JP2008140919A - 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 - Google Patents
波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008140919A JP2008140919A JP2006324580A JP2006324580A JP2008140919A JP 2008140919 A JP2008140919 A JP 2008140919A JP 2006324580 A JP2006324580 A JP 2006324580A JP 2006324580 A JP2006324580 A JP 2006324580A JP 2008140919 A JP2008140919 A JP 2008140919A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wavelength conversion
- conversion element
- light source
- wavelength
- laser light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
- Lasers (AREA)
Abstract
【解決手段】励起光源1と共振器30と共振器内30に少なくともレーザ媒質6と波長変換素子10とを備える。波長変換素子10は擬似位相整合による波長変換部11を光の入出射端面側に部分的に有し、波長変換素子10の入出射端面とは反対側の端面に少なくとも変換波を反射する反射部13が設けられる。
【選択図】図2
Description
これは、共振器内変換のように基本波を波長変換素子内に折返して波長変換を行う擬似位相整合素子においては、折返しに最も近い部分の光路内で基本波と変換波(例えば高調波)の分散による位相差の影響でその光路長に依存する大きな強度変化が生じるためである(上記非特許文献1参照)。したがって、可干渉距離(コヒーレント長)の範囲内において安定した出力を得るには、出射位相と反射位相とを光路長によって厳密に制御することが必要となる。
このような構成とする場合は、波長変換素子内において2方向に発生する変換波のうち一方を直接変換波とし、逆方向に発生する変換波を折り返し変換波とすると、これらの直接変換波と折り返し変換波とが干渉することを確実に低減することができるので、より確実に出力の安定化を図ることができる。
本発明の波長変換素子によれば、上述の本発明構成のレーザ光源装置と同様に、部品点数の削減を図ると共に、従来に比して簡易な構成をもって出力の安定化を図ることが可能となる。
また、本発明の画像生成装置によれば、少なくとも1つのレーザ光源装置の部品点数の削減を図ると共に、その出力の安定化を図ることができる。
・ 第1の実施形態例
図1は、本発明の第1の実施形態例に係る波長変換素子の一例の概略断面構成図である。この波長変換素子10は、その入出射端面10A側に波長変換部11が設けられ、その反対側が非波長変換部12として構成される。そして、非波長変換部12側の端面に、少なくとも波長変換素子10内で発生する変換波を高反射率で反射する反射部13が設けられる。非波長変換部12の光路に沿う方向の長さdは、後述するように、変換波の可干渉距離の2分の1を越える光学的距離となるように選定されることが望ましい。
また、それらに分極反転処理をほどこした、PP−C−LiNbO3、PP−C−LiTaO3、PP−S−LiNbO3、PP−S−LiTaO3(PPSLT)、PP−MgO:C−LiNbO3、PP−MgO:C−LiTaO3、PP−ZnO:C−LiNbO3、PP−ZnO:C−LiTaO3、PP−MgO:S−LiNbO3、PP−MgO:S−LiTaO3、PP−ZnO:S−LiNbO3、PP−ZnO:S−LiTaO3、PP−KTiOPO4などの結晶素子を挙げることができる。なおここで、「C」は「congruent(一様融液)組成」、「S」は「Stoichiometric(化学量論的)組成」、「PP」は「Periodical Poling(周期分極反転)」を意味する。
このような構成において、基本波は共振器ミラー205と213との間において矢印LfA及びLfBで示すように往復して共振する。波長変換素子210で波長変換される変換波は、光路に沿って逆向きに2本発生する。そのうちの1つは、矢印LgDで示すようにミラー207を透過して直接分離され、外部に取り出される。これを直接変換波とする。また、もう一方の変換波は、共振器ミラー213を透過して折り返しミラー214により反射されて、再び共振器ミラー213を透過し、波長変換素子210を通過してミラー207を透過し、外部に取り出される。これを折り返し変換波とする。
図4Aにおいては、波長変換素子210内に入射される基本波のうち一方をFA、他方をFBとして示す。基本波FAは矢印Aで示すように共振器ミラー213側へ向かって進行し、基本波FBは矢印Bで示すようにそれとは反対方向に向かって進行する。基本波FAによって図4Bに示すように、変換波GAが矢印gAで示すように発生し、共振器ミラー213側に向かって進行し、共振器ミラー213を透過して折り返しミラー214で反射されて矢印gRで示すように逆方向に向かって進行する。この折り返し変換波を破線GRで示す。また、基本波FBによって、図4Cに示すように変換波GDが発生し、矢印gDで示すように進行する。
