JP2008144830A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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巧 篠島
Yutaka Ishibashi
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Abstract

【課題】長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止すると共に、運転時に潤滑油の存在が攪拌抵抗となる事を防止し、優れた耐久性(寿命)並びに信頼性と伝達効率とを有する構造を実現する。
【解決手段】エンジンが停止した状態で、トロイダル型無段変速機4内の潤滑油の殆どを、ケーシング40内に貯溜させ、上記各転がり接触部をこの潤滑油に浸漬させる。又、上記エンジンの作動中は、上記ケーシング40内の潤滑油をオイルポンプ27により潤滑油タンク42内に導入する。そして、この潤滑油タンク42に導入された潤滑油を、油量調整弁43を介して、この潤滑油が必要とされる部分に供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば車両(自動車)用自動変速装置の変速ユニットとして、或は、ポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する、トロイダル型無段変速機の改良に関する。具体的には、長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止すると共に、運転時には潤滑油の存在が攪拌抵抗となる事を防止して、耐久性(寿命)並びに信頼性の確保と伝達効率の確保とを図るものである。
自動車用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば特許文献1〜2等の多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、変速比の変動幅を大きくすべく、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせた無段変速装置に関しても、例えば特許文献3〜6に記載される等により従来から広く知られている。このうちの特許文献3には、トロイダル型無段変速機のみで動力を伝達するモード(低速モード)と、歯車式の差動機構である遊星歯車式変速機により主動力を伝達し、上記トロイダル型無段変速機により変速比の調節を行なう、所謂パワースプリット状態を実現するモード(高速モード)とを備えた無段変速装置が記載されている。又、上記特許文献4〜6には、入力軸を一方向に回転させたまま出力軸の回転状態を停止させる、所謂ギヤードニュートラル(GN)状態を挟んで、この出力軸の回転状態を正転、逆転に切り換えられるモード(低速モード)を備えた無段変速装置が記載されている。
図5〜6は、特許文献5〜6に記載された、ギヤードニュートラル状態を実現できるモードを備えた無段変速装置を示している。このうちの図5は無段変速装置のブロック図を、図6は、この無段変速装置を制御する油圧回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、直接又はトロイダル型無段変速機4を介して、歯車式の差動機構である遊星歯車式変速機5に伝達される。そして、この遊星歯車式変速機5の構成部材の差動成分が、クラッチ装置6、即ち、図6の低速用、高速用各クラッチ7、8を介して、出力軸9に取り出される。又、上記トロイダル型無段変速機4は、入力側、出力側各ディスク10、11と、複数個のパワーローラ12と、それぞれが支持部材である複数個のトラニオン(図示省略)と、アクチュエータ13(図6)と、押圧装置14と、変速比制御ユニット15とを備える。
このうちの入力側、出力側各ディスク10、11は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。又、上記各パワーローラ12は、互いに対向する上記入力側、出力側各ディスク10、11の内側面同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側各ディスク10、11同士の間で動力(トルク)を伝達する。又、上記各トラニオンは、上記各パワーローラ12を回転自在に支持している。又、上記アクチュエータ13は、油圧式のもので、上記各パワーローラ12を支持した上記各トラニオンを、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、上記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を変える。又、上記押圧装置14は、油圧式のもので、上記入力側ディスク10と上記出力側ディスク11とを互いに近付く方向に押圧する。又、上記変速比制御ユニット15は、上記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を所望値にする為に、上記アクチュエータ13の変位方向及び変位量を制御する。
