が働き、水と湯との混合撹拌を促進することができるが、このとき噴出の勢いが強過ぎると、中心部の水の流れと外周側の湯の流れとが層分離したようになって、湯の引込みによる混合撹拌の効果を十分に発揮させられない場合が生じ得る。
即ち、ベンチュリー効果に基く湯の引込みによる撹拌混合の効果と、噴出用切欠きからの径方向外向きの水流の噴出による撹拌混合の効果との何れの効果も良好に得られるようになり、水と湯との混合撹拌がより一層助長される。
一般的に給水圧は給湯圧に対して圧力が高いので、旋回流発生羽根にて水の流れに旋回流を発生させることで、水と湯とをより効果的に混合撹拌することができ、ひいては混合水温度をより高い精度で目的とする温度に調整することが可能である。
このようにすれば、ノズル部による水流の絞り作用によって、湯流入口からの湯をベンチュリー効果により引き込む力が働き、そのことによって水と湯との混合撹拌をより効果的に促進することができる。
このようにしておけば、ノズル部から流出した水が湯流入口に向って逆流するのを効果的に防止することができる。
更にノズル部が湯側弁部の内部に入り込んでいることによって、ノズル部から勢い良く流出した水の流れが湯側弁部に当ることによって湯側弁部に流動圧が加わり、そのことによって弁体の位置制御に影響が及ぶのを抑制ないし防止することができる。
このようにすれば、ノズル部からの水の流れが湯側弁部に当って流動圧を湯側弁部に作用させてしまうのを確実に防止することができる。
この請求項10によれば、撹拌流を発生させるための部品を独立した別部品として弁ケース内部に組み込むようになした場合に比べて所要部品点数を少なくできるとともに、組付工数を少なくでき、湯水混合弁の所要コストを全体として安価に抑えることができる。
図1において、10は本実施形態の自動温度調節機能付(サーモスタット式)の湯水混合弁で、弁ケース12と軸ケース14とを有しており、それらが互いにねじ結合されている。
この回転操作軸16は、後述の弁体24を弁ケース12の内部で軸方向即ち図中左右方向に移動させて混合水温度を設定操作するためのもので、セレーション部18において図示しないハンドルに一体回転状態に連結されるようになっている。
弁体24は、軸方向に離隔して設けられた水側弁部26と湯側弁部28、及びそれらを軸方向に連繋する連繋部30とを有している。但しこの実施形態では連繋部30が湯側弁部28と一体に成形され、水側弁部26に対しては嵌合状態で組み付けられている。
ここで各アーム32は湯側弁部28の内側に形成されており、そしてこのアーム32から円筒部33が湯側弁部28より軸方向に突き出す状態に設けられている。
連繋部30における円筒部33の内孔は雌ねじ孔とされており、そこに後述の弁軸52の先端部に形成された雄ねじ41がねじ込まれている。
即ちこれら雌ねじ孔と雄ねじ41及び止め輪39とによって、水側弁部26が連繋部30に対して強固に組付固定されている。
一方湯流入口22を通じ内部に流入した湯は、流入した水と同じ方向に流れて混合室36へと至り、そこで水と湯とが混合された上、混合水が流出部38から吐水部に向けて流出する。
また回転操作軸16を逆方向に回転操作すると駆動部材49が図中右向きに後退移動させられて、第1バイアスばね44及び第2バイアスばね46が伸びる方向に変位し、弁体24に対する図中左向きの付勢力を弱くする。
ここで多数のフィン64は、周方向に等間隔で設けられている。
図4に示しているように、これらフィン64には軸方向に対して傾斜形状をなす傾斜面66が設けられており、その傾斜面66の作用で軸方向の水の流れを傾斜させることで旋回流を生ぜしめる。
ここでノズル部68は、その外径もまた混合室36の側に向かって漸次小径となる形状をなしている。そしてかかるノズル部68が、図1に示しているように湯流入口22に対して径方向内側の位置に配置されている。
尚このノズル部68は、図1に明らかに示しているように湯側弁部28の内部に入り込んでいる。
詳しくは、この実施形態では湯側弁部28の図中右側の部分、即ち湯側弁座42側の部分は、図5に示しているように内面が湯側弁座42に向って漸次大径となるテーパ面をなしており、そしてそのテーパ面の内側に、外面が混合室36の側に向って漸次小径となるノズル部68が入り込んでいる。
