JP2008144536A - 耐力壁用ダンパおよびそれを用いた住宅用耐力壁 - Google Patents
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Abstract
【課題】住宅等の建築物、特に木造建築物の耐震性を向上させる等の目的で用いられる耐力壁用ダンパおよびそれを備えた耐力壁に係り、耐力壁用に適するダンパを得ると共に、地震等の振動を良好に吸収することのできる優れた振動吸収性能と充分な耐力とを併せ持った耐力壁を提供する。
【解決手段】本発明による耐力壁用ダンパ1は、木造建築物の耐力壁に用いるダンパであって、加力速度0.1mm/secにおいて4kN以上の降伏荷重を有するようにしたことを特徴とする。また本発明による耐力壁は、隣接する柱や横材間に傾斜してブレースBを配置した住宅用耐力壁において、上記ブレースBの少なくとも一部に、加力速度0.1mm/secにおいて4kN以上、より好ましくは8kN以上の降伏荷重を有するダンパ1を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明による耐力壁用ダンパ1は、木造建築物の耐力壁に用いるダンパであって、加力速度0.1mm/secにおいて4kN以上の降伏荷重を有するようにしたことを特徴とする。また本発明による耐力壁は、隣接する柱や横材間に傾斜してブレースBを配置した住宅用耐力壁において、上記ブレースBの少なくとも一部に、加力速度0.1mm/secにおいて4kN以上、より好ましくは8kN以上の降伏荷重を有するダンパ1を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は住宅等の建築物、特に木造建築物の耐震性を向上させる等の目的で用いられる耐力壁用ダンパおよびそれを備えた住宅用耐力壁に関する。
従来たとえば木造住宅の耐震性を向上させるための耐力壁として下記特許文献1のように隣り合う柱間または/および横材間に木製または金属製のブレース(筋交い)を設けることは知られている。しかし、上記のようなブレースを設けることによって住宅の耐力を向上させることはできるが、振動吸収性能は殆どないので地震による揺れを良好に減衰もしくは吸収させることはできない。
そこで、下記特許文献2および特許文献3においては、上記のようなブレースの内部にコイルスプリングからなるダンパを配設したり、ブレースの長手方向中間部に弾性材よりなる免震手段を介在させることが提案されている。しかし、上記いずれの場合も振動減衰材(振動吸収体)として弾性材料を使用しているため、耐力壁としての耐力が充分に得られなかったり、経年劣化で振動吸収性能が次第に低下する等の不具合がある。
また下記特許文献4においては、ブレースを設けた耐力壁と併用して制震用のオイルダンパを備えることが提案されているが、オイルダンパは加力速度の小さいゆっくりとした地震では振動吸収性能を充分に発揮できないおそれがある。
さらに下記特許文献5においては 振動減衰材として塑性変形可能な金属を用いたダンパをブレースに設けることが提案されている。しかし、上記のようなダンパの振動減衰材として単に塑性変形可能な金属を用いただけでは、必ずしも耐力壁用に適するダンパが得られるものではなく、また地震等の振動を良好に吸収することのできる優れた振動吸収性能と充分な耐力とを併せ持った耐力壁を得ることは困難であった。
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、耐力壁用に適するダンパを得ると共に、地震等の振動を良好に吸収することのできる優れた振動吸収性能と充分な耐力とを併せ持った耐力壁を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明による耐力壁用ダンパおよびそれを備えた住宅用耐力壁は以下の構成としたものである。即ち、本発明による耐力壁用ダンパは、木造建築物の耐力壁に用いるダンパであって、加力速度0.1mm/sec以上において4kN以上の降伏荷重を有することを特徴とする。
また本発明による住宅用耐力壁は、隣接する柱と横材とで形成される矩形枠構造部分にブレースを設けた住宅用耐力壁において、上記ブレースの少なくとも一部に上記のようなダンパ、すなわち加力速度0.1mm/sec以上において4kN以上の降伏荷重を有するダンパを設けたことを特徴とする。なお、上記ダンパとしては、より好ましくは加力速度0.1mm/sec以上において8kN以上の降伏荷重を有するものを用いるとよい。
さらに本発明による他の住宅用耐力壁は、隣接する柱と横材とで形成される矩形枠構造部分にブレースを設けた住宅用耐力壁において、上記ブレースとは別に上記のようなダンパ、すなわち加力速度0.1mm/sec以上において4kN以上の降伏荷重を有するダンパを設けたことを特徴とする。