このとき変換波を取り出す効率は、折り返しミラー214と波長変換素子210の共振器ミラー213側の出射端面との光学的距離d1に応じて次の2つの場合に分けて考えられる。なお、波長変換素子210は非線形光学結晶より成り、且つ周期分極反転構造により擬似位相整合された非線形光学素子とする。
一方、距離d2が時間的可干渉距離の半分より大きいときは、直接変換波LgDと折り返し変換波LgRは十分干渉が抑制され、出力光は安定化される。
なお、以上説明した図3及び図5に示す例において、距離d1及びd2を変換波の時間的可干渉距離の半分より長くする場合は、波長変換素子210と共振器ミラー213との距離が比較的長くなる。このため、図3及び図5に示すように凹面鏡型のミラー207を用いて単純に波長変換素子210に集光される共振器構成を得ることが難しくなる。変換効率は一般に基本波密度に比例するので、集光変換を行わない場合は波長変換効率が低下する恐れがある。
図6Aにおいては、波長変換素子10内に入射される基本波のうち、矢印aで示すように反射部13側へ向かって進行する基本波をFa、反射部13により反射され、矢印bで示すように入出射端面10A側に向かって進行する基本波をFbとする。基本波Faによって図6Bに示すように変換波Gaが発生し、矢印gaで示すように反射部13側に向かって進行し、反射部13で反射されて矢印grで示すように逆方向、すなわち波長変換素子10の入出射端面10A側に向かって進行する。この折り返し変換波を破線Grで示す。また、基本波Fbによって、図6Cに示すように変換波Gdが矢印gdで示すように進行する。
しかもこの場合、擬似位相整合で多く用いられる波長変換材料LiTaO3やLiNbO3では、その屈折率は約2.1と空気のそれよりも大幅に大きいため、可干渉距離の半分を超える距離として必要となる距離dは、上述の図3及び図5で示す比較例における距離d1及びd2の半分以下となる。したがって、図2に示す反射部7として凹面鏡を用いることが可能であり、波長変換素子10内の基本波密度を高めることができるので、比較的高い変換効率を得ながら同時に時間的可干渉距離の半分より長い距離dをもって反射部13を配置構成することが可能となるという利点を有する。
図7に示すように、例えば最初の工程41において、LiTaO3等の非線形光学結晶より成る基板を電圧印加用の電極を成膜する成膜装置内に投入する。その後、工程42において、電極層成膜と、レジスト塗布、マスク露光及び現像によるリソグラフィーの適用による周期反転用電極作製工程を行う。リフトオフ法を用いてもよい。次に、工程43として電界印加により分極反転工程を行う。その後工程44で基板を切断し、工程45において入出射端面の光学研磨を行った後、工程46として反射膜成膜等により反射部を形成する。更に工程46として洗浄を経て工程47で完成に至る。
また、例えば波長変換部にLiTaO3を用い、非波長変換部12としてそれよりも屈折率の高い材料、たとえばTiO2(ルチル、n≒2.6)、やC(ダイアモンド、n≒2.4)を用いると、波長変換部11と反射部13の物理的距離dを、LiTaO3のみで非波長変換部12を含む全体を作製する場合よりも更に短くすることができる。したがって、この場合はより小型の波長変換素子を作製することが可能となり、レーザ光源装置全体の小型化にも有利となる。
また、図8Bにおいては、端面12Aを傾斜面とした場合、また図8Cにおいては、端面12Aをプリズム状とした場合をそれぞれ示す。このような構成とする場合、直接変換波と折り返し変換波との光軸をわずかにずらすことができ、空間的にずらすこととなるので、干渉効果を低減することが可能となる。また、空間的可干渉距離を超えてずらす場合においては、干渉を確実に低減化することが可能となる。
このように、折り返し変換波と直接変換波とが空間的にずらして出力される場合、より望ましくは空間的可干渉距離以上にずらして出力される場合は、非波長変換部12内を通過する光学的距離が可干渉距離を超える構成とはならない場合であっても、干渉をある程度低減し、出力の安定化を図る効果が得られる。
(2)第2の実施形態例
この実施形態例に係るレーザ光源装置20の一例の概略平面構成図及び概略側面構成図を図9及び図10に示す。この例においては、励起光源として半導体レーザアレイ等より成る1次元横マルチモードのレーザ光を出射する固体レーザを用いてレーザ光源装置20を構成する例を示す。なお、このように1次元横マルチモードとされる励起光源1を用いる場合、波長変換素子10内で発生する変換波は線状のビームとなる。図9及び図10において、図1及び図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
半導体レーザを用いる場合、y−z平面内ではx−z平面内に比べて大きな発散角をもつが、各面について別個のシリンドリカルレンズを用いるので、出射ビーム径をそれぞれ独立に制御して所望のビーム形状にすることができる。また、レーザダイオードの発光領域の大きさにより非点収差が問題となるときは、その補正用として上記のシリンドリカルレンズを用いることが好ましい。
またこの例においては、上述したように横マルチモードのレーザ光を励起光源1からの励起光として利用する構成である。このため、例えば前述の図8B及びCに示すように波長変換素子10の反射部13を設ける端面の形状を傾斜面やプリズム形状として、横マルチモードとする長軸方向に折り返し変換波を空間的にずらす構成とする場合は、更に干渉を低減することが可能である。
