JP2008142695A - コーティング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐汚染性及び作業性に優れたコーティング方法を提供する。
【解決手段】硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布することを特徴とし、変成シリコーン系材料に含まれる硬化触媒を利用して硬化触媒を有さないコーティング剤の硬化反応を起こし、変成シリコーン系材料部分のみコーティング剤を硬化せしめるようにした。前記コーティング剤の塗布が噴霧(スプレー塗布)であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング方法に関し、更に詳しくは、シーリング材、接着剤及び塗料等の表面の汚染を防止するコーティング方法に関する。
反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系有機重合体をベースにした室温硬化性組成物は、安価で優れた性能を有しており、例えば建築物のシーラント等に利用できる(変成シリコーン系シーリング材と呼ばれている)。これらは種々の特性が要求されるが、モジュラス、破断伸び、破断強度などの機械物性に加え、長期にわたる耐候性は重要な特性であり、これまでにも多くの検討が行われてきている。その結果、モジュラス、破断伸び、破断強度などの機械物性は硬化性組成物中にフタル酸エステルやポリエステルやポリエーテル、アクリル系可塑剤等を添加することによりシーリング材に好適な物性を得ることができることが知られている。しかし、硬化後も表面にベトツキ(タック)が残る欠点があり、目地部に大気中の塵埃等の汚染物質が付着し、美観を損なう問題がある。
さらに近年、建物の外壁用塗料においては大気中の塵埃等の汚染物質、特に都市部では自動車排ガス、工場の煤煙、鉄粉、及び酸性雨等による塗膜表面の美観性低下の問題から光触媒含有、親水性付与といった耐汚染性を考慮した特殊塗料が塗布された外壁材が多く使用されている。これらの外壁材の目地にはシーリング材が充填され、防水及び外気との遮断がなされる。しかし、この目地に充填されているシーリング材は上記のようにベタツキが残ることから外観を損なうという問題がある。
シーリング材の汚染防止方法として、特許文献1は、未硬化状態のシーリング材表面に、ポリイソシアネートウレタンプレポリマーの溶液を付与する方法を開示している。しかしながら、該方法は変成シリコーン系シーリング材を用いた場合、硬化が十分ではなく、ウレタンプレポリマーは粘性が高く塗布し難く、さらに未反応のイソシアネートは毒性が高いといった問題があった。
また、特許文献2は、シーリング材の未硬化時にフッ素樹脂を主成分とするコーティング剤を塗布する方法を開示しており、特許文献3は硬化性部位を有するフルオロオレフィン系共重合体と硬化剤を含有するシーリング材に、その未硬化状態のうちにフルオロアクリレート系樹脂を含むコーティング剤を塗布する方法が開示されている。しかしながら、これらの方法は防汚性能が十分とはいえず、特に長期の性能維持が課題であった。
特開平1−201386号公報 特開平2−182767号公報 特開平7−118572号公報
本発明は、耐汚染性及び作業性に優れたコーティング方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコーティング方法は、硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布することを特徴とし、変成シリコーン系材料に含まれる硬化触媒を利用して硬化触媒を有さないコーティング剤の硬化反応を起こし、変成シリコーン系材料部分のみコーティング剤を硬化せしめるものである。
前記コーティング剤の塗布が噴霧(スプレー塗布)であることが好ましい。
前記変成シリコーン系材料が、シーリング材、接着剤又は塗料であることが好適である。
本発明の目地のコーティング方法の第一の態様は、目地部を有する基材の目地部に硬化触媒を含有する変成シリコーン系シーリング材を充填する工程と、前記充填されたシーリング材の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の目地のコーティング方法の第二の態様は、基材表面に硬化触媒を含有する変成シリコーン系接着剤を塗布し、目地部を設けて複数の表面化粧板を接着する工程と、前記目地部の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の塗料のコーティング方法は、基材表面に硬化触媒を含有する変成シリコーン系塗料を塗布する工程と、前記塗布された塗料の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の変成シリコーン系コーティング剤は、硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤であって、本発明のコーティング方法に好適に用いられる。
該コーティング剤は、スプレー缶に充填されてなることが好ましい。
前記コーティング剤が、反応性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体、反応性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有する(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有するポリイソブチレン系重合体からなる群から選択される1種以上の重合体を含むことが好ましい。
前記コーティング剤が、アミン化合物を含有することが好適である。
前記コーティング剤が、希釈剤を含有することが好ましい。