上記のように本発明による耐力壁用ダンパおよびそれを用いた住宅用耐力壁は、上記の構成であるから、例えば地震等による振動や揺れ、特に加力速度が0.1mm/sec程度のゆっくりとした振動や揺れ、およびそれ以上の加力速度を有する振動や揺れが作用した場合にも良好に振動吸収性能を発揮できると同時に少なくとも耐力壁として最小限必要な耐力を確保することが可能となり、耐震性および耐久性のよい耐力壁を構造簡単かつ容易・安価に提供することができるものである。
以下、本発明による耐力壁用ダンパおよびそれを用いた耐力壁を、図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。図1(a)は本発明による耐力壁用ダンパの一実施形態を示す縦断面図、同図(b)は(a)におけるb−b断面図である。
本実施形態の耐力壁用ダンパ1は、図1に示すように筒状の金属製シリンダ10内に進退ロッド11を同心状に且つ軸線方向に相対移動可能に設け、そのシリンダ10内における進退ロッド11の周囲に塑性変形可能な鉛等の金属よりなる振動吸収体12を収容配置すると共に、上記進退ロッド11の外周面に突起状の抵抗体13を一体的に設けた構成である。
図1において、14は上記振動吸収体12が移動流出するのを防止するストッパ、15は上記進退ロッド11を軸方向に相対移動可能に支持するスラスト軸受、16,17は上記シリンダ10の両端部内周面に形成した雌ねじ10aに螺合して上記スラスト軸受15を所定の位置に固定するための固定部材で、その各固定部材16,17の外周面には上記の雌ねじ10aに螺合する雄ねじ16a,17aが形成されている。また上記進退ロッド11の一端には雄ねじ11aが形成され、それと反対側の端部11bは上記固定部材17の内方に形成した内孔17b内に相対移動可能に配置されている。
上記のように構成されたダンパ1に、例えば地震等の振動が作用して上記シリンダ10に対して進退ロッド11が図1(a)で上下方向に相対移動したとき、その進退ロッド11に一体的に設けた上記抵抗体13が振動吸収体12内を相対移動することによって、該振動吸収体12が塑性変形して振動エネルギーを吸収する構成である。
そして、本発明によるダンパ1は、該ダンパ1に作用する地震等による振動の加力速度が0.1mm/sec以上において降伏荷重が4kN以上となるようにしたものである。なお、加力速度の基準値を0.1mm/sec以上としたのは、その数値が木造耐力壁およびその倍率性能評価で採用された数値でもあるからである。本実施形態においては、上記の振動吸収体12として純度約99.99%の鉛を用い、加力速度0.1mm/sec以上において上記ダンパ1の降伏荷重は約8kNとした。また、その降伏荷重は、加力速度0.1〜100mm/secの範囲内において殆ど変化はなかった。
上記のように本発明によるダンパ1は、木造耐力壁およびその倍率性能評価で採用された加力速度が0.1mm/sec以上において降伏荷重が4kN以上となるようにしたから、地震等による加力速度が0.1mm/sec程度のゆっくりとした振動や揺れ、およびそれ以上の加力速度を有する振動や揺れが作用した場合にも良好に振動吸収性能を発揮できると共に、耐力壁として最小限必要な耐力を確保することが可能となり、耐震性および耐久性のよい耐力壁を構造簡単かつ容易・安価に提供することができるものである。
なお、上記実施形態は、ダンパ1の振動吸収体12として鉛を用いた場合を例にして説明したが、鉛に限らず塑性変形可能な金属であれば錫その他の金属でもよく、それらを用いた合金でも良い。また、更に金属に限らず摩擦体や粘性体等を用いることもできる。また上記ダンパ1として鋼材ダンパや摩擦ダンパ等を用いることも可能である。
図2は上記図1のダンパ1を用いた耐力壁の一実施形態を示すもので、本実施形態はその耐力壁を構成するブレースBの一部に上記ダンパ1を設けたものである。そのダンパ1を有するブレースBは、木造住宅の軸組における隣接する柱と横材とで形成される矩形枠構造部分Aに設けるもので、図示例においては隣り合う柱P1・P2と、隣り合う横材である土台F1と梁材F2とで形成される矩形枠構造部分に設けたものである。特に図の場合は上記ブレースBを柱P1と土台F1との角部から柱P2と梁材F2との角部に向かって対角線状に傾斜させて設けられている。
上記ブレースBは、本実施形態においては、図2および図3に示すように上記ダンパ1と、そのダンパ1の下側に連結したブレース本体2と、そのブレース本体2の下側に設けた長さ調整機構3等よりなり、そのブレースBの上下両端部に設けた連結具4,5およびブレース取付金具6を介して前記各角部に取付けた構成である。