次に、図11〜図14を参照して、本発明の第3の実施形態例に係るレーザ光源装置20の各例について説明する。これらの例においては、レーザ媒質の側面から励起光を照射するいわゆるサイドポンプ型構成とするものである。図11〜図14において、図9及び図10と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
サイドポンプ型構成とする場合、構成の簡素化によって部品点数の削減やコスト低減に有効であり、光学的な調整箇所が少なく組み立て調整作業の簡易化を図るなどの利点が得られる。
また、図12に示す例においては、コリメータレンズ3を使わないため、x−y平面内においてのみコリメーションが行われる。
そして、レーザ媒質6から出射される基本波の光路上に反射部7が配置され、反射部7の反射光路上に例えば凹面ミラーより成る反射部8、反射部8の反射光路上に波長変換素子10が配置される。共振器ミラー5、反射部7、8及び13が基本波に対して高反射率とされる。
波長変換素子10としては、上述の図1において説明した例と同様に各種材料より成る非線形光学素子又は非線形光学結晶を用いることができる。
z軸方向に沿って反射部7に到達したレーザ光は反射部7で反射され、反射部8に向かい、更に反射部8によって反射されて波長変換素子10に入射される。波長変換素子10の波長変換部11及び非波長変換部12を通過した基本波は反射部13により反射され、共振器ミラー5との間の光路を往復する。
図11に示す例においては、コリメータレンズ2及び3によるコリメートを行うため、平行光での励起により、高効率のサイドポンプを実現することが可能である。発振モードサイズと励起光のサイズを一致させれば、1次元横マルチモード発振においてエンドポンプ型構成とするレーザ光源装置と同様の高効率発振が可能となる。
また、図12に示す例では、コリメータレンズ2を用いてx−y平面内でのコリメーションを行い、レーザ媒質6の縦方向(z軸方向)において発振モードサイズと励起光のサイズを一致させることができる。
更に、図13に示す例では、コリメータレンズを用いない構成とするので、部品点数やコストの削減、製造工程の簡易化に有利となる。
そしてこれらの例においても、波長変換素子10の波長変換部11と反射部13との間の光学的距離を変換波の時間的可干渉距離の半分を超える距離とする場合は、直接変換波と折り返し変換波との干渉を十分低減し、出力の安定化を図ることが可能となる。
この場合、共振器30は、平面鏡等より成る共振器ミラー5、凹面鏡等より成る反射部7、波長変換素子10の反射部13との間で構成され、反射部7の反射光路上に波長変換素子10が配置される。反射部13は基本波及び変換波に対し高反射率を有する多波長反射機能を備える構成とする。
この場合においても、波長変換素子10の波長変換部11と反射部13との間の光学的距離を変換波の時間的可干渉距離の半分を超える距離とすることによって、上述の各実施形態例と同様に、直接変換波と折り返し変換波との干渉を十分に低減し、出力の安定化を図ることができる。
更に、図11〜図14に示す例において、波長変換素子10にも受ける反射部13を曲面状として凹面鏡型構成とする場合は、基本波を波長変換素子10内に集光することによって、変換効率を高めることが可能である。
上述したように、本発明の波長変換素子を用いる場合は共振器ミラーを兼用する反射部と波長変換部を一体化しているため、部品点数の削減、組立て調整コストの削減、光学端面の減少により共振器損失の低減を通じ変換効率の上昇、信頼性の向上が見られる。横マルチモードレーザではコヒーレント長が比較的短いため、効率を損なうことなく波長変換素子10及び共振器30の設計を行うことが可能である。
次に、本発明の実施形態例に係る波長変換素子において、その非波長変換部に、波長変換部に設ける擬似位相整合条件とは異なる条件をもって周期分極反転構造を形成する例について説明する。この実施形態例に係る波長変換素子の一例の概略断面構成図を図15に示す。図15に示すように、この例においては、波長変換素子10の入出射端面10A側に周期分極反転構造11Pより成る波長変換部11を設けると共に、非波長変換部12においても、波長変換部11の周期分極反転構造11Pとは異なる周期の周期分極反転構造12Pが形成される。
一般に、周期分極反転構造を形成することにより、レーザ光耐力(フォトリフラクティブ耐性)の比較的小さい材料であっても、フォトリフラクティブ耐性が向上する効果が得られることが知られている(例えばM. Taya et al, “Photorefractive effects in periodically poled ferroelectrics,” Optics Letters, vol21, (1996), p.857参照)。
レーザ光耐力(フォトリフラクティブ耐性)の比較的小さい材料では、レーザ光の照射によってフォトリフラクティブ効果により屈折率が周期的に変化する分布構造が生成され、波長変換素子の場合は変換波の出力の低下、変換効率の低下を来たすという問題がある。光路内の屈折率が変化するので、位相整合条件からのはずれ、いわゆる位相不整合(dephasing)の状態となってしまうためである。また、位相不整合まで至らない場合でも、空間的な屈折率変化によりレンズ効果が生じ、ビーム変形(fanning)を惹き起こす。適用される光学装置によってビーム形状の変化の許容度が低い場合は問題となる。