図示の例の場合、上記変速比制御ユニット15は、制御器16と、この制御器16からの制御信号に基づいて切り換えられる、ステッピングモータ17と、ライン圧制御用電磁開閉弁18と、電磁弁19と、シフト用電磁弁20と、これら各部材17〜20により作動状態を切り換えられる制御弁装置21とにより構成している。尚、この制御弁装置21は、変速比制御弁22と、補正シリンダ23と、補正用制御弁24a、24bと、高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26(図6)とを合わせたものである。このうちの変速比制御弁22は、上記アクチュエータ13への油圧の給排を制御するものである。又、上記補正シリンダ23は、前記トロイダル型無段変速機4を通過するトルク(通過トルク)に応じて、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、上記変速比制御弁22の切換状態を調節するものである。又、上記補正用制御弁24a、24bは、上記補正シリンダ23への圧油の給排を制御するものであり、上記電磁弁19の切り換えに応じて切り換えられる。更に、上記高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26は、前記低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の導入状態を切り換えるものである。
又、前記ダンパ2部分から取り出した動力により駆動されるオイルポンプ27(図6の27a、27b)から吐出した圧油は、上記制御弁装置21並びに上記押圧装置14に送り込まれる。即ち、油溜(ドレン)28(図6)から吸引されて上記オイルポンプ27a、27bにより吐出された圧油は、押圧力調整弁29及び低圧側調整弁30(図6)により所定圧に調整される。このうちの押圧力調整弁29は、前記アクチュエータ13にピストンを挟んで設けた1対の油圧室31a、31b同士の間に存在する油圧の差(差圧)に応じた油圧、並びに、前記制御器16からの指令により制御される前記ライン圧制御用電磁開閉弁18の開閉に基づく油圧の導入に基づき、開弁圧を調節される。そして、この様な開弁圧の調節に基づき、上記押圧装置14が発生する押圧力を、運転状況に応じた最適な値に規制する。
又、この様に押圧力調圧弁29により調整された圧油は、前記変速比制御弁22を介して上記アクチュエータ13に送り込まれる他、手動油圧切換弁32並びに減圧弁33、前記高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26を介して、前記低速用クラッチ7又は高速用クラッチ8の油圧室34、35内に送り込まれる。これら低速用、高速用各クラッチ7、8のうちの低速用クラッチ7は、減速比を大きくする{変速比無限大(ギヤードニュートラル状態=GN状態)を含む}低速モードを実現する際に接続されると共に、減速比を小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる。これに対して、上記高速用クラッチ8は、上記低速モードを実現する際に接続を断たれると共に高速モードを実現する際に接続される。又、これら低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の給排状態は、前記シフト用電磁弁20の切換に応じて切り換えられる。
図7は、トロイダル型無段変速機4の変速比(増速比)と無段変速装置全体としての速度比(増速比)との関係の1例を示している。例えば、上記低速用クラッチ7が接続され、上記高速用クラッチ8の接続が断たれた低速モードでは、実線αに示す様に、トロイダル型無段変速機4の変速比を、GN状態を実現できる値(GN値)から減速する程、無段変速装置全体としての速度比を停止状態(速度比0の状態)から前進方向(+:正転方向)に増速させられる。又、同じくGN値から増速する程、同じく停止状態から後退方向(−:逆転方向)に増速させられる。一方、上記高速用クラッチ8が接続され、上記低速用クラッチ7の接続が断たれた高速モードでは、実線βに示す様に、上記トロイダル型無段変速機4の変速比を増速する程、上記無段変速装置全体としての速度比を(前進方向に)増速させられる。
上述した様な無段変速装置を構成するトロイダル型無段変速機4の場合、運転時に潤滑油(トラクションオイル)が、この潤滑油を必要とする部分、即ち、各パワーローラ12の周面と入力側、出力側各ディスク10、11の側面との転がり接触部や回転部分を支持する為の各転がり軸受等に、押圧力調整弁29を介して、並びに、セカンダリーライン36(図6参照)を通じて、それぞれ供給される。又、このうちの各転がり接触部では、上記潤滑油により形成される油膜が、上記各パワーローラ12の周面と上記入力側、出力側各ディスク10、11の側面との間に挟み込まれると共に、この挟み込まれる力に基づいて固化する事により、上記転がり接触部で動力の伝達(トラクションドライブ)が行なわれる。この様に、各パワーローラ12の周面と入力側、出力側各ディスク10、11の側面とは、潤滑油(トラクションオイル)により、直接接触(メタル接触)する事が防止される為、摩耗の低減、延いては、耐久性(寿命)、信頼性の確保を図れる。