本発明のコーティング方法は、耐汚染性、特に長期の耐汚染性に優れている。特に、本発明方法において、本発明のコーティング剤を本発明の変成シリコーン系材料を使用した被塗面全面に塗布することにより、表面の汚染物質付着を防止することができる他、材料の耐候性、防かび性、防藻性等の向上を行うことができる。また、本発明のコーティング方法は、変成シリコーン系材料の表面部分のみコーティング剤が硬化するため、変成シリコーン系材料の表面以外の部分に付着した余分なコーティング剤を容易に除去することができ、周辺汚染性をなくすことができるという著大な効果を奏する。
本発明の目地のコーティング方法は、目地の表面部分のみコーティング剤が硬化するため、目地の表面以外の部分に付着した余分なコーティング剤を容易に除去することができ、よって目地周辺汚染がなく、マスキングテープの有無に関わらず、優れた美観性を持った目地を形成することができる。特に、シーリング材施工時にマスキングテープを使用し目地を充填する方法において、従来は、コーティング剤が全て硬化する為、マスキングテープ上に付着したコーティング剤も硬化し、マスキングテープ除去時にマスキングテープと共にシーリング材上のコーティング剤も剥がれ、シーリング材未硬化時にコーティング剤を塗布した場合はシーリング材も一部剥がれるという問題があったのに対し、本発明方法によれば、シーリング材表面のコーティング剤のみ硬化するため、マスキングテープのみを剥がすことができる。
従来の硬化触媒を含むコーティング剤をスプレー缶に充填し、スプレー塗布すると、ノズルに目詰まりが生じたのに対し、本発明のコーティング剤は目詰まりが起こらず、ノズルの目詰まりを防止することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明は、硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料の表面に、硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布することにより該材料表面の汚染を防止するものであって、変成シリコーン系材料に含まれる硬化触媒を利用して硬化触媒を有さないコーティング剤の硬化反応を起こし、変成シリコーン系材料により形成された表面部分のみコーティング剤を硬化せしめるようにしたものである。
本発明の変成シリコーン系コーティング剤としては、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基、すなわち反応性珪素基を有する有機重合体を主成分とし、硬化触媒を含有しない組成物が用いられる。
前記反応性珪素基は、特に限定はないが、分子内に1〜6個含まれるのが一般的である。反応性珪素基の位置は特に限定されず、有機重合体分子鎖の末端あるいは内部にあってもよく、両方にあってもよいが、分子鎖末端にあることが好ましい。更に、反応性珪素基は、架橋しやすく製造しやすい下記一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 2008142695
〔式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有機基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。Xは水酸基又は加水分解性基であり、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシル基、アシルオキシル基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシル基及びアミノオキシル基から選択される基が好ましく、アルコキシル基がより好ましく、メトキシル基が最も好ましい。Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。nは1、2又は3であり、2が最も好ましい。〕
前記反応性珪素基を有する重合体において、反応性珪素基が複数存在する場合、これらは同じであっても異なっていてもよく、さらに、前記式(1)中のnの数も同じであっても異なっていてもよい。また、含有される反応性珪素基の異なる有機系重合体を2種類以上用いてもよい。
前記反応性珪素基を有する有機重合体における重合単位は、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリイソブチレン系重合体及びこれらの共重合体(例えば、特開2003−238795号公報、特開2000−169544号公報、特開2004−059782号公報、特開2004−51830号公報、特開2003−138151号公報、特開2001−40037号公報及び特開平10−182991号公報等参照。)が好適な例として挙げることができる。これらの重合体は1種のみで用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、本発明において、アクリルとメタクリルを併せて(メタ)アクリルと称する。
本発明のコーティング剤の反応性珪素基を有する有機重合体としては、具体的には、反応性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体、反応性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有する(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有するポリイソブチレン系重合体、並びにこれらの混合物が好ましい。
前記反応性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体としては、反応性珪素基を分子鎖末端に有し、アクリル酸エステルを単量体単位として含む重合体又は共重合体、または反応性珪素基を分子鎖末端に有し、アクリル酸エステルと他の単量体単位を含む共重合体が好適である。該重合体は、常温において固形であり、ガラス転移点温度が10℃以上のものが好ましい。
該反応性珪素基を末端に有する(メタ)アクリル系重合体の製造法は、特に限定されないが、制御ラジカル重合法が好ましく、リビングラジカル重合法がより好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。