また、フォトリフラクティブによる屈折率変化は、時定数をもって緩和する。極端な場合は数時間から数日にわたって屈折率変化が残存する。したがって、例えばレーザ光源装置を一端停止し、次に点灯した際に、その停止時間がフォトリフラクティブ効果の緩和時間より短いと位相整合条件が異なり、出力やビーム形状が変わる可能性がある。すなわち装置の停止時間によって出力やビーム形状の変動を来すこととなるため、フォトリフラクティブ効果の低減、すなわちフォトリフラクティブ耐性の向上が望まれている。
一例として、室温近傍にて励起波長を固定し、周期分極反転構造の分極周期を変化したときに非線形過程で発生する変換波の波長を図16及び図17に示す。図16においては波長が532nmの励起光の場合、図17においては波長が1064nmの励起光による場合を示す。
図16に示すように、波長532nmの励起光による場合は、実線a1で示す波長λ1の変換波と破線a2で示す波長λ2の変換波が発生する。また、図17に示すように、波長1064nmの赤外光の励起による場合は、実線b1で示すように波長λ3の変換波と波長λ4の変換波が発生する。また、図示しないが分極周期が2.2μmの場合は、波長532nmの光と波長1064nmの赤外光の和周波発生によって波長355nmの紫外光が変換波として発生する。なお、3倍の分極周期とする場合においても、変換効率は9分の1となるが波長変換が成立するので、図16及び図17に示す分極周期に加えて、これらの3倍の分極周期も避けたほうが望ましい。
したがって、非波長変換部11に形成する11Pの分極周期は、これらの変換波が発生する分極周期を除いた周期とすることが望ましい。
周期分極反転構造の分極周期において波長変換が発生し得る値を図18において模式的に記号◆として示す。波長変換が発生する分極周期を除く領域を矢印C1〜C4として示す。
これらの領域は、分極周期をPとすると、
C1:P<8μm(但し2.2μm及び6.6μmを除く)
C2:14μm≦P≦24μm
C3:43μm<P<75μm
C4:P>100μm
となる。
また、図19Bにおいては、波長532nmの基本波L532を波長変換部11に入射してパラメトリック発振により波長3300nm及び630nmの変換波L3300及びL630を出力する例を示す。
更に、図19Cにおいては、波長1064nm及び532nmの基本波L1064及びL1064を波長変換部11に入射することにより、和周波発生により波長355nmの変換波L355を出力する例を示す。
これらいずれの例においても、本発明構成の波長変換素子とすることによって、直接変換波と折り返し変換波との干渉を十分に低減し、且つ、非波長変換部において、上述した領域C1〜C4に示す周期の周期分極反転構造を設けることによって、フォトリフラクティブ効果を抑制し、変換効率を低減することなく、出力の安定化を図ることが可能となる。
この場合、常に図19Cに示すように波長1064nmの基本波とその変換波である波長532nmの光との和周波発生が実現されている。したがって、この場合は2.2μm及びその3倍の6.6μmを除くことによって、波長1064nmの基本波と波長532nmの変換波との和周波発生を回避することができる。更にこの場合、変換波である波長532nmの光の更なる波長変換を回避するために、8μm及びその3倍の24μmを除くことが必要である。
また、図19Bに示すように、波長532nmの基本波を用いる場合は、非波長変換部12に設ける周期分極反転構造12Pの分極周期は、8μm以上14μm未満を除き、かつその3倍の24μm以上42μm未満を除くことが望ましい。
これらの範囲の周期Pとした周期分極反転構造12Pを非波長変換部12に形成することによって、不要な波長変換を生じることなく、フォトリフラクティブ効果を低減して、波長変換効率の低下を回避した波長変換素子10を構成することができる。なお、極端に細かい周期分極反転構造を精度良く形成することは困難であるので、実用的には20μm程度、50μm程度、または100μmを超える分極周期を選定することが望ましいといえる。
また、分極周期と変換波の波長の関係は温度に依存する。したがって、用いるレーザ光源の使用温度マージンを考慮して、分極周期も0.05μm〜0.1μm程度の適切なマージンをもって選定することが望ましい。
次に、このような画像信号の構成方法を利用した本発明の画像生成装置の一実施形態例について図20を参照して説明する。図20に示すように、この画像生成装置100は本発明構成によるレーザ光源装置20と、照明光学系50、例えば回折格子型の1次元光変調装置51及び光選択部52を含む光変調部55、投射光学部53、走査素子54を有する走査光学部56から構成される。レーザ光源装置20としては、前述の実施形態例と同様に例えば横マルチモードの1次元状の変換波、例えば第2高調波を出力する構成とし得る。そしてこのレーザ光源装置20から出射されて照明光学系50において例えば光束形状を整えられたレーザ光Loは、例えば回折格子型構成の1次元光変調装置51に例えば1次元状(線状)の光ビームとして照射される。
レーザ光源装置20において、変換波の干渉が比較的大きい場合、これを画像生成装置100に適用して得られる画質は、時間的な変化を伴った不安定なものになる。これは、干渉効果によって時間変動する光源の出力変動そのものを反映するからである。この不安定性は、本発明構成の波長変換素子を用いて、特にその波長変換部と反射部との間の距離を変換波の可干渉距離の半分を超える距離とすることによって十分に低減することができ、出力が安定し、したがって時間変動の少ない良質な画質をもって画像を生成することが可能となる。
更にまた、画像生成装置以外においても、共振器内部に波長変換素子を有するレーザ装置を1以上用いる光学装置であれば、その少なくとも1つのレーザ光源装置に本発明を適用することが可能である。
