JP2008143046A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量のインク滴を高周期で吐出する場合であっても記録画像に白筋が形成されることを抑えることが可能なインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】キャリッジ33の、記録ヘッド(不図示)に形成された吐出口列の配列方向における両側には、横壁30が設けられている。横壁30は、キャリッジ33の移動方向と平行に延び、かつ記録ヘッドの吐出口が形成されたフェイス面36とフェイス面36が対向する記録媒体との間を覆う。
【選択図】図4
【解決手段】キャリッジ33の、記録ヘッド(不図示)に形成された吐出口列の配列方向における両側には、横壁30が設けられている。横壁30は、キャリッジ33の移動方向と平行に延び、かつ記録ヘッドの吐出口が形成されたフェイス面36とフェイス面36が対向する記録媒体との間を覆う。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッドの吐出口からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
従来から、インクジェット記録方式のインク吐出手段として、インク滴を吐出するために用いられる吐出エネルギー発生素子として電気熱変換素子(ヒーター)を利用することが知られている。電気熱変換素子は、電気的な信号によってインク滴の吐出を制御することが可能である。電気熱変換素子を用いるインク滴吐出方法の原理は、電気熱変換素子に電気信号を与えることによって電気熱変換素子近傍のインクを瞬時にして沸騰させ、そのときのインクの相変化により生じる急激な気泡の成長によってインク滴を高速に吐出させるものである。
ここで、電気熱変換素子によるインク吐出手段には、吐出エネルギー発生素子のスペースをそれほど設けなくとも済み、インクジェット記録ヘッドの構造が単純で、ノズルの集積化が容易である、等の利点がある。
高精細かつ高階調である高品位の記録画像を得るには、記録ヘッドの1つの吐出口から極めて少量のインク滴を吐出させて記録を行うことが好ましい。この場合、プリント速度の高速化のためには吐出口からインク滴を短周期で吐出させる必要がある。しかも、記録ヘッドを搭載するキャリッジを、記録媒体に対して、記録ヘッドの駆動周波数に同期して高速で走査移動させなければならない。このような観点から、インクジェット記録装置においては特にバブルスルー方式のものが適していると言える。ここで、バブルスルー方式とは、上述したインクジェット記録方式のうち、電気熱変換素子によって発生させられて成長した気泡が、インク滴を吐出口から吐出させた後に吐出口を介して外気に連通する方式をいう。このようなバブルスルー方式の記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置は、特許文献1に開示されている。
特開平05−116306号公報
このようなインクジェット方式の記録ヘッドをキャリッジに搭載して記録媒体に対して高速で走査移動させつつ、記録ヘッドの全ての吐出口からインク滴を連続的に吐出させて記録を行う、いわゆる「べた記録」を行う場合のインク滴の吐出状態を図8に示す。
記録ヘッド101の走査移動方向は、この図8の紙面に対して垂直な方向であり、図示しない吐出口は図8の左右方向に配列された状態となっている。画像データが「べた」である場合には、各吐出口に対応するすべての吐出エネルギー発生部(不図示)が高い駆動周波数で駆動される。このような現象の下で、べた記録を複数回のキャリッジの走査移動を繰り返して行った場合に記録媒体102に形成されるべた記録の画像を図9に模式的に示す。
インクジェット記録装置による画像記録は、記録ヘッド101を搭載したキャリッジを移動走査させながら記録媒体102に画像を記録する動作と、キャリッジの1走査の記録幅だけ記録媒体102を搬送する動作とを繰り返し行うことでなされる。上記のようなべた記録を行う際には、前回の走査移動によって形成されたべた画像105と、次の走査移動によって形成されたべた画像106との間に白筋107が形成されてしまうことがある。このような不具合は、吐出口の配列間隔を狭く設定し、1回の駆動操作によって10ピコリットル以下の少量のインク滴を高周期で吐出できるバブルスルー方式のインクジェット記録装置において特に顕著に現れることが本発明者らの検討により分かった。
このような現象が現れる理由は、インク滴の大きさが小さくなることによって、インク滴重量に対するインク滴表面積(投影面積)の関係からインク滴表面積の割合が増える一方、気流による液滴の移動は前記割合が大きいほど影響を受けることになるためである。図10に示すように、特に、吐出口列の両端側から吐出されるインク滴は、気流によって生じる引き込み力の影響を受けて、吐出口列の中央の方向に引き寄せられてしまう。