従ってノズル部68から混合室36に向けて噴出された水の流れは、湯側弁部28に当ることなく湯側弁部28の内側を通過して混合室36へと至る。
尚、図4(A)に示しているように上記フィン64はノズル部68の先端位置まで形成されている。
旋回流となった水の流れはその旋回流を維持した状態で混合室36へと流入する。
従って、湯流入口22から内部に流入した湯もまたその旋回流に巻き込まれ、旋回運動しながら混合室36内部へと流入する。
このため混合室36内部で水と湯との混合撹拌が効率的に行われる。
更にまた、ノズル部68は湯側弁部28の内部に入り込んでいるため、ノズル部68から噴射された水の流れが湯流入口22に向って逆流するのが効果的に抑制ないし防止される。
従って本実施形態によれば、給水圧の変動にも拘らずフィン64及びノズル部68を介しての弁体24に対する流動圧の影響を排除して、実際の吐水温度を目的とする温度に精度高く調節することができる。
また本実施形態ではフィン64が回転方向に固定状態とされているため、旋回流を生ぜしめるに際して回転音を発生させない利点を有する。
加えてこの実施形態では、ノズル部68により湯流入口22からの湯に対し引込み力を作用させることができるとともに、ノズル部68による水流の絞り作用が開放されたところで、渦の発生により水と湯との混合撹拌を助長でき、それらによって湯と水との混合撹拌を加速することができる。
またノズル部68からの水の噴出流が湯側弁部28に対し軸方向に当るのが防止されているため、ノズル部68からの噴出流による流動圧の作用で弁体24が軸方向に位置ずれするのが良好に防止される。
図7はその幾つかの例を示している。
図7(イ)のフィン72は、水流入口20側の端部を図4に示すものに比べてより短い範囲で部分的に傾斜面66となした例であり、また(ロ)の例は、このような傾斜面66を設けるとともに、フィン74全体を軸方向に対して傾け且つその傾き方向に湾曲した形状となした例である。
フィンの形状はその他の様々な形状となすことができる。
この実施形態では、(B)に示しているようにノズル部68の先端部に、これを径方向に貫通する形態の噴出用切欠き(以下単に切欠きとする)90を設けている。
ここで切欠き90は、ノズル部68からの噴出流の一部を径方向外方に噴出させるもので、上記の干渉回避用切欠き70に対して周方向の幅が広く、また軸方向の深さが浅く形成してある。
この切欠き90は、周方向においてフィン64と64との間の位置に形成されており、且つこの切欠き90は周方向に沿って等間隔で複数(ここでは4個)形成されている。
ノズル部68の先端部にこのような切欠き90が形成された本実施形態において、水流入口20から流入した水は内部通路34を軸方向に流れ、そしてフィン64を通過する過程で水の流れが旋回流とされ、その旋回流を維持しつつノズル部68から混合室36に向けて噴出される。
詳しくは、図10(A)に示すように軸方向に流れて切欠き90に到った水の流れは、絞り部68による絞り作用から開放されて切欠き90を通じ径方向外方に噴出する。更に加えてこの水の流れはフィン64により旋回流となっていて遠心力が働いているため、遠心力の作用が加わってその一部が切欠き90を通じ径方向外方に勢い良く噴出される。
但し切欠き70からの水流の漏出による撹拌効果に比べれば、開放形態の切欠き90からの噴出による撹拌効果は著しく大きいものである。
例えば本発明は形状記憶合金製の感温ばね以外の感温体を有する自動温度調整機能付の湯水混合弁に適用することも可能であるし、また図12に示す形態の湯水混合弁に対して本発明を適用することも可能である。この場合には、水と湯との両方に対してフィンにより旋回流を生ぜしめ、或いはそれらの流れを噴出流となすことができる。
更には、図1の実施形態のように水側弁座と湯側弁座とが水側弁部と湯側弁部との間の位置に形成されている湯水混合弁のみならず、図12に示す形態の湯水混合弁、即ち水側弁座と湯側弁座とが水側弁部,湯側弁部の軸方向外側に位置している湯水混合弁に対して適用することも可能である。
その他、上記実施形態では撹拌流発生部60に旋回流発生羽根とノズル部とを設けているが、場合によって何れか一方だけを設けることも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 弁ケース