(1)比較的簡易な構成をもって、直接変換波と折り返し変換波との干渉を低減し、出力の安定、またコヒーレント性の制御された変換波を出力する波長変換素子及びレーザ光源装置を提供することができる。
(2)反射部を多波長反射構成とすることによって、部品点数の削減を図ることができる。
(3)波長変換部と反射部との間の光学的距離を変換波の時間的可干渉距離の半分を超える距離とすることによって、確実に直接変換波と折り返し変換波との干渉を低減することができる。
(4)波長変換素子と反射部とを一体化する構成とできるので、組立て調整コストの削減を図り、且つ光学端面の減少により共振器損失の低減を通じ変換効率を向上させ、また信頼性の向上も図ることができる。
(5)波長変換部として擬似位相整合条件による周期分極反転構造を構成する場合は、その分極反転用の電極パターンを変えるのみによって、容易に、また工程数を増加することなく、精度良く波長変換部及び非波長変換部を波長変換素子内に形成することができる。
(6)非波長変換部において、擬似位相整合条件とは異なる周期の周期分極反転構造を設けることによって、フォトリフラクティブ効果を低減することができる。これによりフォトリフラクティブ耐性の比較的低い非線形光学材料の利用が可能となる。
(7)波長変換素子の反射部を設ける端面を曲面状とすることによって集光効果を得て、変換効率を高めることができる。
(8)波長変換素子の反射部を設ける端面を傾斜面又はプリズム形状とすることによって、直接変換波及び折り返し変換波とを空間的にずらし、干渉を低減する効果を得ることができる。
(9)励起光として1次元横マルチモードの光を用いる場合は、可干渉距離が比較的短いので、波長変換素子の小型化を図ることができる。
Claims (10)
- 励起光源と、共振器と、前記共振器内に少なくともレーザ媒質と波長変換素子とを備え、
前記波長変換素子は、擬似位相整合による波長変換部を光の入出射端面側に部分的に有して成り、
前記波長変換素子の前記入出射端面とは反対側の端面に、少なくとも前記波長変換部において発生する変換波を反射する反射部が形成されて成る
ことを特徴とするレーザ光源装置。 - 前記波長変換素子の前記反射部は、前記変換波に加えて少なくとも前記レーザ媒質の発振波長の光を反射する多波長反射機能を有することを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 前記波長変換素子内の前記波長変換部と、前記反射部との光学的距離が、前記変換波の時間的可干渉距離の1/2より長く選定されて成ることを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 前記波長変換素子の前記波長変換部は、周期分極反転構造により擬似位相整合されることを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 前記波長変換素子の前記波長変換部と前記反射部との間の領域である非波長変換部に、前記波長変換部における擬似位相条件と異なる周期の分極反転構造が形成されて成ることを特徴とする請求項4記載のレーザ光源装置。
- 前記波長変換素子の前記反射部が設けられる面が、曲面及び/又は前記入出射端面に対し平行でない傾斜面を少なくとも一部に有する形状とされて成ることを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 前記波長変換素子に入射される基本波は、1次元横マルチモードとされることを特徴とする請求項1記載のレーザ光源装置。
- 波長変換部が一方の入出射端面側に部分的に形成されて成り、
前記入出射端面とは反対側の端面に、少なくとも前記波長変換部で発生する変換波を反射する反射部が形成されて成る
ことを特徴とする波長変換素子。 - 前記波長変換部は、周期分極反転構造により擬似位相整合されて成り、
前記波長変換部と前記反射部との間の領域である非波長変換部に、前記波長変換部における擬似位相条件と異なる周期の分極反転構造が形成されて成ることを特徴とする請求項8記載の波長変換素子。 - 1以上のレーザ光源装置と、空間光変調部と、投影光学部とを有し、
少なくとも1つのレーザ光源装置は、励起光源と、共振器と、前記共振器内に少なくともレーザ媒質と波長変換素子とを備え、
前記波長変換素子は、波長変換部を光の入出射端面側に部分的に有して成り、
前記波長変換素子の前記入出射端面とは反対側の端面が、少なくとも前記波長変換部で発生する変換波を反射する反射部とされて成る
ことを特徴とする画像生成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324580A JP4967626B2 (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324580A JP4967626B2 (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008140919A true JP2008140919A (ja) | 2008-06-19 |
JP4967626B2 JP4967626B2 (ja) | 2012-07-04 |
Family