前記反応性珪素基を有する有機重合体の数平均分子量は500〜100000が好ましく、1000〜30000が更に好ましい。
本発明の変成シリコーン系コーティング剤は、反応性珪素基を有する有機重合体に加えて、必要に応じて、硬化触媒を除く添加剤や希釈剤を配合してもよい。なお、本発明において、硬化触媒とは、前記反応性珪素基を有する有機重合体に対して硬化触媒の作用を示すものを意味する。
前記希釈剤としては、一般的な有機溶剤が好適に使用でき、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン系溶媒、ヘプタン、ヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒、ミネラルスピリット、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤;トリクロロエチレン、塩化メチレン、パークロロエチレン等のハロゲン系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;ジブチルジグリコール等のジアルキルグリコールエーテル系溶剤;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤が挙げられる。
また、可塑剤を希釈剤として用いてもよい。希釈剤として使用可能な可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;二塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類等のポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体等のポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、プロセスオイル等の炭化水素系オリゴマー類;塩素化パラフィン類等が挙げられる。
これら希釈剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。希釈剤を配合することにより本発明のコーティング剤の粘度を調節することができる。本発明のコーティング剤は23℃における粘度が0.1〜1000cPであることが好ましく、1〜100cPであることがより好ましい。希釈剤の配合割合は特に限定されないが、反応性珪素基を有する有機重合体100質量部に対して0〜1000質量部配合することが好ましく、1〜500質量部がより好ましい。
前記添加剤としては、例えば、アミン化合物、親水化剤、老化防止剤、可塑剤、防腐剤、防カビ剤、消泡剤、レべリング剤、揺変剤等が挙げられる。
上記揺変剤としては、例えば、コロイダルシリカ、石綿粉等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤、水添ヒマシ油誘導体、脂肪酸アマイドワックス、ステアリル酸アルミニウム、ステアリル酸バリウム等が挙げられる。上記揺変剤は単独で使用しても良く、または、2種類以上を併用しても良い。
前記アミン化合物としては、例えば、アミノシラン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ドデカメチレンジアミン、ジメチルエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアニリンなどが挙げられ、アミノシラン化合物が硬化を促進しやすく好ましい。また、有機アミンとして、ケチミン等の水と反応して有機アミンを生成する化合物を用いることもできる。
前記アミノシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
アミン化合物の配合割合は特に限定されないが、反応性珪素基を有する有機重合体100質量部に対して0〜100質量部配合することが好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。これらアミン化合物は、1種類のみで使用してもよく、また2種類以上混合使用してもよい。
前記親水化剤としては界面活性剤が好ましく、非イオン系界面活性剤やカチオン系界面活性剤がより好ましい。非イオン系界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型,グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型,及びシリコーン系界面活性剤等が挙げられ、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、疎水性基であるジメチルポリシロキサンと親水性基であるポリアルキレンオキサイドを含むポリエーテル変性シリコーンオイルが好ましい。該ポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン主鎖に対し、Si−C結合による側鎖変性コポリマーもしくはSi−O−C結合の末端変性ポリマー、ブロックコポリマーなどが挙げられる。これらは珪素濃度、ジメチルシロキサン部分の鎖長、アルキレンオキサイドの種類などの調節によって種々の製品が市販されている。
前記ポリエチレングリコール型界面活性剤及び多価アルコール型界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C11,C12−15等)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミンエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール型、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、高級アルコールのアルキレンオキサイド、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、ソルビタンオレエート、ソルビタントリオレエート、ラウリルエーテルエトキリレート、ラウリルアルコールエトキシレート、EP,POブロック共重合体、エーテルサルフェート系等が挙げられる。
