JP2008141031A - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド自動車等に使用される金属化フィルムコンデンサに関し、高耐熱性と高耐電圧化を図ることを目的とする。
【解決手段】PETフィルム2の両面にフィルム幅方向の両端を除く部分に絶縁マージン4を設けて異電位に分離した金属蒸着電極3を形成した第1の金属化フィルム1と、PPフィルム6の片面にフィルム幅方向の両端に絶縁マージン8を設けた金属蒸着電極7を形成し、この金属蒸着電極7の抵抗値が第1の金属化フィルム1に形成された金属蒸着電極3の抵抗値よりも高いように形成された第2の金属化フィルム5を一対とし、その間にPPフィルム9を挟んで巻回した素子と、この素子の両端面に形成されたメタリコン電極10からなる構成により、高耐熱性と優れた自己回復性による高耐電圧化を実現し、さらに3枚構成のために小型化と低価格化を同時に達成できる。
【選択図】図1
【解決手段】PETフィルム2の両面にフィルム幅方向の両端を除く部分に絶縁マージン4を設けて異電位に分離した金属蒸着電極3を形成した第1の金属化フィルム1と、PPフィルム6の片面にフィルム幅方向の両端に絶縁マージン8を設けた金属蒸着電極7を形成し、この金属蒸着電極7の抵抗値が第1の金属化フィルム1に形成された金属蒸着電極3の抵抗値よりも高いように形成された第2の金属化フィルム5を一対とし、その間にPPフィルム9を挟んで巻回した素子と、この素子の両端面に形成されたメタリコン電極10からなる構成により、高耐熱性と優れた自己回復性による高耐電圧化を実現し、さらに3枚構成のために小型化と低価格化を同時に達成できる。
【選択図】図1
Description
本発明は各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路のスナバ用として最適な金属化フィルムコンデンサに関するものである。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVという)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、このような電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されており、さらに市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長い金属化フィルムコンデンサを採用する傾向が目立ってきている。
図3はこの種の従来の金属化フィルムコンデンサの構成を示した要部断面図、図4は同断面図であり、図3と図4において、21はポリエステル製の誘電体フィルム、22はこの誘電体フィルム21の一方の面の両端に形成された引き出し電極、23は同誘電体フィルム21の他方の面の両端に形成された無電位となる電極であり、これにより両面金属化フィルムが形成されている。
24はポリプロピレン製の誘電体フィルム、25は片面金属化フィルムに形成された中間電極であり、これらを巻回して素子とした後、両端に錫−鉛からなるメタリコン部26を形成し、このメタリコン部26にリード線27を溶接し、外装モールド28を施して構成されているものである。
このように構成された従来の金属化フィルムコンデンサは、無電位電極を有する両面金属化フィルムを用いたことにより耐電圧特性と耐電流特性に優れたコンデンサを提供することができるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平4−373113号公報
しかしながら上記従来の金属化フィルムコンデンサでは、錫−鉛からなるメタリコン部26にリード線27を溶接している構成であるが、このようなメタリコン部26を亜鉛により形成し、このメタリコン部26に接続端子を半田付けする場合には、半田付け時の温度が両面金属化フィルムに伝播するため、この両面金属化フィルムがポリエステルやポリプロピレン等の場合には耐熱性が低いために熱劣化を起こし、最悪の場合には両面金属化フィルムが部分的にメタリコン部から外れてしまうという課題があった。
さらに、上記半田付けは、昨今の地球環境保護の観点から鉛を含まない半田(以下、無鉛半田という)を用いることが必要となり、このような無鉛半田は従来の鉛入り半田と比較して半田付け温度が30℃前後高いために上記課題が更に顕著になるものである。
従って、このような耐熱性の問題を解決するだけであれば、耐熱性に優れたPET、PEN、PPS等の誘電体フィルムを用いれば良いが、これらの耐熱性に優れた誘電体フィルムはPPフィルムと比べてフィルムの固有抵抗が大きい等の理由により、自己保安機構を働かせることができるだけの薄くて高抵抗の金属蒸着電極を形成するのが難しいことから、自己回復性が悪く、耐電圧が低いという問題があるため、耐熱性と耐電圧を同時に満足することができないという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、耐熱性に優れ、高耐電圧化が図れ、かつ、自己保安機構の動作性に優れた金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、PET、PEN、PPSのいずれかからなる誘電体フィルムの両面に、フィルム幅方向の両端を除く部分に少なくとも1本以上の絶縁マージンをフィルム長手方向に設けることにより絶縁マージン本数+1個の異電位に分離した金属蒸着電極を形成した第1の金属化フィルムと、PPからなる誘電体フィルムの片面に、フィルム幅方向の両端に絶縁マージンを設けた金属蒸着電極を形成すると共に、この金属蒸着電極の抵抗値が上記第1の金属化フィルムに形成された金属蒸着電極の抵抗値よりも高くなるように形成された第2の金属化フィルムを一対とし、その間にPPフィルムを介在させて上記金属蒸着電極どうしが対向する状態で巻回した素子と、この素子の両端面に形成されたメタリコン電極からなる構成にしたものである。
以上のように本発明による金属化フィルムコンデンサは、メタリコン電極に接続される第1の金属化フィルムに高耐熱性の誘電体フィルムを用い、メタリコン電極と接続されない第2の金属化フィルムにPPを用いて高抵抗の金属蒸着電極を形成した構成により、半田付け時の温度にも十分に耐える高耐熱性と、優れた自己回復性による高耐電圧化を実現することができるという効果が得られるものである。
さらに、第1の金属化フィルムとPPフィルムと第2の金属化フィルムの3枚のみで構成できるため、小型化と低価格化を同時に達成できるという効果も得られるものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1による金属化フィルムコンデンサの構成を示した要部断面図であり、図1において、1は第1の金属化フィルムであり、この第1の金属化フィルム1は厚みが5.0μmのPETからなる誘電体フィルム2の両面に金属蒸着電極3を形成して構成され、この金属蒸着電極3はフィルム幅方向の両端を除く部分に絶縁マージン4をフィルム長手方向に設けることにより、異電位に分離するようにしたものであり、本実施の形態においては、この金属蒸着電極3の抵抗値を3.0Ω/□にしたものである。
5は第2の金属化フィルムであり、この第2の金属化フィルム5は厚みが6.0μmのPPからなる誘電体フィルム6の片面に金属蒸着電極7を形成して構成され、この金属蒸着電極7はフィルム幅方向の両端に絶縁マージン8を夫々設けたものであり、本実施の形態においては、この金属蒸着電極7の抵抗値を15Ω/□にしたものである。
9は厚みが12μmのPPフィルムであり、このPPフィルム9を上記第1の金属化フィルム1と第2の金属化フィルム5の間に介在させた状態で、これらを巻回することにより素子が形成されており、10はこの素子の両端面に亜鉛を溶射することにより形成されたメタリコン電極であり、これにより本実施の形態による金属化フィルムコンデンサが構成されているものである。
このように構成された本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、メタリコン電極10に接続されて電極引き出しを行う第1の金属化フィルム1に耐熱性に優れたPETを誘電体フィルム2として用いているために、半田付け時の温度が金属化フィルム1に伝播しても、十分に耐えることができる高耐熱性を発揮することができるようになるものである。
また、第2の金属化フィルム5とPPフィルム9は、メタリコン電極10と直接接続されない構成にしているために、両者共にPPフィルムを用いても半田付け時の温度による問題が発生することはないものであり、このような半田付け時の温度による影響を確認した結果を(表1)に示す。
(表1)から明らかなように、メタリコン電極10と直接半田付けされないPP製の第2の金属化フィルム5とPPフィルム9は、良好な半田付け強度を得るための半田付け温度である310℃で既にPPフィルムが熱負けを起こして充放電特性が劣化するのに対し、メタリコン電極10と直接半田付け接続されて電極引き出しを行うPET製の第1の金属化フィルム1は、良好な半田付け強度を得るための半田付け温度である310℃を超える340℃、380℃においてもPETフィルムの熱負けによる充放電特性の劣化が発生することはなく、優れた耐熱性を発揮できることが分かるものである。
また、第2の金属化フィルム5に形成した金属蒸着電極7の抵抗値(15Ω/□)を、第1の金属化フィルム1に形成した金属蒸着電極3の抵抗値(3.0Ω/□)よりも高くした構成により、自己回復性に優れ、耐電圧特性を向上させた高耐電圧化を実現することができるようになるものであり、このように第1の金属化フィルム1に形成する金属蒸着電極3の抵抗値と、第2の金属化フィルム5に形成する金属蒸着電極7の抵抗値の関係について、保安機構動作性と充放電特性を確認した結果を(表2)に示す。
(表2)から明らかなように、第1の金属化フィルム1に形成する金属蒸着電極3の抵抗値を10Ω以上にすると、第2の金属化フィルム5に形成する金属蒸着電極7の抵抗値に関係無く、自己保安機構を動作させることができない。また、第2の金属化フィルム5に形成する金属蒸着電極7の抵抗値を7Ω未満にすると、第1の金属化フィルム1に形成する金属蒸着電極3の抵抗値に関係無く、自己保安機構を動作させることができない。
従って、第1の金属化フィルム1に形成する金属蒸着電極3の抵抗値は10Ω未満、第2の金属化フィルム5に形成する金属蒸着電極7の抵抗値は7Ω以上が好ましく、より好ましくは、第1の金属化フィルム1に形成する金属蒸着電極3の抵抗値は7Ω未満、第2の金属化フィルム5に形成する金属蒸着電極7の抵抗値は10Ω以上にすることであり、これにより本発明による効果を顕著に引き出すことができるようになるものである。