かかる不具合を防止するため、吐出口の配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴の大きさを大きくし、すなわちインク滴の慣性質量を増大させることも可能である。これによって、この配列方向両端側に位置する吐出口から吐出されるインク滴の吐出軌跡の偏倚が抑制される。しかしながら、インク滴を大きくすることは、高精細かつ高階調の画像を形成する上での障害になる。さらに、記録媒体に対するインク滴の浸透が遅れる上、記録媒体の膨潤に伴ってプリント画像の劣化を招来する可能性が高い。
あるいは、吐出エネルギー発生部に対する駆動周波数を低く抑えることによって上述した不具合を緩和することも可能である。しかしながら、吐出エネルギー発生部に対する駆動周波数を低く設定した場合には記録速度が遅くなってしまい、高速で記録を行うというユーザのニーズに応えることができなくなってしまう。
そこで本発明は、少量のインク滴を高周期で吐出する場合であっても記録画像に白筋が形成されることを抑えることが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体に吐出口からインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドを搭載するキャリッジとを備えている。このインクジェット記録装置は、前記記録ヘッドの前記吐出口からインクを吐出させながら前記記録媒体または前記キャリッジのいずれか一方を他方に対して移動させることにより前記記録媒体に画像を記録する。前記記録ヘッドの前記吐出口が形成されたフェイス面と、該フェイス面が対向する前記記録媒体との間の空間を囲む気流防止壁が前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドに設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、少量のインク滴を高周期で吐出する場合であっても記録画像に白筋が形成されることを抑えることが可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の機構部分の外観を示す斜視図である。
本実施形態におけるインクジェット記録装置のシャシー10は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成され、このインクジェット記録装置の骨格をなしている。シャシー10には、図示しないシート状の記録装置をインクジェット記録装置の内部へと自動的に給送する媒体給送部11が組み付けられている。シャシー10にはまた、媒体給送部11から1枚ずつ給送される記録媒体を所望の記録位置へ導くと共にこの記録位置から媒体排出部12へと記録媒体を導く媒体搬送部13が組み付けられている。シャシー10にはさらに、記録位置に搬送された記録媒体に所定の記録動作を行う記録部18と、記録部18に搭載された記録ヘッド(不図示)に対する回復処理を行うヘッド回復部14とが組み付けられている。
記録部18は、キャリッジ軸15に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ16を含んでいる。このキャリッジ16には、ヘッドカートリッジ(不図示)がヘッドセットレバー17を介して着脱可能に搭載される。ここで、本実施形態におけるヘッドカートリッジは、インクを貯留するインクタンク(不図示)と、このインクタンクから供給されるインクを記録情報に応じて記録ヘッドの吐出口から吐出させる前述の記録ヘッドとを有する。本実施形態における記録ヘッドは、キャリッジ16に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。ヘッドカートリッジが搭載されるキャリッジ16には、ヘッドカートリッジの記録ヘッドをキャリッジ16上の所定の装着位置に位置決めするためのキャリッジカバー20が設けられている。キャリッジ16にはまた、記録ヘッドのタンクホルダ(不図示)と係合して記録ヘッドを所定の装着位置に位置決めするように押圧する前述のヘッドセットレバー17が設けられている。
ヘッドセットレバー17は、キャリッジ16の上部に不図示のヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられている。また、ヘッドセットレバー17の記録ヘッドとの係合部には、ばね付勢される不図示のヘッドセットプレートが設けられ、このヘッドセットプレートのばね力によって記録ヘッドを押圧しながらキャリッジ16に装着するようになっている。