20 水流入口
22 湯流入口
24 弁体
26 水側弁部
28 湯側弁部
34 内部通路
36 混合室
40 水側弁座
42 湯側弁座
44 第1バイアスばね
46 第2バイアスばね
48 感温ばね(感温体)
60 撹拌流発生部
64,72,74,76 フィン(旋回流発生羽根)
68 ノズル部
90 噴出用切欠き
Claims (10)
- (イ)弁ケースに軸方向に離隔して設けられた水流入口及び湯流入口と、(ロ)該水流入口,湯流入口に対応して軸方向に離隔して設けられた水側弁部及び湯側弁部を備え、該弁ケースの内部に軸方向に移動可能に設けられた弁体と、(ハ)該弁ケースに設けられ、該水側弁部,湯側弁部をそれぞれ当接させる水側弁座,湯側弁座と、(ニ)前記水流入口及び湯流入口からの水及び湯を流入させて混合する混合室と、(ホ)該混合室内の混合水温度に感応して軸方向に伸縮し、前記弁体の位置調節を自動的に行う感温体と、(へ)該感温体を収縮させる方向に該弁体を付勢するバイアスばねと、を有し、該弁体の軸方向の一方の移動により前記水流入口の開度を小さく、前記湯流入口の開度を大きく変化させ、また該弁体の逆方向の移動により該湯流入口の開度を小さく、該水流入口の開度を大きく変化させることによって水,湯の流入比率を変化させ、且つ流入した水,湯を前記弁ケースの内部で軸方向に流して前記混合室に流入させ、混合水を吐水部に向けて流出させる湯水混合弁において
前記弁ケースの内面側から該弁ケースの中心部に向かって突出し、前記混合室に向かう水若しくは湯又は水及び湯の流れを当てて、該流れを変化させることで撹拌流を生ぜしめる撹拌流発生部を前記弁ケースに軸方向及び軸回りの回転方向に固定状態に設けたことを特徴とする湯水混合弁。 - 請求項1において、前記撹拌流発生部が、前記撹拌流として旋回流を発生させる複数の旋回流発生羽根を有していることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記撹拌流発生部が、前記混合室の側に向って内径が漸次小径となる形状をなし、該混合室に向う流れを絞るノズル部を有していることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項3において、前記ノズル部の先端部には、径方向に貫通し該ノズル部からの噴出流の一部を径方向外方に噴出させる噴出用切欠きが設けてあることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項2において、前記混合室が前記湯流入口に対して前記水流入口と反対側に形成されていて、前記水流入口から流入した水を水用の内部通路を通じて該混合室に流入するようになしてあり、前記旋回流発生羽根が該水用の内部通路に向って突出する状態で設けてあることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項3,4の何れかにおいて、前記混合室が前記湯流入口に対して前記水流入口と反対側に形成されていて、前記水流入口から流入した水を水用の内部通路を通じて該混合室に流入するようになしてあり、前記ノズル部が該水用の内部通路に向って突出する状態で設けてあることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項6において、前記ノズル部が前記湯流入口に対して径方向内側の位置に設けてあることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項6,7の何れかにおいて、前記ノズル部が、前記湯側弁部の内部に入り込んでいることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項8において、前記ノズル部の先端の内径が前記湯側弁部の内径と同等以下であって、該ノズル部の先端内面が該湯側弁部の内面と径方向に同等の位置若しくは該径方向の内側に位置していることを特徴とする湯水混合弁。
- 請求項1〜9の何れかにおいて、前記撹拌流発生部が前記弁ケースに一体に形成してあることを特徴とする湯水混合弁。
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