ところが、例えば駆動源であるエンジン1を停止したまま長期間放置した場合、上記転がり接触部で潤滑油が不足し(油膜切れを生じ)、上記各パワーローラ12の周面と各ディスク10、11の側面とが直接接触(メタル接触)してしまう可能性がある。この様な状態で、上記エンジン1を始動すると、このエンジン1のクランキングに伴う急激な回転速度の上昇に基づいて、上記各パワーローラ12の周面と各ディスク10、11の側面とが過度に摩耗する可能性がある。又、上記エンジン1とトロイダル型無段変速機4との間に発進クラッチを設けた構造の場合でも、クランキングに伴う摩耗は防止できるが、エンジン1の始動直後に発進動作を行なうと、この発進時に、上記各パワーローラ12の周面と各ディスク10、11の側面とが過度に摩耗する可能性がある。更には、トロイダル型無段変速機4を組み込んだ車両を搬送する際、或は、トロイダル型無段変速機4を組み込んだ変速装置を単体で搬送する際に、この搬送に伴う振動に基づいて、上記各パワーローラ12の周面と各ディスク10、11の側面とが擦れ合い、これら各面同士が過度に摩耗する可能性がある。この様な過度の摩耗は、耐久性(寿命)、信頼性の低下に繋がる可能性があり、好ましくない。
尚、特許文献7には、始動時の潤滑油不足を防止する為に、オイルタンクとは別に設けたオイルリザーバ内に貯溜させた潤滑油に、動力伝達部材の一部を浸漬させる技術が記載されている。但し、この構造の場合でも、長期間の未使用状態から始動する場合に、この動力伝達部(トラクション部)で油膜切れを生じる可能性があり、上述した様な不都合を必ずしも十分に防止する事はできない。
特許第2734583号公報 特開平5−39850号公報 特開平10−196759号公報 特開平11−210872号公報 特開2004−225888号公報 特開2004−211836号公報 特開平8−270745号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止すると共に、運転時に潤滑油の存在が攪拌抵抗となる事を防止し、優れた耐久性(寿命)並びに信頼性と伝達効率とを有する構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、入力側ディスクと、出力側ディスクと、複数のパワーローラとを備える。
このうちの入力側ディスクは、上記ケーシングの内側に回転自在に支持され、駆動源(例えばエンジン)により回転駆動される。
又、上記出力側ディスクは、上記入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在に支持される。
又、上記各パワーローラは、上記入力側、出力側両ディスク同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側両ディスク同士の間で動力を伝達する。
そして、潤滑油(トラクションオイル)の供給に基づいて、上記入力側、出力側両ディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との転がり接触部の潤滑を行なう。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記駆動源が停止した状態で、このトロイダル型無段変速機内の潤滑油の殆ど(ポンプ、弁等を含む配管系路中に不可避的に残留する少量分を除く全量)を、上記ケーシング内に貯溜させ、上記各転がり接触部を上記潤滑油中に浸漬させる(浸す、漬ける)。
即ち、請求項2に記載した様に、上記駆動源が停止した状態で、上記ケーシング内に貯溜する潤滑油の液面の高さを、最も上方に位置する転がり接触部以上となる様にする。
そして、この様に構成する事により、請求項3に記載した様に、上記駆動源の始動時のクランキングに伴う急激な回転速度上昇に拘わらず、上記各転がり接触部で油膜切れを生じない様にする。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、潤滑油を貯溜する為の潤滑油タンクを設ける。そして、上記駆動源が停止した状態で、この潤滑油タンク内の潤滑油を上記ケーシング内に導入する事により、上記各転がり接触部を潤滑油中に浸漬させる。
又、この場合に好ましくは、請求項5に記載した様に、上記潤滑油タンクの底部を、上記各転がり接触部よりも上方に位置させる。
又、好ましくは、請求項6に記載した様に、上記潤滑油タンクを、上記ケーシング外に、このケーシングとは別に設ける。
更に好ましくは、請求項7に記載した様に、上記潤滑油タンク内の潤滑油を自由落下(重力に基づく自然落下)させる事により、この潤滑油を上記ケーシング内に導入する。
又、この場合に好ましくは、請求項8に記載した様に、上記各転がり接触部の直上位置から上記潤滑油を自由落下させる。
又、好ましくは、請求項9に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記ケーシング内の潤滑油を、オイルポンプにより、上記潤滑油タンク内に導入する。
又、請求項10に記載した様に、上記潤滑油タンクの出口に、上記ケーシング内に導入する潤滑油の量を調節する為の油量調整弁を設ける事も好ましい。
この場合に、請求項11に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記潤滑油タンクに導入された潤滑油を、上記油量調整弁を介して、この潤滑油が必要とされる部分に供給する。
又、請求項12に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記油量調整弁の開度を、車両の運転状況に応じて調整する。