上記各取付金具6は、本実施形態においては図2〜図4に示すように上記角部に当接する断面L字形をなす一対の基部6a・6bの幅方向(図2および図4(b)で前後方向)一端側方に略三角形状の補強部6cを一体に設けた構成であり、その補強部6cに上記連結具4,5との連結孔61が形成され、上記基部6a・6bに取付金具6を前記の柱P1・P2や土台F1および梁材F2等に取付けるための取付孔62が設けられている。
一方、上記連結具4,5は、それぞれ筒体40,50の一端内周面に雌ねじ40a,50aを形成すると共に、他端を扁平に圧縮加工して、その扁平部40b,50bに上記取付金具6に対する連結孔41,51を設け、その各連結孔41,51と上記各取付金具6の連結孔61とに、それぞれ連結ボルト7aを挿通しナット7bをねじ込んで抜け止め固定した構成である。
上記連結具4は、それを構成する筒体40の端部(下端)に設けた上記雌ねじ40aに前記ダンパ1の進退ロッド11に形成した雄ねじ11aを螺合すると共に、その雄ねじ11aに予め螺合しておいたロックナット18を上記筒体40の端部に押し付けることによって、上記ダンパ1に連結固定されている。また上記ブレース本体2は、管体20の両端内周面にそれぞれ雌ねじ20a,20bを設けた構成であり、その一端側の雌ねじ20aに前記固定部材17の外周面に設けた雄ねじ17aを螺合すると共に、その雄ねじ17aに予め螺合しておいたロックナット19を上記筒体20の端部に押し付けることによって上記ダンパ1の下端にブレース本体2が連結されている。
また前記の長さ調整機構3は、本実施形態においては両端部に雄ねじ30a,30bを有するねじ杆30と、その各雄ねじ30a,30bが螺合する上記ブレース本体2の雌ねじ20bおよび連結具5の前記雌ねじ50aとでターンバックルを構成すると共に、上記雄ねじ30a,30bと雌ねじ20b,50aとをそれぞれ所定量ねじ込んだ状態に固定するロックナット31,32を設けたものである。上記雄ねじ30aと雌ねじ20bおよびロックナット31と、雄ねじ30bと雌ねじ50aおよびロックナット32とは、ねじの方向が互いに反対方向に形成され、図示例においては前者が右ねじ、後者が左ねじで形成されている。
上記の構成において、ロックナット31,32を緩めた状態で、ねじ杆30をいずれか一方向(図の場合はブレース本体2に向かって右方向)に回動すると、ブレース本体2と連結具5とが互いに近づく方向に移動してブレースBの長さが短くなり、それと反対方向に回動すると、ブレース本体2と連結具5とが離れる方向に移動してブレースBの長さが長くなる。その状態でロックナット31,32をそれぞれブレース本体2および連結具5の各筒体20,50に向かって締め付けると上記の長さ状態に固定され、それによってブレースBの張り具合や張力を調整できるものである。図中、20c,30cは前記管体20やねじ杆30を回動したり回り止め係止する際に工具等を係合させるための平坦部で、それぞれ上記管体20とねじ杆30の直径方向2箇所に設けられている。
上記のように構成されたブレースBを、前記図2に示すような矩形枠構造部分Aに施工するに当たっては、例えば以下の手順で実施すればよい。先ず、柱P1と土台F1との角部、および柱P2と梁材F2との角部にそれぞれ図2に示すように前記取付金具6を木ねじ8等で取付ける。一方、前記ダンパ1とブレース本体2および長さ調整機構3とを、その順に連結すると共に、その両端部に連結具4,5を連結することによってブレースBを仮組みし、そのブレースBの両端部の連結具4,5をそれぞれ上記取付金具6・6に連結ボルト7aナット7bとで連結する。次いで、長さ調整機構3のねじ杆30を回動してブレースB全体の長さを調整すると共に、ブレースBに適度な張力を付与する。
上記のようにして矩形枠構造部分AにブレースBを組付けることによって得られた耐力壁が、例えば地震等で図1において左右方向に揺れると、ブレースBには、その全体長さを引き延ばしたり押し縮めるような力が作用する。すると、ダンパ1の進退ロッド11がシリンダ10に対して伸縮する方向に変位し、進退ロッド11の外周面に設けた抵抗体13が振動吸収体12内を相対移動する。それによって該振動吸収体12が塑性変形して振動エネルギーが吸収される構成である。
そして本発明は、上記のようなブレースBに用いるダンパ1として、加力速度が0.1mm/sec以上において該ダンパ1の降伏荷重が4kN以上、より好ましくは8kN以上のものを用いるようにしたもので、上記のようなダンパ1付きのブレースBを矩形枠構造部分Aに組付けて耐力壁を構成することによって、地震等の振動や揺れ、特に加力速度が0.1mm/sec程度のゆっくりとした振動や揺れ、およびそれ以上の加力速度を有する振動や揺れが作用した場合にも良好に振動吸収性能を発揮できると同時に耐力壁として最小限必要な耐力を確保することが可能となり、耐震性および耐久性のよい耐力壁を構造簡単かつ容易・安価に提供することができるものである。