親水化剤の配合割合は特に限定されないが、反応性珪素基を有する有機重合体100質量部に対して0〜500質量部配合することが好ましく、1〜100質量部がより好ましい。これら親水化剤は、1種類のみで使用してもよく、また2種類以上混合使用してもよい。
前記老化防止剤は耐候性を改善する目的で配合されるものであり、公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安定剤等が好適に用いられる。老化防止剤の配合割合は特に限定されないが、反応性珪素基を有する有機重合体100質量部に対して0〜100質量部配合することが好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。これら老化防止剤は、1種類のみで使用してもよく、また2種類以上混合使用してもよい。
前記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド]、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記酸化防止剤は単独で使用しても良く、または、2種類以上を併用しても良い。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤,オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤,2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種類以上を併用しても良い。
本発明方法に用いられる前記変成シリコーン系材料としては、反応性珪素基を有する有機重合体を主成分とし、該有機重合体の硬化触媒を含有する硬化性組成物が用いられる。該反応性珪素基を有する有機重合体としては、変成シリコーン系コーティング剤の説明において述べたものが同様に好適に用いられる。
前記硬化触媒としては、前記反応性珪素基を有する有機重合体に対し硬化触媒の作用を示すものであれば特に限定されないが、有機金属化合物やシラノール縮合触媒を用いることが好ましい。上記硬化触媒としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、オクチル酸錫及びナフテン酸錫等の有機錫化合物;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛及びナフテン酸鉛等の有機酸鉛;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス及びロジン酸ビスマス等の有機酸ビスマス;シラノール縮合触媒として公知のその他の酸性触媒及び塩基性触媒等が挙げられる。
本発明に用いられる変成シリコーン系材料は、前記した反応性珪素基を有する有機重合体及び硬化触媒に加えて、必要に応じて、接着付与剤、物性調整剤、充填剤、可塑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、粘着付与剤、垂れ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの添加剤やトルエンやアルコール等の各種溶剤を配合してもよく、また相溶する他の重合体をブレンドしてもよい。
本発明方法において、前記変成シリコーン系材料を使用した被塗面全面にコーティング剤を塗布することにより、変成シリコーン系材料表面の汚染物質付着を防止することができる他、変成シリコーン系材料の耐候性、防かび性、防藻性等の向上を行うことができる。
本発明において、変成シリコーン系材料の表面にコーティング剤を塗布する時期は、変成シリコーン系材料が硬化状態又は未硬化状態のいずれでもよく特に限定されない。
コーティング剤の塗布方法としては、特に限定されず、スプレー塗布、ローラー塗布、刷毛による塗布等の通常の塗布方法が適用できるが、コーティング剤をスプレー缶に充填し、噴霧することが好ましい。
本発明方法においては、変成シリコーン系材料表面上のコーティング剤のみ硬化するため、変成シリコーン系材料の表面からはみ出た部分のコーティング剤は硬化せず、水洗で容易に除去可能であり、例えば、雨水等で洗い流される。よって本発明方法は、作業性に優れており、変成シリコーン系材料表面の防汚効果に加えて、周辺汚染が無く、優れた美観性を持った目地を形成することができる。
前記変成シリコーン系材料がシーリング材、接着剤又は塗料であり、本発明のコーティング方法を、シーリング材、接着剤又は塗料のコーティングに適用することが好ましい。
以下、本発明のコーティング剤を用いた目地のコーティング方法を図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明の目地のコーティング方法の1つの工程例を模式的に示す説明図で、(a)は目地部にシーリング材を充填した状態を示す部分拡大断面図、(b)はシーリング材表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(c)は本発明方法によりコーティングされた目地を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。
図1に示した如く、目地部11を形成する基材、例えば、外壁10等の建築構造物や建材パネル等、の目地部11に対し、硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料からなるシーリング材12を充填した後[図1(a)]、該シーリング材12の表面に、本発明の変成シリコーン系コーティング剤14を塗布する[図1(b)]。コーティング剤14を塗布する時期は、シーリング材12が硬化状態又は未硬化状態のいずれでもよく特に限定されない。
図1(c)に示した如く、本発明方法においては、シーリング材12表面上のコーティング剤14のみ硬化するため、シーリング材12表面からはみ出た部分のコーティング剤14は硬化せず、水洗で容易に除去可能であり、例えば、雨水等で洗い流される。