又、請求項13に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記油量調整弁の開度を、前記入力側、出力側両ディスクを互いに近付く方向に押圧する押圧装置に導入される油圧の大きさに応じて調節する。
又、請求項14に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記油量調整弁の開度を、シフトレバーの操作位置に応じて調節する。
又、請求項15に記載した様に、上記駆動源の作動中は、上記油量調整弁の開度を、攪拌抵抗並びにドラッグトルク(引き摺り抵抗)が所定の値を超えない範囲で調節する。
又、請求項16に記載した様に、上記駆動源が停止した状態で、上記油量調整弁の開度を最も大きくする(最大開度にする)。
この場合により好ましくは、請求項17に記載した様に、上記駆動源が停止した状態で、上記油量調整弁の開度を最も大きくし、上記潤滑油タンク内の潤滑油を自由落下させる事により、この潤滑油を上記ケーシング内に導入する。
又、好ましくは、請求項18に記載した様に、上記油量調整弁(の出口、下流)に、潤滑油の異物を取り除く為のフィルタを設ける。
又、この場合に好ましくは、請求項19に記載した様に、上記駆動源を停止してから所定時間経過後に、ケーシング内の潤滑油が規定量にまで到達したか否かを検出する事により、フィルタの目詰まりの有無を判定する。
更には、請求項20に記載した様に、上記駆動源の作動中は、潤滑油タンク内に一定量以上の潤滑油を常に溜めておく事も好ましい。
上述の様な本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、駆動源が停止した状態で、ケーシング内に貯溜させた潤滑油中に各転がり接触部を浸漬させる(浸す、漬ける)為、長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止できる。この為、例えば駆動源(エンジン、内燃機関)の始動時のクランキングに伴う急激な回転速度上昇、或は、搬送中の振動に基づいて、上記転がり接触部が過度に摩耗する事を防止でき、耐久性(寿命)並びに信頼性の確保を図れる。又、潤滑油中に浸漬させる事による、防錆効果も得られる。
しかも、請求項4〜8に記載した様に、潤滑油を貯溜する為の潤滑油タンクを設けると共に、請求項9〜17に記載した様に、上記駆動源の作動中は上記ケーシング内の潤滑油をこの潤滑油タンク内に導入すれば、運転時にこのケーシング内の潤滑油量を適切に保つ事ができ、潤滑油の存在が過度の攪拌抵抗、ドラッグトルク(引き摺り抵抗)の増大に結び付く事を防止できる。即ち、運転時には不必要な潤滑油を潤滑油タンクに溜めると共に、この潤滑油タンク内に溜まった潤滑油を、油量調整弁により、その時点での運転状況に応じた最適な潤滑油量や冷却油量に調整した状態で、この潤滑油を必要とする部分に供給する事ができる。又、駆動源が停止した状態で、上記油量調整弁の開度を最大にする事により、ケーシング内に潤滑油を迅速に送り込める(転がり接触部を迅速に浸漬させられる)。この為、伝達効率の確保と耐久性(寿命)並びに信頼性の確保とを図れる。
又、請求項18〜19に記載した構成を採用した場合には、潤滑油を常に清浄に保てる(請求項18の場合)他、フィルタの目詰まりも防止できる(請求項19の場合)。又、請求項20に記載した構成を採用した場合には、駆動源を停止した状態で潤滑油タンクからケーシング内に、十分量の潤滑油を確実に導入する事ができ、上記各転がり接触部で油膜切れが生じる事を確実に防止できる。
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、駆動源(動力源)であるエンジン1(図5参照)が停止した状態でのトロイダル型無段変速機4内の潤滑油の貯溜状態を工夫する事により、長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止する点にある。上記トロイダル型無段変速機4を組み込んで成る無段変速装置の構造及び作用は、前述の図5〜6に示した構造を含め従来から広く知られている無段変速装置と同様であるから、図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のトロイダル型無段変速機4は、ケーシング40に回転自在に支持された図示しない入力回転軸の軸方向2個所位置に、1対の入力側ディスク10a、10bを支持している。これら両入力側ディスク10a、10bは、上記入力回転軸に対し、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)である入力側内側面37、37同士を互いに対向させた状態で、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。又、上記入力回転軸の中間部に出力側ディスク11を、この入力回転軸に対し、相対回転を自在に支持している。この状態で、それぞれがトロイド曲面(断面円弧形の凹面)である上記出力側ディスク11の出力側内側面38、38が、上記両入力側内側面37、37に対向する。
又、上記入力回転軸の周囲で上記入力側、出力側両内側面37、38同士の間部分(キャビティ)に、それぞれ複数個(一般的には2個又は3個)ずつのパワーローラ12、12を配置している。これら各パワーローラ12、12はそれぞれ、上記入力側、出力側両内側面37、38に当接(転がり接触)する周面39、39を球状凸面としたもので、図示しないトラニオンの内側面に、回転及び若干の揺動変位自在に支持されている。又、これら各トラニオンは、上記入力回転軸に対し捩れの位置にある枢軸を中心とする揺動変位を自在に設けられている。