記録ヘッドに対するキャリッジ16の別の係合部には、コンタクトフレキシブルプリントケーブル(以下、「コンタクトFPC」と称す。)22の一端部が連結されている。このコンタクトFPC22の一端部に形成された不図示のコンタクト部と、記録ヘッドに設けられた外部信号入力端子であるコンタクト部とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドへの電力の供給などを行い得るようになっている。
コンタクトFPC22のコンタクト部とキャリッジ16との間には、図示しないゴム等からなる弾性部材が設けられている。この弾性部材の弾性力とヘッドセットプレートによる押圧力とによって、コンタクトFPC22のコンタクト部と記録ヘッドのコンタクト部との確実な接触を可能とするようになっている。コンタクトFPC22の他端部は、キャリッジ16の背面に搭載された図示しないキャリッジ基板に接続されている。
以下、本発明の実施例を参照して本発明についてさらに説明する。
具体的な実施例を説明する前に、本発明に至った経緯と考え方を述べる。前述したように、インクジェット記録においては、吐出口列の端部のノズルからの液滴が内射してしまうことにより、記録媒体上の記録画像の吐出口列間のつなぎ部に相当する部分に白筋が発生していた。本発明者らは、「液滴が吐出すると、吐出方向(記録媒体へ向かう方向)に吐出液滴が周囲の空気を連行するために吐出口周囲に空気不足の領域ができ、その不足を補うために周囲の空気を引き込むこと」が、液滴の内射の原因であると考えた。
図10に示したように、吐出口列の中央では吐出口列に対して略垂直な方向からの引き込みがほとんどである。これに対し、吐出口列の端部では吐出口列の外側(横)からの空気の引き込みによる気流が、吐出口列端部の吐出液滴を内射させる原因であると考えた。そこで本発明者らは、吐出口列の端部においては、吐出口列の外側からの空気の引き込みを防止することによる技術的手段に関して検討を行った。そこで、吐出口列の端部には、空気不足の領域が生じて横からの空気を引き込むが、その空気不足の領域を無くしてやれば、横からの空気の引き込みを防止できるとという仮説をたてた。空気不足の領域を無くすには、その領域に空気を与えれば良く、吐出口列に垂直な方向から空気を与える実験を行ったところ、内射が無くなるという結果を得ることができた。
通常、インクジェット記録ヘッドは、キャリッジに装着されて吐出口列に対して垂直な方向に移動して記録を行う。そのため、キャリッジを移動させることにより、吐出口列に対して垂直な方向から空気が供給されていることとなる。この点、本発明者らが、キャリッジ移動時にインクジェット記録ヘッドの吐出口列に供給される空気を流速計で測定したところ、キャリッジ速度を上げると、その速度と同じ流速の空気が流れることを確認できた。
キャリッジ速度はインクジェット記録ヘッドの解像度や駆動周波数で決まるものであり、内射を無くすためだけに適切なキャリッジ速度にすることはできない。そのため、キャリッジ移動によって空気を効率よく吐出口列に供給する構造が必要である。インクジェット記録ヘッドの吐出口列の両側に壁部材が設けられていない従来の構造では、上述したようにキャリッジ速度を上げたときの吐出口列での流速を測定すると、キャリッジ速度と同等の流速になった。一方、吐出口列の端部からの空気の逃げを無くすために、キャリッジの走査移動方向に沿う両側に壁部材を設けて流速を測定すると、キャリッジ速度より早い流速が吐出口列の部分において得られることが分かった。
そこで本発明のように、キャリッジもしくは記録ヘッドの、記録ヘッドの吐出口列の配列方向における両側に壁部材を有する構成を成すに至った。その壁部材は、記録媒体またはキャリッジの移動方向と平行に延び、かつ記録ヘッドの吐出口が形成されたフェイス面とそのフェイス面が対向する記録媒体との間を覆う。
(実施例1)
図2および図3は、本発明の実施例1を示す図である。
図2および図3は、本発明の実施例1を示す図である。
図2に示す本実施例のキャリッジ33には、キャリッジ33の走査移動方向に沿う両側に壁部材(気流防止壁)としての横壁30が設けられている。横壁30には、キャリッジ33に固定された突起31が通された開口部32が形成されている。開口部32は突起31に対して上下に移動可能になっている。これにより、横壁30は、キャリッジ33に搭載された記録ヘッドのフェイス面36と、その下方に配置された記録媒体(不図示)との間の距離に応じて上下に移動する。したがって、キャリッジ33の走査移動中、横壁30の下面は横壁30の下方に配置された記録媒体(不図示)上に接触した状態が保たれる。
なお、横壁30は、キャリッジ33のフェイス面36よりも上に移動させた状態に保持することも可能である。この場合、キャリッジ33は、横壁30がインク滴の内射に与える影響に関して、横壁30を備えていないのと等価な状態となる。