よって本発明の目地のコーティング方法は、作業性に優れており、目地表面の防汚効果に加えて、目地周辺汚染が無く、マスキングテープの有無に関わらず、優れた美観性を持った目地を形成することができる。
特に、マスキングテープを使用して目地にシーリング材を充填した場合、従来は、シーリング材表面以外の部分に付着したコーティング剤も硬化し、マスキングテープ除去時にシーリング材上のコーティング剤も同時に剥がれ、さらに、シーリング材未硬化時にコーティング剤を塗布した場合はシーリング材も一部剥がれるという問題があったのに対し、本発明方法によれば、シーリング材表面のコーティング剤のみ硬化するため、マスキングテープのみをきれいに除去することができ、極めて美観性に優れた目地を形成することができる。
図2は、本発明の目地のコーティング方法の他の工程例を模式的に示す説明図で、(a)は基材表面に接着剤を塗布し、表面化粧板を接着した状態を示す部分拡大断面図、(b)は接着剤表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(c)は本発明方法によりコーティングされた目地を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。
図2(a)に示した如く、基材、例えば、外壁20又は建材パネル基板等、の表面に、硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料からなる接着剤22を一定の厚さに塗布し、所定の目地間隔を設けて複数の表面化粧板24を接着することにより、表面化粧板24の間隙に接着剤22からなる目地部23が形成される。該目地部の形成方法は、例えば、特開平6−101319号公報に記載の方法を用いることが好ましい。前記表面化粧板としては、例えば、タイルや石材等が挙げられる。
該接着剤22からなる目地部23の表面に、本発明の変成シリコーン系コーティング剤26を塗布する[図2(b)]。コーティング剤26を塗布する時期は、接着剤22が硬化状態又は未硬化状態のいずれでもよく特に限定されない。
図2(c)に示した如く、本発明方法においては、接着剤22表面上のコーティング剤26のみ硬化するため、接着剤22表面以外の部分、例えば、表面化粧板24上のコーティング剤26は硬化せず、水洗等により容易に除去することができる。
図3は、本発明の塗料のコーティング方法の1つの工程例を模式的に示す説明図で、(a)は基材表面に塗料を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(b)は塗料表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。
図3に示した如く、基材、例えば、外壁30又は建材パネル基板等、の表面に、硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料からなる塗料32を塗布した後[図3(a)]、該塗料32の表面に、本発明の変成シリコーン系コーティング剤34を塗布する[図3(b)]。コーティング剤34を塗布する時期は、塗料32が硬化状態又は未硬化状態のいずれでもよく特に限定されない。本発明方法においては、塗料32表面上のコーティング剤34のみ硬化するため、塗料32表面以外の部分のコーティング剤34は硬化せず、水洗等により容易に除去することができる。
よって、本発明の塗料のコーティング方法は、塗料表面の防汚効果に加えて、塗料周辺汚染が無く美観性に優れ、更に作業性に優れるという甚大な効果を奏する。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)ポリマーA(反応性珪素基を末端に含有するアクリル系重合体)の合成
500mLフラスコに臭化銅1.80g(12.6mmol)、アセトニトリル21mLを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱撹拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.05g(14.0mmol)、アクリル酸ブチル60mL(0.418mol)、アクリル酸エチル84mL(0.775mol)、アクリル酸2−メトキシエチル63mL(0.489mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.262mL(1.26mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.087mL(0.42mmol)追加した。反応開始から240分後、アセトニトリル62mL、1,7−オクタジエン62mL(0.42mol)、トリアミン0.87mL(4.18mmol)添加し、引き続き80℃で加熱撹拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。
前記得られた重合体、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製:重合体100質量部に対して2質量部)及びキョーワード700SL(協和化学工業(株)製:重合体100質量部に対して2質量部)をキシレン(重合体100質量部に対して100質量部)に混合し、130℃で撹拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で12時間加熱脱揮(減圧度10torr以下)することにより共重合体中からBr基を脱離させた。重合体とキョーワード500SH(重合体100質量部に対して3質量部)、キョーワード700SL(重合体100質量部に対して3質量部)をキシレン(重合体100質量部に対して100質量部)に混合し、130℃で撹拌した。5時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル基末端含有重合体[1]を得た。