ID=39602100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006324580A Active JP4967626B2 (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4967626B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008164880A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Shimadzu Corp | 擬似位相整合素子用多層膜コーティング |
WO2011048795A1 (ja) * | 2009-10-21 | 2011-04-28 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
WO2011132414A1 (ja) * | 2010-04-23 | 2011-10-27 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
JP2020140033A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 広帯域光周波数コム光源 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7228792B2 (ja) | 2019-06-07 | 2023-02-27 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 波長変換装置 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09127567A (ja) * | 1995-10-26 | 1997-05-16 | Hiromasa Ito | 光デバイス |
JPH1168210A (ja) * | 1997-08-19 | 1999-03-09 | Toshiba Corp | レ−ザ発振装置 |
JP2000010133A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-14 | Oki Electric Ind Co Ltd | 波長変換素子 |
JP2002270933A (ja) * | 1993-05-21 | 2002-09-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | レーザ光源 |
JP2005274980A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Mitsui Chemicals Inc | 分極反転による波長変換素子および波長変換レーザ |
JP2006100772A (ja) * | 2004-04-22 | 2006-04-13 | Sony Corp | 1次元照明装置及び画像生成装置 |
JP2008508561A (ja) * | 2004-07-30 | 2008-03-21 | ノバラックス,インコーポレイティド | モード同期拡張キャビティ面発光半導体レーザの波長変換用装置、システム、および方法 |
-
2006
- 2006-11-30 JP JP2006324580A patent/JP4967626B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002270933A (ja) * | 1993-05-21 | 2002-09-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | レーザ光源 |
JPH09127567A (ja) * | 1995-10-26 | 1997-05-16 | Hiromasa Ito | 光デバイス |
JPH1168210A (ja) * | 1997-08-19 | 1999-03-09 | Toshiba Corp | レ−ザ発振装置 |
JP2000010133A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-14 | Oki Electric Ind Co Ltd | 波長変換素子 |
JP2005274980A (ja) * | 2004-03-24 | 2005-10-06 | Mitsui Chemicals Inc | 分極反転による波長変換素子および波長変換レーザ |
JP2006100772A (ja) * | 2004-04-22 | 2006-04-13 | Sony Corp | 1次元照明装置及び画像生成装置 |
JP2008508561A (ja) * | 2004-07-30 | 2008-03-21 | ノバラックス,インコーポレイティド | モード同期拡張キャビティ面発光半導体レーザの波長変換用装置、システム、および方法 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008164880A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Shimadzu Corp | 擬似位相整合素子用多層膜コーティング |
WO2011048795A1 (ja) * | 2009-10-21 | 2011-04-28 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