なお、本実施の形態においては、第1の金属化フィルム1に用いる耐熱性が高い誘電体フィルム2としてPETを用いた例で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、PENやPPS等の高耐熱性フィルムを用いることも可能である。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で図1を用いて説明した金属化フィルムコンデンサに用いられる第2の金属化フィルムの構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図2は本発明の実施の形態2による金属化フィルムコンデンサに使用される第2の金属化フィルムの構成を示した平面図であり、図2において11は第2の金属化フィルムであり、この第2の金属化フィルム11は厚みが6.0μmのPPからなる誘電体フィルム6の片面に金属蒸着電極12を形成して構成され、この金属蒸着電極12はフィルム幅方向の両端に設けた絶縁マージン8を除く部分に設けると共に、電極区切り部13により複数の微小なセルに分割した分割電極とし、このセルどうしをヒューズ部14で接続することにより形成される自己保安機構を設けた構成のものであり、本実施の形態においては、上記金属蒸着電極12の抵抗値を15Ω/□にしたものである。
このように構成された本実施の形態による金属化フィルムコンデンサは、上記実施の形態1による金属化フィルムコンデンサにより得られる効果に加え、自己保安機構を設けることによって、より信頼性の高い金属化フィルムコンデンサが得られるようになるという格別の効果を奏するものである。
本発明による金属化フィルムコンデンサは、高耐熱性と高耐電圧化を同時に実現して高い信頼性を有するという効果を有し、特に高い信頼性が要求される自動車用のコンデンサ等として有用である。
1 第1の金属化フィルム
2、6 誘電体フィルム
3、7、12 金属蒸着電極
4、8 絶縁マージン
5、11 第2の金属化フィルム
9 PPフィルム
10 メタリコン電極
13 電極区切り部
14 ヒューズ部
2、6 誘電体フィルム
3、7、12 金属蒸着電極
4、8 絶縁マージン
5、11 第2の金属化フィルム
9 PPフィルム
10 メタリコン電極
13 電極区切り部
14 ヒューズ部
Claims (2)
- 誘電体フィルム上に金属蒸着電極を形成した第1/第2の金属化フィルムを一対としてその間にPP(ポリプロピレン)フィルムを介在させて上記金属蒸着電極どうしが対向する状態で巻回した素子と、この素子の両端面に金属溶射によって形成されたメタリコン電極からなる金属化フィルムコンデンサにおいて、上記第1の金属化フィルムが、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)のいずれかからなる誘電体フィルムの両面に、フィルム幅方向の両端を除く部分に少なくとも1本以上の絶縁マージンをフィルム長手方向に設けることにより絶縁マージン本数+1個の異電位に分離した金属蒸着電極を形成したものであり、第2の金属化フィルムが、PP(ポリプロピレン)からなる誘電体フィルムの片面に、フィルム幅方向の両端に絶縁マージンを設けた金属蒸着電極を形成し、かつ、この金属蒸着電極の抵抗値が、上記第1の金属化フィルムに形成された金属蒸着電極の抵抗値よりも高くなるようにしたものである金属化フィルムコンデンサ。
- 第2の金属化フィルムに形成した金属蒸着電極に分割電極を設け、この分割電極をヒューズで接続することにより構成される自己保安機構を設けた請求項1に記載の金属化フィルムコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006326618A JP2008141031A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 金属化フィルムコンデンサ |
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JP2006326618A Pending JP2008141031A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | 金属化フィルムコンデンサ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105206420A (zh) * | 2014-06-11 | 2015-12-30 | 深圳市铜峰电子有限公司 | Cbb82s型耐大电流、长寿命聚丙烯薄膜电容器 |
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2006
- 2006-12-04 JP JP2006326618A patent/JP2008141031A/ja active Pending
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CN105206420A (zh) * | 2014-06-11 | 2015-12-30 | 深圳市铜峰电子有限公司 | Cbb82s型耐大电流、长寿命聚丙烯薄膜电容器 |
CN105206420B (zh) * | 2014-06-11 | 2019-09-20 | 深圳市深峰电子有限公司 | Cbb82s型耐大电流、长寿命聚丙烯薄膜电容器 |
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