前記得られた重合体[1]の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により19000、分子量分布は1.1であった。また、オリゴマー1分子あたりに導入されたアルケニル基は、1H NMR分析より平均1.9個であった。
次に、200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体[1](23.3g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(2.55mL、20.7mmol)、オルトギ酸ジメチル(0.38mL、3.45mmol)、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル基に対して、モル比で2×10-4当量とした。反応混合物を100℃で3時間加熱した。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸2−メトキシエチル)のポリマーAを得た。
得られたポリマーAの数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により20000、分子量分布は1.2であった。重合体1分子あたりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析により求めたところ、1.9個であった。
(合成例2〜8)
表1に示す組成にてコーティング剤1〜7を調製した。
Figure 2008142695
表1中、各配合物質の配合量は質量部で示され、*1〜*9は次の通りである。
*1)合成例1で得られたポリマーAのトルエン溶液(固形分20%)
*2)反応性シリル基末端含有ポリオキシアルキレン系重合体[(株)カネカ製、商品名:MSポリマーS030]
*3)反応性シリル基含有ポリイソブチレン系重合体[(株)カネカ製、商品名:エピオンEP103S]
*4)酢酸エチル
*5)アミノシラン化合物[信越化学工業(株)製、商品名:KBM903]
*6)ジブチル錫ジアセチルアセトナート[日東化成(株)製、商品名:U−220]
*7)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:TINUVIN213]
*8)ヒンダードアミン系光安定剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:TINUVIN123]
*9)シリコーン系界面活性剤[信越化学工業(株)製、商品名:KF640]
(実施例1〜7)
表2に示すシーリング材及びコーティング剤を用い、シーリング材塗布後、直ちに該シーリング材の表面にコーティング剤を塗布する条件にて、下記試験を行った。その結果をあわせて表2に示した。
Figure 2008142695
なお、表2において、シーリング材1は一成分型変成シリコーン系シーリング材(セメダイン(株)製、商品名:POSシールLM、有機スズ系硬化触媒含有)、シーリング材2は一成分型変成シリコーン系シーリング材(セメダイン(株)製、商品名:POSシール、有機スズ系硬化触媒含有)、コーティング剤1〜6はそれぞれ前記調製した表1記載のコーティング剤1〜6である。
1)スプレー塗布性試験
シーリング材表面にスプレー缶に充填されたコーティング剤をスプレー塗布し、スプレー缶内に残ったコーティング剤を24時間放置する。放置後、再度、シーリング材表面にスプレー塗布を行う。スプレー塗布が均一に行うことができる場合を○、均一に塗布できない、またはノズルの先端が硬化して塗布不可の場合を×とした。
2)耐汚染性試験
シーリング材を厚さ10mmの目地に充填し、コーティング剤をスプレー塗布した後、南面45度で屋外暴露を1、6又は12ヶ月行い、シーリング材の表面汚染の有無を目視にて調べた。汚染がひどい場合を×、汚染がやや観察される場合を△、汚染のほとんどない場合を○として評価した。
3)意匠性試験
コーティング剤をスプレー缶に充填し、シーリング材目地にスプレー塗布を行い、目地の周辺汚染性を確認する。屋外暴露試験1ヵ月後、周辺が汚染している場合を×、周辺がやや汚染している場合を△、汚染のない場合を○とした。
4)タックフリータイムの試験方法
厚み5mmのシーリング材表面にスプレー缶に充填されたコーティング剤をスプレー塗布し、23℃50%RH条件下にて指触による表面乾燥状態を確認し、指にコーティング剤組成物が付着しない時間を測定した。
5)耐候性の試験方法
厚み5mmのシーリング材表面にスプレー缶に充填されたコーティング剤をスプレー塗布し、JIS K6266:1996に準じてサンシャインウエザオメーターを用いて500時間毎のシーリング材表面状態を目視により判定した。シーリング材またはコーティング剤表面にヘアクラックが確認された時間を測定した。
表2に示した如く、本発明のコーティング剤を用いた実施例1〜7は、耐汚染性、意匠性、スプレー塗布性、及び耐候性に優れ、良好なタックフリータイムを示した。また、親水化剤を含むコーティング剤を用いた実施例6は他の実施例に比べてさらに目地の周辺汚染の落ちがよかった。
(比較例1〜4)
表3に示すシーリング材及びコーティング剤を用いた以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を併せて表3に示した。
Figure 2008142695
なお、表3において、シーリング材1は一成分型変成シリコーン系シーリング材(セメダイン(株)製、商品名:POSシールLM、有機スズ系硬化触媒含有)、シーリング材3は、ウレタン系シーリング材(セメダイン(株)製、商品名:S700V)、コーティング剤7は前記調製した表1記載のコーティング剤7、コーティング剤8は市販スプレー品(セメダイン(株)製、商品名:ノンタックスプレー)、コーティング剤9は市販スプレー品(旭硝子コート&レジン(株)製、商品名:ボンフロン9000)である。
(実施例8〜11)
表4に示すシーリング材及びコーティング剤を用い、シーリング材硬化から1週間後に該シーリング材の表面にコーティング剤を塗布する条件に変更した以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を併せて表4に示した。
Figure 2008142695
(比較例5〜7)
表5に示すシーリング材及びコーティング剤を用い、シーリング材硬化から1ヶ月後に該シーリング材の表面にコーティング剤を塗布する条件に変更した以外は、実施例1と同様に実験を行った。結果を併せて表5に示した。
Figure 2008142695
(実施例12)
外壁用接着剤として変成シリコーン系接着剤(セメダイン(株)製、商品名タイルエース、有機スズ系硬化触媒含有)を用い、コーティング剤として、前記調製した表1記載のコーティング剤1を用い、接着剤塗布後、直ちに該接着剤の表面にコーティング剤を塗布する条件、並びに接着剤硬化から1週間後に該接着剤の表面にコーティング剤を塗布する条件にて、各試験を行った。なお、試験方法はシーリング材の代わりに接着剤を3mmの厚みで塗布した以外は同様に行った。結果を表6に示した。
Figure 2008142695
(実施例13)
塗料として変成シリコーン系塗料((株)INAX製、商品名ヌリート、有機スズ系硬化触媒含有)を用い、コーティング剤として、前記調製した表1記載のコーティング剤1を用い、塗料塗布後、直ちに該塗料の表面にコーティング剤を塗布する条件、並びに塗料硬化から1週間後に該塗料の表面にコーティング剤を塗布する条件にて、各試験を行った。なお、試験方法はシーリング材の代わりに塗料を1mmの厚みで塗布した以外は同様に行った。結果を表7に示した。
Figure 2008142695
本発明の目地のコーティング方法の1つの工程例を模式的に示す説明図で、(a)は目地部にシーリング材を充填した状態を示す部分拡大断面図、(b)はシーリング材表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(c)は本発明方法によりコーティングされた目地を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。 本発明の目地のコーティング方法の他の工程例を模式的に示す説明図で、(a)は基材表面に接着剤を塗布し、表面化粧板を接着した状態を示す部分拡大断面図、(b)は接着剤表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(c)は本発明方法によりコーティングされた目地を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。 本発明の塗料のコーティング方法の1つの工程例を模式的に示す説明図で、(a)は基材表面に塗料を塗布した状態を示す部分拡大断面図、及び(b)は塗料表面にコーティング剤を塗布した状態を示す部分拡大断面図をそれぞれ示す。
符号の説明
10,20,30:外壁、11,23:目地部、12:シーリング材、14,26,34:コーティング剤、22:接着剤、24:表面化粧板、32:塗料。

Claims (11)

  1. 硬化触媒を含有する変成シリコーン系材料の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布することを特徴とするコーティング方法。
  2. 前記変成シリコーン系材料が、シーリング材、接着剤又は塗料であることを特徴とする請求項1記載のコーティング方法。
  3. 目地部を有する基材の目地部に硬化触媒を含有する変成シリコーン系シーリング材を充填する工程と、
    前記充填されたシーリング材の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする目地のコーティング方法。
  4. 基材表面に硬化触媒を含有する変成シリコーン系接着剤を塗布し、目地部を設けて複数の表面化粧板を接着する工程と、
    前記目地部の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする目地のコーティング方法。
  5. 基材表面に硬化触媒を含有する変成シリコーン系塗料を塗布する工程と、
    前記塗布された塗料の表面に硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤を塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする塗料のコーティング方法。
  6. 前記コーティング剤の塗布が噴霧であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング方法。
  7. 硬化触媒を含有しない変成シリコーン系コーティング剤であって、請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング方法に用いられることを特徴とする変成シリコーン系コーティング剤。
  8. スプレー缶に充填されてなることを特徴とする請求項7記載のコーティング剤。
  9. 反応性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体、反応性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有する(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、反応性珪素基を有するポリイソブチレン系重合体からなる群から選択される1種以上の重合体を含むことを特徴とする請求項7又は8記載のコーティング剤。
  10. アミン化合物を含有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項記載のコーティング剤。
  11. 希釈剤を含有することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項記載のコーティング剤。
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