通常の状態では、横壁30の下面は記録媒体と接触し、キャリッジ33における横壁30の上下方向の位置はフェイス面36とその下方の記録媒体との間の距離によって決まる。したがって、横壁30がフェイス面36から突出する長さは、記録媒体とフェイス面36との距離が小さいときは短くなり、記録媒体とフェイス面36との距離が大きいときは長くなる。このように、キャリッジ33が記録媒体に対向して走査移動する際には、キャリッジ33と記録媒体との距離が変化しても、それに追従するようにして横壁30がキャリッジ33に対して上下に移動し、横壁30の下面が記録媒体に接触した状態が保たれる。したがって、記録媒体とフェイス面36との間が横壁30によって覆われ、記録媒体とフェイス面36との間の空間がキャリッジ33の両側の横壁30によって囲まれた状態(略密閉状態)になっている(図4中の斜線部を参照)。
横壁30のキャリッジ33の走査移動方向における両端端には面取りが施されている。これにより、キャリッジ33が走査移動して横壁30が記録媒体上を摺動する際に、横壁30が記録媒体を傷つけることが防止されている。図2に示した例では、キャリッジ33の走査移動方向における横壁30の長さは、キャリッジ33の走査移動方向における幅よりも長くなっている。
図2(b)の正面図に表されている横壁30の厚みは1.5mmである。横壁30の素材には、キャリッジ33の移動時に横壁30がたわむ等の変形が発生しないように、剛性のある素材を使用している。例えば、横壁30の素材には、アルミニウム板等の金属板や、ABS樹脂板等の樹脂板を使用することができる。
本実施例の構成によって「べた記録」動作を行い、記録媒体に記録された「べた画像」を観察した。べた記録動作の条件は、記録解像度を1200dpi(ドット・パー・インチ)、駆動周波数を24kHz、フェイス面36と記録媒体との距離を1.5mmとした。本実施例の構成によって記録媒体に記録された「べた画像」は、キャリッジに横壁を備えていない従来の構成によって記録した「べた画像」に比べて、白筋が低減した。
図3は、図2に示したキャリッジの変形例を示す図である。
この変形例では、図3(a)に示すように、キャリッジ33の走査移動方向における横壁30の長さは、キャリッジ33の走査移動方向における幅よりも短くなっている。さらに、キャリッジ33の両側に設けられた各々の横壁30は、フェイス面36に形成された吐出口列の両端部近傍に設けられている。そのため、図3(b)に示すように、キャリッジ33の両側に設けられた横壁30同士の間隔は、吐出口列の長さとほぼ同じであり、キャリッジ33のフェイス面36の幅よりも狭くなっている。
この変形例の構成によれば、吐出口列の両端部近傍に横壁30が設けられているため、吐出口列の端部からの空気の逃げを防止する横壁30の効果をより高めることができる。したがって、記録媒体に「べた画像」を記録したときに発生し得る白筋を、より低減することができる。
本実施例では、インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体に対して走査移動させて記録を行う構成について説明したが、固定したインクジェット記録ヘッドに対して記録媒体を搬送して記録を行う構成においても同様の効果を得ることができる。キャリッジを記録媒体に対して走査移動させて記録を行う場合には、キャリッジが動作することによりフェイス面と記録媒体との間の領域に空気が供給される。これと同様に、固定したインクジェット記録ヘッドに対して記録媒体を搬送して記録を行う場合にも、空気の粘性によって空気が記録媒体に引きずられて記録媒体の搬送方向に動くことにより、同様に空気が供給される。
(実施例2)
図5は、本発明の実施例2を示す図である。
図5は、本発明の実施例2を示す図である。
本実施例のキャリッジ33も、図2に示したものと同様に、キャリッジ33の走査移動方向に沿う両側に壁部材としての横壁30が設けられている。横壁30には、キャリッジ33に固定された突起31が通された開口部32が形成されている。開口部32は突起31に対して上下に移動可能になっている。本実施例では、横壁30の記録媒体と接する下面側に拍車35が設けられている。拍車35は、横壁30に固定された拍車軸(不図示)に回転自在に通された状態で、各々の横壁30の前後部に形成された凹部(不図示)内に収容されている。拍車35の径は5mmであり、拍車35は横壁30の下面から0.5mm突出している。
このように横壁30に拍車35を設けることにより、横壁30の下面に付着したインクが記録媒体へ転写すること等による、記録媒体の記録品質の低下を抑制することができる。また、キャリッジの移動時に横壁30が記録媒体に引っかかることがなくなり、記録媒体に対する横壁30の摩擦抵抗が少なくなる。