上記入力側ディスク10a、10bと上記出力側ディスク11との間の変速比を変える場合は、上記各トラニオンを上記枢軸の軸方向(図1の上下方向)に変位させる。この結果、上記各パワーローラ12、12の周面39、39と上記入力側、出力側各ディスク10a、10b、11の入力側、出力側各内側面37、38との転がり接触部(トラクション部)に作用する、接線方向の力の向きが変化(転がり接触部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って、上記各トラニオンが上記枢軸を中心に揺動(傾斜)し、上記各パワーローラ12、12の周面39、39と上記入力側、出力側各ディスク10a、10b、11の入力側、出力側各内側面37、38との接触位置が変化する。
上記各パワーローラ12、12の周面39、39を、上記入力側ディスク10a、10bの入力側内側面37、37の径方向内寄り部分と、上記出力側ディスク11の出力側内側面38、38の径方向外寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク10a、10b、11同士の間の変速比が減速側になる。これに対して、上記各パワーローラ12、12の周面39、39を、上記入力側ディスク10a、10bの入力側内側面37、37の径方向外寄り部分と、上記出力側ディスク11の出力側内側面38、38の径方向内寄り部分とに転がり接触させれば、上記両ディスク10a、10b、11同士の間の変速比が増速側になる。
上述の様なトロイダル型無段変速機4の運転時、上記各入力側ディスク10a、10bは、例えば油圧式の押圧装置14(図5、6参照)により互いに近付く方向に押圧されつつ、前記エンジン1に繋がる入力回転軸を介して回転駆動される。そして、この回転が、上記各パワーローラ12、12を介して上記出力側ディスク11に伝わり、この出力側ディスク11と同期して回転する出力部材{例えば出力側ディスク11の軸方向中間部外周面に設けた出力歯車、或は、一方(図1の右方)の入力側ディスクを貫通する状態で入力回転軸の周囲に設けた中空回転軸}を通じて取り出される。この様な運転時には、後述する様に、上記エンジン1により回転駆動されるオイルポンプ27により、上押圧装置14に圧油が導入される他、上記入力側、出力側両ディスク10a、10b、11の内側面37、38と上記各パワーローラ12、12の周面39、39との転がり接触部に潤滑油(トラクションオイル)が供給され、これら各転がり接触部の潤滑並びに冷却が行なわれる。
又、本例の場合には、上記エンジン1が停止した状態で、上記トロイダル型無段変速機4内の潤滑油の殆ど、即ち、上記オイルポンプ27及び後述する油量調整弁43内等、潤滑油の供給経路中に残留する少量分を除く全量を、上記ケーシング40内に貯溜させ、上記各転がり接触部を上記潤滑油中に浸漬する(浸す、漬ける)様にしている。即ち、上記エンジン1が停止した状態で、上記ケーシング40内に貯溜する潤滑油の液面hの高さが、図1に示す様に、最も上方に位置する転がり接触部イ、イ以上(転がり接触部イ、イの上縁よりも上)となる様にしている。そして、この様に構成する事により、長期間の運転停止や保管後でも、上記各転がり接触部で油膜切れを生じない様にし、上記エンジン1の始動時のクランキングに伴う急激な回転速度上昇に拘わらず、上記各転がり接触部で過度に摩耗が生じない様にしている。
この為に、本例の場合は、上記ケーシング40の上方に、上記潤滑油を貯溜する為の潤滑油タンク42を設けている。この潤滑油タンク42は、上記ケーシング40とは別体に設けられており、この潤滑油タンク42の底部を、上記各転がり接触部よりも上方に位置させている。又、この様な潤滑油タンク42の出口に、上記ケーシング40内に導入する潤滑油の量を調節する為の油量調整弁43を設けている。そして、上記エンジン1が停止した状態で、上記油量調整弁43の開度を最も大きくし(最大開度にし)、上記潤滑油タンク42内に貯溜する潤滑油を各転がり接触部の上方(好ましくは直上位置)から自由落下させ、この潤滑油タンク42内の潤滑油を上記ケーシング40内に導入する。そして、上記トロイダル型無段変速機4内の潤滑油の殆どを、上記ケーシング40内に貯溜させ、上記各転がり接触部イ、イを潤滑油中に浸漬する様にしている。
一方、上記エンジン1の作動中は、前記オイルポンプ27により、上記ケーシング40内の潤滑油を、上記潤滑油タンク42内に導入すると共に、この潤滑油タンク42に導入された潤滑油を、上記油量調整弁43を介して、この潤滑油が必要とされる部分に供給する。尚、この様にエンジン1の作動中は、上記潤滑油タンク42内に一定量以上の潤滑油を常に溜めておく様にする。この理由は、このエンジン1を停止した直後に確実に上記ケーシング内に、必要量の潤滑油を確実に導入し、上記各転がり接触部をこの潤滑油中に浸漬する為である。