なお、上記実施形態は、耐力壁を構成する一対の柱P1・P2と土台F1および梁材F2とからなる矩形枠構造部分Aに、ダンパ1を有するブレースBを1つ設けたが、例えば図7に示すように複数個設けてもよく、特に図の場合は上記領域内に2本のブレースBをX字状に交差させて設けたものである。このようにブレースBを複数個設けると、その個数にほぼ比例して耐震壁としての耐力を倍増させることができる。又その場合、図示例のようにブレース中央部のブレース本体2の太さや、ブレース取付金具6の幅寸法を上記矩形枠構造部分Aを構成する柱や梁もしくは土台の幅の半分以下とし、かつ連結具5のブレース取付金具6側の端部を扁平に形成すると、上記の交差する2本のブレースBを図8のように柱P1・P2や土台F1もしくは梁材F2の幅寸法内に容易に収容配置することができる。
また上記のようなブレースBを例えば図9に示すように1つの柱P2を挟んでその両側に設けるようにしてもよい。その場合、各ブレースBの傾斜方向は、図のように互いに反対方向となるようにするのが望ましい。又その場合、中間部の柱P2側に取付けられるブレース取付金具6・6は、それぞれ図10(a)に示すように上記柱P2を中心に対称位置に配置した状態で、それぞれ複数本の木ねじ8等で取付けるもので、その木ねじ8は通常柱P1・P2の幅や太さの半分の長さよりも長いものを用いる場合が多いが、その場合にも各取付金具6・6を取付けるための木ねじ8が互いに干渉しないように構成するのが望ましい。
そこで、本実施形態はブレース取付金具6を全て同一形状とし、各取付金具6の前記一対の基部6a・6bに設けられる取付孔62の配置位置を基部6aと基部6bとで異ならせたもので、特に図の場合は上記各基部6a・6bにそれぞれ複数個(図の場合は5つ)の取付孔62を、各基部6a・6bの幅方向(図4(c)で左右方向)のほぼ中心線の両側にほぼ千鳥状に配置すると共に、上記中心線に対する取付孔62の配置を、基部6aと基部6bとでは互いに反対となるようにしたものである。
それによって、図10および図11に示すように柱P2の上部両側と梁材F2との角部にそれぞれ取付金具6を配置し、図10(a)で左側の取付金具6の基部6aと、右側の取付金具6の基部6bとを柱P2を挟んで背中合わせに配置したとき、図10(b)のように右側から見て手前側に位置する取付金具6の基部6bに設けた取付孔62(実線示)と、奥側に位置する取付金具6の基部6aに設けた取付孔62(破線示)とが交互にずれて、前記のように柱の幅や太さの半分の長さよりも長い木ねじ8等を用いた場合にも各取付金具6の木ねじ8が互いに干渉するのを防止することができるものである。
なお、上記各実施形態において、ブレースBを構成するダンパ1やブレース本体2および長さ調整機構3の形状や配置構成等は適宜変更可能である。また上記ブレースBは少なくとも一部に前記のようなダンパ1を有するものであれはよく、例えば前記のブレース本体2と長さ調整機構3のいずれか一方を省略したり、あるいは両方を省略して実質的にダンパのみで構成することも可能である。
また上記各実施形態は、前記のようなダンパ1をブレースB内に設けた例を示したが、ブレースBとは別に設けてもよい。図12はその一例を示すもので、前記とほぼ同様に耐力壁を構成する一対の柱P1・P2と土台F1および梁材F2とからなる矩形枠構造部分A内にブレースBを設けると共に、上記土台F1と梁材F2との間に支持板H1,H2を介してダンパ1を取付けたものである。そのダンパ1は前記図1と同様に構成され、そのダンパ1の両端部に設けた前記進退ロッド11と固定部材17とを、それぞれブラケットb1,b2を介して上記支持板H1,H2に連結した構成である。
上記ブレースBは、図の場合は木製の角棒材を用いたもので、その角棒材よりなるブレースBの上端部を、上記矩形枠構造部分Aを構成する柱P1と梁材F2との角部に、下端部を土台F1と柱P2との角部にそれぞれ取付けた構成である。なお、上記ブレースBの構成は適宜変更可能であり、また前記と同様に1つの矩形枠構造部分A内に複数個のブレースBを設けることもできる。
上記のように構成すると、上記ブレースBにより耐力壁として必要かつ充分な耐力を確保することができると同時に、地震等による振動で土台F1と梁材F2とが相対移動したとき上記支持板H1,H2を介してダンパ1の両端部が伸縮し、それによってダンパ1の進退ロッド11に設けた前記抵抗体13が振動吸収体12内を相対移動することによって振動エネルギーを吸収もしくは減衰させることができるものである。
上記のように本発明による耐力壁用ダンパおよびそれを用いた耐力壁は、例えば地震等による振動や揺れ、特に加力速度が0.1mm/sec程度のゆっくりとした振動や揺れが作用した場合にも良好に振動吸収性能を発揮できると同時に少なくとも耐力壁として最小限必要な耐力を確保することができる。その結果、耐震性および耐久性のよい耐力壁を構造簡単かつ容易・安価に提供することが可能となり、住宅等の建築物の耐震設計や施工その他の産業上も有効に利用し得るものである。
A 矩形枠構造部分
P1、P2 柱
F1 土台もしくは梁材
F2 梁材
B ブレース
1 ダンパ
10 シリンダ
11 進退ロッド
11a 雄ねじ
12 振動吸収体
13 抵抗体
14 ストッパ
15 スラスト軸受
16、17 固定部材
18、19 ロックナット
2 ブレース本体
20 管体
20a、20b 雌ねじ
3 長さ調整機構
30 ねじ杆
30a、30b 雄ねじ
31、32 ロックナット
4、5 連結具
40、50 筒体
40a、50a 雌ねじ
40b、50b 扁平部
41、51 連結孔
6 取付金具
6a、6b 基部
6c 補強部
61 連結孔
62 取付孔
7a 連結ボルト
7b ナット
8 木ねじ
P1、P2 柱
F1 土台もしくは梁材
F2 梁材
B ブレース
1 ダンパ
10 シリンダ
11 進退ロッド
11a 雄ねじ
12 振動吸収体
13 抵抗体
14 ストッパ
15 スラスト軸受
16、17 固定部材
18、19 ロックナット
2 ブレース本体
20 管体
20a、20b 雌ねじ
3 長さ調整機構
30 ねじ杆
30a、30b 雄ねじ
31、32 ロックナット
4、5 連結具
40、50 筒体
40a、50a 雌ねじ
40b、50b 扁平部
41、51 連結孔
6 取付金具
6a、6b 基部
6c 補強部
61 連結孔
62 取付孔
7a 連結ボルト
7b ナット
8 木ねじ
Claims (4)
- 木造建築物の耐力壁に用いるダンパであって、加力速度0.1mm/sec以上において4kN以上の降伏荷重を有することを特徴とする耐力壁用ダンパ。
- 隣接する柱と横材とで形成される矩形枠構造部分にブレースを設けた住宅用耐力壁において、上記ブレースの少なくとも一部に請求項1に記載のダンパを備えたことを特徴とする住宅用耐力壁。
- 上記ダンパは加力速度0.1mm/sec以上において8kN以上の降伏荷重を有する請求項2に記載の住宅用耐力壁。
- 隣接する柱と横材とで形成される矩形枠構造部分にブレースを設けた住宅用耐力壁において、上記ブレースとは別に請求項1に記載のダンパを上記矩形枠構造部分に設けたことを特徴とする住宅用耐力壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006335436A JP2008144536A (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | 耐力壁用ダンパおよびそれを用いた住宅用耐力壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006335436A JP2008144536A (ja) | 2006-12-13 | 2006-12-13 | 耐力壁用ダンパおよびそれを用いた住宅用耐力壁 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008144536A true JP2008144536A (ja) | 2008-06-26 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008144536A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019120001A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 旭化成ホームズ株式会社 | 枠体構造 |
-
2006
- 2006-12-13 JP JP2006335436A patent/JP2008144536A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019120001A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 旭化成ホームズ株式会社 | 枠体構造 |
JP7197977B2 (ja) | 2017-12-28 | 2022-12-28 | 旭化成ホームズ株式会社 | 枠体構造 |
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