本実施例の構成によって「べた記録」動作を行い、記録媒体に記録された「べた画像」を観察した。べた記録動作の条件は、記録解像度を1200dpi、駆動周波数を24kHz、フェイス面36と記録媒体との距離を1.5mmとした。本実施例の構成によって記録媒体に記録された「べた画像」は、キャリッジに横壁を備えていない従来の構成によって記録した「べた画像」に比べて、白筋が低減した。
図6は、図5に示したキャリッジの変形例を示す図である。
図5に示した例では、拍車35を横壁30に固定された拍車軸(不図示)に通した構成を有していた。これに対し、図6に示す変形例では、拍車軸37をばね乗数の低いコイルばね38を介して横壁30に設けることで、各々の拍車35が記録媒体の凹凸に追従することができるようになる。
本変形例では、コイルばね38の芯に軸39を通しており、ばね38が短くなる方向に変形していくと軸39の下端に拍車軸37が接触し、それ以上は拍車35が横壁30側へ動かないようなストッパーが設けられている。なお、軸39の上端は横壁30の凹部(不図示)内に固定されている。
例えば、記録媒体がキャリッジ33の移動方向に凹凸を有している場合であって、キャリッジ33の移動方向の前方では記録媒体がフェイス面36へ向かう方向に凸形状になっており、後方ではフェイス面36から離れる方向に凹形状になっている場合を考える。この場合、前側の拍車35は横壁30側へ押し込まれ、後側の拍車35は横壁側へ押し込まれずに、キャリッジ33を移動させることができ。これにより、拍車35を備えた構成であっても横壁30と記録媒体との間に生じ得る隙間を小さくすることができるので、吐出口列の端部からの空気の逃げを防止する横壁30の効果を損なわない。この構成においても、図5の構成と同様に、記録画像における白筋の発生を低減させることができた。
(実施例3)
図7は、本発明の実施例3を示す図である。
図7は、本発明の実施例3を示す図である。
本実施例のキャリッジ33は、キャリッジ33の走査移動方向に沿う両側に壁部材としての横壁30がそれぞれ複数設けられている。各々の横壁30には、キャリッジ33に固定された突起31が通された開口部32が形成されている。開口部32は突起31に対して上下に移動可能になっている。本実施例では、各々の横壁30の記録媒体と接する下面側に拍車35が設けられている。拍車35は、横壁30に固定された拍車軸(不図示)に回転自在に通された状態で、各々の横壁30の前後部に形成された凹部(不図示)内に収容されている。拍車35の径は5mmであり、拍車35は横壁30の下面から0.5mm突出している。
このように横壁30に拍車35を設けることにより、横壁30の下面に付着したインクが記録媒体へ転写すること等による、記録媒体の記録品質の低下を抑制することができる。また、キャリッジの移動時に横壁30が記録媒体に引っかかることがなくなり、記録媒体に対する横壁30の摩擦抵抗が少なくなる。さらに、本実施例では、キャリッジ33の両側にそれぞれ独立して作動する複数の横壁30が設けられている。そのため、記録媒体がインクを吸収して膨潤して表面が凹凸を持つようになっても、複数の横壁30がそれぞれ記録媒体の凹凸形状にならって上下に移動することにより、横壁30と記録媒体との間に生じ得る隙間を小さくすることができる。その結果、横壁30は吐出口列の端部からの空気の逃げをより効果的に防止し、フェイス面36と記録媒体との間をより良好な略密閉状態にすることができる。
本実施例の構成によって「べた記録」動作を行い、記録媒体に記録された「べた画像」を観察した。べた記録動作の条件は、記録解像度を1200dpi、駆動周波数を24kHz、フェイス面36と記録媒体との距離を1.5mmとした。本実施例の構成によって記録媒体に記録された「べた画像」は、キャリッジに横壁を備えていない従来の構成によって記録した「べた画像」に比べて、白筋が低減した。
本実施例では、横壁30はキャリッジ33の突起31に沿って上下に自在に移動可能になっている。これに代えて、キャリッジ33に電磁石(不図示)等からなる壁部材保持手段を備え、横壁30をキャリッジ33のフェイス面36よりも上に保持することが可能な構成としてもよい。この場合、横壁30の少なくとも一部は電磁石によって吸引される磁性材料で構成されている。
このような構成にすることにより、記録動作時は電磁石をオフにして横壁30をフェイス面36から下方に突出させた状態として、フェイス面36と記録媒体との間を略密閉状態にすることができる。一方、記録動作以外の時には電磁石をオンにして横壁30をフェイス面36から上に保持することができる。記録ヘッドの回復動作時には、記録動作を行っていないことから、電磁石をオンにして横壁30をフェイス面36から上に保持する。また、記録動作を行っていない時には記録ヘッドの吐出口からインク溶媒が蒸発することを防止するために記録ヘッドのフェイス面36をキャッピングしている。そのため、記録動作直前にキャップをオープンにした際に、電磁石をオフにして横壁30をフェイス面36から下方に突出させた状態とすることが好ましい。
30 横壁
31 突起
32 開口部
33 キャリッジ
36 フェイス面
31 突起
32 開口部
33 キャリッジ
36 フェイス面
Claims (9)
- 記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体に吐出口からインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドを搭載するキャリッジとを備え、
前記記録ヘッドの前記吐出口からインクを吐出させながら前記記録媒体または前記キャリッジのいずれか一方を他方に対して移動させることにより前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記記録ヘッドの前記吐出口が形成されたフェイス面と、該フェイス面が対向する前記記録媒体との間の空間を囲む気流防止壁が前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドに設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体に吐出口からインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドを搭載するキャリッジとを備え、
前記記録ヘッドの前記吐出口からインクを吐出させながら、前記記録媒体または前記キャリッジのいずれか一方を他方に対して、前記記録ヘッドの複数の前記吐出口が成す吐出口列の配列方向に対して交わる方向に移動させることにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドの前記吐出口列の配列方向における両側には、前記記録媒体または前記キャリッジの移動方向と平行に延び、かつ前記記録ヘッドの前記吐出口が形成されたフェイス面と該フェイス面が対向する前記記録媒体との間を覆う壁部材が設けられていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記壁部材同士の間隔は、前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドの、前記吐出口列の配列方向における幅よりも狭い、請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記壁部材の前記記録媒体または前記キャリッジの移動方向における長さは、前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドの、前記キャリッジの移動方向における幅よりも短い、請求項2または3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記壁部材は、前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドに対して、前記フェイス面と前記記録媒体とが対向する方向に移動可能に支持されている、請求項2から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 記録動作時には前記壁部材を前記フェイス面よりも前記記録媒体から離れた位置に保持する壁部材保持手段を備えている、請求項5に記載のインクジェット記録装置。
- 前記壁部材の前記記録媒体に対向する面に拍車が設けられている、請求項2から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記キャリッジもしくは前記記録ヘッドの前記両側には、それぞれ、前記記録媒体または前記キャリッジの移動方向に複数の前記壁部材が設けられている、請求項2から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 各々の前記壁部材の前記記録媒体に対向する面に拍車が設けられている、請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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WO2014024810A1 (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-13 | 株式会社ミマキエンジニアリング | 印刷方法及び印刷装置 |
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