上記油量調整弁43は、例えば図2に示す様に構成する事ができる。即ち、この油量調整弁43を開閉する為のパイロット室44に、上記オイルポンプ27により発生する油圧を導入する。上記エンジン1が停止した状態では、上記オイルポンプ27も停止し、上記シリンダ室44に導入される油圧が喪失する。この状態では、スプール46が、リターンスプリング45の弾力に基づいて、図2(A)の位置に変位し、上記油量調整弁43の開度が最大になる。そして、上記潤滑油タンク42内に溜まった潤滑油が、上記ケーシング40内に導入され、このケーシング40内に貯溜する潤滑油中に、上記各転がり接触部を浸漬する。これに対して、上記エンジン1の作動中は、上記オイルポンプ27の駆動に基づいて、上記パイロット室44に油圧が導入される。この状態では、上記スプール46が、上記リターンスプリング45の弾力に抗して、図2(B)の位置に変位し、上記油量調整弁43の開度が所定の値に保たれる(小さくなる)。尚、この所定の値は、上記ケーシング40内に導入される潤滑油の量が、攪拌抵抗やドラッグトルク(引き摺り抵抗)を過度に大きくしない程度になる様に設定する。
又、上記エンジン1の作動時は、上記油量調整弁43の開度を、車両の運転状況に応じて調整する事もできる。例えば、上記油量調整弁43の開度を、前記入力側、出力側両ディスク10a、10b、11同士を互いに近付く方向に押圧する押圧装置14に導入される油圧の大きさに応じて調節する事もできる。この場合には、上記油量調整弁43を、例えば図3に示す様に構成する。即ち、この油量調整弁43を開閉する為のパイロット室44に、上記押圧装置14に導入される油圧(ローダー圧)を導入する。この押圧装置14に導入される油圧は、トロイダル型無段変速機4を通過する動力、言い換えれば、上記エンジン1から出力されるトルクに比例する。この為、このトルクが大きくなる程、図3(B)に示す様に、上記油量調整弁43の開度が大きくなり、上記各転がり接触部への油量が増大する。これに対し、上記トルクが小さくなる程、スプール46が図3(B)で少し左方に変位して、上記開度が小さくなり、上記各転がり接触部への油量が減少する。又、上記エンジン1が停止した状態では、上記押圧装置14に導入される油圧が喪失する為、図3(A)に示す様に、上記スプール46が図3(A)の左方に大きく移動して、上記油量調整弁43の開度が最大になり、上記潤滑油タンク42内に溜まった潤滑油が、上記ケーシング40内に導入される。上述の様に、エンジン1の作動時は、潤滑油の量が調整される為、冷却や潤滑が必要な場合に油量を増大させて、その効果を最大限に得ると共に、過度の冷却や潤滑が不要な状況で油量を減少させ、攪拌抵抗やドラッグトルク(引き摺り抵抗)が過大になる事を防止できる。
又、上記油量調整弁43の開度を、例えば図4に示す様に、制御器(コントローラ)16の制御信号により切り換えられる電磁弁47(例えば電磁開閉弁、圧力比例電磁弁等)の開閉に基づいて調節する事もできる。この場合には、車両の運転状況に応じて上記電磁弁47の開閉状態を切り換えて、潤滑油を必要とする部分に適切な潤滑油量が供給される様に規制すると共に、上記エンジン1が停止した状態で、上記油量調整弁43の開度が最大になる様にする。又、図示は省略するが、上記油量調整弁43の開度を、運転席に設けたシフトレバー(セレクトレバー)の操作位置に応じて調整する事もできる。即ち、上記エンジン1の作動時に、上記各転がり接触部への油量を十分に確保する必要があるのは、上記シフトレバーが走行状態(D、L、Rレンジ)に操作されている場合である。そこで、この様にシフトレバーが走行状態に操作された場合に、例えば上述した様な電磁弁47により、上記油量調整弁43の開度を大きくすると共に、非走行状態(N、Pレンジ)に操作された場合には、同じく開度を小さくする。この様に構成する事で、潤滑並びに冷却の確保を図りつつ、攪拌抵抗やドラッグトルク(引き摺り抵抗)が徒に大きくなる事を低減できる。
又、本例の場合は、上記油量調整弁43の出口(下流)に、潤滑油の異物を取り除く為のフィルタ48を設けている。尚、このフィルタ48を設ける位置は、上記油量調整弁43の出口に限定されず、この油量調整弁43の上流側でも、下流側でも良い。何れにしても、この様にフィルタ48を設ければ、潤滑油内の混入物(コンタミネーション)の大きさを管理(転がり接触部の損傷に結び付く様な、大きな異物の混入を防止)でき、信頼性及び耐久性の向上を図れる。又、上記エンジン1が停止してから所定時間経過後に、上記ケーシング40内の潤滑油が規定量にまで到達したか否かを検出する事により、上記フィルタ48の目詰まりの判定を行なう事もできる。例えば、上記エンジン1を停止しても、一定時間電源を供給し、図示しない油面センサや油量センサ等により上記ケーシング40の油量を検出する。そして、一定時間経過しても規程量に到達しない場合に、運転者に注意(フィルタの清掃や交換)を促す警報を発する様にする。尚、上記フィルタの目詰まりは毎日点検する必要はなく、例えば、定期点検や車検時に点検するだけでも良い。この場合には、例えば整備士が油面確認チューブ(フィラーチューブ)等で確認(例えばエンジン停止して1分後の油量を確認)する事により、上記判定を行なえる。
上述の様な本例の場合には、エンジン1が停止した状態で、ケーシング40内に貯溜させた潤滑油中に各転がり接触部を浸漬する(浸す、漬ける)為、長期間の運転停止や保管に拘わらず、転がり接触部で潤滑油が不足する(油膜切れが生じる)事を防止できる。この為、例えば上記エンジン1の始動時のクランキングに伴う急激な回転速度上昇、或は、搬送中の振動に基づいて、上記転がり接触部が過大に摩耗する事を防止する事ができ、耐久性(寿命)、信頼性の確保を図れる。又、潤滑油に浸漬する事による、防錆効果も得られる。
しかも、潤滑油を貯溜する為の潤滑油タンク42を設けると共に、上記エンジン1の作動中は上記ケーシング40内の潤滑油をこの潤滑油タンク42内に導入している為、運転時のこのケーシング40内の潤滑油量を適切に保つ事ができ、潤滑油の存在が攪拌抵抗を過度に増大させる事を防止できる。即ち、運転時には不必要な潤滑油を上記潤滑油タンク42に溜めると共に、この潤滑油タンク42に溜まった潤滑油を、油量調整弁43により、その時点での運転状況に応じた最適な潤滑油量や冷却油量に調整した状態で、この潤滑油を必要とする部分に供給する。そして、上記エンジン1が停止した状態で、上記油量調整弁43の開度を最大にする事で、上記ケーシング40内に潤滑油を迅速に貯溜する(転がり接触部を迅速に浸漬する)。この為、伝達効率の確保と耐久性(寿命)並びに信頼性の確保とを図れる。
又、本例の場合には、上記潤滑油タンク42を上記ケーシング40とは別に設けている為、このケーシング40の大きさを従来のままにできる。又、上記潤滑油タンク42を各パワーローラ12、12並びに入力側、出力側各ディスク10a、10b、11よりも上方(ケーシング40の上方)に設けている為、上記エンジン1の停止後、オイルポンプ27が停止しても、自由落下により上記潤滑油タンク42内の潤滑油を上記ケーシング40内に送り込める。又、この場合に、上記油量調整弁43は、リターンスプリング45の弾力に基づいて全開となる事により、上記ケーシング40内に潤滑油を導入する為、上記エンジン1が停止し、電源がOFFされた状態でも、特別なバックアップ制御や電源供給を必要とする事なく、上記潤滑油を上記ケーシング40内に導入できる。又、この潤滑油を各転がり接触部の直上位置から自由落下させる為、これら各転がり接触部に油面が達しない状態でエンジン1を再始動した場合でも、油膜切れによる過大摩耗を確実に防止できる。又、上記エンジン1の作動中は、このエンジン1により駆動されるオイルポンプ27により、上記ケーシング40内の余分な潤滑油を吸い上げて、上記潤滑油タンク42内に貯溜する。この為、上記ケーシング40内の油量を最適に調整する事ができ、攪拌抵抗や、ドラッグトルク(引き摺りトルク)が徒に大きくなる事を防止できる。
又、上記潤滑油タンク内42に導入された潤滑油は、上記油量調整弁43を介して、上記各転がり接触部や、転がり軸受等の機械接触部の潤滑に供される。この場合に、上記油量調整弁の開度を、車両の運転状況に応じて調整する為、冷却や潤滑が必要な場合に油量を増大させて、その効果を最大限に得ると共に、過度の冷却や潤滑が不要な状況で油量を減少させ、攪拌抵抗やドラッグトルク(引き摺り抵抗)が過大になる事を防止できる。しかも、この様な、上記エンジン1の作動中は、車両状況に応じて最適な潤滞油量を確保でき、このエンジン1の停止中は、転がり接触部の潤滑油不足(油膜切れ)を確実に防止する事ができる構成を、簡素(シンプル)、且つ、安価に(システムコストUPを必要とせずに)提供できる。
上述の実施の形態は、本発明を、自動車に搭載されるトロイダル型無段変速機に適用した場合であるが、本発明は、この様な自動車用の自動変速機としてだけでなく、各種産業用の変速機としても利用できる。又、トロイダル型無段変速機の構造に関しては、ハーフトロイダル型、フルトロイダル型の何れでも良い。又、本発明の如き潤滑油の供給装置は、トロイダル型無段変速機に限らず、潤滑油を必要とする各種産業機械、即ち、作動中は最適な油量の供給が必要で、且つ、停止中は油膜切れを防止する必要のある各種機械装置に適用できる。
本発明の実施の形態の1例を示す略断面図。 油量調整弁の第1例を示す略断面図で、(A)はエンジンの停止時を、(B)はエンジンの作動時を、それぞれ示している。 同第2例を示す、図2と同様の略断面図。 同第3例を示す略断面図。 従来から知られている無段変速装置のブロック図。 この無段変速装置に組み込む油圧回路図。 無段変速装置全体としての速度比(増速比)とトロイダル型無段変速機の変速比(増速比)との相関関係の1例を示す線図。
符号の説明
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 遊星歯車式変速機
6 クラッチ装置
7 低速用クラッチ
8 高速用クラッチ
9 出力軸
10、10a、10b 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 アクチュエータ
14 押圧装置
15 変速比制御ユニット
16 制御器
17 ステッピングモータ
18 ライン圧制御用電磁開閉弁
19 電磁弁
20 シフト用電磁弁
21 制御弁装置
22 変速比制御弁
23 補正シリンダ
24a、24b 補正用制御弁
25 高速クラッチ用切換弁
26 低速クラッチ用切換弁
27、27a、27b オイルポンプ
28 油溜
29 押圧力調整弁
30 低圧側調整弁
31a、31b 油圧室
32 手動油圧切換弁
33 減圧弁
34 油圧室
35 油圧室
36 セカンダリーライン
37 入力側内側面
38 出力側内側面
39 周面
40 ケーシング
41 出力歯車
42 潤滑油タンク
43 油量調整弁
44 パイロット室
45 リターンスプリング
46 スプール
47 電磁弁
48 フィルタ

Claims (20)

  1. ケーシングと、このケーシングの内側に回転自在に支持され、駆動源により回転駆動される入力側ディスクと、この入力側ディスクと同心に、且つ、この入力側ディスクに対する相対回転を自在に支持された出力側ディスクと、これら入力側、出力側両ディスク同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側両ディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラとを備え、潤滑油の供給に基づいて、上記入力側、出力側両ディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との転がり接触部の潤滑を行なうトロイダル型無段変速機に於いて、上記駆動源が停止した状態で、このトロイダル型無段変速機内の潤滑油の殆どを、上記ケーシング内に貯溜させ、上記各転がり接触部をこの潤滑油中に浸漬させる事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 駆動源が停止した状態で、ケーシング内に貯溜する潤滑油の液面の高さを、最も上方に位置する転がり接触部以上とした、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 駆動源の始動時のクランキングに伴う急激な回転速度上昇に拘わらず、各転がり接触部で油膜切れを生じない様にした、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 潤滑油を貯溜する為の潤滑油タンクが設けられており、駆動源が停止した状態で、この潤滑油タンク内の潤滑油をケーシング内に導入する事により、各転がり接触部を潤滑油中に浸漬させる、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 潤滑油タンクの底部を、各転がり接触部よりも上方に位置させた、請求項4に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. 潤滑油タンクを、ケーシング外に、このケーシングとは別に設けた、請求項4〜5のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  7. 潤滑油タンク内の潤滑油を自由落下させる事により、この潤滑油をケーシング内に導入する、請求項4〜6のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  8. 各転がり接触部の直上位置から潤滑油を自由落下させる、請求項7に記載したトロイダル型無段変速機。
  9. 駆動源の作動中は、ケーシング内の潤滑油を、オイルポンプにより、潤滑油タンク内に導入する、請求項4〜8のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  10. 潤滑油タンクの出口に、ケーシング内に導入する潤滑油の量を調節する為の油量調整弁を設けた、請求項4〜9のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  11. 駆動源の作動中、潤滑油タンクに導入された潤滑油を、油量調整弁を介して、この潤滑油が必要とされる部分に供給する、請求項10に記載したトロイダル型無段変速機。
  12. 駆動源の作動中、油量調整弁の開度を、車両の運転状況に応じて調整する、請求項10、11のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  13. 駆動源の作動中、油量調整弁の開度を、入力側、出力側両ディスクを互いに近付く方向に押圧する押圧装置に導入される油圧の大きさに応じて調節する、請求項10〜12のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  14. 駆動源の作動中、油量調整弁の開度を、シフトレバーの操作位置に応じて調節する、請求項10〜13のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  15. 駆動源の作動中、油量調整弁の開度を、攪拌抵抗並びに引き摺り抵抗が所定の値を超えない範囲で調節する、請求項10〜14のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  16. 駆動源が停止した状態で、油量調整弁の開度を最も大きくする、請求項10〜15のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  17. 駆動源が停止した状態で、潤滑油タンク内の潤滑油を自由落下させる事により、この潤滑油をケーシング内に導入する、請求項16に記載したトロイダル型無段変速機。
  18. 油量調整弁に、潤滑油の異物を取り除く為のフィルタを設けた、請求項10〜17のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
  19. 駆動源を停止してから所定時間経過後に、ケーシング内の潤滑油が規定量にまで到達したか否かを検出する事により、フィルタの目詰まりの有無を判定する、請求項18に記載したトロイダル型無段変速機。
  20. 駆動源の作動中、潤滑油タンク内に一定量以上の潤滑油を常に溜めておく、請求項4〜19のうちの何れか1項に記載したトロイダル型無段変速機。
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