US8699123B2 (en) | 2009-10-21 | 2014-04-15 | Panasonic Corporation | Wavelength conversion laser light source and image display apparatus |
JP5529153B2 (ja) * | 2009-10-21 | 2014-06-25 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
WO2011132414A1 (ja) * | 2010-04-23 | 2011-10-27 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
CN102474065A (zh) * | 2010-04-23 | 2012-05-23 | 松下电器产业株式会社 | 波长转换激光光源及图像显示装置 |
US8456734B2 (en) | 2010-04-23 | 2013-06-04 | Panasonic Corporation | Wavelength conversion laser light source and image display device |
JPWO2011132414A1 (ja) * | 2010-04-23 | 2013-07-18 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源及び画像表示装置 |
JP5654576B2 (ja) * | 2010-04-23 | 2015-01-14 | パナソニック株式会社 | 波長変換レーザ光源 |
JP2020140033A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 広帯域光周波数コム光源 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4967626B2 (ja) | 2012-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4636315B2 (ja) | 1次元照明装置及び画像生成装置 | |
JP5214630B2 (ja) | 波長変換レーザ | |
US5838709A (en) | Ultraviolet laser source | |
JP4144642B2 (ja) | レーザ光源装置及びこれを用いた画像生成装置 | |
JPH10256638A (ja) | 固体レーザ装置 | |
US8456734B2 (en) | Wavelength conversion laser light source and image display device | |
JPWO2009047888A1 (ja) | 固体レーザー装置及び画像表示装置 | |
JP2009259914A (ja) | レーザ装置、レーザディスプレイ装置およびレーザ照射装置 | |
JP4967626B2 (ja) | 波長変換素子とこれを用いたレーザ光源装置及び画像生成装置 | |
JP4428382B2 (ja) | レーザ光源装置及びこれを用いた画像生成装置 | |
JP2006019603A (ja) | コヒーレント光源および光学装置 | |
JP4760954B2 (ja) | レーザ光源装置及びこれを用いた画像生成装置 | |
JP4618487B2 (ja) | 1次元照明装置及び画像生成装置 | |
US8351108B2 (en) | Wavelength conversion laser and image display device | |
JP3683360B2 (ja) | 偏光制御素子および固体レーザー | |
JP2007073552A (ja) | レーザ光発生装置及び画像生成装置 | |
JP2009218232A (ja) | レーザ光源装置及びこれを用いた画像生成装置 | |
JP5251040B2 (ja) | レーザ光源装置及びこれを用いた画像生成装置 | |
JP4618486B2 (ja) | 光源装置及び画像生成装置 | |
JP5251016B2 (ja) | レーザ光源装置とその調整方法及び画像生成装置 | |
JPH07142805A (ja) | 半導体露光装置及び露光方法 | |
JPH0388380A (ja) | 固体レーザ装置 | |
JP2006049506A (ja) | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 | |
JPH0799357A (ja) | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 | |
JP2009003210A (ja) | 二次高調波発生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111011 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120110 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120306 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120319 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4967626 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |